JP2013026457A - 冷却ファン制御装置、および冷却ファン制御方法 - Google Patents

冷却ファン制御装置、および冷却ファン制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子部品の消費電流が急激に変化した場合でも、冷却装置の時間遅れを抑制し、適正な動作温度を維持することが可能な冷却ファン制御装置を提供する。
【解決手段】
電子部品104と、冷却ファン103と、を搭載する装置100における冷却ファン制御装置であって、装置100内部の温度を計測する温度センサ13と、電子部品104の消費電流を検出する電流検出器11と、冷却ファン103の回転数を制御する回転数制御部15と、を有し、回転数制御部は、装置100内部の温度と目標温度との差に基づいて冷却ファン103の基本回転数を算出する。また、所定期間中における所定のタイミング毎に、電子部品104の消費電流の各変化量を検出すると共に、所定の係数テーブルから前記タイミング毎に定まる補正値係数を特定し、前記各変化量と補正値係数との積をそれぞれ加算して、補正値を算出する。そして、基本回転数に補正値を加えて最終的な回転数を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子機器の冷却ファン制御装置、および冷却ファン制御方法に関する。
現在、通信機器等の一般的な電子機器には、多くの電子部品が搭載されている。そしてこのような電子機器には、電子部品の動作温度を適正に調整するため、特定の制御方式に従って電子機器内部を冷却する冷却装置が同時に搭載されている。
冷却装置として一般的なものに、冷却ファンがある。冷却ファンの制御方式としては、例えば、サーミスタ等の温度センサによって得られる電子機器内部の温度を監視し、あらかじめ設定してある目標温度と等しくなるように冷却ファンの回転数を制御するような方式が知られている。
しかしながら電子機器内部の温度は、電子機器外部の気温による温度変化と、電子機器内部の電子部品が電源供給を受けた際の電力損失による発熱に起因しているため、電子部品の消費電力が急激に上昇し、それに伴って電子部品の温度が上昇した場合、温度センサの特性や取り付け位置によっては、電子部品の温度変化が温度センサに伝わるまでに図1に示すような遅れ時間が発生する。
図1は、従来の冷却ファンの回転数制御に温度センサを用いた場合の遅れ時間に関する影響を示したグラフである。例えば、電子機器の消費電流が変化して電流値(A)が急激に変化した場合、すぐに電子部品の温度(B)も大きく上昇する。しかし電子機器内部の温度(C)が上がりきるまでは時間がかかるため、これを検知する温度センサと電子部品の温度(A)との間には、時点Eで大きな差が存在する。その結果、電子機器内部の温度(C)が冷却ファンの回転数(D)が適切な値に達するまでにある程度の遅れ時間が生じ、電子部品の動作温度範囲を超過してしまったり、その時間が長く続いてしまったりする。
このような冷却ファン制御の時間遅れを解決する方法として、温度センサで得た電子機器内部の温度(C)から温度の変化量を取得して、温度の変化量に応じて冷却ファンの回転数を補正する方法が考えられる。しかし、この方法では、遅れ時間が短い間は問題ないが、遅れ時間がある程度長くなると、ファンの回転数を適切な値に制御できない虞がある。何故なら、遅れ時間が長い場合、電子部品の温度(B)が上昇しても、電子機器内部の温度(C)は大きく上昇しないので、冷却ファンの回転数補正値を決定する単位時間当たりの温度の変化量も、小さな値となってしまうからである。結果として、小さな温度の変化量を基に冷却ファンの回転数を大きく制御しなくてはならず、安定した制御を行うことが難しくなる。
このような冷却ファン制御の時間遅れを解決する例として、電源の電力値によって回転数を制御することで、温度センサの特性や取り付け位置によって生じる時間遅れを生じさせない技術がある。
例えば、特許文献1に記載される冷却ファン制御装置では、電源の出力電力量を検出する回路を設け、出力電力量が閾値未満の場合には、電子機器内部の温度に応じて冷却ファンの回転数を制御し、出力電力量が閾値以上の場合には、冷却ファンを最大回転数で動作させている。これにより、電源からの出力電力量が大きくなると冷却ファンの回転数が最大回転まで引き上げられるため、電子部品の発熱で電子機器内部の温度が冷却ファン制御の時間遅れによって大きく上昇することが防止される。
また、特許文献2に記載された冷却ファン制御装置では、直流電源装置の発熱量と直流電源装置から検出された消費電流が比例の関係にあることを利用して、消費電流を積分回路で積分し、定数倍に増幅した値で冷却ファンの回転数を制御している。
特開2001−284868号公報 特開平7−231058号公報
しかしながら、特許文献1のようにあらかじめ設定された消費電流の閾値に基づいて冷却ファンを最大回転数で動作させると、例えば閾値付近の電流値では、制御回路が適正に切り替わらない虞がある。よって、時間遅れを生じさせないためには閾値に幅が必要となるが、その場合、不要な場面で冷却ファンの回転数が最大回転となってしまうといったデメリットも生じてしまう。また、閾値の設定には電子機器外部の温度と電子部品の発熱温度等、複数のパラメータを考慮しなければならないため、設計が複雑化する虞もある。
また、特許文献2に記載されるような方法では、冷却ファンの回転数制御を消費電流だけで監視しており、温度センサによる電子機器内部の温度監視がなされていない。そのため、電子機器外部の気温が変化して電子機器内部の温度が変化した際には、冷却ファンの回転数制御が行われない虞があった。
そこで本発明は、電子部品の消費電流が急激に変化した場合でも、冷却装置の遅れ時間を抑制し、適正な動作温度を維持することが可能な冷却ファン制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の冷却ファン制御装置は、電子部品の消費電流が急激に変化した場合でも、冷却装置の遅れ時間を抑制し、適正な動作温度を維持することが可能な冷却ファン制御装置を提供する。
例えば、本発明に係る冷却ファン制御装置は、電子部品と、冷却ファンと、を搭載する装置における冷却ファン制御装置であって、前記装置内部の温度を計測する温度センサと、前記電子部品の消費電流を検出する電流検出器と、前記冷却ファンの回転数を決定する回転数制御部と、を有し、前記回転数制御部は、前記装置内部の温度と目標温度との差に基づいて、前記冷却ファンの基本回転数を算出する処理と、所定期間中における所定のタイミング毎に前記消費電流の各変化量を検出すると共に、所定の係数テーブルから前記タイミング毎に定められた補正値係数を特定し、前記各変化量と補正値係数との積をそれぞれ加算し、前記基本回転数の補正値を算出する処理と、前記基本回転数に前記補正値を加算して、前記冷却ファンの回転数を決定する処理と、を行うことを特徴とする。
電子部品の消費電流が急激に変化した場合でも、冷却装置の時間遅れを抑制し、適正な動作温度を維持することが可能な冷却ファン制御装置を提供することができる。
従来の冷却ファンの回転数制御に温度センサを用いた場合の遅れ時間に関する影響を示したグラフである。 本発明の第一の実施形態に係る冷却ファン制御装置102の構成例を示す概略構成図である。 電流検出器11の出力値の一例を示すグラフである。 微分器151の出力値の一例を示すグラフである。 (a)補正制御部152の備える変化量テーブル1521の一例である。(b)補正制御部152の備える補正値係数テーブル1522の一例である。 補正値係数gの一例を示すグラフである。 冷却ファン制御装置102の各部における出力値の一例を示すグラフである。 複数回電流値が変化した場合の各サンプリング間隔における補正値と、回転数補正値Rsの値を示すグラフである。 電子部品の温度変化のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の第二の実施形態に係る冷却ファン制御装置202の構成例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第一の実施形態>
図2は、本発明の第一の実施形態に係る冷却ファン制御装置102が搭載された電子部品を内蔵する装置本体100の構成例を示す概略構成図である。装置本体100は例えば、電子部品群と、該電子部品を冷却するための冷却装置(ここでは冷却ファン)と、を有する一般的なパーソナルコンピュータ等の装置であり、電源101と、冷却ファン制御装置102と、冷却ファン103と、電子部品104と、を備えている。
電源101は、図示しない交流電源より駆動用直流電源を生成し、これを装置本体100の備えている各電子部品に供給する。
冷却ファン制御装置102は、電流検出器11と、A/D変換器12と、温度センサ13と、A/D変換器14と、回転数制御部15と、D/A変換器16と、駆動回路17と、を有している。
電流検出器11は、例えばサンプリング間隔ts毎に、電源101から所定の電子部品104へと供給された電流値(電子部品104の消費電流)を検出し、検出した電流値をA/D変換器12に出力する。なお、電流検出器11が検出対象とする電子部品104は、装置本体100内で最も平均消費電力が大きなものであることが望ましい。なお、平均消費電力でなくとも、一時的な消費電力が最大となるものを選んでもよい。
A/D変換器12は、電流検出器11からの電流値をデジタル信号に変換して回転数制御部15へと出力する。図3に、このような電流検出器11の出力値を示すグラフの一例を示す。図3では、時間t0-Nから時間t0までの各サンプリング時刻(t0-N…t0-4,t0-3,t0-2,t0-1,t0)で、消費電流iがi0-Nからi0(i0-N…i0-4,i0-3,i0-2,i0-1,i0)へと増加しているのがわかる。
温度センサ13は、電子部品104に直接、あるいはその近傍に配設され、サンプリング間隔ts毎に電子部品104の周辺温度を検出し、検出した温度をA/D変換器14へと出力する。A/D変換器14は、温度センサ13からの温度値をデジタル信号に変換して回転数制御部15へと出力する。これにより、電子部品104の温度状態が得られる。なお、温度センサ13は、装置本体100内の他の任意の位置に設けてもよい。
回転数制御部15は、電流検出器11から得られた電子部品104の消費電流を表す信号と、温度センサ13から得られた電子部品104の周辺温度を表す信号と、に基づいて、冷却ファン103の制御信号を生成する。生成した制御信号は、D/A変換器16を介して駆動回路17へと出力される。駆動回路17は、入力された制御信号に基づき冷却ファン103を回転させる。
次に、回転数制御部15の動作について詳細に説明する。回転数制御部15は、微分器151と、補正制御部152と、減算器153と、フィルタ154と、加算器155と、を備えている。微分器151は、電流検出器11で検出された電子部品104の消費電流値を表す信号を微分し、その微分値を補正制御部152へと出力する。これにより、電子部品104における消費電流値の変化量が得られる。図4に、このような微分器151の出力値を示すグラフの一例を示す。図4では、図3に示す消費電流値の時間t0-Nから時間t0間におけるサンプリング間隔ts毎の変化量fsが、fs-N〜fs-0(fs-N…fs-4,fs-3,fs-2,fs-1,fs-0)として示されている。
次に、図5(a)及び図5(b)を参照しながら、補正制御部152について説明する。補正制御部152は、微分器151から出力された電子部品104における消費電流値の変化量を、図示しない記憶部の変化量テーブル1521に記憶させる。図5(a)は、所定時間毎の消費電流の変化量を示す変化量テーブル1521の一例を示す概略説明図である。変化量テーブル1521では、サンプリング間隔ts毎に新規レコードが生成され、サンプリング時刻に応じた消費電流の変化量fsが格納される。図5(a)に示す変化量テーブル1521では、最上段に最新のレコードが格納され、最下段に最も古いレコードが格納されている。なお、格納されるレコードの最大数Nは予め定められており、これを超えるレコードは、新規レコードの生成時に随時破棄されていく。なお、レコードの最大数Nはサンプリング間隔tsとレコード数の積で求められる期間Ntsが、冷却ファンの遅れ時間よりも長くなるよう設定されているものとする。なお、ここでいう遅れ時間とは、急激な消費電流の変化等により、温度センサの計測値と、電子部品の実際の温度とに、所定の閾値以上のずれが生じる期間をいう。
また、図示しない記憶部には、予め冷却ファン103の回転数を補正するための基準となる補正値係数を格納する補正値係数テーブル1522が記憶されている。図5(b)は、補正値係数テーブル1522の一例を示す概略説明図である。補正値係数テーブル1522は、変化量テーブル1521と同じ数のレコードを有し、最新のサンプリング時刻t0(=0・ts)までの経過時間量毎(ts,2ts,3ts,4ts,…Nts)に、冷却ファン103の補正値係数g(g0,g1,g2,g3,g4,…gN)が格納されている。
なお、このような補正値係数は時間によって変動し、具体的には、図6に示すようなグラフとして表される。例えば、図1のように電子部品の消費電流が急激に変化して温度センサによる冷却ファン制御に時間遅れが生じて温度変化を追従しきれない際を想定したとき、冷却ファンの回転数の不足分を補填して、期間Nts内において時間遅れをカバーすることが可能な補正値係数が設定される。
図6に示す補正値係数の例によれば、期間Nts内において、初期段階では冷却ファン103が温度変化を追従しきれないため、大きな値が設定されている。これにより、初期段階の冷却ファン103の回転数は大きく増加するよう補正される。しかしながら、時間経過とともに温度センサ13による冷却ファン103の回転数が温度変化に追従し始めるため、一定時間後は、冷却ファン103の補正値は減少に転じ、最終的には0となる。このように、冷却ファン制御の遅れ時間の間にも冷却ファン103の回転数が消費電流値に則した値が決定される。
補正制御部152は、このような変化量テーブル1521に記憶される各レコードに格納される変化量fsから、最終的な回転数補正値Rsを算出する。
まず、補正制御部152は、図示しない記憶部に記憶される所定の基準値Xに対する変化量fsの比を、補正値係数gに適用する。具体的に、各サンプリング時刻毎に、変化量fsを図示しない記憶部に記憶された基準値Xで除し、その解を補正値係数gに乗じて、真の補正値係数g'を得る。次に、各変化量fsと、これに対応する真の補正値係数g'との積を取って、各サンプリング間隔における補正値をそれぞれ算出し、これらを全て足し合わせて、最終的な回転数補正値Rsとする。
例えば、最新のサンプリング時刻t0(=0・ts)における回転数補正値Rsを算出する場合、取得したサンプル個数をNとすると、次式で求めることができる。
Figure 2013026457
算出された回転数補正値Rsは、加算器155へと出力される。なお、消費電流の変化量fsが正の値の場合は回転数補正値Rsも正の値が、変化量fsが負の値の場合は回転数補正値Rsも負の値となる。
図2に戻って、減算器153は、A/D変換器14から出力されてくる電子部品104の周辺温度を表す信号から、記憶部156に予め設定された目標温度を表す基準信号を減算し、その差分を出力する。この出力信号は、フィルタ154に与えられる。
フィルタ154は、減算器153から与えられた信号に基づいて冷却ファン103の基本回転数Bsを決定する。これは、温度センサ13で取得した電子部品104の温度が、目標温度に等しくなるよう所定の相関に従って冷却ファン103の基本回転数Bsを定めるものである。このようなフィルタ154については、従来の温度センサを用いた冷却ファンの回転数制御技術を用いることで実現できる。決定された基本回転数Bsは、加算器155に入力される。
加算器155は、フィルタ154から与えられた基本回転数Bsと、補正制御部152から与えられた回転数補正値Rsと、を足し合わせ、冷却ファン103の最終的な回転数を決定する。そして、加算器155は、決定された回転数を表す信号を、D/A変換器16へと出力する。駆動回路17は、D/A変換器16から入力された回転数に基づき、冷却ファン103を制御する。
ここで、このような冷却ファン制御装置102の動作の一例について説明する。図7は、冷却ファン制御装置102の各部における出力値の一例を示すグラフである。図中のtI及びtIIは、期間Nts内における任意の時点であり、tI−tII間に一度だけ消費電流が変化した場合を想定して説明を行う。
グラフ(A)は、電流検出器11で検出された消費電流のグラフである。時点tIで増加した消費電流は、時点tIIで再び元に戻っている。微分器151は、このような消費電流のうち高周波成分のみを通し、グラフ(B)に示すような電流の変化量を出力する。時点tでは正の変化量が、時点tIIでは負の電流の変化量が、それぞれ出力されている。
補正制御部152は、グラフ(B)から求めた回転数補正値Rsを、グラフ(C)に示すような値として加算器155に出力する。ここでは、時点tでは正の、時点tIIでは負の補正値が出力されている。一方で、フィルタ154からは、温度センサ13の値に基づいて求められた基本回転数Bsが、グラフ(D)のような出力値として加算器155に入力される。
加算器155から出力された最終的な回転数の一例を、グラフ(E)に示す。基本回転数Bsのグラフ(D)と、回転数補正値Rsのグラフ(C)とを足し合わせた値が、最終的な冷却ファン103の最終的な回転数となる。グラフ(E)によれば、消費電流の増加時には冷却ファン103の回転数が遅れ時間なく上昇し、消費電流の減少時には冷却ファン103の回転数が遅れ時間なく下降する。また、電子部品104の消費電流が一定の値で安定している場合、微分器151で得られる消費電流の変化量もほぼ0となるため、補正制御部152からの出力も停止する。従って、冷却ファン103の回転数制御は、実質温度センサ13のみに基づいて行われる。
ここで、上記図7のように消費電流が変化した場合の、電子部品の温度変化のシミュレーション結果を、図9に示す。図9に示すグラフにおいて、実線は、温度センサのみを用いた従来の方法によって冷却ファンの回転数を制御した場合の電子部品の温度変化を示し、破線は、本発明の冷却ファン制御装置102を用いて冷却ファンの回転数を制御した場合の電子部品の温度変化を示す。また、目標温度は50℃に設定されている。
図9に示すように、温度センサのみで冷却ファンの回転数を制御した場合、実際の電子部品の温度と温度センサの測定値との乖離に起因する急激な温度上昇が見られ、その変化量は最大で±30℃程度である。一方、本発明に係る冷却ファン制御装置102によって冷却ファンの回転数を制御した場合、電子部品温度の変化量は±10℃程度に抑えられた。
このような結果から、温度センサ13のみに基づいた基本回転数Bsに、消費電流に基づいた回転数補正値Rsを加算することによって、冷却ファン103が、電子部品104の遅れ時間に起因する温度変化を抑制する方向へ挙動していることがわかる。
なお、上記では期間Nts内に一度だけ消費電流が変化した場合について説明したが、複数回電流値が変化した場合には、回転数補正値はその都度各サンプリング間隔における補正値が算出され、その累積値が最終的な回転数補正値Rsとして扱われる。図8に、複数回電流値が変化した場合の各サンプリング間隔における補正値のグラフ(A)〜(D)と、最終的な回転数補正値Rsの値を示すグラフ(E)を示す。
図8に記載のグラフ(A)〜(D)では、期間Nts間に含まれるサンプリング時刻(t0-3,t0-2,t0-1,t0)において、消費電流iが上昇し続けているため、各サンプリング間隔において全て正の補正値が出力されているのがわかる。そして、グラフ(E)に示すように、これらの累積値が最終的な回転数補正値Rsの値となる。よって、複数回に亘って消費電流が変化した場合でも、サンプリング間隔毎に冷却ファン103の回転数が補正されるため、電子部品104の遅れ時間に起因する温度変化を、効果的に抑制することができる。
このように、本発明によれば、また、温度センサの測定値が上がりきる前に未来の昇温を消費電流の変化量から予測し、遅れ時間内に前もって補正することが可能である。
<第二の実施形態>
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。以下、上述の実施形態と同様の構成を有するものについては同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
電子部品104の消費電流の変化に伴う温度変化について、単位時間当たりの温度上昇量に対し、単位時間当たりの温度下降量が異なる場合がある。例えば、単位時間当たりの温度上昇量に対し、単位時間当たりの温度下降量が小さい場合、同一の補正制御部152を用いて冷却ファン103の回転数を制御すると、消費電流の減少時に必要以上に冷却ファン103の回転数を下げてしまう。これを回避するためには、消費電流の変化量が正の値の場合と、消費電流の変化量が負の値の場合と、で異なる制御を行うことにより、さらに効率的な冷却が可能となると考えられる。
図10は、本発明の第二の実施形態に係る冷却ファン制御装置202の構成例を示す概略構成図である。図10に示すように、冷却ファン制御装置202では、消費電流の変化量が正の場合に処理を行う補正制御部252aと、負の場合に処理を行う補正制御部252bと、を有する補正制御部252と、セレクタ257と、を備えている点で、上記実施形態とは異なる。
補正制御部252a及び補正制御部252bは、共に図示しない記憶部に図5(b)に示すような補正値係数テーブル1522と略同様のテーブルを有しているが、補正制御部252aは、消費電流の増加時に適した補正値係数g+を格納しており、補正制御部252bは、消費電流の減少時に適した補正値係数g−を格納している。補正制御部252a及び補正制御部252bは、微分器151から変化量fsが入力されると、それぞれが保有するテーブルを用いて上記実施形態と同様の処理を行い、回転数補正値Rsをセレクタ257へと出力する。
セレクタ257は、微分器151からの出力を受け、変化量fsが正の値の場合、補正制御部252aから出力される回転数補正値Rsを選択して加算器155へと出力し、変化量fsが負の値の場合、補正制御部252bから出力される回転数補正値Rsを選択して加算器155へと出力する。
このような構成によれば、消費電流の変化量が正の場合と負の場合において異なる補正値係数に基づいた回転数補正値Rsを用いることができ、消費電流の増加時と減少時の単位時間当たりの温度変化量が異なる場合にも、柔軟な対応が可能となる。例えば、補正値係数g+よりも補正値係数g−の値を全体的に小さくしておくことで、消費電流の減少時に必要以上に冷却ファン103の回転数を下げてしまうことを防止できる。
また、消費電流の変化量が負の場合、セレクタ257からの出力を0に固定してもよい。この場合、補正制御部を2つ設けるよりも回路が簡略化できる上、消費電流の減少時に補正値が負に転じないため、回転数の過剰な低下を確実に防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明した。このような本発明によれば、温度センサによる電子機器内部の温度も監視しながらも、電子部品の消費電流の変化量に基づいた補正値によって実際の温度と測定値間の乖離を埋め、時間遅れを抑制することができる。その際、回転数は、温度センサに基づく基本回転数Bsと回転数補正値Rsとの和で決定されるため、消費電流の閾値によって制御回路を切り替える必要がない。
また、消費電流の変化量から冷却ファンの回転数補正値Rsを決定することで、消費電流の変化と同時に冷却ファンを制御することが可能となる。また、消費電流に変化のない場合には回転数補正値Rsもゼロとなるため、温度センサのみによる制御に自動的に切り替わり、効率のよい制御が可能となる。
さらに、本発明は、上記のような実施形態には制限されない。本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
例えば、冷却ファン103の回転数補正値Rsを決定する手段として、補正値係数テーブル1522と等価な特性を持つフィルタを用いてもよい。これにより、テーブルを用いた場合と同様の結果を得ることができる。
100…装置本体、101…電源、102,202…冷却ファン制御装置、103…冷却ファン、104…電子部品、11…電流検出器、12…A/D変換器、13…温度センサ、14…A/D変換器、15…回転数制御部、151…微分器、152…補正制御部、1521…変化量テーブル、1522…補正値係数テーブル、153…減算器、154…フィルタ、155…加算器、156…記憶部、16…D/A変換器、17…駆動回路、252,252a,252b…補正制御部、257…セレクタ。

Claims (7)

  1. 電子部品と、冷却ファンと、を搭載する装置における冷却ファン制御装置であって、
    前記装置内部の温度を計測する温度センサと、
    前記電子部品の消費電流を検出する電流検出器と、
    前記冷却ファンの回転数を決定する回転数制御部と、を有し、
    前記回転数制御部は、
    前記装置内部の温度と目標温度との差に基づいて、前記冷却ファンの基本回転数を算出する処理と、
    所定期間中における所定のタイミング毎に前記消費電流の各変化量を検出すると共に、所定の係数テーブルから前記タイミング毎に定められた補正値係数を特定し、前記各変化量と補正値係数との積をそれぞれ加算して、前記基本回転数の補正値を算出する処理と、
    前記基本回転数に前記補正値を加えて前記冷却ファンの回転数を決定する処理と、を行うこと
    を特徴とする冷却ファン制御装置。
  2. 請求項1に記載の冷却ファン制御装置であって、
    前記電子部品は、前記装置内で最も消費電力が大きなものであること
    を特徴とする冷却ファン制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の冷却ファン制御装置であって、
    前記温度センサは、前記電子部品に直接、或いはその近傍に配設されていること
    を特徴とする冷却ファン制御装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の冷却ファン制御装置であって、
    前記所定期間は、前記温度センサの検出する温度と、前記電子部品の温度とに、所定の閾値以上のずれが検出される期間よりも、長く設定されていること
    を特徴とする冷却ファン制御装置。
  5. 請求項4に記載の冷却ファン制御装置であって、
    前記補正値係数は、前記ずれを補正するよう前記回転数を増減させるものであること
    を特徴とする冷却ファン制御装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の冷却ファン制御装置であって、
    前記変化量が、消費電流の正の変化量である場合と、負の変化量である場合とで、異なる補正値係数が使用されること
    を特徴とする冷却ファン制御装置。
  7. 電子部品と、冷却ファンと、を搭載する装置における冷却ファン制御方法であって、
    前記装置内部の温度を計測するステップと、
    前記電子部品の消費電流を検出するステップと、
    前記装置内部の温度と目標温度との差に基づいて、前記冷却ファンの基本回転数を算出するステップと、
    所定期間中における所定のタイミング毎に、前記消費電流の変化量を検出し、所定の係数テーブルから前記タイミング毎に定まる補正値係数を特定し、前記変化量に応じた前記基本回転数に対する補正値を算出するステップと、
    前記基本回転数に前記補正値を加算した回転数で、前記冷却ファンを制御するステップと、を実行すること
    を特徴とする冷却ファン制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015162098A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 富士通株式会社 空調制御システム及び空調制御方法

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