JP2013018846A - インク組成物及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性及び画像形成後の硬化性に優れたインク組成物、及び当該インク組成物を用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】(A)下記一般式(1)で表される重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有するインク組成物、及び当該インク組成物を用いた画像形成方法。
Figure 2013018846

(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素原子数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。Rは2価の連結基を表す。kは2又は3を表す。x、y、zは各々独立に0〜6の整数を表し、x+y+zは0〜18を満たす。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物及びそれを用いた画像形成方法に関する。
近年、大気・環境汚染の原因の1つとして、揮発性有機化学物質(VOC)が問題視されている。VOCは各種の溶剤や燃料として工業的に広く用いられており、その排出量抑制や飛散防止措置が求められている。このような背景から、印刷用インクにおいても、媒体として水やアルコール等の親水性物質を用いる水性インクが注目されている。
水性インクによって形成された画像を定着させる方法としては、例えば、水性インクに熱可塑性ラテックスを含有させ、形成した画像を加熱することにより定着させる方法、重合性化合物と重合開始剤とを含有する活性エネルギー線硬化型水性インクによって画像を形成し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することで画像を硬化させて定着させる方法等が知られている。後者の活性エネルギー線硬化型インクでは、硬化性の向上が課題とされ、配合する重合性化合物や重合開始剤の改良が行われている。
このような活性エネルギー線硬化型水性インクは、インクジェット記録方式にも適用されている。インクジェット記録方式ではインクをノズル先端から微細な液滴として吐出させ、被記録媒体上に付着させて画像を形成する。使用するインクには、画像が硬化し被膜として定着させることができること(硬化性)、保存時に物性の変化・沈澱物等を生じないこと(保存安定性)等の特性が要求される。例えば、特許文献1には、水溶性の重合性物質として多官能(メタ)アクリルアミド化合物を用いた活性エネルギー線硬化型水性インクが記載されている。
本発明者らが上記特許文献1に記載されたインク組成物について追試したところ、当該インク組成物に用いられている多官能アクリルアミド化合物は、保存安定性の試験において、加水分解して(メタ)アクリルアミドを生成することがわかった。(メタ)アクリルアミドは、生物への安全性の観点から低減を求められる物質である。また、上記特許文献1に記載のインク組成物は、活性エネルギー線照射後の硬化性についてもまだ満足すべきものではなかった。
特開2005−307198号公報
本発明は、優れた保存安定性、硬化性を共に付与することができるインク組成物、及び当該インク組成物を用いた画像形成方法を提供することを課題とする。
そこで、本発明者らは上記問題点に鑑みて、インク組成物に適した水溶性の重合性化合物について種々検討を行った。その結果、下記一般式(1)で表される構造を有する多官能重合性化合物を用いたインク組成物では保存安定性が向上するとともに、当該インク組成物により形成されたインク皮膜(画像)は、良好な硬化性を示すことを見いだした。本発明はこれらの知見に基づき成されるに至った。
すなわち、本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
<1>(A)下記一般式(1)で表される重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有するインク組成物。
Figure 2013018846
(一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素原子数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。但し、Rにおいて、Rの両端に結合する酸素原子と窒素原子とがRの同一の炭素原子に結合した構造をとることはない。Rは2価の連結基を表す。kは2又は3を表す。x、y、zは各々独立に0〜6の整数を表し、x+y+zは0〜18を満たす。)
<2>さらに(C)単官能重合性化合物を含んでなる、前記<1>項に記載のインク組成物。
<3>前記(C)単官能重合性化合物が(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性化合物である、前記<2>項に記載のインク組成物。
<4>前記(C)単官能重合性化合物が下記一般式(2)で表される化合物である、前記<2>又は<3>項に記載のインク組成物。
Figure 2013018846
(一般式(2)中、R10は水素原子又はメチル基を表し、R11は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R12は置換又は無置換のアルキル基を表す。R11とR12は互いに結合して5〜8員環を形成してもよく、当該5〜8員環はさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
<5>インク組成物中の前記(A)重合性化合物と前記(C)単官能重合性化合物との含有比率が質量基準で、(A):(C)=1:99〜90:10である前記<2>〜<4>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<6>インク組成物全量に対する前記(A)重合性化合物の含有量が、0.1〜20質量%である前記<1>〜<5>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<7>インク組成物全量に対する前記(C)単官能重合性化合物の含有量が、2〜35質量%である前記<2>〜<6>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<8>さらに(D)色材を含んでなる前記<1>〜<7>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<9>さらに(E)溶剤を含んでなる前記<1>〜<8>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<10>前記(E)溶剤として水を含む前記<9>項に記載のインク組成物。
<11>インクジェット記録用である前記<1>〜<10>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<12>前記<1>〜<11>項のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与する工程と、付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程とを含む画像形成方法。
<13>前記インク組成物の記録媒体上への付与が、インクジェット方式によってインク組成物を記録媒体上に付与することにより行われる前記<12>項記載の画像形成方法。
本発明において「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレートを、「(メタ)アクリル」は、アクリル及び/又はメタクリルを、それぞれ表す。また、本発明において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のインク組成物は、優れた保存安定性を有し、印刷時において活性エネルギー線等の照射により速やかに硬化する。当該インク組成物を用いた本発明の画像形成方法によれば、活性エネルギー線の照射等によって形成された画像が速やかに硬化して定着する。
実施例で合成された重合性化合物1のH−NMRスペクトルを示す図である。 実施例の画像形成工程を示す模式図である。
本発明のインク組成物は、(A)一般式(1)で表される重合性化合物、及び(B)重合開始剤を必須成分として含有し、必要に応じて更に、(C)単官能重合性化合物、(D)色材及び、(E)溶剤を含有してなる。
まず、本発明のインク組成物の各成分について説明する。
[成分]
(A)一般式(1)で表される重合性化合物
本発明のインク組成物は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。当該化合物は、分子内に重合性基として4つのアクリルアミド基又はメタクリルアミド基を有し、高い重合能及び硬化能を備える。当該化合物は、例えば、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外光線、電子線等の活性エネルギー線や熱等のエネルギーを付与することにより、重合して硬化性を示す。また、一般式(1)で表される化合物は水溶性を示し、水やアルコール等の水溶性有機溶剤に良好に溶解する。
Figure 2013018846
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。Rは、水素原子であることが好ましい。
一般式(1)中、Rは、炭素原子数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。Rは、炭素原子数3〜4のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数3のアルキレン基であることがより好ましく、炭素原子数3の直鎖のアルキレン基であることが特に好ましい。Rのアルキレン基はさらに置換基を有していてもよく、当該置換基としてはアリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
但し、Rにおいて、Rの両端に結合する酸素原子と窒素原子とがRの同一の炭素原子に結合した構造をとることはない。Rは酸素原子と(メタ)アクリルアミド基の窒素原子とを連結する直鎖又は分岐のアルキレン基であり、当該アルキレン基が分岐構造をとる場合、両端の酸素原子と(メタ)アクリルアミド基の窒素原子とがアルキレン基中の同一の炭素原子に結合した、−O−C−N−構造(ヘミアミナール構造)をとることも考えられる。しかし、本発明で用いる一般式(1)で表される化合物には、このような構造の化合物は含まれない。本発明者らが検討したところによると、分子内に−O−C−N−構造を有すると、当該炭素原子の位置で分解が起こりやすいことがわかった。このような化合物は、保存中に分解されやすく、インク組成物の保存安定性を低下させる。そのため、本発明においては、このような化合物を用いないこととしたものである。
一般式(1)中、Rは2価の連結基を表す。Rの2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環基、又はこれらの組み合わせからなる基等が挙げられ、アルキレン基であることが好ましい。なお、2価の連結基がアルキレン基を含む場合、当該アルキレン基中にはさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種の基が含まれていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
がアルキレン基を含む場合、アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基等が挙げられる。Rのアルキレン基の炭素数は1〜6であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、1であることが特に好ましい。
のアルキレン基中にはさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種が含まれていてもよく、−O−が含まれるアルキレン基の例としては、−C−O−C−、−C−O−C−等が挙げられる。
のアルキレン基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
がアリーレン基を含む場合、アリーレン基の例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる、Rのアリーレン基の炭素数は6〜14であることが好ましく、6〜10であることがさらに好ましく、6であることが特に好ましい。
のアリーレン基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
が複素環基を含む場合、複素環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であってもよい。Rが複素環基を含む場合の複素環基として具体的には、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが好ましい。なお、上記で示した複素環基は、置換位置を省略した形で例示しているが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能で、これらの置換体を全て含みうるものである。上記複素環基は、さらに置換基を有してもよく、置換基の例としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、kは2又は3を表す。複数のkは互いに同じでも異なっていてもよい。また、C2kは直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。
一般式(1)中、x、y、zは各々独立に0〜6の整数を表し、0〜5の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましい。x+y+zは0〜18を満たし、0〜15であることが好ましく、0〜9であることがより好ましい。
一般式(1)で表される重合性化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013018846
前記一般式(1)で表される重合性化合物は、例えば、下記スキーム1又はスキーム2に従って製造することができる。
Figure 2013018846
スキーム1
(第一工程)アクリロニトリルとトリスヒドロキシメチルアミノメタンとの反応によりポリシアノ化合物を得る工程。当該工程の反応は、3〜60℃で、2〜8時間行なうことが好ましい。
(第二工程)ポリシアノ化合物を、触媒存在下で水素と反応させ、還元反応によりポリアミン化合物を得る工程。当該工程の反応は、20〜60℃で、5〜16時間行なうことが好ましい。
(第三工程)ポリアミン化合物とアクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとのアシル化反応により多官能アクリルアミド化合物を得る工程。当該工程の反応は、3〜25℃で、1〜5時間行なうことが好ましい。なお、アシル化剤は、酸クロリドに換えてジアクリル酸無水物又はジメタクリル酸無水物を用いてもよい。なお、アシル化工程で、アクリル酸クロリドとメタクリル酸クロリドの両方を用いることで、最終生成物として同一分子内にアクリルアミド基とメタクリルアミド基とを有する化合物を得ることができる。
Figure 2013018846
スキーム2
(第一工程)アミノアルコールの窒素原子に、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基等による保護基導入反応により窒素保護アミノアルコール化合物を得る工程。当該工程の反応は、3〜25℃で、3〜5時間行なうことが好ましい。
(第二工程)窒素保護アミノアルコール化合物のOH基に、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基等の脱離基を導入し、スルホニル化合物を得る工程。当該工程の反応は、3〜25℃で、2〜5時間行なうことが好ましい。
(第三工程)スルホニル化合物とトリスヒドロキシメチルニトロメタンとのSN2反応により、アミノアルコール付加化合物を得る工程。当該工程の反応は、3〜70℃で、5〜10時間行なうことが好ましい。
(第四工程)アミノアルコール付加化合物を、触媒存在下で水素と反応させ、水素添加反応によりポリアミン化合物を得る工程。当該工程の反応は、20〜60℃で、5〜16時間行なうことが好ましい。
(第五工程)ポリアミン化合物とアクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとのアシル化反応により多官能アクリルアミド化合物を得る工程。当該工程の反応は、3〜25℃で、1〜5時間行なうことが好ましい。なお、アシル化剤は、酸クロリドに換えてジアクリル酸無水物又はジメタクリル酸無水物を用いてもよい。なお、アシル化工程で、アクリル酸クロリドとメタクリル酸クロリドの両方を用いることで、最終生成物として同一分子内にアクリルアミド基とメタクリルアミド基とを有する化合物を得ることができる。
上記工程により得られた化合物は、反応生成液から常法により精製できる。例えば、有機溶媒を用いた分液抽出、貧溶媒を用いた晶析、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーなどによって精製できる。
本発明のインク組成物には、前記一般式(1)で表される化合物を2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物において、前記一般式(1)で表される重合性化合物の含有量は、0.1〜99.9質量%が好ましく、0.1〜45質量%がより好ましく、0.1〜20質量%がさらに好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。重合性化合物の含有量が上記範囲内であると、硬化性を向上させることができ、さらにインクの保存安定性も向上させることができるため好ましい。
(B)重合開始剤
本発明のインク組成物は、重合開始剤を含有する。重合開始剤は、前記一般式(1)で表される重合性化合物を重合させることができれば特に限定されず、通常のラジカル重合開始剤を使用することができる。ラジカル重合開始剤は、外部エネルギーを吸収してラジカル重合開始種を生成する化合物である。ラジカル重合開始剤は、重合を開始するための外部エネルギーが熱であるものと活性エネルギー線であるものとに大別されるが、本発明では活性エネルギー線によりラジカル重合開始種を生成する光重合開始剤が好ましく使用される。
なかでも、水溶性の光重合開始剤又は水不溶性の光重合開始剤の水分散物が好ましく使用され、水溶性の光重合開始剤がより好ましい。なお、光重合開始剤における水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味する。前記水溶性の光重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが更に好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。
本発明のインク組成物に使用され得る光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機化酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びにアルキルアミン化合物等が挙げられる。
芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキシド化合物、及び、チオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」,J.P.FOUASSIER,J.F.RABEK(1993)、pp.77〜117記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。また、特開2008−105379号公報、特開2009−114290号公報に記載の重合開始剤も好ましい。また、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている重合開始剤などを挙げることができる。
これらのなかでも、本発明のインク組成物に好適な光重合開始剤は、芳香族ケトン類又はアシルホスフィンオキサイド化合物である。特に、p−フェニルベンゾフェノン(和光純薬工業社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure 819、BASF・ジャパン社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocur TPO、BASF・ジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(Irgacure 369、BASF・ジャパン社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Irgacure 907、BASF・ジャパン社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(Irgacure 2959、BASF・ジャパン社製)が好ましく、水溶性と加水分解耐性の観点から、Irgacure 2959(BASF・ジャパン社製)が最も好ましい。
本発明のインク組成物は、重合開始剤を1種単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
本発明のインク組成物における重合開始剤の含有量は、固形分換算で0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましく、1.0〜5質量%が特に好ましい。
(C)単官能重合性化合物
本発明のインク組成物は、(A)前記一般式(1)で表される多官能重合性化合物に加えて、単官能重合性化合物を含有することが好ましい。本発明で用いうる単官能重合性化合物としては、特開2008−208190号公報や特開2008−266561号公報に記載の(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル化合物、N−ビニル化合物(アミド結合を有する重合性モノマー)等が挙げられる。中でも、保存安定性向上の観点からは、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニルエーテル化合物、芳香族ビニル化合物、N−ビニル化合物(アミド結合を有する重合性モノマー)を用いることが好ましく、(メタ)アクリルアミド化合物を用いることが特に好ましい。また、硬化性の観点からは、(メタ)アクリルアミド化合物を用いることが好ましい。
特に、保存安定性と硬化性の両方を兼ね備える点から、本発明においては単官能重合性化合物として(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性化合物を用いることが好ましい。
本発明で用いる(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性化合物として、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013018846
一般式(2)中、R10は水素原子又はメチル基を表し、水素原子が好ましい。
11は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
12は置換又は無置換のアルキル基を表す。R12のアルキル基としては、直鎖又は分岐の炭素原子数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)が好ましく、炭素原子数2〜4のアルキル基がより好ましく、炭素原子数2又は3のアルキル基が特に好ましい。
12のアルキル基はさらに置換されていることが好ましく、当該置換基としては、アシル基、水酸基、3級アミノ基、4級アンモニウム基又はスルホ基等が挙げられる。なかでも、R12は置換基としてアシル基、水酸基、又はジアルキルアミノ基を有することが好ましく、水酸基を有することがより好ましい。
12が置換基としてアシル基を有する場合、当該アシル基は−CO−R'(R'はアルキル基)で表され、炭素原子数2〜4のアシル基が好ましく、炭素原子数2又は3のアシル基がより好ましく、炭素原子数2のアシル基が特に好ましい。当該アシル基の具体例としては、−COCHが挙げられる。
12が置換基として3級アミノ基を有する場合、当該3級アミノ基は、−NR''(R''は置換基)で表される。R''としては、直鎖又は分岐の炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1又は2のアルキル基が特に好ましい。2つのR''は、互いに同じであっても異なっていてもよい。当該3級アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が挙げられる。
12が置換基として4級アンモニウム基を有する場合、当該4級アンモニウム基は、−NR'''(R'''は置換基)で表される。R'''としては、直鎖又は分岐の炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1又は2のアルキル基が特に好ましい。3つのR'''は、互いに同じであっても異なっていてもよい。当該4級アンモニウム基の具体例としては、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基が挙げられる。また、当該4級アンモニウム基の対アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハライドイオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
12が置換基としてスルホ基を有する場合、当該スルホ基は、スルホ基(−SOH)及びその塩(−SO )を包含する。塩の場合、カチオン(X)としては、Li、Na、K、アンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン等が挙げられる。
一般式(2)において、R11とR12は互いに結合して5〜8員環を形成してもよく、当該5〜8員環はさらに環構成原子又は基として−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
11とR12が互いに結合して形成する環構造は、5〜6員環であることが好ましい。R11とR12が互いに結合して形成する環には、さらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種が含まれていることが好ましく、−O−を含むことがより好ましい。
は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
前記一般式(2)で表される(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性化合物の具体例として、下記例示化合物(C−1)〜(C−13)が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013018846
上記例示化合物(C−1)〜(C−13)としては、例えば下記のものを入手可能である。
(C-1):ジアセトンアクリルアミド(協和発酵ケミカル社製)
(C-2):ヒドロキシエチルアクリルアミド(興人社製)
(C-3):ヒドロキシプロピルアクリルアミド(Fluka社製)
(C-4):N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロペンアミド(aldrich社製)
(C-5):N-(2-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド(aldrich社製)
(C-6):ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(興人社製)
(C-7):2-(アクリロイルオキシ)-N,N,N-トリメチルエタンアミニウムクロリド(興人社製)
(C-8):(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(興人社製)
(C-9):2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(東亜合成社製)
(C-10):N-[1,1-ジメチル-2-(ソジオオキシスルホニル)エチル]アクリルアミド(aldrich社製)
(C-11):N,N-ジメチルアクリルアミド(興人社製)
(C-12):N,N-ジエチルアクリルアミド(興人社製)
(C-13):4-アクリロイルモルホリン(興人社製)
本発明のインク組成物中における(C)単官能重合性化合物の含有量は、0.1〜99.8質量%が好ましく、1〜45質量%がより好ましく、2〜35質量%がさらに好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。単官能重合性化合物の含有量が上記範囲内であると所望の硬化性と柔軟性の両方を備えることができ好ましい。
(D)色材
本発明のインク組成物は、色材を含有しないクリアインク(無色インク)組成物とすることも、色材を含有するインク組成物とすることもできる。
含有する色材としては、通常の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。中でも、インク着色性の観点から、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である色材を用いることが好ましい。具体的には、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げられるが、これらの中でも耐光性の観点から顔料であることが好ましい。顔料は、有機顔料及び無機顔料のいずれも使用することができる。
有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などが好ましい。アゾ顔料としては、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。多環式顔料としては、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、などが挙げられる。染料キレートとしては、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などを用いることができる。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、を用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましく、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを用いることができる。
より具体的には、特開2007−100071号公報の段落番号[0142]〜[0145]に記載の顔料等が挙げられ、これらは本発明のインク組成物において好ましく使用される。
本発明のインク組成物は、色材を1種単独で使用してもよく、また、上記の各群内もしくは各群間より複数種の色材を選択して組み合わせて使用してもよい。
本発明のインク組成物中における色材の含有量は、色濃度、粒状性、インク安定性、吐出信頼性の観点から、インク組成物に対して、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。
(顔料分散物)
本発明のインク組成物が顔料を含有する場合、顔料が分散剤によって水系媒体に分散された分散物(以下、着色粒子分散物ともいう)を用いることが好ましい。顔料は上述のものを使用できる。分散剤としては、ポリマー分散剤、低分子の界面活性剤型分散剤などを使用でき、ポリマー分散剤が好ましい。
着色粒子分散物は、顔料粒子の分散安定性とインクジェット法に適用した場合の吐出性との観点から、顔料をポリマー分散剤によって水系媒体に分散させた後、架橋剤を添加してポリマー分散剤同士を架橋させ、架橋ポリマーにより顔料表面の少なくとも一部が被覆された着色粒子分散物であることが好ましい。
ポリマー分散剤としては、水溶性ポリマー分散剤及び水不溶性ポリマー分散剤を使用できるが、顔料粒子の分散安定性とインクジェット法に適用した場合の吐出性との観点から、水不溶性ポリマー分散剤が好ましい。
(水不溶性ポリマー分散剤)
本発明に用いうる水不溶性ポリマー分散剤は、顔料を分散可能であれば特に制限はなく、通常のものを使用できる。例えば、疎水性の構成単位と親水性の構成単位とからなるポリマーを水不溶性ポリマー分散剤として用いることができる。
前記疎水性の構成単位となるモノマーとしては、スチレン系モノマー、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記親水性構成単位となるモノマーは、親水性基を含むモノマーであれば特に制限はなく、親水性基としてはノニオン性基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。なお、ノニオン性基としては、水酸基、(窒素原子が無置換の)アミド基、アルキレンオキシド重合体(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等)に由来する基、糖アルコールに由来する基等が挙げられる。親水性構成単位は、分散安定性の観点から、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましく、ノニオン性基とカルボキシル基とを共に含むこともまた好ましい。
水不溶性ポリマー分散剤として具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
なお、本発明において(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
水不溶性ポリマー分散剤は、顔料の分散安定性の観点から、カルボキシル基を含むビニルポリマーであることが好ましく、疎水性の構成単位として少なくとも芳香族基含有モノマーに由来する構成単位を有し、親水性の構成単位としてカルボキシル基を含む構成単位を有するビニルポリマーであることがより好ましい。
水不溶性ポリマー分散剤の重量平均分子量は、顔料の分散安定性の観点から、3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましく、5,000〜80,000が更に好ましく、10,000〜60,000が特に好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8020GPC(東ソ−(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソ−(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。
本発明のインク組成物に含まれる色材は、前記顔料および前記水不溶性ポリマー分散剤を含んで構成されていることが好ましく、顔料の表面の少なくとも一部が水不溶性ポリマー分散剤で被覆されて構成されている着色粒子であることが好ましい。
このような着色粒子は、例えば、顔料、分散剤、必要に応じて溶媒(好ましくは有機溶剤)等を含む混合物を、分散機により分散することで、着色粒子分散物として得ることができる。具体的には、例えば、前記顔料と前記水不溶性ポリマー分散剤と該分散剤を溶解または分散する有機溶剤との混合物に、塩基性物質を含む水溶液を加える工程(混合・水和工程)の後、前記有機溶剤を除く工程(溶剤除去工程)を設けて着色粒子分散物を製造することができる。この方法によれば、顔料が微細に分散され、保存安定性に優れた着色粒子分散物を得ることができる。
着色粒子分散物の体積平均粒径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmが更に好ましく、10〜100nmが特に好ましい。体積平均粒径が200nm以下であることで色再現性が良好になり、さらにインクジェット法の場合には打滴特性が良好になる。また、体積平均粒径が10nm以上であることで、耐光性が良好になる。
着色粒子(色材)の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を、2種以上混合して使用してもよい。なお、体積平均粒径および粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
本発明のインク組成物においては、このような着色粒子分散物を1種単独で、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
着色粒子分散物において、分散剤は、顔料に対して10〜100質量%使用することが好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。顔料に対する分散剤の含有量を上記範囲とすることで、顔料粒子が適量の分散剤で被覆され、分散性、分散安定性、着色性に優れた着色粒子を得ることができる。
着色粒子分散物は、水不溶性ポリマー分散剤に加えて、その他の分散剤を含んでいてもよい。例えば、通常用いられる水溶性低分子分散剤や、水溶性ポリマー等を用いることができる。水不溶性ポリマー分散剤以外の分散剤は、上述の分散剤の含有量の範囲内で用いることができる。
(E)溶剤
本発明のインク組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては水、有機溶剤及びそれらの混合物が挙げられる。本発明のインク組成物は、溶剤として有機溶剤のみを使用しうるものではあるが、環境負荷を低減し安全性を高める観点から、溶剤は少なくとも水を含有するものであることが好ましく、水を用いることが特に好ましい。溶剤として水を用いることで、前述の一般式(1)で表される重合性化合物も良好に溶解する。水は、イオン交換水や蒸留水などのイオン性不純物を含まない水がより好ましい。本発明のインク組成物における水の含有量は、10〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが特に好ましい。
有機溶剤には、乾燥防止或いはインクの紙への浸透促進効果が期待できることもあり、本発明において用いてもよいが、その場合は水と併用することが好ましく、安全性等の水の持つ特質を損なわない範囲で用いられることがより好ましい。水との併用を考慮すると、水溶性有機溶剤を用いることがより好ましい。また、噴射ノズルのインク吐出口付近に付着したインク組成物が、乾燥固化してインク吐出口を目詰まりさせてしまうのを防ぐためには、蒸気圧が水よりも低い有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明で用いうる有機溶剤の具体例としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルカンジオール(多価アルコール類);糖アルコール類;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素原子数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類等が挙げられる。
乾燥防止の目的としては、多価アルコール類が有用である。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールなどが挙げられる。
浸透促進の目的としては、脂肪族ジオールが好適である。脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
また、記録媒体におけるカール発生抑制の点から、有機溶剤として下記構造式(X)で表される化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 2013018846
構造式(X)において、l、m、およびnは、それぞれ独立に1以上の整数を表し、l+m+n=3〜15を満たし、l+m+nは3〜12の範囲が好ましく、3〜10の範囲がより好ましい。l+m+nの値は、3以上であると良好なカール抑制力を示し、15以下であると良好な吐出性が得られる。構造式(X)中、AOは、エチレンオキシ(EO)およびプロピレンオキシ(PO)の少なくとも一方を表し、中でもプロピレンオキシ基が好ましい。前記(AO)、(AO)、及び(AO)における各AOはそれぞれ同一でも異なってもよい。
下記に構造式(X)で表される化合物の具体例を示す。なお、下記例示化合物中、「POP(3)グリセリルエーテル」との記載は、グリセリンにプロピレンオキシ基が合計で3つ結合したグリセリルエーテルであることを意味し、他の記載についても同様である。
Figure 2013018846
さらに、記録媒体におけるカール発生抑制の点から、有機溶剤として下記に例示する化合物(a)〜(g)を含有することも好ましい。なお、AOは、エチレンオキシ(EO)およびプロピレンオキシ(PO)の少なくとも一方を表す。

(a) n−CO(AO)−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1)(日油社製)
(b) n−CO(AO)10−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1)(日油社製)
(c) HO(AO)40−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:3)(日油社製)
(d) HO(AO)55−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=5:6)(日油社製)
(e) HO(PO)−H(PP−200、三洋化成工業(株)製)
(f) HO(PO)−H(PP−400、三洋化成工業(株)製)
(g) 1,2−ヘキサンジオール(宇部興産社製)
上記有機溶剤は、1種単独で使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。有機溶剤の含有量は、インク組成物全量に対して0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%が更に好ましく、0〜10質量%が特に好ましい。
また、全水溶性有機溶剤中に占める前記構造式(X)で表される化合物及び上記例示化合物(a)〜(g)の含有割合は、3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。当該範囲内とすることにより、インクの安定性や吐出性を悪化させずにカールを抑制することができる。
(増感剤)
本発明のインク組成物は、上述した成分の他に増感色素等の増感剤を含有してもよく、好ましい。増感色素は、通常のものを用いることができ特に限定されないが、本発明のインク組成物の特性を考慮すると、水や水溶性有機溶媒に対する溶解性のよいものが好ましい。具体的には、蒸留水に対して室温において0.5質量%以上溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましく、3質量%以上溶解するものが特に好ましい。また、増感色素としては、非水溶性の重合開始剤を水溶性媒体等に分散した重合開始剤も用いることができる。
本発明のインク組成物に併用しうる増感色素の例としては、N−[2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアルミウムクロリド、ベンゾフェノン、チオキサントン、アントラキノン誘導体及び3−アシルクマリン誘導体、ターフェニル、スチリルケトン及び3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ショウノウキノン、エオシン、ローダミン及びエリスロシンや、これらを水溶化した変性体及び分散体などが挙げられる。また、特開2010−24276号広報に記載の増感色素や、特開平6−107718号広報に記載の増感色素も、本発明において好適に使用できる。
(樹脂粒子)
本発明のインク組成物は、必要に応じて樹脂粒子を含有してもよい。樹脂粒子としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等あるいはそのラテックスを用いることができる。なかでも、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂が好ましい。
樹脂粒子の重量平均分子量は、1万〜20万であることが好ましく、10万〜20万が更に好ましい。重量平均分子量は、上述の水不溶性ポリマー分散剤の場合と同様に測定することができる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、10nm〜1μmであることが好ましく、15〜200nmが更に好ましく、20〜50nmが特に好ましい。樹脂粒子の粒径分布は、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を、2種以上混合して使用してもよい。体積平均粒径および粒径分布は、上述の着色粒子分散物の場合と同様に測定することができる。
また、樹脂粒子のガラス転移温度は、30℃以上であることが好ましく、40℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。なお、本発明においてガラス転移温度は、実測によって得られる測定Tgを適用する。具体的には、測定Tgは、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220を用いて通常の測定条件で測定された値を意味する。
前記樹脂粒子の含有量は、インク組成物に対して0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%が更に好ましく、0〜5質量%が特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインク組成物は、必要に応じて、表面張力調整剤として界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用することができる。また、上述した分散剤(ポリマー分散剤)を界面活性剤として用いてもよい。なかでも、本発明のインク組成物においては、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましく、特にアセチレングリコール誘導体が好ましい。
インク組成物中の界面活性剤の含有量は特に制限されないが、インクの用途等を考慮して、適切な表面張力が得られるよう含有量を適宜調整することが好ましい。
例えば、本発明のインク組成物をインクジェット記録用インクとして用いる場合、インク組成物の吐出を良好に行う観点からは、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mとすることが好ましく、20〜45mN/mとすることがより好ましく、25〜40mN/mとすることが特に好ましい。この場合、表面張力が上記範囲内となるようインク組成物中の界面活性剤の含有量を調整することが好ましい。具体的には、インク組成物に対して1質量%以上が好ましく、1〜10質量%が更に好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。
(その他の成分)
上記の各成分に加え、本発明のインク組成物は他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤、固体湿潤剤等の公知の各種添加剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
褪色防止剤としては、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられる。金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。前記防黴剤は、インク組成物中に0.02〜1.00質量%の範囲で含有するのが好ましい。
pH調整剤としては、調合されるインク組成物に悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できる化合物であれば特に制限はない。例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物など)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
[インク組成物]
本発明のインク組成物は、(A)前記一般式(1)で表される重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有し、好ましくは更に(C)単官能重合性化合物、(D)色材、及び(E)溶剤を含有してなる。前記一般式(1)で表される重合性化合物を含有することにより、本発明のインク組成物は硬化型インク、好ましくは硬化型水性インクとして用いることができ、また、インクジェット記録用インクとして好ましい性質を備えるものである。
前記一般式(1)で表される化合物は4つの炭素−炭素二重結合を備え高い重合能を有しており、インク組成物に優れた硬化性を付与することができる。そのため、当該化合物を含有する本発明のインク組成物では、画像形成後に例えば活性エネルギー線や熱等のエネルギーを付与することにより、形成された画像が速やかに硬化して定着する。その結果、印刷時の裏写り等を防止し、印刷スピードの向上を図ることができる。
また、前記一般式(1)で表される化合物は、原料ポリオールの水酸基由来の3つの酸素原子と(メタ)アクリルアミド基とが同一の炭素原子に結合する−O−C−N−構造をとらないため(すなわち、メチレン基を介して酸素原子と(メタ)アクリルアミド基とが連結されることはないため)、化合物の加水分解を抑制できる。そのため、当該化合物を用いたインク組成物では保存安定性が向上すると考えられる。
さらに、前記一般式(1)で表される化合物は、水に対し良好な溶解性を有する。そのため、当該化合物を含有する本発明のインク組成物は、媒体として水や水溶性有機溶剤を用いた水性インクとすることができる。水性インクでは、有害性の高い有機溶剤の使用を抑制できるため安全性に優れ、環境・作業負荷が軽減できる。また、水溶性の重合性化合物を含有するインクは、粘度調節が容易に行えるため、吐出回復性を要求されるインクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。
本発明のインク組成物においては、(A)前記一般式(1)で表される多官能重合性化合物に加えて、(C)単官能重合性化合物(特に好ましくは(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性化合物)を含有することが好ましい態様である。当該単官能重合性化合物を併用することで、特にインクジェット方式での印刷停止・経時後の吐出回復性と、形成された画像の柔軟性とが向上する。このメカニズムは十分に明らかになっていないが、インク組成物を吐出した後、吐出部分を放置している間に、インク組成物から水が蒸発して濃縮した際の粘度上昇を緩和しているため、吐出回復性が向上したものと推察する。また、多官能重合性化合物のみを用いた場合、架橋構造が強固に形成されて硬化膜(画像)が脆くなる可能性があるが、単官能重合性化合物を併用することで、硬化膜中の架橋度密度を低下させることができ、結果として、硬化膜に適度な柔軟性を付与できると考えられる。なお、上記メカニズムは推察であり、本発明は上記メカニズムに限定されるものではない。
本発明のインク組成物中における(A)前記一般式(1)で表される多官能重合性化合物と(C)単官能重合性化合物との含有比率は、質量比で、(A):(C)=1:99〜90:10であることが好ましく、(A):(C)=10:90〜70:30であることがより好ましく、(A):(C)=15:85〜65:35であることがさらに好ましく、(A):(C)=20:80〜55:45であることが特に好ましい。(A)に対する(C)の含有比率が上記範囲内であると、インクの硬化性、保存安定性、吐出回復性、画像の柔軟性のすべてにおいて優れた性能を発現することができ好ましい。
本発明のインク組成物の粘度や表面張力は、インク組成物の用途や画像形成方法に応じて適宜選択・調整できる。
例えば、本発明のインク組成物をインクジェット記録用インクとして用いる場合、インク組成物の粘度は1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上13mPa・s未満であることがより好ましく、2.5mPa・s以上10mPa・s未満であることが特に好ましい。表面張力は、20〜60mN/mとすることが好ましく、20〜45mN/mとすることがより好ましく、25〜40mN/mとすることが特に好ましい。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、上述した本発明のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程とを含むものである。さらに、本発明の画像形成方法は、インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程を含んでいてもよい。
(記録媒体)
本発明の画像形成方法で用いる記録媒体には、特に制限はなく、一般のオフセット印刷に用いられるセルロースを主体とする一般印刷用紙、インクジェット専用紙、写真専用紙、電子写真共用紙、フィルム(樹脂フィルム等)、布帛、ガラス、金属、陶磁器等を用いることができる。
記録媒体としては、中でも、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。塗工紙は、通常の水性インクを用いたインクジェット記録においては、比較的インクの吸収と乾燥が遅く、色濃度、画像の光沢、擦過耐性など、品質上の問題を生じやすいが、本発明の画像形成方法によれば、色濃度、光沢性、耐擦過性の良好な画像を得ることができる。特に、原紙と無機顔料を含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましく、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのがより好ましい。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙がより好ましい。
前記塗工紙としては、市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製「特菱アート」等のアート紙(A1)、王子製紙(株)製「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、日本製紙(株)製「ユーライト」等のマットコート紙、王子製紙(株)製「OKコートL」及び日本製紙(株)製「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製「オーロラS」等の微塗工紙、等が挙げられる。
(インク付与工程)
本発明のインク組成物を記録媒体上に付与する方法としては、所望の画像様にインク組成物を付与できれば特に制限はなく、通常用いられる種々のインク付与方法を用いることができる。例えば、凸版法、平版法、凹版法、孔版法、インクジェット法等を挙げることができる。なかでも、本発明のインク組成物が特にインクジェット記録用インクとして好適であること、及び記録装置のコンパクト化と高速記録性との観点から、前記インク付与工程が、インクジェット方式によってインク組成物を記録媒体上に付与することにより行われることが好ましい。
(インクジェット法)
インクジェット法では、インク組成物にエネルギーを供与することにより、ヘッドからインク組成物を吐出し、記録媒体上に着色画像を形成する。
本発明の画像形成方法に用いられるインクジェット法は、特に制限はなく公知の方式、例えば、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響方式等のいずれであっても適用することができる。
また、インクジェット法は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。さらに、使用するインクノズル等についても特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
なお、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
またインクジェット法として、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行うことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。
より具体的には、本発明の画像形成方法では、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載のインクジェット法を好ましく適用することができる。
(処理液付与工程)
本発明の画像形成方法は、インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程を含むことが好ましい。処理液付与工程は、インク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。本発明の画像形成方法においては、処理液付与工程の後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。
具体的には、インク組成物を付与する前に、記録媒体上に予め、インク組成物中の色材(顔料等)及び/又はポリマー粒子を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与する態様が好ましい。当該工程を行うことにより、画像記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
処理液の例としては、インク組成物のpHを変化させることにより凝集物を生じさせることができる液体組成物が挙げられる。このとき、処理液のpH(25℃)は、インク組成物の凝集速度の観点から、0〜6であることが好ましく、0.3〜3であることがより好ましく、0.5〜2であることが更に好ましい。この場合、用いる前記インク組成物のpH(25℃)は、7.5〜9.5であることが好ましく、8.0〜9.0であることがより好ましい。
中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃)が7.5以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜2である場合が好ましい。
本発明で用いることができる処理液は、前記インク組成物と接触したときに凝集体を形成できる組成物であり、具体的には、インク組成物と混合されたときに、インク組成物中の色材(前述の顔料、着色粒子等)などの分散粒子を凝集させて凝集体を形成可能な凝集成分を少なくとも1種含み、必要に応じて、他の成分を含んで構成することができる。インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集成分を含有する処理液とインク組成物とが混合することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。
処理液は、凝集成分として、酸性化合物を少なくとも1種含有することが好ましい。酸性化合物としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボキシル基を有する化合物、あるいはその塩(例えば多価金属塩)を使用することができる。中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシル基を有する化合物がより好ましく、カルボキシル基を有する化合物であることが更に好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩(例えば多価金属塩)等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。処理液中の酸性化合物の含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい
処理液は、上記酸性化合物に加えて、水系溶媒(例えば、水、水溶性有機溶媒など)を更に含んで構成することができる。また、界面活性剤等の各種添加剤を適宜含んで構成されてもよい。
また、高速凝集性を向上させる処理液の好ましい一例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液も挙げることができる。多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩、及びポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体を挙げることができる。金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
処理液中における金属塩の含有量としては、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜7質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%の範囲である。
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、1〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、1〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。なお、粘度は、VISCOMETER
TV-22(TOKI SANGYO
CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mの範囲が好ましく、20〜45mN/mの範囲がより好ましく、25〜40mN/mの範囲がさらに好ましい。なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、バーコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集剤の付与量が0.5〜4.0g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集剤の付与量が0.9〜3.75g/mとなる量が好ましい。凝集剤は、付与量が0.5g/m以上であるとインク組成物の種々の使用形態に応じ良好な高速凝集性が保てる。また、凝集剤の付与量が4.0g/m以下であることは、付与した記録媒体の表面性に悪影響(光沢の変化等)を与えない点で好ましい。
(加熱乾燥工程)
本発明の画像形成方法においては、処理液付与工程後にインク付与工程を設け、処理液を記録媒体上に付与した後、インク組成物が付与されるまでの間に、記録媒体上の処理液を加熱乾燥する加熱乾燥工程を更に設けることが好ましい。インク付与工程前に予め処理液を加熱乾燥させることにより、滲み防止などのインク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
(活性エネルギー線照射工程)
上記インク付与工程の後、記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線の照射により、インク組成物中の重合性化合物が硬化して色材を含む硬化膜を形成し、画像を定着させることができる。
本発明の画像形成方法においては、活性エネルギー線として、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光、赤外光などを用いることができる。これらの活性エネルギー線のうち、安全性等の観点から好ましいのは紫外線、可視光線、赤外線であり、より好ましいのは紫外線である。活性エネルギー線の波長としては、例えば、200〜600nmであることが好ましく、250〜450nmが更に好ましく、250〜400nmが特に好ましい。
活性エネルギー線の出力は、5000mJ/cm以下であることが好ましく、10〜4000mJ/cmが更に好ましく、20〜3000mJ/cmが特に好ましい。
活性エネルギー線を照射できる装置としては、LEDランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、DeepUVランプ、低圧UVランプなどの水銀ランプ、ハライドランプ、キセノンフラッシュランプ、メタルハライドランプ、ArFエキシマランプ、KrFエキシマランプなどのエキシマランプ、極端紫外光ランプ、電子ビーム、X線ランプを光源とする露光装置がある。紫外線照射は、通常の紫外線照射装置、例えば、市販の硬化/接着/露光用の紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社SP9-250UB等)を用いて行うことができる。
また、発光ダイオード(LED)およびレーザーダイオード(LD)を活性エネルギー線源として用いることもできる。LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。特に、紫外線源を要する場合、紫外LEDおよび紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。
本発明の画像形成方法に用いられる活性エネルギー線源は、水銀ランプ又はメタルハライドランプであることが好ましい。
(インク乾燥工程)
本発明の画像形成方法においては、必要に応じて、記録媒体上に付与されたインク組成物中のインク溶媒(例えば、水、有機溶剤等)を乾燥除去するインク乾燥工程を備えていてもよい。
インク乾燥工程は、インク付与工程の後に行われればよく、活性エネルギー線照射工程の前であっても後であってもよいが、活性エネルギー線照射工程の前に行われることが好ましい。
インク乾燥方法は、インク溶媒の少なくとも一部を除去できればよく、通常用いられる方法を適用することができる。例えば、ヒータ等による加熱やドライヤ等による送風、あるいはこれらを組み合わせた方法で行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(ポリマー分散剤P−1の合成)
攪拌機、冷却管を備えた1000ml容の三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤P−1を96g得た。
得られた樹脂の組成は、H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44,600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
(樹脂被覆顔料の分散物の調製)
−樹脂被覆シアン顔料分散物−
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化(株)製)10部と、上記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆シアン顔料の分散物(着色粒子)を得た。
−樹脂被覆マゼンタ顔料分散物−
上記樹脂被覆シアン顔料分散物の調製において、顔料として用いたフタロシアニンブルーA220の代わりに、Chromophthal Jet Magenta DMQ(ピグメント・レッド122、BASF・ジャパン社製)を用いた以外は上記と同様にして樹脂被覆マゼンタ顔料の分散物(着色粒子)を得た。
−樹脂被覆イエロー顔料分散物−
上記樹脂被覆シアン顔料分散物の調製において、顔料として用いたフタロシアニンブルーA220の代わりに、Irgalite Yellow GS(ピグメント・イエロー74、BASF・ジャパン社製)を用いた以外は上記と同様にして樹脂被覆イエロー顔料の分散物(着色粒子)を得た。
(多官能重合性化合物の合成)
−重合性化合物1の合成−
下記スキームにしたがって、前記で例示した重合性化合物1を合成した。
(第一工程)
スターラーバーを備えた1L容の三口フラスコに、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(東京化成工業社製)121g(1当量)、50%水酸化カリウム水溶液84ml、トルエン423mlを加えて攪拌し、水浴下、反応系中を20〜25℃で維持し、アクリロニトリル397.5g(7.5当量)を2時間かけて滴下した。滴下後、1.5時間攪拌した後、トルエン540mlを反応系中に追加し、その反応混合物を分液漏斗へ移し水層を除いた。残った有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、セライトろ過を行い、減圧下溶媒留去することによりアクリロニトリル付加体を得た。得られた物質のH NMR、MSによる分析結果は既知物と良い一致を示したため、さらに精製することなく次の還元反応に用いた。
(第二工程)
1L容オートクレーブに先に得られたアクリロニトリル付加体を24g、Ni触媒48g(ラネーニッケル2400、W.R.Grace&Co.社製)、25%アンモニア水:メタノール=1:1溶液600mlを入れ懸濁させ反応容器を密閉した。反応容器に10Mpaの水素を導入し、反応温度を25℃で16時間反応させた。
原料の消失をH NMRにて確認し、反応混合物をセライト濾過し、セライトをメタノールで数回洗浄した。濾液を減圧下溶媒留去することによりポリアミン体を得た。得られた物質はさらに精製することなく次の反応に用いた。
(第三工程)
攪拌機を備えた2L容の三口フラスコに先に得られたポリアミン体30g、NaHCO120g(14当量)、ジクロロメタン1L、水50mlを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド92.8g(10当量)を3時間かけて滴下し、その後、室温で3時間攪拌した。原料の消失をH NMRにて確認した後、反応混合物を減圧下溶媒留去し、硫酸マグネシウムで反応混合物を乾燥させ、セライトろ過を行い、減圧下溶媒留去した。最後に、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=4:1)にて精製することで、常温で白色の固体(収率40%)を得た。上記3工程の収率は40%であった。
Figure 2013018846
得られた白色の固体を、下記の測定条件にて、H−NMRにより同定した。同定データを図1に示す。
H−NMR 溶媒:重クロロホルム、内部標準:TMS
図1に示すH−NMRのデータから、3.75ppm付近のシングレットピーク(母骨格由来のピーク)の積分比6に対して、5.6ppm付近のアクリル由来の1水素のピークの積分比が4であることから、当該化合物が4つのアクリルアミド基を有することがわかった。これらの結果より、この白色の固体が、重合性化合物1で示される構造を有することを確認した。
―重合性化合物2の合成―
前記重合性化合物1の合成スキームの第一工程において、アクリロニトリルの替わりにメタアクリロニトリル74.7gを加えた以外は、前記重合性化合物1の合成例と同様にして重合性化合物2(無色液体)を合成した。3工程の収率は37%であった。
なお、合成により得られた無色液体は、前記重合性化合物1の合成例と同様にしてH−NMRにより同定し、重合性化合物2で示される構造を有することを確認した。
Figure 2013018846
―重合性化合物3の合成―
下記スキームにしたがって、重合性化合物3を合成した。
(第一工程)
1L容の三口フラスコにエタノールアミン6.1g、トリエチルアミン37.62g、テトラヒドロフラン500mlを加えて氷浴下で攪拌した。次に臭化ベンジル37.62gを滴下ロートで内温を10度以下に保ちつつ滴下した。滴下後、氷浴を除き室温にて3時間攪拌した。TLCにて反応の終了を確認し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、中和し、反応液を分液ロートへと移した。水層、有機層を分離し、分離した水層を酢酸エチルで3度抽出を行い、得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて十分に乾燥させた後、セライトろ過を行った。ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製を行い、窒素をベンジル保護したエタノールアミンを22.89g(収率95%)で得た。
(第二工程)
1L容の三口フラスコに、先に得られた窒素保護エタノールアミン12g、トリエチルアミン7.54g、テトラヒドロフラン500mlを加えて氷浴下で攪拌した。次にメタンスルホニルクロリド6.83gを滴下ロートで内温を10度以下に保ちつつ滴下した。滴下後、氷浴を除き室温にて2時間攪拌した。TLCにて反応の終了を確認し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、中和し、反応液を分液ロートへと移した。水層、有機層を分離し、分離した水層を酢酸エチルで3度抽出を行い、得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて十分に乾燥させた後、セライトろ過を行った。ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製を行い、窒素、アルコール保護されたエタノールアミンを13.48g(収率85%)で得た。
(第三工程)
1L容の三口フラスコに2−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール1.5g、DMF400mlを加えて氷浴下で攪拌した。次に水素化ナトリウム(60%)を内温を15度以下に保ちつつ注意深く加えた。加え終えた後に室温で1時間攪拌し、再び氷浴下で攪拌し、内温を5度にした。次に、窒素、アルコール保護エタノールアミン10.53gをDMF100mlに溶かした溶液を滴下ロートで内温を10度以下に保ちつつ滴下した。滴下後、氷浴を除き室温にて16時間攪拌した。TLCにて反応の終了を確認し、水を加え、余分な塩基を失活させ、反応液を分液ロートへと移した。水層、有機層を分離し、分離した水層を酢酸エチルで3度抽出を行い、得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えて十分に乾燥させた後、セライトろ過を行った。ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製を行い、アミノアルコール付加化合物4.9g(収率60%)で得た。
(第四工程)
1L容のオートクレーブに、アミノアルコール付加化合物20.0g、10wt%Pd/C触媒(Aldrich社製)5.74g、メタノール600mlを加えて攪拌した。オートクレーブ内を窒素置換した後、10MPaの水素を導入して、25℃で16時間反応させた。得られた反応液をセライト濾過してNi触媒を除いた。濾液を減圧濃縮することによりポリアミン化合物2.52g(収率100%)を得た。得られたポリアミン体は、特に精製することなく次の反応に用いた。
(第五工程)
1L容の三口フラスコに先に得られたポリアミン体2.52g、炭酸水素ナトリウム6.72g、およびテトラヒドロフラン500mL、水50mlを加えて氷浴下で攪拌した。次に、アクリル酸クロリド5.43gをフラスコ内の温度を10℃以下に保ちながら滴下した。滴下後、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物の固形成分をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=85:15)により精製して、無色液体2.46g(収率53%)得た。上記5工程の収率は26%であった。
なお、合成により得られた無色液体は、前記重合性化合物1の合成例と同様にしてH−NMRにより同定し、重合性化合物3で示される構造を有することを確認した。
Figure 2013018846
―重合性化合物4の合成―
前記重合成化合物3の合成スキームの第一工程において、エタノールアミンの替わりに4−ブタノールアミン6.1gを加えた以外は、前記重合性化合物3の合成例と同様にして重合性化合物4(無色液体)を合成した。3工程の収率は23%であった。
なお、合成により得られた無色液体は、前記重合性化合物1の合成例と同様にしてH−NMRにより同定し、重合性化合物4で示される構造を有することを確認した。
Figure 2013018846
―比較用重合性化合物1の合成―
特開2005−307198号公報を参考にして、公知の合成方法を組み合わせて下記構造を有する比較用重合性化合物1を合成した。
Figure 2013018846
−比較用重合性化合物2の合成−
特開2005−307198号公報を参考にして、公知の合成方法を組み合わせて下記構造を有する比較用重合性化合物2を合成した。
Figure 2013018846
実施例1 クリアインク組成物(Cl−1)の調製
下記処方となるように、上記で合成した多官能重合性化合物、重合開始剤、界面活性剤、及びイオン交換水を混合した後、5μmメンブランフィルタでろ過することでクリアインク(Cl−1)を調製した。

−インク処方−
・(成分A)多官能重合性化合物1 20%
・(成分B)イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) 3%
・(成分C)イオン交換水 全体で100%となるように添加
・オルフィンE1010(日信化学(株)製) 1%
pHメーターWM−50EG(東亜DKK(株)製)を用いて、クリアインク(Cl−1)のpH(25℃)を測定したところ、pH値は7.0であった。
実施例2〜4 クリアインク組成物(Cl−2)〜(Cl−4)の調製
実施例1において、(成分A)の多官能重合性化合物の種類を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして、クリアインク組成物(Cl−2)〜(Cl−4)を調製した。pH値はいずれも7.0であった。
実施例5 シアンインク組成物(C−1)の調製
下記処方となるように、上記で合成した多官能重合性化合物、重合開始剤、上記で調製した樹脂被覆シアン顔料分散物、界面活性剤、及びイオン交換水を混合した後、5μmメンブランフィルタでろ過することでシアンインク(C−1)を調製した。

−インク処方−
・(成分A)多官能重合性化合物1 20%
・(成分B)イルガキュア2959(BASF・ジャパン社製) 3%
・(成分C)イオン交換水 全体で100%となるように添加
・(成分D)樹脂被覆シアン顔料分散物 6%
・オルフィンE1010(日信化学(株)製) 1%
pHメーターWM−50EG(東亜DKK(株)製)を用いて、クリアインク(Cl−1)のpH(25℃)を測定したところ、pH値は8.5であった。
実施例6 イエローインク組成物(Y−1)の調製
上記実施例5のシアンインク(C−1)の調製において、樹脂被覆シアン顔料の分散物の代わりに、樹脂被覆イエロー顔料の分散物を用いた以外は上記と同様にしてイエローインク(Y−1)を調製した。pH値は8.5であった。
実施例7 マゼンタインク組成物(M−1)の調製
上記実施例5のシアンインク(C−1)の調製において、樹脂被覆シアン顔料の分散物の代わりに、樹脂被覆マゼンタ顔料の分散物を用いた以外は上記と同様にしてマゼンタインク(M−1)を調製した。pH値は8.5であった。
実施例8 ブラックインク組成物(K−1)の調製
上記実施例5のシアンインク(C−1)の調製において、樹脂被覆シアン顔料の分散物の代わりに、顔料分散体カーボンブラック(三菱化学(株)製MA−100)を用いた以外は上記と同様にしてブラックインク(K−1)を調製した。pH値は8.5であった。
実施例9〜18 インク組成物(M−2)〜(M−11)の調製
実施例7のインク組成において、表1に記載の成分(C)単官能重合性化合物を加え、成分(A)及び成分(C)の含有量を表1に示すように変更した以外は実施例7と同様にして、インク組成物(M−2)〜(M−11)を調製した。pH値はいずれも8.5であった。
比較例1〜2 比較用インク組成物(RC−1)〜(RC−2)の調製
実施例7において、成分(A)多官能重合性化合物1を、上記で調整した比較用重合性化合物1又は比較用重合性化合物2に変更した以外は実施例7と同様にして、比較用インク組成物(RC−1)〜(RC−2)を調製した。
比較例3〜4 比較用インク組成物(RC−3)〜(RC−4)の調製
実施例12において、成分(A)多官能重合性化合物を上記で調整した比較用重合性化合物1又は比較用重合性化合物2に変更した以外は実施例12と同様にして、比較用インク組成物(RC−3)〜(RC−4)を調製した。
(処理液の作製)
下記の「処理液1の組成」に示す成分を混合して、処理液1を調製した。pHメーター(東亜DKK(株)製WM−50EG)にて、処理液1のpH(25℃)を測定したところ、1.02であった。
「処理液1の組成」
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) ・・・25%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製)・・・20%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) ・・・1%
・イオン交換水 ・・・合計で100%となる残量
[評価]
上記で得られたインク組成物について、以下のようにしてインク組成物の保存安定性、硬化性、吐出回復性、及び形成した画像の柔軟性評価を行った。結果を表1に示す。
[インクの保存安定性評価]
上記で得られたインク組成物をサンプル瓶に入れて密閉した後、60℃の恒温槽にて2週間経時保存した。2週間後に恒温槽から取り出し、インク組成物中のアクリルアミドの含有量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて定量した。
−評価基準−
A:アクリルアミドの含有量が検出限界以下(10ppm未満)であった。
B:アクリルアミドの含有量が10ppm以上500ppm未満であった。
C:アクリルアミドの含有量が500ppm以上であった。
(画像形成)
図2に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、処理液乾燥ゾーン13と、インク吐出部14と、インク乾燥ゾーン15と、紫外線照射ランプ16Sを備えた紫外線照射部16とが配設されたインクジェット装置を準備した。
処理液乾燥ゾーン13は、図示しないが、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備えており、処理液付与部12で処理液の付与を開始した後900ミリ秒が経過するまでに、温度と風量を調節して処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できるように構成されている。
インク吐出部14は、搬送方向(矢印方向)にブラックインク吐出用ヘッド30K、シアンインク吐出用ヘッド30C、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yが順次配置されており、各ヘッドは1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz、記録媒体の搬送速度530mm/sec)であり、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録するように構成されている。
前記インクジェット記録装置の処理液吐出用ヘッド12Sに繋がる貯留タンク(不図示)に、処理液1を装填した。また、インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yにそれぞれ繋がる貯留タンク(不図示)のいずれかに、対応する色のインク組成物を装填した。記録媒体には、日本製紙(株)製の「OKトップコートN+」(坪量104.7g/m)を用いた。
画像の記録は、処理液及びインク組成物を、解像度1200dpi×600dpi、インク滴量3.5plにて吐出し、ライン画像またはベタ画像を記録した。このとき、ライン画像は、1200dpiの幅1ドットのライン、幅2ドットのライン、及び幅4ドットのラインをシングルパスで主走査方向に吐出して記録した。ベタ画像は、A5サイズにカットした記録媒体に対し、104mm×140mmサイズの画像を処理液及びインク組成物を吐出して記録した。処理液の記録媒体への付与量は、5ml/mとした。
画像の記録はまず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから処理液をシングルパスで吐出した後、処理液の乾燥を処理液乾燥ゾーン13で行ない、処理液乾燥ゾーン13を処理液の吐出開始から900ミリ秒迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、着滴した処理液を着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40〜45℃となるように加熱しながら、送風器により記録面に120℃の温風をあて、風量を変えて所定の乾燥量になるように調整した。続いて、インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yのいずれかにより、インク組成物をシングルパスで吐出して画像を記録した後、インク乾燥ゾーン15で前記同様にインク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃、5m/secの温風を記録面に15秒間あてて乾燥させた。画像乾燥後、紫外線照射部16において、UV光(アイグラフィックス(株)製 メタルハライドランプ、最大照射波長365nm)を積算照射量600mJ/cm2になるように照射して画像を硬化し、評価用サンプルを得た。
[硬化性評価]
未印画の特菱アート両面N(三菱製紙製)を文鎮(重量470g、サイズ15mm×30mm×120mm)に巻きつけ(未印画の特菱アートと評価サンプルが接触する面積は150mm2)、上記評価用サンプルの印画面を3往復擦った(荷重260kg/m2に相当)。擦った後の印画面を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
−評価基準−
A:印画面に画像(色材)のはがれはなかった。
B:印画面に画像(色材)のはがれがわずかに認められた。
C:印画面に画像(色材)の実用上問題になるレベルのはがれが生じた。
[吐出回復性評価]
前記硬化性の評価で行った画像形成方法と同様にして、画像を形成した。インク吐出後、ヘッドをそのままの状態で5分から45分まで5分間隔で放置し、新しい記録媒体をステージに貼付し、再び同じ条件で打滴してラインを印画した。2000発打滴で96本のノズルすべてが吐出可能である放置時間を調べ、以下の評価基準に従って吐出回復性を評価した。放置時間が長いほど吐出回復性が良好である。
−評価基準−
A:45分の放置後、全てのノズルが吐出可能である。
B:30分以上45分未満の放置で、吐出不可のノズルがある。
C:20分以上30分未満の放置で、吐出不可のノズルがある。
D:20分未満の放置で、吐出不可のノズルがある。
[柔軟性評価]
(株)リコー製GELJET GX5000プリンターヘッドを用意し、96本のノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)を、ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に合わせ、プリンターヘッドをインクジェット装置に固定した。前記プリンターヘッドに繋がる貯留タンクには、上記実施例1〜18、または比較例1〜4で調製したインク組成物を充填した。
記録媒体として塩化ビニルフィルム(P280RW、リンテック社製)を用意し、ヘッドのノズル配列方向(走査方向)に対して直交方向(主走査方向)に移動するステージに貼り付けた。
ステージを211mm/secで搬送方向(副走査方向)に移動させながら、インク滴量3.4pL、吐出周波数10kHz、ノズル配列方向×搬送方向=75×1200dpiにて、1ノズル当り2000発打滴し、96本のラインを搬送方向に対して平行に印画した。このとき、すべてのノズルが吐出されていることを確認した。
印画後、Deep UVランプ(ウシオ電機(株)製、SP−7)を用いて600mJ/cmになるように露光し、ベタ画像が形成された評価用サンプルを作製した。
上記で得たベタ画像が形成された評価用サンプルの印画面同士が合わさるように1回、さらに裏面同士が合わさる向きに1回折り曲げ、印画面を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
−評価基準−
A:割れやはがれはなかった。
B:わずかに割れが生じたが、はがれはなかった。
C:割れとはがれが生じた。
Figure 2013018846
表1の結果から明らかなように、実施例1〜18のインク組成物は前記一般式(1)で表される多官能重合性化合物1〜4を含有し、保存安定性、硬化性、吐出回復性、及び柔軟性の全ての評価項目において良好な結果を示した。特に、多官能重合性化合物に加えて、一定量の単官能重合性化合物を含有する実施例13〜18のインク組成物では、さらに吐出回復性と柔軟性が向上した。
これに対し、前記一般式(1)で表される多官能重合性化合物を含有しない比較例1〜4のインク組成物では、所望の保存安定性又は硬化性が得られなかった。
12 ・・・処理液付与部
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13 ・・・処理液乾燥ゾーン
14 ・・・インク吐出部
15 ・・・インク乾燥ゾーン
16 ・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30K,30C,30M,30Y,30A,30B・・・インク吐出用ヘッド

Claims (13)

  1. (A)下記一般式(1)で表される重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有するインク組成物。
    Figure 2013018846
    (一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素原子数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。但し、Rにおいて、Rの両端に結合する酸素原子と窒素原子とがRの同一の炭素原子に結合した構造をとることはない。Rは2価の連結基を表す。kは2又は3を表す。x、y、zは各々独立に0〜6の整数を表し、x+y+zは0〜18を満たす。)
  2. さらに(C)単官能重合性化合物を含んでなる、請求項1記載のインク組成物。
  3. 前記(C)単官能重合性化合物が(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性化合物である、請求項2記載のインク組成物。
  4. 前記(C)単官能重合性化合物が下記一般式(2)で表される化合物である、請求項2又は3に記載のインク組成物。
    Figure 2013018846
    (一般式(2)中、R10は水素原子又はメチル基を表し、R11は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R12は置換又は無置換のアルキル基を表す。R11とR12は互いに結合して5〜8員環を形成してもよく、当該5〜8員環はさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  5. インク組成物中の前記(A)重合性化合物と前記(C)単官能重合性化合物との含有比率が質量基準で、(A):(C)=1:99〜90:10である請求項2〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. インク組成物全量に対する前記(A)重合性化合物の含有量が、0.1〜20質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. インク組成物全量に対する前記(C)単官能重合性化合物の含有量が、2〜35質量%である請求項2〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. さらに(D)色材を含んでなる請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. さらに(E)溶剤を含んでなる請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
  10. 前記(E)溶剤として水を含む請求項9記載のインク組成物。
  11. インクジェット記録用である請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインク組成物を記録媒体上に付与する工程と、付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程とを含む画像形成方法。
  13. 前記インク組成物の記録媒体上への付与が、インクジェット方式によってインク組成物を記録媒体上に付与することにより行われる請求項12記載の画像形成方法。
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