JP2013028641A - マルチトール強化生成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
種々の純度で液体、固体及び結晶性マルチトールを提供する単一処理方法を得ることが本発明の課題である。
【解決手段】
本発明は、マルチトール強化生成物の製造方法に関し、 そしてこの方法は、マルトース シロップをクロマトグラフィーによる分別し、ついでこれを水素添加して、液体マルチトール強化生成物とし、場合によりマルチトールを固化又は結晶化させる。種々の純度の液体, 固体及び結晶性マルチトールが単一方法によって得ることができる。
【選択図】なし
種々の純度で液体、固体及び結晶性マルチトールを提供する単一処理方法を得ることが本発明の課題である。
【解決手段】
本発明は、マルチトール強化生成物の製造方法に関し、 そしてこの方法は、マルトース シロップをクロマトグラフィーによる分別し、ついでこれを水素添加して、液体マルチトール強化生成物とし、場合によりマルチトールを固化又は結晶化させる。種々の純度の液体, 固体及び結晶性マルチトールが単一方法によって得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、マルチトールで強化された液体及び/又は固体生成物の製造方法に関する。
マルチトール又はα−D−グリコピラシノシル−4−D−ソルビトールはマルトースを水素添加して得られる。
非常に多くの方法が、マルトースの豊富な及び/又はマルチトールの豊富なシロップの製造で知られている。
マルチトールが十分に豊富であり、そして十分に精製されているシロップ中でマルチトールの結晶化を誘発することによって、無水結晶性マルチトールを製造することは知られている。
特許文献1に記載の発明は、マルチトールを高含有量で有する生成物の製造方法において、マルトースシロップを接触水素添加し、ついで水素添加工程の間に生じたマルチトールシロップをクロマトグラフィー分別し、ついで少なくともマルチトールが強化されたフラクションの所望の乾燥物質に調整することを特徴とする上記方法に関する。
特許文献2に記載された発明は、スターチミルクを液化し,液化されたデンプンを糖化した後、ルテニウム又はラネーニッケル触媒で接触水素化してマルチトールシロップを生じ、ついでこのマルチトールシロップをクロマトグラフィー分別し、マルチトールを結晶化させ、ついで母液をクロマトグラフィー分別工程にリサクルする連続工程からなる、マルチトールの製造方法に関する。
特許文献3に、87%より大きいマルトース含有量を有する、マルトースが豊富なシロップの製造方法が記載されている。その第一工程はα−アミラーゼを用いるスターチミルクの液化である。α−アミラーゼを阻害した後、75%に達するか又はこの値を超えるまで第一糖化工程をマルトース生成α−アミラーゼの存在下に行う。この後、β−アミラーゼ及びプルナラーゼ及びイソアミラーゼより成る群から選ばれた少なくとも1種の脱分岐酵素の存在下に第二糖化工程を行い、87%より大きいマルトース含有量とする。特許請求の範囲に、これらの工程がこの順序で実施されることが明確に請求されている。
特許文献4に、マルトースが豊富なシロップの製造方法が記載されている。スターチミルクを液化し、ついで糖化工程を行う。糖化をβ−アミラーゼ及びプルナラーゼ及びイソアミラーゼより成る群から選ばれた少なくとも1種の脱分岐酵素の存在下に実施する。この工程後、マルトースが強化されたフラクション及びグルコースが強化されたフラクションを集めるために分子篩を行う。
特許文献5に、マルトース生成物の製造方法が請求されている。これには本質的にβ−アミラーゼからなる酵素を用いる処理が含まれる。処理されたデンプンは10%以上の量でアミロースを含み、その少なくとも一部は老化アミロースになる。老化アミロースの少なくとも一部は結晶化させる。結晶化させた老化アミロースを混合物から分離する。
特許文献6に、マルトースが豊富なシロップの製造方法が記載されている。この方法は、スターチミルクを液化し、ついで液化デンプンを糖化する処理工程を含む。液化され、糖化されたスターチミルクを多孔性基質の粒子上に固定された固定化マルトース生成α−アミラーゼと接触させる。
特許文献7に、デンプン糖の製造方法が開示され、そして少なくとも80%のマルトース純度を有するマルトースフラクションが得られる。
特許文献8記載の発明は、マルトースが豊富なシロップの製造方法に関し、そしてこの方法はスターチミルクの液化し、ついで液化されたスターチミルクを糖化することからなる。
特許文献9記載の発明は、結晶性マルチトール及び結晶性混合物固体の生成方法に関する。この方法は、水素添加工程後、2回のクロマトグラフィー分離工程を必要とする。第一クロマトグラフィー分離工程で、フラクションが80.5〜86.5%のマルチトール含有量を有して得られる;第二クロマトグラフィー分離工程は、97.5重量%以上のマルチトール含有量を有するフラクションを生じさせる。
特許文献10に、結晶性マルチトール及び同一の原料から得られた結晶性マルチトールを含有する結晶性混合物固体の製造方法が記載されている。これは高濃度のマルトースを有するシロップを水素添加し、ついで高含有量のマルチトールを有するフラクションをクロマトグラフィーによって単離する処理工程を行う。このフラクションの一部は結晶化され、そしてもう一方は噴霧乾燥されて結晶性混合物固体を生じさせる。
特許文献11に、無水結晶性マルチトールの連続製造法が記載されている。この方法は、濃縮化工程で加熱された、マルチトールが豊富なシロップに始まり、ついで種結晶を添加し、更に加熱しながら混合工程を行い、白下砂糖(massecuite)を生じさせ、ついで結晶熟成工程(crystal aging step)を行い、そこで白下砂糖を崩壊、混合、攪拌、ついで温度及び湿気を、結晶化を進行させるために調整された雰囲気に移行させる。
種々の純度で液体、固体及び結晶性マルチトールを提供する単一処理を得るために更なる要求がある。
したがって、本発明はこのような処理法を提供する。
発明の要旨
本発明はマルチトール強化生成物の製造方法に関し、そしてその方法は連続工程からなる:
a)乾燥物質に対して少なくとも75%、好ましくは80%より多くのマルトースを含むシロップ(A)を得、
b)クロマトグラフィーによって分別し、この場合フラクション(B)の乾燥物質に対して少なくとも92%のマルトースを含む、マルトースが豊富なフラクション(B)を得るためにこの分別の処理条件を選択し、
c)液体マルチトール生成物(C)を得るためにフラクション(B)を接触水素化し、
d)液体マルチトール生成物(C)の乾燥物質を増加させ、
e)場合により固化又は結晶化させる。
本発明はマルチトール強化生成物の製造方法に関し、そしてその方法は連続工程からなる:
a)乾燥物質に対して少なくとも75%、好ましくは80%より多くのマルトースを含むシロップ(A)を得、
b)クロマトグラフィーによって分別し、この場合フラクション(B)の乾燥物質に対して少なくとも92%のマルトースを含む、マルトースが豊富なフラクション(B)を得るためにこの分別の処理条件を選択し、
c)液体マルチトール生成物(C)を得るためにフラクション(B)を接触水素化し、
d)液体マルチトール生成物(C)の乾燥物質を増加させ、
e)場合により固化又は結晶化させる。
本発明は、液化されたスターチミルクを得るためにスターチミルクを2〜25のデキストロース当量までに液化し、ついでβ−アミラーゼと、プルナラーゼ、イソアミラーゼ及びその混合物より成る群から選ばれた少なくとも1種の脱分岐酵素との存在下に、この液化されたスターチミルクを糖化工程に付し、ついで場合により乾燥物質に対して少なくとも81%のマルトースを含むシロップ(A)を得るためにα−アミラーゼを添加することによって、シロップ(A)を得る方法に関する。
本発明は、フラクション(B)が乾燥物質に対して少なくとも93%のマルトースを含む方法に関する。
本発明は、生成物(C)が少なくとも90%のマルチトール(乾燥物質に対して)を含む方法に関する。
本発明は、生成物(C)が少なくとも90%のマルチトール(乾燥物質に対して)を含む方法に関する。
更に,本発明は、上記方法の工程d)の後に次の連続工程、すなわち
e)結晶性マルチトール中間体(D)及び液体マルチトール副生成物(E)を得るために1回又は多数回の結晶化工程によって生成物(C)を結晶化させ、この場合中間体(D)が少なくとも93%の乾燥物を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含み、ついで
f)少なくとも98.5%の乾燥物質を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含む結晶性マルチトール生成物(F)を得るために、結晶性マルチトール中間体(D)を乾燥させる、
工程が続けられる方法に関する。
e)結晶性マルチトール中間体(D)及び液体マルチトール副生成物(E)を得るために1回又は多数回の結晶化工程によって生成物(C)を結晶化させ、この場合中間体(D)が少なくとも93%の乾燥物を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含み、ついで
f)少なくとも98.5%の乾燥物質を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含む結晶性マルチトール生成物(F)を得るために、結晶性マルチトール中間体(D)を乾燥させる、
工程が続けられる方法に関する。
更に、本発明は副生成物(E)をクロマトグラフィーによって分別し、乾燥物質に対して少なくとも90%のマルチトールを含む、マルチトールが豊富なフラクション(G)を得るために選ばれる方法に関する。
更に、本発明は乾燥物質に対して少なくとも94%のマルチトールを含み、そして結晶性マルチトール中間体(D)、副生成物(E)及び/又はフラクション(G)及び場合により水を混合して、少なくとも50%の乾燥物質を有する液体マルチトール生成物(H)を得る方法に関する。
本発明は、結晶性マルチトール(F)が、少なくとも98%の純度、好ましくは99%より大きい純度、更に好ましくは99.5%より大きい純度を有する方法に関する。
発明の詳細な説明
本発明はマルチトール強化生成物の製造方法に関し、そしてその方法は次の連続工程からなる:
a)乾燥物質に対して少なくとも75%、好ましくは80%より多くのマルトースを含むシロップ(A)を得、
b)クロマトグラフィーによって分別し、この場合フラクション(B)の乾燥物質に対して少なくとも92%のマルトースを含む、マルトースが豊富なフラクション(B)を得るために上記分別の処理条件を選択し、
c)液体マルチトール強化生成物(C)を得るためにフラクション(B)を接触水素化し、
d)液体マルチトール生成物(C)の乾燥物質を増加させ、
e)場合により固化又は結晶化させる。
本発明はマルチトール強化生成物の製造方法に関し、そしてその方法は次の連続工程からなる:
a)乾燥物質に対して少なくとも75%、好ましくは80%より多くのマルトースを含むシロップ(A)を得、
b)クロマトグラフィーによって分別し、この場合フラクション(B)の乾燥物質に対して少なくとも92%のマルトースを含む、マルトースが豊富なフラクション(B)を得るために上記分別の処理条件を選択し、
c)液体マルチトール強化生成物(C)を得るためにフラクション(B)を接触水素化し、
d)液体マルチトール生成物(C)の乾燥物質を増加させ、
e)場合により固化又は結晶化させる。
シロップ(A)に対する原料として使用されるデンプンは、豆科のデンプン、穀物デンプン、根デンプン、塊茎デンプン、果実デンプン、ワクシタイプデンプン、高アミロースデンプン、ハイブリッドデンプン及びそれらの混合物より成る群から選ばれた供給源から得られる。適する供給源は、コーン、豆、ジャガイモ、サツマイモ、サトウモロコシ、バナナ、オオムギ、小麦、米、サゴ、アマランス、タピオカ、クズ粉、カンナ及びワクシ(少なくとも約95重量%のアミロペクチンを含む)又はその高アミロース(40重量%より多くのアミロースを含む)変化物を含む。
クロマトグラフィーによる分別の処理条件は、溶離速度、マルトースシロップの供給速度、温度、マルトースシロップ強化フラクションの抽出速度、マルトース強化フラクションの抽出速度及び脱離域、吸着域及び強化域の組成を含む。
あらゆる市場で入手できるカチオン交換樹脂を、クロマトグラフィーによる分別に使用するのが適当である。特に、スルホン基と結合するスチレン−ジビニルベンゼン架橋ポリマーからなる市場で入手できる強カチオン交換樹脂を使用することができる。好ましい実施態様において、カチオン交換樹脂をマルトース強化フラクションを得るためにナトリウムの形で使用する。
クロマトグラフィーによる分別の処理条件は、マルトースが豊富なフラクション(B)がフラクション(B)の乾燥物質に対して少なくとも92%のマルトースを含むように選ばれる。驚くべきことに、この条件及びカチオン交換樹脂を、フラクション(B)の乾燥物質に対して96%より多くのマルトースを含むフラクション(B)を得るために選ぶことができる。フラクション(B)はフラクション(B)の乾燥物質に対して98%より多くのマルトースを含むのが好ましい。マルトースフラクション(B)は、少なくとも30%,好ましくは少なくとも35%の乾燥物質で少なくとも90%,好ましくは95%より多く含まれる。フラクション(B)中のマルトースの回収は、少なくとも80%,好ましくは少なくとも85%である。副生成物は依然として40%程度か又はそれ以上のマルトースを含むことができる。
典型的な例で、擬似移動床をクロマトグラフィーによる分別に適用する。供給シロップ(A)の乾燥物質は、少なくとも50%,好ましくは60%である。クロマトグラフィーによる分別の温度は、室温より高い、好ましくは50℃より高い、より好ましくは70℃より高い。
水素添加を、炭水化物を水素添加するのに通常使用される触媒の存在下に実施することができる。特に、市場で入手できるラネー型ニッケル触媒、担持されたニッケル触媒及び反応性貴金属触媒、たとえば活性炭に担持されたルテニウム触媒を使用するのが好ましい。
あらゆる水素添加条件が、マルトースの分解が生じないというかぎり適当である。水素ガスの吸収が停止するまで水素添加を続けるために、通常、水素添加工程を少なくとも10バール、好ましくは30〜200バールの水素ガス圧で及び90〜150℃の温度で実施する。
別の実施態様において、供給シロップ(B)を少なくとも50%の乾燥物質で使用し,活性ニッケル触媒を添加し、水素添加を135℃までの温度及び少なくとも40バールの水素圧で行う。活性ニッケル触媒を、供給シロップ(B)の乾燥物質に対して4%の量で添加する。
水素ガスの吸収の完了後、たとえば水素添加の約3時間後、水素添加触媒(=活性ニッケル触媒)を生じる液体マルチトール生成物(C)から除去する。このシロップを更に活性炭又はイオン交換樹脂及び/又は研磨樹脂によって脱色するか及び/又は脱イオン化する。液体マルチトール生成物(C)は、乾燥物質に対して少なくとも92%のマルチトール,好ましくは少なくとも94%のマルチトール、更に好ましくは少なくとも95%のマルチトールを含む。液体生成物(C)の乾燥物質を増加させた後、生成物を保存することができるか及び/又はそのまま使用することができる。
場合により固体マルチトール生成物を得るために、液体生成物(C)を固化する。あるいは、結晶性マルチトールを得るために、液体生成物を1回又は多数回の結晶化工程によって結晶化させる。
本発明は、液化されたスターチミルクを得るためにスターチミルクを2〜25のデキストロース当量までに液化し、ついでβ−アミラーゼと、プルナラーゼ、イソアミラーゼ及びその混合物より成る群から選ばれた少なくとも1種の脱分岐酵素との存在下に、この液化されたスターチミルクを糖化工程に付し、ついで場合により、α−アミラーゼを添加して乾燥物質に対して少なくとも81%のマルトースを含むシロップ(A)を得る、シロップ(A)を得る方法に関する。
D.E.又は“デキストロース当量”なる値は、乾燥ベースに対してD−グルコースとして表わされるデンプン加水分解物の還元力である。DEの測定は、フェーリング溶液を用いる滴定法に基づく。
液化を、酸又は酵素処理,好ましくは酵素による液化によって行うことができる。
酵素による糖化、たとえば酵素の種類,酵素の起源(植物又は微生物起源)、脱分岐酵素との適当な組み合わせ、酵素の量、糖化の温度及びこの工程の持続時間のパラメータは、マルトースがシロップの乾燥物質に対して少なくとも81%であるように選ばれる。
具体的実施態様において、デンプンスラリーは25%より多くの乾燥物質及び5.0より大きい,好ましくは5.5より大きいpHとする。ついでデンプンスラリーを100℃より高い温度でフラッシュ室中でαアミラーゼを用いて処理する。滞留時間は少なくとも140℃の温度で10分より少ない。追加のαアミラーゼを添加することができ、少なくとも30分〜1時間までの滞留時間の後、デンプンスラリーを4〜5のDEを有する生成物に変える。
更に、DE4〜5を有するこの生成物をβ−アミラーゼ,プルナラーゼ及び好ましくは熱安定なα−アミラーゼを含む“酵素カクテル(enzyme cocktail)”の存在下に糖化することができる。DE4〜5生成物のマルトースが豊富な生成物への変換は、α−アミラーゼ、好ましくは熱安定なα−アミラーゼを添加することによって改善される。約50℃の温度で、全インキュベーション時間は30時間より幾分が長く、そして生じるシロップ(A)は少なくとも81%マルトース(乾燥物質に対して)を含む。
シロップ(A)をクロマトグラフィーによって分別し、そして本発明は更にフラクション(B)が乾燥物質に対して少なくとも93%マルトース、乾燥物質に対して好ましくは96%より多くのマルトース、更に好ましくは98%より多くのマルトースを含む方法に関する。
このマルトース強化フラクション(B)を水素添加し、そして本発明は水素添加生成物(C)が乾燥物質に対して少なくとも90%のマルチトールを含む方法に関する。
更に,本発明は、上記方法の工程d)の後に次の連続工程、すなわち
e)結晶性マルチトール中間体(D)及び液体マルチトール副生成物(E)を得るために、1回又は多数回の結晶化工程によって生成物(C)を結晶化させ、この場合中間体(D)が少なくとも93%の乾燥物を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含み、ついで
f)少なくとも98.5%の乾燥物質を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含む結晶性マルチトール生成物(F)を得るために、結晶性マルチトール中間体(D)を乾燥させる、
工程が続けられる方法に関する。
e)結晶性マルチトール中間体(D)及び液体マルチトール副生成物(E)を得るために、1回又は多数回の結晶化工程によって生成物(C)を結晶化させ、この場合中間体(D)が少なくとも93%の乾燥物を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含み、ついで
f)少なくとも98.5%の乾燥物質を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含む結晶性マルチトール生成物(F)を得るために、結晶性マルチトール中間体(D)を乾燥させる、
工程が続けられる方法に関する。
液体マルチトール副生成物(E)は、乾燥物質に対して少なくとも70%、好ましくは72%のマルチトールを含む。
生成物(F)を再結晶させて、その純度を増加させることができる。
液体マルチトール生成物(C)の乾燥物質を50%より多く、好ましくは60%より多く、更に好ましくは80%より多く増加させた後、シロップを結晶化して、結晶性中間体(D)及び液体副生成物(E)を得る。
具体的実施態様において、このシロップを85%より大きい濃度の乾燥固体に濃縮する。特定の冷却速度を適用し、結晶化を攪拌によって誘発する。得られた結晶を好ましくは再結晶して、結晶純度を99%より大きく、好ましくは99.5%に増加させる。更に、結晶性中間体(D)を、更に乾燥、最終的に篩分及び包装によって最終結晶性マルチトール生成物(F)に変える。
マルチトール強化生成物の回収は、母液(副生成物(E))の結晶化又は母液(副生成物(E))のクロマトグラフィーによる分別によって増加させることができる。好ましくは液体副生成物(E)の品質は、更にクロマトグラフィー工程によって改善され、それによって処理条件が液体副生成物(E)をマルチトール強化フラクション(G)に変換するように選ばれる。
そのまま使用することができるマルチトール強化シロップを得るために、フラクション(G)の乾燥物質を増加させる。更にこのフラクション(G)を固化及び/又は結晶化させる。
場合により別の品質度合のマルチトール含有生成物(H)が本発明によって得られる。水に本発明のある量のマルチトールを含有する生成物の添加、ついでこれらの全部又はある量の混合は、少なくとも50%の乾燥物質で生成物(H)を生じる。この生成物は乾燥物質に対して少なくとも94%のマルチトールを含む。実際に、結晶性マルチトール中間体(D),副生成物(E)及び/又はフラクション(G)及び場合により水を混合して、乾燥物質に対して少なくとも94%のマルチトールを含み、そして少なくとも50%の乾燥物質を有する液体マルチトール生成物(H)が得られる。
具体的な実施態様において、本発明は、
a)スターチミルクを液化して、2〜25のデキストロース当量を有する液化されたスターチミルクとし、
b)少なくとも81%マルトース(乾燥物質に対して)を含むマルトースシロップ(A)を得るために、液化されたスターチミルクをβ−アミラーゼ、プルナラーゼ及びα−アミラーゼの存在下に糖化し、
c)少なくとも96%マルトース,好ましくは98%のマルトース(乾燥物質に対して)を含むマルトース強化フラクション(B)を得るために、クロマトグラフィーによる分別を行い、
d)マルトース強化フラクション(B)を水素添加して、少なくとも95%のマルチトール(乾燥物質に対して)を含むマルチトールシロップ(C)とする、
方法に関する。
a)スターチミルクを液化して、2〜25のデキストロース当量を有する液化されたスターチミルクとし、
b)少なくとも81%マルトース(乾燥物質に対して)を含むマルトースシロップ(A)を得るために、液化されたスターチミルクをβ−アミラーゼ、プルナラーゼ及びα−アミラーゼの存在下に糖化し、
c)少なくとも96%マルトース,好ましくは98%のマルトース(乾燥物質に対して)を含むマルトース強化フラクション(B)を得るために、クロマトグラフィーによる分別を行い、
d)マルトース強化フラクション(B)を水素添加して、少なくとも95%のマルチトール(乾燥物質に対して)を含むマルチトールシロップ(C)とする、
方法に関する。
マルチトールシロップ(C)は、液体マルチトール、結晶性マルチトール又は固化されたマルチトールを製造するためにもっぱら使用される。
更に,本発明は結晶性マルチトール(F)が少なくとも98%の純度,好ましくは99%より大きい純度を含む方法に関する。実際、99.5%及び99.7%より大きい純度を得ることができる。
本発明は次の利点を有する:
種々のマルチトール強化生成物;たとえば液体マルチトール、固化されたマルチトール及び/又は結晶化されたマルチトールを提供する簡単な方法。
種々のマルチトール強化生成物;たとえば液体マルチトール、固化されたマルチトール及び/又は結晶化されたマルチトールを提供する簡単な方法。
種々の純度の液体マルチトールシロップを得ることができる。たとえば生成物(C)及び生成物(H)。
同一の簡単な方法で、高い回収収率(60%以上)及び高い純度を有する結晶性マルチトールを得ることができる。
この方法によって、更に固化されたマルチトール生成物を得ることができる。
種々の純度の液体、固体及び結晶性マルチトールが単一方法によって得ることができる。
結晶性マルチトールを水素添加の後、直ちに得ることができる。更なるクロマトグラフィーによる分別を必要としない。
マルチトール強化生成物の回収収率を、生じた副生成物のクロマトグラフィーによる分別によって増加させることができる。たとえば結晶化母液を更に処理する。
驚くべきことに,本発明者は種々のマルチトール生成物の高い回収収率をマルトースの液化、糖化の後、直ちにクロマトグラフィーによる分別を行うことによって、ついで更に水素添加された生成物の直接結晶化を行うことによって、達成することができることを見出した。
本発明の方法は、驚くべきことに高い回収収率及び高い純度で種々のマルチトールフラクションを得ることを可能にする。
本発明を以下の実施例によって説明する。
液化
27.5%の乾燥物質及びpH5.6−5.8のデンプンスラリーを、106℃で0.042%αアミラーゼ(乾燥ベースに対する%)を用いて処理する。滞留時間は10−16分であり、そしてこの滞留時間の後、フラッシュ室中で100℃に冷却する。第二ジェットクッカー中で、温度152℃での加熱貯蔵(heatstock)を行った後、煮沸しながら滞留時間約5〜8分間、ついで100℃に冷却する。
27.5%の乾燥物質及びpH5.6−5.8のデンプンスラリーを、106℃で0.042%αアミラーゼ(乾燥ベースに対する%)を用いて処理する。滞留時間は10−16分であり、そしてこの滞留時間の後、フラッシュ室中で100℃に冷却する。第二ジェットクッカー中で、温度152℃での加熱貯蔵(heatstock)を行った後、煮沸しながら滞留時間約5〜8分間、ついで100℃に冷却する。
再度、0.028%(乾燥ベースに対して)のα−アミラーゼを添加する。
35〜56分の滞留時間の後、デンプンを4〜5のDE(フェーリング溶液の存在下に滴定法によって測定)の生成物に変える。α−アミラーゼを、pH3.0で2%HCl−溶液の添加によって脱活性化する。
35〜56分の滞留時間の後、デンプンを4〜5のDE(フェーリング溶液の存在下に滴定法によって測定)の生成物に変える。α−アミラーゼを、pH3.0で2%HCl−溶液の添加によって脱活性化する。
20分の滞留時間の後、生成物を更に58−60℃に冷却し、pHを、2%NaOH溶液を添加して5.5とする。
糖化
上記液化の後、糖化工程を行う。
上記液化の後、糖化工程を行う。
pH5.5及び温度50℃で、次の酵素を液化工程から得られた液化されたスターチミルクに添加する:
0.10%(乾燥物質に対して)β−アミラーゼ(Optimalt BBA)
0.10%(乾燥物質に対して)プルナラーゼ(Promozyme 400L)
0.030%(乾燥物質に対して)β−アミラーゼ(Betalase 1500 EL)
0.05%(乾燥物質に対して)熱安定なα−アミラーゼ(BAN 480 L)
32時間の総インキュベーション時間後、得られた糖化生成物は、次の組成を有する(HPLC−分析:Bio−Rad Aminex HPX−87;カチオン交換カラムはカルシウム形、カラム温度:80℃,溶離流速:
0.6ml/分,カラム圧限界:1200psi,注入容量:20mL,圧力コントロール限界:カラムの通常の操作圧より約200psi高い、溶離剤:脱気されたMilli−Q精製水,検出器:示差屈折計である。)。
DP1 :1.8%
DP2 :81%
DP3 :15%
DP4+:17%
0.10%(乾燥物質に対して)β−アミラーゼ(Optimalt BBA)
0.10%(乾燥物質に対して)プルナラーゼ(Promozyme 400L)
0.030%(乾燥物質に対して)β−アミラーゼ(Betalase 1500 EL)
0.05%(乾燥物質に対して)熱安定なα−アミラーゼ(BAN 480 L)
32時間の総インキュベーション時間後、得られた糖化生成物は、次の組成を有する(HPLC−分析:Bio−Rad Aminex HPX−87;カチオン交換カラムはカルシウム形、カラム温度:80℃,溶離流速:
0.6ml/分,カラム圧限界:1200psi,注入容量:20mL,圧力コントロール限界:カラムの通常の操作圧より約200psi高い、溶離剤:脱気されたMilli−Q精製水,検出器:示差屈折計である。)。
DP1 :1.8%
DP2 :81%
DP3 :15%
DP4+:17%
クロマトグラフィーによる分別
組成(DP1:1.5%;DP2:80.0%;DP3:12.5%及びDP4+:6%)を有する生成物を60%の乾燥物質に濃縮する。濃縮された生成物を75℃でイオン交換樹脂Dianion UBK 550(ナトリウム形)を有するクロマトグラフィー装置(ISMB)に適用し、マルトース強化フラクションを得る。この生成物は次の組成を有する(DP1:1.1%;DP2:96%;DP3:1.7%;DP4+:1.2%)。
組成(DP1:1.5%;DP2:80.0%;DP3:12.5%及びDP4+:6%)を有する生成物を60%の乾燥物質に濃縮する。濃縮された生成物を75℃でイオン交換樹脂Dianion UBK 550(ナトリウム形)を有するクロマトグラフィー装置(ISMB)に適用し、マルトース強化フラクションを得る。この生成物は次の組成を有する(DP1:1.1%;DP2:96%;DP3:1.7%;DP4+:1.2%)。
副生成物は次の組成を有する:HPLC−分析(Bio−Rad Aminex HPX−87,カチオン交換カラムはカルシウム形、カラム温度:80℃,溶離流速:0.6ml/分,カラム圧限界:1200psi,注入容量:20mL、圧力コントロール限界:カラムの通常の操作圧より約200psi高い、溶離剤:脱気されたMilli−Q精製水、検出器:示差屈折計である。)(DP1:2.4%;DP2:41.1%;DP3:38.7%;DP4+:17.8%)。
更なる詳細を表1に示す。
水素添加
組成(DP1:1.1%;DP:96%;DP3:1.7%;DP4+:1.2%)を有する21.6Kg(52%の乾燥物質)のマルトース強化フラクションを、ステンレス製水素添加反応器に充填する。活性化されたニッケル触媒を、マルトース強化フラクションの乾燥物質に対して4%の量で添加し、懸濁液を激しく攪拌し、135℃まで水素圧43バール下で加熱する。180分の水素添加後,懸濁液を90℃に冷却し、触媒を沈殿及び濾過によって除去する。温度40℃の水溶液をイオン交換させ、ついでカチオン及びアニオン樹脂及び粒状炭素を介して研磨する。得られた生成物は、次の組成を有する(HPLC分析:Bio−Rad Aminex HPX−87,カチオン交換カラムはカルシウム形、カラム温度:80℃,溶離流速:0.6ml/分、カラム圧限界:1200psi,注入容量:20mL,圧力コントロール限界:カラムの通常の操作圧より約200psi高い、溶離剤:脱気されたMilli−Q精製水、検出器:示差屈折計である。)。
DP1 :2.1%
DP2 :94.8%
DP3 :1.5%
DP4+:1.2%
その他 :0.4%
組成(DP1:1.1%;DP:96%;DP3:1.7%;DP4+:1.2%)を有する21.6Kg(52%の乾燥物質)のマルトース強化フラクションを、ステンレス製水素添加反応器に充填する。活性化されたニッケル触媒を、マルトース強化フラクションの乾燥物質に対して4%の量で添加し、懸濁液を激しく攪拌し、135℃まで水素圧43バール下で加熱する。180分の水素添加後,懸濁液を90℃に冷却し、触媒を沈殿及び濾過によって除去する。温度40℃の水溶液をイオン交換させ、ついでカチオン及びアニオン樹脂及び粒状炭素を介して研磨する。得られた生成物は、次の組成を有する(HPLC分析:Bio−Rad Aminex HPX−87,カチオン交換カラムはカルシウム形、カラム温度:80℃,溶離流速:0.6ml/分、カラム圧限界:1200psi,注入容量:20mL,圧力コントロール限界:カラムの通常の操作圧より約200psi高い、溶離剤:脱気されたMilli−Q精製水、検出器:示差屈折計である。)。
DP1 :2.1%
DP2 :94.8%
DP3 :1.5%
DP4+:1.2%
その他 :0.4%
結晶化
16Kgのマルチトール生成物(組成:DP1:2.1%,DP2:94.8%,DP3:1.5%,DP4+:1.2%,その他:0.4%)を80℃で85%より大きい乾燥固体の濃度に蒸発させる。晶析装置を80℃にし、ついで1時間0.83℃の割合で35℃に冷却する。晶析装置は、最大の速度で攪拌される。
16Kgのマルチトール生成物(組成:DP1:2.1%,DP2:94.8%,DP3:1.5%,DP4+:1.2%,その他:0.4%)を80℃で85%より大きい乾燥固体の濃度に蒸発させる。晶析装置を80℃にし、ついで1時間0.83℃の割合で35℃に冷却する。晶析装置は、最大の速度で攪拌される。
設定温度(35oC)に到達した後、5重量%の水(約20℃)をマグマに添加し、粘度を下げ、ついでポンプ排出し、遠心分離洗浄する。遠心分離された結晶を15重量%の水で洗浄する。
洗浄された結晶(約98重量%の純度)を85%より大きい乾燥固体濃度で熱水(80℃)中に融解させる。この濃縮されたマルチトール液体を第二晶析装置に供給する。晶析装置を80℃にし、40℃に1時間1℃の割合で冷却する。
結晶凝集物を、20℃で25重量%の水で洗浄する。
洗浄された結晶(5.33Kg)は、99.5%乾燥ベースより大きい純度及び約3%の湿気を有する。(回収収率:65%)
結晶を乾燥させ、篩別し、ついで包装する。
結晶を乾燥させ、篩別し、ついで包装する。
第一結晶化からの母液9.76Kgは、91%のマルチトール純度を有する。母液を85%乾燥固体に濃縮する。晶析装置を80℃にし、35℃に1時間0.6℃の割合で冷却する。晶析装置は最大速度で攪拌される。設定温度(35oC)に到達した後、5重量%の水(約20℃)をマグマに添加し、粘度を下げ、ついでポンプ排出し、遠心分離洗浄する。遠心分離された結晶を20℃で15重量%の水で洗浄する。
洗浄された結晶(重量あたり約97%マルチトール純度)を85%より大きい乾燥固体濃度で熱水(80℃)中に融解させ、ついで第二晶析装置供給域に添加する。
Claims (8)
- マルチトール強化生成物の製造方法にあって、この方法が次の連続工程:
a)乾燥物質に対して少なくとも75%,好ましくは80%より多くのマルトースを含むシロップ(A)を得、
b)クロマトグラフィーによって分別し、この場合フラクション(B)の乾燥物質に対して少なくとも92%のマルトースを含む、マルトースが豊富なフラクション(B)を得るためにこの分別の処理条件を選択し、
c)フラクション(B)を接触水素化し、液体マルチトール強化生成物(C)を得、
d)液体マルチトール強化生成物(C)の乾燥物質を増加させ、
e)場合により固化又は結晶化させる:
工程を含む、上記マルチトール強化生成物の製造方法。 - 液化されたスターチミルクを得るためにスターチミルクを2〜25のデキストロース当量までに液化し、ついでβ−アミラーゼと、プルナラーゼ,イソアミラーゼ及びその混合物より成る群から選ばれた少なくとも1種の脱分岐酵素との存在下に、この液化されたスターチミルクを糖化工程に付し,ついで場合により乾燥物質に対して少なくとも81%のマルトースを含むシロップ(A)を得るためにα−アミラーゼを添加することによって、前記シロップ(A)を得る、請求項1記載の方法。
- フラクション(B)が乾燥物質に対して少なくとも93%のマルトースを含む、請求項1又は2記載の方法。
- 生成物(C)が少なくとも90%のマルチトールを含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
- 前記方法の工程d)の後に次の連続工程、すなわち
e)結晶性マルチトール中間体(D)及び液体マルチトール副生成物(E)を得るために、1回又は多数回の結晶化工程によって生成物(C)を結晶化させ、この場合中間体(D)が少なくとも93%の乾燥物を有し、そして乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含み、ついで
f)結晶性マルチトール中間体(D)を乾燥させて、少なくとも98.5%の乾燥物質を有し、そしてマルチトール生成物(F)が乾燥物質に対して少なくとも97%のマルチトールを含む結晶性マルチトール生成物(F)を得る、
工程を続ける、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。 - 前記方法の工程f)の後に、液体マルチトール副生成物(E)をクロマトグラフィーによって分別し、この際この分別の処理条件が乾燥物質に対して少なくとも90%のマルチトールを含む、マルチトールが豊富なフラクション(G)を得るために選ばれる、請求項5記載の方法。
- 結晶性マルチトール中間体(D)、副生成物(E)及び/又はフラクション(G)及び場合により水を混合して、乾燥物質に対して少なくとも94%のマルチトールを含み、そして少なくとも50%の乾燥物質を有する液体マルチトール生成物(H)を得る、請求項5又は6記載の方法。
- 結晶性マルチトール生成物(F)が、少なくとも98%の純度、好ましくは99%より大きい純度、更に好ましくは99.5%より大きい純度を有する、請求項5〜7のいずれか1つに記載の方法。
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