JP2013018263A - 塗装鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塗装鋼板の少なくとも片面の最表層の塗膜が、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含有し、かつ前記最表層の塗膜の最表面にワックスが投影面積比率で0.5%以上10%以下露出している。最表層の塗膜の平均線最大山高さ(Rp)が0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物は、最表層の塗膜の樹脂固形分100質量部に対し0.5〜50質量部の範囲内とすることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、上述したように、塗装鋼板について優れた成形性を確保するには塗膜中にワックスを添加することが好ましいところ、ワックスは元来疎水性であるため、耐雨だれ汚染性を阻害する方向に働く。
(A)塗装鋼板に優れた成形性を具備させるには、塗膜にワックスを添加し、これを塗膜表面にある程度露出させ、塗膜と金型との潤滑性を向上させることが重要である。
(1)片面または両面に一層以上の塗膜を備えた塗装鋼板であって、少なくとも片面の最表層の塗膜がテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含有し、かつ前記最表層の塗膜の最表面にワックスが投影面積比率で0.5%以上10%以下露出していることを特徴とする塗装鋼板。
(3)前記最表層の塗膜は、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を、前記最表層の塗膜の樹脂固形分100質量部に対し0.5〜50質量部含有するものである、前記(1)または(2)に記載の塗装鋼板。
(1)基材鋼板
本発明の塗装鋼板に用いられる基材鋼板は特に制限されないが、一般的に塗装鋼板に使用される、亜鉛を含有するめっき層を有する亜鉛系めっき鋼板、すなわち、亜鉛めっき鋼板もしくは亜鉛合金めっき鋼板、さらには熱処理によりめっきを基板と合金化させた合金化めっき鋼板を用いることが好ましい。但し、ステンレス鋼板、炭素鋼板などの非めっき鋼板、あるいはアルミニウムめっき鋼板などの非亜鉛系めっき鋼板を使用することも可能であり、本発明はそのような形態をも包含する。
塗装鋼板の製造では、塗膜密着性および耐食性を確保するため、塗装前に基材鋼板を前処理(塗装下地処理)するのが普通である。本発明に係る塗装鋼板も、塗装前に塗装下地処理を施し、塗膜厚の低下による一般的な意味での耐食性の低下を最小限に抑えることが好ましい。
下塗り塗膜は必須ではないが、密着性や隠ぺい性の向上、さらには端面耐食性確保のために、設けられているのが望ましい。
(4)上塗り塗膜(最表層の塗膜)
(樹脂)
上塗り塗膜に用いられる樹脂は、特に限定されない。要求される性能や接着剤の種類等によって適宜選択すればよい。但し、曲げ加工性と塗膜硬度(耐疵付き性)とのバランスを考慮すると、ポリエステル系、エポキシ系、ポリウレタン系の樹脂が好ましい。
樹脂と共に使用され、焼き付け硬化過程において反応する架橋剤は、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂やイソシアネート化合物、エポキシ樹脂等、一般に使用されるものであれば特に限定されない。当業者であれば、使用する樹脂や要求性能に応じて適当な架橋剤を選択することができる。
塗装鋼板を成形する際に、塗膜の摩擦係数が高いとロールフォーマーやプレスの金型と塗膜中の樹脂が直接接触し、塗膜剥離や母材の破断が起こったりするので、上塗り塗膜の摩擦係数低減のためにワックスを添加する。
最表層の塗膜には親水性付与剤としてテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含有させることで、塗装鋼板の表面を親水性とし耐雨だれ汚染性を付与する。耐雨だれ汚染性向上作用をより確実に得るには、最表層の塗膜におけるテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物の含有量を、最表層の塗膜の樹脂固形分100質量部に対し0.5質量部以上とすることが好ましい。より好ましくは3質量部以上である。これにより、最表層の塗膜の対水接触角が60度以下である親水性を有するものとすることが好ましい。
テトラアルコキシシラン部分加水分解縮合物を配合していても、最表層の塗膜のベース樹脂自体が疎水性であるため、雨水や腐食性イオンを遮蔽して下地金属を保護する機能は、テトラアルコキシシラン部分加水分解縮合物を配合していない樹脂塗膜と同等に維持される。
最表層を構成する上塗り塗膜には、着色顔料、体質顔料,紫外線吸収剤などの添加成分を、本発明の効果に実質的な悪影響を及ぼさない範囲で添加することができる。
最表層の塗膜の平均線最大山高さ(Rp)を0.5μm以上とすると、優れた耐雨だれ汚染性を確保したまま、成形性を一層向上させることができるので好ましい。一方、平均線最大山高さ(Rp)が5μmを超えると、摺動時にワックスが塗膜から脱離する、いわゆる「粉吹き」が生じ易くなるので、平均線最大山高さ(Rp)は5μm以下とすることが好ましい。
本発明に係る塗装鋼板を製造するにあたって、塗装方法は、塗装鋼板の製造に一般に使用される方法であれば特に限定されない。ロールコート法を用いてもよいし、カーテンフローコート法、スプレー法、浸漬法等を用いてもよい。
1.塗装鋼板の作製
板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量:片面当たり45g/m2、寸法:300×250mm)からなる塗装基材に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント(株)製のシリカ系クロムフリー化成処理液(製品名:サーフコートEC2330)を塗装下地処理液として用いて、この製品の指示通りに塗装下地処理を両面に施した。この処理における付着量は、Si付着量として4〜8mg/m2であった。
用いた塗料は次の通りである。
下塗り塗料には、ポリエステル系樹脂をベースとする塗料(架橋剤はメラミン樹脂)に、塗膜樹脂成分(樹脂+架橋剤の合計量)100質量部に対してトリポリリン酸二水素アルミニウムを50質量部配合したものを用意した。
上塗り塗料には、ポリエステル系樹脂をベースとする塗料(架橋剤はメラミン樹脂)に、塗膜樹脂成分(同上)100質量部に対し,白色顔料である酸化チタン(石原産業社製CR−95)を50質量部,親水性付与剤としてメチルシリケートとして市販されているテトラメトキシシランの部分加水分解重合物(コルコート社製メチルシリケート51)を6質量部、および下記から選んだワックスを0.1〜8.0質量部配合したものを用意した。比較のために、メチルシリケートを配合していない塗料も用意した。
(a)融点116℃の高密度ポリエチレンワックス(三井化学社製ハイワックス100P)、
(b)融点77℃のマイクロクリスタリンワックス(サンノプコ社製1245−M−SN)、
(c)融点330℃のPTFEワックス(旭硝子社製Fluon L173J。)
作製された塗装鋼板の最表層塗膜の表面に露出しているワックスの投影面積比率を電界放射型SEMにより測定した。また、塗装鋼板の表面粗さを触針式表面粗度計により測定し、平均線最大山高さ(Rp)値を求めた。これらの測定結果も表1に併記する。
それぞれの塗装鋼板から試験片を切り出し、水濡れ性(親水性)、耐雨だれ汚染性、潤滑性を下記のように調査した。
作製した塗装鋼板から30mm×60mmのサイズの試験片をシャーリングにより切り出し、この試験片を湿潤試験条件(温度:49℃、相対湿度95%以上:結露有り)に15時間静置してから、ブロアーで十分に乾燥させた後、塗膜の水との接触角を測定した。
判定基準は次のとおりであり、○を合格とした:
×:接触角が60°より大きい;
○:接触角が60°以下。
作製した塗装鋼板から30mm×60mmのサイズの試験片をシャーリングにより切り出し、この試験片を湿潤試験条件(温度:49℃、相対湿度95%以上:結露有り)に15時間静置してからブロアーで十分に乾燥させた後、カーボンブラックの懸濁液を垂らし、24時間静置後、水を含んだガーゼで拭き取り、残り具合を確認した。判定基準は次の通りであり、○を合格とした:
○:消えているか、ほとんど落ちている;
×:汚れ落ち無し。
バウデンレーベン型摩擦試験機を用い、皮膜(樹脂被覆層)の動摩擦係数を測定した。評価基準は下記の4段階とし、◎及び○の場合、良好とした。
○:摩擦係数が0.1以上0.15未満;
×:摩擦係数が0.15以上。
Claims (3)
- 片面または両面に一層以上の塗膜を備えた塗装鋼板であって、少なくとも片面の最表層の塗膜がテトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を含有し、かつ、前記最表層の塗膜の最表面にワックスが投影面積比率で0.5%以上10%以下露出していることを特徴とする塗装鋼板。
- 前記最表層の塗膜の平均線最大山高さ(Rp)が0.5μm以上5μm以下である請求項1に記載の塗装鋼板。
- 前記最表層の塗膜は、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物を、前記最表層の塗膜の樹脂固形分100質量部に対し0.5〜50質量部含有するものである請求項1または2に記載の塗装鋼板。
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