JP2013017067A - 注入同期発振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準発振器1の出力波を所定の電力に調整する電力調整手段2と、電力調整された電波を分配する同相分配手段3と、分配された電波が各々入力され、入力される周波数の自然数倍の周波数で発振する複数の注入同期発振器4と、複数の注入同期発振器4の各々の出力を合成して出力する同相合成手段5とを備えた。
低離調周波数では、注入同期発振器4の出力波が、低離調周波数で位相雑音特性が良い基準発振器1の出力波に同期するので、位相雑音が改善される。一方、高離調周波数では、各々の注入同期発振器4の出力波の位相雑音が無相関のため、同相合成手段5により各々の注入同期発振器4の出力波を合成することで、位相雑音が改善される。
したがって、低離調周波数および高離調周波数の全離調周波数において位相雑音を改善することができる。
【選択図】図1
Description
電圧制御発振器の出力は、緩衝増幅器を介して負荷に供給されており、その出力の一部が分周器に入力され、低周波数に変換される。分周器の出力は、位相比較器により安定度の高い基準発振器の出力と比較され、その位相差に応じた直流近傍の電圧がループフィルタに入力される。ループフィルタにより平滑化された直流電圧は、電圧制御発振器の制御端子に入力され、電圧制御発振器の発振周波数が、基準発振器の発振周波数のN(Nは任意の自然数)倍に等しい周波数となるように制御される。
よって、注入同期発振器の出力が、低離調周波数で位相雑音特性の良い基準発振器の出力に同期するので、注入同期発振器の出力の位相雑音が改善される。
しかし、高離調周波数では、各々の注入同期発振器の出力の位相雑音が無相関のため、合成手段により各々の注入同期発振器の出力を合成すれば、キャリア電力の増加に対して雑音電力の増加が少なく、合成出力の位相雑音が改善される。
図1はこの発明の実施の形態1による注入同期発振装置を示す回路図である。
図1において、基準発振器1は、安定度が高く、周波数frで発振する。
電力調整手段2は、基準発振器1の出力波を適切な電力に調整する。
同相分配手段3は、入力された電波を複数に同相分配する。
同相合成手段5は、複数の注入同期発振器4の各々の出力波を同相で合成して出力する。
図1において、安定度の高い基準発振器1の周波数frの出力波は、電力調整手段2および同相分配手段3を介して注入同期発振器4に入力される。注入同期発振器4では、入力波に同期すると共に、周波数frのN倍の周波数N・frで発振する。
ちなみに、基準発振器1の出力波の位相雑音がPNrとすると、注入同期発振器4の位相雑音はPNr+20Log(N)で同等の位相雑音となる。これは同じ周波数で比較すると、基準発振器1、注入同期発振器4ともに周波数frで位相雑音PNrの特性である。
図2は位相雑音対離調周波数特性を示したものである。簡単のために、N=1として説明する。
注入同期発振器4は、基準発振器1からの注入電力が無い状態では、一般的に、図2上図の鎖線に示すような特性となり、位相雑音は高い状態である。
このとき、注入同期発振器4が基準発振器1に同期する離調周波数の範囲は、基準発振器1からの注入電力で決まり、注入電力が大きいほど高い離調周波数まで同期する。
そこで、図2下図に示すように、電力調整手段2により、注入同期発振器4の位相雑音と基準発振器1の位相雑音とが等しい離調周波数まで同期する電力となるように注入電力を調整する。
このとき、複数の注入同期発振器4による各々の(キャリアの)出力電力は電圧加算されるが、注入同期範囲より高離調周波数の位相雑音成分はそれぞれ無相関のため電力加算され、結果として位相雑音が低減する。
注入同期範囲より高離調周波数では、注入同期発振器4の出力が基準発振器1の出力に同期していないために、高離調周波数における位相雑音は高い状態であるが、注入同期発振器4の各々の出力の位相雑音は無相関である。
一方、高離調周波数では、各々の注入同期発振器4の出力の位相雑音が無相関のため、同相合成手段5により各々の注入同期発振器4の出力を合成すれば、キャリア電力の増加に対して雑音電力の増加が少なく、合成出力の位相雑音が改善される。
したがって、低離調周波数および高離調周波数の全離調周波数に渡って位相雑音を抑制することができる。
図4はこの発明の実施の形態1による注入同期発振装置の同相分配手段および同相合成手段の詳細を示す回路図である。
さらに、電力調整手段2の出力端子を、i−1個の直列共振回路7のうちの、任意の直列共振回路7の一端に接続する。
さらに、複数の注入同期発振器4の各々の入力端子は、縦続直列共振回路6における直列共振回路7の各々の接続点、または端点に接続する。
よって、直列共振周波数では各々の直列共振回路7の両端で出力波が同相になるので、各々の接続点および端点から同相の出力波を取り出すことができ、複数の注入同期発振器4への入力波を同相にすることができる。
さらに、注入同期発振器4の各々の出力端子を、縦続直列共振回路6における直列共振回路7の各々の接続点、または端点に接続する。
さらに、i−1個の直列共振回路7のうちの、任意の直列共振回路7の一端から出力波を取り出す。
よって、直列共振周波数では各々の直列共振回路7の両端で同相になるので、各々の注入同期発振器4の出力波を同相で合成することができ、高離調周波数の位相雑音を改善することができる。
図5はこの発明の実施の形態1による注入同期発振装置の同相分配手段および同相合成手段の他の詳細を示す回路図である。
図5に示した0次共振回路8を同相分配手段3に用いる場合は、0次共振回路8の0次共振周波数を電力調整手段2の出力周波数となるように、コンデンサCおよびインダクタLを設定する。
また、0次共振回路8において0次共振周波数で同相となる点に、電力調整手段2の出力端子および複数の注入同期発振器4の各々の入力端子を接続する。
これにより、電力調整手段2の出力波は、複数の注入同期発振器4に同相入力される。
また、0次共振回路8において0次共振周波数で同相となる点に、注入同期発振器4の各々の出力端子を接続し、0次共振周波数で同相となる点から出力させる。
これにより、各々の注入同期発振器4の出力波を同相で合成することができ、高離調周波数の位相雑音を改善することができる。
図6はこの発明の実施の形態2による注入同期発振装置を示す回路図である。
図6において、分配手段11は、入力された電波を複数に分配する。
合成手段12は、入力された2つの電波を混合して出力する複数のミキサ13a〜13cで構成され、注入同期発振器4の各々の出力を、トーナメント状に接続した複数のミキサ13a〜13cにより混合して出力する。
その他の構成については、前記実施の形態1と同様である。
図6において、注入同期発振器4a、4bの各々の出力を、ミキサ13aによって混合して出力する。また、注入同期発振器4c、4dの各々の出力を、ミキサ13bによって混合して出力する。さらに、ミキサ13aおよびミキサ13bの出力を、ミキサ13cによって混合して出力する。
高離調周波数では、各々の注入同期発振器4の出力波の位相雑音が無相関のため、ミキサ13a〜13cにより各々の注入同期発振器4の出力波を混合すれば、キャリア電力の増加に対して雑音電力の増加が少なく、混合後の位相雑音が改善される。
これは、位相雑音が無相関で、周波数が同じ2つの電波をミキサ13により混合することで、ミキサ13に入力された周波数の和の周波数と直流が出力され、このうちの、和の周波数では、ミクサ13において、キャリアは電圧加算されて6dB増加するのに対して、位相雑音は電力加算されて3dBしか増加しないためである。
さらに、ミキサ13cは、2個のミキサ13a、13bの出力周波数2N・frを混合することから、両周波数2N・frの和である出力周波数4N・frが得られる。
図7はこの発明の実施の形態2による注入同期発振装置の合成手段の他の詳細を示す回路図である。
この合成手段12aでは、ミキサ13d、13eが中央の注入同期発振器4の出力を共通に入力したものである。
この合成手段12bでは、ミキサ13gに上側2個の注入同期発振器4の出力波が入力され、ミキサ13hにミキサ13gの出力と下側の注入同期発振器4の出力波が入力される。
なお、図6および図7に示した構成では、2段にトーナメント状に構成したものについて説明したが、注入同期発振器4の数に応じて3段以上のトーナメント状に構成しても良い。
図8はこの発明の実施の形態2による他の注入同期発振装置を示す回路図である。
Claims (14)
- 基準発振器と、
前記基準発振器の出力波を所定の電力に調整する電力調整手段と、
前記電力調整手段により電力調整された電波をi(iは2以上の任意の自然数)分配する分配手段と、
前記分配手段によりi分配された電波が各々入力され、入力される周波数のN(Nは任意の自然数)倍の周波数で各々発振するi個の注入同期発振器と、
前記i個の注入同期発振器の出力を合成して出力する合成手段とを備えた注入同期発振装置。 - 分配手段は、
電力調整手段の出力周波数を共振周波数とする直列共振回路を、(i−1)個以上縦続接続した縦続直列共振回路で構成され、
前記電力調整手段の出力端子は、前記縦続直列共振回路における前記直列共振回路同士の接続点、または端点のうちの、任意の一つに接続され、
i個の注入同期発振器の各々の入力端子は、前記縦続直列共振回路における前記直列共振回路同士の接続点、または端点のうちの、任意のi個に各々接続されたことを特徴とする請求項1記載の注入同期発振装置。 - 分配手段は、
電力調整手段の出力周波数を0次共振周波数とする0次共振回路で構成され、
前記電力調整手段の出力端子およびi個の注入同期発振器の各々の入力端子は、前記0次共振回路において0次共振周波数で同相となる点に接続されたことを特徴とする請求項1記載の注入同期発振装置。 - 合成手段は、
同相で合成することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。 - 合成手段は、
注入同期発振器の出力周波数を共振周波数とする直列共振回路を、(i−1)個以上縦続接続した縦続直列共振回路で構成され、
前記i個の注入同期発振器の各々の出力端子は、前記縦続直列共振回路における前記直列共振回路同士の接続点、または端点のうちの、任意のi個に各々接続され、
前記縦続直列共振回路における前記直列共振回路同士の接続点、または端点のうちの、任意の1個から出力することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。 - 合成手段は、
注入同期発振器の出力周波数を0次共振周波数とする0次共振回路で構成され、
前記i個の注入同期発振器の各々の出力端子は、前記0次共振回路において0次共振周波数で同相となる点に接続され、
前記0次共振回路において0次共振周波数で同相となる点から出力することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。 - 合成手段は、
i個の注入同期発振器の各々の出力を、トーナメント状に構成された複数のミキサにより、合成して出力することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。 - 合成手段は、
ミキサのLO端子に入力する電力を増幅する増幅器を備えたことを特徴とする請求項7記載の注入同期発振装置。 - 電力調整手段は、
基準発振器の出力周波数をM(Mは任意の自然数)倍の周波数に逓倍することを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。 - 電力調整手段は、
基準発振器の出力周波数を1/K(Kは任意の自然数)倍の周波数に分周することを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。 - 電力調整手段は、
i個の注入同期発振器の各々が、基準発振器の位相雑音と前記注入同期発振器のフリーラン時の位相雑音が同じ周波数で比較して同等となる離調周波数まで、基準発振器に同期する電力に調整することを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。 - 注入同期発振器のフリーラン時の位相雑音は、合成出力後の位相雑音であることを特徴とする請求項11に記載の注入同期発振装置。
- i個の注入同期発振器は、基準発振器の出力周波数の概略N逓倍の周波数で発振することを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。
- i個の注入同期発振器は、基準発振器の出力周波数のN逓倍の周波数で発振することを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載の注入同期発振装置。
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