JP2013018026A - 曲げ癖矯正方法、該曲げ癖矯正方法を用いた断面溝形形状を有する部材の成形方法 - Google Patents
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【解決手段】本発明の曲げ癖矯正方法は、金属板1の屈曲部3を屈曲方向と逆方向に曲げることで屈曲部3を略平坦にした際に生ずる曲げ癖5を矯正する曲げ癖矯正方法であって、金属板1の曲げ癖5の曲率よりも小さい曲率を有する凸形状のパンチ7を、曲げ癖5における凸側から凸側の反対側に金属板1の板厚の2倍の距離よりも小さい範囲で押しこみ曲げ癖5と反対方向に凸となる曲率を有する湾曲形状を形成する第1矯正工程と、該第1矯正工程によって矯正された金属板1をヤング率換算で0.03GPa以上の弾性体15に挟み込み、先端に曲率を有する凸形状のパンチ7で金属板1の凸側から反対側に板厚の3倍以下の範囲で押し込むように矯正する第2矯正工程を有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
このような場合、図8に示すように、まず溝の浅い金型を用いて図8(a)に示すように断面がハット形状になるように成形し、その後でハット状形状におけるフランジ部29の根元の屈曲部31を屈曲方向と逆方向に曲げることで屈曲部31を平坦にすることが考えられる。
このように、従来は、局所的な凹凸形状からなる曲げ癖を効果的に矯正できる曲げ癖矯正方法がなく、そのため、深い溝を有する断面溝形形状の部材を成形することもできないという問題がある。
前記金属板の曲げ癖の曲率よりも小さい曲率を有する凸形状のパンチを、前記曲げ癖における凸側から凸側の反対側に前記金属板の板厚の2倍の距離よりも小さい範囲で押しこみ前記曲げ癖と反対方向に凸となる曲率を有する湾曲形成する第1矯正工程と、該第1矯正工程によって矯正された前記金属板をヤング率換算で0.03GPa以上の弾性体に挟み込み、先端に曲率を有する凸形状のパンチで前記金属板の凸側から反対側に板厚の3倍以下の範囲で押し込むように矯正する第2矯正工程を有することを特徴とするものである。
金属板を断面略ハット状に成形する第1成形工程と、ハット形状におけるフランジ部の根元の屈曲部を屈曲方向と逆方向に曲げることで前記屈曲部を略平坦にする第2成形工程と、該第2工程で生ずる曲げ癖を矯正する曲げ癖矯正工程とを有し、該曲げ癖矯正工程は上記(1)又は(2)に記載の曲げ癖矯正方法を用いることを特徴とするものである。
本実施の形態に係る曲げ癖矯正方法を図1〜図3に基づいて説明する。
本実施の形態に係る曲げ癖矯正方法は、図1(a)に示すような金属板1のV字状の屈曲部3を、この屈曲方向とは逆方向(図1(a)の矢印の方向)に曲げることで屈曲部3を略平坦にした際に生ずる図1(b)に示すような波形の凹凸形状からなる曲げ癖5を矯正する曲げ癖矯正方法である。曲げ癖5は、図1(b)に示すように、中央に曲率の大きい大凸部5aがあり、その両側に前記凸部よりも曲率が小さく大凸部5aと反対側に凸となる小凸部5bが形成されてなるものである。
<第1矯正工程>
第1矯正工程は、図1(c)に示すように、金属板1における大凸部5aの曲率よりも小さい曲率を有する凸形状のパンチ7を、大凸部5aの凸側から凸側と反対方向に金属板1の板厚の2倍の距離よりも小さい範囲で押しこみ、図1(d)に示すような、大凸部5aと反対方向に凸となる曲率を有する湾曲形状を成形する工程である。
第2矯正工程は、第1矯正工程で、図1(d)に示すような湾曲形状に矯正された金属板1を、図1(e)に示すように、上下反転させてヤング率換算で0.03GPa以上の弾性体15に挟み込み、パンチ7で前記金属板1の凸形状における凸側から反対側に板厚の3倍以下の範囲で押し込むように矯正する。
本実施の形態においては、第2矯正工程で用いたパンチ7は、第1矯正工程で用いたものと同一のものである。しかし、第2矯正工程で用いるパンチは凸状に湾曲するものであれば、第1矯正工程の場合のように曲率に特に制限はないので、第1矯正工程で用いたものと同一である必要はない。
第2矯正工程を得ることで、図1(b)に示されたような凹凸からなる曲げ癖5が矯正されて平坦面になる(図1(f)参照)。
実施の形態2は、実施の形態1の曲げ癖矯正方法を用いて断面溝形形状を有する部材を成形する成形方法に関するものである。
本実施の形態の断面溝形形状を有する部材の成形方法を図4に基づいて説明する。
本実施の形態に係る断面溝形形状を有する部材の成形方法は、金属板を断面略ハット状(図4(a)参照)に成形する第1成形工程と(S1)、ハット形状におけるフランジ部の根元の屈曲部3を屈曲方向と逆方向に曲げることで、図4(b1)、図4(b2)に示すように、屈曲部3を略平坦にする第2成形工程(S2)と、該第2工程で生ずる曲げ癖5(図1(b)参照)を矯正する曲げ癖矯正工程(S3)とを有している。
各工程をさらに詳細に説明する。
第1成形工程は、目的とする断面溝形形状の溝深さよりも浅い溝深さを有する金型を用いて、図4(a)に示すような略ハット状に成形する。このとき、溝深さがそれほど深くないので、金属板に皺が生ずることがない。逆に言えば、第1成形工程においては、金属板に皺が生じない程度の深さの金型を用いて略ハット状に成形する。
第2成形工程は、図4(b1)に示すように、ハット状に成形された溝内にリストライク金型21を挿入して、ハット形状におけるフランジ部の根元の屈曲部3を屈曲方向と逆方向に曲げることで屈曲部3を略平坦にする。
この第2成形工程によって屈曲部3を略平坦にしたとき、図4(b2)に示すように、破線で示す目標形状に対して屈曲部3よりも先端側が外に開いたようになる。そして、図4(b2)の丸で囲んだ部位には、図1(b)に示したような曲げ癖5が残る。
曲げ癖矯正工程は、第2工程で残った曲げ癖5を矯正する工程であり、該曲げ癖矯正工程は実施の形態1の記載の曲げ癖矯正方法を用いる。
すなわち、曲げ癖矯正工程は、金属板の曲げ癖5の曲率よりも小さい曲率を有する凸形状のパンチ7を、曲げ癖5における凸側から凸側の反対側に前記金属板の板厚の2倍の距離よりも小さい範囲で押しこみ曲げ癖5と反対方向に凸となる曲率を形成する第1矯正工程と、該第1矯正工程によって矯正された前記金属板の両面をヤング率換算で0.03GPa以上の弾性体15に挟み込み、先端に曲率を有する凸形状のパンチ7で前記金属板の凸側から反対側に板厚の3倍以下の範囲で押し込むように矯正する第2矯正工程を有する。
曲げ癖矯正工程を経ることで、図4(c)に示すように、断面溝形形状を有する部材が形成される。
3 屈曲部
5 曲げ癖
5a 大凸部
5b 小凸部
7 パンチ
9 ダイ
11 固定部
13 隙間
15 弾性体
17 ダイ
19 隙間
21 リストライク金型
23 車両
25 構成部材
27 皺
29 フランジ部
31 屈曲部
33 曲げ癖
Claims (3)
- 金属板の屈曲部を屈曲方向と逆方向に曲げることで前記屈曲部を略平坦にした際に生ずる曲げ癖を矯正する曲げ癖矯正方法であって、
前記金属板の曲げ癖の曲率よりも小さい曲率を有する凸形状のパンチを、前記曲げ癖における凸側から凸側の反対側に前記金属板の板厚の2倍の距離よりも小さい範囲で押しこみ前記曲げ癖と反対方向に凸となる曲率を有する湾曲形状を形成する第1矯正工程と、該第1矯正工程によって矯正された前記金属板をヤング率換算で0.03GPa以上の弾性体に挟み込み、先端に曲率を有する凸形状のパンチで前記金属板の凸側から反対側に板厚の3倍以下の範囲で押し込むように矯正する第2矯正工程を有することを特徴とする曲げ癖矯正方法。 - 前記弾性体は、高反発ウレタン、高荷重用ウレタンまたはシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1記載の曲げ癖矯正方法。
- 請求項1又は2に記載の曲げ癖矯正方法を用いた断面溝形形状を有する部材の成形方法であって、
金属板を断面略ハット状に成形する第1成形工程と、ハット形状におけるフランジ部の根元の屈曲部を屈曲方向と逆方向に曲げることで前記屈曲部を略平坦にする第2成形工程と、該第2工程で生ずる曲げ癖を矯正する曲げ癖矯正工程とを有し、該曲げ癖矯正工程は請求項1に記載の曲げ癖矯正方法を用いることを特徴とする断面溝形形状を有する部材の成形方法。
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