以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
<制御部>
次に、図2および図3を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リール110乃至112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ172、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ172は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払出口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉163を制御する制御部である。
<遊技の基本的制御>
図4は、本実施例のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は副制御部400に送信する。
以下、この処理について説明する。電源投入が行われると、まず、S101で初期処理が実行される。ここでは各種の初期化処理が行われる。S102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS104へ進む。
S103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S104では乱数発生器で発生させた乱数を取得する。S105では、現在の遊技状態に応じてROMに格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。S106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
S107では全リール110乃至112の回転を開始させる。S108では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとS109へ進む。
S109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)については、今回の遊技で入賞しなかった場合は、次回の遊技に内部当選フラグがONの状態が維持される。所謂フラグの持ち越しが行われる。S110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S111では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了する。以降S102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<本体内部構造>
次に、本実施例のスロットマシン100の内部構成について簡単に説明する。図5は、スロットマシン100の内部構成の概略を示す前面扉102を開いた斜視図である。本体101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110乃至112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、本体101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102が本体101に閉じられた状態で前面扉102に取付られた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
本体101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、本体101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、本体101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、本体101の内部には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設してある。メダル払出装置180は、DCモーターで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体182と、払出装置本体182にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク181とで構成されている。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納部240が置かれており、前記メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部240内に蓄積される。
そして、前記主制御基板及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側板には、副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
一方、本体101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置190、この演出装置を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ710、このメダルセレクタ710が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。詳細は後述するがメダルセレクタ710は、前面扉102側に固定した後述するセレクタカバー720(図略)に着脱可能に取り付けられ、セレクタカバー720は、投入されたメダルをメダルタンク181に案内する通路となるメダル搬送樋721を備えている。
次に、メダルを投入するメダル投入口134、および投入されたメダルを選別するメダルセレクタ710について説明する。図6は、メダル投入口134およびメダルセレクタ710の全体を示す斜視図である。図7は、メダル投入口134およびメダルセレクタ710の分解斜視図である。図8は、図6におけるA−A線に沿った断面図、図9は、図8におけるY部の拡大図、図10は、図6におけるB−B線に沿った断面図、図11は、図10におけるZ部の拡大図である。
<メダルセレクタ>
先ず、メダルセレクタ710は、メダル投入口134から投入されたメダルの真偽を判別するため、すなわち、投入されたメダルが、適正なメダルであるか否かを判別し、適正なメダルをスロットマシン100の内部に取り込むと共に、不正なメダルを排出するためのユニット化された装置である。
そこで、このメダルセレクタ710は、前面扉102の背面側に取り付けたセレクタカバー720に対して着脱可能に取り付けられる。また、セレクタカバー720には、適正なメダルをホッパー180(メダル払出装置)に誘導するためのメダル搬送樋721が設けてある。
メダルセレクタ710を構成するベース部711は、メダルが通過するメダル通路712、メダルの通過を阻止するメダルブロッカ713、メダルの通過を検出するメダル投入センサ714、前記メダル通路712を形成する第1の側面ガイド715および第2の側面ガイド716、などを備えている。
また、メダルセレクタ710は、ベース部711の側面にメダル出口717を備えており、このメダル出口717から転出する適正なメダルが、セレクタカバー720のメダル搬送樋721を介してホッパー180へ向けて転動する。
一方、不正なメダルは、メダル受皿156に排出される。すなわち、規定の直径に満たない小径なメダルは、上縁が第1の側面ガイド715に係止することなく転倒して排出される。また、メダルの受入を禁止しているタイミングで投入されたメダルは、メダル通路712内に突出したメダルブロッカ713により排出される。なお、メダルの受入を禁止するタイミングは、リプレイが入賞した遊技の次回遊技のときやクレジットによる貯留枚数が上限に達したときなどがある。
<メダル投入口>
次に、メダル投入口134について説明する。メダル投入口134は、遊技者が遊技を行なうために遊技媒体であるメダルをスロットマシン100に投入するための開口である。
そこで、メダル投入口134は、前面扉102の見易い位置に開口しており、メダル投入口構成部材730を前面扉102に取り付けることによって構成してある。このメダル投入口134には、遊技を行なうために、遊技者がメダルを投入するが、投入は通常、複数のメダル、大抵は3枚のメダルを投入する。しかし、メダル投入口134に複数のメダルを同時に投入したのでは、メダルが詰まってしまう。そこで、メダル投入口134の開口端すなわち入口は、1枚のメダルよりも大きいが、2枚のメダルを同時に受け入れることのできない大きさに形成してある。
したがって、遊技者が、複数のメダルを掴んでメダル投入口134へ臨ませても、メダル投入口134が受け入れることのできるメダルは1枚なので、2枚目以降のメダルは、順番に時間差を持って受け入れられることになる。
メダル投入口134を構成するメダル投入口構成部材730は、例えば金属材による成形品である。そして、メダル投入口構成部材730には、メダル投入口134より投入されたメダルを下方位置へ誘導する第1メダル誘導路731が設けてある。この第1メダル誘導路731は、例えば、上側が広く、下側が若干が狭くなる傾斜を有した、すなわちテーパー状に開設した孔である。なお、この第1メダル誘導路731の上端、言い換えると入口部分が狭い意味のメダル投入口134となるが、以下、第1メダル誘導路731を含めてメダル投入口134ということがある。
メダル投入口構成部材730は、メダル投入口134の後方に、摘んだメダルが当接可能に起立する背板部732を備えている。また、この背板部732は、第1メダル誘導路731の背面部(背面側の誘導壁)を形成している。一方、メダル投入口134の前方には、複数のメダルを摘んでメダル投入口134に臨ませたときに、待機させるとともに、メダル投入口134へ案内するガイド部733を備えている。
メダル投入口構成部材730に形成した第1メダル誘導路731の出口731bの開口形状は、例えば、メダルの断面形状とほゞ相似する矩形である。そして、スロットマシン100で一般的に使用されている直径25mm、板厚1.6mmのメダルの場合では、板厚方向の寸法(t1)は、例えば2.0〜2.7mm程度、直径方向の寸法(b1)は、26〜28mm程度である。なお、スロットマシン100では、直径25mmのメダル以外として直径30mmのメダルが使用されており、30mmのメダルの場合は、31〜33mm程度となる。
メダル投入口134の下方、言い換えると、第1メダル誘導路731の下方には、通常、メダルセレクタ710が配置してある。そして、このメダルセレクタ710は、メダルを所定位置へ誘導する第2メダル誘導路741を備えている。
そこで、図示の実施例におけるメダルセレクタ710では、第2メダル誘導路741を構成する誘導路構成部材740が設けてある。すなわち、この誘導路構成部材740は、ベース部711の上面に固定してある。
第2メダル誘導路741の入口741aは、誘導路構成部材740の上面に開口しており、この開口形状も、メダルの断面形状とほゞ相似する矩形となっており、前記した第1メダル誘導路731の出口731bの開口形状と、同一形状になっている。すなわち、板厚方向の寸法(t2)および直径方向の寸法(a2)が、第1メダル誘導路731の出口731bの板厚方向の寸法(t1)および直径方向の寸法(b1)と同一寸法になっている。したがって、第1メダル誘導路731の出口731bと、第2メダル誘導路741の入口741aとを合せた場合に、互いの開口形状が一致して、連続したメダル誘導路が形成される。
このため、このメダル誘導路を通過するメダルは、メダル投入口134の出口134b、またはメダルセレクタ710の入口710aにおいて、段差等に引っ掛かることがなく、メダルがスムーズに流れる。しかも、連続して投入されたメダル同士のかち合いを防止可能であるので、メダル詰まりを減少させることができる。
ところで、メダル投入口構成部材730に設けた第1メダル誘導路731の出口731bにおける開口面積(S1=b1×t1)を、誘導路構成部材740に設けた第2メダル誘導路741における入口741aの開口面積(S2=a2×t2)と同一にすることができる(S1=S2)。例えば、図9や図11に示すように、第1メダル誘導路731の出口731bの直径方向の寸法(b1)と、第2メダル誘導路741の直径方向の寸法(a2)とを同一寸法にすると共に、両メダル誘導路731、741の板厚方向の寸法(t1)および(t2)を同一寸法にするのである。
また、メダル投入口構成部材730に設けた第1メダル誘導路731の出口731bにおける開口面積(S1=b1×t1)を、誘導路構成部材740に設けた第2メダル誘導路741における入口741aの開口面積(S2=a2×t2)よりも小さく形成することもできる(S1<S2)。例えば、図13に示すように、第1メダル誘導路731の出口731bの直径方向の寸法(b1)を、第2メダル誘導路741の入口741aの直径方向の寸法(a2)よりも短くするのである。なお、板厚方向の寸法は、両メダル誘導路とも同一でよい。
このようにすれば、第1メダル誘導路731の出口731bから転出するメダルが、スムーズに第2メダル誘導路741の入口741aに取り込まれる。すなわち、メダル投入口134に投入されたメダルが、メダルセレクタ710にスムーズに取り込まれる。したがって、メダル投入口134或いはメダルセレクタ710の入口部分に、メダルが詰まることがない。
また、図9に示す実施例では、第2メダル誘導路741を、入口741aから所定(例えば、メダル半径よりも長い寸法)の区間(l)を、鉛直方向に直線形状に形成している。すなわち、第2メダル誘導路741を通過するメダルは、ストレートに落下する。このため、よりスムーズにメダルを、所定位置に誘導することができる。
具体的には、メダル投入口134に投入されたメダルが、誘導路構成部材740の第2メダル誘導路741をストレートに落下して、所定位置であるメダルセレクタ710のメダル通路712に誘導される。したがって、メダルをよりスムーズに流すことができ、スピーディな遊技が可能になる。
第1メダル誘導路731は、四方の誘導壁によって形成されている。すなわち、板厚方向に対峙する一対の誘導壁と、メダル直径方向に対峙する一対の誘導壁と、によって、第1メダル誘導路731が形成されている。そこで、板厚方向の間隔を、入口731aから出口731bに向って、狭くなるように形成する。例えば、入口731aの間隔(寸法T)を2.7mmに設定し、出口731bの間隔(t1)を2.0mmに設定する。
また、第1メダル誘導路731は、直径方向の誘導壁の間隔を、入口731aから出口731bに向って、狭くなるように形成している。例えば、入口の間隔(a1)を28mmに設定し、出口の間隔(b1)を26mmに設定するのである。
このように、メダルの直径方向および板厚方向の寸法をともに、第1メダル誘導路731の入口731aを大きく、且つ出口731bに向って絞るように形成した第1メダル誘導路731においては、メダルの受入を容易にすると共に、メダルの体勢を整えることができる。したがって、メダルを安定した状態で下方へ誘導することができる。
また、第1メダル誘導路731は、板厚方向の寸法(t1)を、例えば2.0mmで一定間隔に設定し、鉛直方向に直線形状に形成することができる。このようにしても、メダルの体勢を整えることができ、メダルを安定した状態で下方へ誘導することができる。
さらに、第1メダル誘導路731は、板厚方向または直径方向の誘導壁間隔の一方を、出口731bに向って絞るように形成してもよい。この場合にも、メダルの受入を容易にすることができ、またメダルの体勢を良く整えることができる。このため、メダルをより安定した状態で下方へ誘導することが可能である。なお、これらの入口731aおよび出口731bの寸法は、使用するメダルのサイズに応じて適宜設定する。
ところで、メダルセレクタの入口付近で通路幅を狭める際に、従来は急激に狭めていたが、長めの距離をかけて緩やかに狭めるようにすることもできる。例えば、ほゞメダルの直径に相当する距離をかけて徐々に幅を狭めるようにすることもできる。また、誘導壁の間隔を狭める際、全長に渡って一定の割合で狭めるばかりではなく、入口から所定の位置までを縮幅させ、以後出口までを一定の幅に形成してもよい。言い換えると、誘導路を形成するの誘導壁を、途中まで傾斜させ、途中から起立させるのである。なお、この傾斜または起立する誘導壁は、板厚方向の誘導壁および直径方向の誘導壁の双方に適用してもよいし、いずれか一方の誘導壁に適用してもよい。さらに、全長に渡って傾斜する誘導壁と、途中まで傾斜する誘導壁と、或いは起立する誘導壁と、を適宜組み合わせて、全体として縮幅する誘導路を形成することもできる。
一方、第2メダル誘導路741は、入口741aから所定の区間、例えば、メダルの半径(r)よりも長い寸法の区間(l)の板厚方向の寸法(t2)を、2.0mmに設定し、鉛直方向に直線形状に形成することができる。このため、第2メダル誘導路741を通過するメダルは、ストレートに落下し、よりスムーズにメダルを、所定位置に誘導することが可能になる。
そして、第1メダル誘導路731は、メダル投入口134に設けてあるといえる。また、第2メダル誘導路741はメダルセレクタ710に設けてあるといえる。具体的には、第1メダル誘導路731は、メダル投入口134を形成するメダル投入口構成部材730に設けてあり、第2メダル誘導路741は、メダルセレクタ710の上面に取り付けた誘導路構成部材740に設けてある。
そこで、第1メダル誘導路731の入口731aから、第2メダル誘導路741の入口741aまでの距離(L)を、例えばメダルの半径(r)よりも短くなるように、設定するとよい。すなわち、第1メダル誘導路731の入口731aから、第2メダル誘導路741の入口741aまでの距離(L)が、メダルの半径(r)よりも短くなる位置に、第2メダル誘導路741を配置するのである。
このように配置すると、投入したメダルの中央が第1メダル誘導路731の入口731aを通過するときには、メダルの先端(下端)が第2メダル誘導路741の入口741aに達している。このため、続けてメダルを投入する場合であって、次のメダルを投入するときには、前のメダルは既に第2メダル誘導路741の入口741a、言い換えると、メダルセレクタ710に到達している。
したがって、メダル誘導路内において、メダルのかち合いを確実に防止することができる。また、メダル詰まりを防止することができる。
第1メダル誘導路731におけるメダル出口731bの開口中心軸O1と、第2メダル誘導路741におけるメダル入口741aの開口中心軸O2との位置合わせを行なうと、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とが、スムーズに連通する。
そこで、第1メダル誘導路731の出口731bの開口中心軸O1と、第2メダル誘導路741の入口741aの開口中心軸O2との位置合わせを行なう位置合せ手段を設けている。この位置合せ手段は、例えば、以下のようにして構成する。すなわち、第1メダル誘導路731の出口側端部の形状を、所定のテーパー形状に形成する。一方、第2メダル誘導路741の入口側端部の形状を、前記した所定のテーパー形状に対応するテーパー形状に形成する。
そして、第1メダル誘導路731のテーパー形状と、第2メダル誘導路741のテーパー形状とを係合させることにより、第1メダル誘導路731におけるメダル出口731bの開口中心軸O1と、第2メダル誘導路741におけるメダル入口741aの開口中心軸O2とを一致させて、位置合せを行なうことができる。
具体的には、例えば図9〜図11に示すように、メダル投入口構成部材730に下向突出部735を設け、この下向突出部735の内部に第1メダル誘導路731および受入嵌合部736を形成し、受入嵌合部736の内面を所定のテーパー形状とするのである。すなわち、下向突出部735の下面から上方に向って、メダルの直径方向および板厚方向ともに縮小する傾斜面を有する受入嵌合部736を形成し、この受入嵌合部736と第1メダル誘導路731を連通させるのである。なお、図示の受入嵌合部736の内面は、途中から傾斜面となるように途中で屈曲している。
一方、誘導路構成部材740の上方部分を、受入嵌合部736の形状に対応させて、上端に向って幅方向および厚み方向に縮小する嵌合突部737とする。そして、この嵌合突部737の外面は、前記受入嵌合部736の傾斜面に対応する斜面となっている。また、この嵌合突部737の内部に、第2メダル誘導路741を設ける。
そこで、メダル投入口構成部材730の受入嵌合部736に、誘導路構成部材740の嵌合突部737を嵌合させると、第1メダル誘導路731の出口731bと第2メダル誘導路741の入口741aとが当接し、両誘導路731,741が連通する。このとき、受入嵌合部736のテーパー形状および嵌合突部737のテーパー形状により、第1メダル誘導路731の開口中心軸O1と第2メダル誘導路741の開口中心軸O2とが一致する。
このようにテーパー形状を用いるときは、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合わせを容易に行なうことができ、両メダル誘導路731、741の開口中心軸O1、O2を一致させることができる。したがって、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とがスムーズに繋がって、メダルが引っ掛かるようなことがない。
また、メダル投入口構成部材730に嵌合突部737を設け、誘導路構成部材740に受入嵌合部736を設けることもできる。すなわち、図12〜13に示すように、メダル投入口構成部材730の下向突出部735の外面を下方に向けて縮小する斜面として嵌合突部737とする。一方、この斜面に対応する傾斜面を備える受入嵌合部736を、誘導路構成部材740の上向突出部744の内部に設ける。
このようなテーパー形状を備えるメダル投入口構成部材730および誘導路構成部材740を用いても、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合わせを容易に行なうことができる。
そして、この実施例においては、メダル投入口134の入口寸法(a1)よりも、メダル投入口134の出口寸法(b1)を小さくする。また、メダル投入口134の出口寸法(b1)よりも、メダルセレクタ710の入口寸法(a2)を大きくする。さらに、メダル投入口134の入口からメダルセレクタ710の入口までの距離(L)を、メダルの半径(r)よりも小さくする。なお、メダル板厚方向の間隔は、例えば、2.2mm程度にするとよい。
このような実施例によっても、メダルがスムーズに流れ、メダル投入口134の出口、またはメダルセレクタ710の入口において、段差等に引っ掛かることがなく、メダルがスムーズに流れる。しかも、連続して投入されたメダル同士のかち合いを防止可能であるので、メダル詰まりを減少させることができる。
ところで、前記した位置合せ手段は、別部材として設けることもできる。すなわち、第1メダル誘導路731に第1位置合せ部材を設けると共に、第2メダル誘導路741に第2位置合せ部材を設け、両位置合せ部材を互いに係合させることで、第1メダル誘導路731の出口側の開口中心軸O1と、第2メダル誘導路741の入口側の開口中心軸O2と、を一致させて位置合せを行なうのである。
具体的には、例えば、図14(a)に示すように、メダル投入口構成部材730の下面側に設けた下向突出部735の下面に、下向きの位置決めボス751を突設する。なお、下向突出部735には、前記した各実施例と同様に構成した第1メダル誘導路731が形成してある。
一方、誘導路構成部材740に設けた上向突出部744には、前記位置決めボス751に対応する位置決め孔752を設けるのである。なお、上向突出部744には、前記した各実施例と同様に構成した第2メダル誘導路741が形成してある。
そこで、位置決めボス751と位置決め孔752とを嵌合させると、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とが位置決めされ、両誘導路の開口中心軸が一致する。このため、メダルがスムーズに流れ、しかも、連続して投入されたメダル同士のかち合いを防止したり、メダル詰まりを減少させることができる。
図14(b)は、別部材による位置合せ手段の他の実施例である。この実施例においては、メダル投入口構成部材730の下面側に設けた下向突出部735に、下向きに三角形状に突出する位置決め凸片753を突設する。なお、下向突出部735には、前記した各実施例と同様に構成した第1メダル誘導路731が形成してある。
一方、誘導路構成部材740に設けた上向突出部744には、前記位置決め凸片753に対応するように三角形状の位置決め凹部754を設けるのである。なお、上向突出部744には、前記した各実施例と同様に構成した第2メダル誘導路741が形成してある。また、前記した位置決めボス751と位置決め孔752、或いは位置決め凸片753と位置決め凹部754の配置を逆にしてもよい。すなわち、位置決めボス753或いは位置決め凸片753を誘導路構成部材740側に設け、位置決め孔752或いは位置決め凹部754をメダル投入口構成部材730側に設けてもよい。
そして、位置決め凸片753と位置決め凹部754とを嵌合させれば、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とが位置決めされ、両メダル誘導路731、741の開口中心軸O1、O2が一致する。このため、メダルがスムーズに流れ、しかも、連続して投入されたメダル同士のかち合いを防止したり、メダル詰まりを減少させることができる。
このような凹凸嵌合可能な別部材によれば、簡素な構造で、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との、すなわちメダル投入口134とメダルセレクタ710との位置合せ手段を構成することができる。なお、位置合せ手段の構成、例えば位置や形状、或いは数などは、適宜に設定すればよい。
いずれの位置合せ手段を用いる実施例においても、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とが容易に位置決めされ、第1メダル誘導路731の開口中心軸O1と、第2メダル誘導路741の開口中心軸O2とを容易に一致させることができる。このため、組立作業が容易になるし、清掃時にメダルセレクタ710を取り外す機種に好適である。
ところで、前記した各実施例では、メダル投入口134からメダルセレクタ710へメダルを誘導する遊技台としてのスロットマシン100について説明した。すなわち、第1メダル誘導路731にメダル投入口134を想定し、第2メダル誘導路741にメダルセレクタ710を想定して説明した。しながら、メダル投入口から中継誘導路を介してメダルセレクタへメダルを誘導する遊技台も存在する。このような遊技台において、第1メダル誘導路にメダル投入口を想定する場合には、中継誘導路を第2メダル誘導路に想定することができる。また、中継誘導路を第1メダル誘導路に想定する場合には、メダルセレクタを第2メダル誘導路に想定することができる。なお、前記した各実施例では、第1メダル誘導路731の出口731bと第2メダル誘導路741の入口741aとが当接するように、メダル投入口構成部材730および誘導路構成部材740を配置しているが、第1メダル誘導路731の出口731bと第2メダル誘導路741の入口741aとの間が多少離隔するように、メダル投入口構成部材730およびメダル誘導路構成部材740を配置してもよい。
図15は、他の実施例によるメダル投入口134およびメダルセレクタ710の全体を示す斜視図である。また、図16は、図15におけるD−D線に沿った断面図、図17は、メダル投入口134およびメダルセレクタ710の分解斜視図である。さらに、図18は、図15におけるE−E線に沿った断面図、図19は、図15におけるF−F線に沿った断面図、図20は、メダルセレクタ710の背面側、言い換えるとセレクタカバー720側を示す斜視図である。
そこで、この実施例においては、第1メダル誘導路731における出口側の端部形状と、第2メダル誘導路741における入口側の端部形状と、を当接させることにより、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との間に第3メダル誘導路761を形成することができる。
例えば、図19においては、メダル投入口134に投入されたメダルを、下方位置へ誘導する第1メダル誘導路731を、メダル投入口構成部材730によって形成する。このメダル投入口構成部材730は、第1台座部771と、この第1台座部771から延出する第1壁部772とを備えており、この第1台座部771と第1壁部772とを合せた範囲が第1メダル誘導路731となる。
一方、第1メダル誘導路731により誘導されたメダルを、所定位置へ誘導するための第2メダル誘導路741は、メダルセレクタ710に設けてある。なお、この実施例における第2メダル誘導路741は、メダルセレクタ710の上面に設けた、誘導路構成部材740によって構成している。
誘導路構成部材740は、第2台座部781と、この第2台座部781から延出し、前記第1壁部772に対向する第2壁部782と、を備えている。そして、第1壁部772の先端が、第2台座部781に当接し、第2壁部782の先端が第1壁部772に当接する。ここで、第1壁部772と第2壁部782とが、互いに対向して重なっている部分が、第3メダル誘導路761となる。すなわち、メダル投入口構成部材730と、誘導路構成部材740とが当接することによって、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との間に、第3メダル誘導路761が形成される。
なお、第3メダル誘導路761の横断面は、例えば図16に示すようになっている。すなわち、第2壁部782の側縁には、第3メダル誘導路761となる空間を確保するために、突出壁783および片溝784が縦方向に設けてある。一方、第1壁部772の側縁には、前記第2壁部の片溝784に嵌入する突出片773が設けてある。そして、第2壁部782の片溝784と第1壁部772の突出片773とが嵌合するとともに、第1壁部772の内面に、第2壁部の突出壁783の先端が当接して、第3メダル誘導路761が形成される。
ところで、メダル投入口構成部材730には第1メダル誘導路731が形成され、メダル誘導路構成部材740には第2メダル誘導路741が形成されている。そこで、第3メダル誘導路761は、第1メダル誘導路731の出口側の端部形状と、第2メダル誘導路741の入口側の端部形状と、が互いに当接することによって、形成されているといえる。
この実施例によれば、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とが係合することによって、一連に繋がった第3メダル誘導路761を構成することができる。このため、これらのメダル誘導路を通過するメダルは、出口または入口或いは連結箇所において、引っ掛かることがなく、当該メダルは誘導路内をスムーズに流れる。しかも、メダルが連続して投入される場合であっても、メダルが互いにかち合うことがなく、メダル詰まりが発生することも少ない。
なお、各部の寸法は、前記した実施例と同様に設定することができる。すなわち、メダル投入口134の入口134aにおける直径方向の寸法(a1)よりも、メダル投入口134の出口134bにおける直径方向の寸法(b1)を小さくする。また、メダル投入口134の出口134bにおける直径方向の寸法(b1)と、メダルセレクタ710の入口710aの直径方向の寸法(a2)とを同一寸法とする。さらに、メダル投入口134の入口134aからメダルセレクタ710の入口710aまでの距離(L)を、メダルの半径(r)よりも小さくする。
第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とで、第3メダル誘導路761を形成する際に、位置合せ部材を用いて位置合わせを行なうとよい。例えば、図21に示す実施例では、第3メダル誘導路761を形成する第1壁部772に、縦方向に凹溝774が設けてある。また、第3メダル誘導路761を形成する第2壁部782は、側縁に第1壁部772に向けて延出する側壁部785を備え、この側壁部785の高さにより第1壁部772との間隔を保って、メダルが通過可能な空間を確保するようになっている。この側壁部785の先端部分の内側縁には、前記した第1壁部772の凹溝774に嵌合する凸条785aが縦方向に設けてある。なお、位置決め孔775と位置決めピン786の配置は逆であってもよい。
そこで、第1壁部772の凹溝774に、第2壁部782の凸条785aを嵌合させて、第1壁部772と第2壁部782とを組み付けると、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とが位置合せされて、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との間に、第3メダル誘導路761が形成される。
この実施例によれば、簡素な構造で、位置合せ手段を構成することができる。そして、このようにして形成されたメダルの誘導路によれば、メダルがスムーズに流れ、メダルが互いにかち合うことがなく、メダル詰まりが発生することも少ない。しかも、メダル投入口134の入口134aからメダルセレクタ710の入口710aまでの距離(L)を、メダルの半径(r)よりも小さくしているので、投入したメダルの中央が第1メダル誘導路731の入口731aを通過するときには、メダルの先端(下端)が第2メダル誘導路741の入口741aに達している。このため、続けてメダルを投入する場合であって、次のメダルを投入するときには、前のメダルは既に第2メダル誘導路741の入口741a、言い換えると、メダルセレクタ710に到達しているので、メダル誘導路内において、メダルのかち合いを確実に防止することができ、またメダル詰まりを確実に防止することができる。
図22に示す実施例では、位置合せ手段として、第3メダル誘導路761を形成する第1壁部772に位置決め孔775を穿設し、第3メダル誘導路761を形成する第2壁部782の側壁部785の先端面に位置決めピン786を突設している。なお、位置決め孔775と位置決めピン786の配置は逆であってもよい。
この実施例によっても、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との間に第3メダル誘導路761を形成することができる。そして、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合わせを、簡素な構造の位置合せ手段により達成することができ、メダルのスムーズな流れを得ることができる。
図23に示す実施例では、第1壁部772の側縁に、第1側壁部776を立上げ、第2壁部782の側縁に、第2側壁部787を立上げている。なお、第1側壁部776の高さと、第2側壁部787の高さは、ほゞ等しく設定してある。そして、第1側壁部776の端面には、位置決め孔775を穿設する。また、第2側壁部787の端面には、位置決めピン786を突設する。なお、位置決め孔755と位置決めピン786の配置は逆であってもよい。
そこで、第1側壁部776の端面と、第2側壁部787の端面とを当接させて、位置決め孔775に位置決めピン786を嵌合させ、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とを位置合せする。
このようにしても、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との間に第3メダル誘導路761を形成することができる。そして、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合わせを、簡素な構造の位置合せ手段により達成することができ、メダルのスムーズな流れを得ることができる。そして、この実施例によれば、簡素な構造で、位置合せ手段を構成することができ、メダルのスムーズな流れを得ることができる。
そして、前記したようないずれの位置合せ手段を用いる場合も、第1メダル誘導路731と、第2メダル誘導路741とを容易に位置合せをすることができるので、組立作業が容易になり、清掃時にメダルセレクタ710を取り外す機種に好適である。
図示していないが、第1メダル誘導路731において、メダル板厚方向の間隔、またはメダル直径方向の間隔、或いは双方の間隔を、下方に向って狭くなるように形成してもよい。また、第2メダル誘導路741は、入口741aから所定の区間を鉛直方向に形成してもよい。さらに、第1メダル誘導路731の入口731aから、第2メダル誘導路741の入口741aまで距離が、メダルの半径(r)よりも短くなるように、第2メダル誘導路741を配置することもできる。何れにしても、メダルがスムーズに流れ、メダルを確実に誘導することができる。
そして、前記した図21ないし図23に示す実施例では、平板状の第1壁部772と、両側縁に側壁部785を備える第2壁部782とを組み合わせたり、両側縁に第1側壁部776を備える第1壁部772と、両側縁に前記第1側壁部776とほゞ同じ高さの第2側壁部787を備える第2壁部とを組み合わせて、第3メダル誘導路761を形成している。しかし、第3メダル誘導路の形成は、これらに限るものではなく、一側に側壁部を備える壁部と、他側に側壁部を備える壁部とを組み合わせて、すなわち断面形状がほゞL字形をなす部材を組み合わせて第3メダル誘導路を形成することもできる。
次に、メダルセレクタ710の着脱について説明する。そこで、先ず、メダルセレクタ710の概略を復習すると、メダルセレクタ710は、前面扉102の背面側に固定したセレクタカバー720に対して、着脱自在に取り付けられている。
メダルセレクタ710は、例えば図8に示すように、ベース部711と、第1の側面ガイド715と、第2の側面ガイド716と、メダルブロッカ713とメダル投入センサ714と、メダルガイドカバー718とを備えている。また、ベース部711の上方には、メダル投入口134からメダルを受け入れるための誘導路構成部材740が設けてある。そして、この誘導路構成部材740には、第1メダル誘導路731を備えるメダル投入口構成部材730が繋がっている。
また、第1の側面ガイド715と第2の側面ガイド716との間には、メダル通路712が形成され、このメダル通路712の上流は、誘導路構成部材740に設けた第2メダル誘導路741の出口に繋がり、下流は、ベース部711の側面に設けたメダル出口717に繋がっている。そして、このメダル出口717には、図6や図15に示すように、セレクタカバー720に設けたメダル搬送樋721が臨み、このメダル搬送樋721を介して、メダル払出装置180(ホッパー)のメダルタンク181にメダルが転出する。一方、メダル出口717の近傍に配置したメダル投入センサ714は、2個一組で構成してあり、投入されたメダルを検出或いはカウントする。
メダルセレクタ710におけるメダルの通路は、入口からほゞ鉛直方向に下降する直線通路と、この直線通路の下端に繋がって斜め下方に下降してベース部711を横切る傾斜通路と、からなっている。そして、傾斜通路は、第1の側面ガイド715と、第2の側面ガイド716とを、小径なメダルを排出するように平行に配置して形成したものである。また、この傾斜通路には、ベース部711の背面側からメダルブロッカ713が臨み、ブロッカソレノイド713aが消磁した状態では、当該メダルブロッカ713が傾斜通路内に突出して、傾斜通路に進入したメダルを、落下させて最終的にメダル受皿156へ排出する。なお、傾斜通路から落下するメダルは、着脱自在にベース部711に設けたメダルガイドカバー718によって、落下通路266を介してメダル受皿156に連なる通路に案内される。
第1の側面ガイド715は、回動可能であって、この第1の側面ガイド715を回動させたときには、メダル通路712を通過するメダルの上縁が係止できなくなる。このため、第1の側面ガイド715を回動させると、第2の側面ガイド716上を転動するメダルが転倒して落下し、最終的にメダル受皿156に排出されることになる。
前記したような構成を備えたメダルセレクタ710と、前面扉102に固定したセレクタカバー720との間には、着脱自在に取り付けるための着脱手段が設けてある。この着脱手段は、例えば、図6や図7に示すように、ベース部711の側面に突設した取付ボス791と、セレクタカバー720の側板722に設けた受入溝792と、取付保持具793とによって構成してある。
受入溝792は、セレクタカバー720の側板722を切り欠いて設けたものであり、横溝部792aと縦溝部792bとを有して、ほゞL字状に開口している。横溝部792aの先端は、側板722の先端に向けて開口しており、この開口部分を出入口として、取付ボス791の出し入れが可能である。一方、横溝部792aを奥に進んで縦溝部792bに達した取付ボス791、言い換えると角部を曲った取付ボス791は、縦溝部792b内で上下動可能であるが、縦溝部792bから外れることはない。
そこで、取付ボス791が係止可能な係止片を備える取付保持具793が、縦溝部792bの上端部分に設けてある。この取付保持具793の係止片は、図示していないが、弾性変形可能であって、取付ボス791が上動するときには、弾性変形して取付ボス791の上昇を妨げることがない。一方、取付ボス791が下動しようとしても、取付ボス791が係止片に係止するため、取付ボス791の下動が阻止される。すなわち、取付ボス791の位置を保持して、メダルセレクタ710を、セレクタカバー720に対して取り付けることができる。
一方、メダルセレクタ710を取り外す際には、取付保持具793の係止片と取付ボス791との係止が解けるように取付保持具793を操作し、取付ボス791を縦溝部792bに沿って下降させ、縦溝部792bの下端に達したら横溝部792aに沿って、前方に引き出せば、メダルセレクタ710をセレクタカバー720から取り外すことができる。
なお、取付保持具793は、各取付ボス791に対してそれぞれに設けてもよいが、図示の実施例では、対角線上の取付ボス791に対して設けている。また、取付保持具793の構成は、これに限るものではなく、取付ボス791を必要に応じて保持することができ、且つ保持を解除可能であれば、どのような構成であってもよい。
この実施例におけるメダルセレクタ710の着脱は、基本的には、上下動によって行なわれる。そこで、メダル誘導路の連通、および電気系統の接続を、メダルセレクタ710の上下動に連動させるように構成してある。
そこで、次に、メダル投入口構成部材730、誘導路構成部材740、メダルセレクタ710の組付手順を簡単に説明する。先ず、前面扉102の裏面側にセレクタカバー720を取り付ける。次に、このセレクタカバー720に、予め誘導路構成部材740を固定したメダルセレクタ710を取り付ける。そして、前面扉102に設けた所定の取付開口部に、メダル投入口構成部材730を前面扉102の前側から差し込み、メダルセレクタ710の誘導路構成部材740の位置に合せて、前記したメダル投入口構成部材730を調整し、セレクタカバー720の上縁部分に設けた取付片727に、図示していない螺子により、前記メダル投入口構成部材730を取り付けるのである。すなわち、取付片727の丸穴727aに通した螺子(図示略)を、メダル投入口構成部材730の下面側に突設した取付突部738にねじ止めして、メダル投入口構成部材730をセレクタカバー720に固定する。なお、ねじ止め作業は、例えば、ドライバーをメダル投入口構成部材730の下向突出部735に開設した逃げ穴(切欠)735aに通して行なうことができる。
また、セレクタカバー720には、制御装置とメダルセレクタ710とを電気的に接続するためのコネクタ、言い換えるとソケット723aが設けてある。一方、メダルセレクタ710の上面には、メダル投入口134へ投入されたメダルをメダルセレクタ710のメダル通路712へ誘導するための第2メダル誘導路741を形成する誘導路構成部材740、および前記セレクタカバー720のコネクタに対応するドロワコネクタ言い換えるとプラグ723b、が設けてある。なお、誘導路構成部材740は、メダル投入口構成部材730の第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とが当接して、両メダル誘導路731、741の開口中心軸O1、O2が一致するようになっている。
そこで、メダルセレクタ710を、セレクタカバー720の前方に臨ませて、各取付ボス791を、横溝部792aの前端から横溝部792aに挿入し、最奥部から上方へ押し上げると、取付ボス791が係止片に係止する。このとき、メダル投入口構成部材730とメダル誘導路構成部材740とが当接し、メダルの誘導路が形成される。また、コネクタのプラグ723bとソケット723aとが嵌合して、メダルセレクタ710と制御装置とが電気的に接続される。
なお、コネクタに、いわゆるフローティングコネクタを用いると、許容される範囲内の位置づれを吸収することができるので、コネクタピンに負担が掛かることがない。また、誘導路を基準に設定できるので、誘導路の接続がスムーズになり、メダル詰まり等を確実に防止することができる。
そして、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合せは、前記した位置合せ手段によって行なうことができる。すなわち、図9〜11または図12〜13に示すように、第1メダル誘導路731の端部形状と、第2メダル誘導路741の端部形状とを、互いに嵌合可能なテーパー形状としてもよいし、図14に示すように、別部材による位置合せ手段を設けてもよい。
このような位置合せ手段によれば、メダルセレクタ710を上下方向に移動させて、セレクタカバー720に取り付ける際に、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合わせを容易に行なうことができ、両メダル誘導路731、741の接続が円滑になり、メダル詰まりなどが発生しない。
メダルセレクタ710は、前後方向、すなわちセレクタカバー720に向って正面から着脱するように構成することもできる。この実施例では、例えば図17に示すように、位置合せ手段として、セレクタカバー720の側板722に、三角形状の係止切欠部724を設け、この係止切欠部724に対応するように、三角形状の係止突片725を、メダルセレクタ710のベース部711に突設する。
また、メダル誘導路を前後方向に分割可能に構成する。すなわち、前面扉102に取り付けてメダル投入口134を構成するメダル投入口構成部材730と、メダルセレクタ710に取り付ける誘導路構成部材740とを、前後方向に組み合わせて、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とを連通させるのである。
さらに、セレクタカバー720の側板722には、メダルセレクタ710の脱落を防止する弾性保持片726を設ける。この弾性保持片726は、基板部726aと、この基板部726aの先端からほゞ直交する方向に延出する爪板部726bとを有し、基板部726aがセレクタカバー720の側板722に固定され、爪板部726bの先端が、側板722の内側に突出する。また、爪板部726bの先端外側には、傾斜部が設けてあり、この傾斜部にメダルセレクタ710のベース部711が当接し、さらに押圧すると、基板部726aが変形して爪板部726bの間隔が拡大して、メダルセレクタ710を受け入れる。そして、爪板部726bが、メダルセレクタ710の側端に達すると、基板部726aが戻り変形して、爪板部726bの内側でメダルセレクタ710の側端を押える。このとき、係止切欠部724に係止突片725が嵌合する。また、コネクタのプラグ723bとソケット723aとが嵌合して、メダルセレクタ710の上下位置を保持する。
一方、メダルセレクタ710を取り外す場合には、弾性保持片726の爪板部726bの間隔を広げて、当該爪板部726bとメダルセレクタ710側端との係止を外して、メダルセレクタ710を引き出せばよい。
このように、メダルセレクタ710を前後方向に着脱する場合であっても、スムーズなメダルの誘導路を容易に形成することができる。したがって、メダル詰まり等が発生することがなく、メダル誘導路をメダルがスムーズに流れる。このとき、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合わせは、前記した位置合せ手段によって行なわれるため、正確な位置合せを行なうことができる。
すなわち、例えば、図21に示す実施例における位置合せ手段は、第1メダル誘導路731に設けた凹溝774と、第2メダル誘導路741に設けた凸条785aとが嵌合して、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合せを行なうものである。
また、図22に示す実施例では、第1メダル誘導路731に設けた位置決め孔775と、第2メダル誘導路741に設けた位置決めピン786とが嵌合して、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合せを行なうものである。
さらに、図23に示す実施例では、第1メダル誘導路731に設けた位置決め孔775と、第2メダル誘導路741に設けた位置決めピン786とが嵌合して、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741との位置合せが行なわれる。そして、何れの位置合せ手段によっても、第1メダル誘導路731と第2メダル誘導路741とを正確に位置合せすることができる。
そして、メダルセレクタ710を、セレクタカバー720に対して、上下方向に移動させて着脱する場合も、前後方向に移動させて着脱する場合であっても、第1メダル誘導路731と、第2メダル誘導路741との位置合せを容易に実現することができるので、組立作業が容易になる。また、清掃時にメダルセレクタ710を取り外す機種に好適となる。
前記した遊技台の各実施例によれば、メダル誘導路内をメダルがスムーズに流れ、メダルのばたつきが解消され、しかも、連続して投入されたメダル同士のかち合いを確実に防止可能であるので、メダル詰まりを防止させることができる。このため、遊技者がリジェクトボタンを押下して、メダル詰まりを解除する必要が無くなるので、リズムが狂うなど、遊技者がストレスを感じることなく、遊技を楽しむことができる。一方、遊技店とっても、遊技が停止されることがないので、稼働率が下がって売上に影響する心配のない遊技台となる。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、前記した実施例では、メダル投入口に投入されたメダルをメダルセレクタに直接誘導しているが、投入されたメダルを一旦貯留部へ貯留してから順次メダルセレクタへ誘導したり、途中に誘導路を介してメダルセレクタへ誘導するようにすることもできる。また、前記した各実施例における各部の寸法や、位置合せ手段における各部の構成や、着脱手段における各部の構成を適宜組み合わせることも可能である。