JP2013023644A - グリース組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない増ちょう剤量で、低トルク性、及び高チャネリング性に優れ、良好な潤滑状態を長時間維持できるグリース組成物を提供する。
【解決手段】基油と、増ちょう剤とを含有し、前記基油は、温度25℃、周波数1MHzにおける比誘電率が2.1以上5.4未満であり、前記増ちょう剤が12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであり、当該グリース組成物の全質量に対する前記増ちょう剤の質量比が15%以下であり、降伏応力が2kPa以上であるグリース組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリース組成物に関し、特に、家電用モータに設けられる軸受に封入されるグリース組成物に関する。
従来より、エアコンファンモーターなどに代表される家電用モータは、回転軸が転がり軸受によって支持されており、前記軸受に封入されるグリース組成物には低トルク性が要求される。
一般に、グリース組成物のトルクを下げるためには、増ちょう剤量を減らす方法がある。しかし、増ちょう剤量が少なすぎると、グリース組成物がグリース状になりにくく(粘性が高くなりにくく)、軸受に封入した場合に、グリース漏れや流動性が良すぎることによる攪拌トルクの増大などの問題点がある。
そこで、このような低トルク性が要求されるグリース組成物については、特許文献1及び特許文献2に記載の技術が提案されている。
特許文献1に開示されたグリース組成物は、基油をフッ素油とし、増ちょう剤としてフッ素樹脂を採用し、一次粒径が50nm以下の微粒子が配合されたものである。そして、このような組成のグリース組成物によれば、高温下の耐焼付性向上、高チャネリング性、及び低トルク性を実現できるとしている。
また、特許文献2に開示されたグリース組成物は、特定の炭酸エステル化合物を含有する基油を用いている。そして、このような組成のグリース組成物によれば、低温下での音響特性、高チャネリング性、及び低トルク性を実現できるとしている。
特開2007−270127号公報 特開2003−239996号公報
ここで、従来のグリース組成物には、封入される軸受の軌道面にフレッチングが生じた場合に、グリース組成物や、該グリース組成物から分離した基油が前記接触面に入りやすいように、少ない増ちょう剤量が要求されることがある。
すなわち、低トルク性、及び高チャネリング性に優れるだけでなく、増ちょう剤量を少なくすることについて、特許文献1及び特許文献2に記載のグリース組成物には改善の余地があった。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、少ない増ちょう剤量で、低トルク性、及び高チャネリング性に優れ、良好な潤滑状態を長時間維持できるグリース組成物を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、基油を適切に選ぶことにより、少ない増ちょう剤量でも構造の発達したグリースが得られることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、上記課題を解決するための本発明の請求項1に係るグリース組成物は、基油と、増ちょう剤とを含有するグリース組成物であって、
前記基油は、温度25℃、周波数1MHzにおける比誘電率が2.1以上5.4未満であり、
前記増ちょう剤が、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであり、
当該グリース組成物の全質量に対する前記増ちょう剤の質量比が15%以下であり、
降伏応力が2kPa以上であることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、上記で規定された増ちょう剤に親和性の高い基油として、温度25℃、周波数1MHzにおける比誘電率が2.1以上5.4未満のものを用いたことにより、増ちょう剤量が少なくても、増ちょう剤構造を発達させ、グリース状が維持されたグリース組成物を調製できる。
また、増ちょう剤量が少ないため、転がり軸受に封入した場合、起動トルクが小さいグリース組成物として用いることができる。
また、増ちょう剤と親和性のよい基油を使用することで、少ない増ちょう剤量でも増ちょう剤構造の発達したグリース組成物を得ることができる。降伏応力が高いグリースはチャネリング性を示すため、一度転送面から排除されたグリース組成物は動きにくく、グリースの攪拌に起因するトルクが小さくなる。
したがって、少ない増ちょう剤量で、低トルク性、及び高チャネリング性に優れ、良好な潤滑状態を長時間維持できるグリース組成物を提供することができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のグリース組成物において、前記基油が、ポリオールエステル油のみからなることを特徴としている。
本発明によれば、少ない増ちょう剤量で、低トルク性、及び高チャネリング性に優れ、良好な潤滑状態を長時間維持できるグリース組成物を提供することができる。
各実施例及び比較例における増ちょう剤量と相対起動トルクとの関係を示すグラフである。 各実施例及び比較例における降伏応力と相対トルク差との関係を示すグラフである。 現行のモータ用グリースと同等の降伏応力を得るために必要な増ちょう剤の量と基油との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るグリース組成物の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態のグリース組成物は、基油と、増ちょう剤とを含有する。本実施形態のグリース組成物は、必要に応じて、防錆剤や、摩耗防止剤等の添加剤を含有してもよい。
本実施形態のグリース組成物は、基油と増ちょう剤とを混合し、前記増ちょう剤が融解する温度まで加熱し、その後、冷却することで固形状にしたものである。
本実施形態のグリース組成物に含まれる前記増ちょう剤は、前記基油との組合せによって、グリース組成物の構造の強さである降伏応力が異なる。そこで、本実施形態のグリース組成物は、前記増ちょう剤に対して、前記基油を適切に選ぶことにより、増ちょう剤の含有量が少なくても構造の発達したグリース組成物が得られる。
また、軸受内部に封入されたグリース組成物の降伏応力が大きいと、チャネリング性を示すため、一度せん断を受けて転送面から排除されると、そこから動きにくく、グリース組成物の攪拌に起因するトルクを小さくすることができる。
<基油>
前記基油としては、鉱油、合成油又はこれらの混合油が用いられる。
前記鉱油の具体例としては、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油が挙げられる。
また、前記合成油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。
本実施形態に用いられる基油は、温度25℃、周波数1MHzにおける比誘電率が2.1以上5.4未満という条件で選定され、その中でも、エステル系油を含むことが好ましい。
炭化水素系油の具体例としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。
前記芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。
前記エステル系油の具体例としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンベラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。
前記エーテル系油の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。
<増ちょう剤>
前記増ちょう剤としては、前記基油を半固形状にするものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。増ちょう剤としては、無機系増ちょう剤、及び有機系増ちょう剤が挙げられる。有機系増ちょう剤の例としては、ウレア化合物(芳香族、脂環族、脂肪族)が挙げられる。また、無機系増ちょう剤の例としては、リチウム石けん(12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ステアリン酸リチウム)、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、マグネシウム石けん、ナトリウム石けん等の金属石けん、及びこれらの複合石けん、ベントナイト、シリカ、カーボンブラック等が挙げられる。これらの増ちょう剤のうち、リチウム石けんが好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが特に好ましい。
前記増ちょう剤は、グリース組成物全質量に対して、6〜15質量%の含有率で含まれることが好ましい。
<添加剤>
本実施形態のグリース組成物には、各種性能を更に向上させるために、所望によりその他の添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤、防錆剤、極圧剤、油性向上剤、金属不活性化剤等をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して添加することができる。
これらその他の添加剤の含有量(添加量)は、本発明の効果を損なわない範囲であれば制限はないが、通常はグリース組成物全量の0.1〜20質量%である。添加量が0.1質量%未満では添加効果が十分ではなく、20質量%を超えて添加しても効果が飽和するとともに、基油の量が相対的に少なくなるため潤滑性が低下するおそれがある。
[酸化防止剤]
前記酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、オレイルアミドアミン、フェノチアジン等が挙げられる。
また、フェノール系酸化防止剤の具体例としては、p−t−ブチル−フェニルサリシレート、2,6−ジ−t−ブチル−p−フェニルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−オクチルフェノール)、4、4’−ブチリデンビス−6−t−ブチル−m−クレゾール、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2−n−オクチル−チオ−4,6−ジ(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4、4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のヒンダードフェノール等が挙げられる。
[防錆剤]
前記防錆剤としては、カルボン酸系防錆剤、カルボン酸塩系防錆剤、アミン系防錆剤等が挙げられる。
[カルボン酸系防錆剤]
前記カルボン酸系防錆剤としては、モノカルボン酸では、ラウリン酸、ステアリン酸等の直鎖脂肪酸、並びにナフテン核を有する飽和カルボン酸が挙げられる。また、ジカルボン酸では、コハク酸、アルキルコハク酸、アルキルコハク酸ハーフエステル、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル、コハク酸イミド等のコハク酸誘導体、ヒドロキシ脂肪酸、メルカプト脂肪酸、ザルコシン誘導体、並びにワックスやペトロラタムの酸化物等の酸化ワックス等が挙げられる。中でも、コハク酸ハーフエステルが好適である。
[カルボン酸塩系防錆剤]
前記カルボン酸塩系防錆剤としては、脂肪酸、ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルコハク酸、アミノ酸誘導体の各金属塩等が挙げられる。なお、前記金属塩の金属元素としては、コバルト、マンガン、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、バリウム、リチウム、マグネシウム、銅等が挙げられる。中でも、ナフテン酸亜鉛が好適である。
[アミン系防錆剤]
前記アミン系防錆剤としては、アルコキシフェニルアミン、脂肪酸のアミン塩、二塩基性カルボン酸の部分アミド等を挙げることができる。中でも、脂肪酸のアミン塩が好適である。
<摩耗防止剤>
前記摩耗防止剤としては、硫黄−リン系(SP系)化合物が用いられる。硫黄−リン系(SP系)化合物としては、トリフェニルフォスフェート系化合物やジチオフォスフェート系化合物が挙げられる。
[極圧剤]
前記極圧剤としては、例えば、有機モリブデン等が挙げられる。
[油性向上剤]
前記油性向上剤としては、オレイン酸やステアリン酸等の脂肪酸、ラウリルアルコールやオレイルアルコール等のアルコール、ステアリルアミンやセチルアミン等のアミン、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル、動植物油等が挙げられる。
[金属不活性化剤]
前記金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
<グリース組成物の製造方法>
上記各成分を含有する本実施形態のグリース組成物の製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には前記基油中で前記増ちょう剤(芳香族ジウレア化合物)の原料を反応させた後、前記防錆剤及び前記摩耗防止剤をそれぞれ定量添加し、ニーダやロールミル等で十分に攪拌し、均一分散して得られる。なお、この処理に際し、加熱することも有効である。また、その他の添加剤を添加する場合は、前記防錆剤と同時に添加することが工程上好ましい。
以上説明したように、本実施形態のグリース組成物は、少ない増ちょう剤量で、低トルク性、及び高チャネリング性に優れ、良好な潤滑状態を長時間維持することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
(実施例1,2、比較例1〜4)
表1に示す組成のグリース組成物を実施例1、実施例2、及び比較例1〜4のグリース組成物として調製した。調製した各実施例及び比較例のグリース組成物について、下記に示す(1)降伏応力の測定、(2)起動トルク及び相対トルク差の測定を行った。各測定結果を表1に示す。また、各実施例及び比較例における増ちょう剤量と相対起動トルクとの関係を図1にプロットした。また、各実施例及び比較例における降伏応力と相対トルク差との関係を図2にプロットした。なお、表1中の「POE」は、ポリオールエステル油を示し、「PAO」は、合成炭化水素油を示し、「PAG」は、グリコール油を示す。
(1)降伏応力の測定
降伏応力は、各実施例及び比較例のグリース組成物に対して、レオメータを用いて周波数10Hz、温度30℃とし、せん断応力を0.1〜5kPaまで印加して測定した。また、降伏応力としては、オシレーションモードで損失正接tanδ(=G’’/G’)が1を超えるときのせん断応力値を用いた。
(2)起動トルク及び相対トルク差の測定
単列深溝玉軸受(日本精工株式会社製,呼び番号:6305(内径25mm、外径62mm、幅17mm))に、各実施例及び比較例のグリース組成物を3.4g封入し、回転数1800min−1、荷重Fr=3kg、Fa=30kg、室温の条件下でトルク試験を行った。起動後の最大トルクを起動トルクとして求め、現行のモータ用グリースを上記軸受に用いたときの起動トルクを1とし、相対起動トルクを求めた。結果を表1に示す。
また、試験終了前20秒間のトルクの平均を回転トルクとして起動トルクと回転トルクの差を求め、トルク差をチャネリング性の指標とした。具体的には、現行の軸受のトルク差を1として、相対トルク差を求めた。結果を表1に示す。なお、上記「現行のモータ用グリース」の組成は、40℃における粘度が26mm/sであるエステル油を基油とし、増ちょう剤としてリチウム石けんを用いたものである。
<起動トルクの評価>
一般に、増ちょう剤量が少ないほど起動トルクが低い。本実施例では、相対起動トルクが1以下であれば、現行品より起動トルクが低いと判定した。
<チャネリング性の評価>
一般に、降伏応力が高いほどトルク差が大きく、チャネリング性が高い。本実施例では、相対トルク差が1以上であれば、現行品よりもチャネリング性が高いと判定した。
Figure 2013023644
表1、図1、及び図2に示すように、グリース組成物全量に対する増ちょう剤の質量比が15質量%以下であり、降伏応力が2kPa以上の実施例1及び実施例2のグリース組成物は、比較例1〜4のグリース組成物よりも相対起動トルク及び相対トルク差が優れた評価を示した。
図1に示すように、グリース組成物中の増ちょう剤の量を増やすと、トルク(相対起動トルク)が高くなる。本実施例では、現行のモータ用グリースを用いた起動トルクを1として相対的に算出した相対起動トルクが低くなる増ちょう剤量として、その閾値を15質量%に規定した。グリース組成物中の増ちょう剤の量は、増ちょう剤の種類にもよるが、グリース組成物全質量に対して12〜35質量%の割合に規定されるのが一般的である。そのため、グリース組成物中の増ちょう剤の量が15質量%以下であれば、「増ちょう剤の量が少ない」といえる。
ここで、現行のモータ用グリースと同等の降伏応力を得るために必要な増ちょう剤の量が基油ごとにどのように異なるか検証したところ、図3に示すような結果を得た。図3によれば、基油の種類によって必要な増ちょう剤量が異なり、POEが最も少ない増ちょう剤量で高い降伏応力を得ることができることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。

Claims (2)

  1. 基油と、増ちょう剤とを含有するグリース組成物であって、
    前記基油は、温度25℃、周波数1MHzにおける比誘電率が2.1以上5.4未満であり、
    前記増ちょう剤が、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであり、
    当該グリース組成物の全質量に対する前記増ちょう剤の質量比が15%以下であり、
    降伏応力が2kPa以上であることを特徴とするグリース組成物。
  2. 前記基油が、ポリオールエステル油のみからなることを特徴とする請求項1に記載のグリース組成物。
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