JP7181506B2 - プレス成形金型 - Google Patents
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Description
本願において、ブランクとは、熱延鋼板、冷延鋼板、あるいは鋼板に表面処理(電気亜鉛めっき,溶融亜鉛めっき,有機皮膜処理等)を施した表面処理鋼板をはじめ、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム等、各種金属類から構成される金属板のことをいう。
また、本願において、ポンチ底部とは、ポンチとダイとで成形されるプレス成形品においてポンチがダイ側に押し込まれて底になった部位のこと指す。
さらに、本願において、「直下」、「下方」及び「上方」等の方向を表す語句は、プレス成形方向におけるポンチとダイの相対的な上下方向を表すものであり、例えば、ダイがポンチの上側にある場合、ポンチに対して「直下」及び「下方」とは、プレス成形方向においてダイと反対側の方向を意味し、ポンチに対して「上方」とは、プレス成形方向においてダイ側の方向を意味する。
例えば、特許文献1には、ダイとパンチで金属板を成形するに際し、パンチが金属板に接触して該パンチのストローク終端に達するまでの間に、パンチを停止させ、所定時間経過後に金属板の成形を再開する動作を行うことで、金属板の応力を緩和し、成形荷重を低減する方法が開示されている。
また特許文献2には、ダイとポンチによるブランク材のプレス加工において、該ポンチを分割可動させることでブランク材を所定領域毎に逐次成形することにより、プレス加工時の成形荷重を低減する方法が開示されている。
また、特許文献2に開示されている方法では、金型構造が複雑になり高価になる上、成形性の低い高張力鋼板では成形時に割れやしわといった不具合を生じる場合があった。
前記ポンチは、該ポンチの下部を構成する下ホルダ部と、該下ホルダ部の上方に設けられたブロック部と、を備え、
該ブロック部は、前記ポンチ底部を成形するポンチ底成形面部と、該ポンチ底成形面部に設けられて前記凹形状部を形成する凹形状形成部又は前記凸形状部を形成する凸形状形成部と、前記ポンチ底成形面部の下方に設けられた空洞部と、を有し、
該空洞部は、前記ブロック部における前記凹形状形成部又は凸形状形成部の直下の範囲を含み、かつプレス成形方向の投影面積が前記凹形状形成部又は凸形状形成部の投影面積の110%以上であることを特徴とするものである。
ここで、凹形状部25の深さが浅いとは、少なくともプレス成形品21の成形高さよりも小さいことをいい、例えば、凹形状部25の深さが10mm以下で板厚に近い深さのものであるとする。
以下、本実施の形態に係るプレス成形金型1の各構成について説明する。なお、以下の説明においては、同一の機能を有する要素については同一の符号を付して、説明を割愛した。
一方、ポンチ3においてはブロック部11におけるポンチ底成形面部11aの下方であって凹形状形成部11bの直下を含む範囲に空洞部11cが設けられているため、成形下死点付近においてポンチ底成形面部11aが空洞部11c側にたわむことで、ブロック部11におけるポンチ底成形面部11a及び凹形状形成部11bの表面が変形する(図5中のポンチ3におけるハッチングされた領域)。
その結果、本実施の形態に係るプレス成形金型1によれば、成形下死点付近における成形荷重の増加を抑制して凹形状部25が形成されたプレス成形品21をプレス成形することができる。
なお、ポンチ底部23に形成する凹形状部25の深さは3mmとし、プレス成形品21の成形高さ(=20mm)に比べて小さくて板厚に近いものとした。
発明例において、ポンチ3は、ポンチ3の下部を構成する下ホルダ部9と、下ホルダ部9の上方に設けられたブロック部11と、を備え、ブロック部11は、プレス成形品21のポンチ底部23を成形するポンチ底成形面部11aと、ポンチ底部23に凹形状部25を形成する凹形状形成部11bと、ポンチ底成形面部11aの下方に設けられた空洞部11cと、を有する鋼材からなるものである。そして、空洞部11cは、凹形状形成部11bの直下の範囲を含み、かつプレス成形方向の投影面積A1が凹形状形成部11bの投影面積A2の110%とした。
図6に示す従来例においては、ブロック部37の凹形状形成部37b及びダイ5の凹形状形成部5bの端縁近傍にプレス成形方向の変形が見られ、変形量の最大値は約0.02mmであった。
一方、図7に示す発明例においては、ブロック部11の凹形状形成部11bの下方と、ダイ5の凹形状形成部5bの上方それぞれの範囲にプレス成形方向の変形が見られ、変形量の最大値は約0.05mmであり、従来例に比べて変形する範囲及び変形量が増加する結果であった。
図8より、従来例及び発明例における成形荷重はいずれも、成形開始(成形ストローク0mm)とともに徐々に増加し、成形下死点付近(成形ストローク約21~23mm)において急激に増加した。
そして、図8(a)、(b)に示すように、成形開始から成形下死点付近(成形ストローク約22.7mm)までの従来例と発明例の成形荷重はほぼ等しい結果であった。
しかしながら、図8(b)に示すように、成形下死点付近においては、従来例に比べて発明例は成形荷重が低下していることが分かる。
図9より、発明例においては、従来例に比べて成形荷重が約2.1tonf低下する結果となった。
なお、空洞部11cが凹形状形成部11cの直下から外れた場合は、図10に示す投影面積A1とA2との比が100%未満の結果と同等になり、成形荷重を十分に低減することができなかった。
3 ポンチ
5 ダイ
5a ポンチ底成形面部
5b 凹形状形成部
7 ブランクホルダ
9 下ホルダ部
11 ブロック部
11a ポンチ底成形面部
11b 凹形状形成部
11c 空洞部
13 ブランク
21 プレス成形品
23 ポンチ底部
25 凹形状部
31 プレス成形金型(従来構造)
33 ポンチ
35 下ホルダ部
37 ブロック部
37a ポンチ底成形面部
37b 凹形状形成部
Claims (1)
- ポンチとダイとを備えてなり、ポンチ底部と該ポンチ底部に深さが10mm以下の浅い凹形状部又は高さが10mm以下の低い凸形状部とを有し、該凹形状部又は該凸形状部は成形下死点付近において成形荷重の増大を伴い形成されるプレス成形品をプレス成形するプレス成形金型であって、
前記ポンチは、該ポンチの下部を構成する下ホルダ部と、該下ホルダ部の上方に設けられたブロック部と、を備え、
該ブロック部は、前記ポンチ底部を成形するポンチ底成形面部と、該ポンチ底成形面部に設けられて前記凹形状部を形成する凹形状形成部又は前記凸形状部を形成する凸形状形成部と、前記ポンチ底成形面部の下方に設けられた空洞部と、を有し、
該空洞部は、前記ブロック部における前記凹形状形成部又は凸形状形成部の直下の範囲を含み、かつプレス成形方向の投影面積が前記凹形状形成部又は凸形状形成部の投影面積の110%以上とし、プレス成形過程において前記ポンチ底成形面部を前記空洞部側にたわませることを特徴とするプレス成形金型。
Priority Applications (1)
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JP2019209315A JP7181506B2 (ja) | 2019-11-20 | 2019-11-20 | プレス成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019209315A JP7181506B2 (ja) | 2019-11-20 | 2019-11-20 | プレス成形金型 |
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JP2021079408A JP2021079408A (ja) | 2021-05-27 |
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JP2019209315A Active JP7181506B2 (ja) | 2019-11-20 | 2019-11-20 | プレス成形金型 |
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