<全体の構成>
図1は、本発明の実施例に係る遊技台としてのスロットマシン100の外観を示す正面図である。
スロットマシン100は、本体101に前面扉201を開閉可能に蝶着して構成してある。スロットマシン100の内部には、複数種類の絵柄が施された複数のリールを備えた可変表示装置1000が配設してある。また、可変表示装置1000の上方には、液晶表示装置180が配設されている。
可変表示装置1000は、後述の主制御部300によって遊技の結果に対応して表示制御が行われる。また、液晶表示装置180は、後述の主制御部300からの制御命令を受けた副制御部400からの制御命令を受けた液晶画面制御部500によって表示制御が行われている。そして、可変表示装置1000は、遊技結果としての絵柄表示が行われ、遊技者は可変表示装置1000を観察することで入賞の有無を直接的に確認することができるようになっている。
一方、液晶表示装置180は、可変表示装置1000が表示する入賞絵柄の組み合わせとは異なる絵柄を表示する。即ち、副制御部400からの制御命令を受けて多様な表示態様で種々の情報を表示することにより、遊技者に指示を与えたり、遊技を盛り上げる。なお、本体101の両サイドには、取手部101cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
次に、可変表示装置1000について簡単に説明する。可変表示装置1000は、前面扉201の上部前面に、リール表示窓113を介して設けられている。リール表示窓113の正面から見ると可変表示装置1000はリール110〜112で構成されている。これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施例では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施例ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ等の再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ127は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ126は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施例では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器124は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器125は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。
メダル投入ボタン133、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施例では、最大メダル投入ボタン133(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン132を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する(なお、以下メダル投入口134ということがある)。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ134aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー130は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタン136a〜136cが設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。左ストップボタン136aを操作することによって左リール110が、中ストップボタン136bを操作することによって中リール111が、右ストップボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各ストップボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー130が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタンのランプは各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック134から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン138が押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン138が押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉201を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,151、中央ランプ152,152、腰部ランプ153,153、下部ランプ154,154は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。本実施例では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
なお、上部ランプ190の近傍の左右にスピーカーの音孔(図示せず)を設けている。また、ストップボタンユニット136の直下に背面スピーカーからの効果音を出力するための音孔が設けられている。背面スピーカーの音孔には、装飾が施されたスピーカーカバー173が装着され、ここから遊技の効果音が出力される。
次に、図2、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。スロットマシン100の制御部は、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された信号に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
<主制御部の構成>
先ず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー130に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン136a乃至136cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン132、133のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン133に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン133が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算/貯留スイッチ324は、精算ボタン138に設けられている。精算ボタン138が一回押されると、貯留されているメダルを精算し、もう一回押されると、払い出されるメダルが電子的に貯留される貯留モードとなる。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、賞としてメダルを払い出す所謂ホッパー(図示せず)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ127等)と、7セグメント表示器341(払出枚数表示器124、遊技回数表示器125、貯留枚数表示器128等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本実施例における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。例えば、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタが備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部の構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉201の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ190、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ129、タイトルパネルランプ141、受皿ランプ210、払出口ストロボ171を制御する。なお、リールパネルランプ129はリールパネルを照明するランプであり、タイトルパネルランプ141はタイトルパネル140を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプであり、受皿ランプ210は受皿160を照明するランプであるが、図1においては表記されていない。
なお、CPU410は、液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500へ情報の送信を行う。
前記した主制御部300、副制御部400、液晶画面制御部500等の制御部は、回路基板610に実装される種々の電子部品によって構成される。また、各制御部の間、及び各制御部と種々の遊技装置等の間は、フラットケーブル620等の配線材によって電気的に互いに接続される。或いは、これらの接続を中継基板を介して接続することもある。
そこで、回路基板610には、種々の電子部品を実装すると共に、配線材を接続するためのコネクタ600が実装されている。このコネクタ600は、例えば、ヘッダ630とソケット640を含んで構成される。そして、ソケット640は、回路基板610に実装されるピンソケットであり、ヘッダ630は、配線材、例えばフラットケーブル620の先端部分、或いは中間部分に設けられている。なお、コネクタ600の形式や配線材の形状は、これらに限ることなく適宜に適用可能である。
例えば、主制御部300を構成する主制御基板(以下、回路基板610という。)においては、この主制御基板(回路基板610)と、副制御部400を構成する副制御基板とが、例えばフラットケーブル620によって接続され、両制御基板の間で、遊技に関する重要なコマンドや情報が授受されている。そして、フラットケーブル620は、コネクタ600を介して各制御基板と接続される。
また、コネクタ600は、回路基板610に実装されるものばかりではない。図示は省略するが、例えば、電源基板を内部に収納する電源ケースのケース背面には、前記した主制御部300との間で信号の送受信を行なうために接続するケーブルのコネクタが設けられている。更に、ケーブルの長さが不足するなどして、元のケーブルに新たなケーブルを継ぎ足してケーブルの長さを延長させるような場合もあるが、両ケーブルの間もまたコネクタによって接続されている。
しかしながら、コネクタ600は、容易に着脱可能であって、簡単に接続を変更できてしまう。そこで、不正な機器をコネクタ600を介して取り付けることにより、不正に制御したり、重要な情報を抜き出すといった不正行為が可能になっている。
そこで、図5以下に示す実施例では、一旦接続したコネクタ600を容易に取り外せないようにするコネクタカバー700をコネクタ600に装着している。即ち、接続状態にあるコネクタ600に、コネクタカバー700を装着し、コネクタカバー700を装着したのちは、このコネクタカバー700に設けた後述する切断部761を破壊しなければ、コネクタ600の接続を解除できないように構成してある。
<コネクタカバー>
次に、コネクタカバー700の構成を、図5ないし図11を参照して、具体的に説明する。図5は、コネクタカバー700の一実施例を示すものであって、(a)は、回路基板610に実装したコネクタ600に、コネクタカバー700を装着した状態の概略平面図、(b)は斜視図、(c)は側面図である。
図6は、コネクタ600を実装した回路基板610及びコネクタカバー700の分解斜視図である。図7は、コネクタカバー700を、コネクタ600に装着する手順を示す要部の平面図であって、(a)は装着前の状態、(b)は装着途中の状態、(c)は装着が完了した状態を、それぞれ示している。図8は、コネクタ600にコネクタカバー700を装着した状態の断面図であって、(a)は図5(c)のA−A線に沿った断面図、(b)は(a)のX部の拡大図である。
回路基板610に実装されるコネクタ600の概略は、例えば、図6に示すように、回路基板610の一側に取り付けられており、ピン端子601が剥き出しになっている。また、図示の実施例おけるコネクタ600は、ヘッダ630とソケット640を含み、ソケット640内に嵌合されたヘッダ630をロックするためのレバー650が取り付けられている。一方、コネクタカバー700は、ヘッダ630をロックした状態で装着されるようになっている。また、このコネクタ600は、ほゞ四角柱状に形成され、特定面の一部が回路基板610に固定され、後述する特定面の残部、及び他の面が外部に露出している。このため、図示の実施例によるコネクタカバー700では、ほゞ四角柱状のコネクタ600の露出する六面を覆うように構成してある。
次に、コネクタ600の詳細を説明する。この実施例で用いるコネクタ600は、例えば、図4、図6或いは図8に示すような構成になっている。即ち、コネクタ600は、図4では図示していないフラットケーブル620に接続したヘッダ630と、回路基板610に固定したソケット640を含んで構成される。また、図示の実施例においてはソケット640は、左右一対のレバー650を備えている。即ち、各レバー650は、ソケット640に設けた支点641を軸として、外向きに回動可能に構成してある。なお、このレバー650には、図示していないが、ソケット640の間にクリック手段が設けてあり、起立状態にあるレバー650が勝手に回動しないようにすると共に、レバー650を操作したときに、適宜な抵抗感が加わるように構成してある。
各レバー650の内向きの先端には、後述するヘッダ630の左右の角部に形成した爪受溝631に、係合する係合爪651が形成してある。この係合爪651は、レバー650の内壁面652よりも内側へ突出し、かつ内壁面652との間に係合溝653が形成してある。また、レバー650の側面には、第1係合部として嵌合凹部654が形成してあり、この嵌合凹部654には、後述するコネクタカバー700が有する第2係合部としての嵌合凸部745が嵌合する。このため、コネクタ600に対してコネクタカバー700が係合して、当該コネクタカバー700が脱落しないようになる。
一方、ソケット640に嵌合されるヘッダ630は、ほぼ長柱状の部材であって、左右の端部には、ソケット640のレバー650に設けた係合爪651が係合する爪受溝631が形成してある。この爪受溝631は、谷状に凹陥する部分であって、この凹陥部分に、起立状態にあるレバー650の係合爪651が嵌入する。このとき、ヘッダ630の外壁面と、レバー650の内壁面652とが互いに当接する位置にある。また、レバー650は、前記したようにある程度の抵抗に打ち勝たないと、回動させることはできないので、ソケット640に嵌合させたヘッダ630をロックすることができる。従って、レバー650を、起立状態にしてあるときは、ヘッダ630が抜けることがない。
なお、図示していないが、ヘッダ630には、配線材として例えばフラットケーブル620を接続する。即ち、分離可能に構成してあるヘッダ630を、一旦分離して一対のスリット633の間に、フラットケーブル620を折り返し状に挟み込むことにより、ヘッダ630内部の各ピンとフラットケーブル620の各芯線との電気的接続を得ると共に、フラットケーブル620の引き抜けを防止するのである。
また、図示していないが、一対のレバー650が開放状態にあるときに、ヘッダ630をソケット640に嵌合させるために押し込むと、ヘッダ630の下面がレバー650の下端部分を押して当該レバー650を起立させるため、係合爪651が爪受溝631に係合する。一方、一対のレバー650を外方向に回動させると、係合爪651と爪受溝631との係合が解かれると共に、レバー650の下端がヘッダ630を押し上げる構造になっている。
コネクタカバー700は、相互に組み合わさる複数の部品で構成され、これらの部品を組み合わせて、前記したコネクタ600に一旦装着したのちは、コネクタカバー700の一部を破壊しない限り、各部品を分離することが不可能になるように固定するための構造を備えている。
複数の部品は、コネクタ600の側方から互いに組み合わされる部品で、かつ、組み合わさった状態が、前記したコネクタ600とほぼ同形状になるように構成してある。即ち、図示の実施例によるコネクタカバー700は、係止片部711を備えた第1部品710と、この係止片部711が係止する第1係止部721及び第2係止部722を備えた第2部品720と、で構成され、係止片部711が第1係止部721に係止された場合には、第1部品710は第2部品720から分離可能であって、係止片部711が第2係止部722に係止された場合には、第1部品710は第2部品720から分離不可能になるように構成してある。
先ず、コネクタカバー700を構成する第1部品710から説明する。この第1部品710は、ほゞ四角柱状のコネクタ600の特定面の露出する部分と、ソケット640に嵌合されたヘッダ630の上面(図6ではコネクタ600の下面)を覆う部材であって、係止片部711を備えている。なお、ここでは、ソケット640の回路基板610に固定している面を、コネクタ600の特定面とする。
そして、第1部品710は、基板部713と起立部714とを備える断面形状が、L字状のやゝ横長な部材であって、基板部713の両端部に係止片部711を備えている。なお、第1部品710の横幅(長さ)は、コネクタ600の横幅とほゞ同等の長さである。
係止片部711は、基板部713から起立する部位であって、後述する第2部品720が備える第1係止部721及び第2係止部722に係止する係止爪712を有している。この係止爪712は、例えば、図8に示すように、先端部分の外側面が傾斜面712aとされ、この傾斜面712aの下端から鋭角に係止面712bが支柱部712cの外面に向って連なり、係止面712bは基板部713とほゞ平行している。
支柱部712cの下端、即ち基端は、台座部712dとなっており、支柱部712cよりやゝ大きく矩形に形成してある。そして、係止片部711は、この台座部712dを含めて、起立部714から独立しており、支柱部712cがやゝ弾性変形することにより、係止爪712が、第1係止部721及び第2係止部722に係止可能な構造になっている。
第1部品710の基板部713のほゞ中央部分には、突起部715が突設してある。一方、後述する第2部品720の壁面部730には、前記した第1部品710の突起部715に対応する嵌合孔731が開設してあり、第1部品710の基板部713と第2部品720の底板部となっている壁面部730を重ねたときに、突起部715が嵌合孔731に嵌合するように構成してある。よって、ソケット640に嵌合されているヘッダ630を強引に取り外そうとした場合なども、この突起部715が嵌合孔731に嵌合されていることで、第1部品710と第2部品720とが揺れ動かないように構成してある。
第1部品710の起立部714には、図示していないフラットケーブルを引き出すための開口部714aが形成してある。また、起立部714の両端部には、後述する第2部品720に形成する嵌入孔732に嵌入する嵌入部716が突設してある。そして、嵌入孔732に嵌入部716が嵌合すること、及び前記した嵌合孔731に突起部715が嵌合することにより、第1部品710と第2部品720とが揺れ動かないように構成してある。なお、第1部品710は、左右対称に構成してある。また、第1部品710は、内部を透視可能なように透明な合成樹脂により形成してある。
第2部品720は、ほゞ四角柱状のコネクタ600の特定面を除く面を覆うことができるように形成された部品であって、特定面に対応する一面が開口する箱状の部材である。即ち、コネクタ600の外平面部に対応するベース面740の周囲に、コネクタ600の各側面に対応する壁面部730を起立させたものである。
そこで、第2部材の内側の形状は、コネクタ600の外形にほゞ相似するものであって、コネクタ600のソケット640が収まるソケット収納部741と、レバー650が収まるレバー収納部742と、ヘッダ630が収まるヘッダ収納部743とが複合した形状になっている。なお、レバー収納部742は、レバー650の曲面に対応した曲面形状になっている。
レバー収納部742の外側には、前記した第1部品710の係止片部711が係止する係止部が形成してある。この係止部は、図示の実施例においては、第1係止部721と第2係止部722とからなる。また、これらの第1係止部721及び第2係止部722は、係止ブロック750の内部に形成してある。言い換えると、第1係止部721及び第2係止部722並びに係止片部711は、係止ブロック750によって囲まれることになる。
そこで、係止片部711を挿入する挿入孔751が、係止ブロック750の一部である第2部品720の一壁面部730に開口しており、この挿入孔751に挿入した係止片部711の係止爪712は、先ず、第1係止部721である前記した挿入孔751の縁に係止する。
係止片部711が第1の係止部に係止した状態、即ち、図7(a)に示す状態では、第1部品710と第2部品720とを一体物として扱うことができる。このため、作業性が格段に向上すると共に、部品管理も容易になる。
第2部品720には、係止ブロック750の分離を容易にする切断部761を設ける。この切断部761は、係止ブロック750を形成する壁面部752の近傍に複数の切欠孔762を開設することにより形成してある。即ち、第1の切欠孔762−1と後述する切り込み溝734との間に第1の切断部761−1が形成され、第1の切欠孔762−1と第2の切欠孔762−2との間に、第2の切断部761−2が形成され、第2の切欠孔762と第3の切欠孔762となる切り込み溝733との間に、第3の切断部761−3が形成され、同様にして複数の切断部761が形成される。そして、これらの切断部761を切断することにより、第2部品720から係止ブロック750を切り離すことができる。
一方、第1係止部721に係止片部711が係止している第1部品710をさらに押し込むと、係止片部711が第2係止部722に係止する。この第2係止部722は、係止ブロック750の側壁部753から突出する部位であって、斜面状の誘導面722aと、係止面722bとを有している。よって、係止片部711が第1係止部721に係止される位置から第2係止部721に係止される位置まで移動する間に、第1部品710を第2部品720から取り外すことがないように構成している。つまり、係止片部711を第1係止部721から第2係止部720に移動させる操作が容易となっている。さらに、本実施例においては、第1部品710と第2部品720を互いに組み合わせる場合に、何れか一方の部品(図7(a)では、第1部品710)を同一直線上に移動させることで、係止片部711が第1係止部721に係止される位置と、第2係止部721に係止される位置とを連続して移動するように構成している。
第2部品720をコネクタ600に装着した場合に、ヘッダ630と対向する壁面部730のほゞ中央には、矩形の嵌合孔731が開設してあり、この嵌合孔731には、前記した第1部品710に設けた突起部715が嵌合するようになっている。なお、ヘッダ630と対向する壁面部730−1は、第1部品710の基板部713の厚さ分、後退した位置に形成してあり、基板部713と壁面部730−1とを重ねたときに、基板部713が突出しないように構成してある。
また、前記した壁面部730−1には、係止ブロック750との間に、ベース面740に達する切り込み溝733が形成してある。この切り込み溝733は、係止ブロック750を容易に分離させるための切断部761を形成するものである。同様に、壁面部730−2には、係止ブロック750との間に、ベース面740に達する切り込み溝734が形成してある。この切り込み溝734は、係止ブロック750を容易に分離させるための切断部761を形成するものである。
さらに、第2部品720のベース面740の左右隅部には、コネクタ600が備える円筒孔661に対応して、円柱部744が突設してある。そこで、この第2部品720をコネクタ600に装着する際には、円柱部744がコネクタ600の円筒孔661に嵌入することになる。このため、第2部品720が位置決めされると共に、第2部品720をがたつくことなく装着することができる。
第2部品720のベース面740の内面であって、前記した切断部761の近傍には、コネクタ600のレバー650が備える嵌合凹部654に対応する嵌合凸部745が突設してある。即ち、やゝ湾曲する嵌合凹部654に嵌合するように、この嵌合凸部745もやゝ湾曲する曲片として突出している。
したがって、第2部品720をコネクタ600に装着した場合には、嵌合凹部654に嵌合凸部745が嵌合するので、レバー650が揺れ動くことがない。
第2部品720に形成している係止ブロック750の先端部分には、第1部品710に設けた嵌入部716が嵌入する嵌入孔732が設けてある。この嵌入孔732は、角穴であって、角柱状の嵌入部716に対応している。なお、嵌入孔732に嵌入部716が嵌入するのは、係止片部711が第2係止部722に係止しているときである。
前記したような構造を有する第2部品720は、前記した第1部品710と同様に、内部を透視可能なように、透明な合成樹脂により形成してある。また、第1部品710と第2部品720とを透明な部材とし、両者を相互に組み合わせた場合には、外部から見た場合に両者の構造が分かり難くなるという効果もある。
次に、前記したような構造を備えるコネクタカバー700を、回路基板610に実装されたコネクタ600に対して装着方法を説明する。コネクタ600は、例えば図6に示すように、回路基板610の側縁に、特定面で取り付けてあり、特定面の一部が回路基板610の表面に密着している。言い換えると、コネクタ600は一部を残して露出している。そして、この露出したコネクタ600から不正な信号を入力するなど、不正行為が行なわれていた。
そこで、この不正行為を防止するために、一度装着したら、破壊しない限り、取り外すことのできないコネクタカバー700を、コネクタ600に装着するのである。しかしながら、コネクタカバー700を装着しても、コネクタカバー700とコネクタ600、或いはコネクタカバー700と回路基板610との間に隙間が生じてしまうと、この隙間から不正行為が可能になってしまう虞れが依然として残っている。また、コネクタカバー700の装着に手間が掛かると、作業性が低下しまうという問題がある。
そこで、この実施例に係るコネクタカバー700の装着はきわめて容易であって、作業性が低下することがない。また、装着したコネクタカバー700とコネクタ600との間、コネクタカバー700と回路基板610との間には、隙間が生じることがない。そして、図示の実施例によるコネクタカバー700は、第1部品710と、第2部品720とを組み合わせることにより構成したものである。
コネクタカバー700を装着する場合には、先ず、第1部品710と第2部品720とを組み付けて、一体の部品とするとよい。即ち、第1部品710の係止片部711を、第2部品720の挿入孔751に挿入する。すると、係止片部711が、第1係止部721である挿入孔751の縁に係止する(図7(a))。この状態では、第1部品710と第2部品720とを、一体の部品として扱うことができる。即ち、この状態で、保管したり、組立ラインに供給することができる。従って、第1部品710と第2部品720とを別個に保管したり、供給する手間が半減する。また、第1部品710と第2部品720との数量が異なり、一方が不足したり、過剰になることがない。
第1係止部721に係止片部711が係止している前記した段階では、第1係止部721と係止片部711との係止を解くことができる。即ち、係止片部711を外部から内向きに押圧することにより、係止片部711を内側に若干撓ませて、係止片部711の係止面712bを第1係止部721から外す。この係止片部711が何処にも係止していない状態では、第1部品710を、引き出して、第2部品720と分離することができる。
次に、一体となっている第1部品710と第2部品720とを、図7(b)に示すように、コネクタ600に被せる。そして、前記した係止片部711が第1係止部721に係止して第1部品710と第2部品720とが一体になっている状態から、第1部品710を更に押圧して、第1部品710の係止片部711を、第2部材に設けた第2係止部722に係止させるのである。即ち、第1部品710を更に押圧すると、係止片部711の傾斜面712aが、第2係止部722の誘導面753aに沿ってスライドする。このとき、係止片部711は弾性変形して、第2係止部722の突部をかわし、突部を超えると、急激に復帰して係止面753bに係止爪712の係止面712bが係止することになる(図7(c)、図8)。
この状態になると、第1部品710と第2部品720とを分離することが不可能である。即ち、係止片部711が第2係止部722に係止した状態では、第1部品710と第2部品720とが相互に組み合わされているため、両者の間に隙間が生じることがない。また、第1部品710及び第2部品720が形成する空間の中に、コネクタ600が収納されているので、コネクタ600に対して、不正行為を働くことはできない。
また、係止片部711と第2係止部722との係止の解除を試みても、係止片部711及び第2係止部722が係止ブロック750の内部に位置しているので、外部から係止片部711を操作することは不可能である。
さらに、第1部品710と第2部品720とは、係止片部711と第2係止部722とが係止しているばかりではなく、第1部品710の突起部715が第2部品720の嵌合孔731に嵌合すると共に、第1部品710の嵌入部716が第2部品720の嵌入孔732に嵌入している。しかも、コネクタ600のレバー650に形成されている嵌合凹部654に、第2部品720に設けた嵌合凸部745が嵌合し、コネクタ600の円筒孔661に、第2部品720の円柱部744が嵌合している。
このため、第1部品710及び第2部品720からなるコネクタカバー700、及びこのコネクタカバー700が装着されたコネクタ600が、相互に隙間なく組み合わされて、揺れ動くことがない。また、第1部品710の一部と第2部品720の一部とが互いに嵌合しているので、両者の位置をずらして隙間を発生させ、この発生した隙間を手掛かりとして第1部品710と第2部品720との分離を試みることも不可能である。
一方、前記したような構成を備えるコネクタカバー700を取り外すには、第2部品720に予め設けてある切断部761を切断すればよい。この切断部761を切断すると、図11に示すように、係止ブロック750が第1部品710に連なった状態で、第1部品710と第2部品720とを分離することができる。そして、第1部品710を取り除いた状態になれば、第2部品720をコネクタ600から取り外すことができる。
したがって、この実施例によるコネクタカバー700によれば、一度装着したのちは、一部を切断しなければ取り外すことができないので、コネクタ600に対して不正行為を働くことが不可能になる。また、装着に際して、第1部品710と第2部品720とを予め組み付けて、一つの部品として取付準備されるようにしているので、装着作業がきわめて容易であって作業性が向上し、しかも保管・輸送等の管理面でも優れた効果を発揮することができる。
ところで、前記した実施例の説明では、第1部品710と第2部品720とを予め組み付けたのちに、コネクタ600に装着しているが、先ず、第2部品720をコネクタ600に被着し、その後、第1部品710を第2部品720に対して係止させるようにしてもよい。
このような手順でコネクタカバー700をコネクタ600に装着しても、一旦装着したのちは、切断部761を切断しない限り、第1部品710と第2部品720とを分離することができないので、不正行為に対する安全性に優劣は存在しない。
図12は、他の実施例を示しており、この実施例では、基板カバー770がコネクタカバー700の被覆部771を備えている。即ち、図12(a)はコネクタカバー700を設けた回路基板610の概略平面図及び右側面図、図12(b)は基板カバー770の平面図及び右側面図、図12(c)は回路基板610に基板カバー770を被着した状態の平面図及び右側面図である。
この実施例においては、回路基板610を保護する基板カバー770が、コネクタカバー700を覆うように、被覆部771を一体に形成したものである。そして、この基板カバー770は、四隅の近傍に設けた止着手段固定部773に、ネジやカシメピン等の止着手段772を取り付けることにより、回路基板610に固定する。なお、基板カバー770は、内部を透視可能なように透明な合成樹脂で形成するとよい。
基板カバー770を開くには、前記した止着手段772を解除すればよい。また、コネクタ600を外すには、前記した実施例と同様に、コネクタカバー700の切断部761を切断することによって、第1部品710を分離して取り去ったのち、第2部品720を回路基板610から取り外せばよい。
この実施例によれば、回路基板610及びこの回路基板610に実装したコネクタカバー700を覆うことができる。即ち、コネクタカバー700を基板カバー770の被覆部771によって保護することができる。従って、コネクタ600を、コネクタカバー700と被覆部771とで、二重に保護することが可能になって、不正行為に対する安全性が著しく向上する。
図示していないが、コネクタカバー700は、回路基板610に取り付けられたコネクタ600ばかりではなく、フラットケーブル620等の配線材の途中に設けたコネクタ600に対しても適用することができる。或いは、配線材を延長したり、分岐するためのコネクタ600に対しても適用することができる。即ち、複数の部品を相互に組み合わせてコネクタ600を覆い、外部からコネクタ600に対してアクセス不能に構成することができる。
このような実施例においても、複数の部品によってコネクタ600を一旦覆ったのちは、部品の一部を破壊しない限り、各部品を取り外すことが不可能で、コネクタ600に対して不正行為を働くことができない。
前記した各実施例では、コネクタカバー700を第1部品710と第2部品720との2部品で構成しているが、コネクタカバー700を3部品以上で構成するようにしてもよい。
図13は、遊技台としてのパチンコ機2000の斜視図である。パチンコ機2000は、所定の入賞口2110を有する遊技領域2150を備え、所定の入賞口2110に遊技球が入球することにより、遊技者に所定の特典を与える遊技台である。
そこで、パチンコ機2000は、遊技者が遊技球であるパチンコ玉の打ち出しを行なうためのハンドル2120と、ハンドル2120に対する操作により打ち出されるパチンコ玉が導入される受皿2130と、パチンコ玉が打ち出されるほぼ円形の遊技領域2150を形成した遊技盤2100と、を備える。遊技領域2150には図示していない多数の障害釘が配設され、遊技領域2150の上部から落下するパチンコ玉は障害釘に衝突して流下方向を変えながら遊技領域2150の下部に設けたアウト口(図示せず)へ落下する。遊技領域2150には入賞口2110が配設されており、入賞口2110へパチンコ玉が入球すると予め定めた特典が遊技者に付与される。また、遊技領域2150のほぼ中央には、リール1500を備える可変表示装置1000を配設する。
図14はパチンコ機の制御系の機能ブロック図である。パチンコ機は制御部2300を有する。制御部はCPU等の処理手段2310、乱数を発生する乱数発生手段2320、RAM等の第1記憶手段2331、及び、ROM等の第2記憶手段2332を有する。センサ2340は入賞口2110に設けられ、パチンコ玉の入球を検出するセンサ2340である。その他のデバイス2350は、その他のデバイス(ランプ、パチンコ玉の払い出し装置等)を示している。
処理手段2310は、大当たりの抽選の実行条件が成立したか否かを判定する実行条件判定手段として機能する。大当たりの抽選の実行条件は、センサ2340により入賞口2110にパチンコ玉が入球したことが検出された時に成立する。処理手段2310は、大当たりの抽選の実行条件が成立すると乱数発生手段2320から乱数値を取得し、第1記憶手段2331に記憶する。
乱数値は大当たりの抽選の実行条件の成立毎に予め定めた記憶上限回数を上限として順次記憶される。例えば、4回分の抽選結果が記憶される。4回分の乱数値が記憶されている場合、新たな乱数値は破棄される。処理手段2310は第1記憶手段2331に乱数値が記憶されていることを条件として、当該乱数値に基づき大当たりの抽選を行う、抽選手段として機能する。第1記憶手段2331に複数回分の乱数値が記憶されている場合には最も古いものから順番に選択する。
抽選結果が大当たりの場合は、大当たりに対応した識別情報が、可変表示装置1000に表示されると、ボーナスゲームが開始されて遊技者には多数のパチンコ玉が払出されるチャンスが与えられる。
遊技者に付与される特典は、例えば、賞球としてパチンコ玉を払い出すことである。また、特典を、前記した大当たりの抽選の実行とすることもできる。大当たりの抽選で当選すると、遊技者に多数のパチンコ玉が賞球として払い出されるチャンスが与えられる。
このような構成のパチンコ機2000において、例えば制御部2300と、可変表示装置1000との間を接続する配線に、センサ2340との間を接続する配線に、その他のデバイス2350との間を接続する配線等に、前記したコネクタカバー700を適用することができる。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、図示の実施例では、回路基板に実装したコネクタに装着するコネクタカバーについて説明したが、本発明に係るコネクタカバーは、遊技台における配線接続に広く用いられるコネクタに適用することができる。また、コネクタを回路基板に取り付ける方向や、フラットケーブルの引き出し方向は、適宜に変更可能である。