JP2013012486A - ベンゼンスルホン酸エステル、それを用いたリチウム二次電池用電解液、及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
また、負極としては、金属リチウム、リチウムを吸蔵および放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金など)や炭素材料が知られており、特にリチウムを吸蔵・放出することが可能なコークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料を用いたリチウム二次電池が広く実用化されている。
例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等の高結晶化した炭素材料を負極材料として用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に負極表面で還元分解し、非水電解液溶媒として広く用いられているECであっても充放電を繰り返す間に一部還元分解が起こり、電池容量やサイクル特性のような電池性能の低下が起こることが知られている。
更に、リチウム金属やその合金、または、スズあるいはケイ素などを用いた金属単体や酸化物を負極材料として用いたリチウム二次電池は、初期の容量は高いもののサイクル中に微粉化が進むため、炭素材料の負極に比べて非水電解液溶媒の還元分解が加速的に起こり、電池容量やサイクル特性のような電池性能が大きく低下することが知られている。
一方、正極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2等を用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電状態で高温になった場合に、正極材料と非水電解液との界面において、局部的に一部酸化分解することにより、該分解物が電池の望ましい電気化学的反応を阻害するため、電池性能の低下を生じる。
以上のように、正極や負極上で電解液が分解するとガスを発生することで電池が膨れたり、正負極の電極間にガスが溜まりリチウムイオンの移動を阻害し、電池性能を低下させる一因となっていた。そのような状況にも関わらず、リチウム二次電池が搭載されている電子機器はますます電力消費量が増大する流れにあり、それに伴ってリチウム二次電池の高容量化が進んでおり、電解液の分解はますます起こり易い方向へ進み、サイクル特性などの電池特性が悪化してしまう問題があった。
X1〜X5はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子を表す。
R2として、炭素数3〜6の直鎖または分枝のアルキニル基としては、2−プロピニル基(プロパルギル基と同義)、2−ブチニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−メチル−2−ブチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル等が挙げられる。また、フェニル基あるいはビフェニル基が挙げられる。
また、3−フルオロベンゼンスルホン酸エステル、4−フルオロベンゼンスルホン酸エステル、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸エステル、2,6−ジフルオロベンゼンスルホン酸エステル、2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホン酸エステル、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホン酸エステルの場合についても、上記と同様に対応するベンゼンスルホン酸エステル化合物が挙げられる。
具体的には、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル、2,6−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル、2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルや、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸フェニル、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸ビフェニルが初期の電池容量やサイクル特性を高くできるので好ましい。
本発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、前記一般式(II)で表される化合物を、該非水電解液の重量に対して0.01〜10重量%添加されていることを特徴とする。
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類、アミド類、リン酸エステル類、スルホン類、ラクトン類、ニトリル類等が挙げられる。
環状カーボネート類としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等が挙げられ、特に、高誘電率を有するEC、PC、VC、FECから選ばれる少なくとも2種を含む場合は、サイクル特性が向上するので好ましい。これらの環状カーボネートの好適な組み合わせとしては、ECとPC、FECとPC、ECとVC、PCとVC、ECとPCとVC、FECとPCとVC等が挙げられる。
環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総容量に対して、10容量%〜40容量%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が10容量%未満であると電解液の電気伝導度が低下し、サイクル特性が低下する傾向があり、40容量%を超えると電解液の粘度が上昇し、サイクル特性が低下する傾向があるので上記範囲であることが好ましい。
鎖状カーボネート類としては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等の対称鎖状カーボネートが挙げられ、特に非対称カーボネートを含むとサイクル特性が向上するので好ましい。これらの溶媒は1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用した場合は、サイクル特性が向上するので好ましい。
鎖状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総容量に対して、60容量%〜90容量%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が60容量%未満であると電解液の粘度が上昇し、サイクル特性が低下する傾向がある。また、90容量%を超えると電解液の電気伝導度が低下し、サイクル特性が低下する傾向があるので上記範囲であることが好ましい。
また、鎖状エステル類としては、プロピオン酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸ブチル、ピバリン酸ヘキシル、ピバリン酸オクチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸エチルメチル、シュウ酸ジエチル等が挙げられ、エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等が挙げられる。アミド類として、ジメチルホルムアミド等、リン酸エステル類としてはリン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル等、スルホン類としてはスルホラン等、ラクトン類としてはγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−アンゲリカラクトン等、ニトリル類としてはアセトニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリル等、S=O結合化合物として、1,3−プロパンスルトン(PS)、エチレンサルファイト、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、1,3−ブタンジオールジメタンスルホネート、ジビニルスルホン等を適宜、併用することができる。
本発明に使用される電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4などのLi塩、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)等の鎖状のアルキル基を含有するリチウム塩や、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のアルキレン鎖を含有するリチウム塩が挙げられる。これらの中でも、特に好ましい電解質塩は、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2であり、最も好ましい電解質塩はLiPF6、LiBF4およびLiN(SO2CF3)2である。これらの電解質塩は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら全電解質塩が溶解されて使用される濃度は、前記の非水溶媒に対して、通常0.3M以上が好ましく、0.5M以上がより好ましく、0.7M以上が最も好ましい。またその上限は、2.5M以下が好ましく、2.0M以下がより好ましく、1.5M以下が最も好ましい。
本発明の非水電解液には、芳香族化合物を含有させることにより、過充電時の電池の安全性を確保することができる。かかる芳香族化合物としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン、フルオロシクロヘキシルベンゼン化合物(1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン)、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、ジフェニルエーテル、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン(o−、m−、p−体)、2,4−ジフルオロアニソール、ターフェニルの部分水素化物(1,2−ジシクロヘキシルベンゼン、2−フェニルビシクロヘキシル、1,2−ジフェニルシクロヘキサン、o−シクロヘキシルビフェニル)。これらの化合物は、1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩および該非水電解液の重量に対して前記一般式(II)の化合物を0.01〜10重量%の溶解することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒、及び電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなる。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、正極活物質としては、コバルト、マンガン、ニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi1/2Mn3/2O4、LiCo0.98Mg0.02O2等が挙げられる。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように併用してもよい。
また、リチウム複合酸化物の一部は他元素で置換してもよく、コバルト、マンガン、ニッケルの一部をSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、Cu、Bi、Mo、La等の少なくとも1種以上の元素で置換したり、Oの一部をSやFで置換したり、あるいは、これらの他元素を含有する化合物を被覆することもできる。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵・放出能力において高結晶性の炭素材料を使用することが好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが特に好ましい。また、高結晶性の炭素材料は低結晶材料によって被膜されていてもよい。高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において電解液と反応しやすいが、本発明に係るリチウム二次電池では反応を抑制することができる。
スズ、スズ化合物、ケイ素、ケイ素化合物は電池を高容量化できるので好ましい。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
フッ素置換ベンゼンスルホン酸ハライドと塩基存在下、溶媒中または無溶媒で、アルコールとエステル化反応させることによって得られる。
水素化ナトリウム3.40g(0.085mol)とテトラヒドロフラン85gを混合し、プロパルギルアルコール4.54g(0.081mol)を10℃以下にて10分かけて滴下し、15分間同温度で攪拌した。水素の発生の終了を確認した後、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド15.00g(0.077mol)を10℃以下にて30分かけて滴下した。滴下終了後、25℃で15分攪拌した後、反応液に水を加えて有機層を分離後、飽和重曹水で2回、水で1回洗浄し、無水MgSO4で有機層を乾燥後、減圧濃縮して4−フルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル13.1gを得た(収率88%)。
電池評価には、減圧蒸留(121℃/2Torr)により精製したものを使用した。
減圧蒸留にて精製し、4−フルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル9.7gを得た(収率65%)。
得られた4−フルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルについて、1H−NMR、13C−NMR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=8.00-7.95(m, 2 H), 7.29-7.21(m,2 H), 4.75(d, J = 2.69 Hz, 2 H), 2.51(t, J = 2.68 Hz, 1 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ=166.00(d, JC-F = 256.81 Hz), 132.14(d, JC-F = 3.11 Hz), 131.04(d, JC-F = 9.95 Hz), 116.66(d, JC-F = 22.39 Hz), 77.75, 75.16, 57.74
(3)質量分析: MS(CI) m/z(%) = 215 [M++1]
水素化ナトリウム2.07g(0.052mol)とテトラヒドロフラン100gを混合し、プロパルギルアルコール2.90g(0.052mol)を10℃以下にて10分かけて滴下し、15分間同温度で攪拌した。水素の発生の終了を確認した後、2,4−ジフルオロベンゼンスルホニルクロリド10.00g(0.047mol)を10℃以下にて30分かけて滴下した。滴下終了後、25℃で7時間攪拌した後、反応液に水を加えて有機層を分離後、飽和重曹水で2回、水で1回洗浄し、無水MgSO4で有機層を乾燥後、減圧濃縮して2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル6.8gを得た(収率50%)。
電池評価には、減圧蒸留(114℃/3Torr)により精製したものを使用した。
得られた2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルについて、1H−NMR、13C−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=8.0-7.9(m, 1 H), 7.0-6.9(m,2H), 4.86(d, J = 2.44 Hz, 2 H), 2.50(t, J = 2.44 Hz, 1 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ=166.84(dd, JC-F = 258.79, 11.81 Hz), 160.47(dd, JC-F = 261.81, 11.81 Hz), 132.76(dd, JC-F = 9.94, 9.94 Hz), 121.14(dd, JC-F = 13.96, 3.73 Hz), 112.14(dd, JC-F = 22.18, 3.73 Hz), 106.09(dd, JC-F = 25.56, 24.45 Hz), 77.87, 74.88, 58.48
(3)IR(液膜法): 3110, 3059, 2133, 1604, 1482, 1436, 1378, 1280, 1187, 1151, 1124, 1077, 1002, 972, 928, 859, 822, 778, 674, 550 cm-1
(4)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 232(2) [M+], 177(55), 161(70), 152(90), 129(56), 113(100), 63(59), 39(63)
ペンタフルオロベンゼンスルホニルクロリド10.38g(0.107mol)をトルエン30mLに溶解し、プロパルギルアルコール2.29g(0.041mol)とトリエチルアミン4.14g(0.041mol)の混合液を0℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌して得られた反応液を濾過し、副生したトリエチルアミン塩酸塩をろ別した後、ろ液を減圧濃縮してペンタフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルを得た(収率38%)。
電池評価には、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液/酢酸エチル:ヘキサン=1:9)により精製したものを使用した。
得られたペンタフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルについて、1H−NMR、13C−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=5.00(d, J = 2.44 Hz, 2H), 2.57(t, J = 2.44 Hz, 1 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ=147.2-146.8(m), 143.6-143.3(m), 140.0-139.6(m), 136.6-136.2(m), 78.7, 74.1, 59.9
(3)IR(液膜法): 3299, 1645, 1523, 1504, 1397, 1307, 1192, 1106, 996, 927,617 cm-1
(4)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 286(3) [M+], 231(13), 215(16), 205(57), 167(65), 117(48), 39(100)
〔実施例1〜3〕
〔電解液の調製〕
エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(14:14:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を1M、LiN(SO2CF3)2を0.1Mになるように溶解し、さらに2、4−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルを非水電解液に対して0.01重量%(実施例1)、1重量%(実施例2)、10重量%(実施例3)加えて非水電解液を調製した。
LiCo1/3Mn1/3Ni1/3O2(正極活物質)を92重量%、アセチレンブラック(導電剤)を3重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔(集電体)上の両面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製した。また、人造黒鉛(負極活物質)を95重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔(集電体)上の両面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製した。そして、正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シート及びセパレータの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の円筒型電池缶に収納した。さらに、電解液を注入し、正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて、18650型円筒電池を作製した。なお正極端子は正極シートとアルミニウムのリードタブを用いて、負極缶は負極シートとニッケルのリードタブを用いて予め電池内部で接続した。
上記の方法で作製した電池を用いて25℃の恒温槽中、1mA/cm2の定電流で4.35Vまで充電した後、4.35Vの定電圧で2.5時間充電し、次に0.33mA/cm2の定電流で、放電電圧3.0Vまで放電し、初期の放電容量を測定した。次いで、60℃の恒温槽中、1mA/cm2の定電流で4.35Vまで充電した後、4.35Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1mA/cm2の定電流で、放電電圧3.0Vまで放電することを1サイクルとし、これを100サイクルに達するまで繰り返した。そして、以下の式によりサイクル後の容量維持率を求めた。結果を表1に示す。
容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(14:14:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を1M、LiN(SO2CF3)2を0.1Mの濃度になるように溶解し、実施例1における2、4−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルを添加する代わりに、2−フルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル(実施例4)、3−フルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル(実施例5)、4−フルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル(実施例6)、2、6―ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル(実施例7)、2、4、6−トリフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル(実施例8)、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギル(実施例9)、2、4−ジフルオロベンゼンスルホン酸フェニル(実施例10)、2、4―ジフルオロベンゼンスルホン酸ビフェニル(実施例11)を非水電解液に対して1重量%加えて非水電解液を調製し、18650型円筒電池を作製し、実施例1と同様に電池特性を測定した。結果を表1に示す。
フルオロエチレンカーボネート(FEC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(14:14:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を1M、LiN(SO2CF3)2を0.1Mの濃度になるように溶解し、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸メチルを非水電解液に対して、1重量%加えて非水電解液を調製し、18650型円筒電池を作製し、実施例1と同様に電池特性を測定した。結果を表1に示す。
エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(14:14:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を1M、LiN(SO2CF3)2を0.1Mの濃度になるように溶解した非水電解液を調製し、18650型円筒電池を作製し、実施例1と同様に電池特性を測定した。結果を表1に示す。
エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(14:14:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を1M、LiN(SO2CF3)2を0.1Mの濃度になるように溶解し、実施例1におけるペンタフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルを添加する代わりに、メタベンゼンジスルホン酸ジメチル(比較例2)、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸メチル(比較例3)を非水電解液に対して1重量%加えて非水電解液を調製し、18650型円筒電池を作製し、実施例1と同様に電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた正極活物質に変えて、LiFePO4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。LiFePO4を90重量%、アセチレンブラック(導電剤)を5重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製した。そして、正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シート及びセパレータの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の円筒型電池缶に収納した。さらに、実施例1で調整した電解液を注入し、正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて、18650型円筒電池を作製した。なお正極端子は正極シートとアルミニウムのリードタブを用いて、負極缶は負極シートとニッケルのリードタブを用いて予め電池内部で接続した。
上記の方法で作製した電池を用いて25℃の恒温槽中、1mA/cm2の定電流で3.6Vまで充電した後、3.6Vの定電圧で2.5時間充電し、次に0.33mA/cm2の定電流で、放電電圧2.0Vまで放電し、初期の放電容量を測定した。次いで、60℃の恒温槽中、1mA/cm2の定電流で3.6Vまで充電した後、3.6Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1mA/cm2の定電流で、放電電圧2.0Vまで放電することを1サイクルとし、これを100サイクルに達するまで繰り返した。そして、以下の式によりサイクル後の容量維持率を求めた。結果を表2に示す。
容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(14:14:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を1M、LiN(SO2CF3)2を0.1Mの濃度になるように溶解し、実施例13における2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルを添加する代わりに、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸メチルを非水電解液に対して1重量%加えて非水電解液を調製し、18650型円筒電池を作製し、実施例1と同様に電池特性を測定した。結果を表2に示す。
実施例1で用いた負極活物質に変えて、Si(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。Siを80重量%、アセチレンブラック(導電剤)を15重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製した。そして、正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シート及びセパレータの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の円筒型電池缶に収納した。さらに、実施例1で調整した電解液を注入し、正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて、18650型円筒電池を作製した。なお正極端子は正極シートとアルミニウムのリードタブを用いて、負極缶は負極シートとニッケルのリードタブを用いて予め電池内部で接続した。
上記の方法で作製した電池を用いて25℃の恒温槽中、1mA/cm2の定電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に0.33mA/cm2の定電流で、放電電圧3.0Vまで放電し、初期の放電容量を測定した。次いで、60℃の恒温槽中、1mA/cm2の定電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で2.5時間充電し、次に1mA/cm2の定電流で、放電電圧3.0Vまで放電することを1サイクルとし、これを100サイクルに達するまで繰り返した。そして、以下の式によりサイクル後の容量維持率を求めた。結果を表3に示す。
容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(14:14:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を1M、LiN(SO2CF3)2を0.1Mの濃度になるように溶解し、実施例14における2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸プロパルギルを添加する代わりに、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸メチルを非水電解液に対して1重量%加えて非水電解液を調製し、18650型円筒電池を作製し、実施例1と同様に電池特性を測定した。結果を表3に示す。
また、その効果は、実施例13と比較例4の比較、実施例14と比較例5の比較より、正極にリチウム含有オリビン型リン酸鉄塩を用いた場合や、負極にSiを用いた場合にも同様にみられる。
Claims (3)
- 正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液中に前記一般式(II)で表されるスルホン酸エステルを非水電解液の重量に対して0.01〜10重量%含有することを特徴とするリチウム二次電池。
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