JP2013021864A - クリップおよび該クリップを備えたワイヤハーネス - Google Patents

クリップおよび該クリップを備えたワイヤハーネス Download PDF

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Abstract

【課題】テープ巻きとパッキン部材とを廃して安価で小型に形成されたクリップおよび該クリップを備えたワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】クリップ2は、本体部7と、前記本体部7から延長して設けられ且つ少なくとも一方の面に粘着性を有する粘着材33bが設けられて該一方の面同士を貼合して電線51を保持する粘着シートに係止される係止部12と、前記本体部7から突出して設けられ且つ前記粘着シート3に開孔された取付孔35に取り付けられるとともにパネル41に開孔された係合孔43に係合される係合部8と、前記パネル41の前記係合孔43に前記係合部8が係合された際に、前記本体部7から膨出して設けられ且つ前記粘着シート3の前記取付孔35の周縁部を前記パネル41に押し当てる膨出部14と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、テープ巻きとパッキン部材とを廃して安価で小型に形成されたクリップおよび該クリップを備えたワイヤハーネスに関する。
自動車には、種々の電子機器と電装品とが搭載されている。これらの電子機器と電装品とにバッテリなどの電源等からの電力や制御装置からの制御信号などを伝達する手段として、ワイヤハーネスが用いられている。
ワイヤハーネスは、自動車等の車体を構成するパネルに所要の配索形態で配索されている。ワイヤハーネスは、複数本の電線と、前記複数本の電線を前記パネルに取り付けるクリップとを備えている。
クリップは、前記パネルに開孔された係合孔に係合可能に形成された係合部を備えている(例えば、特許文献1など参照。)。特許文献1などに示されたクリップは、クリップ本体と、前記クリップ本体から立設された係合突起と、前記クリップ本体から前記係合突起の立設方向に向かって開口する浅皿状に形成された押え部と、前記押え部に設けられたパッキン部材と、前記電線に捲回されるワイヤハーネス用テープ等が巻かれるテープ巻き部と、を備えており、前記パッキン部材によって前記係合孔を封止して該係合孔からの液体の浸入を防止する。
特開2009−290974号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来のクリップは、テープ巻きによって電線に固定されるため、電線とテープ巻き部とをテープ巻きするワイヤハーネス用テープ等の費用がかかるという問題があった。
また、従来のクリップは、テープ巻きによって電線に固定するためのテープ巻き部が設けられているため、小型化できないという問題があった。
また、従来のクリップは、係合孔からの液体の侵入を防ぐパッキン部材が設けられているため、パッキン部材に費用がかかるという問題があった。
また、従来のクリップは、パッキン部材を取り付ける取付作業に時間と手間とがかかるという問題があった。また、パッキン部材の取付作業の費用がかかるという問題があった。
本発明は、かかる問題を解決することを目的とするものである。即ち、本発明は、テープ巻きとパッキン部材とを廃して安価で小型に形成されたクリップおよび該クリップを備えたワイヤハーネスを提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、本体部と、前記本体部から延長して設けられ且つ少なくとも一方の面に粘着性を有する粘着材が設けられて該一方の面同士を貼合して電線を保持する粘着シートに係止される係止部と、前記本体部から突出して設けられ且つ前記粘着シートに開孔された取付孔に取り付けられるとともにパネルに開孔された係合孔に係合される係合部と、前記パネルの前記係合孔に前記係合部が係合された際に、前記本体部から膨出して設けられ且つ前記粘着シートの前記取付孔の周縁部を前記パネルに押し当てる膨出部と、を備えていることを特徴とするクリップである。
請求項2に記載された発明は、前記係合部には、水抜き孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクリップである。
請求項3に記載された発明は、前記膨出部が、前記パネルの前記係合孔の周縁部の形状に沿って膨出されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリップである。
請求項4に記載された発明は、前記粘着シートの粘着材が、自己粘着性を有する自己粘着材とされることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のクリップである。
請求項5に記載された発明は、電線と、少なくとも一方の面に前記粘着材が設けられているとともに該一方の面同士を貼合して前記電線を保持した粘着シートと、前記電線を保持した前記粘着シートに取り付けられたクリップと、を備え、前記クリップが、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のクリップであることを特徴とするワイヤハーネスである。
請求項1に記載された発明によれば、クリップは、電線が保持される粘着シートを係止部で係止するため、電線とクリップとに捲回されるワイヤハーネス用テープ等を廃止できる。このため、ワイヤハーネス用テープ等にかかる費用を削減して、クリップの費用を抑えることができる。
また、クリップは、電線が保持される粘着シートを係止部で係止するため、ワイヤハーネス用テープ等が捲回されるテープ巻き部を廃止できる。このため、テープ巻き部を削除して、クリップを小型化することができる。
また、クリップは、電線を保持する粘着シートに係止される係止部と、前記粘着シートの取付孔に取り付けられるとともにパネルの係合孔に係合される係合部と、前記係合孔に係合部が係合された際に前記取付孔の周縁部を前記パネルに押し当てる膨出部と、を設けたため、クリップの係合部を係合孔に係合させるだけで、膨出部によって粘着シートの前記取付孔の周縁部が前記係合孔の周縁部に押し当てられて、前記係合孔の周縁部に前記粘着シートが密着する。このため、前記係合孔から液体が浸入することを防止できる。よって、パッキン部材を廃止して、クリップの費用を抑えることができる。
また、クリップは、パッキン部材を廃止するため、パッキン部材を取り付ける取付作業が不要となり、その取付作業にかかっていた時間と手間とを削減することができる。また、パッキン部材の取付作業にかかっていた費用を削減して、クリップの費用を抑えることができる。
また、クリップは、本体部に設けた膨出部で粘着シートの取付孔の周縁部を前記パネルに押し当てるため、浅皿状に形成されてパネルを押さえる押え部を廃止することができる。このため、クリップの構成を簡略化することができ、クリップの費用を抑えることができる。
請求項2に記載された発明によれば、クリップは、係合部に設けた水抜き孔からパネルの係合孔内の液体を排出できるため、前記係合孔からの液体の浸入を確実に防止することができる。
請求項3に記載された発明によれば、クリップは、パネルの係合孔の周縁部の形状に沿って膨出させた膨出部を設けたため、粘着シートを前記係合孔の周縁部の形状に沿って押し当てて密着させることができる。このため、パネルの係合孔からの液体の浸入をより確実に防止することができる。
請求項4に記載された発明によれば、クリップは、自己粘着性を有する自己粘着材を有する粘着シートとしたため、前記粘着シートの自己粘着材の面同士を貼合するまでは、前記クリップおよび電線が前記粘着シートに強固に粘着されない。このため、前記クリップおよび前記電線の配置などの調整を容易に行うことができる。よって、作業性を向上することができる。
請求項5に記載された発明によれば、ワイヤハーネスは、前述した小型かつ安価で防水性に優れたクリップを設けたため、クリップが小型化されて安価で防水性を備えたワイヤハーネスを提供することができる。
本発明の第一の実施形態にかかるワイヤハーネスの構成を説明する斜視図である。 図1に示すワイヤハーネスのII−II矢視断面図である。 本発明の第一の実施形態にかかるワイヤハーネスのクリップの斜視図である。 粘着シートの構成を説明する斜視図である。 本発明の第二の実施形態にかかるワイヤハーネスの断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
(第一の実施形態)
本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネス1は、図1に示すように、複数本の電線51からなる電線束4と、前記電線束4を保持する粘着シート3と、パネル41の係合孔43(図2に示す)に係合可能に形成されたクリップ2と、を備えている。
電線束4は、粘着シート3の長手方向Xに沿って配線された複数本(図示例では、10本)の電線51で構成されている。電線束4は、前記複数本の電線51が、前記粘着シート3の短手方向Yの略同一平面上に並んで形成されている。なお、電線束4は、図示例の形状の他に、複数本の電線51を円形状や楕円形状などに配して形成しても良い。
電線51は、導電性の芯線53と、絶縁性の被覆部55とを備えている。芯線53は、複数本の導線が撚られて形成されている。導線は、銅や銅合金などの導電性の金属から構成されている。被覆部55は、ポリ塩化ビニル樹脂、あるいは、ノンハロゲン樹脂組成物としてのポリエチレン樹脂などの絶縁性の合成樹脂などから構成されている。被覆部55は、前記芯線53の外周面に設けられて該芯線53を被覆している。このため、電線51の外表面は、前記被覆部55の外表面となっている。なお、芯線53は、一本の導線から構成されても良い。
粘着シート3は、図2および図4に示すように、一枚の長方形状のシート状に形成されたシート部材33からなる。粘着シート3は、保持する電線51の長手方向が長尺に形成されている。
シート部材33は、複数本(図示例では、10本)の電線51の周囲に設けられている。シート部材33は、折り曲げられた折曲部37と、両端同士が貼り合わされた貼合部39と、が形成されており、長手方向Xの両端側から電線51が導出されている。シート部材33は、電線51を保持した状態で折り曲げて貼り合わせられる程度の厚さDに形成されている。シート部材33は、基材33aと、前記基材33aの一方の面に設けられた粘着材33bと、前記基材33aと前記粘着材33bとに挟まれて設けられた図示しない発泡材と、を備えている。シート部材33には、複数(図示例では、3つ)の取付孔35が設けられている。なお、シート部材33は、図示した一枚のシート部材33を折り曲げて電線51を保持する他に、二枚のシート部材33の間に電線51を配して保持しても良い。
なお、本発明でいう、粘着シートとは、少なくとも一方の面に両面テープや接着剤、接着剤などの粘着性を有する部材が設けられて、前記一方の面同士を貼合して電線を保持することができるものをいう。このため、ある程度の厚みと弾性とを有する一般的な粘着シートであれば、用いることができる。従って、本実施形態で示した粘着シート3は、一例としての構成を示したものである。
貼合部39は、前記シート部材33の粘着材33b同士が貼り合わされた状態で外部から圧力が加えられて固着して形成されている。折曲部37は、前記シート33が折り曲げられるとともに前記粘着材33b同士が貼り合わされて固着されて形成されている。
基材33aは、クラフト法によって製造されて高強度を有するクラフト紙から構成されている。なお、基材33aは、クラフト紙の他に、電線51の線径や本数などに応じて変更可能であって、合成樹脂シート、合成樹脂フィルム、ゴムシート、不織布などから適宜選択される。
粘着材33bは、前記発泡材に塗布されて形成されている。粘着材33bは、自己粘着性を有する自己粘着材とされている。自己粘着材としての粘着材33bは、天然ゴムラテックス、合成イソプレンラテックス、アクリル共重合ラテックス、アクリル変性ラテックス、酢酸ビニル共重合ラテックス、酢酸ビニル変性ラテックス、スチレン・ブタジエンゴム系ラテックスなどから適宜選択される。
なお、本発明でいう、自己粘着性とは、自己以外の部材に当接した際には粘着性が殆ど得られないが、自己の粘着面同士が当接した際には良好な粘着性が発揮される性質をいう。このような自己粘着性は、一般に感圧性を有し、外部から圧力を加えると粘性流動し、前記圧力を解除すると固着する材料特性を有している。
発泡材は、一例として、100倍発泡されたポリウレタンフォームから構成されている。なお、発泡材は、ポリウレタンフォームの他に、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ゴムスポンジなどの発泡体が使用され、最適な発泡倍率が適宜選択される。
取付孔35は、長手方向Xに沿って互いに間隔Lをあけて設けられている。取付孔35は、クリップ2の係合部8の形状に沿って楕円形状に形成されている。取付孔35は、楕円形状の長軸側が前記シート部材33の短手方向Yに対して平行する方向、即ち、前記長軸側が前記シート部材33の長手方向Xに直交する角度Aとされている。なお、取付孔35は、楕円形状の長軸側が前記シート部材33の長手方向Xに対して平行する方向、即ち、前記長軸側が前記シート部材33の短手方向Yに直交する角度とされても良い。
なお、取付孔35は、前記クリップ2の取付位置に該クリップ2が取付可能に開孔されていればよいため、前記間隔Lと角度Aとは、自由に設定することができる。また、取付孔35は、前記クリップ2が取付可能に開孔されていればよいため、楕円形状の他に、単純な円形など、止水性が低下しない形状であればどのような形状であっても良い。
また、取付孔35は、前記シート部材33に電線51が円形状に保持される場合には、前記長軸側が前記長手方向Xに対して平行する方向に開孔しても良い。この場合には、後述するクリップ2の係止部12の延長方向が前記長手方向Xに対して平行する方向となるため、円形状に保持される電線51の外形に沿って前記シート部材33を曲げやすくなる。なお、取付孔35は、自動車などのパネル41の係合孔43に係合するクリップ2に応じて、前記長手方向Xに対して傾斜する方向であっても良い。
クリップ2は、図2および図3に示すように、本体部7と、前記粘着シート3の取付孔35の周縁部に係止される係止部12と、前記取付孔35に挿通して該取付孔35に取り付けられるとともに前記パネル41の係合孔43に係合される係合部8と、前記係合部8が前記係合孔43に係合された際に前記取付孔35の周縁部を前記パネル41の係合孔43の周縁部に押し当てる膨出部としてのリブ14と、を備えている。クリップ2は、ポリプロピレン樹脂などの可撓性を有する合成樹脂で構成されている。
本体部7は、前記パネル41の係合孔43の孔径および前記粘着シート3の取付孔35の孔径よりも大径の楕円形状の薄板状に形成されている。なお、本体部7が係合孔43および取付孔35の孔径よりも大径に形成されているとは、本体部7が前記係合孔43および前記取付孔35に挿通されない大きさに形成され、かつ、前記取付孔35の周縁部を押圧するリブ14が膨出できる大きさに形成されていることをいう。
係止部12は、前記本体部7の両端のそれぞれに設けられて該両端からそれぞれ延長されて設けられている。係止部12は、前記本体部7よりも幅狭の長方形状に形成されている。このため、後述する係合部8がパネル41の係合孔43に係合された際に、前記粘着シート3の取付孔35の周縁部に係止部12が係止する。なお、係止部12は、前記粘着シート3の前記取付孔35に係止されればよいので、図示した長方形状以外の形状であっても良い。
係合部8は、前記本体部7から立設された柱状部18と、前記柱状部18の先端側に設けられた先端部22と、前記先端部22に設けられた係合片24と、を備え、錨状に形成されている。
柱状部18は、複数本(図示例では、2本)設けられ、互いに間隔をあけて前記本体部7から立設されている。柱状部18は、板状に形成されている。板状部18には、前記板状部18の基端部側同士と前記本体部7とに連設されて該板状部18を補強する補強部20が設けられている。
先端部22は、前記柱状部18同士に横架されて楕円半休形状に形成されている。先端部22は、前記パネル41の係合孔43の孔径および前記粘着シート3の取付孔35の孔径よりも小径に形成されている。なお、先端部22が前記係合孔43および前記取付孔35の孔径よりも小径に形成されているとは、前記先端部22が前記係合孔43および前記取付孔35に挿通される大きさに形成されていることをいう。
係合片24は、複数(図示例では、2つ)設けられ、前記先端部22の両端から前記本体部7に向かって延長して設けられている。係合片24は、揺動可能に形成されている。係合片24同士は、自由端に向かって互いに次第に離間して形成されている。係合片24の自由端には、前記パネル41の係合孔43の内周面に係合する係合突起26が設けられている。このため、係合片24の自由端が係合孔43の周縁部に係合されるとともに係合突起26が係合孔43の内周面に係合されて、取付孔35と係合部8との係合力が向上する。
リブ14は、前記本体部7から膨出されるとともに前記粘着シート3の取付孔35の周縁部に沿って楕円形状の環状に設けられている。リブ14は、前記係合部8が前記パネル41の係合孔43に係合された際に、前記粘着シート3の取付孔35の周縁部を前記パネル41の係合孔43の周縁部に押し当てる膨出量で形成されている。
次に、前述の如く構成されたワイヤハーネス1の製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、長方形状に形成された粘着シート3の長手方向Xに沿って、該粘着シート3の短手方向Yの一端寄りに間隔Lをあけて取付孔35を開孔する。このとき、取付孔35の長軸側が前記短手方向Yに対して平行するように開孔し、前記長軸側が前記短手方向Yの一端に対して直交する角度Aとする。なお、粘着シート3は、電線51を保持する機能を発揮できれば良いため、図示した長方形状に限定されるものではない。
次いで、前記粘着シート3の前記取付孔35に、粘着材33b側からクリップ2の係合部8を挿通させて、前記係合部8に前記取付孔35を取り付ける。次いで、複数本の電線51から構成された電線束4を粘着材33b側に配して、前記粘着シート3を折り曲げて前記電線束4の周囲に前記粘着材33bを配する。
次いで、折り曲げられた粘着シート3の粘着材33b同士が当接する部分を押圧して該粘着材33b同士を固着させて折曲部37と貼合部39とを形成し、図1に示すように、電線束4の電線51の移動を規制して該電線51を保持したワイヤハーネス1を製造する。
次に、前述の如く構成されたワイヤハーネス1をパネル41に取り付ける方法について説明する。
自動車のパネル41に開孔された係合孔43に前記クリップ2の前記係合部8を挿通させる。このとき、係合孔43に挿通された係合部8の係合片24のそれぞれの自由端が互いに接近する方向に弾性変形する。
そして、前記係合片24のそれぞれの自由端が前記係合孔43の周縁部に到達すると、前記係合片24のそれぞれの自由端が互いに離間する方向に弾性回復力によって変位し、前記それぞれの自由端が前記周縁部に係合するとともに、前記自由端に設けられた係合突起26が前記係合孔43の内周面に係合する。
このとき、図2に示すように、リブ14によって、粘着シート3の前記取付孔35の周縁部が前記パネル41の係合孔43の周縁部に押し当てられる。また、水抜き孔28が係合孔43から突出する。このため、係合部8と係合孔43との係合力が向上し、前記係合孔43に前記粘着シート3を密着させる密着力が向上し、且つ、水抜き孔28から液体を排出できる。よって、係合孔43からの液体の浸入が確実に防止できる。
本実施形態によれば、クリップ2は、本体部7と、前記本体部7から延長して設けられ且つ少なくとも一方の面に粘着性を有する粘着材33bが設けられて該一方の面同士を貼合して電線51を保持する粘着シート3に係止される係止部12と、前記本体部7から突出して設けられ且つ前記粘着シート3に開孔された取付孔35に取り付けられるとともにパネル41に開孔された係合孔43に係合される係合部8と、前記パネル41の前記係合孔43に前記係合部8が係合された際に、前記本体部7から膨出して設けられ且つ前記粘着シート3の前記取付孔35の周縁部を前記パネル41に押し当てる膨出部14と、を備えている。
このため、クリップ2は、電線51が保持される粘着シート3を係止部12で係止する。このため、電線51とクリップ2とに捲回されるワイヤハーネス用テープ等を廃止できる。よって、ワイヤハーネス用テープ等にかかる費用を削減して、クリップ2の費用を抑えることができる。
また、クリップ2は、電線51が保持される粘着シート3を係止部12で係止するため、ワイヤハーネス用テープ等が捲回されるテープ巻き部を廃止できる。このため、テープ巻き部を削除して、クリップ2を小型化することができる。
また、クリップ2は、電線51を保持する粘着シート3に係止される係止部12と、前記粘着シート3の取付孔35に取り付けられるとともにパネル41の係合孔43に係合される係合部8と、前記係合孔43に係合部8が係合された際に前記取付孔35の周縁部を前記パネル41に押し当てる膨出部14と、を設けたため、クリップ2の係合部8を係合孔43に係合させるだけで、膨出部14によって粘着シート3の前記取付孔35の周縁部が前記係合孔43の周縁部に押し当てられて、前記係合孔43の周縁部に前記粘着シート3が密着する。このため、前記係合孔43から液体が浸入することを防止できる。よって、パッキン部材を廃止して、クリップ2の費用を抑えることができる。
また、クリップ2は、パッキン部材を廃止するため、パッキン部材を取り付ける取付作業が不要となり、その取付作業にかかっていた時間と手間とを削減することができる。また、パッキン部材の取付作業にかかっていた費用を削減して、クリップ2の費用を抑えることができる。
また、クリップ2は、本体部7に設けた膨出部14で粘着シート3の取付孔35の周縁部を前記パネル41に押し当てるため、浅皿状に形成されてパネル41を押さえる押え部を廃止することができる。このため、クリップ2の構成を簡略化することができ、クリップ2の費用を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、クリップ2は、前記係合部8には、水抜き孔28が設けられているため、係合部8に設けた水抜き孔28からパネル41の係合孔43内の液体を排出できる。よって、前記係合孔43からの液体の浸入を確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、クリップ2は、前記膨出部14が、前記パネルの前記係合孔43の周縁部の形状に沿って膨出されているため、粘着シート3を前記係合孔43の周縁部の形状に沿って押し当てて密着させることができる。よって、パネル41の係合孔43からの液体の浸入をより確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、クリップ2は、前記粘着シート3の粘着材33bが、自己粘着性を有する自己粘着材とされるため、前記粘着シート3の自己粘着材33bの面同士を貼合するまでは、前記クリップ2および電線51が前記粘着シート3に強固に粘着されない。このため、前記クリップ2および前記電線51の配置などの調整を容易に行うことができる。よって、作業性を向上することができる。
また、本実施形態によれば、ワイヤハーネス1は、前述した小型かつ安価で防水性に優れたクリップ2を設けたため、クリップ2が小型化されて安価で防水性に優れたワイヤハーネス1を提供することができる。
(第二の実施形態)
次に、本発明に係るワイヤハーネス1の第二の実施形態について、図5を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態にかかるワイヤハーネス1は、図5に示すように、高さhにまで屈曲して形成された屈曲部45が設けられて、端面がパネル41の平面方向に対して略平行に形成され且つ円錐状の筒状に形成された係合孔43の形状に沿って、クリップ2の膨出部16が円錐状に膨出されて形成されている。
このため、クリップ2は、前記係合孔43の周縁部の形状に沿って粘着シート3を密着させることができる。このため、パネル41の係合孔43からの液体の浸入をより確実に防止することができる。
また、クリップ2は、係合孔43の端面がパネル41の平面方向に対して略平行に形成され、かつ、膨出部16が前記係合孔43の形状に沿って形成されているため、係合突起26が前記係合孔43の周縁部に係合される。また、前記端面では、前記パネル41の板厚の変化が該パネル41の平面方向に対して略平行して変化する。このため、前記パネル41の板厚の影響を受けずにクリップ2を係合孔43に係合することができる。よって、パネル41の板厚に合わせて、複数種のクリップ2を成形する必要がなくなり、費用が嵩むことを防止する。
また、ワイヤハーネス1は、前述したクリップ2を設けたため、パネル41の係合孔43からの液体の浸入をより確実に防止することができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態および変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 ワイヤハーネス
2 クリップ
3 粘着シート
7 本体部
8 係合部
12 係止部
14 リブ(膨出部)
16 膨出部
28 水抜き孔
33b 粘着材
35 取付孔
37 折曲部
39 貼合部
41 パネル
43 係合孔
51 電線

Claims (5)

  1. 本体部と、
    前記本体部から延長して設けられ且つ少なくとも一方の面に粘着性を有する粘着材が設けられて該一方の面同士を貼合して電線を保持する粘着シートに係止される係止部と、
    前記本体部から突出して設けられ且つ前記粘着シートに開孔された取付孔に取り付けられるとともにパネルに開孔された係合孔に係合される係合部と、
    前記パネルの前記係合孔に前記係合部が係合された際に、前記本体部から膨出して設けられ且つ前記粘着シートの前記取付孔の周縁部を前記パネルに押し当てる膨出部と、を備えていることを特徴とするクリップ。
  2. 前記係合部には、水抜き孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  3. 前記膨出部が、前記パネルの前記係合孔の周縁部の形状に沿って膨出されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリップ。
  4. 前記粘着シートの粘着材が、自己粘着性を有する自己粘着材とされることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のクリップ。
  5. 電線と、
    少なくとも一方の面に前記粘着材が設けられているとともに該一方の面同士を貼合して前記電線を保持した粘着シートと、
    前記電線を保持した前記粘着シートに取り付けられたクリップと、を備え、
    前記クリップが、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のクリップであることを特徴とするワイヤハーネス。
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