JP2013021203A - 太陽電池および太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池および太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶品質が低下することなく、エネルギー変換効率を高めることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】単結晶シリコンまたは多結晶シリコンから成るp型半導体基板2の表面に、ゲルマニウムナノドット11とそれを覆うシリコン薄膜12とから成る厚みが5nm乃至30nmの単位層3aを、5乃至30層積層させる。単位層3aを積層させた積層部3のp型半導体基板2とは反対側の表面を、フッ化水素と硝酸とを含む混合液に1〜20秒浸漬させる。混合液に浸漬させた積層部3の表面を洗浄した後、その表面にリンを拡散させて、20nm乃至50nmの厚みのn型半導体領域3bを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池および太陽電池の製造方法に関する。
エネルギー問題や環境問題の解決に向けて、太陽光発電に対する期待が高まっている。その基本素子である太陽電池には、シリコンが主原料として用いられている。シリコンは、枯渇する恐れのない安全な材料であり、太陽光発電を地球規模に拡大させるための材料として適している。しかし、太陽光発電が普及するためには、少なくとも商用電源と並ぶ程度まで、発電コストを低減する必要がある。このため、太陽光発電の基本素子である太陽電池のエネルギー変換効率を高めることが求められている。
太陽電池のエネルギー変換効率を高めるためには、太陽電池に入射する光を、太陽電池が効率よく吸収する必要がある。このため、太陽電池の表面には、光の反射を抑制するための、微小な凹凸であるテクスチャー構造が形成されている。テクスチャー構造によって表面で反射された光は、再び太陽電池に入射するため、太陽電池に入射する光を効率良く太陽電池の内部に取り込むことができる。
シリコン基板へのテクスチャー構造の形成方法として、シリコン基板を水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ溶液に浸漬させる方法が知られている。これは、アルカリ溶液によるシリコンのエッチング速度が面方位に大きく依存することを利用したものであり、この方法によりエッチング速度の遅い(111)面が表面にあらわれる。この方法を面方位が(100)の単結晶に適用した場合には、4つの等価な{111}面で囲まれたピラミッド形状のテクスチャー構造が形成されるため、反射率をある程度低減することができる。この方法は、シリコン単結晶太陽電池の製造方法として広く利用されている。しかし、数十分以上の時間がかかることや、(100)ではない面方位の基板の反射率を効果的に低減することができないという問題がある。
これに対し、テクスチャー構造をさまざまな面方位の単結晶基板や多結晶基板に対して作製できる手法として、機械的加工法(例えば、特許文献1参照)や、反応性イオンエッチング法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。しかし、これらの方法では、シリコン基板表面に加工損傷が生じることや、1ミクロンを下回るようなサブミクロンオーダーのテクスチャー構造を形成することができないという問題がある。
これに対し、サブミクロンオーダーのテクスチャー構造が形成されたシリコン基板を製造する方法として、金属粒子を無電解メッキした後、基板を、酸化剤とフッ化水素酸との混合水溶液でエッチングする方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかし、金属粒子は、テクスチャー形成後の太陽電池の作製工程において汚染源となり、シリコン基板の結晶品質を劣化させる可能性があるという問題がある。
このように、結晶シリコン太陽電池の高効率化を、シリコン単体で行うことには限界がある。このため、シリコンをベースとして微量の異種材料を利用することにより、太陽電池のエネルギー変換効率を改善することができれば、太陽光発電の発電コストを低減できるため、大きなインパクトがある。太陽電池のエネルギー変換効率を異種材料を利用して改善する試みとして、p型半導体部と、p型半導体部と対向するようにして設けられたn型半導体部との間に、島状構造の真性層を備える構造が提案されている(例えば、特許文献4参照)。実際に、50〜150周期のゲルマニウム島状構造とシリコン介在層とを有する真性層を、p型半導体部とn型半導体部との間に有する太陽電池において、シリコンでは吸収することの不可能な1.3ミクロンまでの波長域において光電流が現れ、その波長域での発電効率が高くなっている。
特許第3189201号公報 特開平09−102625号公報 特開2007−194485公報 特開2005−72192号公報
しかしながら、特許文献4に記載の太陽電池では、ゲルマニウムを50周期以上も積層しているため、シリコンとゲルマニウムとの間の格子定数の不整合による歪みに起因して、結晶の品質が悪化してしまうという課題があった。このため、シリコン太陽電池でも光電流が生じる可視波長領域における量子効率が低下してしまい、全体的なエネルギー変換効率はさほど改善されないという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、結晶品質が低下することなく、エネルギー変換効率を高めることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る太陽電池は、p型半導体基板と、前記p型半導体基板の表面に設けられ、ゲルマニウムナノドットとそれを覆うシリコン薄膜とから成る単位層が複数積層された積層部とを有し、前記積層部は、前記p型半導体基板とは反対側の表面に、n型半導体領域が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る太陽電池は、シリコンとゲルマニウムの格子定数が異なるために、積層部にサブミクロンオーダーのテクスチャー構造が形成されている。このようなサブミクロンオーダーのテクスチャー構造は、積層部の表面での太陽光の反射を低減することができ、入射する光を効率良く太陽電池の内部に取り込むことができる。また、サブミクロンオーダーのテクスチャー構造の形成により、p型半導体基板が汚染されたり、結晶の品質が低下したりしていない。このため、本発明に係る太陽電池は、エネルギー変換効率を高めることができる。
また、ゲルマニウムナノドットは、シリコンよりも吸収可能な波長域が広く、吸収係数も大きいため、シリコン単体での太陽電池と比較して、表面近傍での電子正孔対の発生が増大する。この光吸収によって生じた電子正孔対は、内部電界によって分離され、光電流に寄与する。このため、本発明に係る太陽電池は、シリコン単体の太陽電池よりも高効率で発電を行うことができる。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、p型半導体基板の表面に、ゲルマニウムナノドットとそれを覆うシリコン薄膜とから成る単位層を複数積層させる第1工程と、前記単位層を積層させた積層部の前記p型半導体基板とは反対側の表面を、フッ化水素と硝酸とを含む混合液に浸漬させる第2工程と、前記混合液に浸漬させた前記積層部の表面を洗浄した後、その表面にリンを拡散させてn型半導体領域を形成する第3工程とを、有することを特徴とする。
本発明に係る太陽電池は、本発明に係る太陽電池の製造方法により好適に製造される。本発明に係る太陽電池の製造方法は、第1工程でゲルマニウムナノドットとシリコン薄膜とを積層させると、シリコンとゲルマニウムの格子定数が異なるために、シリコン薄膜に歪みが導入され、その周期がサブミクロンオーダーとなる。さらに、第2工程で積層部の表面をフッ化水素と硝酸とを含む混合液に浸漬させることにより、積層部の表面に、シリコン薄膜の歪みからサブミクロンオーダーのテクスチャー構造を形成することができる。このサブミクロンオーダーのテクスチャー構造により、積層部の表面での太陽光の反射を低減することができ、入射する光を効率良く太陽電池の内部に取り込むことができる。また、これらの工程では、p型半導体基板を汚染したり、加工損傷により結晶品質を低下させたりしない。このため、本発明に係る太陽電池の製造方法は、よりエネルギー変換効率が高い太陽電池を製造することができる。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、第1工程で、単位層を積層させる方法はいかなる方法であってもよく、例えば、分子線エピタキシー法(MBE法)などにより、ゲルマニウムナノドットとシリコン薄膜とを順次エピタキシャル成長させて積層させてもよい。また、第1工程で、例えば、p型半導体基板に、3〜10原子層のゲルマニウムを500℃〜800℃の温度で成長させることにより、周期がサブミクロンオーダーの島状結晶から成るゲルマニウムナノドットを形成することができる。第3工程により、積層部のp型半導体基板とは反対側の表面を、n型半導体領域とすることができる。このため、積層部の上にn型半導体層にするためのシリコン半導体層などを新たに形成する必要がなく、製造工程を省いて製造時間の短縮および製造コストの低減を図ることができる。
本発明に係る太陽電池で、前記単位層は5nm乃至30nmの厚みを有し、前記積層部は前記単位層が5乃至30層積層されていることが好ましい。本発明に係る太陽電池の製造方法で、前記単位層は5nm乃至30nmの厚みを有し、前記第1工程で、前記単位層を5乃至30層積層させることが好ましい。これらの場合、単位層の厚みを5nm乃至30nmとすることにより、結晶品質の低下を防ぐとともに、シリコン薄膜に導入される歪の効果を継承してゲルマニウムナノドットを層厚方向に積層させることができる。また、積層部の単位層の層数を5乃至30層とすることにより、結晶品質の低下を防ぐとともに、光吸収の効果を十分に得ることができる。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、前記第2工程で、前記積層部の表面を、前記混合液に1〜20秒浸漬させることが好ましい。この場合、比較的短時間でサブミクロンオーダーのテクスチャー構造を形成することができる。
本発明に係る太陽電池で、前記n型半導体領域は、前記積層部の表面から20nm乃至50nmの厚みを有していることが好ましい。本発明に係る太陽電池の製造方法で、前記n型半導体領域は、前記積層部の表面から20nm乃至50nmの厚みを有していることが好ましい。これらの場合、n型半導体領域での少数キャリアの拡散長の低下を防ぐことができる。
本発明に係る太陽電池で、前記p型半導体基板は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンから成ることが好ましい。本発明に係る太陽電池の製造方法で、前記p型半導体基板は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンから成ることが好ましい。
本発明によれば、結晶品質が低下することなく、エネルギー変換効率を高めることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の太陽電池を示す(a)側面図、(b)積層部の一部拡大側面図である。 図1に示す太陽電池の積層部のテクスチャー構造を示す電子顕微鏡写真である。 図1に示す太陽電池の、さまざまな単位層の層(周期)数に対する、フッ化水素と硝酸とを含む混合液によるエッチング時間(溶液処理時間)と、短絡電流密度と開放電圧との積との関係を示すグラフである。 図1に示す太陽電池の、光の波長に対する外部量子効率の関係を示すグラフである。 図1に示す太陽電池の、電流−電圧特性(I−V特性)を示すグラフである。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図5は、本発明の実施の形態の太陽電池および太陽電池の製造方法を示している。
図1に示すように、太陽電池1は、p型半導体基板2と積層部3と裏面電極4と反射防止膜5と表面電極6とを有している。
p型半導体基板2は、チョクラルスキー法により製造された市販の単結晶シリコン製の基板から成っている。具体的には、p型半導体基板2は、抵抗率2.6Ωcm、厚さ約400μmの3インチp型シリコン(100)単結晶基板から成っている。なお、p型半導体基板2は、多結晶シリコンの基板から成っていてもよい。
積層部3は、p型半導体基板2の表面に設けられ、ゲルマニウムナノドット11とそれを覆うシリコン薄膜12とから成る単位層3aが5乃至30層積層されて形成されている。単位層3aは、5nm乃至30nmの厚みを有している。積層部3は、サブミクロンオーダーのテクスチャー構造を有している。また、積層部3は、p型半導体基板2とは反対側の表面に、n型半導体領域3bが形成されている。n型半導体領域3bは、積層部3の表面から20nm乃至50nmの厚みを有している。
裏面電極4は、p型半導体基板2の裏面に形成されている。反射防止膜5は、積層部3のn型半導体領域3bの表面を覆うよう設けられている。表面電極6は、反射防止膜5の表面に形成されている。
太陽電池1は、本発明の実施の形態の太陽電池の製造方法により好適に製造される。本発明の実施の形態の太陽電池の製造方法では、まず、前工程として、p型半導体基板2を、硫酸・過酸化水素溶液で洗浄し、フッ化水素水溶液に10秒間浸漬させて酸化膜を除去し、表面を撥水性の表面とする。
次に、第1工程として、分子線エピタキシー法(MBE法)により、そのp型半導体基板2の表面に、ゲルマニウムナノドット11とそれを覆うシリコン薄膜12とを順次エピタキシャル成長させて、ゲルマニウムナノドット11とシリコン薄膜12とから成る単位層3aを5乃至30層積層させる。そのために、p型半導体基板2を、到達圧力1×10−9Torrの真空チャンバーに入れて700度に加熱し、シリコンの水素化物であるジシランガス(Si)を流量2.5ccmで22秒間供給し、シリコン薄膜12を形成する。その後、ゲルマニウムの水素化物であるゲルマンガス(GeH)を流量2.5ccmで15秒間供給し、周期がサブミクロンオーダーの島状結晶から成るゲルマニウムナノドット11を形成する。この工程を、5〜30回繰り返した後、ジシランガスを流量2.5ccmで65秒間供給し、一番外側のシリコン薄膜12を形成する。これにより、積層部3として、5nm乃至30nmの厚みを有する単位層3aを、5乃至30層形成することができる。
このとき、シリコンとゲルマニウムは、同じ結晶構造で、格子定数が異なるために、エピタキシャル成長によってシリコン薄膜12に歪みが生じる。また、ゲルマニウムの供給量が臨界値を超えると、歪みの弾性緩和によってゲルマニウムナノドット11を形成した方が、全自由エネルギーを低下させるため、数原子層の厚さのゲルマニウム濡れ層の上に、ゲルマニウムナノドット11が自然形成される。なお、シリコン薄膜12の厚さを適切に選定することで、エネルギー的なバランスから、上方に位置するゲルマニウムナノドット11は、下方に位置するゲルマニウムナノドット11の直上に形成される。また、シリコン薄膜12には、ゲルマニウムナノドット11の周期構造を反映したサブミクロンオーダーの周期の歪み分布が生じている。
また、単位層3aの厚みを5nm乃至30nmとすることにより、結晶品質の低下を防ぐとともに、シリコン薄膜12に導入される歪の効果を継承してゲルマニウムナノドット11を層厚方向に積層させることができる。積層部3の単位層3aの層数が50層以上になると、シリコンとゲルマニウムとの間の格子定数の不整合による歪みに起因して結晶品質が低下してしまうため、単位層3aを5乃至30層とすることにより、結晶品質の低下を防ぐとともに、光吸収の効果を十分に得ることができる。
次に、第2工程として、p型半導体基板2を真空チャンバーから取り出し、1.8cm角にカットし、積層部3のp型半導体基板2とは反対側の表面を、フッ化水素(HF)と硝酸(HNO)とを含む混合液に1〜20秒浸漬させてエッチングを行う。このとき、シリコン薄膜12に分布するサブミクロンオーダーの周期の歪みにより、エッチング速度もサブミクロンオーダーで周期的となる。このため、積層部3の表面の複数の単位層3aに、サブミクロンオーダーのテクスチャー構造を形成することができる。また、ここまでの工程で、p型半導体基板2を汚染したり、加工損傷により結晶品質を低下させたりすることはない。
次に、第3工程として、混合液に浸漬させた積層部3の表面を純水で洗浄した後、その表面にリン(P)を含むOCD溶液をスピンコートして乾燥させ、熱処理を行って、積層部3の表面から20nm乃至50nmの厚みでn型半導体領域3bを形成する。このとき、積層部3の上にn型半導体層にするためのシリコン半導体層などを新たに形成する必要がないため、製造工程を省いて製造時間の短縮および製造コストの低減を図ることができる。また、n型半導体領域3bの厚みを20nm乃至50nmとすることにより、少数キャリアの拡散長の低下を防ぐことができる。
最後に、積層部3のn型半導体領域3bの表面に、ITOを用いた単層の反射防止膜5(厚さ75〜85nm)をスパッタリング法によって成膜する。さらに、p型半導体基板2の裏面にAlペースト電極を焼成して裏面電極4を形成し、反射防止膜5の表面にAgフィンガー電極を印刷・焼成して表面電極6を形成する。こうして、太陽電池1を製造することができる。なお、積層部3のn型半導体領域3bの表面が、太陽電池1の受光面となる。
太陽電池1は、積層部3にサブミクロンオーダーのテクスチャー構造が形成されているため、積層部3の表面での太陽光の反射を低減することができ、入射する光を効率良く太陽電池1の内部に取り込むことができる。また、サブミクロンオーダーのテクスチャー構造の形成により、p型半導体基板2が汚染されたり、結晶の品質が低下したりすることもない。このため、太陽電池1は、エネルギー変換効率を高めることができる。
また、ゲルマニウムナノドット11は、シリコンよりも吸収可能な波長域が広く、吸収係数も大きいため、シリコン単体での太陽電池1と比較して、表面近傍での電子正孔対の発生が増大する。この光吸収によって生じた電子正孔対は、内部電界によって分離され、光電流に寄与する。このため、太陽電池1は、シリコン単体の太陽電池1よりも高効率で発電を行うことができる。
図2に、太陽電池1の積層部3のテクスチャー構造を示す電子顕微鏡写真を示す。図2に示すように、積層部3の表面に、周期が100〜200nmほどのサブミクロンオーダーの凹凸が形成されていることが確認できる。
図3に、フッ化水素と硝酸とを含む混合液によるエッチング時間(溶液処理時間)と、太陽電池1の短絡電流密度と開放電圧との積との関係を示す。短絡電流密度と開放電圧との積は、太陽電池1のエネルギー変換効率に比例するため、エネルギー変換効率の目安となる。図3に示すように、ゲルマニウムナノドット11とシリコン薄膜12とから成る単位層3aの層数が10〜25層(周期)の場合、エッチングを行うことにより、太陽電池1のエネルギー変換効率が向上することが確認できる。また、エッチング時間が20秒までは、エッチング時間が長くなるに従って太陽電池1のエネルギー変換効率も概ね向上していくことが確認できる。
図4に、太陽電池1の外部量子効率の測定結果を示す。図4に示すように、本発明の太陽電池1は、従来技術による太陽電池に比べて、広範な波長領域で量子効率が向上していることが確認できる。特に、従来技術では向上させることが困難であった波長400nm以下の短波長においても、量子効率向上の効果が顕著にあらわれている。
図5に、太陽電池1の電流−電圧特性(I−V特性)を調べた結果を示す。図5に示すように、本発明の太陽電池1は、従来技術による太陽電池よりも、1〜2%以上高い変換効率が得られていることが確認できる。これにより、本発明の有用性が実証されたといえる。
1 太陽電池
2 p型半導体基板
3 積層部
3a 単位層
3b n型半導体領域
4 裏面電極
5 反射防止膜
6 表面電極
11 ゲルマニウムナノドット
12 シリコン薄膜

Claims (9)

  1. p型半導体基板と、
    前記p型半導体基板の表面に設けられ、ゲルマニウムナノドットとそれを覆うシリコン薄膜とから成る単位層が複数積層された積層部とを有し、
    前記積層部は、前記p型半導体基板とは反対側の表面に、n型半導体領域が形成されていることを
    特徴とする太陽電池。
  2. 前記単位層は5nm乃至30nmの厚みを有し、
    前記積層部は前記単位層が5乃至30層積層されていることを
    特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 前記n型半導体領域は、前記積層部の表面から20nm乃至50nmの厚みを有していることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池。
  4. 前記p型半導体基板は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の太陽電池。
  5. p型半導体基板の表面に、ゲルマニウムナノドットとそれを覆うシリコン薄膜とから成る単位層を複数積層させる第1工程と、
    前記単位層を積層させた積層部の前記p型半導体基板とは反対側の表面を、フッ化水素と硝酸とを含む混合液に浸漬させる第2工程と、
    前記混合液に浸漬させた前記積層部の表面を洗浄した後、その表面にリンを拡散させてn型半導体領域を形成する第3工程とを、
    有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  6. 前記単位層は5nm乃至30nmの厚みを有し、
    前記第1工程で、前記単位層を5乃至30層積層させることを
    特徴とする請求項5記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記第2工程で、前記積層部の表面を、前記混合液に1〜20秒浸漬させることを特徴とする請求項5または6記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記n型半導体領域は、前記積層部の表面から20nm乃至50nmの厚みを有していることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 前記p型半導体基板は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンから成ることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
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