以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置100は、端末に設けられ、上りリンク送信を行うものである。
送信装置100は、送信データを符号化部101に入力する。符号化部101は、MCS(adaptive Modulation and Coding Scheme)制御部122により指示された符号化率を用いて、送信データ系列を誤り訂正符号化する。インターリーバ102は、符号化ビット列を所定のインターリーブパターンを用いてインターリーブする。
パーサ部103は、サブキャリア割当制御部124からの配分情報に基づいて、入力ビット列を、第1のサブキャリア変調部104又は第2のサブキャリア変調部105のいずれかに出力する。換言すれば、パーサ部103は、配分情報に基づいて、入力ビット列を、第1のサブキャリア変調部104及び第2のサブキャリア変調部105に分配する。
第1のサブキャリア変調部104は、キャリア変調部106と、DFT(Discrete Fourier Transform)部107とを有する。キャリア変調部106は、MCS制御部122からの変調方式情報に基づく変調方式(変調多値数)を用いて入力ビット列を変調する。これにより、キャリア変調部104からは、変調方式情報に応じた変調多値数のシンボルにマッピングされたシンボルデータ列が出力される。
DFT部107は、第1のサブキャリア変調部104へのサブキャリア配分がN1個である場合、N1個のシンボルデータを一つのブロックとして、DFT処理を行うことで、複数の変調信号を周波数領域に変換し、処理後の信号をサブキャリアマッピング部110に出力する。以下、第1のサブキャリア変調部104から出力される信号を第1のサブキャリア変調信号と呼ぶこともある。
第2のサブキャリア変調部105は、キャリア変調部108と、シリアルパラレル変換(S/P)部109とを有する。キャリア変調部108は、MCS制御部122からの変調方式情報に基づく変調方式(変調多値数)を用いて入力ビット列を変調する。これにより、キャリア変調部108からは、変調方式情報に応じた変調多値数のシンボルにマッピングされたシンボルデータ列が出力される。ここで、キャリア変調部108は、キャリア変調部106に入力される変調方式情報とは異なる変調方式情報が入力された場合には、キャリア変調部106と異なる変調方式を用いて変調を行う。
S/P部109は、第2のサブキャリア変調部105へのサブキャリア配分がN2個である場合、N2個のシンボルデータのシリアルデータを一つのブロックとして、パラレルデータに変換して、サブキャリアマッピング部110に出力する。以下、第2のサブキャリア変調部105から出力される信号を、第2のサブキャリア変調信号と呼ぶこともある。
サブキャリアマッピング部110は、第1のサブキャリア変調部104の出力及び第2のサブキャリア変調部105の出力をそれぞれ、サブキャリア割当制御部124からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111へ出力する。
図2に、サブキャリア割当制御部124によるサブキャリア割当の様子を示す。図2AはDFT部107からの出力を、局所的サブキャリアに配置する場合(以下これをローカライズ配置と呼ぶ)を示し、図2BはDFT部107からの出力を分散的サブキャリアに配置する場合(以下これをディストリビュート配置と呼ぶ)を示す。
サブキャリア割当制御部124は、以下の1)、2)の関係を満たしつつ、周波数リソース割当情報に基づき、第1及び第2のサブキャリアn変調部104、105の出力を、サブキャリアに割り当てると好適である。
1)第2のサブキャリア変調部105の出力が割り当てられるサブキャリア数は、第1のサブキャリア変調部104の出力が割り当てられるサブキャリア数以下とする。これにより、PAPRを低減できる。
2)第1のサブキャリア変調部104の出力が割り当てられるサブキャリアは、連続したサブキャリアを割り当てる(ローカライズ配置)か、等間隔のサブキャリアを使用する(ディストリビュート配置)。なお、図2Bは、L個の等間隔のサブキャリアを使用したディストリビュート配置を示している。
因みに、周波数リソース割当情報などの制御信号の送信は、予め既定の方式(第1のサブキャリア変調部104又は第2のサブキャリア変調部105)を用いて送信するとよい。このようにすれば、制御信号が、どちらのサブキャリア変調信号に割り当てられているかを通知する必要がなくなるので、この分だけオーバーヘッドを低減することができる。なお、図1では、制御信号生成部112の信号を直接IFFT部111に入力しているが、上述した処理を行う場合には、制御信号生成部112の信号を第1のサブキャリア変調部104又は第2のサブキャリア変調部105に入力すればよい。
IFFT部111には、サブキャリアマッピング部110からのデータ信号に加えて、制御信号生成部112からの制御信号とパイロット信号生成部113からのパイロット信号とが入力され、IFFT部111は、これらに対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。CP付加部114は、IFFT部111の出力信号にCP(サイクリックプレフィクス;Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部120は、CP付加部114から出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116に送出する。
次に、送信装置100の受信系について説明する。
アンテナ116で受信された信号は、受信RF部120によって、増幅処理やダウンコンバート等の所定の無線受信処理が施された後、チャネル品質情報抽出部121及び周波数リソース割当情報抽出部123に送出される。
チャネル品質情報抽出部121は、通信相手局(本実施の形態の場合、基地局)の受信装置で測定され、当該通信相手局から送信されたチャネル品質情報を抽出する。すなわち、送信装置100が送信した信号の受信時のチャネル品質情報を抽出し、これをMCS制御部122に送出する。MCS制御部122は、チャネル品質情報を基に、符号化部101の符号化率及びキャリア変調部106、108の変調多値数等を決定する。
周波数リソース割当情報抽出部123は、受信信号に含まれる、通信相手局から送信された周波数リソース割当情報を抽出する。周波数リソース割当情報には、送信装置100が送信帯域中のどのサブキャリアに、どのサブキャリア変調信号を配置して送信すればよいかを示す情報が含まれる。
サブキャリア割当制御部124は、周波数リソース割当情報に基づいて、第1のサブキャリア変調部104及び第2のサブキャリア変調部105の出力が、使用するサブキャリア配分及びサブキャリア配置を決定し、決定結果をパーサ部103及びサブキャリアマッピング部110に出力する。
図3に、本実施の形態の受信装置の構成を示す。受信装置200は、基地局に設けられ、送信装置100から送信された信号を受信復調する。
受信装置200は、アンテナ201において受信した信号を、受信RF部202によって増幅処理やダウンコンバート等の所定の無線受信処理を施し、CP除去部203でCPを除去した信号をFFT部204に入力する。FFT部204は、入力信号にFFT処理を施し、処理後の信号を等化部205、チャネル推定部206及びチャネル品質測定部207に送出する。
等化部205は、チャネル推定部206で推定されたサブキャリア毎のチャネル推定値を用いて、ZF(Zero Forcing)規範又はMMSE(Minimum Mean Square Error)規範を用いて、等化を行う。なお、等化部205は、第1のサブキャリア変調信号が割り当てられているサブキャリアに対しては、MMSE規範による周波数領域等化を行うこともできる。また、等化部205は、第2のサブキャリア変調信号が割り当てられているサブキャリアに対しては、ZF規範による周波数等化を行うこともできる。上記のように、等化部205は、いずれのサブキャリア変調信号であるかに応じて、等化方式を切り換えるようにしてもよい。等化部205の出力は、サブキャリアデマッピング部208及びMCS情報抽出部209に送出される。
チャネル品質測定部207は、サブキャリア毎のチャネル品質を測定し、測定結果を周波数リソース割当制御部210及び符号化部221に送出する。
周波数リソース割当制御部210は、サブキャリア毎のチャネル品質に基づいて、どのサブキャリアに、第1及び第2のサブキャリア変調部104、105のどちらの出力を割り当てるかを制御する。つまり、周波数リソース割当制御部210によって決定された周波数割当情報が、符号化部221、変調部222、多重部223、送信RF部226及びアンテナ201を介して送信装置100に送信され、この周波数割当情報に基づいて、送信装置100において第1及び2のサブキャリア変調部104、105の出力がどのようにサブキャリアに配置されるかが制御される。また、周波数リソース割当情報は、周波数リソース割当情報記憶部211に記憶される。
なお、受信装置200は、送信データを、符号化部224、変調部225、多重部223、送信RF部226及びアンテナ201を介して送信装置100に送信する。
サブキャリアデマッピング部208は、周波数リソース割当情報を基に、第1のサブキャリア変調信号が割り当てられたサブキャリア群をIDFT部212に出力する。一方、サブキャリアマッピング部208は、第2のサブキャリア変調信号が割り当てられたサブキャリア群をP/S変換部215に出力する。
IDFT部212は、周波数リソース割当情報に基づき、入力信号にN1個のサブキャリア信号が含まれる場合、N1個のサイズでIDFTを行う。
P/S部215は、周波数リソース割当情報に基づき、入力信号にN2個のサブキャリア信号が含まれる場合、N2個のサイズでパラレルシリアル変換を行う。
第1及び第2の復調部213、216はそれぞれ、入力される変調シンボル系列に対して、MCS情報抽出部209からの変調方式情報に対応したシンボルデマッピング処理を行い、ビット毎の軟判定尤度値を算出する。
ここで、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号におけるキャリア変調部106及び108でのMCS設定を、第1のサブキャリア変調信号の受信特性から決定するとよい。すなわち、AWGN(熱雑音)環境での、第1のサブキャリア変調信号における受信品質(SIR、CIR等)対誤り率特性(BER、PER等)の特性から所定の誤り率を満たす多値変調数及び符号化率を決定する。
そのような場合、第1のサブキャリア変調信号に対応する受信信号は、チャネル推定誤差の影響等により、マルチパス干渉の影響を受け易く、受信特性が劣化し易い。特に、第1のサブキャリア変調信号に対応する受信信号は、変調多値数が大きいほど、その影響を受け易い。そのため、チャネル品質が同程度で、同じ変調多値数を用いて、第1及び第2のサブキャリア変調信号の受信特性を比較した場合、第2のサブキャリア変調信号の受信特性が、第1のサブキャリア変調信号の受信特性よりも良好になる確率が高くなる。
第1及び第2の尤度重み付け部214、217は、この性質を利用して、復調部213、216の出力である軟判定尤度値に重み付けを行う。すなわち、第2の尤度重み付け部217は、第2の復調部216の出力の軟判定尤度値に対して、信頼度を高める重み付け係数αを乗算する。ここで、α>1である。あるいはまた、第1の尤度重み付け部214は、第1の復調部213の出力の軟判定尤度値に対して、信頼度を低くする重み付け係数βを乗算する。ここで、β<1である。すなわち、第1の尤度重み付け部214の重み付け係数を、第2の重み付け部217の重み付け係数よりも小さくする。このような尤度重み付けを行うことにより、誤り訂正復号が処理されることで、第1のサブキャリア変調信号の受信特性を改善することができる。
デパーサ部218は、周波数リソース割当情報に基づき、送信装置100のパーサ部103での配分処理と逆の処理を行うことで、第1及び第2の重み付け尤度部214、217からの出力をシリアル信号とする。デパーサ部218の出力はデインターリーバ219でデインターリーブされ、復号部220において誤り訂正復号処理されることで、受信データとされる。
図4に、第1のサブキャリア変調信号の割合を変化した場合の、PAPRの累積確率分布を示す。図の横軸はPAPRを示し、縦軸は累積確率分布(CDF)を示す。また、図4は、変調方式をQPSK、RB(Resource Block)を12サブキャリアとした場合のシミュレーション結果である。図4から、第1のサブキャリア変調信号の割合を、50[%]以上に設定すると、PAPRを非常に小さくできることが分かる。
図5に、本実施の形態の周波数リソース割当(図5A)と、従来の周波数リソース割当(図5B)との比較例を示す。図5Bは、第1のサブキャリア変調信号のみをローカライズ配置した従来の割当例を示すものである。図5Bより、第1のサブキャリア変調信号だけでは、PAPRの増加は抑えられるが、サブキャリア配置に制約を受けるため、最適な品質が得られるリソース割当が困難であることがわかる。
すなわち、図5Bでは、PAPRの増加は抑制できるが、第1のサブキャリア変調信号のサブキャリア配置の制約を受けるため、最適な品質が得られるリソース割当が困難であることがわかる。
これに対して、図5Aに示すように、本実施の形態では、第1及び第2のサブキャリア変調信号を用いるので、柔軟でかつ良好な周波数割当を実現できる。すなわち、PAPRを抑えつつ、最適な品質が得られるリソース割当が可能となる。
ここで、第1及び第2のサブキャリア変調信号のサブキャリア割当の手法として、例えば以下の 1)、2)がある。以下の手法を用いることで、送信データのQoSを考慮した周波数リソース割当を行うことができる。
1)品質優先: チャネル品質が良好なサブキャリアに、第1のサブキャリア変調信号を優先的に割当て、残りのサブキャリアに第2のサブキャリア変調信号を割り当てる。
2)レート優先: チャネル品質が良好なサブキャリアに、第2のサブキャリア変調信号を優先的に割当て、残りのサブキャリアに第1のサブキャリア変調信号を割り当てる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数の変調信号が周波数領域に変換された第1のサブキャリア変調信号を形成する第1のサブキャリア変調部104と、複数の変調信号がパラレル変換された第2のサブキャリア変調信号を形成する第2のサブキャリア変調部105と、第1及び第2のサブキャリア変調信号を逆フーリエ変換することで、OFDM信号を形成するIFFT部111と、OFDM信号を構成する複数サブキャリアへの、第1及び第2のサブキャリア変調信号の割り当てを制御するサブキャリアマッピング部110とを設けたことにより、誤り率特性の確保と、セルカバレッジの拡大といった要求に柔軟に対応できる送信装置100を実現できる。
図1との対応部分に同一符号を付して示す図6に、本実施の形態の送信装置の別の構成例を示す。なお、図6では、第1及び第2のサブキャリア変調部104、105の前段側の構成は省略して示した。送信装置300は、第2のサブキャリア変調部105に、送信データのうち、重要データを入力する。一方、送信装置300は、第1のサブキャリア変調部104に、送信データのうち、重要度が高くない通常データを入力する。これにより、第2のサブキャリア変調信号の受信品質が、第1のサブキャリア変調信号よりも良好である特性を利用して、送信信号全体の受信品質を高めることができる。
重要データとしては、制御信号がある。あるいはまた、誤り訂正符号化器(図1における符号化部101)が、システマティック符号(ターボ符号、LDPC)を用いる構成とされている場合には、システマティックビット(systematic bit)を重要データとして、優先的に第2のサブキャリア変調信号に割り当てて送信し、パリティビット(Parity bit)は通常データとして、第1のサブキャリア変調信号に割り当てて送信するとよい。
図3との対応部分に同一符号を付して示す図7に、本実施の形態の受信装置の別の構成例を示す。受信装置400は、サブキャリアデマッピング部208の後段側に、第1及び第2のサブキャリア変調信号独立に等化部205−1、205−2が設けられている。このようにすることで、等化部205−1、205−2においてそれぞれ、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号に最適な等化方式を用いて等化処理を行うことができ、第1及び第2のサブキャリア変調信号を同一の等化方式で等化処理する場合よりも受信特性を改善することができる。
なお、本実施の形態においては、送信装置100に1つの符号化部101を設けた場合について述べたが、複数の符号化部を設け、例えば第1のサブキャリア変調信号と、第2のサブキャリア変調信号を別の符号化部によって符号化するようにしてもよい。これは、後述する他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態においては、受信装置200、400に、重み付け部214、217を設けた場合について述べたが、重み付け部を省略してもよい。これは、後述する他の実施の形態においても同様である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送信する送信装置を、FDD通信システムの端末に設けた場合(つまり、実施の形態1では、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を上りリンクで送信する場合)の構成を説明した。
本実施の形態では、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送信する送信装置を、基地局に設けた場合(つまり、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を下りリンクで送信する場合)の構成を説明する。
以下では、実施の形態1と異なる構成部分のみ説明する。
図1との対応部分に同一符号を付して示す図8に、本実施の形態の送信装置500の構成を示す。送信装置500は、基地局に設けられている。
送信装置500のチャネル品質情報抽出部121は、受信装置(端末)から送信されたチャネル品質情報を受信信号から抽出する。サブキャリア割当制御部501は、チャネル品質情報を基に、送信装置500が送信帯域中のどのサブキャリアを用いて送信するかを決定する。加えて、サブキャリア割当制御部501は、チャネル品質情報を基に、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア配分を決定し、その結果をパーサ部103及びサブキャリアマッピング部110に出力する。
制御信号生成部502は、受信装置に通知するためのサブキャリア割当情報とサブキャリアに割り当てたMCSの情報(MCS情報)とを含む制御信号を生成する。
図3との対応部分に同一符号を付して示す図9に、本実施の形態の受信装置の構成を示す。受信装置600は、端末に設けられている。
周波数リソース割当情報抽出部601は、送信装置500により送信された制御信号に含まれる周波数リソース割当情報を抽出する。周波数リソース割当情報は、どのサブキャリアに、第1又は第2のどちらのサブキャリアの変調信号がマッピングされているかの配分を示す情報である。周波数リソース割当情報抽出部601は、抽出した周波数リソース割当情報を、サブキャリアデマッピング部208、IDFT部212、P/S部215及びデパーサ部218に送出する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図1及び図6との対応部分に同一符号を付して示す図10に、本実施の形態の送信装置の主要部の構成を示す。図10では、本実施の形態において、新たに提案する構成の周辺部分のみを示し、それ以外の構成は省略して示している。
送信装置700は、第1のサブキャリア変調部104の出力側に帯域制限フィルタ701が設けられており、帯域制限フィルタ701によって第1のサブキャリア変調信号の帯域を制限した後に、サブキャリアマッピング部110に入力させるようになっている。
帯域制限フィルタ701は、図11に示すように、DFT出力である第1のサブキャリア変調信号をローカライズ配置し、その帯域の両端にあるサブキャリアNf個を、別な帯域端に、それぞれコピーした後にRRC(Root Raised Cosine)フィルタをかける。ここで、コピーするサブキャリア数は、RRCフィルタのロールオフ率αに依存して決定される。ここでDFT部107が、周波数リソース割当情報に基づき、N1個のサイズでDFTを行う場合、一方の帯域端においてNf=CEIL[(N1×α)/2]分のサブキャリア信号をそれぞれコピーし、反対側の帯域端にサブキャリア信号を外挿する。ここでCEIL[x]は、xを超える最小の整数を表す。
ここでRRCフィルタに関しては、例えば非特許文献1に記載されているため、ここでの詳細説明は省略する。
サブキャリアマッピング部110は、帯域制限された第1のサブキャリア変調信号の出力に対し、RRCフィルタのロールオフ率αに依存した間隔Nf個以上のサブキャリア間隔Nsをとり、第2のサブキャリア変調信号をマッピングする。
以上により、第1のサブキャリア変調信号におけるPAPRがより低減される。一方、第2のサブキャリア変調信号の配置をロールオフ率に依存した間隔以上広げることで、第1のサブキャリア変調信号の干渉をなくすことができ、受信側ではSIRの劣化なく第2のサブキャリア変調信号を受信できるようになる。
図12に、本実施の形態の送信装置の別の構成例を示す。送信装置800は、サブキャリアマッピング部110の出力側に帯域制限フィルタ801が設けられている。
図13に、サブキャリアマッピング部110の出力を示す。図のように、サブキャリアマッピング部110は、第1のサブキャリア変調信号をローカライズ配置し、それに隣接させて第2のサブキャリア変調信号を配置する。なお、図では、第1のサブキャリア変調信号と第2のサブキャリア変調信号間には間隔があいていないが、間隔をあけてもよい。
帯域制限フィルタ801は、図13に示すように、第1及び第2のサブキャリア変調信号が構成する、サブキャリア信号全体の帯域の両端にあるサブキャリアNf個を、別な帯域端に、それぞれコピーした後にRRC(Root Raised Cosine)フィルタをかける。ここで、コピーするサブキャリア数は、RRCフィルタのロールオフ率αに依存して決定される。ここでDFT部107が、周波数リソース割当情報に基づき、N1個のサイズでDFTを行い、S/P部109が、N2個のサイズ単位でパラレル変換を行う場合、以下のようにサブキャリア信号を外挿する。
すなわち、第1のサブキャリア変調信号に、割り当てられる帯域の外側となる帯域端において、Nf=CEIL[(N1+N2)×α/2]分のサブキャリアをそれぞれコピーし、反対側の帯域端に外挿する。そして、第2のサブキャリア信号に、割り当てられる帯域の外側となる帯域端において、Nf=CEIL[(N1+N2)×α/2]分のサブキャリアをコピーし、反対側の帯域端に外挿する。この処理は、帯域制限フィルタ801で行ってもよく、サブキャリアマッピング部110で行ってもよい。ここでCEIL[x]は、xを超える最小の整数を表す。
以上により、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号に対する、PAPRを低減することができる。
(実施の形態4)
図1との対応部分に同一符号を付して示す図14に、本実施の形態の送信装置の構成を示す。送信装置1000は、n個のアンテナ116−1〜116−nを有すると共に、それぞれが各アンテナに対応したn個の送信ユニット1001−1〜1001−nを有する。これにより、送信装置1000は、複数のアンテナ116−1〜116−nを用いたMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)送信により、実施の形態1〜実施の形態3で説明した変調信号を空間多重伝送するようになっている。
各送信ユニット1001−1〜1001−nは、実施の形態1で説明した図1の送信系の構成要素101〜115から構成されている。各送信ユニット1001−1〜1001−nで得られた信号は、対応する各アンテナ116−1〜116−nに供給される。
受信系は、実施の形態1で説明した受信系と同様である。但し、MCS制御部122は各送信ユニット1001−1〜1001−nにMCSを送出し、サブキャリア割当制御部124は各送信ユニット1001−1〜1001−nにサブキャリア割当情報を送出する。
ここで、本実施の形態は、シングルユーザMIMO伝送を想定しており、アンテナ116−1〜116−n間で共通なサブキャリア変調信号のマッピングを行う。具体的には、各送信ユニット1001−1〜1001−nにおけるサブキャリアマッピング部110での第1及び第2のサブキャリア変調信号のマッピングを共通にすることで、アンテナ間116−1〜116−nで共通なサブキャリアマッピングを行う。少なくとも第2のサブキャリア変調信号のサブキャリアマッピングは、アンテナ116−1〜116−n間で共通にする。なお、この際、サブキャリア変調部104、105における変調多値数は、アンテナ間で共通にしなくともよく、アンテナ毎にチャネル品質に応じて、適応的に制御してもよい。
図15及び図16に、送信装置1000によるアンテナ116−1〜116−n間でのサブキャリアマッピングの様子を示す。図15は、第1のサブキャリア変調信号(DFT部107からの出力)をローカライズ配置する場合の様子を示し、図16は、第1のサブキャリア変調信号(DFT部107からの出力)をディストリビュート配置する場合の様子を示す。
送信装置1000は、図15及び図16に示すように、ローカライズ配置を行う場合又はディストリビュート配置を行う場合のいずれの場合であっても、アンテナ1(送信ユニット1)の第1及び第2のサブキャリア変調信号の配置と、アンテナ2(送信ユニット2)の第1及び第2のサブキャリア変調信号の配置とを共通にする。
図3との対応部分に同一符号を付して示す図17に、送信装置1000から送信された空間多重信号を受信復調する受信装置1100の構成を示す。受信装置1100は、n個のアンテナ201−1〜201−nを有すると共に、それぞれが各アンテナに対応したn個の受信ユニット1101−1〜1101−nを有する。
各受信ユニット1101−1〜1101−nは、実施の形態1で説明した図3の受信系の構成要素とほぼ同じ構成要素から構成されている。以下に、図3の受信系と異なる部分を説明する。
サブキャリアデマッピング部208の後段には、線形分離等化部1102及び非線形分離部1103が設けられている。サブキャリアデマッピング部208は、周波数リソース割当情報記憶部211からの周波数リソース割当情報に基づいて(図17では図を簡略ささせるために、この信号線を省略してある)、第1のサブキャリア変調信号を線形分離等化部1102に、第2のサブキャリア変調信号を非線形分離部1103に送出する。
線形分離等化部1102は、MMSEやZFのような線形な空間多重分離及び周波数領域等化を行うことで、空間多重伝送された複数の第1のサブキャリア変調信号を分離する。
非線形分離部1103は、MLDのような非線形な空間多重分離手法を用いて、空間多重伝送された複数の第2のサブキャリア変調信号を分離する。
MCS情報抽出部1104は、線形分離等化部1102の出力からMCS情報を抽出し、これを第1及び第2の復調部213、216に加えて、非線形分離部1103に送出する。
以上の構成において、送信装置1000は、送信アンテナが異なっても、サブキャリア位置が同一であれば、同一の種類(第1又は第2の)サブキャリア変調信号を送信する。これにより、受信装置1100は、空間多重された同一の種類のサブキャリア変調信号に対して、空間多重分離手法を適用することになる。
ここで、特に、同一の種類のサブキャリア変調信号として、第2のサブキャリア変調信号が空間多重された場合、MMSEやZFのような線形な空間多重分離手法だけでなく、MLDのような非線形な空間多重分離手法を用いる非線形分離手法を適用できる。この点が、本実施の形態において重要な点である。
仮に、同一サブキャリアに対して、第1のサブキャリア変調信号と、第2のサブキャリア変調信号とを混在させて空間多重した場合を考える。第1のサブキャリア変調信号は、シンボル系列信号を、DFT部107を用いて周波数領域に変換している。このため、受信装置1100は、サブキャリアデマッピング後の信号に対し、MLDのような非線形な空間多重分離手法を用いることができなくなる。
ここで、線形空間多重分離手法は適用できるが、第1のサブキャリア変調信号におけるマルチパス干渉が十分排除しきれない場合、第2のサブキャリア変調信号の受信特性の劣化を引き起こすこととなる。すなわち、空間多重分離手法によらず、同一サブキャリアに、第1のサブキャリア変調信号と、第2のサブキャリア変調信号とを混在させる場合、十分な受信品質が得られないというデメリットが生じる。
本実施の形態によれば、サブキャリア位置が同一であれば、同一の種類(第1又は第2の)サブキャリア変調信号を送信したことにより、第2のサブキャリア変調信号を用いて送信されているサブキャリアは、MLDのような非線形な空間多重分離手法を用いる非線形分離部1103を用いて、空間多重伝送信号の分離が可能となる。これにより、第2のサブキャリア変調信号の受信品質を高めることができ、また、尤度重み付け補正により、第2のサブキャリア変調信号の尤度情報を高める重み付け処理を行うことで、第1のサブキャリア変調信号の誤り訂正後の受信品質をさらに高めることができる。
図17との対応部分に同一符号を付して示す図18に、本実施の形態の受信装置の別の構成例を示す。受信装置1200は、第1のサブキャリア変調信号を第1の分離等化部1201に入力すると共に、第2のサブキャリア変調信号を第2の分離等化部1202に入力する。第2の分離等化部1202は、第2のサブキャリア変調信号を、ZFやMMSEなどの線形分離手法を用いて空間多重分離する。なお、図18の構成を採用した場合でも、尤度重み付け補正による、第1のサブキャリア変調信号の誤り訂正後の受信品質の改善効果は図17と同様に得られるが、その効果は図17の構成よりも小さい。
なお、本実施の形態では、シングルユーザMIMO伝送を想定した構成例を説明したが、本実施の形態の原理は、上りマルチユーザMIMO伝送を行う場合にも適用できる。この場合、異なるユーザに送信ユニット1101及びアンテナ116が設けられていると考えればよく、異なるユーザから送信される信号間の関係を、上述したのと同様に共通化すればよい。すなわち、第1及び第2のサブキャリア変調信号のマッピングを同一にするように、周波数リソース割当情報を受信機(基地局)から各ユーザに通知し、異なるユーザの送信装置(端末)のサブキャリアマッピング部は、空間多重伝送信号間で共通なサブキャリアマッピングを行う。少なくとも第2のサブキャリア変調信号のサブキャリアマッピングはアンテナ間で共通にする。
(実施の形態5)
図1との対応部分に同一符号を付して示す図19に、本実施の形態の送信装置の構成を示す。送信装置1300は、送信電力制御情報抽出部1301を有する。送信電力制御情報抽出部1301は、受信機から通知される送信電力制御情報を抽出し、これを送信RF部115に加えて、サブキャリア割当制御部1302に送出する。
サブキャリア割当制御部1302は、送信電力制御情報を基に、第1及び第2のサブキャリア変調信号のサブキャリア割当を可変制御する。具体的には、図21に示すように、送信電力が最大送信電力から小さくなるにつれて、第2のサブキャリア変調信号の割合を多くしていく制御を行う。
また、この際に、使用する変調多値数毎に、図20に示すように、第2のサブキャリア変調信号の割合を可変したときのPAPR特性を予め測定しておき、割合を100[%]にしたときのPAPRの最大値Dmaxを基に、図21における制御の指標とする。
これにより、最大送信電力からの送信電力のマージンをみて、第2の変調方式の割合を可変することができる。このため、基地局近傍では、多値変調、MIMO伝送に好適な第2の変調方式の配分(場合によっては100[%]にする)を多くしてサブキャリアを割り当てることができる。これにより、PAPRの制限をうけることなく、受信品質を改善することができる。
一方、基地局から離れたセルエッジでは、送信電力を高くすることになり、その結果、第2の変調方式の配分を減らすことになり、さらに、PAPRを低減することができる。これにより、セルエッジでの送信電力を高めることができ、それに伴い受信品質の改善を図ることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送受信する送信装置及び受信装置に、HARQの機能を持たせた場合の構成を説明する。
HARQ(ハイブリッドARQ)は、自動再送要求(ARQ:Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正符号化とに基づく技術であり、例えば非特許文献2に記載されているため詳細な説明は省略する。HARQの処理を行うために、本実施の形態における送信装置は、パケット伝送を行う。パケット伝送では、送信データ系列は後述する規範に従って特定のビット長のブロック(データパケット)に分割され、そのブロック単位で伝送が行われる。
本実施の形態では、HARQの方式のうち、CC(Chase Combining)と呼ばれる方式を用いる。CC方式を用いる場合のHARQの動作について、図22を用いて簡単に説明する。
まず、送信装置がパケット#nを送信する(ステップST10)。受信装置はパケット#nを復調・復号し、復号結果に誤りを検出するとNACK(否定応答、NACK)を通知する(ステップST11)。送信装置はNACKを受け取ると、先ほど送信したパケット#nを再送する(ステップST12)。
受信装置は、ステップST10において送信されたパケット#nと、ステップST12において送信されたパケット#nとを、最大比合成してから復調・復号する。復号結果に誤りが検出されなければ、ACK(確認応答)を通知する(ステップST13)。送信装置はACKを受け取ると、次の新しいパケット#n+1を送信する(ステップST14)。
以降も同様に、送信装置は送信したパケットに対するACKを受信装置から受け取るまで同一のパケットを繰り返し送信し、ACKを受け取ると次の新規のパケットを送信する。CC方式については非特許文献3などに記載されているため、詳細な説明は省略する。
なお、本実施の形態では実施の形態1と同様に、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送信する送信装置を、FDD通信システムの上りリンク送信に用いる場合の構成を説明する。よって以下では、実施の形態1と異なる構成部分のみ説明する。
図1との対応部分に同一符号を付して示す図23に、本実施の形態の送信装置(端末)の構成を示す。送信装置1400は、FDD通信システムの端末に設けられている。送信装置1400(端末)は、図1の送信装置100の構成に加えて、再送制御情報抽出部1401と、パケット生成部1402とを有する。また、送信装置1400(端末)は、サブキャリア割当制御部124−1の構成が、送信装置100のサブキャリア割当制御部124の構成と異なる。
図24に、サブキャリア割当制御部124−1の内部の構成を示す。サブキャリア割当制御部124−1には、周波数リソース割当情報抽出部123からの周波数リソース割当情報と、再送制御情報抽出部1401からの再送回数Krとが入力されている。
使用サブキャリア数計算部1411は、周波数リソース割当情報を基に、第1及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てて、使用するサブキャリアの数N1,N2を計算する。計算されたN1,N2はパーサ部103へと出力される。パーサ部103に出力されたN1,N2の情報は、インターリーバ102からパーサ部103に入力された符号化ビット列を、N1:N2の比率で第1のサブキャリア変調部及び第2のサブキャリア変調部へと配分するために用いられる。
サブキャリア割当パターン選択部1412には、予めシステムで利用可能な第1及び第2のサブキャリアの集合(以降、複数のサブキャリアの集合のことをサブキャリア群と記す)の配置パターンが記憶されている。サブキャリア割当パターン選択部1412は、周波数リソース割当情報と再送回数Krとの組み合わせから配置パターンを選択し、選択した配置パターンをサブキャリア割当情報生成部1414に出力する。
使用周波数ブロック情報抽出部1413は、周波数リソース割当情報を基に、IFFT部111の入力であるFFT帯域幅のうち、どのサブキャリアに対して、第1と第2のサブキャリア変調信号をあわせたサブキャリア群を割り当てるのかを示す使用周波数ブロック情報を抽出し、この使用周波数ブロック情報をサブキャリア割当情報生成部1414に出力する。
サブキャリア割当情報生成部1414は、使用周波数ブロック情報とサブキャリア割当パターンとに基づいて、サブキャリア割当情報を生成し、これをサブキャリアマッピング部110に出力する。サブキャリア割当情報には、第1及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア位置と、未使用とする(サブキャリア変調信号を割り当てず、ヌルキャリアとする)サブキャリア位置との情報が含まれる。
図25のフローチャートに、送信装置1400(端末)で行われる処理の一部を示す。送信装置1400(端末)は、通信を開始すると(ステップST101)、まず再送回数Krを0にリセットし(ステップST102)、次にパケット生成部1402で送信データから新規のデータパケットを生成して符号化部101に出力する(ステップST103)。
そして生成したデータパケットに対して、実施の形態1における送信データに対する処理と同様の処理を行い、アンテナから送信する(ステップST104−ST106)。この後、受信装置から送信装置1400(端末)へと、送信装置1400(端末)が送信したデータパケットに対する応答信号が通知される。これ以降の処理をここから子細に記す。
送信装置1400(端末)は、受信RF部120の出力先に、再送制御情報抽出部1401が設けられている。再送制御情報抽出部1401は、通信相手である受信装置から送信された応答信号を抽出する(ステップST107)。
応答信号は、送信装置1400(端末)が以前に送信したデータパケットが通信相手において誤りなく受信されたか否かを示す。また応答信号は、以前に送信したデータパケットが誤りなく受信されたのであればACK(確認応答)を、誤って受信されたのであればNACK(否定応答)を表す。この応答信号を抽出することで、HARQにおける再送が必要であるか否かを判断することができる。
応答信号が否定応答であるということは、通信相手から、送信装置1400(端末)が以前に送信したデータパケットの再送が要求されていることを意味する。また、応答信号が確認応答であるということは、送信装置1400(端末)が、新しいデータパケットを送信して良いということを意味する。再送制御情報抽出部1401は、この応答信号の種類を判別する(ステップST108)。
再送制御情報抽出部1401は、応答信号の種類が否定応答であった場合、ステップST109に移って、同じデータパケットに対する否定応答が連続して通知された回数、すなわち、再送が受信装置から何回要求されたかを示す再送回数Krを計算(再送回数Krをインクリメント)する。再送制御情報抽出部1401は、計算した再送回数Krを、サブキャリア割当制御部124−1に出力する。続くステップST110において、パケット生成部1402は、前回生成したのと同じデータパケットを再度、符号化部101に出力する。
これに対して、再送制御情報抽出部1401は、応答信号の種類が確認応答であった場合、ステップST108からステップST102に移って、再送回数Krを0にリセットする。
図26のフローチャートに、パケット生成部1402で行われる処理の一部を示す。また、図27に、パケット生成部1402の内部の構成を示す。以下、図26及び図27を用いて、パケット生成部1402の構成及び動作を説明する。
パケット生成部1402は、内部にデータ入出力制御部1421、送信バッファ部1422及び誤り検査符号生成部1423を備えている。パケット生成部1402には、再送制御情報抽出部1401からの応答信号と、MCS制御部122からの符号化率及び変調多値数情報と、送信データが入力される。パケット生成部1402は、ステップST201から動作を開始してパケット生成処理を行う。以下に各ステップにおけるパケット生成部の動作を説明する。
ステップST202: 送信データから新規のデータパケットを生成して出力する。このとき出力されるパケットを、以後「新規パケット」とよぶ。
まず、データ入出力制御部1421が、MCS制御部122から入力された符号化率及び変調多値数、周波数リソース割当情報抽出部123から入力された周波数リソース割当情報に基づいて、1回のパケット伝送で送信可能なビット数を計算し、計算結果を入力指示信号として送信バッファ部1422に出力する。
送信バッファ部1422は、入力指示信号に従って、図示しない内部メモリに保持されていたパケットを一旦消去して後、送信可能なビット数の送信データを取り込み、新たに図示しない内部メモリに保存する。また、送信バッファ部1422は、送信可能なビット数の送信データを誤り検査符号生成部1423に出力する。
誤り検査符号生成部1423は、送信データから受信側で誤り検出を行うための誤り検査符号を生成し、生成した誤り検査符号を送信バッファ部1422に出力する。誤り検査符としては、巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を用いる方法等が挙げられる。
次に、送信バッファ部1422は、誤り検査符号が入力されると、内部のメモリに保持された送信データの末尾に誤り検査符号を付加して1つのパケットを生成し、生成したパケットを符号化部101に出力する。ここで出力された新規パケットに対して、符号化部101以降に接続された各部を用いて、後に説明する無線送信処理を施すことにより、送信装置1400(端末)による1回のパケット送信処理が行われる。
また、送信バッファ部1422は、生成したパケットを、符号化部101に出力した後も消去せずに、図示しない内部メモリに保存しておく。以上のようにして、誤り検査符号の付加された送信データが、新規パケットとして出力され、かつ再送に備えて送信バッファ部1422に保存される。
ステップST203:データ入出力制御部1421が、応答信号の種類が確認応答であるか否定応答であるかを判別する。応答信号が確認応答であった場合には、再びステップST202の処理を行うことで新規のパケットを生成して出力する。また応答信号が否定応答であった場合には、次に記すステップ204の処理を行う。
ステップST204:前回に符号化部101へと出力したものと同一のパケットを出力する(以降、これを再送パケットとよぶ)。
データ入出力制御部1421が、送信バッファ部1422に保存されているパケットを、再び出力するための出力指示信号を送信バッファ部1422へと出力する。送信バッファ部1422は、出力指示信号に従って図示しない内部メモリに保持していたパケットを再送パケットとして符号化部101へと出力する。
以降、パケット生成部1402は、ステップST203で確認応答が得られるまで、ステップST203−ST204−ST203のループを繰り返すことで、パケットの再送を繰り返す。
符号化部101は、パケット生成部1402からデータパケットを入力すると、MCS制御部122により指示された符号化率で、データパケットを誤り訂正符号化することで、符号パケットを生成する。
符号パケットは、実施の形態1と同様にインターリーバ102、パーサ部103、第1のサブキャリア変調部104及び第2のサブキャリア変調部105を介して、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号へと変換され、サブキャリアマッピング部110に出力される(ステップST104)。
サブキャリアマッピング部110は、第1のサブキャリア変調部104の出力及び第2のサブキャリア変調部105の出力をそれぞれ、サブキャリア割当制御部124−1からのサブキャリア割当制御情報に基づくサブキャリア配置にして、IFFT部111に出力する(ステップST105)。
サブキャリアマッピング部110から出力されたサブキャリア変調信号は、実施の形態1と同様に、IFFT部111、CP付加部114、送信RF部115を介することで、パイロット信号と制御信号の多重、IFFT処理、CP付加、アップコンバート、送信電力制御等の所定の無線送信処理を施された後に、アンテナ116に送出される(ステップST106)。
図28に、サブキャリア割当制御部124−1によるサブキャリア割当の様子を示す。図28では、第1のサブキャリア変調信号を、ローカライズ配置により、サブキャリアに配置した例を示す。図28Aは、入力されるサブキャリア変調信号が新規パケットに対応する場合の配置を示す。一方、図28Bは、入力されるサブキャリア変調信号が、1回目の再送時の再送パケットに対応する場合の配置を示す。
本実施の形態の最大の特徴は、この第1及び第2のサブキャリア変調信号を配置するサブキャリアを、再送回数に応じて変化させることにある。
以降で、第1及び第2のサブキャリア変調信号の配置を、再送回数に応じて変化させる場合における、好適な配置方法の例を示す。説明のため、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリアのことを第1のサブキャリア群、第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリアを第2のサブキャリア群と呼ぶ。また、第1のサブキャリア群に含まれるサブキャリア数をN1、第2のサブキャリア群に含まれるサブキャリア数をN2として、送信装置1400(端末)が第1及び第2のサブキャリア群を割り当てることのできる、周波数軸上で連続した位置にあるサブキャリア数をN3とする。この場合、N1+N2≦N3である。
第1のサブキャリア変調信号をローカライズ配置でサブキャリアに配置する場合において、再送回数ごとのサブキャリア割当の変更方法の手法として、例えば以下の[手法1][手法2]がある。
[手法1]規定のパターンに従う手法: サブキャリア割当のパターンを、N1:N2の比率に対応させて、システムで複数規定しておく。そして、N1:N2の比率と再送回数Krとに応じて、複数用意したパターンの中の1つを選択する。この方式の利点として、送信装置では、N1:N2の比率と再送回数との情報だけあれば、第1のサブキャリア群と第2のサブキャリア群の配置を決定することができ、第1及び第2のサブキャリア群を、どのサブキャリアに割り当てるかを、受信装置から送信装置へと通知する必要が無いことが挙げられる。
なお、初回の送信時(Kr=0のとき)に、どのサブキャリア割当パターンを用いるかについては、例えば、初回のみ受信装置におけるチャネル品質の測定結果に従って、実施の形態1で説明した基準により選択する方法や、チャネル品質に依存せず規定のパターンを用いる方法が考えられる。
チャネル品質の測定結果に従う方法を用いれば、サブキャリアごとの受信品質に応じて第1及び第2のサブキャリア群の割り当てが可能となるので、初回の送信時の受信品質を良好なものとし、再送の発生する確率を抑えることができる。一方、チャネル品質に依存せず、規定のパターンを用いる方法は、受信装置でチャネル品質の測定が必要となる頻度を抑えることができ、かつ受信装置から送信装置へのサブキャリア割当についての通知情報量を削減することができる。
初回の送信時以降の、手法1におけるサブキャリア割当パターンの例を、(1)(N3/2)<N1の場合と、(2)(N3/2)≧N1の場合とについて以下に示す。
(1)(N3/2)<N1の場合:この場合のサブキャリア割当の様子を、図29Aに示す。サブキャリア割当制御部124−1は、第1のサブキャリア群を、再送回ごとにできるだけ重複の少ないサブキャリアに配置する。このために、再送回数Krが偶数のときは、割当可能なサブキャリアのうち、周波数が最も高いサブキャリアから周波数が低いサブキャリアへと(又は周波数の最も低いサブキャリアから周波数の高いサブキャリアへと)連続したN1個のサブキャリアに第1のサブキャリア群を配置し、それを除いたサブキャリアに第2のサブキャリア群を配置する。
図29Aには、再送回数Krが偶数のときに、周波数が最も高いサブキャリアから周波数が低いサブキャリアへと連続したN1個のサブキャリアに対して、第1のサブキャリア群を配置した例が示されている。再送回数Krが奇数のときは、割当可能なサブキャリアのうち、周波数が最も低いサブキャリアから周波数が高いサブキャリアへと(又は周波数が最も高いサブキャリアから周波数の低いサブキャリアへと)連続したN1個のサブキャリアに第1のサブキャリア群を配置し、それを除いたサブキャリアに第2のサブキャリア群を配置する。
図29Aには、再送回数Krが奇数のときに、周波数が最も低いサブキャリアから周波数が高いサブキャリアへと連続したN1個のサブキャリアに対して、第1のサブキャリア群を配置した例が示されている。このように配置することで、再送時でも、第1のサブキャリア群が周波数軸で連続したサブキャリアにローカライズ配置されるので、PAPRを抑圧できる。
加えて、再送回数Krが偶数の場合と奇数の場合とで、重複して同一のサブキャリアに配置される第1のサブキャリア群のサブキャリア数を極力少なくできるので、再送による周波数ダイバーシチゲインを高めることができる。
(2)(N3/2)≧N1の場合:この場合のサブキャリア割当の様子を、図29Bに示す。第1及び第2のサブキャリア群を割当て利用可能なサブキャリア群を、等しい数のサブキャリアからなる周波数ブロックに分割する。周波数ブロックのサイズはN1以上とする。サブキャリア割当制御部124−1は、周波数ブロックのうち1つを再送回数Krごとに規定のパターンに従って選択し、そこに第1のサブキャリア群を連続して配置する。
周波数ブロックの大きさが、N1と等しくできるようにN1の大きさを設定することが望ましいが、周波数ブロックの大きさよりもN1が小さい場合、周波数ブロックの中で周波数の高いサブキャリアまたは低いサブキャリアから順に、連続したN1個のサブキャリアに第1のサブキャリア群を割り当てる。また、第1のサブキャリア群を割り当てたサブキャリアを除いたサブキャリアに、第2のサブキャリア群を配置する。
周波数ブロックの数がNB個の場合、第1のサブキャリア群は再送NB回ごとに同じサブキャリアに割り当てられる。このように、周波数ブロック単位でのサブキャリア割当を行うことで、サブキャリア単位で割当を行うよりも、制御に要する情報量を少なくすることが可能である。加えて、NB回までの再送では、再送回ごとに重複しないサブキャリア配置に第2のサブキャリア群を配置することが可能となる。
図30Aに、本実施の形態の新規パケット送信時の周波数リソース割当を、[手法1]に従って行った例を示す。また図30Bに、図30Aで送信されたパケットが誤って受信された際の、再送パケット送信時の周波数リソース割当の例を示す。この例では、チャネルの時間変動がパケットを再送するまでの時間間隔に対して緩やかであり、チャネル品質がほとんど変化しない場合を示している。
図30Aの新規送信時は、第2のサブキャリア変調信号が、平均的にチャネル品質の高いサブキャリアに割り当てられている。このため、第2のサブキャリア変調信号は良好な特性で受信することができる。一方、第1のサブキャリア変調信号の割り当てられているサブキャリアの中には、チャネル品質が極めて低くなっているサブキャリア(ヌルサブキャリア)が存在し、これが第1のサブキャリア変調信号として変調されている変調シンボルの受信特性を劣化させる要因となっている。
第1のサブキャリア変調信号においては、キャリア変調部106からのN1個の出力に含まれる個々の変調シンボルの成分が、DFT部107を介することで全てのDFT部出力(第1のサブキャリア群)に、DFT演算子を乗算した形で含まれている。換言すると、第1のサブキャリア変調信号の1つのサブキャリアには、N1個の変調シンボルの信号成分が含まれている。
すなわち、第1のサブキャリア変調信号は、1つのサブキャリアのチャネル品質が劣悪であると、N1個の全ての変調シンボルの受信品質が平均的に低下する。第1のサブキャリア変調信号については、受信装置においてZF規範又はMMSE規範の周波数領域等化を適用することによってマルチパス干渉を抑圧しながら、個別の変調シンボルを抽出するが、周波数領域等化の際に品質の劣悪であるサブキャリアが存在すると、等化後の残留マルチパス干渉が増大するので、複数の変調シンボルの受信品質が低下する。
ここで、第2のサブキャリア変調信号は、キャリア変調部108からのN2個の出力に含まれる個々の変調シンボルの成分が、個々のS/P部出力へと1対1でマッピングされている。このため、第2のサブキャリア変調信号は、1つのサブキャリアのチャネル品質が劣悪であっても、そのサブキャリアによって受信品質が低下するのはN2個のうち1つの変調シンボルのみとなる。
よって、もし再送時においてもサブキャリアの割当を変更せず、図30Aと同じ配置で再送を行った場合、第1のサブキャリア変調信号については受信品質の悪い受信信号同士を合成することとなってしまい、合成による特性改善が限定的なものとなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、図30Bのようにサブキャリア割当を変更して再送するため、第1のサブキャリア変調信号が良好なチャネル品質のサブキャリアに割り当てられ、第1のサブキャリア変調信号は初回の送信時よりも良好な特性で受信される。
一方で第2のサブキャリア変調信号は、一部がヌルサブキャリアとなってしまっているものの、初回の送信だけでも良好な特性で受信されている。よって、受信装置において後述する方法によって、初回の送信パケットと再送パケットとを合成することで、第1サブキャリア変調信号と第2のサブキャリア変調信号それぞれに対応する符号ビットの、合成後の受信品質のばらつきを減らすことができる。この結果として、誤り訂正復号後、パケットに誤りが含まれる確率を減らすことができる。
また、実施の形態1で説明したように、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号におけるキャリア変調部106及びサブキャリア変調部108でのMCS設定を、第1のサブキャリア変調信号の受信特性を基準に決定する手法を適用してもよい。
この場合、再送によりサブキャリア割当が変更されたために、第2のサブキャリア変調信号に割り当てられるチャネル品質が劣化したとしても、第1及び第2のサブキャリア変調信号の受信特性を比較した場合、第2のサブキャリア変調信号の受信特性が第1のサブキャリア変調信号の受信特性よりも良好になる確率が高くなるため、再送時のサブキャリア割当を変更したことによる特性改善効果が損なわれることはない。
これは、次のような理由からである。すなわち、第1のサブキャリア変調信号に対応する受信信号は、チャネル推定誤差の影響等で、周波数領域等化を用いても除去しきれないマルチパス干渉の影響を受け易く、受信特性が劣化し易い。特に、変調方式における変調多値数が大きいほど、その影響を受け易い。そのため、チャネル品質が同程度で、同じ変調多値数を用いて、第1及び第2のサブキャリア変調信号の受信特性を比較した場合、第2のサブキャリア変調信号の受信特性が第1のサブキャリア変調信号の受信特性よりも良好になる確率が高い。これは特に、16QAMや64QAMなどの高多値変調を用いた場合に顕著である。
よって、第1のサブキャリア変調信号の受信特性を基準にMCSを設定することで、再送パケット単体での受信特性が良好となるようにできる。そしてさらに、異なるサブキャリア割当で送信された以前のパケットと合成することで、合成後の受信品質のばらつきを減らし、良好な受信特性が得られる。
なお、チャネルの時間変動がパケットを再送するまでの時間間隔に対して十分に高速であり、再送ごとのチャネルの相関が低い場合には、サブキャリアの割当を再送ごとに変更せずとも、第1のサブキャリア変調信号と第2のサブキャリア変調信号それぞれに対応する符号ビットの合成後の受信品質のばらつきが、チャネル相関の高い場合と比べて低減されるため、[手法1]を用いることによる特性改善効果は薄れる。しかしこの場合でも、[手法1]を用いることによる劣化要因はない。
[手法2]実施の形態1で説明したように、送信データのQoSを考慮した周波数リソース割当を行う。[手法2]によるサブキャリア割当の様子を、図31A及び図31Bに示す。品質を優先させる場合と、レートを優先させる場合とで、再送時の、第1及び第2のサブキャリア変調信号のサブキャリア割当を次に記すように変更する。これによって実施の形態1に記したのと同様の効果が得られる。
品質を優先させる場合には、図31Aに示すように、チャネル品質が良好なサブキャリアに第1のサブキャリア変調信号を優先的に割当て、残りのサブキャリアに第2のサブキャリア変調信号を割り当てる。第1のサブキャリア変調信号はマルチパス干渉による特性の劣化が第2のサブキャリア変調信号よりも大きいため、その第1のサブキャリア変調信号をチャネル品質が良好なサブキャリアに優先的に割り当てることで、マルチパス干渉による特性の劣化を抑圧して高い受信品質が得られる。
レートを優先させる場合には、図31Bに示すように、チャネル品質が良好なサブキャリアに、第2のサブキャリア変調信号を優先的に割当て、残りのサブキャリアに第1のサブキャリア変調信号を割り当てる。第2のサブキャリア変調信号はマルチパス干渉による特性の劣化が少なく高多値変調の適用によるレート増大効果が高いため、第2のサブキャリア変調信号をチャネル品質が良好なサブキャリアに割り当てることで、高多値変調を適用して高い伝送レートを得ることができる。
上記構成は、チャネルの時間変動がパケットを再送するまでの時間間隔に対して十分に高速であり(すなわち、チャネルの時間相関がパケットの送信間隔に対して短く、各パケットの送信されるチャネルの相関が低い場合)、チャネル変動に追従してチャネル品質測定情報が受信装置から送信される場合に、特に有効である。
本実施の形態の受信装置の構成を、図32に示す。なお、図32の各部において、図3との対応部分には図3と同一の符号を付して示す。受信装置1500(基地局)は、通信システムの基地局に設けられ、送信装置1400(端末)から送信された信号を受信復調する。
まず受信装置1500(基地局)の受信系について説明する。
受信装置1500(基地局)で行われる、アンテナ201からデインターリーバ219までの一連の処理は、実施の形態1と同様であるため詳細な説明は省略するが、特に本実施の形態では、これらの受信処理がパケット単位で行われることが前提となっている。そのため、デインターリーバ219の出力である符号ビット毎の軟判定尤度値も、受信したパケット単位で一括して出力される。なお、本実施の形態において以降で説明する処理も全てパケット単位で行われる。
パケット合成部1501には、デインターリーバ部219の出力である、今回の受信処理で受信したパケットの軟判定尤度値が入力される。またパケット合成部1501には、受信バッファ部1502の出力である、前回までに累積したパケットの軟判定尤度値も入力される。ただし、受信バッファ部1502からは、前回に受信したパケットに誤りが検出された場合にのみ、すなわち今回受信したパケットが再送パケットである場合にのみ入力されるようになっている。
図34Bに示すパケット合成部1501は、入力検出部1511、切り替え部1512及び加算部1510を備える。パケット合成部1501は、今回受信したパケットの軟判定尤度値と、前回までに累積したパケットの軟判定尤度値がともに入力された場合に、以下の合成処理1を行う。一方、パケット合成部1501は、今回受信したパケットの軟判定尤度値のみ入力された場合に、以下の合成処理2を行う。
合成処理1: この場合、今回受信したパケットは再送パケットであるので、今回受信したパケットの軟判定尤度値と、前回までに累積された軟判定尤度値とを、パケットに含まれる符号化ビット単位で加算することで合成する。合成処理1の場合、入力検出部1511は、受信バッファ部1502から前回までの軟判定尤度値が入力されていることを検出する。入力検出部1511は軟判定尤度値が入力されていることを検出すると、切り替え部1512の状態を、位置Aに切り替える。これにより、今回の受信処理で受信したパケットの軟判定尤度値と前回までに累積された軟判定尤度値とが加算器1510において合成される。合成されたパケットの軟判定尤度値は、復号部220及び受信バッファ部1502に出力される。
合成処理2: この場合、今回受信したパケットは新規パケットであるので、今回受信したパケットの軟判定尤度値を、そのまま復号部220及び受信バッファ部1502に出力する。つまり、この場合、パケット合成は行わない。合成処理2の場合、受信バッファ部1502から入力検出部1511には何も入力されない。この場合、入力検出部1511は、切り替え部1512の状態を、位置Bに切り替える。これにより、今回の受信処理で受信したパケットの軟判定尤度値だけが復号部220及び受信バッファ部1502に出力される。
復号部220は、パケット合成部1501で合成されたパケットに含まれる、ビット毎の軟判定尤度値を基に、復号処理を行う。復号部220によって復号されたデータパケットは、誤り検出部1503及び受信データ出力部1504に送出される。
誤り検出部1503は、送信装置1400(端末)のパケット生成部1402で付加された誤り検査符号を用いて、復号したデータパケットに誤りが含まれるかどうかを判定する。誤り検出部1503は、復号したデータパケットに誤りが検出された場合は応答信号として否定応答を、誤りが検出されなかった場合には確認応答を生成する。誤り検出部1503は、生成した応答信号を、受信バッファ部1502、受信データ出力部1504、再送制御情報生成部1505に送出する。
受信バッファ部1502は、パケット合成部1501から今回までのパケットの軟判定尤度値が入力されると、これを内部のメモリに保存する。その後、誤り検出部から応答信号として確認応答が入力されると、メモリに保存した軟判定尤度値を破棄する。また、応答信号として否定応答が入力された場合は、軟判定尤度値をそのまま保持しておく。保持しておいた今回までパケットの軟判定尤度値は、次回のパケットの軟判定尤度値がデインターリーバ219から出力された際に同時に、パケット合成部1501に出力する。メモリに何も保持されていない場合には、何も出力しない。
受信データ出力部1504は、誤り検出部1503から応答信号として確認応答が入力されると、復号部220から入力されたデータパケットのうち送信データに対応する部分を受信データとして出力する。応答信号として否定応答が入力された場合は、何も出力しない。以上のようにして、送信装置1400(端末)から誤りなく伝送されたデータだけが、受信データとして出力される。
次に、受信装置1500(基地局)の送信系について説明する。
再送制御情報生成部1505には、誤り検出部1503からの応答信号が入力される。再送制御情報生成部1505は、応答信号として否定応答が何回連続して入力されたかを示す再送回数Krを計算する。再送制御情報生成部1505は、再送回数Krを周波数リソース割当制御部210に、応答信号を符号化部221にそれぞれ送出する。
周波数リソース割当制御部210は、チャネル品質測定部207からのサブキャリア毎のチャネル品質情報と再送回数Krに基づいて、どのサブキャリアに、第1及び第2のサブキャリア変調部104、105のどちらの出力を割り当てるかを制御する。すなわち、ここで決定された周波数割当情報が、実施の形態1と同様にして図23の送信装置1400(端末)に送信され、この周波数割当情報に基づいて、送信装置1400(端末)において第1及び第2のサブキャリア変調部104、105の出力がどのようにサブキャリアに配置されるかが制御される。また、周波数リソース割当情報は、周波数リソース割当情報記憶部211に記憶され、送信装置1400(端末)から次に送信されるパケットを受信する際の、第1のサブキャリア変調信号と第2のサブキャリア変調信号との分離に用いられる。
以上のようにして、送信装置1400(端末)と受信装置1500(基地局)との間で、HARQの再送回数に応じてサブキャリア割当を変更したパケットの再送が可能となる。本実施の形態では、サブキャリア割当の変更により、パケット合成部出力であるパケットの軟判定尤度値について、第1のサブキャリア変調信号へと割り当てられたビットと第2のサブキャリア変調信号へと割り当てられたビットの間の受信品質のバラつきを減らすことができ、誤り訂正復号後の受信特性の改善が見込まれる。
なお、本実施の形態では図23の送信装置1400(端末)のサブキャリア割当制御部124−1の動作を再送回数Krに応じて可変とすることで、第1のサブキャリア変調信号に割り当てられたビットと第2のサブキャリア変調信号に割り当てられたビットの間の受信品質のバラつきを低減した。
一方で別の形態として、サブキャリア割当を固定として、インターリーバ102及びデインターリーバ219の動作に用いるインターリーブパターンを再送回数Krに応じて可変としてもよい。具体的には、再送回数に応じてインターリーバ102のインターリーブパターンを可変制御するインターリーバ制御部を設ける。このようにすれば、結果として符号化部101出力のビットが再送回ごとに異なるサブキャリアへと割り当てられることとなるため、パケット合成部出力の軟判定尤度値におけるビット間の信頼性のバラつきを低減し、受信特性を改善することができる。
この構成の場合、先に述べた構成と比べて装置が簡素で済む。なぜなら、インターリーブパターンは再送回数Krのみに対応させて必要数用意しておけばよいが、サブキャリア割当パターンは再送回数KrとN1:N2の組み合わせに対応させて必要数用意しなければならないからである。
一方で、インターリーバを変更する方法は、個別のサブキャリアの受信品質に応じた柔軟なサブキャリア配置が困難となるため、再送時のパターン変更による品質改善の度合いは限定的なものとなる。
また、本実施の形態では、図32の受信装置1500(基地局)のパケット合成部1501において、受信したパケットに含まれる軟判定尤度を、再送回に関係なく単に加算する場合について説明したが、パケット毎の受信品質に応じて重み付けをしてから加算することがより望ましい。すなわち、受信品質の高いパケットについては高い重み付け係数を、受信品質の低いパケットについては小さい重み付け係数をパケットの軟判定値に乗算してから加算する。
受信品質の指標としては、チャネル品質測定部207で測定される、パケットの平均受信SINRなどが挙げられる。図示しないが、平均受信SINRをパケット合成部1501に入力し、平均受信SINRに比例する重み付けをしてからパケットを加算する場合は、各パケットを最大比合成するのと同様の効果が得られる。
さらに、本実施の形態ではHARQの方式としてCC方式を用いた場合について説明を行ったが、別の実施の形態としてHARQの方式のうちIR(Incremental Redundancy)方式を用いることも可能である。IR方式については非特許文献4などに記載されているため、詳細な説明は省略する。なお、広義にはCC方式もIR方式の一形態であるとされている(例えば、非特許文献5などを参照)。CC方式を用いる場合は、再送パケットとして初回の送信時と同一の符号化ビット列を送信したが、IR方式を用いる場合は、再送パケットとして初回の送信時とは異なる符号化ビット列を送信してもよい。
IR方式における再送パケットを構成する符号化ビット列には、前回までに送信したものと同一のビットと、新たに追加されたビット(パリティビットなど)とが含まれ、その代わりに前回までに送信したビットの一部は含まれない。よって、パケット合成部1501においてパケットの軟判定尤度値を合成する際には、合成するパケットの双方に同一のビットが含まれる場合にはその軟判定尤度値を加算して出力し、一方のパケットにしか含まれないビットについては、当該ビットの対数尤度値をそのまま出力する。一般には、IR方式は、新たな符号化ビットを追加して送信することにより、CC方式よりも優れた受信品質を得ることができる(非特許文献4などを参照)。
(実施の形態7)
本実施の形態では、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送信する送信装置を基地局に設けた場合の、HARQの機能を持たせた構成を説明する。
以下では、実施の形態6と異なる構成部分のみ説明する。
図33には、図1、図8及び図23との対応部分に同一符号を付して、本実施の形態の送信装置1600の構成を示す。送信装置1600は、基地局に設けられている。
送信装置1600のチャネル品質情報抽出部121は、受信装置(端末)から送信されたチャネル品質情報を受信信号から抽出する。また、再送制御情報抽出部1401は、受信装置から送信された応答信号を基に、再送回数を計算する。
サブキャリア割当制御部124−2は、チャネル品質情報を基に、送信装置1600が送信帯域中のどのサブキャリアを用いて送信するかを決定する。加えて、サブキャリア割当制御部124−2は、チャネル品質情報と再送回数を基に、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア配分を決定し、その結果をパーサ部103及びサブキャリアマッピング部110に出力する。
図34Aには、図3、図9及び図32との対応部分に同一符号を付して、本実施の形態の受信装置の構成を示す。受信装置1700は、端末に設けられている。
本実施の形態では、再送回数に応じたサブキャリア割当は、図33の送信装置1600(基地局)で決定されて受信装置1700(端末)に通知される。このため受信装置1700(端末)では、周波数リソース割当情報抽出部601は、送信装置1600から送信されたサブキャリア割当情報を抽出する。次に、サブキャリアデマッピング208は、抽出したサブキャリア割当情報に基づいて、第1のサブキャリア変調信号が割り当てられたサブキャリア群と第2のサブキャリア変調信号が割り当てられたサブキャリア群とを分離すればよい。
本実施の形態によれば、実施の形態6と同様の効果を得ることができる。
なお、以上の本実施の形態では受信装置1700(端末)で観測されるチャネル品質情報に基づいて送信装置1600(基地局)でサブキャリア割当を制御するために、チャネル品質情報を受信装置1700(端末)から送信装置1600(基地局)へと通知している。ここで通知信号によるオーバーヘッドを削減するために、端末から基地局へと通知するチャネル品質情報を、例えば使用するサブキャリア群全体の平均受信SINRなどのMCSの決定に必要最小限な情報に留める形態や、あるいはMCSそのものを通知してチャネル品質情報を通知しないといった形態も考えられる。このような場合であっても、再送回数に応じてサブキャリア割当を変更することで、第1及び第2のサブキャリア変調信号が割り当てられるサブキャリア群の受信品質が、それぞれのサブキャリア群だけで観測すると再送回ごとに大きく変動するので、受信装置1700(端末)において受信品質に応じた重み付けをした上で軟判定尤度の合成を行うことで、受信特性を改善することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、HARQの方式のうちIR方式を適用し、かつ符号ビットの重要度に応じて、各符号ビットに対応する変調シンボルを第1及び第2のサブキャリア変調信号へと振り分ける構成について説明する。
図35には、図1及び図23との対応部分に同一符号を付して、本実施の形態の送信装置1800の主要部の構成を示す。図35では、本実施の形態で新たに提案する構成の周辺部分のみを示し、それ以外の構成は図23と同一のものとして省略して示してある。
パケット生成部1402は、送信データ、符号化率及び変調多値数から、応答信号として確認応答が入力された場合は新規パケットを、否定応答が入力された場合は再送パケットを生成して符号化部1801に出力する。
符号化部1801は、データパケットを符号化して符号パケットを生成し、パンクチャ部1802に出力する。符号パケットは、データパケットと同一の値を示すシステマティックビットと、データパケットに対して畳み込み符号化やブロック符号化を適用することによって生成されるパリティビットの2種類のビット系列から構成されている。誤り訂正符号としてターボ(Turbo)符号を用いる場合は、符号化率r=1/3のTurbo符号化を行うとよい。例えばr=1/3のTurbo符号を用いた場合は、1つのシステマティックビット系列と、2つの異なるパリティビット系列が生成され、パンクチャ部1802に出力される。
パンクチャ部1802は、MCS制御部122から入力された符号化率と再送制御情報抽出部1401から入力された再送回数Krを用いて、符号パケットに対してパンクチャリングを行い、パンクチャ後の信号をパーサ部1803に出力する。パンクチャ部1802は、符号パケットから除去するパンクチャビットの選択パターンは、再送回数Krによって変化させる。
符号化方式にTurbo符号を用いる場合の、パンクチャビットの選択パターンは、非特許文献6などに示されている。また符号化方式にLDPC符号を用いる場合のパンクチャビットの選択パターンは、非特許文献7などに示されている。
また、再送ごとのチャネル受信品質の変動が大きい場合には、MCS制御部122によって決定される符号化率を再送回ごとに変化させてもよい。
上記の符号化率の変化によって、結果的にパンクチャビットの選択パターンが変化することとなる。このように、前回までに送信していなかったパンクチャビットを新たに送信することで、一般にIR方式ではCC方式よりも良好な特性が得られる。
パーサ部1803は、サブキャリア割当制御部124−1からの配分情報に基づいて、入力された符号パケットを構成するビット列をインターリーバ1804−1又はインターリーバ1804−2のいずれかに出力する。このときパーサ部1803は、再送回数Kr=0のときは符号パケットのうちシステマティックビットを優先的にインターリーバ1804−2に出力する。これに対して、Kr>0のときはパリティビットを優先的にインターリーバ1804−2に出力する。
インターリーバ1804−1は入力された符号化ビット列を所定のインターリーブパターンでインターリーブし、インターリーブ後のデータを第1のサブキャリア変調部104に出力する。同様に、インターリーバ1804−2は入力された符号化ビット列を所定のインターリーブパターンでインターリーブし、インターリーブ後のデータを第2のサブキャリア変調部105に出力する。
以上の構成を採ることで、再送回数Kr=0のときはシステマティックビットを優先的に第2のサブキャリア変調信号に割り当てて送信することができる。よって、第2のサブキャリア変調信号の受信品質が第1のサブキャリア変調信号よりも良好である特性を利用し、情報として重要度の高いシステマティックビットの受信品質を高め、送信信号全体の受信品質を高めることができる。
また、再送回数Kr>0のときはパリティビットを優先的に第2のサブキャリア変調信号に割り当てて送信することができる。よって、再送のために新規に生成されたパリティビットの受信品質を高めることで、送信信号全体の受信品質を高めることができる。因みに、Kr>0のときは、システマティックビットは既に1回以上送信されているため、第2のサブキャリア変調信号に割り当てて送信したとしても受信品質改善の効果が相対的に低い。
図36には、図3及び図32との対応部分に同一符号を付して、本実施の形態の受信装置1900の主要部の構成を示す。図36では、本実施の形態で新たに提案する構成の周辺部分のみを示し、それ以外の構成は図32と同一のものとして省略して示してある。
デインターリーバ1901−1は、第1の尤度重み付け部214から入力された軟判定尤度値を、所定のインターリーブパターンでデインターリーブし、デインターリーブ後の信号をデパーサ部1902に出力する。同様に、デインターリーバ1901−2は、第2の尤度重み付け部217から入力された軟判定尤度値を、所定のインターリーブパターンでデインターリーブし、デインターリーブ後の信号をデパーサ部1902に出力する。
デパーサ部1902は、周波数リソース割当情報記憶部211からの周波数リソース割当情報と、再送制御情報記憶部1912に記憶された再送制御情報を用いて、送信装置1800のパーサ部1803と逆の操作を行う。これによって、デパーサ部1902は、第1及び第2の尤度重み付け部214、217から入力された軟判定尤度値を、シリアル信号とする。デパーサ部1902は、シリアル信号とした符号化パケットの軟判定尤度値を、パケット合成部1910に出力する。
以下、パケット合成部1910の内部の構成について説明する。
パケット合成部1910は、新たに受信した再送パケットと、以前に受信して受信バッファ部1502に累積されているパケットの軟判定尤度値にそれぞれ異なる重み付けを行ってから、合成して出力する。重み付けは、尤度重み付け決定部1916が、チャネル品質測定部207から入力されたチャネル品質情報を用いて決定し、重み係数を尤度重み付け部A(1913)及び尤度重み付け部B(1914)に出力することで行う。以前のパケット受信時の平均のチャネル品質と比較して、今回新たに受信したパケットのチャネル品質が良好であれば、尤度重み付け部A(1913)に相対的に高い重み付け係数を出力し、尤度重み付け部B(1914)に小さい重み付け係数を出力する。逆に、今回新たに受信したパケットのチャネル品質が相対的に劣悪であれば、尤度重み付け部A(1913)に尤度重み付け部B(1914)と比較して低い重み付け係数を出力する。
デパンクチャ部1911は、再送制御情報記憶部1912に記憶された再送回数Krと、MCS情報抽出部209から入力された符号化率とを用いて、デパーサ部1902から入力された符号化パケットをデパンクチャ処理し、デパンクチャ処理後の信号を尤度重み付け部A(1913)に出力する。
尤度重み付け部A(1913)は、尤度重み付け決定部1916から入力された尤度重み付け係数を用いて、デパンクチャ部1911から入力された符号化パケットの軟判定尤度値を重み付けし、重み付け後の信号を尤度合成部1915に出力する。
同様に、尤度重み付け部B(1914)は、尤度重み付け部A(1913)から出力されている符号化パケットが再送パケットであるとき、尤度重み付け決定部1916から入力された重み付け係数を用いて、受信バッファ部1502から入力された符号化パケットの軟判定尤度値を重み付けし、重み付け後の信号を尤度合成部1915に出力する。なお、尤度重み付け部A(1913)から出力されている符号化パケットが新規パケットであるときは、実施の形態6に記したとおり、受信バッファ部1502から尤度重み付け部B(1914)には何も入力されず、尤度重み付け部B(1914)は何も出力しない。
以上の構成によって、受信品質の良好なパケットには軟判定尤度値の信頼性を高める重み付け行うことができる。
尤度合成部1915は、尤度重み付け部A(1913)からのみ符号化パケットが入力された場合は、符号化パケットをそのまま復号部220に出力する。また、尤度合成部1915は、尤度重み付け部A(1913)と尤度重み付け部B(1914)の双方から符号化パケットが入力された場合は、それらの軟判定尤度値をビット単位で加算し加算結果を復号部220に出力する。
復号部220は、入力された符号化パケットの軟判定尤度値を復号し、復号結果を受信データ出力部1504に出力する。受信データ出力部1504は、誤り検出部1503から確認応答が入力されると、受信データを出力する。
以上、本実施の形態によれば、再送回ごとに重要な情報を含むビットを、相対的に良好な受信品質の期待される第2のサブキャリア変調信号に割り当てて送信するようにしたので、受信装置では良好な受信品質のパケットの軟判定尤度値を有効に利用し、復号後の受信品質を高めることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、実施の形態4で説明したMIMO送信装置に、実施の形態6及び8で説明したHARQの機能を持たせた構成について説明を行う。
実施の形態4で説明したように、MIMO送信装置は複数のアンテナを有する。ここで、各アンテナから同時に独立したパケットを送信するMCW(Multiple CodeWord)構成と、全てのアンテナを利用して1つのパケットを送信するSCW(Single CodeWord)構成とが考えられる。
図14及び図23との対応部分に同一符号を付して示す図37に、MCW構成に対応した本実施の形態の送信装置の構成を示す。また、図14及び図23との対応部分に同一符号を付して示す図38に、SCW構成に対応した本実施の形態の送信装置の構成を示す。図37の送信装置2000と、図38の送信装置2100は、いずれもn個の送信アンテナ116−1〜116−nを有し、MIMO通信を行う。
図37に示す、MCW構成を採る送信装置2000は、パケット生成部2502から送信RF部115に至る一連の送信ブロック2000A−1〜2000A−nが送信アンテナに対応するn組設けられている。そして、各送信ブロック2000A−1〜2000A−nそれぞれのパケット生成部2502には、独立して送信データが入力され、個別にパケット生成・符号化・変調といった一連の無線送信処理が施されてアンテナ116−1〜116−nから送信される。
MCW構成では、同時に複数のパケットが送信されるため、そのうちの1つのパケットだけに誤りが検出されるといった状況が想定される。この場合、次回の送信時には再送パケットと新規パケットが複数のアンテナを用いて同時に送信される。この際、実施の形態4で説明したように、複数アンテナを用いて空間多重された同一のサブキャリアについては、同一の種類(第1又は第2の)サブキャリア変調信号を送信することが好適である。これにより、受信装置において、空間多重された同一の種類のサブキャリア変調信号に対して空間多重分離手法を適用した場合、同一の種類のサブキャリア変調信号として第2のサブキャリア変調信号が空間多重されているので、MLDのような非線形な空間分離多重手法を適用できるようになる。
加えて、アンテナごとに共通とする第1及び第2のサブキャリア群のサブキャリアへの割り当ては、同時に送信する複数のパケットのうち、再送回数Krの最も大きい再送パケットを送信するチャネルの受信特性を基準として決定するとさらに好ましい。このようにすることで、同時に送信されるパケットの中で特に再送パケットの受信品質を改善することができ、少ない再送回数で誤りのない伝送ができるようになる。
一方、図38に示す、SCW構成を採る送信装置2100は、パケット生成部1402と符号化部101が送信装置の中に1つだけ設けられている。そして、符号化部101から出力された符号化パケットが、パーサ部2101を介してn組の送信ブロック2100B−1〜2100B−nへと分配される。以降、パーサ部2101で分配された信号に対して個別にインターリーバ102〜送信RF部115によって一連の無線送信処理が施され、アンテナから送信される。SCW構成の場合では、同時に複数のアンテナを用いて送信されるのは1つのパケットのみとなるため、再送パケットを送信する場合でも、実施の形態4と同様の基準でサブキャリアの割当を選択すればよい。
(実施の形態10)
図1、図19及び図23との対応部分に同一符号を付して示す図39に、本実施の形態の送信装置2200の主要部の構成を示す。送信装置2200は、実施の形態5で説明した送信装置1300と同様に送信電力制御情報抽出部1301を有する。加えて、送信装置2200は、送信電力制御部2201を有する。送信電力制御部2201には、送信電力制御情報抽出部1301からの送信電力制御情報と、再送制御情報抽出部1401からの再送回数が入力されている。
送信電力制御部2201は、受信装置から通知され送信電力制御情報抽出部1301によって抽出された送信電力制御情報を基に、基準送信電力P0を決定する。ここで、再送回数Kr=0であれば、基準送信電力P0を送信電力情報として、これを送信RF部115及びサブキャリア割当制御部2202に送出する。またKr>0であれば、基準送信電力P0に、再送回数Krに応じた正の値を加算し、それを送信電力情報として送信RF部115及びサブキャリア割当制御部2202に送出する。このようにすることで、新規のパケットを送信する際には他の通信装置への干渉を抑えるために送信電力を低く設定して送信する一方、再送が必要となった場合のみ送信電力を増加させて通信が成功する確率を増やすことができる。
サブキャリア割当制御部2202は、実施の形態5と同様に送信電力情報を基に、図21に示した関係に従って、サブキャリア割当における第1及び第2のサブキャリア変調信号の比率を可変制御する。ここで、送信電力を1パケットに含まれる送信信号の瞬時電力の最大値であるピーク送信電力で規定するシステムでは、再送回数の増加に従って許容されるピーク送信電力が増加するため、PAPRによる送信電力の制限が減少し、PAPRの大きくなる第2のサブキャリア変調信号の比率を増やすことができる。これにより、再送の発生しないときには送信電力を低く設定して干渉を抑え、再送が発生したときには第2のサブキャリア変調信号の比率を増やして再送が成功する確率を増やすことができる。
一方、送信電力を1パケットに含まれる送信信号の平均電力で規定するシステムでは、再送回数の増加に従って設定される平均送信電力が増加するため、ピーク送信電力と設定される平均電力との差が小さくなり、PAPRのための送信電力のマージンが減少する。このとき基地局から離れたセルエッジなどで、送信電力のマージンがPAPRの最大値Dmaxを下回った際には、第1のサブキャリア変調信号の割合を増加させて第2のサブキャリア変調信号の割合を減少させるようにする。
この処理は、チャネル品質情報抽出部121から得られるチャネルの周波数特性がフラットに近い場合など、第1のサブキャリア変調信号を等化した際の残留マルチパス干渉が少なく、第2のサブキャリア変調信号の割合が減少することによる受信品質の劣化よりも、第1及び第2のサブキャリア変調信号の平均送信電力が増加することによる受信品質の向上の方が大きい場合に有効である。あるいは、残留マルチパス干渉に対する耐性が比較的強い、多値数が小さいBPSK、QPSKを変調方式に用いる場合にも有効である。
一方で、多値数の大きい16QAM、64QAMを変調方式に用いる場合など、平均送信電力を増加させることによる品質向上よりも、第2のサブキャリア変調信号の割合が減少することによる品質低下の方が上回る場合には、第1及び第2のサブキャリア変調信号の比率を変更せずに、PAPRの制限を満たす範囲で送信電力を増加させる処理を行うことが好適である。
送信電力制御部2201による、再送回数と変調方式に基づく送信電力制御の一例を、図40に示す。ここで、システムの規定や送信装置の能力によって決定されている、利用可能な最大の送信電力を最大送信電力と呼ぶ。残留マルチパス干渉に対する耐性が比較的強い、BPSK、QPSKなどを変調方式に用いる場合は、図40Aのように、再送回数の増加に従って送信電力(平均送信電力またはピーク送信電力)の設定値を最大送信電力まで増加させることで、再送が成功する確率を増やす。
一方で残留マルチパス干渉に対する耐性が比較的弱い16QAM、64QAMなどを変調方式に用いる場合は、図40Bのように、再送回数の増加に従って増加させる送信電力の最大値を、最大送信電力から一定のバックオフDx(Dmin≦Dx≦Dmax)を取った値に設定する。このようにすることで、残留マルチパス干渉に対する耐性が弱い変調方式を用いる際には、送信電力に最大送信電力に対するバックオフを確保して、第2のサブキャリア変調信号の割合を一定以下に減らさない範囲で送信電力を増加させる。
なおバックオフDxは、第2のサブキャリア変調信号の割合が減少することによる受信品質の劣化よりも、送信電力を増加させたことによる受信品質向上が上回る送信電力の最大値から決定する。
上記の例に従って送信電力を設定したした際に、サブキャリア割当制御部2202によって決定される第2のサブキャリア変調信号の割合の例を、図41に示す。BPSK、QPSKなどの低変調多値数の変調方式を用いた際には、再送回数の増加に従って送信電力が増加するのとあわせて、第2のサブキャリア変調信号の割合を0%まで減少させる。一方で16QAMや64QAMなどの高変調多値数の変調方式を用いた際には、第2のサブキャリア変調信号の割合が一定以下にならない範囲で再送回数の増加に従って送信電力を増加させる。
以上のように、本実施の形態によれば、再送の発生しないときは送信電力を低く抑えて干渉を低減し、再送が発生した際には、利用する変調方式に応じて受信品質が向上する最大の電力まで送信電力を増加させることにより、再送が成功する確率を高めることができる。
(実施の形態11)
図42に、本発明の実施の形態11に係る送信装置の構成を示す。送信装置2300は、実施の形態1で説明した送信装置100と同様に、端末に設けられ、上りリンク送信を行うものである。なお、本実施の形態の送信装置2300は、実施の形態1で説明した送信装置100と基本構成は同様である。本実施の形態の送信装置2300は、複数のアンテナを備えている。図42には、一例として、2つの送信アンテナを備えた構成が示されている。
なお、以下では、実施の形態1と異なる構成部分のみ説明する。
サブキャリアマッピング部110aは、第1のサブキャリア変調部104の出力をサブキャリア割当制御部124からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111aへ出力する。
サブキャリアマッピング部110bは、第2のサブキャリア変調部105の出力をサブキャリア割当制御部124からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111bへ出力する。
図43に、サブキャリア割当制御部124及びサブキャリアマッピング部110a、110bによる、サブキャリア変調信号のマッピングの仕方の一例を示す。図43Aにサブキャリア割当制御部124における周波数領域割当結果を示し、図43Bにサブキャリアマッピング部110aのサブキャリアマッピング結果を示し、図43Cにサブキャリアマッピング部110bのサブキャリアマッピング結果を示す。
図43Aに示すように、サブキャリア割当制御部124は、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリアを決定する。
図43Bに示すように、サブキャリアマッピング部110aは、サブキャリア割当制御部124による第1のサブキャリア変調信号のサブキャリア割当情報を基に、第1のサブキャリア変調信号をサブキャリアにマッピングする。同様に、図43Cに示すように、サブキャリアマッピング部110bは、サブキャリア割当制御部124による第2のサブキャリア変調信号のサブキャリア割当情報を基に、第2のサブキャリア変調信号をサブキャリアにマッピングする。
IFFT部111aには、サブキャリアマッピング部110aからの第1のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111aは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第1のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114aは、IFFT部111aの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115aは、CP付加部114aから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116aに送出する。
一方、IFFT部111bには、サブキャリアマッピング部110bからの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111bは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114bは、IFFT部111bの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115bは、CP付加部114bから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116bに送出する。
以上の構成により、送信装置2300は、複数のアンテナ毎に異なるサブキャリア変調信号を送信することが可能となる。これにより、実施の形態1の送信装置100と比較して、IFFT部111a、111bのそれぞれに入力されるサブキャリア数を低減することができる。これにより、IFFT部の出力信号で規定されるPAPRは、入力されるサブキャリア数が少なくなることで低減する性質をもつため、本実施の形態の構成によりPAPRの低減が可能となる。
なお、制御信号生成部112からの制御信号は、IFFT部111a、あるいは、IFFT部111bのどちらか一方を用いて送信してもよい。
図42との対応部分に同一符号を付して示す図44に、本実施の形態の送信装置の別の構成例を示す。なお、図42では、第1及び第2のサブキャリア変調部104、105の前段側の構成は省略して示した。
送信装置2400は、第2のサブキャリア変調部105に、送信データのうち、重要データを入力する。一方、送信装置2400は、第1のサブキャリア変調部104に、送信データのうち、重要度が高くない通常データを入力する。これにより、図42で示した送信装置2300の構成で得られる効果に加え、第2のサブキャリア変調信号の受信品質が、第1のサブキャリア変調信号よりも良好である特性を利用して、送信信号全体の受信品質を高めることができるといった効果を得ることができる。
重要データとしては、制御信号がある。あるいはまた、誤り訂正符号化器(図42における符号化部101)が、システマティック符号(ターボ符号又はLDPC等)を用いる構成とされている場合には、システマティックビット(systematic bit)を重要データとして、優先的に第2のサブキャリア変調信号に割り当てて送信し、パリティビット(Parity bit)を通常データとして、第1のサブキャリア変調信号に割り当てて送信するとよい。
なお、図42では、一例として、送信装置2300に1つの符号化部101を設けた場合を示したが、複数の符号化部を設け、例えば第1のサブキャリア変調信号と、第2のサブキャリア変調信号を別の符号化部によって符号化するようにしてもよい。これは、後述する他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した受信装置200(図3)、400(図7)と同様な構成で受信の処理を行うことができる。
(実施の形態12)
図45に、本発明の実施の形態12に係る送信装置の構成を示す。実施の形態1で説明した送信装置100と同様に、送信装置2500は、端末に設けられ、上りリンク送信を行うものである。なお、本実施の形態の送信装置2500は、実施の形態1で説明した送信装置100と基本構成は同様である。本実施の形態の送信装置2500は、複数のアンテナを備えている。図45には、一例として、2つの送信アンテナを備えた構成が示されている。
なお、以下では、実施の形態1と異なる構成部分のみ説明する。
サブキャリアマッピング部110aは、第1のサブキャリア変調部104の出力をサブキャリア割当制御部124からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111aへ出力する。
サブキャリアマッピング部110cは、第2のサブキャリア変調部105の出力をサブキャリア割当制御部124からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、サブキャリアマッピング制御部2501に出力する。
図46に、サブキャリア割当制御部124、サブキャリアマッピング部110a、110c及びサブキャリアマッピング制御部2501による、サブキャリア変調信号のマッピングの仕方の一例を示す。図46Aにサブキャリア割当制御部124における周波数領域割当結果を示し、図46BにIFFT部111aに入力されるサブキャリア信号を示し、図46CにIFFT部111cに入力されるサブキャリア信号を示す。
図46Aに示すように、サブキャリア割当制御部124は、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリアを決定する。
図46B及び図46Cに示すように、サブキャリアマッピング制御部2501は、サブキャリアマッピング部110cの出力を所定の規則を基に分配して、IFFT部111a及びIFFT部111cのそれぞれに出力する。ここで、所定の規則として、入力されるサブキャリア信号を特定の比率で分配して出力する規則を用いればよい。あるいは、所定の規則として、特定のサブキャリア数を基に分配して出力する規則を用いてもよい。
IFFT部111aには、サブキャリアマッピング部110aからの第1のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、サブキャリアマッピング制御部2501からの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号と、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111aは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第1のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部と、サブキャリアマッピング制御部2501からの第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部と、に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114aは、IFFT部111aの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115aは、CP付加部114aから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116aに送出する。
一方、IFFT部111cには、サブキャリアマッピング制御部2501からの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111cは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114cは、IFFT部111cの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115cは、CP付加部114cから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116cに送出する。
なお、制御信号生成部112からの制御信号は、IFFT部111a、あるいは、IFFT部111cのどちらか一方を用いて送信してもよい。
以上の構成により、送信装置2500は、複数のアンテナを用いて、異なる周波数サブキャリアにマッピングされているサブキャリア信号を送信することが可能となる。また、送信装置2500は、第1のサブキャリア変調信号に割り当てられたサブキャリア変調信号を、1つのアンテナから送信し、第2のサブキャリア変調信号に割り当てられたサブキャリア変調信号を、分配して異なるアンテナから送信する。これにより、IFFT部の出力信号で規定されるPAPRは、入力されるサブキャリア数が少なくなることで低減する性質を持つため、第1のサブキャリア変調信号の低PAPR性を保持しつつ、第2のサブキャリア変調信号のPAPRを一段と低減することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、送信装置2500は、端末に設けられ、上りリンク送信を行う場合について説明したが、実施の形態2で説明したように、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送信する送信装置を、基地局に設けた場合(つまり、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を下りリンクで送信する場合)にも適用可能である。この場合、図8のサブキャリアマッピング部110以降の構成を、本実施の形態のサブキャリアマッピング部110a、110c以降の構成に置き換えればよい。
(実施の形態13)
図47に、本発明の実施の形態13に係る送信装置の構成を示す。実施の形態1で説明した送信装置100と同様に、送信装置2600は、端末に設けられ、上りリンク送信を行うものである。なお、本実施の形態の送信装置2600は、実施の形態1で説明した送信装置100と基本構成は同様である。本実施の形態の送信装置2600は、複数のアンテナを備えている。図47には、一例として、2つの送信アンテナを備えた構成が示されている。
なお、以下では、実施の形態1と異なる構成部分のみ説明する。
サブキャリアマッピング部110aは、第1のサブキャリア変調部104の出力をサブキャリア割当制御部124からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111aへ出力する。
サブキャリアマッピング部110dは、第2のサブキャリア変調部105の出力をサブキャリア割当制御部124からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、サブキャリアマッピング制御部2601に出力する。
図48に、サブキャリア割当制御部124、サブキャリアマッピング部110a、110d及びサブキャリアマッピング制御部2601による、サブキャリア変調信号のマッピングの仕方の一例を示す。図48Aは、サブキャリア割当制御部124における周波数領域割当結果を示す。図48B−1は、サブキャリアマッピング制御部2601のマッピングパターンがAの場合におけるIFFT部111aに入力されるサブキャリア信号を示し、図48B−2は、サブキャリアマッピング制御部2601のマッピングパターンがAの場合におけるIFFT部111dに入力されるサブキャリア信号を示す。図48C−1は、サブキャリアマッピング制御部2601のマッピングパターンがBの場合におけるIFFT部111aに入力されるサブキャリア信号を示し、図48C−2は、サブキャリアマッピング制御部2601のマッピングパターンがBの場合におけるIFFT部111dに入力されるサブキャリア信号を示す。
図48Aに示すように、サブキャリア割当制御部124は、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリアを決定する。
サブキャリアマッピング制御部2601は、サブキャリアマッピング部110dの出力を、異なる複数の所定の規則のうち1つの規則を選定して、それを基に第2のサブキャリア変調信号を分配して、IFFT部111a及びIFFT部111dに出力する。
図48B(サブキャリアマッピングパターンA)と図48C(サブキャリアマッピングパターンB)は、サブキャリアマッピング制御部2601で用いられる異なる分配規則の一例を示したものである。ここで、所定の規則として、入力されるサブキャリア信号を特定の比率で分配して出力する規則を用いればよい。あるいは、所定の規則として、特定のサブキャリア数を基に分配して出力する規則を用いてもよい。
IFFT部111aには、サブキャリアマッピング部110aからの第1のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、サブキャリアマッピング制御部2601からの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号と、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111aは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第1のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部と、サブキャリアマッピング制御部2601からの第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部と、に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
一方、IFFT部111dには、サブキャリアマッピング制御部2601からの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111dは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
PAPR測定部2602は、IFFT部111aの出力信号と、IFFT部111dの出力信号とを基に、各出力信号のPAPRを測定する。
ここで、測定されたPAPRが所定値以上の場合、サブキャリアマッピング制御部2601は、以下に示すような、サブキャリアマッピングパターン(サブキャリアを分配する規則)を変更する処理を行う。
サブキャリアマッピングパターン変更処理: PAPR測定部2602のPAPR測定結果が所定値以上の場合、サブキャリアマッピング制御部2601は、サブキャリアマッピングパターンを変更する。サブキャリアマッピング制御部2601は、例えば、図48B−1及び図48B−2に示すようなサブキャリアマッピングパターンAに代えて、図48C−1及び図48C−2に示すようなサブキャリアマッピングパターンAと異なるサブキャリアマッピングパターンBに変更することで、IFFT部111aに入力するサブキャリア信号及びIFFT部111dに入力するサブキャリア信号のマッピングパターンを変更する。
PAPR測定部2602は、サブキャリアマッピングパターンを変更処理後の、IFFT部111aの出力信号と、IFFT部111dの出力信号とを基に、各出力信号のPAPRを再度測定する。測定されたPAPRが所定値以上である場合、サブキャリアマッピング制御部2601は、再度、サブキャリアマッピングパターンを変更する。これに対して、測定されたPAPRが所定値以下の場合、サブキャリアマッピング制御部2601は、サブキャリアマッピングパターンを変更しない。
なお、以上の処理を繰り返した結果、すべてのサブキャリアマッピングパターンで測定されたPAPRが所定値以下とならない場合は、サブキャリアマッピング制御部2601は、すべてのサブキャリアマッピングパターンの中でPAPRが尤も低いものを選定する。
CP付加部114aは、IFFT部111aの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115aは、CP付加部114aから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116aに送出する。
CP付加部114dは、IFFT部111dの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115dは、CP付加部114dから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116dに送出する。
なお、制御信号生成部112からの制御信号は、IFFT部111a、あるいは、IFFT部111dのどちらか一方を用いて送信してもよい。
以上の構成により、送信装置2600は、複数のアンテナを用いて、異なる周波数サブキャリアにマッピングされているサブキャリア信号を送信することが可能となる。また、送信装置2600は、第1のサブキャリア変調信号に割り当てられたサブキャリア変調信号を、1つのアンテナから送信し、かつ、第2のサブキャリア変調信号に割り当てられたサブキャリア変調信号を、分配して異なるアンテナから送信する。これにより、IFFT部の出力信号で規定されるPAPRは、入力されるサブキャリア数が少なくなることで低減する性質をもつため、第1のサブキャリア変調信号の低PAPR性を保持しつつ、第2のサブキャリア変調信号のPAPRを一段と低減することが可能となる。
さらに、送信装置2600は、第2のサブキャリア変調信号を、異なるアンテナに分配する際にPAPRが所定値より小さくなるサブキャリアマッピングパターンを用いる。これにより、PAPRが低くなるサブキャリア信号の組合せを選択することができる。この結果、本実施の形態の送信装置2600は、実施の形態12によりも、PAPRを一段と低減することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、送信装置2600は、端末に設けられ、上りリンク送信を行う場合について説明したが、実施の形態2で説明したように、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送信する送信装置を、基地局に設けた場合(つまり、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を下りリンクで送信する場合)にも適用可能である。この場合、図8のサブキャリアマッピング部110以降の構成を、本実施の形態のサブキャリアマッピング部110a、110d以降の構成に置き換えればよい。
(実施の形態14)
図49に、本発明の実施の形態14に係る送信装置の構成を示す。送信装置2700は、実施の形態2で説明した送信装置500と同様に、基地局に設けられ、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を下りリンクで送信する。なお、本実施の形態の送信装置2700は、実施の形態2で説明した送信装置500と基本構成は同様である。本実施の形態の送信装置2700は、複数のアンテナを備えている。図49には、一例として、2つの送信アンテナを備えた構成が示されている。
図8との対応部分に同一符号を付して示す図49に、本実施の形態の送信装置2700の構成を示す。
なお、以下では、実施の形態2と異なる構成部分のみ説明する。
サブキャリアマッピング部110aは、第1のサブキャリア変調部104の出力をサブキャリア割当制御部501からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111aへ出力する。
サブキャリアマッピング部110bは、第2のサブキャリア変調部105の出力をサブキャリア割当制御部501からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111bへ出力する。
図43に、サブキャリア割当制御部501及びサブキャリアマッピング部110a、110bによる、サブキャリア変調信号のマッピングの仕方の一例を示す。
図43Aに示すように、サブキャリア割当制御部501は、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリアを決定する。
図43Bに示すように、サブキャリアマッピング部110aは、サブキャリア割当制御部501による第1のサブキャリア変調信号のサブキャリア割当情報を基に、第1のサブキャリア変調信号をサブキャリアにマッピングする。同様に、図43Cに示すように、サブキャリアマッピング部110bは、サブキャリア割当制御部501による第2のサブキャリア変調信号のサブキャリア割当情報を基に、第2のサブキャリア変調信号をサブキャリアにマッピングする。
IFFT部111aには、サブキャリアマッピング部110aからの第1のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、制御信号生成部502からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111aは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第1のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114aは、IFFT部111aの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115aは、CP付加部114aから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116aに送出する。
一方、IFFT部111bには、サブキャリアマッピング部110bからの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、制御信号生成部502からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111bは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114bは、IFFT部111bの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115bは、CP付加部114bから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116bに送出する。
以上の構成により、送信装置2700は、複数のアンテナ毎に異なるサブキャリア変調信号を送信することが可能となる。これにより、実施の形態2の送信装置500と比較して、IFFT部111a、111bのそれぞれに入力されるサブキャリア数を低減することができる。これにより、IFFT部の出力信号で規定されるPAPRは、入力されるサブキャリア数が少なくなることで低減する性質をもつため、本実施の形態の構成によりPAPRの低減が可能となる。
なお、制御信号生成部112からの制御信号は、IFFT部111a、あるいは、IFFT部111bのどちらか一方を用いて送信してもよい。
また、図49では、一例として、送信装置2700に1つの符号化部101を設けた場合を示したが、複数の符号化部を設け、例えば第1のサブキャリア変調信号と、第2のサブキャリア変調信号を別の符号化部によって符号化するようにしてもよい。これは、後述する他の実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態においては、実施の形態2で説明した受信装置600(図9)と同様な構成で受信の処理を行うことができる。
(実施の形態15)
図19との対応部分に同一符号を付して示す図50に、本実施の形態の送信装置の構成を示す。送信装置2800は、実施の形態5の送信装置1300(図19)と同様に、送信電力制御情報抽出部1301を有する。送信電力制御情報抽出部1301は、受信機から通知される送信電力制御情報を抽出し、これを送信RF部115a、115bに加えて、サブキャリア割当制御部1302に送出する。
なお、本実施の形態の送信装置2800は、実施の形態5で説明した送信装置1300と基本構成は同様である。本実施の形態の送信装置2800は、複数のアンテナを備えている。図50には、一例として、2つの送信アンテナを備えた構成が示されている。
なお、以下では、実施の形態5と異なる構成部分のみ説明する。
サブキャリア割当制御部1302は、送信電力制御情報を基に、サブキャリア割当における第1及び第2のサブキャリア変調信号の比率を可変制御する。具体的には、図21に示すように、送信電力が最大送信電力から小さくなるにつれて、第2のサブキャリア変調信号の割合を多くしていく制御を行う。
また、この際に、使用する変調多値数毎に、図20に示すように、第2のサブキャリア変調信号の割合を可変したときのPAPR特性を予め測定しておき、割合を100[%]にしたときのPAPRの最大値Dmaxを基に、図21における制御の指標とする。
サブキャリアマッピング部110aは、第1のサブキャリア変調部104の出力をサブキャリア割当制御部1302からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、IFFT部111aへ出力する。
サブキャリアマッピング部110cは、第2のサブキャリア変調部105の出力をサブキャリア割当制御部1302からの制御情報に基づくサブキャリアに配置にして、サブキャリアマッピング制御部2801に出力する。
図46に、サブキャリア割当制御部1302、サブキャリアマッピング部110a、110c及びサブキャリアマッピング制御部2801による、サブキャリア変調信号のマッピングの仕方の一例を示す。
図46Aに示すように、サブキャリア割当制御部1302は、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリア及び第2のサブキャリア変調信号を割り当てるサブキャリアを決定する。
図46B及び図46Cに示すように、サブキャリアマッピング制御部2801は、サブキャリアマッピング部110cの出力を所定の規則を基に分配して、IFFT部111a及びIFFT部111cのそれぞれに出力する。
ここで、サブキャリアマッピング制御部2801は、サブキャリア割当制御部1302の情報を基に、第2のサブキャリア変調信号のIFFT部111a及びIFFT部111cへの分配比率を変化させる。例えば、サブキャリアマッピング部110aからIFFT部111aに入力される第1のサブキャリア変調信号の数が少ないほど、IFFT部111aに出力する第2のサブキャリア変調信号の比率を高くする。これにより、IFFT部11aに入力されるサブキャリア変調信号の数と、IFFT部111cに入力されるサブキャリア変調信号の数とのうち、いずれかの一方に入力されるサブキャリア変調信号の数が他方のサブキャリア変調信号の数よりも極端に多くなることを防止できるので、PAPRを低減することができる。
IFFT部111aには、サブキャリアマッピング部110aからの第1のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、サブキャリアマッピング制御部2801からの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号と、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111aは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第1のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部と、サブキャリアマッピング制御部2801からの第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部と、に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114aは、IFFT部111aの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115aは、CP付加部114aから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116aに送出する。
一方、IFFT部111cには、サブキャリアマッピング制御部2801からの第2のサブキャリア変調信号のデータ信号に加えて、制御信号生成部112からの制御信号と、パイロット信号生成部113からのパイロット信号と、が入力される。IFFT部111cは、入力されたこれらの信号に対してNs個のサイズのIFFT処理を行う。
ここで、受信側でチャネル推定のために用いるパイロット信号は、第2のサブキャリア変調信号がマッピングされるサブキャリアの一部あるいは全部に配置されて送信される。これにより、複数のアンテナを用いて送信した場合、第1あるいは第2のサブキャリア変調信号が、どのアンテナから送信されているかの情報を、制御信号などに含ませて送信することが不要となる。すなわち、受信側でパイロット信号を用いたチャネル推定を行うことにより、受信処理を適切に行うことができる。
CP付加部114cは、IFFT部111cの出力信号にCP(サイクリックプレフィクス:Cyclic Prefix)を付加する。送信RF部115cは、CP付加部114cから出力された信号に対して、アップコンバートや送信電力制御等の所定の無線送信処理を施し、処理後の信号をアンテナ116cに送出する。
なお、制御信号生成部112からの制御信号は、IFFT部111a、あるいは、IFFT部111cのどちらか一方を用いて送信してもよい。
以上の構成により、送信装置2800は、複数のアンテナを用いて、異なる周波数サブキャリアにマッピングされているサブキャリア信号を送信することが可能となる。また、送信装置2800は、第1のサブキャリア変調信号に割り当てられたサブキャリア変調信号を、1つのアンテナから送信し、かつ、第2のサブキャリア変調信号に割り当てられたサブキャリア変調信号を、分配して異なるアンテナから送信する。これにより、IFFT部の出力信号で規定されるPAPRは、入力されるサブキャリア数が少なくなることで低減する性質をもつため、第1のサブキャリア変調信号の低PAPR性を保持しつつ、第2のサブキャリア変調信号のPAPRを一段と低減することが可能となる。
また、送信装置2800は、送信電力に伴い、サブキャリア割当制御部1302により、第1のサブキャリア変調信号及び第2のサブキャリア変調信号の比率を変更する場合でも、サブキャリアマッピング制御部2801によって、サブキャリア割当制御部1302の情報を基に、IFFT部111aに入力されるサブキャリア変調信号の数と、IFFT部111cに入力されるサブキャリア変調信号の数とを調整するので、PAPRを低減することができる。
なお、本実施の形態においては、送信装置2800は、端末に設けられ、上りリンク送信を行う場合について説明したが、実施の形態2で説明したように、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を送信する送信装置を、基地局に設けた場合(つまり、第1及び第2のサブキャリア変調信号が混在した信号を下りリンクで送信する場合)にも適用可能である。
(実施の形態16)
実施の形態2で説明した図8との対応部分に同一符号を付して示す図51に、本実施の形態の送信装置2900の構成を示す。送信装置2900は、基地局に設けられている。
以下では、実施の形態2(図8)と異なる構成部分のみ説明する。
送信装置2900は、セクタ毎サブキャリア割当制御部2901を有する。セクタ毎サブキャリア割当制御部2901は、セクタ毎に、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるか、又は、第2のサブキャリア変調信号を割り当てるかを、制御する。
送信装置2900のチャネル品質情報抽出部121は、受信装置(端末)から送信されたチャネル品質情報を受信信号から抽出する。チャネル品質情報は、MCS制御部122及びセクタ毎サブキャリア割当制御部2901に出力される。
セクタ毎サブキャリア割当制御部2901は、予め定められた割当規則に従って、セクタ毎に、第1のサブキャリア変調信号を割り当てるか、又は、第2のサブキャリア変調信号を割り当てるかを、制御する。この割当規則は、隣接するセクタ間で異なるサブキャリア変調信号を用いるといったものである。つまり、第1のセクタにおいて第1のサブキャリア変調信号が割り当てられて送信された場合には、第1のセクタに隣接する第2のセクタでは第2のサブキャリア変調信号が割り当てられて送信される。これにより、他セクタからの干渉あるいは、他セクタへの干渉を白色化することができる。
これは、同一のサブキャリアを隣接するセクタ間で用いる場合において、第1のサブキャリア変調信号が割り当てられたセクタの信号に対し、第2のサブキャリア変調信号が割り当てられたセクタの信号は、以下の関係となるためである。すなわち、送信装置で送信するサブキャリア変調信号に対し、前者は第1のサブキャリア変調信号が時間領域の信号として送信されるのに対し、後者は第2のサブキャリア変調信号が周波数領域の信号として送信される。このような関係から、時間領域の信号に対し、白色化(あるいは白色化に近い信号)された周波数領域の信号が干渉を及ぼすことから、同一のサブキャリア変調信号をセクタ間で送信する場合よりも、干渉が白色化されるため、その干渉の影響を低減することができる。この結果、セクタ間の与干渉及び被干渉を低減することができる。
また、セクタ毎サブキャリア割当制御部2901は、チャネル品質情報を基に、送信装置2900が送信帯域中のどのサブキャリアを用いて送信するかを決定する。加えて、セクタ毎サブキャリア割当制御部2901は、第1のサブキャリア変調信号あるいは第2のサブキャリア変調信号のどちらを用いるかの選択結果を、パーサ部103及びサブキャリアマッピング部110に出力する。
制御信号生成部502は、受信装置に通知するためのサブキャリア割当情報とサブキャリアに割り当てたMCSの情報(MCS情報)とを含む制御信号を生成する。
図3との対応部分に同一符号を付して示す図52に、本実施の形態の受信装置の構成を示す。受信装置3000は、端末に設けられている。
周波数リソース割当情報抽出部3001は、送信装置2900により送信された制御信号に含まれる周波数リソース割当情報を抽出する。周波数リソース割当情報は、どのサブキャリアに、第1又は第2のどちらのサブキャリアの変調信号がマッピングされているかを示す情報を含む。
周波数リソース割当情報抽出部3001は、抽出した周波数リソース割当情報を、サブキャリアデマッピング部208、IDFT部212、P/S部215及びデパーサ部218に送出する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、隣接するセクタ間で、異なるサブキャリア変調信号を用いることで、他セクタからの干渉あるいは、他セクタへの干渉を白色化することができる。この結果、セクタ間の与干渉及び被干渉を低減することができる。
なお、本実施の形態においては、送信装置2900は、基地局装置に設けられ、下りリンク送信を行う場合について説明したが、実施の形態1で説明したように、第1及び第2のサブキャリア変調信号のどちらか一方の変調信号を送信する送信装置を、端末装置に設けた場合(つまり、下りリンクで送信する場合)にも適用可能である。この場合、各端末のセクタ毎サブキャリア割当制御部2901が、自端末がどのセクタに属するかに応じて、第1のサブキャリア変調信号を用いるか、又は、第2のサブキャリア変調信号を用いるかを決定すればよい。このようにすれば、送信装置2900を基地局に設けた場合でも同様に、セクタ間の干渉を低減することができる。