JP2013012611A - 半導体デバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体デバイスを、2次元構造のグラフェン電極2、3と、グラフェン電極のグラフェン端に結合した2次元構造のボロンナイトライド半導体層5とを備えるものとする。
【選択図】図1
Description
しかしながら、性能向上を目的とした微細化は限界に近づきつつある。また、透明性、フレキシブル性などの多くの要求に応えるのも難しい。
そこで、代替材料の一つとして、グラフェンが注目されている。
また、例えば太陽光発電装置において用いられる発光・受光デバイスとして、紫外発光・受光デバイスが有用であると考えられる。
そこで、グラフェンの特性を生かしつつ、高耐圧デバイスを実現したい。
また、グラフェンの特性を生かしつつ、紫外発光・受光デバイスを実現したい。
本半導体デバイスの製造方法は、2次元構造のグラフェン電極を形成し、グラフェン電極のグラフェン端に結合するように2次元構造のボロンナイトライド半導体層を形成することを要件とする。
また、グラフェンの特性を生かしつつ、紫外発光・受光デバイスを実現することができるという利点がある。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。
本半導体デバイスは、グラフェン電極2、3がボロンナイトライド半導体層5を間に挟んで両側に設けられており、グラフェン電極2、3をソース電極及びドレイン電極とし、ボロンナイトライド半導体層5をチャネルとしたトランジスタ6を備える。なお、図1では、ゲート電極や絶縁膜等は省略している。ここでは、複数のトランジスタ6が同一基板7上に集積された半導体デバイスである。また、各電極2、3は配線を兼ねるものである。なお、ボロンナイトライド半導体層5は、チャネルとして機能し、ボロンナイトライド4からなるチャネルであるため、ボロンナイトライドチャネルともいう。
このように、グラフェン1及びボロンナイトライド4という2種類の材料を用い、それぞれの特性を利用することで、例えば電力変換機器や電源装置等に用いられる高耐圧デバイス(例えば高耐圧の透明電源デバイス)を実現することができる。また、その用途に応じて、フレキシブル性や透明性を有するデバイスを実現することもできる。
まず、図2(A)、図3(A)に示すように、酸化膜付きシリコン基板(成長用基板)10上に、触媒(例えば鉄)を例えば約500nm程度例えばスパッタにより堆積させて触媒薄膜11を形成する。なお、図3(A)は図2(A)のX−X′線に沿う断面図である。
例えば、電子ビーム露光又はフォトリソグラフィ法等を用いてパターニングした後、反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Etching)、アルゴンイオンミリング又はウェットエッチング等によって表面側の触媒薄膜11を削り取る。
このようにして形成された2次元構造のグラフェン1は、ソース電極2及びドレイン電極3として機能しうる幅及び層数になっている。つまり、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xに、ソース電極2及びドレイン電極3として機能しうる幅及び層数を持つ金属グラフェン1が形成される。
本実施形態では、図2(B)、図3(B)に示すように、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3X、即ち、触媒薄膜11の厚さが約200nmの領域が互いに間隔をあけて設けられるように、触媒薄膜11がパターニングされている。これにより、図2(C)、図3(C)に示すように、互いに間隔をあけて設けられたソース電極領域2X及びドレイン電極領域3X(第1領域及び第2領域)のそれぞれにグラフェン1が形成される。
このようにして、チャネル領域5Xにおいて、ソース電極領域2Xに形成されたグラフェンソース電極2とドレイン電極領域3Xに形成されたグラフェンドレイン電極3との距離が最短距離になるようにしている。
ここでは、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xに形成されたグラフェン1の本体部2B、3Bは、幅が数百nm〜数百μm程度であり、突出部2A、3Aは、幅が数nm〜数百nm程度である。厚みは数層から数百層の範囲であれば良い。なお、グラフェン1の大きさ、即ち、ソース電極2及びドレイン電極3の大きさは、これに限られるものではなく、用途によってはこの範囲でなくても良い。
なお、グラフェン1を成長させるために用いる触媒薄膜11の材料は、鉄に限定されるものではなく、例えば、Co、Ni、Cuなどの金属、これらの合金、酸化物、炭化物及び窒化物などを用いても良い。なお、炭化物を用いる場合、グラフェン1の成長方法はCVD法に限られるものではなく、例えば加熱により金属を昇華させることによってグラフェン1を成長させることもできる。
つまり、例えばFe、Co、Ni、Cuなどの金属、これらの合金、酸化物及び窒化物のいずれか一種以上の触媒と、例えばTi、Al、Mo、Au、Ta、Ptなどの金属、これらの合金、酸化物及び窒化物のいずれか一種以上の助触媒とを組み合わせて用いても良い。
続いて、図2(D)、図3(D)に示すように、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3X以外の領域、即ち、グラフェン1が成長していない領域に形成されている触媒薄膜11の表面が、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xに成長しているグラフェン1よりも下側になるように、グラフェン1が成長していない領域の触媒薄膜11を削り取る。例えば、塩酸等を用いたウェットエッチング又はドライエッチングによって、グラフェン1が成長していない領域の触媒薄膜11の表面側を、例えば約300nm程度以上削り取る。なお、図3(D)は図2(D)のX−X′線に沿う断面図である。
さらに、成長方法としては、例えばリモートプラズマCVD法、プラズマCVD法、CVD法、ないしはMOCVD法などを用いても良く、特に限定されるものではない。また、成長用ガスも、BBr3とNH3以外にもアンモニアボラン(borazane)、ジボラン(B2H6)とNH3、塩化ボラン(BCl3)とNH3、トリメチルボレートとN2ガスなどを用いても良い。また、プラズマを用いた成長法の場合、NH3やN2ガスをプラズマにより容易に分解可能であるため、多様な原料の組み合わせが可能であり、特に限定されるものではない。
つまり、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xに形成されている数層のグラフェン1の端を終端するように、数層のボロンナイトライド4、即ち、2次元構造のボロンナイトライド4が成長する。
特に、本実施形態では、ボロンナイトライド4の成長時間を制御することによって、上述のように、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xに形成されたグラフェンソース電極2及びグラフェンドレイン電極3の突出部2A、3Aによって最短距離になっているチャネル領域5Xのみで架橋するようにしている。つまり、グラフェン1の端に成長するボロンナイトライド4がチャネル領域5Xでのみ架橋し、グラフェンソース電極2とグラフェンドレイン電極3との間にボロンナイトライドチャネル5が形成される。この場合、チャネル領域5X以外では、ボロンナイトライド4は架橋せず、グラフェン端を終端するだけであるため、デバイス特性に影響することはない。このように、グラフェンソース電極2及びグラフェンドレイン電極3の形状を制御することによって、ボロンナイトライドチャネル5の形成場所を任意に設定することが可能である。また、汚れ等の原因になりやすいグラフェン端をボロンナイトライド4で終端することが可能となり、ボロンナイトライド4は電気的に安定であるため、デバイス特性を向上させることが可能である。
本実施形態では、ソース電極領域2Xに形成されたグラフェンソース電極2のグラフェン端からドレイン電極領域3Xへ向けて成長するボロンナイトライド4と、ドレイン電極領域3Xに形成されたグラフェンドレイン電極3のグラフェン端からソース電極領域2Xへ向けて成長するボロンナイトライド4とが互いに結合するように、ソース電極領域2Xとドレイン電極領域3Xとの間の領域にボロンナイトライド半導体層5が形成される。
続いて、図2(F)、図3(F)に示すように、チャネル領域5Xに形成されたボロンナイトライド4の周囲を覆うように、即ち、ボロンナイトライドチャネル5の上方及び側方を覆うように、ゲート絶縁膜8を形成する。なお、図3(F)は図2(F)のX−X′線に沿う断面図である。
次いで、ゲート絶縁膜8上にゲート電極9を形成する。
このようにして、トランジスタ構造(デバイス構造)が形成される。
続いて、図2(G)、図3(G)に示すように、トランジスタ構造の上方の全面に、例えばスピンコート、ディップコート、CVD法等によって、例えば樹脂等を塗布して、支持膜(保持膜)12を形成する。なお、図3(G)は図2(G)のX−X′線に沿う断面図である。
最後に、図2(H)、図3(H)に示すように、シリコン基板10及び触媒薄膜11を全て除去した後、図2(I)、図3(I)に示すように、別途用意した支持基板7(例えばフレキシブル基板、透明基板など)上に転写する。例えば、シリコン基板10及び触媒薄膜11を除去したデバイス構造は、SOG(スピンオングラス)膜や絶縁体(例えばアクリルやポリエチレンなどの樹脂から構成された有機系の絶縁体)によって、支持基板7上に貼り付けて固定すれば良い。これにより、半導体デバイス13が完成する。なお、図3(H)は図2(H)のX−X′線に沿う断面図であり、図3(I)は図2(I)のX−X′線に沿う断面図である。
なお、上述の実施形態では、グラフェンソース電極2及びグラフェンドレイン電極3とは別に金属ゲート電極9を形成しており、ゲート電極をソース電極及びドレイン電極と同一平面上に形成していないが、これに限られるものではない。
例えば図6、図7に示すように、グラフェンソース電極2及びグラフェンドレイン電極3とは異なる平面上にグラフェンゲート電極9Dを形成しても良い(第2変形例)。つまり、ボロンナイトライドチャネル5の下方からボロンナイトライドチャネル5の側方へ引き出されて延びており、かつ、グラフェンソース電極2及びグラフェンドレイン電極3に対して下方に位置するように、グラフェンゲート電極9Dを形成し、ボロンナイトライドチャネル5とグラフェンゲート電極9Dとの間をゲート絶縁膜8で埋め込むようにしても良い。このグラフェンゲート電極9Dを、グラフェン埋め込みゲート電極ともいう。
具体的には、以下のようにすれば良い。
まず、上述の実施形態における製造方法の触媒薄膜11を削り取る工程において、同様の方法で、図6(B)、図7(B)に示すように、ソース電極領域2X、ドレイン電極領域3X及びゲート電極9Dを形成するゲート電極領域9X以外の領域の触媒薄膜11を削り取る。また、ゲート電極領域9Xの触媒薄膜11の厚さが例えば約200nm程度になるように、同様の方法で(例えばフォトリソグラフィ及びイオンミリング等によって)、ゲート電極領域9Xの触媒薄膜11を削り取る。一方、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xの触媒薄膜11は削り取らないで、その厚さを例えば約500nm程度のままとする。なお、図6(B)では、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xと、ゲート電極領域9Xとで、触媒薄膜11の厚さが異なるため、異なる濃さで示している。なお、図7(B)は図6(B)のX−X′線に沿う断面図である。
例えば図9に示すように、グラフェン1からなる配線パターン14(グラフェン配線;電極及び引き出し配線を含む)を形成し、これを、支持基板15(絶縁基板;例えば透明基板、フレキシブル基板など)上に設けて配線基板16を作製する(第4変形例)。そして、この配線基板16に、上述のようにして作製したデバイスパターン(デバイス構造)を有する半導体デバイス13(デバイス基板)を貼り合わせるようにしても良い。なお、ここでは、グラフェン配線14の電極部分は、グラフェン端がボロンナイトライド4によって終端されており、ボロンナイトライド4は電気的に安定であるため、デバイス特性を向上させることが可能である。なお、グラフェン配線14の電極部分のグラフェン端はボロンナイトライド4によって終端されていなくても良い。
また、上述の実施形態及び変形例では、支持基板の表面側にゲート電極を設ける場合(トップゲート構造;埋め込みゲート構造)を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、支持基板の裏面側にゲート電極を設けたもの(バックゲート構造)、あるいは、表面側及び裏面側にゲート電極を設けたもの(デュアルゲート構造)としても良い。また、表面側に2つのゲート電極を設けた構造、フィールドプレートとして機能させるゲートあるいはソース電極を設けた構造、これらの構造を裏面電極によって実現した構造、又は、表面電極及び裏面電極を組み合わせてこれらの構造を実現した構造であっても良い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法について、図11、図12を参照しながら説明する。
これば、バンドギャップが広いボロンナイトライド4をチャネル5として用いる場合、これとソース電極2及びドレイン電極3として用いるグラフェン1とをオーミック接合させるのが好ましいからである。そこで、グラフェン1とボロンナイトライド4との接合部に伝導体層18を設けることで、グラフェン1とボロンナイトライド4との接合部におけるコンタクト抵抗を下げるようにしている。
次に、本実施形態にかかる半導体デバイスの製造方法について、図11、図12を参照しながら説明する。
次に、図11(E)、図12(E)に示すように、グラフェン1とボロンナイトライド4との結合部、即ち、グラフェンソース電極2及びグラフェンドレイン電極3とボロンナイトライドチャネル5との接合部を覆うように伝導体層18を形成する。なお、図12(E)は図11(E)のX−X′線に沿う断面図である。
その後、上述の第1実施形態の変形例の場合(図6、図7参照)と同様に、図11(F)、図12(F)に示すように、ゲート絶縁膜8を形成し、図11(G)、図12(G)に示すように、支持膜12を形成し、図示していないが、シリコン基板10及び触媒薄膜11を除去した後、支持基板7に転写することで、半導体デバイス13が完成する。なお、図12(F)は図11(F)のX−X′線に沿う断面図であり、図12(G)は図11(G)のX−X′線に沿う断面図である。
なお、本実施形態では、上述の第1実施形態の変形例のデバイス構造(図6〜図8参照)に対して伝導体層18を設ける場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、他のデバイス構造のものにも適用可能である。例えば、上述の第1実施形態のデバイス構造(図1〜図3参照)や上述の第1実施形態の変形例のデバイス構造(図4、図5、図9、図10参照)にも適用可能である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法について、図14〜図16を参照しながら説明する。
つまり、本半導体デバイスでは、図14に示すように、円形状のソース電極20と、切欠部を有するリング状のドレイン電極30と、リング状部分と直線状引出部分と四角形状部分とを有するゲート電極90とを備え、いずれの電極も2次元構造のグラフェン1からなる。なお、図14では各電極20、30、90の位置関係を模式的に示しているが、実際には、ゲート電極90はボロンナイトライド半導体層50の上方又は下方に位置する。
以下、本実施形態の半導体デバイスの製造方法について、図15、図16を参照しながら説明する。なお、図16は、図15に平面図で示している構成の特定の断面を示すものではなく、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁膜等の断面における位置関係を分かり易く示している。
次に、図15(B)、図16(B)に示すように、パターニングを行なった後、触媒薄膜11を加工することで、各電極領域2X、3X、9X以外の領域の触媒薄膜11を除去し、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xの触媒薄膜11を残し、ゲート電極領域9Xの触媒薄膜を削り取って薄くする。なお、図15では、ソース電極領域2X及びドレイン電極領域3Xと、ゲート電極領域9Xとで、触媒薄膜11の厚さが異なるため、異なる濃さで示している。
本実施形態では、円形状のグラフェンソース電極20が形成される。また、切欠部を有するリング状のグラフェンドレイン電極30が形成される。さらに、チャネル領域5Xの下方からチャネル領域5Xの側方まで引き出されて延び、かつ、グラフェンソース電極20及びグラフェンドレイン電極30に対して下方に位置するグラフェンゲート電極90が形成される。
本実施形態では、ソース電極領域2Xに形成された2次元構造のグラフェンソース電極20のグラフェン端を起点として2次元構造のボロンナイトライド4が成長するとともに、ドレイン電極領域3Xに形成された2次元構造のグラフェンドレイン電極30のグラフェン端を起点として2次元構造のボロンナイトライド4が成長する。
ここでは、ボロンナイトライド4の成長時間を制御することによって、最短距離になっているチャネル領域5Xのみで架橋するようにしている。つまり、ソース電極領域2Xに形成されたグラフェンソース電極20のグラフェン端を起点として外側へ向けて成長するボロンナイトライド4と、ドレイン電極領域3Xに形成されたグラフェンドレイン電極30のグラフェン端を起点として内側へ向けて成長するボロンナイトライド4とが架橋し、グラフェンソース電極20とグラフェンドレイン電極30との間にボロンナイトライドチャネル50が形成される。
このようにして、グラフェン1の端に結合するように2次元構造のボロンナイトライド4が形成される。
その後、図15(F)、図16(F)に示すように、支持膜12を形成し、シリコン基板10及び触媒薄膜11を除去した後、支持基板7(絶縁基板;例えばフレキシブル基板、透明基板など)に転写することで、半導体デバイス13が完成する。
また、本実施形態において、ゲート絶縁膜8と支持膜12とを同一の材料によって形成しても良い。この場合、支持膜を設けずに、ゲート絶縁膜を全面に形成することで、ゲート絶縁膜を支持膜として用いても良い。また、ゲート絶縁膜を設けずに、支持膜を全面に形成することで、支持膜をゲート絶縁膜として用いても良い。これにより、プロセスを単純化することが可能となる。
なお、上述の実施形態では、グラフェンソース電極20、グラフェンドレイン電極30、グラフェンゲート電極90及びボロンナイトライドチャネル50を同一基板7上に作製しているが、これに限られるものではない。
例えば図18に示すように、ゲート電極9Eを、ドレイン電極3から遠くなる位置、即ち、ソース電極2に近くなる位置に設けたデバイス構造であっても、より高耐圧に適したデバイス構造を実現することができる。つまり、ソース電極2とゲート電極9Eとの間の距離をドレイン電極3とゲート電極9Eとの間の距離よりも短く設定したデバイス構造であっても、より高耐圧に適したデバイス構造を実現することができる。具体的には、ソース電極2とゲート電極9Eとの間の距離に対してドレイン電極3とゲート電極9Eとの間の距離が少なくとも1.5倍から10倍程度になるように設定するのが好ましい。
つまり、耐圧をより高めるためには、ゲート電極9Eとドレイン電極3との間の距離を長くすれば良いが、ゲート電極9Eとドレイン電極3との間の距離を長くすると、抵抗は高くなってしまう。このため、ゲート電極9Eとドレイン電極3との間の距離を長くすることなく、ゲート電極9Eを、ドレイン電極3から遠くなる位置、即ち、ソース電極2に近くなる位置に設けることで、より高耐圧に適したデバイス構造を実現することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法について、図19、図20を参照しながら説明する。
なお、発光・受光素子は、例えば発光ダイオードなどの発光素子としても使えるし、例えばフォトダイオードなどの受光素子としても使えるものであり、発光素子又は受光素子ともいう。
なお、本実施形態のものに対して、上述の第1実施形態の変形例(例えば図9、図10参照)や上述の第2実施形態を適用することもできる。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
また、上述の第1〜3実施形態のものと、上述の第4実施形態のものとを組み合わせても良い。つまり、上述の第4実施形態の紫外領域のpn接合型発光・受光素子と、上述の第1〜3実施形態のトランジスタとを備えるものとして半導体デバイスを構成しても良い。この場合、紫外領域のpn接合型発光・受光素子及びトランジスタを含む駆動回路を備えるデバイス全体が可視光透明性を有することになるため、例えば家屋、建物、車等の窓ガラス等に設けることで発電デバイスとして利用することが可能である。つまり、デバイス全体が可視光透明性を有するため、例えば家屋、建物、車等の窓ガラス等に設けても可視光は透過させることができる一方、ボロンナイトライドが紫外光領域の光を吸収する性質を利用して内部への紫外光の侵入を除去することができ(紫外線除去機能)、さらに、吸収した紫外光によって発電を行なうことも可能である。
2 グラフェン電極(ソース電極、p側電極)
2A 突出部
2X ソース電極領域
3 グラフェン電極(ドレイン電極、n側電極)
3A 突出部
3X ドレイン電極領域
4 ボロンナイトライド
5 ボロンナイトライド半導体層(チャネル、pn接合半導体層)
5A p型半導体層
5B n型半導体層
5X チャネル領域
6 トランジスタ
7 基板(支持基板)
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
9A グラフェンゲート電極
9B 金属ゲート電極
9C トップゲート電極
9D グラフェンゲート電極
9E ゲート電極
9X ゲート電極領域
10 シリコン基板(成長用基板)
11 触媒薄膜
12 支持膜
13 半導体デバイス
14 配線パターン(グラフェン配線)
15 支持基板
16 配線基板
17 絶縁膜
18 伝導体層
19 基板(成長用基板)
20 ソース電極(グラフェン電極)
21 半導体デバイス
22 発光・受光素子
23 支持部
30 ドレイン電極(グラフェン電極)
50 ボロンナイトライド半導体層(チャネル)
60 トランジスタ
90 ゲート電極(グラフェン電極)
Claims (6)
- 2次元構造のグラフェン電極と、
前記グラフェン電極のグラフェン端に結合した2次元構造のボロンナイトライド半導体層とを備えることを特徴とする半導体デバイス。 - 前記グラフェン電極は、前記ボロンナイトライド半導体層を間に挟んで両側に設けられており、
前記グラフェン電極をソース電極及びドレイン電極とし、前記ボロンナイトライド半導体層をチャネルとしたトランジスタを備えることを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。 - 前記グラフェン電極は、前記ボロンナイトライド半導体層を間に挟んで両側に設けられており、
前記ボロンナイトライド半導体層は、一側の領域にp型不純物がドーピングされており、他側の領域にn型不純物がドーピングされており、
前記グラフェン電極をp側電極及びn側電極とし、前記ボロンナイトライド半導体層の前記一側の領域をp型半導体層とし、前記ボロンナイトライド半導体層の前記他側の領域をn型半導体層とした発光素子又は受光素子を備えることを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。 - 2次元構造のグラフェン電極を形成し、
前記グラフェン電極のグラフェン端に結合するように2次元構造のボロンナイトライド半導体層を形成することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。 - 前記グラフェン電極を形成する工程において、互いに間隔をあけて設けられた第1領域及び第2領域のそれぞれにグラフェン電極を形成し、
前記ボロンナイトライド半導体層を形成する工程において、前記第1領域に形成された前記グラフェン電極のグラフェン端から前記第2領域へ向けて成長するボロンナイトライドと、前記第2領域に形成された前記グラフェン電極のグラフェン端から前記第1領域へ向けて成長するボロンナイトライドとが互いに結合するように、前記第1領域と前記第2領域との間の領域にボロンナイトライド半導体層を形成することを特徴とする、請求項4に記載の半導体デバイスの製造方法。 - 前記グラフェン電極を形成する工程において、前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方の領域に、突出部を有するグラフェン電極を形成し、
前記ボロンナイトライド半導体層を形成する工程において、前記グラフェン電極の突出部のグラフェン端から他方の領域へ向けて成長するボロンナイトライドによって前記第1領域に形成された前記グラフェン電極と前記第2領域に形成された前記グラフェン電極とが部分的に接続されるようにボロンナイトライド半導体層を形成することを特徴とする、請求項5に記載の半導体デバイスの製造方法。
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