JP5866988B2 - 板金の曲げ癖矯正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、板金の曲げ癖を矯正する曲げ癖矯正装置に関し、特にプレス成形品の曲げ癖のような局所的な湾曲形状からなるR形状の曲げ癖を矯正する板金の曲げ癖矯正装置に関する。
自動車車体の大部分は、薄鋼板をプレス成形した多数のプレス成形品から構成される。このような自動車用のプレス成形品として、例えば図8に示すような断面ハット状のハット断面部材51がある。このハット断面部材51は、図8に示すように底壁53の両側に側壁55が曲げ成形された形状となっており、このようなハット断面部材51は、主に車体の強度補強部材として用いられる。
ハット断面部材51のような断面ハット型形状の部材をプレス成形する場合、一般に複数工程で成形が行われる。すなわち、図9(a)に示すように、先ず1工程目で、割れやしわが発生しないように比較的底の浅いハット形状に成形する。その後、図9(b)に示すように、2工程目で金型57を用いて側壁55の曲げ加工部55aを平らに伸ばし、最終的な形状とする。
ところが、2工程目で側壁55の曲げ加工部55aを平らに伸ばした際に、図10に示すように、側壁55には、1工程目で形成した曲げ加工部55aの曲げ癖59が残留する。特に440MPa級を超える高強度鋼板において、曲げ加工部55aが平らに成形できず、局所的なR形状を持つ凹凸状の形状不良が発生しやすい。
このような曲げ癖を解消するために、大きな荷重をかけて凹凸を押し潰すことも考えられるが、金属の剛性やプレス装置の能力には限界があり、曲げ癖を完全に解消することはできない。
一方、反りに代表される広範囲に曲率を持つ形状不良の対策としては、部材の表面を部分的に板厚方向に押圧することで応力の不均一を緩和し、当該形状不良を改善する方法がある(例えば、特許文献1,2参照)。
特許第3745202号公報 特許第3750421号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の方法にあっては、広範囲に曲率を持つ形状不良には対応できるものの、上述した曲げ癖のように局所的なR形状の形状不良には対応できない。
このような局所的なR形状の曲げ癖を矯正する装置として、特願2010-287617(以下、「先願」という)において出願された板金の歪み矯正装置がある。
先願における歪み矯正装置の特徴的な構成は、3つの凸状の曲げ成形部が設けられたパンチと、2つの凸状の曲げ成形部が設けられたダイとを用いて板金の両面を板厚方向に押圧することで、板金の凸状のR形状の歪みを矯正するというものであり、パンチ側の3つの曲げ成形部間に形成される成形空間にダイ側の2つの曲げ成形部が対向配置されている。そのため、先願に開示されたパンチとダイは、一般的なパンチとダイのようにストロークの最下点においてパンチとダイが被成形品を挟んで対向するという構成ではなく、最下点においてパンチとダイを押し付け合わせることで位置決めをするということができない。
ストロークの最下点におけるパンチとダイの位置決めをいかにするかが重要であるが、先願においてはこの点について詳細には開示されていない。
特に、このような構成のパンチとダイを実際のプレス成形装置に搭載して効率的に量産加工を行う際には、ストロークの最下点における位置決めが重要となる。
本発明は、かかる課題を解決するためのものであり、板金の局所的な曲げ癖を矯正可能な板金の曲げ癖矯正装置であって、かつ効率的に量産可能な板金の曲げ癖矯正装置を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る板金の曲げ癖矯正装置は、板金に形成された凸状のR形状の曲げ癖を矯正する板金の曲げ癖矯正装置であって、
所定間隔で並設された3つの第1凸状部を有する第1曲げ成形部を備えたパンチと、前記第1曲げ成形部の間に形成される2つの凹状の成形空間に対向配置される2つの第2凸状部を有する第2曲げ成形部を備えたダイと、前記ダイと前記パンチの相対移動量を規制するストッパとを備えてなり、
該ストッパは、前記パンチ側に設けた第1当接部と前記ダイ側に設けた第2当接部とを有し、前記第1曲げ成形部の中央の曲げ成形部を前記板金の曲げ癖の凸部に凸側から当接可能に配置して、前記ダイと前記パンチによって前記板金の両面を板厚方向に予め設定した所定量移動させたときに、前記第1当接部と前記第2当接部とが当接することによって前記パンチと前記ダイの相対移動量を規制することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記第1曲げ成形部のうち中央の第1凸状部を、当該中央の第1凸状部の先端位置が両端の第1凸状部の先端位置に対して突出するように設けると共に、これら中央の凸状部と両端の第1凸状部の先端位置の差を前記板金の板厚以下としたことを特徴とするものである。
これにより、曲げ癖矯正後に、板金の矯正前の曲げ癖の凸部両側が反り返ったり沈み込んだりするのを防止することができ、板金を適切に平らな形状に矯正することができる。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記第1曲げ成形部の中央の第1凸状部により、前記曲げ癖凸側を前記成形空間内への押し込む量が、前記板金の板厚の2倍以下となるように前記ストッパにおける前記第1当接部と前記第2当接部との相対位置が設定されていることを特徴とするものである。
これにより、曲げ癖矯正後に、矯正前の曲げ癖とは逆方向の変形が生じるのを防止することができ、板金を適切に平らな形状に矯正することができる。
本発明によれば、特殊なプレス設備を用いることなく、簡単且つ低コストで、プレス成形品の曲げ癖のような局所的なR形状を持つ凸状の形状不良を平らな形状に矯正することができる。
また、第1当部と第2当接部が当接することで、パンチとダイのストロークにおける最下点の位置制御を行うようにしているので、強い押圧力で押しても押し込み量が強制的に規制され、位置制御に複雑な制御を必要とせず大量生産にも適している。
本発明の一実施の形態に係る曲げ癖矯正装置を説明する説明図である。 本実施形態における曲げ癖矯正装置の主要部を示す図である。 本実施の形態の曲げ癖矯正装置における押し込み量を説明する説明図である。 矯正実験に用いた試験片を説明する説明図である。 矯正実験装置を説明する説明図である。 矯正実験条件を説明する説明図である。 矯正実験結果を示す図である。 プレス成形品の一例を示す図である。 プレス成形方法を説明する説明図である。 プレス成形品の曲げ癖を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係る板金の曲げ癖矯正装置1は、図1に示されるようにハット断面部材51に形成された曲げ癖を矯正する装置であって、所定間隔で並設された3つの第1凸状部3a〜3cを有する第1曲げ成形部3を備えたパンチ5と、第1曲げ成形部3の間に形成される2つの凹状の成形空間3d、3eに対向配置される2つの第2凸状部9a、9bを有する第2曲げ成形部9を備えたダイ11と、ダイ11とパンチ5の相対移動量を規制するストッパ13とを備えてなるものである。
そして、ストッパ13は、パンチ5側に設けた第1当接部15とダイ11側に設けた第2当接部17とを有し、第1曲げ成形部3の中央の第1凸状部3bを板金の曲げ癖の凸部に凸側から当接可能に配置してダイ11とパンチ5によって板金の両面を板厚方向に予め設定した所定量移動させたときに第1当接部15と第2当接部17とが当接することによってパンチ5とダイ11の相対移動量を規制することを特徴とするものである。
以下、詳細に説明する。
<パンチとダイの構造>
まず、曲げ癖矯正装置1におけるパンチ5とダイ11の構造について、図2に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、パンチ5とダイ11が、矯正対象のハット断面部材51の両面を板厚方向に押圧可能に配置される。
パンチ5の第1曲げ成形部3には、3つの凸状の第1凸状部3a〜3cが幅方向(図2の左右方向)に所定間隔L1で並設されている。また、ダイ11の第2曲げ成形部9には、2つの凸状の第2凸状部9a、9bが上記幅方向に所定間隔L2で並設されている。
第1凸状部3a〜3c、第2凸状部9a及び9bの先端部は円弧状のR形状となっており、円弧の大きさは半径R<5mmである。また、第1凸状部3bの先端位置(下端位置)は、高さ方向(図2の上下方向)において、第1凸状部3a及び3cの先端位置(下端位置)と同等、又は当該先端位置より下方に位置しているものとし、その先端位置の差(高さの差)ΔHは矯正対象のハット断面部材51の板厚t[mm]以下とする。
また、パンチ5及びダイ11は、パンチ5の第1凸状部3bの幅方向中央位置が、ダイ11の第2凸状部9aの先端位置(上端位置)と第2凸状部9bの先端位置(上端位置)との幅方向中間位置に一致するように対向配置されている。
また、パンチ5をダイ11に最も近接させた状態で、各曲げ成形部の先端部が接触しないように構成されている。具体的には、ダイ11の第2凸状部9aは、パンチ5の第1凸状部3aと第1凸状部3bとの間に形成される凹状の成形空間3dに対向配置される。同様に、ダイ11の第2凸状部9bは、パンチ5の第1凸状部3bと第1凸状部3cとの間に形成される凹状の成形空間3eに対向配置される。そして、パンチ5をダイ11に最も近接させた状態では、ダイ11の各曲げ成形部は、対向配置された成形空間3d、3e内に位置することになる。
このように、ダイ11の各曲げ成形部は対向配置された成形空間3d、3e内に位置するため、ストロークの最下点においてパンチ5とダイ11が被成形品を挟んで対向すると、逆曲げ癖が発生するため、ストロークを最下点まで押し込むという構成ではないため、最下点においてパンチ5とダイ11を押し付け合わせることで位置決めをするということができない。そこで、実施の形態の曲げ癖矯正装置1においては、このパンチ5とダイ11が最も近接したときの相対位置をストッパ13によって規制しているのである。この点を、上記のように構成されるパンチ5とダイ11を搭載した曲げ癖矯正装置1を示す図1に基づいて詳細に説明する。
パンチ5は、固定台21に傾斜させた状態で固定されている。ダイ11はパンチ5に対向するようにして移動台23に固定されている。移動台23は、固定台21に形成された傾斜面25を移動してパンチ5と近づいたり離れたりする方向に移動可能になっている。移動台23の上部には、移動台23に対して下方に向かう力を作用させる例えば油圧シリンダ等(図示しない)が設置され、該油圧シリンダを駆動することによって、移動台23が傾斜面25に沿って移動する。
移動台23には、パンチ5側に向けて突出する突出片27が設けられており、この突出片27はストッパ13を構成する部材の一つである。
ストッパ13は、図1に示すように、パンチ5が固定された固定台21に設けた第1当接部15と、ダイ11が設置された移動台23の突出片27の先端に設けた第2当接部17とを有している。移動台23をパンチ5側に所定量移動させたときに第1当接部15と第2当接部17とが当接することによってパンチ5とダイ11の相対移動量が規制される。
つまり、第1当接部15と第2当接部17の相対位置によってパンチ5とダイ11が最も近接したときの相対位置が決定される。
第1当接部15と第2当接部17が当接することでパンチ5とダイ11が最も近づいたときの相対位置を強制的に規制するようにしているので、移動台23を所定のスピードで移動させた場合でもパンチ5とダイ11の相対位置を所定位置に正確に規制することができ、それ故に、効率的なプレス成形が可能になる。
次に、図1に示した曲げ癖矯正装置1によってハット断面部材51の曲げ癖矯正を行う方法を説明する。
ハット断面部材51の曲げ癖矯正を行う際には、先ず、図2に示す曲げ癖59の凸側がパンチ5と対向するように、ハット断面部材51をパンチ5とダイ11の間に配置する。
この状態からパンチ5に対してダイ11を近づけるように移動させる。ダイ11をパンチ5に近づけ、パンチ5の第1凸状部3bにより、ハット断面部材51の曲げ癖59を、押し込み量ΔPだけダイ11の第2凸状部9aと9bとの間に形成された成形空間内へ押し込む。逆に言うと、押し込み量ΔPだけダイ11の第2凸状部9aと9bとの間に形成された成形空間内へ押し込むと、ストッパ13の第1当接部15と第2当接部17が当接することによって押し込み量ΔPが実現される。ここでは、押し込み量ΔPを0<ΔP≦2tとする。
ここで、押し込み量ΔPについて説明する。
押し込み量ΔPは、ハット断面部材51の板厚をtとしたとき、第2凸状部9a及び9bの先端位置より板厚tだけ上方の位置に、第1凸状部3bの先端位置が位置した状態でΔP=0となる。すなわち、図3(a)に示すように、第1凸状部3bの先端位置が曲げ癖59の凸部の先端位置に当接している状態から、パンチ5を更に下降し、図3(b)に示す状態となったときが押し込み量ΔP=0である。また、この状態から更にパンチ5を下降し、図3(c)に示すように、第1凸状部3bの先端位置が第2凸状部9a及び9bの先端位置より板厚tだけ下方の位置となった状態が押し込み量ΔP=2tである。
上記のようにして、パンチ5及びダイ11によって、ハット断面部材51の曲げ癖59を板厚方向で反対方向に曲げるように、ハット断面部材51を変形させる。
このように、本実施形態では、3つの第1凸状部3a〜3cが設けられたパンチ5と、2つの第2凸状部9a、9bが設けられたダイ11とによって、ハット断面部材51の両面を板厚方向に押圧し、曲げ癖59を矯正する。このとき、曲げ癖59の凸側にパンチ5の第1凸状部3a〜3c、曲げ癖59の凹側にダイ11の第2凸状部9a、9bが配置するようにし、第1凸状部3bを曲げ癖59の凸部に凸側から当接させた状態で、ハット断面部材51の曲げ癖59に対して局所的に小変形を与える。
なお、各曲げ成形部の先端部を半径0<R<5[mm]のR形状とし、図2に示す第1凸状部3a及び3cと第1凸状部3bとの高さの差ΔHをハット断面部材51の板厚t以下とする。さらに、曲げ癖矯正時には、ハット断面部材51の曲げ癖59の凸部の幅方向中央位置が第1凸状部3bの幅方向中央位置に対して−5mm〜+5mmの範囲内となるように、ハット断面部材51を配置する。また、第1凸状部3bによる曲げ癖59の押し込み量ΔPを板厚tに対して0.5t以上2t以下とするのが好ましい。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
ここでは、図4に示す試験片31に対して、図5に示す矯正実験装置33を用いて曲げ癖を矯正する実験を行った。試験片31としては、440MPa級を超える高強度鋼板(ハイテン)を用い、図4(a)に示すようにV字状に曲げ成形した後、曲げ加工部31aをリストライクし、その結果、図4(b)に示すような曲げ癖31bが残留している部材を適用した。なお、試験片31の板厚はt[mm]とした。
矯正実験装置33は、パンチ35とダイ37とを備える。パンチ35は上述したパンチ5に相当し、ダイ37は上述したダイ11に相当する。したがって、パンチ35は、第1凸状部3a〜3cにそれぞれ相当する第1凸状部39a〜39cを有する第1曲げ成形部39を備え、ダイ37は、第2凸状部9a及び9bにそれぞれ相当する第2凸状部41a、41bを有する第2曲げ成形部41を備える。また、矯正実験装置33にはストッパ43が設けられている。
本発明例として、押し込み量ΔP=2t[mm]、第1凸状部39bの先端位置と第1凸状部39a及び39cの先端位置との高さの差ΔH=t[mm]として矯正実験を行った。すなわち、パンチ35をダイ37に対して最も押し込んだ状態では、図6(a)に示すように、第1凸状部39bの先端位置が、第2凸状部41a及び41bの先端位置に対して板厚tだけ下方に位置する。また、このとき、第1凸状部39a及び39cの先端位置と第2凸状部41a及び41bの先端位置とは同じ高さ位置となる。
また、比較例1として、押し込み量ΔP=2t[mm]、曲げ成形部の高さの差ΔH=2t[mm]として矯正実験を行った。この場合、パンチ35をダイ37に対して最も押し込んだ状態では、図6(b)に示すように、上記実施例と同様に第1凸状部39bの先端位置が、第2凸状部41a及び41bの先端位置に対して板厚tだけ下方に位置する。ところが、このとき第1凸状部39a及び39cの先端位置は、上記実施例とは異なり、第2凸状部41a及び41bの先端位置に対して板厚tだけ上方に位置することになる。
さらに、比較例2として、押し込み量ΔP=2.5t[mm]、曲げ成形部の高さの差ΔH=t[mm]として矯正実験を行った。この場合、パンチ35をダイ37に対して最も押し込んだ状態では、図6(c)に示すように、第1凸状部39bの先端位置が、第2凸状部41a及び41bの先端位置に対して1.5t下方に位置する。また、このとき第1凸状部39a及び39cの先端位置は、第2凸状部41a及び41bの先端位置に対して0.5t下方に位置する。
上記の条件でそれぞれ矯正実験を行い、矯正実験後の試験片31の端面形状を調査した。その結果を図7に示す。図7において、横軸は曲げ癖31b(図4(b))の凸部の幅方向中央位置を0としたときの試験片31の幅方向位置、縦軸は矯正実験後の曲げ癖31bの凸部の幅方向中央位置の高さを0としたときの試験片31の高さ方向位置であり、実線Aは本発明例、一点鎖線Bは比較例1、破線Cは比較例2の実験結果を示している。
図7を参照すると、本発明例では、曲げ癖が矯正されて試験片31が凹凸の無いほぼ平らな部材となっていることがわかる。
一方、比較例1のように、押し込み量ΔPが上記実施例と同じであっても、曲げ成形部の高さの差ΔHが大きい、即ちパンチ35の両側の第1凸状部39a及び39cの先端位置が第1凸状部39bの先端位置よりも大幅に上方にあると、曲げ癖の両側が反り上がってしまい充分に平らに矯正できない。
また、比較例2のように、曲げ成形部の高さの差ΔHが上記実施例と同じであっても、押し込み量ΔPが大きいと曲げ癖とは逆方向の変形が生じてしまい、やはり満足できるほど平らに矯正できない。
したがって、押し込み量ΔP及び曲げ成形部の高さの差ΔHは、ΔP=2t[mm]及びΔH=t[mm]をそれぞれ超えないように設定することが好ましい。
そこで、本実施形態では、押し込み量ΔPを0<ΔP≦2t、曲げ成形部の高さの差ΔHをΔH≦tに設定する。これにより、軟鋼と比較して著しく曲げ癖が発生しやすい高強度鋼板であっても、当該曲げ癖を適切に矯正することができる。
上記の実施例の説明から分かるように、曲げ癖矯正装置1においては、押し込み量ΔPを正確に制御する必要がある。しかしながら、パンチ5とダイ11は所定の押圧力で被成形品を押圧するため、従来のようにパンチ5とダイ11のみで押し込み量ΔPを正確に制御するのは難しく、特にプレス成形品を量産する場合のように、効率が要求される場合にはなおさらである。この点、本実施の形態においては、機械的なストッパ13を設けており、強い押圧力で押しても機械的に押し込み量が強制的に規制されるようにしているので、大量生産にも適している。
以上のように、本実施形態の曲げ癖矯正装置1においては、3つの第1凸状部3a〜3cを有するパンチ5と2つの第2凸状部9a、9bが設けられたダイ11とを用いて曲げ癖を矯正するようにしているので、特殊なプレス設備を用いることなく曲げ癖を矯正し、凹凸状の形状不良のないプレス部品を得ることができる。また、局所的に小変形を与えることでプレス成形品の曲げ癖を矯正するので、曲げ癖矯正に必要な荷重が小さくて済む。そのため、矯正対象の部品・部位及びプレス装置の制限が少ない。したがって、比較的容易且つ低コストで、局所的なR形状を持つ凸状の形状不良を平らな形状に矯正することができる。
さらにこのとき、曲げ成形部の高さの差ΔHを板厚t以下とすると共に、押し込み量ΔPを板厚tに対して2t以下とするので、曲げ癖の凸部両側の反り上がりや沈み込み、曲げ癖とは逆方向の変形等を防止して、曲げ癖を適正に平らな形状に矯正することができる。
またさらに、機械的なストッパ13を設けており、強い押圧力で押しても押し込み量が第1当接部15と第2当接部17との当接によって強制的に規制されるようにしているので、複雑な制御を必要とせず大量生産にも適している。
なお、上記の実施の形態においては、曲げ癖が形成されるプレス成形品の例としてハット断面部材51を例に挙げて説明したが、本発明の曲げ癖矯正装置は板金に形成された局所的なR形状の曲げ癖を矯正するものであり、曲げ癖が形成されるプレス成形品自体の形状に限定されるものでない。
1 曲げ癖矯正装置
3 第1曲げ形成部
3a、3b、3c 第1凸状部
3d、3e 成形空間
5 パンチ
9 第2曲げ成形部
9a、9b 第2凸状部
11 ダイ
13 ストッパ
15 第1当接部
17 第2当接部
21 固定台
23 移動台
25 傾斜面
27 突出片
31 試験片
31a 曲げ加工部
31b 曲げ癖
33 矯正実験装置
35 パンチ
37 ダイ
39 第1曲げ成形部
39a、39b、39c 第1凸状部
41 第2曲げ成形部
41a、41b 第2凸状部
43 ストッパ
51 ハット断面部材
53 底壁
55 側壁
55a 曲げ加工部
57 金型
59 曲げ癖

Claims (2)

  1. 板金に形成された凸状のR形状の曲げ癖を矯正する板金の曲げ癖矯正装置であって、
    所定間隔で並設された3つの第1凸状部を有する第1曲げ成形部を備えたパンチと、前記第1曲げ成形部の間に形成される2つの凹状の成形空間に対向配置される2つの第2凸状部を有する第2曲げ成形部を備えたダイと、ダイと前記パンチの相対移動量を規制するストッパとを備えてなり、
    前記第1曲げ成形部のうち中央の第1凸状部を、当該中央の第1凸状部の先端位置が両端の第1凸状部の先端位置に対して突出するように設けると共に、これら中央の第1凸状部と両端の第1凸状部の先端位置の差を前記板金の板厚以下に設定し、
    前記ストッパは、前記パンチ側に設けた第1当接部と前記ダイ側に設けた第2当接部とを有し、前記第1曲げ成形部の中央の曲げ成形部を前記板金の曲げ癖の凸部に凸側から当接可能に配置して、前記ダイと前記パンチによって前記板金の両面を板厚方向に予め設定した所定量移動させたときに、前記第1当接部と前記第2当接部とが当接することによって前記パンチと前記ダイの相対移動量を規制することを特徴とする板金の曲げ癖矯正装置。
  2. 前記第1曲げ成形部の中央の第1凸状部により、前記曲げ癖凸側を前記成形空間内への押し込む量が、前記板金の板厚の2倍以下となるように前記ストッパにおける前記第1当接部と前記第2当接部との相対位置が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の板金の曲げ癖矯正装置。
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