JP2013013793A - 自動戻り汚染バリヤー - Google Patents

Abstract

【課題】汚染物が真空ポンプの空気ラインに入らないようにする、真空ポンプのバリヤーを提供する。
【解決手段】バリヤーは、ポンプの部分を分離し、初期状態と膨張状態との間で移動自在である。バリヤーは、予負荷を加えた状態でポンプに組み込まれる。真空源をバリヤーに作用すると、バリヤーは膨張状態に達し、真空源を解放すると、バリヤーは自動的に徐々に初期状態に戻る。バリヤーの形状及び材料構造並びに予負荷は、バリヤーそれ自体を膨張状態から初期状態に戻すのを補助する。
【選択図】図１Ｂ

Description

本発明は、全体として、ポンプ用汚染バリヤーに関し、更に詳細には、一つの特徴では、搾乳ポンプのポンプ機構が、母乳の侵入等により汚染されることがないようにする改良バリヤーを含む搾乳ポンプアッセンブリに関する。

搾乳ポンプは周知であり、一般的には、乳房に被せるフード即ちシールドと、乳房シールド内に真空（即ち負圧）を断続的に発生するためにフードに連結された真空ポンプと、絞り出した母乳用のリザーバとを含む。負圧は、大気圧よりも低い圧力である。真空ポンプの断続的吸引作用は、乳房及び乳首に引っ張り力を加えることによって母乳を絞り出す作用を提供する。絞り出された母乳は、代表的には、貯蔵のため及び後に使用するため、フードから導管構造を通って哺乳瓶等の収集容器に流入する。

搾乳ポンプは手動式であってもよいし電動式であってもよい。手動式ポンプでは、ポンプ作用は、メデラの米国特許公開第２００４／００３９３３０号に示されているように、手でピストン又はレバーを往復動することによって、又は可撓性球形部材を圧縮することによって行われる。電動ポンプでは、代表的には、モータによって駆動されたポンプが発生するポンプ作用が、乳房シールドアッセンブリに連結された空気ホース又は空気ラインによって搬送される。

多くの場合、乳房に加えられる圧力は負圧（吸引力）である。この負圧は、代表的には、乳房シールドの内部に特異な態様で、即ちどのような種類の差圧真空(diferential vacuum)も乳房シールド全体に加えられることなく、加えられる。これは、通常は、繰り返しパターンで、例えば断続的に吸引することにより行われてきた。引っ張るだけで吸引力を解放するだけのこの種の搾乳ポンプは、簡単なポンプとして周知である。

真空圧力及び正圧を乳房シールドの内部に加える複合ポンプとして周知の搾乳ポンプもある。代表的には、正圧（大気圧よりも高い圧力）を発生する真空ポンプは、絞り出された母乳をバルブを通して収集容器に圧送するのを補助する。以上の種類の搾乳ポンプは、ラーソンに賦与された米国特許第４，８５７，０５１号に示されている。出典を明示することにより、この特許に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。

正圧により、搾乳ポンプの多くで使用されているバルブを開放し、導管構造を通ってボトルに流入する母乳の移動を補助する。圧送中、放出された母乳は、最終的には、空気ホース内で前後に、及び乳房シールドへ及び乳房シールドから移動する空気から分離される。幾つかの搾乳ポンプは、重力及び飛沫ガード等の形状を使用して母乳と空気（空気は作用流体である）とを分離するが、これらの搾乳ポンプは、多くの場合、清掃が困難であり、これにより、使用時の乳房シールドの配向が制限されてしまう。この他の搾乳ポンプは、フィルタ、例えば疎水性フィルタを使用し、母乳が空気ホース及び／又はポンプに侵入しないようにする。フィルタが一杯になって圧送作用を停止してしまう場合がある。この場合、フィルタを清掃しなければならないか或いは定期的に交換しなければならない。こうした作業の目的は、汚染物を形成したり機構を汚損する（母乳がポンプ機構に入り込んでしまう）母乳又は他の液体／細菌学的物質から、搾乳ポンプの部品を遮断するためである。別の例として、施設での設定では、一つのポンプを母親間で使い回しするのが望ましいが、その場合でも、ポンプ機構が夫々の母親から遮断されたままである。

幾つかの従来の電動搾乳ポンプでも、乳房シールド（バルブを含む）をポンプ機構から分離する移動自在の、場合によってはコラプシブルのメンブレンやバリヤーが使用されてきた。作動中、二つの圧力が発生する。第１の圧力は、メンブレンの真空側に作用する圧力即ちポンプ真空であり、第２の圧力は、メンブレンの乳房シールド側に作用する圧力即ち乳房シールド真空である。真空ポンプは、第１圧力が第２圧力よりも大きいように、即ちポンプ真空が乳房シールド真空よりも大きいように、負圧を空気ホースを介してメンブレンに伝達する。差圧真空によりメンブレンを伸縮し、移動する。この種の幾つか従来の搾乳ポンプの問題点は、メンブレンが初期状態即ち初期位置に戻らないことがあり、即ち最終的に係止したり座屈してしまう場合があるということである。

この種の搾乳ポンプは、一般的には、搾乳ポンプサイクル中にメンブレンを変形前の状態に戻すためにメンブレンを係止点即ち座屈点を越えて押す上で、メンブレンの乳房シールドからの正圧を必要とする。以上の種類の搾乳ポンプは、フーバーに賦与された米国特許第５，９４１，８４７号に示されている。この種のポンプの代表的な問題点は、母乳の漏洩、蒸発、及び放出であり、乳房延長ヒステリシス(breast extension hysteresis) のため、メンブレンは、正圧の補助なしでは、その最初の潰れていない状態に完全には戻らない。

幾つかの従来の手動式搾乳ポンプもまた、コラプシブルの即ち移動自在のメンブレンを含む。このメンブレンは、真空を一方の側から他方の側に「伝達」する上で大きなエネルギ損失を生じる。バリヤーメンブレンの前後の機械的効率は、劇的改善を必要としている。

米国特許公開第２００４／００３９３３０号 米国特許第４，８５７，０５１号 米国特許第５，９４１，８４７号

従って、使用者を保護し、ポンプ機構への損傷をなくすため、絞り出された母乳から圧力源を遮断することによって、上流ポンプ空気ライン及びポンプの汚染を減少するか或いはなくす搾乳ポンプが望ましい。更に、真空を伝達するために移動自在のメンブレン／バリヤーを使用する、エネルギ効率が遥かに高いポンプシステムが非常に望ましい。

本発明は、おそらくはその最も広い表現の一つにおいて、ポンプ又はポンプシステム用のバリヤーを含む。このバリヤーは、ポンプの部分を分離すると同時にバリヤー前後の圧力変化を伝達する。真空源からの圧力等の圧力がバリヤーに加えられると、バリヤーは膨張状態に達し、大気圧に戻ること等で真空を解放すると、バリヤーはそれ自体の自然のバイアスにより初期「予負荷」状態に戻る。これにより、有利には、実際に僅かな正圧をシステムから、及びバリヤーの乳房シールド側即ち下流側から（上流真空源に対して）発生できる。「バイアス(bias)」という用語は、本明細書中、バリヤーがその初期状態に戻ろうとする予め設定された傾向を説明するのに使用される。

本明細書中に論じた本発明の実施例は搾乳ポンプシステムに関するけれども、自動戻りバリヤーについてのこの他の様々な用途が同様のポンプシステムに存在するものと考えられる。このことは、本発明のこの他の属性についてもいえる。

本発明の別の目的は、搾乳ポンプサイクル中にバリヤーを膨張状態からその初期状態に戻すのにポンプからの正圧源を必要としない、バリヤー前後で真空を非常に効率的に機械的に伝達する自動戻りバリヤーを提供することである。本発明のバリヤーを膨張させるのに必要な力は、材料の構造、乳房シールドの大きさ、乳房の大きさ、及びポンプの真空レベルによって決定されるが、これらのシステムはいずれも、バリヤーを膨張状態まで変位させる上で、ポンプ真空が乳房シールド真空よりも大きいことを必要とする。即ち、バリヤーの一方の側から他方の側への真空の機械的伝達時にエネルギが失われる。本発明は、高度に効率的な機械的伝達を達成する。

本発明のバリヤーの形状は、好ましい形態において、ばねとして作用する。バリヤー形状は、低いばね定数を維持する。バリヤーは、バリヤーを初期状態に戻すのに十分なばね力を持つように設計されており、母乳をバルブを介して収集容器内に放出するのを補助できる。

本発明の別の目的は、組み立て時に予負荷力が残るバリヤーを提供することである。即ち、バリヤーは、組み立てられた状態では、中央軸線に沿って圧縮されている。バリヤーは、この組み立てられた状態にあるとき、かくして予負荷が加えられ、即ち押圧される。

更に別の目的は、ポンプからの補助なしで、僅かな時間で、即ち１５０ｍｓ又はそれよりも短い時間で膨張状態から初期状態に戻る自動戻りバリヤーを提供することであり、これにより、搾乳ポンプシステムのエネルギ消費を最少にすることである。

本発明の別の目的は、ポンプの部分を汚染物等から遮断するバリヤーを提供することである。こうした汚染物は、バリヤーがないと通過してしまう。

本発明の更に別の目的は、均等に虚脱すると同時に初期状態に均等に戻る自動戻りバリヤーを提供することである。本発明のバリヤーは、これによって、従来技術の係止状態又は座屈状態等の非均等状態を越えて移動するのに力を加える必要がない。本発明のバリヤーは、係止したり座屈したりしないようにするため、波形形状を備えている。一つの態様では、この形状は、凸状表面にほぼ同心に形成された、バリヤーの一つ又はそれ以上の波形起伏を含む。

虚脱中又は膨張状態の達成中、本発明の好ましい形態のバリヤーは、ポンプ真空が乳房シールド真空よりも低いままである場合でも、又はポンプ真空が乳房シールド真空と等しい場合でも、係止したり座屈したりすることが決してない。同様に、本発明のバリヤーは、膨張状態から初期状態への戻り中に係止したり座屈したりすることが決してなく、また、真空圧力が乳房シールド真空よりも大きい場合又はこれらの真空が等しい場合でも係止したり座屈したりすることが決してない。

本発明の別の特徴は、手動式搾乳ポンプ並びに電動式搾乳ポンプで作動する自動戻りバリヤーを提供することである。更に、負圧及び正圧を提供する複雑な電動ポンプで、及び負圧だけ（大気へのベントだけ）を提供する簡単なポンプで機能する自動戻りバリヤーが提供される。

詳細には、本発明のバリヤーは、搾乳ポンプサイクル中にバリヤーをその初期状態に戻すのに空気の正圧等の真空ポンプからの補助を必要としない。バリヤーは、それ自体の形状及び形成材料により、吸引工程後にその初期状態に戻る。

広い実施例では、本発明は、汚染を防ぐためにポンプの部分を分離するための移動自在のバリヤーを提供する。バリヤーは、予負荷が加わった状態で組み立てられた初期状態を含む。真空源がバリヤーに加わると、バリヤーは膨張状態となり、真空源が解放されるとバリヤーは自動的に徐々に初期状態に戻る。

本発明は、搾乳ポンプアッセンブリに適用された場合、乳房シールド、導管構造、及び収集容器（ボトル）を含む。弾性バリヤーを予負荷が加わった状態でハウジングに組み立てる。バリヤーは、空気圧力ライン、代表的には真空ラインに配置される。真空を加えると、バリヤーは膨張状態をとり、真空を解放したとき、バリヤーは、その初期状態への変形を補助するばね作用として予負荷を使用する。

別の特徴では、搾乳ポンプアッセンブリは、真空ポンプと乳房シールドとの間の真空ラインに配置された汚染バリヤーを含む。ハウジングは、乳房シールド側及び真空側を有する。本明細書中、真空側は真空ポンプ側とも呼ばれる。これらの側は、バリヤーによって互いに分離され且つ遮断される。バリヤーは、真空が加わっていない場合に乳房シールド側に向かって押圧されるように、初期予負荷状態でハウジングに組み込まれる。真空が加わると、バリヤーは膨張状態に達し、真空が解放されるとバリヤーは初期状態に戻る。

一実施例では、バリヤーは、少なくとも部分的に、凸状バリヤー側が提供する全体に凸状形状を有し、初期状態において、バイアスにより凸状のバリヤー側がハウジングの乳房シールド側側壁に押し付けられるようにハウジング内に組み立てられる。凸状のバリヤー側の表面には、バリヤーの凸状部の中心とほぼ同心の少なくとも一つの波形起伏が形成されている。最も好ましい形態では、乳房シールド側内側壁の形状は、凸状のバリヤー側の形状とほぼ一致し、バリヤー及び乳房シールド側側壁は、面と面とを向き合わせて係合した（初期予負荷状態）とき、実質的にぴったりと係合する。

以上の実施例において、バリヤーは、真空の作用で逆になり、真空の作用で膨張するとき、膨張状態において内側が外側に引っ繰り返ったバリヤー側によって示される少なくとも部分的に別の全体に凸状の形状を形成する。この最も好ましい形態では、真空側側壁の形状は、膨張状態のバリヤー側とほぼ一致する。そのため、バリヤーと真空側側壁は、面と面とを向き合わせて係合したとき、実質的にぴったりと係合する。

本発明の別の特徴では、バリヤーは、バリヤーを膨張状態から初期状態に戻そうとする曲げモーメントを提供するように設計された複数の全体に同心の波形起伏を有する。これは、従来技術のバリヤーが延伸するのとは異なり、曲がるのである。

本発明の更に別の利点は、乳房シールドと、真空ラインを介して乳房シールドと連通した真空源との間等のポンプの真空ライン内の部分を汚染から遮断する搾乳ポンプアッセンブリを提供することである。真空ラインは、乳房シールド側及び真空側を持つハウジングと連通している。弾性バリヤーは、少なくとも一部が全体にドーム状の第１表面を持つ所定の形態を有する。組み立てられていない状態でのドームは、ドームのベースから第１表面まで計測して所定の高さを有する。所定の予負荷が加わった初期状態において、ハウジングの乳房シールド側及び真空側を分離し、これによって遮断するように弾性バリヤーをハウジングに組み立てる。予負荷が加えられた状態のバリヤーの、組み立てられた状態でのドーム高さは、組み立てられていない状態でのドーム高さよりも小さい。

更に、初期真空レベルが真空ポンプ側に加わった後、真空側に加えられた真空とほぼ１対１の関係で真空が乳房シールド側に作用し、予負荷状態に打ち勝つ。予負荷状態に打ち勝つための初期真空レベルは、本発明の一態様では、約４ｍｍＨｇ乃至１５ｍｍＨｇ（負圧）であってもよい。これにより、バリヤーの前後で真空が高い効率で作用する。以上の実施例は、更に、母乳を乳房シールドから容器に、捕捉チャンバ及び一方向バルブを介して搬送する母乳導管構造を含んでいてもよい。一方向バルブは、捕捉チャンバと容器との間に設けられている。バリヤーは、初期状態に戻るとき、捕捉チャンバ内の所定の最小量の母乳により、捕捉チャンバ内に容器に対して高い圧力を発生し、これによりバルブを開放し、母乳を解放して容器に入れる。

これらの及び他の目的及び利点は、以下に更に詳細に説明する本発明の構造及び作動の詳細において、本明細書の一部を形成する添付図面を参照することにより、更によく理解されるであろう。添付図面に亘り、同様の部分には同様の参照番号が付してある。

図１Ａは、本発明による汚染バリヤーの自由状態の斜視図である。 図１Ｂは、図１Ａのバリヤーを外側から見た斜視図である。 図２は、図１の汚染バリヤーの側面図である。 図３Ａは、本発明による搾乳ポンプアッセンブリを前方から見た斜視図である。 図３Ｂは、図３Ａの搾乳ポンプを後方から見た斜視図である。 図４は、本発明による図３Ａ及び図３Ｂの搾乳ポンプアッセンブリを（ボトルなし）前方から見た分解斜視図である。 図５は、図４の搾乳ポンプアッセンブリを後側から見た分解斜視図である。 図６Ａは、本発明による図２の汚染バリヤーの予負荷状態の側面図である。 図６Ｂは、バリヤーが膨張状態にある、図６Ａと同様の側面図である。 図７Ａは、図３Ａ及び図３Ｂの搾乳ポンプアッセンブリの側面図である。 図７Ｂは、図７Ａの搾乳ポンプアッセンブリの断面図である。 図８は、一工程の、図７Ｂと同様の拡大断面図である。 図９は、別の工程の、図８と同様の断面図である。 図１０は、様々なメンブレンの性能（曲線）の比較チャートである。

本明細書中に説明した本発明の実施例は、本発明の原点である搾乳ポンプアッセンブリシステムに関するが、本発明には、汚染を防ぐためのバリヤーを必要とするポンプシステム等のこの他の様々な用途があると考えられ、一方の側の容積（即ち作用流体）から他方の側の容積（即ち作用流体）へ圧力変化を伝達する上で非常に効率的な移動自在のメンブレンから利点が得られるものと考えられる。

本発明のバリヤーは、吸引力（及び大気中への通気）しか提供しない簡単な手動式搾乳ポンプ、並びにモータ作動式ポンプ及び吸引力及び正圧の両方を提供するポンプ等の比較的複雑なポンプで使用される。かくして、特に真空源に関して説明するけれども、圧力源は、バリヤーを移動する正圧であってもよい。

図１Ａ及び図１Ｂは、「自由」状態の、即ち組み立てられていない、型成形された状態の本発明による自動戻り汚染バリヤー１００を示す。バリヤーは、内面１０２と外面１０４とを含む。図示のように、外面１０４は三つの同心の円形パネル１０６、１０８、１１０を含む。これらのパネルの数は任意であるが、何らかの同心の形状が考えられる。パネル１０６、１０８、１１０は、側壁１１２を介して合同されており、即ち接合されている。側壁１１２ａは、中央パネル１０６を中間パネル１０８に接合する。側壁１１２ｂは、中間パネル１０８を外パネル１１０に接合する。外パネル１１０は側壁１１２ｃを介してリム１１４に合同（接合）されている。図示のように、及び以下に更に詳細に論じるように、バルブ１０１がバリヤー１００と一体成形されているが、バルブ１０１はバリヤー１００とは別体であってもよく、離してあってもよいと考えられる。

自動戻り汚染バリヤー１００は、エラストマー等の弾性材料で形成されており、又はプラスチック及びゴムの任意の組み合わせで形成されており、これにより、バリヤーは、以下に更に詳細に説明するように、ばねとして機能できる。好ましい実施例は、ゼネラルエレクトリック（ＧＥ）から入手できるＬＩＭ６０５０等の液体射出成形シリコーン（ＬＩＭＳ）で形成されている。

ポンプの空気ラインでの汚染をなくすため、バリヤー１００を搾乳ポンプ保護装置に組み込む。図３Ａ及び図３Ｂは、搾乳ポンプアッセンブリ２００を示す。このアッセンブリ２００は、取り外し自在の乳房シールド２０２を含む。乳房シールド２０２は乳房と係合してシールを形成し、快適性を維持しつつ乳房に対して吸引力が確実に作用するようにする。本明細書中において第１ハウジング、前側、又は乳房シールド側とも呼ぶ前ハウジング２０４は、インターフェース即ちベース部分２０５と、ボトルカラー２０８とを含む。
乳房シールド２０２は、前ハウジング２０４のインターフェース２０５に取り外し自在に連結される（しかし、これと一体に形成されていてもよい）。収集容器即ちボトル２１０を前ハウジング２０４のカラー２０８に取り付ける。本明細書中において第２ハウジング、後側、又は真空側とも呼ぶ後ハウジング２０６は、電動ポンプ又は真空源に連結するためのポート２１２を含む。

図４及び図５は、本発明による搾乳ポンプアッセンブリ２００の分解図を示す。後ハウジング２０６は、後壁内面４０２及び外面４０４を含む。前ハウジング２０４は、前壁内面５０２及び外面５０４を含む。組み立てたとき、バリヤー１００は、後ハウジング２０６の後壁内面４０２と前ハウジング２０４の前壁内面５０２との間に位置決めされる。

前壁内面５０２は、最も好ましくは、初期状態で面が係合した状態にあるとき、バリヤー１００の外面１０４とほぼ一致する形状を有する。後壁内面４０２は、最も好ましくは、以下に更に詳細に説明するように、膨張状態（即ち逆様になった状態）のバリヤー１００の内面１０２とほぼ一致する形状を有する。リム１１４は、前ハウジング部分２０４の内面５０２と後ハウジング部分２０６の内面４０２との間にシールを形成する。

バリヤー１００は、ひとたびハウジングに組み込まれると、ハウジングの乳房シールド側２０４とハウジングの真空側２０６とを分離し、遮断する。バリヤー１００は、予負荷が加わった初期状態で組み立てられる。この状態を、本明細書中、第１位置又は第１状態、又は初期位置又は初期状態と呼ぶ。この状態では、バリヤーは、図６Ａに示すように、ハウジング部分２０４、２０６間で、真空側から見て凹状形状を維持し、即ち乳房シールド側から見て凸状形状を維持する。この第１位置では、バリヤー１００はハウジングの乳房シールド側２０４に向かって押圧されている。

図６Ａからわかるように、予負荷状態では、即ち組み立てたとき、中央パネル１０６及び側壁１１２ａは中間パネル１０８と実質的に整合している。更に、側壁１１２ｂ、１１２ｃは、予負荷状態では、自由状態（図２参照）と比較して圧縮された形状をなしている。別の見方をすると、バリヤー１００は、中央軸線を持つドーム状形状を有する。図２の自由状態では、この軸線に沿った、リム１１４から凸状の側部（パネル１０６）の前面までの高さは、ｈ１である。図６Ａの予負荷状態では、ドームは、高さｈ２まで圧縮されている。予負荷状態は、以下に更に詳細に説明するように、作動中、バリヤー１００の機能（ばね作用）を補助する。

図７Ａ及び図７Ｂを参照すると、乳房シールド２０２は、前ハウジング２０４のインターフェース（カラー即ちシールドベース）２０５に連結されている。哺乳中の母親の乳房から母乳を絞り出すとき、母乳は、これによって、乳房シールド２０２から液体導管部分７０２を通って収集チャンバ即ち捕捉チャンバ７０４に流れ、次いで収集容器２１０（ここではボトルである）に流入する。収集チャンバ７０４の出口には、ボトル２１０に続く収集チャンバ７０４を閉鎖するバルブ１０１が設けられている。バルブ１０１は、この場合、バリヤー１００と一体化した状態で示してあるが、この場合も、バルブ１０１はバリヤー１００と別体で離してあってもよいと考えられる。このシステムはこの種のバルブで決まるものではない。

手動式であってもよいしモータ駆動式であってもよい周知の吸引デバイス７０６から乳房シールド２０２に真空即ち負圧が加えられると、バルブ１０１が収集チャンバ７０４を閉鎖し、負圧が乳房シールド２０２内部に加わる。母乳が収集チャンバ７０４内に集められる。負圧を解放すると、バルブ１０１が開放し、乳房シールド２０２内に及び従って収集チャンバ７０４内に絞り出された母乳がボトル２１０に流入する。上述のように、バルブ機構は多くの種類であってもよく、例えばダックビル型であってもよい。

ここでは、真空デバイス即ち吸引デバイス７０６は、チューブ即ち空気ライン７０８を使用して真空を作用する家庭用電源で作動する真空ポンプであるが、真空デバイス７０６は、手動式ピストンポンプであってもよいし、電池式ダイヤフラムポンプであってもよい。しかしながら、本発明は、任意の特定の種類の真空デバイスに限定されない。

真空源７０６は、空気ラインチューブ７０８を介して、後ハウジング２０６に形成されたポート２１２に連結されている。このポート２１２は表面４０２を通って延びており、後ハウジング２０６の内部と連通している。図７Ｂに示すように、初期位置のバリヤー１００は、前ハウジング２０４の内面５０２に当接して位置決めされる。ハウジング２０４の乳房シールド側には孔２０７が設けられており、この孔は、連結カラー２０８内の内部空間２０９と連通した導管構造内に延びている。後ハウジング２０６内の真空は、これによって、バリヤーを前壁面５０２から遠ざかる方向に移動することによって、乳房シールド２０２と連通する。これにより空間２０９及び乳房シールド２０２内から孔２０７を通して空気を吸込む。以上、真空源７０６から乳房シールド２０２まで真空を搬送する真空導管構造を説明した。

上述のように、真空源が適用される直前に、バリヤー１００は、面が前ハウジング２０４の前壁内面５０２と面と面とを向き合わせて係合する。前壁面５０２は、この初期状態では、バリヤー１００の外面１０４とほぼ一致する形状を有する。このぴったりとした係合(matching engagement) は、ほぼ一致した係合(substantially matching engagement) よりも精度が低く、最小量の「デッド」容積を乳房シールド側に提供する。本発明は、使用されるエネルギが小さく、及び従って電池式ポンプの有用寿命を延ばす、非常に効率的な真空伝達機構を提供するということは理解されるべきである。

本発明の搾乳ポンプアッセンブリ２００は、吸引、空気ラインの解放、及び母乳の解放の搾乳ポンプのサイクルに亘って作動する。図８及び図９は、第１工程即ち吸引工程の搾乳ポンプを示す。作動中、バリヤー１００の各側（乳房シールド側及び真空側）に二つの圧力が作用する。バリヤー１００の真空側には、本明細書中でポンプ真空とも呼ぶ第１圧力Ａが作用し、バリヤー１００の乳房シールド側には、本明細書中乳房シールド真空とも呼ぶ第２圧力Ｂが作用する。ポンプ７０６は、少なくとも最初は第１圧力Ａが第２圧力Ｂよりも大きい（即ち更に負圧である）ように、空気ライン７０８を介してバリヤー１００に負圧を伝え、これにより差動真空(differential vacuum) として周知の状態を発生する。この差動真空により、最終的には、バリヤー１００は、膨張状態に達する。ポンプ７０６は負圧（大気圧に対して）を引き、これによりバリヤー１００を第２位置即ち膨張状態（図８参照）にする。このとき、逆になったバリヤー１００は、一杯に膨張した状態で、後ハウジング２０６の後壁内面４０２と面と面とを向き合わせて係合する。後壁面４０２は、この膨張状態で、バリヤー１００の内面１０２とほぼ一致する形状を有する。

図６Ｂに示すように、真空がバリヤー１００の内面１０２に加わると、バリヤー１００は、本質的に内側が外側に返り、初期凸状形状（図２及び図６Ａ参照）が逆凸状形状に形態を変える（図６Ｂ参照）。中央パネル１０６’が、中間パネル１０８’から側壁１１２ａ’を介して変位し、中間パネル１０８’が、外パネル１１０’から１１２ｂ’を介して変位し、外パネル１１０’がリム１１４から側壁１１２ｃ’を介して変位する。側壁１１２ａ’、１１２ｂ’、１１２ｃ’は、膨張状態９００では、自由状態（図２参照）及び初期状態（図６Ａ参照）の両方と比較して大きく延ばされる。

バリヤーが膨張状態と初期状態との間で形態を変えるため、前ハウジング２０４と後ハウジング２０６との間のバリヤーの正確な位置は、バリヤーの真空側に作用する第１圧力Ａと乳房シールド側に作用する第２圧力Ｂとの間の差、即ち差動真空で決まる。第１圧力及び第２圧力に加え、バリヤー１００は、真空側に第１容積を形成し、乳房シールド側に第２容積を形成する。バリヤーが移動するとき、第１容積及び第２容積の夫々が（第１圧力及び第２圧力に加えて）変化するということに着目されるべきである。

収集チャンバ解放工程では、代表的には、大気圧を空気ライン７０８内に解放することによって真空を解放する。搾乳ポンプは空気ライン解放工程に入る。この工程では、バリヤー１００に蓄えられた（予負荷が加えられた）エネルギによりバリヤー１００をその初期状態（図６Ａ及び図９参照）に戻す。収集チャンバ７０４に母乳が追加されない場合には、第２圧力Ｂは大気圧レベルに戻る。収集チャンバ７０４に追加される母乳がない場合、又は空気が乳房の周囲から漏れている場合、バルブ１０１は開放せず、母乳が収集チャンバ７０４に集められるまで、搾乳ポンプサイクルを繰り返す。しかしながら、母乳が存在する場合には、乳房シールド側の空気容積が母乳の容積だけ減少する。バリヤー１００の予負荷により収集チャンバ７０４内に過圧（容器内の圧力に対して）を発生し、バルブ１０１を開放する。即ち、バリヤー１００が膨張状態から形態を変えるとき、差動真空が逆転し、第１圧力Ａが減少し、第２圧力Ｂが増大する。圧力が収集チャンバ７０４内の大気圧と等しいか或いはそれよりも高い場合には、通路内の母乳は、バルブ１０１を通って収集チャンバ７０４から収集容器２１０に流入できる。即ち母乳解放工程である。バリヤー１００は、変位中にその予負荷を使用し、空気圧により母乳に圧力を加え、かくしてバルブ１０１を開放し、母乳を収集容器２１０内に解放する。母乳が解放されたとき、バリヤー１００によって加えられた圧力は、バリヤーの初期状態による予負荷まで減少する。
母乳の解放後、バルブ１００は閉鎖する。真空システムは、次いで、このサイクルに亘り、以上の工程を吸引工程から始めて繰り返す。

本発明は、バリヤーが完全には初期状態に戻らないように適合できるということに着目すべきである。これは、ポンプ作動中に最小真空レベルを乳房シールド内に維持しなければならない場合に行われる。それにも関わらず、バリヤーは、初期状態に達しないにせよ、初期状態に戻ろうとする。

図１０は、様々な汚染バリヤーの性能（曲線）の比較チャートである。図１０のグラフに示すように、バリヤーの前後の圧力降下即ち差動圧力をｙ軸に沿って（ｍｍＨｇ）で示し、真空側吸引力をｘ軸に沿って（ｍｍＨｇ）で示す。グラフは、最大−２５０ｍｍＨｇの一回のポンプ作動サイクルに基づいて値を示す。圧力降下は、バリヤーの乳房シールド側に作用する圧力とバリヤーのポンプ側に作用する圧力との間の差である。

フリースタイル（ＦＲＥＥＳＴＹＬＥ）曲線は、本発明の実施例に関する。ここに示すように、４ｍｍＨｇの予負荷が加わっている。即ちバリヤーの移動前にこの量の真空を必要とする。ピュアリーヨアーズ（ＰＵＲＥＬＹ ＹＯＵＲＳ）、アイシスＩＱデュオ（ＩＳＩＳ ＩＱ ＤＵＯ）、及びエンブレース（ＥＭＢＲＡＣＥ）は、商業的製品である。
これらは、予負荷なしで組み立てられる。図１０でわかるように、本発明の利点を備えたフリースタイルは、全真空範囲に亘り、バリヤー前後の圧力降下が最も一定である。このことは、本発明で考えているバリヤーを実施した場合、機械的伝達が優れており、搾乳ポンプシステムで必要とされるエネルギの量が小さいということを示す。フリースタイルバリヤーは、ひとたび予負荷を越えると、エネルギ損失が最小であるという点で最も効率が優れている。

バリヤーには、本発明の範疇に含まれる多くの形状や大きさがあるということは理解されよう。ドーム状、凹状、及び凸状といった用語を使用したのは、本発明を丸みのあるバリヤーに限定しないためである。本明細書中に論じたばね作用を得るため、材料の厚さ及び形状がバリヤーの中心からの距離及び角度に関して変化する、任意の形状の、例えば円形以外のバリヤーが考えられる。上文中に説明した目的、とりわけ以上の説明から明らかな目的を効率的に達成する。また、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上述の構造に所定の変更を加えることができるため、以上の説明に含まれる、又は添付図面に示した全ての事項は、例示であって、限定を意味しようとするものではない。更に、以下の特許請求の範囲は、本明細書中に説明した本発明の本来の並びに特定の特徴の全てを含もうとするものであって、本発明の範囲についての言語としての全ての言及はこれらの間に含まれるということは理解されるべきである。

本発明を特定の実施例を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変更を行うことができるということは当業者には理解されよう。これらの実施例の各々及びその変更は、以下の特許請求の範囲に記載した本発明の範囲に含まれるものと考えられる。

１００ バリヤー
１０１ バルブ
１０２ 内面
１０４ 外面
１０６ 中央パネル
１０８ 中間パネル
１１０ 外パネル
１１２ 側壁
１１４ リム
２００ 搾乳ポンプアッセンブリ
２０２ 乳房シールド
２０４ 前ハウジング
２０５ ベース部分
２０６ 後ハウジング
２０８ ボトルカラー
２１０ 収集容器
２１２ ポート

Claims (23)

1. 搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   乳房シールドと、
   圧力及び液体を搬送するようになった導管構造と、
   前記導管構造と連通した収集容器と、
   ハウジングと、
   前記ハウジングと連通した真空源と、
   予負荷が加えられた初期状態で前記ハウジングの部分間に組み立てられた弾性バリヤーとを含み、
   前記バリヤーは、前記真空源からの真空に応じて膨張状態をとり、前記バリヤーは前記予負荷を使用し、前記膨張状態から前記初期状態への形態変化を補助する、搾乳ポンプアッセンブリ。
2. 搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   乳房シールドと、
   前記乳房シールドと真空ラインを介して連通した真空源と、
   前側及び後側を持つ、前記乳房シールドと隣接したハウジングと、
   予負荷が加えられた初期状態で前記ハウジングの前記前側と前記後側との間に組み立てられた弾性バリヤーとを含み、
   前記バリヤーは、前記真空源から加えられた真空に応じて膨張状態をとり、前記加えられた真空が解放されたときに前記膨張状態から戻る、搾乳ポンプアッセンブリ。
3. 圧力発生ポンプと乳房シールドとの間の圧力ライン内に汚染バリヤーが配置された改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   乳房シールド側及び圧力側を持つハウジングと、
   前記バリヤーは、前記ハウジングの乳房シールド側と圧力側とを分離し且つ遮断し、前記バリヤーは所定の形状を有し、予負荷が加えられた初期状態で、前記ハウジング内に前記ハウジングの乳房シールド側と圧力側との間に組み立てられ、前記バリヤーには、圧力が加えられていない場合に前記乳房シールド側に向かう方向に所定の押圧力が加えられている、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
4. 請求項３に記載の改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   前記バリヤーは、前記真空源から加えられた真空に応じて膨張状態をとり、前記加えられた真空が解放されたときに前記初期状態に向かって戻る、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
5. 請求項４に記載の改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   前記バリヤーは全体に凸状の形状を有し、この形状は、少なくとも部分的に凸状のバリヤー側によって形成されており、前記バリヤーは、初期状態において、前記押圧力により前記凸状のバリヤー側を前記ハウジングの乳房シールド側内側壁に押し付けるように前記ハウジング内に組み立てられる、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
6. 請求項５に記載の改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   更に、前記凸状のバリヤー側の、前記凸状部分の中央とほぼ同心の表面には、少なくとも一つの凹凸が形成されている、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
7. 請求項６に記載の改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   前記ハウジングの前記乳房シールド側内側壁は、前記凸状のバリヤー側とほぼ一致する形状を有し、前記バリヤー及び前記乳房シールド側側壁は、面を向き合わせて係合したとき、ほぼぴったりとあう、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
8. 請求項７に記載の改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   前記バリヤーは、前記膨張状態では逆になる、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
9. 請求項８に記載の改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
   前記ハウジングは真空側側壁を有し、前記ハウジングの前記真空側側壁は、前記逆になったバリヤーの形状とほぼ一致する所定の形状を有し、前記バリヤー及び前記真空側側壁は、面を向き合わせて係合したとき、ほぼぴったりと合う、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
10. 請求項６に記載の改良搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記バリヤーは、前記バリヤーを前記膨張状態から前記初期状態へ戻そうとする曲げモーメントを前記バリヤーに提供するように設計された複数のほぼ同心の波形起伏を有する、改良搾乳ポンプアッセンブリ。
11. 搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    女性の乳房及び乳首を内部に受け入れる乳房シールドと、
    絞り出した母乳用の容器と、
    真空源と、
    前記真空源を制御する機構と、
    前記真空源から前記乳房シールドまで真空を搬送する真空導管構造と、
    前記真空導管構造で前記乳房シールドと近接して配置された弾性バリヤーであって、ハウジング内に取り付けられており、前記ハウジングは乳房シールド側及び真空側を持ち、前記バリヤーは、前記ハウジングの前記乳房シールド側と前記真空側とを分離し、前記バリヤーは、少なくとも部分的に凸状形状を形成する外面及び内面を有し、前記凸状形状は、膨張位置から休止位置に戻るときに前記バリヤーを前記凸状形状に向かって押圧し、前記ハウジングは、前記バリヤーの前記外面に設けられた前記バリヤーの前記凸状形状と形態がほぼ一致する乳房シールド側内側壁を有し、前記バリヤーは、前記凸状形状の前記外面が、前記ハウジングの前記乳房シールド側内側壁の方に近く、前記バリヤーが前記休止位置にある場合には、前記押圧力により前記バリヤーが前記内側壁に押し付けられ、前記バリヤーを初期予負荷状態にする、搾乳ポンプ。
12. 請求項１１に記載の搾乳ポンプにおいて、
    前記バリヤーには、前記バリヤーの中心から全体に半径方向に間隔が隔てられており且つ前記バリヤーの中心を中心として同心の少なくとも一つの凹凸が形成されており、
    前記ハウジングの前記乳房シールド側内側壁は、前記バリヤーの前記外面の前記バリヤーを凸状形状とほぼ一致する表面形状を有し、前記バリヤーは、前記初期予負荷状態で、前記乳房シールド側内側壁の表面と係合する、搾乳ポンプ。
13. 請求項１２に記載の搾乳ポンプにおいて、
    前記真空側の後壁面の形状は、前記真空源から前記真空が加えられることによって前記バリヤーが前記休止位置から移動された前記膨張位置での前記バリヤーの形状とほぼ一致し、前記膨張位置では、変形したバリヤーは、前記真空側の後壁面とほぼ一致し、面と面とを向き合わせて係合するように変形する、搾乳ポンプ。
14. 真空ライン内のポンプの部分を汚染から遮断する搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    乳房シールドと、
    前記真空ラインを介して前記乳房シールドと連通した真空源と、
    乳房シールド側及び真空側を持ち、前記真空ラインと連通したハウジングと、
    少なくとも一部が全体にドーム状であり、前記ドームについてのベースから前記第１面まで計測した、組み立てられていない状態での所定のドーム高さを有する第１表面を持つ所定の形態の弾性バリヤーとを含み、
    前記弾性バリヤーは、前記ハウジングの乳房シールド側及び真空側を互いに分離することによって遮断するように前記ハウジング内に組み立てられ、初期状態では予負荷が加えられており、組み立てられた状態での前記バリヤーのドーム高さは、前記組み立てられていない状態でのドーム高さよりも小さい、搾乳ポンプアッセンブリ。
15. 請求項１４に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記バリヤーは、前記真空源から真空が加えられるのに応じて膨張状態をとり、前記バリヤーは、前記加えられた真空が解放されるのに応じて前記膨張状態から前記初期状態に戻る、搾乳ポンプアッセンブリ。
16. 請求項１５に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記バリヤーの前記第１表面は、前記初期状態では、前記ハウジングの前記乳房シールド側の内側壁に当接する、搾乳ポンプアッセンブリ。
17. 請求項１６に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記バリヤーは、前記第１表面とは反対側に第２表面を有し、前記バリヤーの前記第２表面は、前記膨張状態で、前記ハウジングの前記真空側の内側壁に当接する、搾乳ポンプアッセンブリ。
18. 請求項１７に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記バリヤーは全体に凸状形状を有し、少なくとも一つの凹凸部が、前記バリヤーの中心を中心として全体に半径方向に間隔が隔てられており且つ同心に形成されており、前記ハウジングの前記乳房シールド側内側壁の表面形状は、前記バリヤーの前記第１表面の形状とほぼ一致し、前記バリヤーは、前記予負荷状態では、前記乳房シールド側内側壁表面と面と面とを向き合わせて係合し、前記ハウジングの前記真空側内側壁の表面形状は、前記膨張状態の前記バリヤーの形状とほぼ一致し、前記バリヤーは、前記初期状態から前記膨張状態への移動中に逆になり、前記逆になったバリヤーは、前記膨張状態で面と面とを向き合わせて係合した前記真空側内側壁表面とほぼ一致する、搾乳ポンプアッセンブリ。
19. 請求項１４に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記バリヤーは弾性材料で形成されており、この弾性材料は、前記バリヤーの形状と相まって、前記真空の解放時に、前記バリヤーを前記膨張状態から前記初期状態に戻す、搾乳ポンプアッセンブリ。
20. 請求項１４に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記乳房シールド側に作用する前記真空は、初期真空レベルが前記真空側に作用して前記予負荷状態を越えた後、前記真空側に作用する真空とほぼ１対１の関係にある、搾乳ポンプアッセンブリ。
21. 請求項２０に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記予負荷状態を越える前記初期真空レベルは約４ｍｍＨｇである、搾乳ポンプアッセンブリ。
22. 請求項２１に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、更に、
    母乳を乳房シールドから容器に捕捉チャンバ及び該捕捉チャンバと前記容器との間の一方向バルブを介して搬送する母乳導管構造を含み、
    前記バリヤーは、前記捕捉チャンバ内に所定の最小量の母乳がある状態で前記初期状態に戻るとき、前記捕捉チャンバ内に前記容器に対して高い圧力を発生し、前記バルブを開放し、母乳を解放して前記容器に入れる、搾乳ポンプアッセンブリ。
23. 請求項１４に記載の搾乳ポンプアッセンブリにおいて、
    前記バリヤーは、取り付けられていない状態で所定の凸状の形成形状を有し、前記ハウジング内に取り付けられたとき、前記バリヤーは、前記初期状態では、前記凸状の形成形状に達することができず、前記バリヤーは、前記初期状態において、前記ハウジング前壁に押し付けられる、搾乳ポンプアッセンブリ。

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