JP2013020085A - 現像剤層規制部材及び現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、二成分現像装置の現像剤層規制部材を樹脂成型品とした場合でも、現像剤溢れ等の不具合や、感光ドラム上へのキャリア付着、非画像部へのトナー付着、画像の濃度低下等の画像不良を抑制できる現像剤層規制部材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る現像剤層規制部材及び現像装置の代表的な構成は、非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤を担持して感光ドラム1と対向する現像領域へと搬送する回転可能な現像スリーブ4cに保持された現像剤量を規制する現像剤層規制部材41において、樹脂からなる基材樹脂板と、現像剤層規制部材41の表面に、基材樹脂板41aの樹脂より硬い樹脂で、基材樹脂板41aをコーティングした樹脂ハードコート層41bと、を有することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は非磁性トナーと磁性キャリアを混合した二成分現像剤を使用する現像装置及びこれに用いられる現像剤層規制部材に関するものである。
従来の画像形成装置に用いられる現像装置として、非磁性トナーと磁性キャリアを混合した二成分現像剤を使用する二成分現像方式の現像装置がある。この二成分現像方式は、磁性キャリアを用いない一成分現像方式と比較すると、現像装置を構成する部材の点数が多くなり、現像装置のコストが高くなってしまう。そこで、二成分現像装置を構成する部材の材質を金属成型品から樹脂成型品に変更することが試みられている。
ここで、特に、現像ローラ上の現像剤量を規制する現像剤層規制部材を樹脂成型品とすることは、特許文献1に記載されているように、一成分現像装置においては既に実施されている。
特開平11−133733
しかしながら、二成分現像装置において、現像剤層規制部材を樹脂成型品とした場合には、下記の2つの課題が生じる。
まず、1つ目の課題について説明する。現像剤層規制部材の現像ローラ回転方向上流側に現像剤溜まりが形成され、現像剤層規制部材の規制部と現像ローラの間を現像剤が通過する時に、現像剤層規制部材と現像剤の間に大きな摩擦力が発生する。この時、現像剤層規制部材が金属成型品の場合には、現像剤層規制部材の摩耗はほとんど発生しないが、樹脂成型品の場合には、二成分現像装置の使用に伴って現像剤層規制部材の規制部の摩耗が徐々に進行する。
現像剤層規制部材の規制部の摩耗が進行した場合には、現像剤層規制部材の規制部と現像ローラ表面の間隔が所望の値よりも大きくなり、現像剤層規制部材により規制された後の現像ローラ上に担持された現像剤の量が所望の量よりも多くなってしまう。この時、現像ローラと感光ドラムが対向する現像領域において、現像剤が滞留し、現像剤溢れ等や、感光ドラム上へのキャリア付着、非画像部へのトナー付着(所謂かぶり)等の画像不良が発生するおそれがある。
次に、2つ目の課題について説明する。現像剤層規制部材が樹脂成型品である場合は、金属成型品と比較して表面の粗さ(凹凸)が大きく、かつ絶縁であるため、現像剤層規制部材表面にトナー微粉や外添剤が非常に付着し、固着しやすくなる。図12(c)は従来の樹脂成型品の現像剤層規制部材を用いた場合に、高温・高湿下で現像装置を使用した時の現像剤層規制部材周りの状態を示す模式図である。図12(c)に示すように、特に、高温・高湿下で二成分現像装置を用いた場合には、トナー樹脂の軟化や水分の介在により、現像剤層規制部材表面とトナー微粉や外添剤との間に働く付着力が大きくなり、顕著となる。
そして、現像剤層規制部材41表面の特に規制部近傍にトナー微粉や外添剤からなる塊が成長する。このような場合には、現像剤層規制部材41の規制部と現像ローラ(現像スリーブ4c)表面の間隔が所望の値よりも小さくなり、現像剤層規制部材41により規制された後の現像ローラ上に担持された現像剤の量が所望の量よりも少なくなってしまう。この時、現像ローラと感光ドラムが対向する現像領域において、現像剤と感光ドラムの接触面積の低下やトナー量の減少のため、画像の濃度低下等の画像不良が発生するおそれがある。
そこで本発明は、二成分現像装置の現像剤層規制部材を樹脂成型品とした場合でも、現像剤溢れ等や、感光ドラム上へのキャリア付着、非画像部へのトナー付着、画像の濃度低下等の画像不良を抑制できる現像剤層規制部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る現像剤層規制部材及び現像装置の代表的な構成は、非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤を担持して像担持体と対向する現像領域へと搬送する回転可能な現像剤担持体に保持された現像剤量を規制する現像剤層規制部材において、樹脂からなる基材樹脂板と、前記現像剤層規制部材の表面に、前記基材樹脂板の樹脂より硬い樹脂で、前記基材樹脂板をコーティングした樹脂ハードコート層と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、二成分現像装置の現像剤層規制部材を樹脂成型品とした場合でも、現像剤溢れ等や、感光ドラム上へのキャリア付着、非画像部へのトナー付着、画像の濃度低下等の画像不良を抑制できる。
第1実施形態に係る画像形成装置の構成図である。 第1実施形態に係る画像形成ユニットの構成図である。 (a)第1実施形態に係る現像剤層規制部材の構成図である。(b)第1実施形態に係る他の現像剤層規制部材の構成図である。 (a)は第1実施形態の磁性キャリアの材料のイオン化ポテンシャルの測定結果を示す図である。(b)は第1実施形態の樹脂ハードコート層の材料のイオン化ポテンシャルの測定結果を示す図である。 (a)第1実施形態に係る現像剤層規制部材の部分断面図である。(b)現像剤層規制部材の基材樹脂板及び樹脂ハードコート層それぞれの物性一覧表である。 第1実施形態に係る現像剤層規制部材の樹脂ハードコート層の形成方法を示す図である。 従来の現像剤層規制部材及び第1実施形態の現像剤層規制部材をそれぞれ用いた場合における、印字枚数に対する現像剤担持体上に担持された単位面積当たりの現像剤量の変化を示す関係図である。 (a)第2実施形態に係る現像剤層規制部材の部分構成図である。(b)第2実施形態の現像剤層規制部材において、樹脂ハードコート層中に添加するフッ素粒子添加量と現像剤層規制部材の表面の純水接触角の関係を示す関係図である。 (a)第3実施形態に係る現像剤層規制部材の部分構成図である。(b)第3実施形態の現像剤層規制部材において、樹脂ハードコート層中に添加する導電粒子添加量と樹脂ハードコート層の表面抵抗の関係を示す関係図。 第4実施形態に係る現像剤層規制部材の部分構成図である。 従来の現像剤層規制部材及び第4実施形態の現像剤層規制部材をそれぞれ用いた場合に、印字枚数に対する現像剤担持体上に担持された単位面積当たりの現像剤量の変化を示す関係図である。 (a)従来の現像剤層規制部材を用いた場合の現像剤層規制部材及び現像剤担持体及び現像剤担持体上に担持された現像剤の初期状態を示す模型図である。(b)従来の現像剤層規制部材を用いた場合の現像剤層規制部材及び現像剤担持体及び現像剤担持体上に担持された現像剤の長期使用後の状態を示す模型図である。(c)従来の現像剤層規制部材を用いた場合の長期使用後の現像剤層規制部材表面へのトナー汚染状態を示す模型図である。(d)従来の現像剤層規制部材を用いた場合の長期使用後の現像剤担持体表面へのトナー汚染状態を示す模型図である。
[第1実施形態]
本発明に係る現像剤層規制部材及び現像装置の第1実施形態について、図を用いて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、矢印Y方向に走行する無端状の中間転写ベルト5bを有している。中間転写ベルト5bの上方には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4つの画像形成ユニットY‐st、M‐st、C‐st、Bk‐stが配置されている。
図2に示すように、各画像形成ユニットY‐st〜Bk‐stは、感光ドラム(像担持体)1を有している。感光ドラム1は、帯電特性が負帯電性の有機光導電体(OPC)であり、外径30mm、中心支軸を中心に100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって矢印X方向に回転駆動される。
感光ドラム1表面は、帯電装置2により一様に帯電処理される。帯電装置2は、帯電ローラ2aによる接触帯電方式を採用している。帯電ローラ2aは、押し圧ばね2bによって感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接されており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。
帯電ローラ2aに帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施形態の帯電バイアス電圧は、直流電圧;−600Vと、交流電圧;周波数f:1.5kHz、ピーク間電圧:1500Vppの正弦波とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−600V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
帯電された感光ドラム1は、レーザビーム3により画像情報に応じたレーザー光を照射され、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置4により各色のトナーを用いてトナー像として現像される。本実施形態の場合、感光ドラム1の表面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
図1に示すように、感光ドラム1上に形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ5aにより、中間転写ベルト5bに重ねて1次転写される。中間転写ベルト5bは、駆動ローラ5c、テンションローラ5d、対向ローラ5eに張架されている。1次転写後に感光ドラム1上に残留した転写残トナーは、感光ドラムクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって感光ドラム1上から除去・回収される。
中間転写ベルト5bに形成されたトナー像は、2次転写ローラ5fと中間転写ベルト5bとのニップ部(2次転写部)で、給送トレイ(不図示)から搬送されたシートPに一括転写される。トナー像を転写されたシートPは、定着装置8により、加熱、加圧され、トナー像が定着され、装置外へ排出される。2次転写後に中間転写ベルト5bに残留する転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置7によりクリーニングされる。
(現像装置4)
二成分現像方式の現像装置4には、非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤が収容されており、その混合比は重量比でおよそ1:9である。この比はトナーの帯電量、キャリア粒径等により適正に調整されるべきものであって、必ずしもこの数値に従わなければいけないものではない。
現像装置4は感光ドラム1に対向した現像領域が開口しており、この開口部に一部露出するようにして現像スリーブ(現像剤担持体)4cが回転可能に配置されている。現像スリーブ4cは、感光ドラム1との最近接距離(以下「S−Dギャップ」と呼ぶ)を300μmに保持して感光ドラム1に近接対向配設しており、感光ドラム1との対向部が現像領域である。
現像スリーブ4cは、非磁性材料で構成され、現像スリーブ4c内の固定のマグネット(磁界発生手段)4dの磁力により現像容器4a内の現像剤の一部を磁気ブラシ層として吸着保持する。現像スリーブ4c表面に保持された現像剤は、現像スリーブ4cの回転に伴い回転搬送され、現像剤層規制部材41により規制されることで所望の現像剤量の磁気ブラシ層となり、現像領域において感光ドラム1表面と接触する。現像剤層規制部材41は、現像スリーブ4cに対して一定間隔(以下「S−Bギャップ」と呼ぶ)を保持して近接対向配設されている。本実施形態では、S−Bギャップを400μmとした。
現像スリーブ4cには電源(不図示)から所定の現像バイアスが印加され、現像スリーブ4cにより現像領域に搬送された現像剤中のトナーが、現像バイアスによる電界によって感光ドラム1表面の静電潜像に対応して付着することでトナー像として現像される。本実施形態において、現像バイアスは、直流電圧;−350Vと、交流電圧;周波数f8.0kHz、ピーク間電圧1.8kVの矩形波とを重畳した振動電圧である。
静電潜像を現像した後の現像剤は、現像スリーブ4cの回転にしたがって搬送され、現像容器4a内に回収される。また現像容器4aには、現像スクリュー(第1の現像剤攪拌・搬送部材)4e、攪拌スクリュー(第2の現像剤攪拌・搬送部材)4fにより、現像容器4a内を循環し、再度混合攪拌される。現像スクリュー4e、攪拌スクリュー4fは、共に中心軸径が7mm、外形が14mmのものを使用した。
(二成分現像剤)
本実施形態で用いられる二成分現像剤(非磁性トナー、磁性キャリア)について説明する。
非磁性トナーは、結着樹脂、着色剤、その他帯電制御剤、ワックス等の添加剤を含む着色樹脂粒子からなる。そして、流動性の改善、帯電量の調整等の必要に応じて、着色樹脂微粒子の表面には、例えばコロイダルシリカ、チタニア等の無機酸化物微粒子が外添されている。本実施形態のトナーは、結着樹脂がポリエステル系樹脂からなり、抵抗値は約1014Ωcm、体積平均粒径Dは約6.0μmである。
トナーの体積平均粒径Dは、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を使用する。測定法としては、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液からなる電解液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積を測定する。これにより、体積分布を算出し、その測定結果から体積50%のメジアン径をもって体積平均粒径とする。
磁性キャリアは、磁性コアと磁性コア表面を被覆する表面コート樹脂により形成されている。磁性コアとしては、公知のフェライト粒子、マグネタイト粒子、磁性体分散型樹脂キャリアコア等の磁性キャリアコアが使用できる。例えば、鉄、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ルビジウム、ストロンチウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及びチタンから選ばれる一種または二種以上の元素を含む磁性フェライト粒子、又はマグネタイト粒子が挙げられる。好ましくは、マグネタイト粒子、又は、銅、亜鉛、マンガン、カルシウム、リチウム及びマグネシウムから選ばれる一種または二種以上の元素を少なくとも有する磁性フェライト粒子である。
表面コート樹脂としては、フェライト成分に対する濡れ性が高いものであることが好ましく、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のどちらを用いてもかまわない。熱可塑性樹脂では、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂がある。また、熱硬化性樹脂では、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂がある。本実施形態では、ストレートシリコーン樹脂をアルキッド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変性したシリコーン樹を用いた。
本実施形態における磁性キャリアの個数平均粒径は約35μmである。磁性キャリアの体積平均粒径は、フロー式粒子像分析装置FPIA3000(シスメックス社製)を用いて、個数基準で粒径0.5〜200μmの範囲を32対数分割してそれぞれのチャンネルにおける粒子数を測定する。そして、その測定結果から個数50%のメジアン径をもって個数平均粒径とする。
(現像剤層規制部材41)
図3(a)に本実施形態に係る現像剤層規制部材41の構成図である。図3(a)に示すように、現像剤層規制部材41は、基材としての基材樹脂板41a(平板)、樹脂ハードコート層41bを有している。コート層41bは、基材樹脂板41aの耐摩耗性、耐擦過性を向上させるために基材樹脂板41aをコーティングしたものである。
本実施形態の基材樹脂板41aの形状は、厚みが3mm、長手方向長さが320mmである。現像剤層規制部材41の長手方向の長さは、現像スリーブ4c上の現像剤を長手方向に均一に規制する必要があることから、現像スリーブ4cによる現像剤担持幅よりも大きくなるように設定している。ちなみに、現像スリーブ4cの現像剤担持幅は、本実施形態の画像形成装置100により出力可能な最大画像幅を保証するために、最大画像幅よりも大きくなるように設定している。
コート層41bは、現像剤層規制部材41の現像剤が接触する領域に設けることが好ましい。具体的には、図3(a)に示すように、現像剤溜まり接触面41b1、規制面41b2、コート層41bを設けることが好ましい。現像剤溜まり接触面41b1は、現像剤層規制部材41の現像スリーブ4c進行方向上流側にできる。規制面41b2は、現像スリーブ4cと対向する。コート層41bは、現像剤溜まり接触面41b1の反対側の面の一部に設けられている。ただし、現像剤層規制部材41へのコート層処理領域は以上に限定されるものではなく、図3(b)に示すように基材樹脂板41aの全域に設けても構わない。これにより、後述するコート処理が容易になる。
基材樹脂板41aの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ABSなどのポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂等が強度、成形性、コスト等の面から適している。本実施形態ではABS樹脂を用いた。
コート層41bの材質としては、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。本実施形態では、耐摩耗性、耐擦過性で最も優れているアクリル系樹脂を用いた。より詳細には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル等の多官能アクリレートを主成分として含有するアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料(デソライト:JSR(株)製)を用いた。このアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料(紫外線硬化樹脂)を現像剤層規制部材41の基材樹脂板表面に塗布した後、紫外線を照射して硬化させることによりコート層41bを形成した。
ここで、現像剤に対するコート層41bの材質の関係について説明する。本実施形態の画像形成装置100では、ネガ帯電処理された感光ドラム1上に現像装置4により反転現像を行うため、トナーの極性はネガ極性である。現像装置4内で磁性キャリアとトナーが摩擦帯電された時に、摩擦帯電系列において、磁性キャリアがポジ側に、トナーがネガ側に帯電するような材料設計となっている。
コート層41bと磁性キャリアの摩擦帯電においても、コート層表面がトナーと同極性のネガ側に帯電されるような材料設計となっている。これにより、コート層表面へのトナーの付着を抑制している。つまり、摩擦帯電で相手に電子を与えるドナーとしての能力の高い磁性キャリアにより、トナー及びコート層共に同極性のネガに帯電されることで、トナーとコート層41bの間には斥力が働き、コート層表面へのトナー付着が防止される。
磁性キャリアとの摩擦帯電後のコート層41bの帯電極性を確認する方法として、コート層41bを有する現像剤層規制部材41を斜めに置き、その上に磁性キャリアを一定量流下させた後にコート層表面の電位を測定する方法がある。実際、本実施形態で用いたアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料の場合、コート層表面の電位はネガ極性を示した。
また、コート層41bとトナーとの帯電系列については、共に摩擦帯電で相手に電子を与えるドナーとしての能力は非常に小さい。このため、コート層41bとトナーが摩擦帯電しても共に表面の電位(あるいは帯電量)の変化も小さく、材料設計の上で考慮に入れる必要はほとんどない。
磁性キャリアとの摩擦帯電系列を考慮したコート層41bの材料選択を行ううえでは、上記のように実際に磁性キャリアとコート層41bを摩擦帯電させて、コート層41bの帯電極性を確認する方法でも構わない。しかし、それぞれの材料のイオン化ポテンシャルを測定して比較する方法が簡便かつ安定性に優れている。
図4(a)は本実施形態の磁性キャリアの材料のイオン化ポテンシャルの測定結果を示す図である。図4(b)は本実施形態のコート層41bの材料のイオン化ポテンシャルの測定結果を示す図である。イオン化ポテンシャルの測定には、理研計器(株)製の光電子分光装置AC−2を用いた。
図4(a)に示すように、測定サンプル(磁性キャリア)に照射する入射光である紫外線のエネルギーを低い方(図4(a)中4.0eV)から逐次大きくしていき、各エネルギーをもつ紫外線を照射させたときの光電子放出量を測定する。図4(a)中の矢印で示したところを変極点として、放出される光電子数が急激に増加する。この変極点が測定サンプル(磁性キャリア)のイオン化ポテンシャルである。図4(a)の結果より、磁性キャリアの材料のイオン化ポテンシャルは5.3eVであることがわかる。また、図4(b)の結果より、コート層41bの材料のイオン化ポテンシャルは6.2eVであることが分かる。
ここで、イオン化ポテンシャルは電子を放出させるために必要な最小エネルギーのことであり、イオン化ポテンシャルの低い材料ほど電子を出して、自身はポジに帯電しやすい(ドナーとしての能力が大きい)ことを示している。磁性キャリアの材料とコート層41bの材料のイオン化ポテンシャルを比較すると、磁性キャリアの材料のイオン化ポテンシャルが小さい。よって、摩擦帯電により磁性キャリアは電子を放出してポジに帯電し、コート層41bは磁性キャリアから電子を受け取ってネガに帯電することが分かる。なお、本実施形態で用いたトナーのイオン化ポテンシャルは5.7eVであった。
図5(a)は本実施形態に係る現像剤層規制部材41の部分断面図である。図5(b)は現像剤層規制部材41の基材樹脂板41a(本実施形態ではABS樹脂)及びコート層41b(本実施形態では紫外線硬化型アクリル樹脂)それぞれのヤング率、硬度、表面粗さ(十点平均粗さ;Rz)を示す図である。
ヤング率、硬度は、アジレントテクノロジー社製ナノインデンターG200を用いて測定した。測定の方法としては、基材樹脂板41a及びコート層41bそれぞれの表面に対して、インデンターのプローブを押し当て、最大応力が300μNとした時の負荷曲線及び除荷曲線を計測する。そして、計測された負荷/除荷プロファイルからヤング率及び硬度を算出する。この結果、基材樹脂板41aのABS樹脂に比較して、コート層41bの紫外線硬化型アクリル樹脂の硬度が約3倍であり、コート層41bが耐摩耗性、耐擦過性に優れていることが分かる。
表面粗さ(十点平均粗さ;Rz)は、小坂研究所製接触式表面粗さ計SE3500を用いて測定した。この結果、基材樹脂板41aのABS樹脂に比較して、コート層41bの紫外線硬化型アクリル樹脂の表面粗さ(十点平均粗さ;Rz)が非常に小さく、コート層表面が非常に平滑であることが分かる。これは、紫外線硬化型樹脂のレベリング性が非常に優れていることに起因する。このように、表面にコート層41bを設けて表面の平滑性を向上させることで、トナー微粉や外添剤が現像剤層規制部材41表面の凹部に入り込んで蓄積・汚染することを防止する。
これにより、現像剤層規制部材表面にトナー微粉や外添剤が固着することを抑制できる。これにより、現像剤層規制部材41の規制部と現像スリーブ表面の間隔が所望の値よりも小さくなる。このため、現像剤層規制部材により規制された後の現像スリーブ上に担持された現像剤の量が所望の量よりも少なくなってしまうことを抑制できる。よって、現像スリーブ4cと感光ドラム1が対向する現像領域において、現像剤と感光ドラム1の接触面積の低下やトナー量の減少を抑制でき、画像の濃度低下等の画像不良を抑制できる。
また、コート層41bの厚みは1〜9μmの範囲が好ましく、本実施形態では約5μmになるようにした。コート層41bの厚みが1μm未満の場合には、基材樹脂板41aの表面粗さにも依存するが、コート層41bを設けた後の平滑性を十分に向上させることができないおそれがある。また、コート層の厚みが9μmよりも大きい場合には、コート層形成のために塗工した紫外線硬化型樹脂の厚みが大きくなりすぎて紫外線がコート層内部まで届かず、十分に硬化しないおそれがある。
ここで、コート層41bの膜厚測定方法について説明する。膜厚測定試料として、コート層41bを設けた現像剤層規制部材41を断面方向に切り出す。この時、現像剤層規制部材41の切り出し位置は、長手方向に対して両端部、中央部、両端部と中央部の中間部の5箇所から行い、試料の切り出し厚さ(長手方向長さ)は2mmとした。その後、切り出した試料の断面をミクロトームのダイヤモンドナイフを用いて面出しし、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−4700)により観察を行うとともにコート層41bの膜厚を測定した。コート層41bの膜厚測定は1つの試料に対して10箇所行い、(5つの試料)×(10箇所の測定)の計50箇所の膜厚の平均値をコート層の膜厚とした。
次に、図6を用いて現像剤層規制部材41表面へのコート層41bの形成方法について説明する。
(1)塗工液
塗工液としては、樹脂成分としての多官能アクリレートであるペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルが約30wt%、希釈溶媒としてのメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが約68wt%、重合開始剤としてのイルガキュア907が約2wt%の比率で配合されたものを用いた。
(2)塗工工程
現像剤層規制部材41への塗工液の主な塗工方法としては、図6(a)に示すディッピング法と図6(b)に示すスプレーコート法がある。
まずディッピング法について説明する。現像剤層規制部材41の基材樹脂板のうち、被塗工部分以外をポリイミドテープ(3M株式会社製)でマスキングする。そして、図6(a)に示すように、温度25℃前後、相対湿度50%RH以下の環境下において、マスキングした現像剤層規制部材41を紫外線遮蔽した容器内に入った塗工液に対して浸した後に一定速度で引き上げ、現像剤層規制部材41表面にコート膜を形成させる。ここで、コート膜の膜厚は塗工液に対する現像剤層規制部材41の引き上げ速度を変化させることで調整可能である。
次にスプレーコート法について説明する。ディッピング法と同様に、現像剤層規制部材41の基材樹脂板のうち、被塗工部分以外をポリイミドテープでマスキングする。そして、図6(b)に示すように、温度25℃前後、相対湿度50%RH以下の環境下において、マスキングした現像剤層規制部材41に対して、スプレーガンを一定速度で動作させる。これにより、現像剤層規制部材41表面にコート膜を形成させる。ここで、コート膜の膜厚はスプレーガンの速度、スプレーガンの吐出圧を変化させることで調整可能である。
(3)乾燥工程
塗工工程において現像剤層規制部材41表面に塗工させたコート膜は、図6(c)に示すように、温度50℃〜100℃、相対湿度20RH%以下の乾燥炉において、1〜5分間程度熱風乾燥させ、コート膜中の残留溶媒を除去する。本実施形態では、温度75℃、相対湿度10RH%、乾燥時間2分間の熱風乾燥を実施した。
(4)紫外線硬化工程
乾燥工程後、図6(d)に示すように、現像剤層規制部材41表面上のコート膜に対して、紫外線照射装置(商品名:UE06/81−3;アイグラフィック(株)社製)により紫外線を照射させる。これにより、現像剤層規制部材41表面上に硬化膜としてのコート層を得ることができる。ここで、紫外線の照射条件としては、積算光量が1000mJ/cm〜3000mJ/cmの範囲内であることが好ましい。積算光量が1000mJ/cm未満の場合には、コート膜が十分に均一に硬化できてないおそれがあるためであり、積算光量が3000mJ/cmより大きい場合には、現像剤層規制部材41の基材樹脂表面が劣化するおそれがあるためである。本実施形態においては、紫外線の照射条件としての積算光量が1000mJ/cmとなるようにした。
次に、コート層41bを有する現像剤層規制部材41の効果について説明する。図12(a)はコート層41bを有さない従来の現像剤層規制部材41の使用初期の状態を示す図である。図12(b)は現像装置4を長期にわたって使用した後(4万枚印字後)のコート層41bを有さない従来の現像剤層規制部材41の状態を示す図である。
図12(a)に示すように、現像スリーブ4c表面に担持された現像剤は、現像剤層規制部材41により規制される。感光ドラム1表面に対向する現像領域での現像スリーブ4c表面の現像剤量は30mg/cmである。この時、現像剤層規制部材41の現像スリーブ4c回転方向上流側では、現像剤層規制部材41により規制されて余剰になった現像剤が蓄積し、現像剤溜まりが形成される。現像剤溜まりの現像剤は、現像剤層規制部材41に内包されたマグネット4dの磁極による現像スリーブ4cの接線方向に働く磁気力と、現像スリーブ4c表面の物理的な搬送力による力を受け、大きな圧力をもって現像剤層規制部材41に接触している。特に、実際に現像スリーブ4c上の現像剤を規制する現像剤層規制部材41の規制部では、現像剤溜まりの現像剤による圧力が最も大きくなる。
現像剤の現像剤層規制部材41に対する圧力が大きくなる部分では、現像剤と現像剤層規制部材41間に働く摩擦力も大きくなり、樹脂成型品を用いた現像剤層規制部材41では摩耗や欠けが発生するおそれがある。図12(b)に示すように、現像装置4を用いて4万枚印字動作を行うと、現像剤層規制部材41の規制部の一部が現像剤との摩擦により摩耗して、現像剤層規制部材41の規制面と現像スリーブ4cの間隔であるS−Bギャップが大きくなる。その結果、感光ドラム1表面に対向する現像領域での現像スリーブ4c表面の現像剤量は45mg/cmとなり、所望の現像剤量(図12(a)の使用初期状態では30mg/cm)よりも非常に多くなる。このため、現像領域における現像剤溢れ等や、像担持体上へのキャリア付着、非画像部へのトナー付着(所謂かぶり)等の画像不良が発生するおそれがある。
図7は従来の樹脂成型品の現像剤層規制部材41と、本実施形態の表面にコート層41bを設けた樹脂成型品の現像剤層規制部材41の、印字枚数に対する現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤担持量の変化を示す。
図7に示すように、従来の樹脂成型品の現像剤層規制部材41を用いた場合には、印字枚数2万枚以降で、前述のように磁性キャリアと現像剤層規制部材41の摩擦により、主に現像剤層規制部材41の規制部の摩耗が進行してS−Bギャップが大きくなる。このため、現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤量が増加していく。特に印字枚数3万枚以降では、現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤量が40mg/cm以上となる。このため、現像領域における現像剤溢れ等や、像担持体上へのキャリア付着、非画像部へのトナー付着(所謂かぶり)等の画像不良が発生する現像剤量閾値(40mg/cm)を超えてしまった。実際、印字枚数4万枚以降では、キャリア付着やかぶりが発生した。
一方、本実施形態の表面にコート層41bを設けた樹脂成型品の現像剤層規制部材41を用いた場合には、印字枚数4万枚以降で、現像剤層規制部材41へのトナー付着のために、現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤量が多少減少する。しかし、印字枚数7万枚までの長きにわたり比較的安定しており、画像不良等の発生も見られなかった。
以上説明したように、本実施形態のコート層41bを設けた樹脂成型品の現像剤層規制部材41を用いた現像装置4を使用することで、現像装置4の低コスト化を図れる。また、現像剤と現像剤層規制部材41が摩擦することによって発生する現像剤層規制部材41規制部の摩耗を原因とした、現像領域における現像剤溢れ等を抑制できる。また、像担持体上へのキャリア付着、非画像部へのトナー付着(所謂かぶり)、画像の濃度低下等の画像不良を防止して、長期にわたり安定した画像形成を行うことができる。
[第2実施形態]
次に本発明に係る現像剤層規制部材及び現像装置の第2実施形態について図を用いて説明する。上記第1実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図8(a)は本実施形態に係る現像剤層規制部材41の部分断面図である。
図8(a)に示すように、本実施形態の現像剤層規制部材41は、上記第1実施形態の現像剤層規制部材41のコート層41b中にフッ素樹脂粒子41cを分散させ、フッ素樹脂粒子41cの一部をコート層表面に露出させたものである。
このように、コート層中に低表面自由エネルギーを発現する樹脂成分であるフッ素樹脂粒子等を分散させ、粒子の一部をコート層表面に露出させることにより、現像剤層規制部材41表面へのトナー微粉や外添剤の付着を防止することが可能となる。これにより、上記第1実施形態の効果に加えて、現像剤層規制部材41表面にトナー微粉や外添剤が塊となって固着することを原因とした画像の濃度低下等の画像不良を防止して、長期にわたり安定した画像形成を行うことができる。
フッ素樹脂粒子41cとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等が挙げられる。本実施形態では、1次粒径が約200nmのポリテトラフルオロエチレン微粒(商品名:ルブロン;ダイキン(株)製)子を用いた。ポリテトラフルオロエチレン微粒子の粒径測定方法としては、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−4700)を用いて約50個の粒子について測定を行い、その平均値をポリテトラフルオロエチレン微粒子の粒径とした。
フッ素樹脂粒子41cの分散方法としては、コート層の主材料としてのアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料(デソライト:JSR(株)製)に対して、フッ素樹脂粒子41cと、フッ素変性アクリル等の分散剤を必要量添加した後、ナノマイザー(株)社製NMS−200EDを用いて分散処理を行った。
図8(b)は、コート層の主材料としてのアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料に対するフッ素樹脂粒子41cの添加量と、コート層表面の純水の接触角の関係を示したものである。フッ素樹脂粒子41cが20wt%以上では、コート層の純水の接触角が90°以上となり、現像剤層規制部材41へのトナー微粉や外添剤の付着を防止することが可能となる。本実施形態では、アクリル系紫外線硬化型ハードコート材料に対するフッ素樹脂粒子41cの添加量を30wt%、フッ素樹脂粒子41cに対する分散剤の添加量を5wt%とした。ここで、コート層の純水接触角測定には協和界面科学(株)社製全自動接触角計DM−701を用いて測定した。
[第3実施形態]
次に本発明に係る現像剤層規制部材及び現像装置の第3実施形態について図を用いて説明する。上記第1実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図9(a)は本実施形態に係る現像剤層規制部材41の部分断面図である。
図9(a)に示すように、本実施形態の現像剤層規制部材41は、上記第1実施形態の現像剤層規制部材41のコート層41b中に抵抗調整剤として導電粒子41dを分散させたものである。導電粒子41dは、導電性の無機微粒子である。
図12(d)は従来の樹脂成型品の現像剤層規制部材41を用いた場合の現像剤層規制部材41周りの状態を示す模式図である。図12(d)に示すように、現像剤層規制部材41の規制部近傍の現像スリーブ4cに担持された現像剤は圧密されて空隙も少ないため、現像スリーブ4cに担持されたほかの部分の現像剤と比較して相対的に抵抗が低くなる。現像スリーブ4cに高電圧を印加した場合に、現像剤層規制部材41近傍の現像スリーブ4cから出る電気力線は、現像剤層規制部材41が絶縁であるために現像剤層規制部材41へとは向かわず、相対的に抵抗の低い現像剤層規制部材41の規制部近傍の現像剤に集中するとともに、現像スリーブ4cに戻るような軌跡をとる。このため、現像剤層規制部材41の規制部近傍の現像剤中のトナーは、現像スリーブ4c表面に現像剤中を移動(偏析)する。現像スリーブ4c表面に移動したトナーの大部分は、現像領域において感光ドラム1上に現像されるが、一部のトナーは現像されずに現像スリーブ4c表面を連れ回る。現像装置4による印字動作の増加に伴い、現像スリーブ4cを連れ回るトナー量が増加するとともに、その一部は現像スリーブ4c表面に固着する。このような場合には、S−Bギャップが所望の値よりも小さくなり、現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤量が減少し、現像剤と感光ドラム1の接触面積の低下やトナー量の減少のため、画像の濃度低下等の画像不良が発生するおそれがある。
本実施形態の構成では、コート層中に導電粒子41dを分散させてコート層41bの抵抗値を調整し、現像スリーブ4cと現像剤層規制部材41の電位を同電位にしている。このため、現像剤中のトナーの移動が発生せず(現像スリーブ表面へのトナーのみの移動が起こらず)、高い圧力が加わってもトナーの固着は発生しない。これにより、現像スリーブ4cに担持された現像剤の下層(現像スリーブ4c表面近傍)に形成されるトナー連れ回りを防止することが可能となる。よって、上記第1実施形態の効果に加えて、現像スリーブ4c表面にトナーが連れ回ることを原因とした画像の濃度低下等の画像不良を防止して、長期にわたり安定した画像形成を行うことができる。
導電性物質としては、カーボンブラック粒子、カーボンファイバーやカーボンナノチューブなどカーボン系の無機系導電粉末若しくは繊維、金属酸化物、あるいは四級アンモニウム塩、ポリエーテルエステルアミド等のイオン導電性ポリマーが挙げられる。本実施形態では、アンチモン酸亜鉛のイソプロピルアルコールゾル(商品名:セルナックス;日産化学(株)製)の導電粒子を用いた。
導電粒子41dの分散方法としては、コート層41bの主材料としてのアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料(デソライト:JSR(株)製)に対して、導電粒子41dを必要量添加した後、ナノマイザー(株)社製NMS−200EDを用いて分散処理を行った。図9(b)は、コート層41bの主材料としてのアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料に対する導電粒子41dの添加量と、コート層41bの表面抵抗値の関係を示したものである。導電粒子41dが2.5wt%以上では、コート層41bの表面抵抗値が1E9(Ω/□)以下(磁性キャリアの表面抵抗値以下)となり、磁性キャリアを介して現像スリーブ4cと現像剤層規制部材41の導通を十分に取ることが可能となる。本実施形態では、アクリル系紫外線硬化型ハードコート材料に対する導電粒子41dの添加量を5wt%とした。ここで、コート層の表面抵抗値測定には、トレックジャパン(株)社製表面抵抗/体積測定計MODEL152−1を用いて測定した。
[第4実施形態]
次に本発明に係る現像剤層規制部材及び現像装置の第4実施形態について図を用いて説明する。上記第1実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図10は本実施形態に係る現像剤層規制部材41の部分断面図である。
図10に示すように、本実施形態の現像剤層規制部材41は、上記第1実施形態の現像剤層規制部材41のコート層41b中に、フッ素樹脂粒子41cと導電粒子41dを同時に分散させたものである。
このように、コート層中にフッ素樹脂粒子41cと導電粒子41dを同時に分散させることで、現像剤層規制部材41表面へのトナー微粉や外添剤の付着防止と、現像スリーブ4c表面のトナー連れ回り防止を同時に実施することが可能となる。
図11は上記第1実施形態の現像剤層規制部材41と、本実施形態の現像剤層規制部材41とにおける、現像装置4の使用印字枚数に対する現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤担持量の変化を示す図である。図11に示すように、上記第1実施形態の現像剤層規制部材41(表層コート規制部材)を使用した場合には、印字枚数4万枚以降で、現像剤層規制部材41へのトナー付着や現像スリーブ4c表面へのトナー連れ回りのために、現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤量が多少減少していることがわかる。一方、、本実施形態の現像剤層規制部材41(改良表層コート規制部材)を使用した場合には、印字枚数4万枚以降でも、現像領域における現像スリーブ4c表面の現像剤量が非常に安定している。
以上説明したように、本実施形態のフッ素樹脂粒子41cと導電粒子41dを分散したコート層41bを設けた樹脂成型品の現像剤層規制部材41を使用することで、上記第1実施形態の効果に加えて、現像剤層規制部材41表面へのトナー微粉や外添剤の付着や、現像スリーブ4c表面のトナー連れ回り防止を原因とした画像の濃度低下等の画像不良を防止して、長期にわたり安定した画像形成を行うことができる。
P …シート
1 …感光ドラム
4 …現像装置
4a …現像容器
4c …現像スリーブ(現像剤担持体)
4d …マグネット
41 …現像剤層規制部材
41a …基材樹脂板
41b …コート層
41b1 …現像剤溜まり接触面
41b2 …規制面
41c …フッ素樹脂粒子
41d …導電粒子
100 …画像形成装置

Claims (11)

  1. 非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤を担持して像担持体と対向する現像領域へと搬送する回転可能な現像剤担持体に保持された現像剤量を規制する現像剤層規制部材において、
    樹脂からなる基材樹脂板と、
    前記現像剤層規制部材の表面に、前記基材樹脂板の樹脂より硬い樹脂で、前記基材樹脂板をコーティングした樹脂ハードコート層と、を有することを特徴とする現像剤層規制部材。
  2. 前記磁性キャリアと前記樹脂ハードコート層を摩擦帯電させた場合の前記樹脂ハードコート層の帯電極性が、前記非磁性トナーの帯電極性と同極性であることを特徴とする請求項1に記載の現像剤層規制部材。
  3. 前記樹脂ハードコート層が、紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤層規制部材。
  4. 前記紫外線硬化樹脂の主成分が多官能アクリレートからなるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の現像剤層規制部材。
  5. 前記樹脂ハードコート層の中に、低表面自由エネルギーを発現する樹脂成分が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像剤層規制部材。
  6. 前記低表面自由エネルギーを発現する樹脂成分が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項5記載の現像剤層規制部材。
  7. 前記樹脂ハードコート層の中に、抵抗調整剤が含まれていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像剤層規制部材。
  8. 前記抵抗調整剤が、導電性の無機微粒子であることを特徴とする請求項7に記載の現像剤層規制部材。
  9. 前記樹脂ハードコート層の表面抵抗値が、前記磁性キャリアの表面抵抗値以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の現像剤層規制部材。
  10. 前記樹脂ハードコート層が、少なくとも前記現像剤と接触する領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像剤層規制部材。
  11. 非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤を担持して前記像担持体と対向する現像領域へと搬送する回転可能な現像剤担持体を有し、
    前記像担持体に担持された静電潜像をトナー像として現像する二成分現像方式の現像装置であって、
    前記現像剤担持体に保持された現像剤量を規制する請求項1乃至10のいずれかに記載の現像剤層規制部材を有することを特徴とする現像装置。
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