JP2013017301A - インバータ制御装置及びインバータ制御方法 - Google Patents

インバータ制御装置及びインバータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定な制御系である、インバータ制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】 直流電源から入力される直流電力を交流電力に変換し、モータに供給するインバータ6と、インバータ6から出力される交流電圧の指令値を、交流電流の検出値に基づき算出する指令値算出手段と、指令値の位相又は検出値の位相を補償する位相補償手段と、位相補償手段により補償された指令値又は検出値に基づき、インバータ6を制御するインバータ制御手段と、モータ8の回転速度を検出するモータ回転速度検出手段とを備え、位相補償手段は、所定の位相余裕を得るために設定された位相補償時間及び回転速度に基づき位相進み量を算出し、位相進み量に応じて、モータ8の固有の特性に基づく位相を補償する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インバータ制御装置及びインバータ制御方法に関するものである。
交流電動機に交流電力を供給する電力変換器と、この電力変換器を制御するために、所定のサンプリング時間毎に検出される、少なくとも前記交流電動機の回転角を座標変換角とする2相回転軸から3相軸へ変換する回転座標変換手段を備えた電動機の制御装置において、所定のサンプリング時間毎に検出される少なくとも前記交流電動機の回転角に、前記サンプリング時間に対応して遅れる回転角を加算する第1の回転角補償手段を設け、この加算された回転角を座標変換角とすることを特徴とする交流電動機の制御装置が知られている(特許文献1)。
特開平6−335227号公報
しかしながら、モータ固有の特性による位相余裕の低下に対応しておらず、制御系が不安定になっている、という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、安定な制御系であるインバータ制御装置及び制御方法を提供することである。
本発明は、位相補償時間及びモータの回転速度に基づき位相進み量を算出し、当該位相進み量に応じて、モータの固有の特性に基づく位相を進ませることによって上記課題を解決する。
本発明によれば、モータの回転速度の変化に対して、位相余裕の低下が抑制されつつ、ゲイン余裕の低下が抑制されるため、その結果として、制御系を安定化させることができる。
本発明の実施形態にかかるインバータ制御装置のブロック図である。 図1の安定性補償器のブロック図である。 (a)は図1のインバータ制御装置のゲイン特性及び比較例のゲイン特性を示すグラフであり、(b)は図1のインバータ制御装置の位相特性及び比較例の位相特性を示すグラフである。 図1のインバータ制御装置において、(a)は位相補償時間(tpm)に対する位相余裕の特性を示すグラフであり、(b)は位相進み量(Δθc)に対する位相余裕の特性を示すグラフである。 図1のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 図1のインバータ制御装置の変形例に係る電流制御器及び安定性補償器のブロック図である。 本発明の他の実施形態にかかるインバータ制御装置のブロック図である。 図7の補償器のブロック図である。 図7の座標変換部のブロック図である。 図7のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態にかかるインバータ制御装置のブロック図である。 図11の安定性補償器のブロック図である。 図11のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態にかかるインバータ制御装置のブロック図である。 図14の安定性補償器のブロック図である。 図14の座標変換部のブロック図である。 図14のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、発明の実施形態に係るモータ制御装置のブロック図である。詳細な図示は省略するが、本例のインバータ制御装置を電気自動車に設ける場合に、三相交流電力の永久磁石モータ8は、走行駆動源として駆動し、電気自動車の車軸に結合されている。なお本例のモータ制御装置は、例えばハイブリッド自動車(HEV)等の電気自動車以外の車両にも適用可能である。
本例のインバータ制御装置は、モータ8の動作を制御する制御装置であって、電流電圧マップ1と、電流制御器2と、座標変換器3と、PWM(Pulse Width Modulation)変換器4と、バッテリ5と、インバータ6と、電流センサ7と、磁極位置検出器9と、座標変換器10と、回転数演算器11と、LPF(Low Pass Filter)12と、A/D変換器13と、パルスカウンタ14と、むだ時間補償器15と、安定性補償器16とを備える。
電流電圧マップ1には、モータ8の出力目標値として外部より入力されるトルク指令値(T)と、回転数演算器11の出力である、モータ8の回転速度である角周波数(ω)、及び、バッテリ5の検出電圧である電圧(Vdc)が入力される。電流電圧マップ1には、トルク指令値(T)、角周波数(ω)、電圧(Vdc)を指標として、dq軸電流指令値(i 、i )及びdq軸非干渉電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)を出力するためのマップが格納されている。電流電圧マップ1は、当該マップを参照することにより、入力されたトルク指令値(T)、角周波数(ω)及び電圧(V dc)に対応する、dq軸電流指令値(i 、i )及びdq軸非干渉電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)を算出し、出力する。ここで、dq軸は、回転座標系の成分を示している。dq軸非干渉電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)について、d軸及びq軸に電流が流れると、d軸にはωL、q軸にはωLの干渉電圧が発生するため、dq軸非干渉電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)は当該干渉電圧を打ち消すための電圧である。なお、Lはd軸のインダクタンスを、Lはq軸のインダクタンスを示す。また電流指令値(i 、i )及び電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)は、インバータ6からモータ8に出力される交流電流の指令値に相当し、当該指令値に基づいて、スイッチング素子のパルス幅が決定し、インバータ6の出力電力が決定する。
LPF12は、dq軸非干渉電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)を入力として、高周波帯域をカットし、電圧指令値(V d_dcpl_flt、V q_dcpl_flt)を出力する。
電流制御器2は、dq軸電流指令値(i 、i )、電圧指令値(V d_dcpl_flt、V q_dcpl_flt)及びdq軸電流(i、i)を入力として、制御演算を行い、dq軸電圧指令値(V 、V )を安定性補償器16に出力する。
安定性補償器16は、角周波数(ω)に基づき、dq軸電圧指令値(V 、V )を補正し、補正後のdq軸電圧指令値(V d_c、V q_c)を座標変換器3に出力する。なお、安定性補償器16の詳細は後述する。
座標変換器3は、安定性補償器16の補正後dq軸電圧指令値(V d_c、V q_c)及びむだ時間補償器15から出力される位相量(θ’)を入力として、下記の式1を用いて、当該回転座標系の補正後dq軸電圧指令値(V d_c、V q_c)を固定座標系のu、v、w軸の電圧指令値(V 、V 、V )に変換する。
Figure 2013017301
PWM変換器4は、入力される電圧指令値(V 、V 、V )に基づき、インバータ6のスイッチング素子の駆動信号(D uu、D ul、D vu、D vl、D wu、D wl)を生成し、インバータ6に出力する。スイッチング素子は、PWMのパルス信号に基づいてオン及びオフを切り換える。
バッテリ5は、二次電池を含む直流電源であり、本例の車両の動力源となる。インバータ6は、MOSFETやIGBT等のスイッチング素子(図示しない)を対に接続した回路を複数接続した三相インバータ回路により構成されている。各スイッチング素子には、駆動信号(D uu、D ul、D vu、D vl、D wu、D wl)が入力される。そして、当該スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電源の直流電圧が交流電圧(V、V、V)に変換され、モータ8に入力される。またモータ8が発電機として動作する場合には、インバータ6はモータ8から出力される交流電圧を直流電圧に変換しバッテリ5に出力する。これによりバッテリ5が充電される。
電流センサ7は、U相及びV相にそれぞれ設けられ、相電流(i、i)を検出し、A/D変換器13に出力する。A/D変換器13は、相電流(i、i)をサンプリングし、サンプリングされた相電流(ius、ivs)を座標変換器10に出力する。w相の電流は、電流センサ7により検出されず、代わりに、座標変換器10は、入力された相電流(ius、ivs)に基づき、下記の式2を用いて、w相の相電流(iws)を算出する。
Figure 2013017301
なお、w相の相電流について、w相に電流センサ7を設け、当該電流センサ7により検出してもよい。
モータ8は、多相モータであり、インバータ6に接続される。またモータ8は発電機としても動作する。磁極位置検出器9はモータ8に設けられ、モータ8の磁極の位置を検出する検出器であり、磁極の位置に応じたA相、B相及びZ相のパルスをパルスカウンタ14に出力する。パルスカウンタ14は、磁極位置検出器9から出力されるパルスをカウントすることで、モータ8の回転子の位置情報である検出値(θ)を得て、回転数演算器11に出力する。回転数演算器11は、磁極位置検出器9の検出値(θ)からモータ8の角周波数(ω)を算出する。
座標変換器10は、3相2相変換を行う制御部であり、相電流(ius、ivs、iws)及びパルスカウンタ14の検出値(θ)を入力として、下記の式3により、固定座標系の相電流(ius、ivs、iws)を回転座標系のdq軸電流(i、i)に変換する。
Figure 2013017301
そして、当該dq軸電流(i、i)が電流制御器2に入力されることにより、本例のインバータ制御装置は電流制御ループによる制御を行う。
むだ時間補償器15は、電圧指令値(V 、V 、V )が決定してから、交流電圧(V、V、V)がモータ8に印加されるまでの電圧出力遅れ、電流センサ7及びA/D変換器13における、0次サンプリングホールドによるむだ時間による遅れ、及び、ノイズカットフィルタによる遅れなどを補償し、検出値(θ)及び角周波数(ω)を入力として、位相量(θ’)を座標変換器3に出力する。
次に、安定性補償器16の詳細な構成を、図2を用いて説明する。図2は、安定性補償器16のブロック図である。安定性補償器16は、直交座標における回転座標変換を利用してdq軸電圧指令値(V 、V )から補正後のdq軸電圧指令値(V d_c、V q_c)を演算している。具体的には、d軸電圧指令値(V )にcos(Δθ)を乗じたものから、q軸電圧指令値(V )にsin(Δθ)を乗じたものを減ずることで、補正後のd軸電圧指令値(V d_c)が演算され、q軸電圧指令値(V )にcos(Δθ)を乗じたものと、d軸電圧令値(V )にsin(Δθ)を乗じたものを加算することで、補正後のq軸電圧指令値(V q_c)が演算される。
安定性補償器16の回転座標変換により回転する位相の進み量(Δθ)は、位相補償時間(tpm)と角周波数(ω)により算出される。位相補償時間(tpm)は、モータ8の固有の特性に基づいて決まる値であって、予め設定されている値である。本例では、外部から入力されるトルク指令値(T)、バッテリ5の検出電圧(Vdc)、モータ8の回転速度(ω)、及び、モータの温度と、位相補償時間(tpm)とを対応づけるルックアップテーブルが格納されている。そして、外部から入力されるトルク指令値(T)、バッテリ5の検出電圧(Vdc)、モータ8の回転速度(ω)、及び、モータの温度を入力とし、当該テーブルを参照することで、位相補償時間(tpm)を算出する。さらに、角周波数(ω)とテーブルの出力値である位相補償時間(tpm)との積をとることで、位相の進み量(Δθ)が算出される。
これにより、磁極方向の電圧指令値であるd軸電圧指令値(V )及び磁極と直交方向の電圧指令値であるq軸電圧指令値(V )よりなる電圧指令値ベクトルの大きさは変えずに、位相をモータ8の回転方向に進むように、位相の進み量(Δθ)で電圧指令値を補正する。
ここで、位相補償時間(tpm)と、本例のインバータ制御装置の制御系における位相余裕及びゲイン余裕との関係について、図3を用いて説明する。図3は、インバータ制御装置の電流制御系における一巡伝達特性ボート線図を示しており、(a)は角周波数に対するゲイン特性を示し、(b)は角周波数に対する位相特性を示す。図3(a)及び(b)において、グラフaは本発明の特性を示し、グラフbは位相補償時間(tpm)を設定しない比較例の特性を示す。
ゲイン曲線が0(dB)を切る周波数(ゲイン交点)における位相−180°との差分が位相余裕であり、位相曲線が−180°を切る周波数(位相交点)におけるゲイン0(dB)との差分がゲイン余裕となる。図3(a)に示すように、本例のゲイン特性をg、比較例のゲイン特性をgとし、図3(b)に示すように、本例の位相特性をφ、比較例の位相特性をφとする。
図3(b)に示すように、比較例では位相余裕(φ)が不足しているため、不安定な制御系となっているが、本例では十分な位相余裕(φ)が得られているため、安定性な制御系になっている。また、図3(a)に示すように、本例と比較例とのゲイン余裕(g、g)は、ほぼ同じ値である。比較例のグラフに示すように、位相余裕の低下は、低周波領域で生じているが、かかる位相余裕の低下に対して、上記の特許文献1に示すように、むだ時間分の時間が経過する値に進む回転子の位置を予想して補正する方法では、低周波領域における位相余裕の低下を抑制させることができない。本例では、低周波領域における位相余裕の低下が、モータ8の固有の特性によって生じていることが確認できたため、本例は当該モータ8の特性に基づく補償係数を、位相補償時間(tpm)として設定し、当該位相補償時間(tpm)に基づいて、dq軸電流指令値の位相を補償している。これにより、本例は、高周波領域でのゲイン余裕の低下を防ぎつつ、低周波領域での位相余裕の低下を抑制することができる。
次に、位相進み量(Δθ)を算出する際に、本例では、時間単位のパラメータである位相補償時間(tpm)と角回転数(ω)との積をとっていることについて説明する。図4(a)は位相補償時間(t)に対する位相余裕の特性を示し、図4(b)はΔθcに対する位相余裕の特性を示す。また図4のグラフaは、角周波数(ω)の特性を、グラフbは角周波数(ω)より高い角周波数である(ω)の特性である。図4(a)の特性は、本発明と同様に位相補償時間(t)を設定し、モータ8の角回転数(ω)との積を位相進み量(Δθ)とした上で、位相余裕をとった特性であり、位相補償時間(t)をパラメータとしている。一方、図4(b)の特性は、位相進み量(Δθc)自体をパラメータとして位相余裕をとった特性であるため、位相進み量(Δθc)にはモータ8の検出された角回転数(ω)の要素が含まれておらず、図4(b)は比較例として挙げている。
図4(b)に示すように、位相進み量(Δθc)をパラメータとした場合には、角周波数が異なると位相余裕が異なる値になっている。一方、図4(a)に示すように、位相補償時間(t)をパラメータとした場合には、位相補償時間(t)をtpmに設定することで、角周波数が異なっても、位相余裕がほぼ同じ値になっている。これにより、本例は、制御系の安定性を決めるためのパラメータとして、時間単位である位相補償時間(tpm)を設定し、角周波数(ω)との積により位相進み量(Δθ)をとることで、モータ8の回転数に対して、安定して位相余裕を高く維持することができる。
ここで、モータ8の特性と位相補償時間(tpm)との関係について説明する。モータに対して一般的な電流制御系を構成すると、回転数が上昇するほど低周波域に対する位相遅れが大きくなる特性があり、位相余裕が低下し不安定状態に近づくおそれがある。
一方、図4(b)に示されるように、補償量(位相進み量)と位相余裕の傾きは回転数によらず同程度であるが、位相余裕の絶対値はオフセットされている。言い換えると、補償量(位相進み量)を一定にした場合には、もともと位相余裕がある低回転では過剰に位相余裕を持つことになる。そのため、本例では、低回転において、補償量(位相進み量)を控えめにする補償時間を、固定時間で定義し、回転数との積によって補償量(位相)を求める。なお、一般的な電流制御を構成した場合の伝達関数を求めると特性方程式に回転数が定数として現れるので、回転数に応じて周波数特性が変化し、上記のように位相余裕が低下する傾向になる。
次に、図5を用いて、本例のインバータ制御装置のフィードバック制御の制御手順を説明する。図5は本例のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。
ステップS1にて、電流センサ7により検出される相電流(i、i)から、A/D変換器13を介して相電流(ius、ivs)を検出し、磁極位置検出器9から出力されるパルスをパルスカウンタ14でカウントすることで検出値(θ)を検出する。ステップS2にて、回転数演算器11は、モータ8の角周波数(ω)を算出する。ステップS3にて座標変換器10にて、相電流(ius、ivs)をdq軸電流(i、i)に座標変換する。
ステップS4にて、電流電圧マップに格納されているマップを参照して、外部から入力されるトルク指令値(T)、角周波数(ω)及び電圧(V dc)に対応するdq軸電流指令値(i 、i )及びdq軸非干渉電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)を算出し、dq軸非干渉電圧指令値(V d_dcpl、V q_dcpl)をLPF12に通して電圧指令値(V d_dcpl_flt、V q_dcpl_flt)を算出する。ステップS5にて、電流制御器2は、dq軸電流指令値(i 、i )、電圧指令値(V d_dcpl_flt、V q_dcpl_flt)及びdq軸電流(i、i)からdq軸電圧指令値(V 、V )を演算する。
ステップS6にて、安定性補償器16は、位相補償時間(tpm)と角周波数(ω)との乗算をして、位相進み量(Δθ)を算出する。ステップS7にて、安定性補償器16は、dq軸電圧指令値(V 、V )を、回転座標変換により位相進み量(Δθ)分、位相を進ませることで、位相余裕を補償するための演算を行う。ステップS8にて、ステップS7の演算結果である補正後のdq軸電圧指令値(V d_c、V q_c)をむだ時間補償器15から出力される位相量(θ’)で座標変換し、電圧指令値(V 、V 、V )を算出する。そして、ステップS9にて、PWM変換器4は電圧指令値(V 、V 、V )を駆動信号(D uu、D ul、D vu、D vl、D wu、D wl)にPWM変換し、ステップS10にて、当該駆動信号に基づきインバータ6をスイッチング制御して、モータ8を駆動させる。
上記のように、本例は、安定化した所定の位相余裕を得るために設定された位相補償時間(tpm)及び角周波数(ω)に基づき位相進み量(Δθ)を算出し、当該位相進み量(Δθ)に応じて、モータ8の固有の特性に基づく位相を進ませるよう、指令値を補償する。これにより、モータ8の固有の特性による位相余裕の低下を抑制することができるため、安定した制御系のインバータ制御装置を実現することができる。また本例は、低周波領域での位相遅れを低減しつつ位相余裕を確保し、高周波領域でのゲイン低下を押させることができるため、位相余裕又はゲイン余裕の再調整を省くことができる。
また本例は、位相進み量(Δθ)に応じて、dq軸電圧指令値を進ませるよう、位相補償を行う。これにより、モータ8の固有の特性による位相余裕の低下を抑制することができるため、安定した制御系のインバータ制御装置を実現することができる。
また本例は、安定性補償器16により、回転座標変換の回転角を位相進み量(Δθ)に基づき補償する。これにより、制御用のマイコンの演算負荷を軽減しつつ、制御系を安定化させることができる。
また本例は、位相補償時間(tpm)と角周波数(ω)とを乗算することで位相進み量(Δθ)を算出する。これにより、位相補償時間(tpm)を固定値に設定した上で、モータ8の状態に応じて角周波数が変化しても、位相余裕の変動を抑えることができるため、安定した制御系を実現することができる。
また本例は、安定性補償器16に、角周波数(ω)、トルク指令値(T)、モータ8の温度、または、インバータ6への入力電圧(Vdc)と位相補償時間(tpm)とを対応づけるテーブルを格納する。位相余裕は、角周波数(ω)以外に、モータ8の電流や磁束の大きさより影響を受ける、モータ8のインダクタンス、または、巻き線抵抗によって変化する。また本例のインバータ制御装置における最大効率電流条件は、同トルク下であっても、バッテリ5の電圧によって変化する。そのため、本例のように、動作点である、角周波数(ω)、トルク指令値(T)、モータ8の温度、または、インバータ6への入力電圧(Vdc)に応じて、位相補償時間(tpm)を設定することで、制御系の特性が変化しても、制御系を安定化させることができる。
なお、本例において、安定性補償器16に格納されるテーブルは、必ずしも、角周波数(ω)、トルク指令値(T)、モータ8の温度、及び、インバータ6への入力電圧(Vdc)と位相補償時間(tpm)とを対応づけるテーブルである必要はなく、少なくとも角周波数(ω)、トルク指令値(T)、モータ8の温度、または、インバータ6への入力電圧(Vdc)のうち一つの値と位相補償時間(tpm)とを対応づければよい。また、安定性補償器16に格納されるテーブルは、モータ8の電流と位相補償時間(tpm)とを対応づけてもよい。
また本例は、図6に示すように、電流制御器2を構成する電流制御部21及び非干渉制御部22との間に、安定性補償器16を設け、位相進み量(Δθ)に応じて、dq軸電圧指令値を進ませるよう、位相補償を行ってもよい。図6は、本例のインバータ制御装置の変形例であって、電流制御器2及び安定性補償器16のブロック図である。電流制御部21は、dq軸電流(i、i)にdq軸電流指令値(i 、i )を追従させるように、それぞれPI制御によるフィードバック制御を行って、安定性補償器16に出力し、安定性補償器16による補正後の指令値を、非干渉制御部22に出力し、電圧指令値(V d_dcpl_flt、V q_dcpl_flt)及び当該補正後の指令値を入力として、制御演算を行い、dq軸電圧指令値(V 、V )を座標変換器3に出力する。
上記電流電圧マップ1、電流制御器2及び座標変換器3が本発明に係る「指令値算出手段」に相当し、安定性補償器16が「位相補償手段」に相当し、PWM変換器4が「インバータ制御手段」に相当し、磁極位置検出器9、パルスカウンタ14及び回転数演算器11が「モータ回転速度検出手段」に、座標変換器10が「座標変換手段」に、電流電圧マップ1が「電流指令値算出手段」に、電流制御器2が「電圧指令値算出手段」に、座標変換器3が「座標変換手段」に相当する。
《第2実施形態》
図7は、発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置を示すブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、安定性補償器16の代わりに補償器18を設けている点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
図7に示すように、本例のインバータ制御装置は、補償器18を備える。補償器18は、第1実施形態のむだ時間補償器15及び安定性補償器16の機能を有している。補償器18の具体的な構成を、図8を用いて説明する。図8は、補償器18のブロック図である。
補償器18において、パルスカウンタ14の出力である検出値(θ)と角周波数(ω)が入力されると、角周波数(ω)にむだ時間補償係数(tdly)を乗じた位相変化量(Δθdly)と検出値(θ)と加算して、位相量(θ’)を演算する。角周波数(ω)に位相補償時間(tpm)を乗じた位相進み量(Δθ)と、当該位相量(θ’)とを加算することで、位相量(θ’pm、)を算出する。そして、補償器18は、位相量(θ’pm、)を座標変換器3に出力する。ここで、むだ時間補償係数(tdly)は、インバータ制御装置における電流ループ内のむだ時間分に相当し、モータ8に印加されるまでの電圧出力遅れ、電流センサ7及びA/D変換器13における、0次サンプリングホールドによるむだ時間による遅れ、及び、ノイズカットフィルタによる遅れなどを補償するための係数である。
次に、座標変換器3の具体的な構成を、図9を用いて説明する。図9は、座標変換器3のブロック図である。座標変換器3は、電流制御器2から出力されるdq軸電圧指令値(V 、V )を、直交回転座標系(dq軸座標系)から三相固定座標系(UVW相)に変換する変換器であり、回転変換部31と、相変換部32とを備えている。
回転変換部31は、回転座標系を位相量(θ’pm)で回転させて直交座標系へ変換し、相変換部32は、直交座標系から三相座標系に変換する。回転座標系31において、d軸電圧指令値(V )にcosθ’pmを乗じたものからq軸電圧指令値(V )にsinθ’pmを乗じたものを減算することで、直交座標系のd軸の電圧指令値が演算され、q軸電圧指令値(V )にcosθ’pmを乗じたものとd軸電圧指令値(V )にsinθ’pmを乗じたものを加算することで、直交座標系のq軸の電圧指令値が演算される。そして、相変換部32において、当該d軸の電圧指令値に係数(√(2/3))を乗じることで電圧指令値(V )が演算され、当該q軸の電圧指令値に係数(1/(√2))を乗じたものから、当該d軸の電圧指令値に係数(1/(√6))を乗じたものを減算することで、電圧指令値(V )が演算され、係数(−1)を乗じた電圧指令値(V )から当該d軸の電圧指令値に係数(√(2/3))を乗じたもの減算することで、電圧指令値(V )が演算される。そして、相変換部32の演算結果である電圧指令値(V 、V 、V )がPWM変換器4に出力される。
次に、図10を用いて、本例のインバータ制御装置のフィードバック制御の制御手順を説明する。図10は本例のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。ステップS1〜ステップS6及びステップS9、S10の制御内容は、図5に示す第1の実施形態に係るインバータ制御装置のステップS1〜ステップS6及びステップS9、S10の制御内容と同様であるため、説明を省略する。
ステップS21にて、補償器18は、ステップS6で算出された位相進み量(Δθ)に、位相量(θ’)を加算することで、位相量(θ’pm、)を算出する。ステップS22にて、dq軸電圧指令値(V 、V )を位相量(θ’pm、)で座標変換し、電圧指令値(V 、V 、V )を算出する。
上記のように、本例は、安定化した所定の位相余裕を得るために設定された位相補償時間(tpm)及び角周波数(ω)に基づき位相進み量(Δθ)を算出し、位相進み量(Δθ)から位相量(θ’pm、)を算出した上で、モータ8の固有の特性に基づく位相を進ませるよう、指令値を補償する。これにより、当該位相進み量(Δθ)に応じて、モータ8の固有の特性に基づく位相を進ませるよう、指令値を補償することで、モータ8の固有の特性による位相余裕の低下を抑制することができるため、安定した制御系のインバータ制御装置を実現することができる。また本例は、低周波領域での位相遅れを低減しつつ位相余裕を確保し、高周波領域でのゲイン低下を押させることができるため、位相余裕又はゲイン余裕の再調整を省くことができる。
また本例は、位相進み量(Δθ)から位相量(θ’pm、)を算出した上で、位相量(θ’pm、)を用いてdq軸電圧指令値を補償することで、位相進み量(Δθ)に応じて、dq軸電圧指令値を進ませるよう、位相補償を行う。これにより、モータ8の固有の特性による位相余裕の低下を抑制することができるため、安定した制御系のインバータ制御装置を実現することができる。
また本例は、座標変換器3の回転座標変換の回転角(θ’pm)を位相進み量(Δθ)に基づき補償する。これにより、制御用のマイコンの演算負荷を軽減しつつ、制御系を安定化させることができる。
上記補償器18が本発明に係る「位相補償手段」に相当する。
《第3実施形態》
図11は、発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置を示すブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、安定性補償器16を、電流制御器2と座標変換器10との間に設けている点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、第1実施形態及び第2の実施形態の記載を適宜、援用する。
安定性補償器16は、座標変換器10と電流制御器2との間に設けられ、位相進み量(Δθ)に応じて、dq軸電流(i、i)の位相を補償する補償器であり、角周波数(ω)に基づき、dq軸電流(i、i)を補正し、補正後のdq軸電流(id_c、iq_c)を電流制御器2に出力する。電流制御器2は、dq軸電流指令値(i 、i )、電圧指令値(V d_dcpl_flt、V q_dcpl_flt)及び補正後のdq軸電流(id_c、iq_c)を入力として、制御演算を行い、dq軸電圧指令値(V 、V )を座標変換器3に出力する。電流制御器2において、補正後のdq軸電流(id_c、iq_c)を入力として制御演算を行っているため、電流制御器2から出力されるdq軸電圧指令値(V 、V )は、後述する位相進み量(Δθ)に基づき、補償された指令値となる。
次に、安定性補償器16の詳細な構成を、図12を用いて説明する。図12は、安定性補償器16のブロック図である。安定性補償器16は、直交座標における回転座標変換を利用してdq軸電流(i、i)から補正後のdq軸電流(id_c、iq_c)を演算している。具体的には、d軸電流(i )にcos(Δθ)を乗じたものから、q軸電流(i )にsin(Δθ)を乗じたものを減ずることで、補正後のd軸電流(i d_c)が演算され、q軸電流(i )にcos(Δθ)を乗じたものと、d軸電流(i )にsin(Δθ)を乗じたものを加算することで、補正後のq軸電流(i q_c)が演算される。安定性補償器16の回転座標変換により回転する位相の進み量(Δθ)は、位相補償時間(tpm)と角周波数(ω)との積により算出される。位相補償時間(tpm)は、モータ8の固有の特性に基づいて決まる値であって、予め設定されている値であり、固定値である。
これにより、磁極方向の電圧検出値であるd軸電流(i )及び磁極と直交方向の電流指令値であるq軸電流(i )よりなる電圧検出値ベクトルの大きさは変えずに、位相をモータ8の回転方向に進むように、位相の進み量(Δθ)で電流検出値を補正する。
次に、図13を用いて、本例のインバータ制御装置のフィードバック制御の制御手順を説明する。図13は本例のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。ステップS1〜ステップS4及びステップS9、S10の制御内容は、図5に示す第1の実施形態に係るインバータ制御装置のステップS1〜ステップS4及びステップS9、S10の制御内容と同様であるため、説明を省略する。
ステップS31にて、安定性補償器16は、位相補償時間(tpm)と角周波数(ω)との乗算をして、位相進み量(Δθ)を算出する。ステップS32にて、安定性補償器16は、dq軸電流(i、i)を、回転座標変換により位相進み量(Δθ)分、位相を進ませることで、位相余裕を補償するための演算を行い、演算結果である、補正後のdq軸電流(id_c、iq_c)を電流制御器2に出力する。ステップS33にて、電流制御器2は、dq軸電流指令値(i 、i )、電圧指令値(V d_dcpl_flt、V q_dcpl_flt)及び補正後のdq軸電流(id_c、iq_c)からdq軸電圧指令値(V 、V )を演算する。ステップS34にて、dq軸電圧指令値(V 、V )をむだ時間補償器15から出力される位相量(θ’)で座標変換し、電圧指令値(V 、V 、V )を算出する。
上記のように、本例は、安定化した所定の位相余裕を得るために設定された位相補償時間(tpm)及び角周波数(ω)に基づき位相進み量(Δθ)を算出し、当該位相進み量(Δθ)に応じて、モータ8の固有の特性に基づく位相を進ませるよう、検出値を補償する。これにより、モータ8の固有の特性による位相余裕の低下を抑制することができるため、安定した制御系のインバータ制御装置を実現することができる。また本例は、低周波領域での位相遅れを低減しつつ位相余裕を確保し、高周波領域でのゲイン低下を押させることができるため、位相余裕又はゲイン余裕の再調整を省くことができる。
また本例は、位相進み量(Δθ)に応じて、dq軸電流を進ませるよう、位相補償を行う。これにより、モータ8の固有の特性による位相余裕の低下を抑制することができるため、安定した制御系のインバータ制御装置を実現することができる。
上記電流センサ7が「電流検出手段」に相当し、座標変換手段10が「座標変換手段」に相当する。
《第4実施形態》
図14は、発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置を示すブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、安定性補償器16を、座標変換器10とパルスカウンタ14との間に設けている点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、第1〜第3の実施形態の記載を適宜、援用する。
安定性補償器16は、パルスカウンタ14と座標変換器10との間に設けられ、座標変換器10の回転座標変換の回転角を演算する。図15を用いて、安定性補償器16の具体的な構成を説明する。図15は、安定性補償器16のブロック図である。
安定補償器16において、パルスカウンタ14の出力である検出値(θ)と角周波数(ω)が入力されると、検出値(θ)から、角周波数(ω)に位相補償時間(tpm)を乗じた位相進み量(Δθ)を減算することで、位相量(θpm)を演算する。
次に、座標変換器10の具体的な構成を、図16を用いて説明する。図16は、座標変換器10のブロック図である。座標変換器10は、A/D変換器13から出力される相電流(ius、ivs、iws)を、三相固定座標系(UVW相)から直交回転座標系(dq座標系)に変換する変換器であり、相変換部101と、回転変換部102とを備えている。
相変換部101において、出力となるd軸の電流は、相電流(ius)から、相電流(ivs)に係数(1/2)乗じたもの及び相電流(iws)に係数(1/2)乗じたものを減算し、さらに係数(√(2/3))を乗算することで演算され、出力となるq軸の電流は、相電流(ivs)から相電流(iws)を減算し、係数(1/(√2))乗算することで演算される。回転変換部102において、当該d軸の電流にcosθpmを乗じたものと当該q軸の電流にsinθpmを乗じたものを加算することで、回転座標系のd軸電流(i)が演算され、当該q軸の電流にcosθpmを乗じたものから、当該d軸の電流にsinθ’pmを乗じたものを減算することで、回転座標系のq軸電流(i)が演算される。そして、回転変換部102の演算結果であるdq軸電流(i、i)が電流制御器2に出力される。
ここで、図16に示すように回転変換部102において、d軸及びq軸が交差しており、d軸成分及びq軸成分のを補正する際の符号が、第2実施形態に係る回転変換部31(図9を参照)と比較して、逆になっている。そのため、本例の安定性補償器16は、検出値(θ)から位相進み量(Δθ)を減算する、補正を行っている。
次に、図17を用いて、本例のインバータ制御装置のフィードバック制御の制御手順を説明する。図10は本例のインバータ制御装置の制御手順を示すフローチャートである。ステップS1、ステップS2、ステップS4、ステップS5及びステップS8〜ステップS10の制御内容は、図5に示す第1の実施形態に係るインバータ制御装置のスステップS1、ステップS2、ステップS4、ステップS5及びステップS8〜ステップS10の制御内容と同様であるため、説明を省略する。
ステップS41にて、安定性補償器16は、位相補償時間(tpm)と角周波数(ω)との乗算をして、位相進み量(Δθ)を算出する。ステップS42にて、安定性補償器15は、検出値(θ)から位相進み量(Δθ)を減算し位相量(θpm)を演算する。ステップS43にて、座標変換器10は、相電流(ius、ivs、iws)を位相量(θpm)で座標変換し、dq軸電流(i、i)を算出する。
上記のように、本例は、安定化した所定の位相余裕を得るために設定された位相補償時間(tpm)及び角周波数(ω)に基づき位相進み量(Δθ)を算出し、当該位相進み量(Δθ)に応じて、モータ8の固有の特性に基づく位相を補償し、検出値を補償する。これにより、モータ8の固有の特性による位相余裕の低下を抑制することができるため、安定した制御系のインバータ制御装置を実現することができる。また本例は、低周波領域での位相遅れを低減しつつ位相余裕を確保し、高周波領域でのゲイン低下を押させることができるため、位相余裕又はゲイン余裕の再調整を省くことができる。
また本例は、座標変換器10の回転座標変換の回転角(θpm)を位相進み量(Δθ)に基づき補償する。これにより、制御用のマイコンの演算負荷を軽減しつつ、制御系を安定化させることができる。
1…電流電圧マップ
2…電流制御器
21…電流制御部
22…非干渉制御部
3…座標変換器
31…回転変換部
32…座標変換部
4…PWM変換器
5…バッテリ
6…インバータ
7…電流センサ
8…モータ
9…磁極位置検出器
10…座標変換器
101…座標変換部
102…回転変換部
11…回転数演算器
13…A/D変換器
14…パルスカウンタ
15…むだ時間補償器
16…安定性補償器
18…補償器

Claims (8)

  1. 直流電源から入力される直流電力を交流電力に変換し、モータに供給するインバータと、
    前記インバータから出力される交流電圧の指令値を、交流電流の検出値に基づき算出する指令値算出手段と、
    前記指令値の位相又は前記検出値の位相を補償する位相補償手段と、
    前記位相補償手段により補償された指令値又は検出値に基づき、前記インバータを制御するインバータ制御手段と、
    前記モータの回転速度を検出するモータ回転速度検出手段とを備え、
    前記位相補償手段は、
    所定の位相余裕を得るために設定された位相補償時間及び前記回転速度に基づき位相進み量を算出し、前記位相進み量に応じて、前記モータの固有の特性に基づく位相を補償する
    ことを特徴とするインバータ制御装置。
  2. 前記モータの相電流を検出する電流検出手段と、
    前記相電流をdq軸電流に変換する座標変換手段とをさらに備え、
    前記指令値算出手段は、
    前記モータのトルク指令値及び前記回転速度に基づき、dq軸電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、
    前記dq軸電流を前記dq軸電流指令値に一致させるためのdq軸電圧指令値を算出する電圧指令値算出手段とを有し、
    前記位相補償手段は、前記dq軸電圧指令値の位相を補償する
    ことを特徴とする請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 前記モータの相電流を検出することで前記検出値を検出する電流検出手段と、
    前記相電流をdq軸電流に座標変換する座標変換手段とをさらに備え、
    前記位相補償手段は、前記dq軸電流の位相を補償する
    ことを特徴とする請求項1記載のインバータ制御装置。
  4. 前記指令値算出手段は、
    前記dq軸電圧指令値を、前記インバータ制御手段に入力する電圧指令値に座標変換する座標変換手段をさらに有し、
    前記位相補償手段は、
    前記位相進み量に基づき、前記座標変換手段による座標変換の回転角を補償する
    ことを特徴とする請求項2記載のインバータ制御装置。
  5. 前記位相補償手段は、
    前記位相進み量に基づき、前記座標変換手段による座標変換の回転角を補償する
    ことを特徴とする請求項3記載のインバータ制御装置。
  6. 前記位相補償手段は、
    前記位相補償時間と前記検出回転速度とを乗算することで前記位相進み量を算出する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインバータ制御装置。
  7. 前記位相補償手段は、
    前記回転速度、前記モータの電流、外部から入力されるトルク指令値、前記モータの温度、または、前記インバータへの入力電圧のうち少なくとも一つの値と、前記位相補償時間とを対応づけるマップを格納する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインバータ制御装置。
  8. インバータにより直流電源から入力される直流電力を交流電力に変換し、モータに供給する工程と、
    前記インバータから出力される交流電流を検出する検出工程と、
    前記インバータから出力される交流電圧の指令値を、前記検出工程により検出される検出値に基づいて算出する工程と、
    前記指令値又は前記検出値の位相を補償する補償工程と、
    前記補償工程により補償された指令値又は検出値に基づき、前記インバータを制御する工程と、
    前記モータの回転速度を検出する工程とを含み、
    前記補償工程は、
    所定の位相余裕を得るために設定された位相補償時間及び前記回転速度に基づき位相進み量を算出し、前記位相進み量に応じて、前記モータの固有の特性に基づく位相を補償する
    ことを特徴とするインバータの制御方法。
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