JP2013022394A5 - - Google Patents
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本発明は、電子レンジで炊飯する場合に容器として用いる土鍋を取扱いを簡便にするために、一重の蓋でも沸騰を持続させつつ噴きこぼれを起こしにくくするための、蓋のつい た加熱容器に関するものである。
電子レンジでの炊飯において、容器に土鍋を用いると、単純な出力制御で良好な炊飯が可能であることは、特許第4143936号により明らかである。
また、電子レンジ用の陶器製の炊飯容器は、二重蓋の一膳炊飯茶碗や、本体も蓋も二重になった土鍋、蓋を三重にした物、などがある。
しかしながら、これらの炊飯容器には、噴きこぼれたり、複数の蓋があることで取扱いが面倒であったり、解決すべき課題がある。
本発明は、電子レンジ用炊飯土鍋の取扱いを簡便にするために、一重の蓋で、良好な炊飯ができるよう、沸騰を持続させつつ噴きこぼれしにくい炊飯土鍋を提供することを目的とするものである。
ガス炊き用の二重蓋の炊飯土鍋はおいしく炊ける事で定評があるが、これを用いて電子レンジで炊飯すると、噴きこぼれが激しかったり、中蓋の蒸気抜の穴から米粒が上がったり、中蓋の上におねばが溜まる、などの問題があり、中には、外蓋の上に米が飛び出してしまうものもあり、そのまま電子レンジに用いるのは難しい。
これは、ガス加熱の炊飯では、ガス加熱で加熱容器を温め、温まった加熱容器が熱伝導
で加熱容器の中の米と水を温めるのに対して、電子レンジでの炊飯では、マイクロ波が加
熱容器の中の米と水を直接温め、その後、容器の中からの熱伝導によって加熱容器が温ま
る、といった加熱順序になるため、マイクロ波加熱に遠赤外線加熱が加わることにより、
電気の出力のみでは得にくい高温が急激に作り出されるため、沸騰が激しくなるからであ
ると考えられる。
電子レンジでの土鍋の炊飯が難しいは、このようなメカニズムにより沸騰が激しくなり一気に噴き上がるからであり、土鍋の形状は、特願2007−195541 A2007.8.9に記載されているように、ガス炊き用の炊飯土鍋よりも淵を高くすることが望ましい。
マイクロ波加熱に遠赤外線加熱が加わるこの加熱は、かまどでの炊飯が、まきを燃やす加熱に、かまどが温められて放出される遠赤外線が加わることにより、一気に噴き上がる加熱過程と同様の効果が得られるため、土鍋を用いた電子レンジでの炊飯は、おいしく炊き上がるのである。
ガス炊き用の炊飯土鍋での電子レンジでの炊飯で、激しい沸騰によって中蓋の蒸気抜の 穴から米粒が上がってしまう原因の一つには中蓋の穴が米粒より大きすぎることがあり、逆に、外蓋の上に米が飛び出してしまうのは、蓋の穴が小さくて、一気に噴き上がるおねばや蒸気をうまく出すことができないことと、噴き上がる圧力に対して蓋が軽いことで起こると考えられる。
これらの問題を解決し、取り扱いを簡便にするためにするために、炊飯土鍋の外蓋を重くするために厚くして一重で用い、沸騰で土鍋の蓋から米粒が上がることがなく、おねばは上がっても戻ることができることをねらいとして、蒸気抜は蓋の周に幅、奥行き共に1.5cm程度のものを3か所、等間隔に設け、500Wのみで沸騰させて炊飯した。
炊飯の結果、激しい沸騰によっておねばは蓋の周の蒸気抜から噴き上がるが、土鍋の淵からこぼれることは無く、加熱終了後には土鍋の中に戻り、米粒が蓋の上に上がることなく炊飯できた。
ガス炊き用3合炊飯土鍋で、容積1500ccの物では電子レンジでは300ccの米まで、また、容積2000ccで淵を高くした物では400ccの米が炊飯可能であり、容積2000ccの物では半分の200ccの米も良好に炊き上がり、さらに100ccの米で全粥も良好に炊けた。
沸騰後、特許第4143936号に記載されているように、出力を下げて沸騰を持続させるのが理想であるが、炊飯土鍋は一般の土鍋よりも質量が大きいので出力を200Wに下げると沸騰を持続させられず、500Wのみで沸騰を続けたところ、激しい沸騰による水蒸気が水滴となって電子レンジの庫内がひどく濡れる難点があるが、この蓋を用いれば沸騰してから出力を下げなくても一重の蓋で炊飯可能であり、沸騰が持続可能な出力に下げることができれば庫内の濡れが激しくなる問題は解決される。
沸騰によって蓋の周の蒸気抜から上がったおねばは、加熱終了後土鍋の中に戻り、蒸らし過程でそれほど問題なく全体に馴染んでいくが、土鍋中央部分に少し炊きむらができる傾向があった。
中央部分に炊きむらが起こるのは、土鍋の蓋のドーム状の形状と、蒸気抜を周に設けたことによって、沸騰が中央まで行き渡りにくくなることが原因であると考えられ、この問題を解決するために、お釜の木製の蓋が分厚くて重く底面が平らであることに着目し、炊飯土鍋の外蓋ではなく、平らな中蓋を分厚く重くして一重で用い、蒸気抜を周に等間隔で設けることにした。
本発明の、蓋の周に蒸気抜を設けた底面が平らで厚みのある重い蓋を用いることにより、噴きこぼれしにくくなり、蓋が一重であることで、炊飯土鍋の取扱いが簡便になる。
6号土鍋を深くした形状のガス炊き用3合炊飯土鍋に用いる蓋として、直径17.5cmで、蓋の底面が平らで厚みのある重い物とし、蒸気抜は大きすぎると蓋本来の機能である保温性を保てなくなり沸騰させにくくなるので、図1のように幅、奥行き共に1.5cm程度のものを3か所、等間隔に設ける。
蓋の底面は、全体的には平らであるが糸底があり、持ち手は、一般的な土鍋の蓋に比べて重いので、力が入れやすく持ちやすい形にする。
本発明の蓋のついた容積1500ccの炊飯土鍋で、無洗米300ccと水420cc(約1.4倍)を
入れて、電子レンジで浸漬時間なしで200W5分の後、500Wに切り替えて13分加熱し、または、500Wで沸騰させた後、沸騰持続可能な出力に下げて5分程度加熱し、加熱後10分程度むらす。
入れて、電子レンジで浸漬時間なしで200W5分の後、500Wに切り替えて13分加熱し、または、500Wで沸騰させた後、沸騰持続可能な出力に下げて5分程度加熱し、加熱後10分程度むらす。
本発明の蓋のついた容積2000CCの炊飯土鍋で、無洗米400ccと水560cc(約1.4倍)を 入れて、電子レンジで浸漬時間なしで200W5分の後、500Wに切り替えて15分加熱、または、500Wで沸騰させた後、沸騰持続可能な出力に下げて5分程度加熱し、10分程度むらすと良好な炊飯ができる。
粥を炊く場合は、本発明の蓋のついた容積2000CCの炊飯土鍋で、無洗米100ccと水 500cc(5倍)を入れて電子レンジで浸漬時間なしで200W5分の後、500Wに切り替えて12分加熱、または、500Wで沸騰させた後、沸騰持続可能な出力に下げて5分程度加熱し、15分程度むらすと良好な全粥が炊ける。
ガス炊き用の炊飯土鍋においても、本発明の蓋を用いれば、噴きこぼれしにくく一重で
取り扱いが楽な蓋の付いた炊飯用加熱容器が提供できる。
土鍋は、炊飯用のみならず、通常の加熱が進んだ後に遠赤外線加熱が加わるため、他の加熱容器に比べて沸騰が一気に起こる傾向があるが、鍋蓋の周部に蒸気抜を複数個設けると、従来の土鍋の蓋の蒸気抜の穴よりも総面積が大きくなることで沸騰を緩慢にすることができ、弱い火力や出力で長時間加熱する場合も、緩やかな沸騰を持続させながら噴きこぼれにくい調理が可能になる。
耐熱ガラス製の蓋のついた加熱容器は、調理中に鍋の中を見ることができて便利であるが、ガラス製の蓋は重みがある上に円周部を金属で補強してあるため密閉度が高く、中には蒸気抜の穴が開けられたものもあるが、他の蓋より沸騰が早い反面、噴きこぼれも早くおこる難点があるが、図3のような形状の蒸気抜を蓋の周に設けることは技術的に難しいことではなく、噴きこぼれしにくい耐熱ガラス製の蓋つき加熱容器を提供することができ、また、汁物用の鍋にこの蓋つき加熱容器を用いれば、周に設けた蒸気抜は、蓋をしたままで玉杓子を入れておくことができる隙間としても使えて便利である。
電子レンジ用の炊飯容器は耐熱ガラスの物もあり、セラミックの特徴である遠赤外線の効果でおいしく炊ける反面、噴きこぼれが一気に起こる問題も土鍋と同様にあるが、周に 蒸気抜を設けた蓋のついた加熱容器を用いることで解決できる。
電子レンジでの煮込み料理用の耐熱ガラス製キャセロールは、蓋に蒸気抜の穴が開けら れていないが。蒸気抜を蓋の周に設ければ、弱出力で沸騰を長時間持続させながらの煮込み料理が可能になる。
一般的な蓋つきの加熱容器において、形は円形のみならず楕円や四角であっても、蒸気 抜を蓋の周に設けることにより、従来よりも噴きこぼれにくい蓋つきの加熱容器を提供することができる。
1―蒸気抜
Claims (4)
- 沸騰を持続させつつ噴きこぼれを起こしにくくするために、蒸気抜を周に設けた蓋のつ いた加熱容器。
- 炊飯土鍋において、沸騰を持続させつつ噴きこぼれを起こしにくくするために、周に蒸気 抜を設け、底面が平らで厚みのある形状の蓋のついた加熱容器。
- 電子レンジで炊飯する場合に、米300ccを炊飯するためには容積1500cc、米400ccには容 積2000ccとした、加熱容器。
- 加熱手段が容器の中の物質を温め、熱伝導により温まった物質から容器が温められ、温 められた容器から遠赤外線が放出され、加熱手段に遠赤外線加熱が加わることにより、急 激に高温を作り出し、激しい沸騰を起こすことができる、加熱容器。
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