JP2013012271A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波のSNR特性とSquash特性を同時に満足する高記録密度化に対応した磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と、磁気記録層を含む。この磁気記録媒体では、軟磁性裏打ち層は、非磁性基体側の軟磁性層、交換結合制御層、磁気記録層側の軟磁性層からなる積層構造を有するものであり、且つ、前記磁気記録層側の軟磁性層は、前記非磁性基体側の軟磁性層よりも比透磁率の周波数特性(10MHz時の比透磁率に比べて、比透磁率が50%低下させる周波数)が高く、前記非磁性基体側の軟磁性層が前記磁気記録層側の軟磁性層よりも比透磁率が高いことを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】図2

Description

本発明は磁気記録装置に用いられる磁気記録媒体に関する。
ハードディスク装置(HDD)には、ますます、大容量化、高速な処理が求められており、このHDDに組み込まれる磁気記録媒体は、更なる高記録密度化が必要とされている。こうした中で、磁気記録媒体の記録方式として垂直磁気記録方式が採用されている。垂直磁気記録方式は記録媒体の面内方向に対して垂直方向に記録を行うことを特徴とする。垂直磁気記録方式に用いられる媒体は、少なくとも、垂直磁気異方性を持つ、硬質磁性材料の磁気記録層と、磁気記録層への記録に用いられる単磁極ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性裏打ち層(SUL)を含む。
図3に示すように、従来の典型的な垂直磁気記録システムは、磁気記録媒体17と、単磁極ヘッド10から構成される。単磁極ヘッド10は、主磁極11とリターンヨーク12、及びリターンヨークを包み込むコイル13を含む。主磁極11から発生した磁束14は主磁極直下の磁気記録層15を貫通しSUL16の内部に到達する。そしてSUL16を通して広がり、リターンヨーク12の直下の磁気記録層15を貫通し、リターンヨーク12に戻る。これにより、主磁極11直下の磁気記録層15の領域が所定の方向に磁化される。
一般に、垂直磁気記録媒体におけるSULは、膜厚が0.1〜5nm程度のRu等の膜により上下に分離された2層の軟磁性層から形成されている。上下に分離された2層の軟磁性層は、媒体面の半径方向において反平行に反強磁性結合される。この構造はAnti−ferromagnetic coupling(AFC)構造と呼ばれる。このAFC構造は、SULの磁壁由来のスパイクノイズを減少でき、WATE(Wide Adjacent Track Erasure)を抑制する効果を有することも知られている。
近年では更なる高記録密度化が要請されているが、高記録密度で記録再生を行うときに信号対雑音比(SNR)が低下するという問題が起こってきた。一般に、磁気記録媒体のディスク回転速度は記録密度によらず一定であり、高記録密度で記録するには、より短い周期で信号を書込むことが必要になる。上記のSNRの低下の問題は、この高記録密度に伴う高周波数化に対して、SULの磁化応答特性が追随できなくなってきていることに原因がある。
この問題に対して、特許文献1及び2では、SULを構成する軟磁性層の材料に、フェライトに代表される軟磁性酸化物を用いて、渦電流に基づく高周波の記録磁界に対する損失を低減させ、これにより磁化応答性を改善して、高記録密度領域での記録能力に優れた磁気記録媒体を提供することが提案されている。
また、磁気記録媒体への適用ではないが、高周波特性と高飽和磁化を両立させた材料として、特許文献3に、微視的にFeとCoを含む磁性を担う第1の非晶質相と、硼素(B)と炭素(C)を含む第2の非晶質相とから構成される磁性薄膜が開示されている。
特開平5−282647号公報 特開2000−268341号公報 特開2005−328046号公報
特許文献1又は特許文献2に記載のフェライトに代表される軟磁性酸化物は、飽和磁化が低く、ヘッドの磁束を通過させるためには膜厚が厚くなりすぎ、そのままではSULとして適用することは困難であった。また、特許文献3に開示されるような材料を用いた場合、従来の軟磁性裏打ち層では、後述するように、高周波で必要なSNR特性が向上することが見出されたが、同時に、斜め磁化耐性(Squash特性)が悪化していくことが本発明者らにより見出された。
従って、本発明の目的とするところは、高周波のSNR特性とSquash特性を同時に満足する、高記録密度化に対応した磁気記録媒体を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、以下の手段により解決される。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と、磁気記録層を含む。この磁気記録媒体の軟磁性裏打ち層は、非磁性基体側の軟磁性層、交換結合制御層、磁気記録層側の軟磁性層からなる積層構造を有するものであり、且つ、前記磁気記録層側の軟磁性層は、前記非磁性基体側の軟磁性層よりも比透磁率の周波数特性(10MHz時の比透磁率に比べて、比透磁率が50%低下させる周波数)が高く、前記非磁性基体側の軟磁性層が前記磁気記録層側の軟磁性層よりも比透磁率が高いことを特徴とする。
本発明では、前記軟磁性裏打ち層において、磁性を担う材料として、前記非磁性基体側の軟磁性層及び前記磁気記録層側の軟磁性層が、
(i)Fe及びCoを含む磁性を担う材料と、
(ii)B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaから選択される元素、又はこれらの組合せを含む添加材料
を含むことが好ましい。
本発明では、前記磁気記録層側の軟磁性層の比透磁率の周波数特性は、1000MHz以上であり、前記非磁性基体側の軟磁性層又は前記磁気記録層側の軟磁性層の比透磁率は700以上であることが好ましい。
本発明の好ましい一実施形態は、非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と、磁気記録層を含む磁気記録媒体であって、前記軟磁性裏打ち層は、非磁性基体側の軟磁性層、交換結合制御層、及び磁気記録層側の軟磁性層からなる積層構造を有し、前記2つの軟磁性層は、(i)Fe及びCoを含む磁性を担う材料と、(ii)B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaから選択される元素、又はこれらの組合せを含む添加材料からなる軟磁性層の組合せであり、前記非磁性基体側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性材料の割合が、前記磁気記録層側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性材料の割合よりも大きいこと特徴とする磁気記録媒体である。
上記の好ましい実施形態の磁気記録媒体では、前記軟磁性裏打ち層において、前記非磁性基体側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性を担う材料の割合が82.5体積%以上であり、かつ、前記磁気記録層側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性を担う材料の割合が82.5体積%より小さいこと特徴とする。
本発明では、高周波で必要なSNR特性と、Squash特性を同時に満足する高記録密度化に対応した磁気記録媒体を提供することができる。
本実施例の垂直磁気記録媒体の構成を示す図である。 本実施例の垂直磁気記録媒体のSULの詳細な構成を示す図である。 従来の一般的な垂直磁気記録システムの構成を示す図である (a)〜(c)は、本発明の実施例の比透磁率の周波数特性を測定した結果を示す図である。
本発明者らは、まず、Fe及びCoを含む磁性を担う材料に、B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaの元素、又はこれらの組合せを含む材料を添加材料として添加した軟磁性層をSULとして含む磁気記録媒体を作製し、その記録再生特性を鋭意検討した。この検討において、対照として、Fe及びCoだけからなる軟磁性層を用いてSULを作成した磁気記録媒体を製造し、比較検討した。その結果、上記添加材料を添加した軟磁性層を含むSULは、対照に比べて、上記添加材料の割合を増していくと、高周波で必要なSNR特性が向上することが見出された。しかしながら、同時に、斜め磁化耐性(Squash特性)が悪化していくことも見出された。
Squash特性は、斜め磁化による書き滲みの度合いを表わす指標である。詳しく説明すると、磁気ヘッドからの磁束は、磁気記録層の膜面に対して垂直であることが理想である。しかしながら、実際には、磁気ヘッドの先端からの磁束は斜めに広がりつつ、SULに到達する。このため、その磁束の広がりによるクロストラック方向での書き滲みが生じることになる。この書き滲みの度合いを表わす指標がSquash特性である。
上記添加材料の割合を増すことで、軟磁性層の比透磁率の周波数特性は向上する。このため、高周波で必要なSNR特性が向上したと考えられる。しかしながら、添加材料の割合を増加することは、同時に軟磁性層の全体的な比透磁率の低下を引き起こした。このためにSULへの磁束の引き込み能力が低減し、ヘッドからの磁束が広がり、Squash特性が悪化してしまったと考えられる。以上のように、(i)Fe及びCoを含む磁性を担う材料と、(ii)B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaの元素、又はこれらの組合せを含む軟磁性層を含むSULを用いた磁気記録媒体では、高周波のSNRとSquash特性がトレードオフの関係であり、磁気記録媒体としての記録再生特性を満足させることができなかった。
本発明者らは、上記結果を踏まえ、高周波で必要なSNR特性と、Squash特性を同時に満足する高記録密度化に対応した磁気記録媒体に関して鋭意研究した。その結果、本発明の磁気記録媒体を得ることができた。
以下に、図1及び図2に基づいて本発明の磁気記録媒体の実施の形態について説明する。図1は、本発明の磁気記録媒体6の一例を示すものである。図2は、本発明のSULの構造の一例を示すものである。
本発明の磁気記録媒体6は、非磁性基体1、軟磁性裏打ち層(SUL)2及び磁気記録層4を少なくとも含む。本発明では、他に任意の層として、下地層3、保護層5、潤滑層(図示せず)などを含んでいてもよい。本発明では、非磁性基体1、SUL2、下地層3、磁気記録層4、保護層5及び潤滑層6を順次積層した構造を有することが好ましい。
本発明に係る磁気記録媒体のSUL2は、非磁性基体側の軟磁性層2A、交換結合制御層2B及び磁気記録層側の軟磁性層2Cからなる積層構造を有し、非磁性基体側の軟磁性層2Aは磁気記録層側の軟磁性層2Cよりも比透磁率の周波数特性が高いことを特徴とする。
ここで、本明細書中において「比透磁率の周波数特性」とは、特定の周波数の軟磁性層の比透磁率に比べて、その軟磁性層の比透磁率が一定量低下するときの周波数をいう。具体的には、10MHz時の軟磁性層の比透磁率に比べて、その軟磁性層の比透磁率が50%低下するときの周波数をいう。
上述の通り、本発明に係る磁気記録媒体のSULは、非磁性基体側の軟磁性層、交換結合制御層及び磁気記録層側の軟磁性層からなる積層構造を有し、磁気記録層側の軟磁性層は、非磁性基体側の軟磁性層よりも比透磁率の周波数特性が高いことを特徴とする。この磁気記録層側の軟磁性層の比透磁率の周波数特性を改良することで、高周波で必要とされるSNR特性を改善することができる。これは、高周波の磁束がSULの比較的浅い部分(磁気記録層に近い部分)を通りやすいためである。
また、非磁性基体側の軟磁性層の比透磁率の周波数特性は、磁気記録層側の軟磁性層のそれに比べ低いが、その分、非磁性基体側の軟磁性層の比透磁率が大きい。Squash特性に関しては、SUL全体としての比透磁率を高くすることが有効である。このため、非磁性基体側の軟磁性層の比透磁率を磁気記録層側の軟磁性層よりも大きくすることにより、SUL全体としての比透磁率を高くすることができ、結果として、Squash特性を改善することができるものと考えられる。
以上の通り、本発明では、SUL2を非磁性基体側の軟磁性層2A、交換結合制御層2B及び磁気記録層側の軟磁性層2Cからなる積層構造とし、非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cとの間の比透磁率の周波数特性及び比透磁率(100MHzにおける比透磁率)の関係を上述のように設定する。これにより、Squash特性を及びSNR特性の両方を改善した磁気記録媒体が提供できる。さらに、上述した考察は、磁性を担う材料がFeCo以外の、垂直磁気記録媒体に通常用いられる材料で調製されたSULに対しても当てはまる。従って、本発明は、FeCoと同系列の鉄系遷移金属、好ましくはFe、Co、Ni、Crなどを含む磁性を担う材料に対しても適用できることは当業者に明らかである。
次に、本発明の磁気記録媒体の材料について説明する。
非磁性基体1としては、通常の磁気記録媒体に用いられるNiPめっきを施したAl合金やガラス、或いは結晶化ガラス、又はSi基体を用いることがでる。
軟磁性裏打ち層(SUL)2は、現行の垂直記録方式と同様、磁気ヘッドからの磁束を制御して、記録再生特性を向上するための層である。なお、軟磁性裏打ち層2の全膜厚の最適値は、磁気記録に用いる磁気ヘッドの構造や特性によって変化するが、他の層と連続成膜で形成する場合などは、生産性との兼ね合いから10nm以上100nm以下であることが望ましい。
本発明では、SUL2は、図2に示すように、非磁性基体側軟磁性層2A及び磁気記録層側軟磁性層2Cを有し、この2層が、交換結合制御層2Bを介して磁気的に媒体の面内方向に対して反平行に結合する。これにより、2つの軟磁性層2A及び2CはAFC−SUL構造となる。
本発明の磁気記録媒体におけるSUL2では、非磁性基体側軟磁性層2A及び磁気記録層側軟磁性層2Cの材料は、磁性を担う材料と、B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaの元素、及びこれらの組合せを含む添加材料を組み合わせた材料が好ましい。磁性を担う材料としては、鉄系遷移金属などを挙げることができる。特に本発明では、Fe、Co、Ni、Cr等を含む磁性を担う材料が好ましく、Fe及びCoを含む磁性を担う材料が特に好ましい。また、磁気記録層側の軟磁性層2Cは、非磁性基体側の軟磁性層2Aよりも上記添加材料の割合を高くすることが好ましい。これにより、磁気記録層側の軟磁性層2Cは、比透磁率が非磁性基体側の軟磁性層2Aより低いが、比透磁率の周波数特性が改善された軟磁性層となる。逆に、非磁性基体側の軟磁性層2Aは、比透磁率の周波数特性が磁気記録層側の軟磁性層2Cより低下するが、比透磁率が高い軟磁性層となる。SUL2の構造を上述のような構成とすることで、高周波で必要なSNR特性とSquash特性を同時に満足する高記録密度化に対応した磁気記録媒体を提供することができる。
非磁性基体側の軟磁性層2A及び磁気記録層側の軟磁性層2Cのそれぞれの膜厚は、記録再生特性との兼ね合いにより、等しくてもよいし、又は異なっていてもよい。例えば、非磁性基体側の軟磁性層2Aの膜厚は、5〜50nmが好ましく、磁気記録層側の軟磁性層2Cの膜厚は、5〜50nmが好ましい。また、それぞれの軟磁性層は、組成を段階的に変化させた層を複数積層させたものであるとなおよい。例えば、B、Taなどの組成を変化させた積層構造であることが好ましい。
磁気記録層側の軟磁性層2Cは、非磁性基体側の軟磁性層2Aよりも、比透磁率の周波数特性が高い。上述したとおり、「比透磁率の周波数特性」は、特定の周波数の軟磁性層の比透磁率に比べて、その軟磁性層の比透磁率が一定量低下するときの周波数をいい、具体的には、10MHz時の比透磁率に比べて、比透磁率が50%低下するときの周波数をいう。本発明では、この周波数は1,000MHz以上であることが好ましい。例えば、このような特性を示す材料として、磁性を担う材料(FeCo)が82.5体積%未満であるものが好ましい。例えば、磁性を担う材料が上記含有量である実施例に記載の材料を挙げることができ、その一例として、80体積%(Fe70Co30)−15体積%Ta−5体積%Bからなる材料がある。
更に本発明では、非磁性基体側の軟磁性層2Aは、磁気記録層側の軟磁性層2Cよりも、100MHz以下での比透磁率が高い。本発明では、少なくとも非磁性基体側の軟磁性層2Aの比透磁率が700以上であることが好ましい。なお、本発明では、非磁性基体側の軟磁性層2Aが、磁気記録層側の軟磁性層2Cよりも、100MHz以下で、高い比透磁率を有することが条件であるので、非磁性基体側の軟磁性層2A又は磁気記録層側の軟磁性層2Cのいずれかが700以上の比透磁率を有すれば、本発明の非磁性基体側の軟磁性層2Aの条件を満たすことになる。このような特性を示す材料として、磁性を担う材料(FeCo)が82.5体積%以上であるものが好ましい。例えば、磁性を担う材料が上記含有量である実施例に記載の材料を挙げることができ、その一例として、85体積%(Fe70Co30)−12体積%Ta−3体積%Bからなる材料を挙げることができる。
交換結合制御層2Bの材料は、非磁性基材1の材料及び軟磁性層2A及び2Cの材料へ拡散しにくい材料であることが好ましい。このような材料として、例えばPt、Pd、Ruなどを挙げることができ、特にRuが好ましい。交換結合制御層2Bの膜厚は、非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cが適度に反強磁性結合する厚さであればよく、例えば、0.1〜5nm程度が好ましい。
次に、任意成分である下地層3は、(1)磁気記録層4の結晶粒子径及び結晶配向の制御、及び(2)軟磁性裏打ち層(SUL)2及び磁気記録層4の磁気的な結合を防止するための層である。したがって、下地層3の材料は、磁気記録層の材料に合わせて適宜選択する必要がある。たとえば、下地層3の直上に位置する磁気記録層4の材料が、六方最密充填(hcp)構造を有するCoを主体とした材料である場合は、下地層3の材料は、同じ六方最密充填構造もしくは面心六方(fcc)構造を有する材料から選択されることが好ましい。具体的には、Ru、Re、Rh、Pt、Pd、Ir、Ni、Co、又はこれらを含む合金などを下地層3の材料として挙げることができる。下地層3は薄ければ薄いほど書込み性能は向上する。しかしながら、上記(1)及び(2)の機能を考慮すれば、下地層3はある程度の膜厚を必要とする。本発明では、3〜30nmの範囲内の膜厚を有することが好ましい。
磁気記録層4の材料は、結晶系の磁性材料が好ましい。磁気記録層4の材料として、好ましくは、Co及びPtを含む合金の強磁性材料を挙げることができる。強磁性材料の磁化容易軸は、磁気記録を行う方向に向かって配向していることが必要である。例えば、垂直磁気記録を行うためには、磁気記録層4の材料の磁化容易軸(例えば、hcp構造のc軸)が、磁気記録媒体の表面(すなわち非磁性基体の主平面)に垂直方向に配向していることが必要である。
あるいは、磁気記録層4は、好ましくは、磁性結晶粒子が非磁性体で隔てられた構造を有する。この場合、磁性結晶粒子は、Co、Fe、Niなどの磁性元素を主体とした組成を有し、その形状は直径数nmの柱状であることが好ましい。具体的には、磁性結晶粒子は、CoPt合金にCr、B、Ta、Wなどの金属を添加した材料であることが好ましい。非磁性体はサブnm程度の厚さを有することが好ましい。非磁性体は、Si、Cr、Co、Ti、又はTaの酸化物若しくは窒化物などが好ましい。
磁気記録層4の成膜方法は、従来の方法を用いることができる。例えばマグネトロンスパッタリング法を用いることができる。
本発明では、下地層3の結晶部分上に磁性結晶粒子がエピタキシャル成長し、下地層3の粒界部分上に前記非磁性体が位置するような対応関係を有するように結晶成長させた構造が好ましい。
磁気記録層4の膜厚は、従来のものと同様である。好ましくは、5〜20nmである。
保護層5は、従来から使用されているものを材料とすることができる。例えば、カーボンを主体とする材料を挙げることができる。具体的には、炭素、窒素含有炭素、水素含有炭素などが好ましい。単層ではなく、例えば異なる性質の2層からなるカーボン保護層や、金属膜とカーボン膜、酸化膜とカーボン膜の積層膜からなる保護層とすることもできる。保護層の厚さは典型的には10nm以下であることが好ましい。
なお、図には示していないが、保護層5の上に潤滑層7を形成してもよい。潤滑層はヘッドと媒体が摺動する際に、両者の間に介在して媒体表面が磨耗することを防ぐ役割を担う。このような材料としてはフッ素系の液体潤滑剤が好適である。例えば、HO−CH2−CF2−(CF2−O)m−(C24−O)n−CF2−CH2−OH(n+mは約40)で表される有機物などを用いることができる。液体潤滑層の膜厚は、保護層の膜質等を考慮して液体潤滑層の機能を発揮できる膜厚とすることが好ましい。
非磁性基体1の上に積層される各層は、磁気記録媒体の分野で通常用いられる様々な成膜技術によって形成することが可能である。液体潤滑層を除く各層の形成には、一部上記で説明を加えたが、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、真空蒸着法を用いることが出来る。また、液体潤滑層の形成には、例えばディップ法、スピンコート法を用いることができる。
以下に本発明の垂直磁気記録媒体を、実施例に基づいて具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の垂直磁気記録媒体を好適に説明するための代表例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1及び図2を用いて、以下に本発明の磁気記録媒体及びその製造方法を、実施例及び比較例を参照して詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1においては、図1に示すように、非磁性基体1、その上に順次FeCo系のSUL2、Ruからなる下地層3、CoCrPt‐SiO2グラニュラー磁気記録層4、炭素(C)からなる保護層5、及び図示していない液体潤滑層を形成し、垂直磁気記録媒体6を作製した。なお、液体潤滑層として、パーフルオロポリエーテルを主成分とする(株)モレスコ製A−20Hを用いた。具体的手順は以下の通りである。
非磁性基体1として表面が平滑な円盤状の化学強化ガラス基体(HOYA社製N−10ガラス基体)を用いた。
まず、非磁性基体1を、成膜装置内に導入した。SUL2から保護層5までの成膜は、大気解放することなく、全てインライン式の成膜装置で成膜した。
図1のSUL2は、図2のSUL構造(2A、2B及び2C)を有するように作製した。まず、真空度1.0PaのArガス雰囲気中で、DCマグネトロンスパッタリング法で、膜厚18nmの85体積%(Fe70Co30)‐12体積%Ta‐3体積%Bからなる非磁性基体側の軟磁性層2Aを形成した。次に、真空度0.5PaのArガス雰囲気中で、DCマグネトロンスパッタリング法で、膜厚0.5nmのRuからなる交換結合制御層2Bを形成した。次に、真空度1.0PaのArガス雰囲気中で、DCマグネトロンスパッタリング法で、膜厚22nmの80体積%(Fe70Co30)‐15体積%Ta‐5体積%Bからなる磁気記録層側の軟磁性層2Cを形成した。
続いて、下地層3として、真空度1.5PaのArガス雰囲気中で、DCマグネトロンスパッタリング法で、膜厚20nmのRuからなる層を形成した。
続いて、磁気記録層4として、真空度1.0PaのArガス雰囲気中で、DCマグネトロンスパッタリング法で、膜厚15nmの91体積%(Co75Cr15Pt10)‐9体積%(SiO2)の組成を有する層を形成した。
続いて、保護層5として、CVD法により、膜厚3nmのカーボン層を形成した。その上で、上記各層を形成した基体1をインライン式の成膜装置から取り出した。
最後に、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑層をディップ法により膜厚2nmで形成し、磁気記録媒体6とした。
[実施例2]
次に、非磁性基体側の軟磁性層2Aと、磁気記録層側の軟磁性層2Cのそれぞれについて、磁性を担う材料であるFe70Co30と、添加材料のTaとBのそれぞれの体積割合を変化させて実施例2−1から2−19の磁気記録媒体を作成した。組成は、(100−x−y)体積%(Fe70Co30)‐x体積%Ta‐y体積%Bの軟磁性層からなるサンプルとなるように磁気記録媒体を作製した。非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cの膜厚の合計は40nmとし、各層の膜厚と飽和磁化(Bs)の積が同じになるように、非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cの膜厚を適宜変更した。作製したサンプルの非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cの組成を表1に示す。
上記以外の条件は実施例1と同様とした。
[実施例3]
比透磁率及びその周波数特性の評価用サンプルとして、表面が平滑な円盤状の化学強化ガラス基体(HOYA社製N−10ガラス基体)上に、膜厚40nmの(Fe70Co30100-x-yTaxyの軟磁性層と、保護層として膜厚3nmのカーボン層を形成したサンプルを作製した。サンプルの作製は実施例1と同様にインライン式の成膜装置で行った。軟磁性層は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中で、DCマグネトロンスパッタリング法で形成し、カーボン層は、CVD法により形成した。
作製したサンプルを表2に示す。
[実施例4]
次に、非磁性基体側の軟磁性層2A及び磁気記録層側の軟磁性層2Cについて、磁性を担う材料としてFe70Co30を用い、B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaから適宜選択した添加材料を組み合わせて上記非磁性基体側の軟磁性層2A及び磁気記録層側の軟磁性層2Cを含むサンプル(磁気記録媒体)を作製した。非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cの膜厚の合計は40nmとし、各層の膜厚と飽和磁化(Bs)の積が同じになるように、非磁性基体側軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cの膜厚は適宜変更した。
上記以外の条件は実施例1と同様とした。作製したサンプルを表3に示す。
[評価]
まず、本実施例1、2、4で作製した磁気記録媒体の性能評価結果について述べる。表1には、実施例1及び2で作成したサンプルについて、そして表3には実施例4で作製したサンプルについて、SNR特性及びSquash特性を評価した結果を示す。
SNR特性及びSquash特性の測定は、スピンスタンドテスターにて、市販のGMRヘッドを用いて行った。ヘッドは、記録トラック幅100nm、再生トラック幅75nmのものを使用した。
SNR特性は、記録周波数250MHzで信号を書き込み、ノイズ出力に対する信号出力の割合から求めた。SNRが10dB以上の場合を優良(○)とし、9dB以上10dB未満の場合を良(△)とした。また、不良を×で表した。
Squash特性は、周波数70MHzで記録した信号に対して、隣接する両サイドのトラックにACイレース信号を50回書き込んだ後の信号出力を、当初の信号出力に対して規格化(比較)した値である。Squashが、60%以上のものを優良(○)とし、50%以上60%未満のものを良(△)とした。また、不良を×で表した。
次に、本実施例3で作製したサンプルの比透磁率及び比透磁率の周波数特性について述べる。比透磁率及びその周波数特性の測定例を図4(A)〜(C)に示す。表2には、本実施例3で作製したサンプルの比透磁率及び比透磁率の周波数特性の結果をまとめて示した。また、表4には、本実施例4で作製したサンプルの非磁性基体側の軟磁性層2A及び磁気記録層側の軟磁性層2Cについて、実施例3と同様の手順で評価用サンプルを作成し、比透磁率及び比透磁率の周波数特性を測定した結果をまとめて示した。
比透磁率及び比透磁率の周波数特性は、凌和電子製PMM−9G1装置を用いて1MHzから9GHzの範囲で測定した。比透磁率μは、その実数部μ’と虚数部μ”に分解して測定できる。
表2及び表3の比透磁率及び比透磁率の周波数特性は、実数部μ’から得たものである。比透磁率は、周波数10MHzでの比透磁率とし、比透磁率の周波数特性は、周波数10MHzでの透磁率が、半減(50%に低減)するときの周波数として示した。
図4は、表2のうちの以下の組成の軟磁性層をグラフとして示した。図4(A)は、82体積%(Fe70Co30)‐14体積%Ta‐4体積%Bの組成を有する軟磁性層の測定結果、図4(B)は、81体積%(Fe70Co30)‐14体積%Ta‐5体積%Bの組成を有する軟磁性層の測定結果、図4(C)は、80体積%(Fe70Co30)‐15体積%Ta‐5体積%Bの組成を有する軟磁性層の測定結果である。
Figure 2013012271
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上記表の結果をまとめると以下の通りである。まず、表1の結果を考察する。
表1の実施例1と実施例2−1〜3の比較により、Fe及びCoを含む磁性を担う材料と、B及びTaの添加材料とからなる軟磁性層を組合せた場合、非磁性基体側の軟磁性層2Aの磁性を担う材料(FeCo)の割合が、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(FeCo)の割合よりも大きい場合に、Squash特性を維持したまま、SNRを満足する磁気記録媒体が実現できていた。
実施例2−4〜7では、磁気記録層側の軟磁性層2Cの組成を80体積%(Fe70Co30)‐15体積%Ta‐5体積%Bに固定し、非磁性基体側の軟磁性層2Aの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合を83体積%から78体積%まで変化させた。このとき、実施例2−4〜7の全てにおいてSNRは優良(○)の範囲に維持されたが、非磁性基体側の軟磁性層2Aの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合が81体積%より低下すると、Squash特性が優良(○)の範囲から逸脱した。
実施例2−8〜11では、磁気記録層側の軟磁性層2Cの組成を85体積%(Fe70Co30)‐12体積%Ta‐3体積%Bに固定し、非磁性基体側の軟磁性層2Aの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合を82体積%から87体積%まで変化させた。結果は、全てにおいてSquqsh特性は優良(○)であったが、SNRは優良(○)の範囲から逸脱した。
実施例2−12〜15では、非磁性基体側の軟磁性層2Aを85体積%(Fe70Co30)‐12体積%Ta‐3体積%Bに固定し、磁気記録層側の軟磁性層の2Cの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合を82体積%から87体積%まで変化させた。このとき、Squash特性は全ての実施例(実施例2−12〜15)で優良(○)であったが、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合が84体積%より大きくなるとSNR特性が優良(○)の範囲から逸脱した。
実施例2−16〜19では、非磁性基体側の軟磁性層2Aを80体積%(Fe70Co30)‐15体積%Ta‐5体積%Bに固定し、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合を85体積%から80体積%まで変化させた。これら実施例の場合、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合が、83体積%以上では、Squash特性は優良(○)であるが、SNR特性が優良(○)から逸脱した(実施例2−16〜17)。また、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(Fe70Co30)の割合が、81体積%以下では、SNR特性は優良(○)であるが、Squash特性が優良(○)から逸脱した。従って、FeCoを磁性を担う材料として用いたこれら実施例では、好ましい範囲を見出すことは困難であった。
また、実施例1と実施例2−16、実施例2−1と2−3、実施例2−4と2−17、実施例2−8と2−12の比較のように、2つの軟磁性層の組成を逆にした場合、SNR特性が大きく変化することがわかる(優良(○)であったものが、不良(×)になる)。非磁性基体側の軟磁性層2Aの磁性を担う材料(FeCo)の割合が、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(FeCo)の割合よりも高い場合に、Squash特性と、SNRの両方を満足する磁気記録媒体が実現できていた。
表1の結果から、Squash特性と、SNRの両方を満足する磁気記録媒体は、非磁性基体側の軟磁性層2Aの磁性を担う材料(FeCo)の割合が、82.5体積%以上であり、且つ、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(FeCo)の割合が、82.5体積%未満であるものであると考えられる。即ち、磁性を担う材料がFeCoである場合、本発明の軟磁性裏打ち層に含まれる軟磁性層2A及び2Cが満たす必要がある磁性を担う材料(FeCo)の割合の境界は、82.5体積%(Fe70Co30)であると考えられる。
表2の結果から、磁性を担う材料(FeCo)と、B及びTaの添加材料からなる軟磁性層において、10MHzでの比透磁率と比透磁率の周波数特性(10Mz時の比透磁率に比べて比透磁率が50%低下する際の周波数)はトレードオフの関係にあり、比透磁率の大きい軟磁性層ほど、比透磁率の周波数特性が低下する。
磁性を担う材料(FeCo)の割合から見た場合、磁性を担う材料(FeCo)が多くなるほど、10MHzでの比透磁率は大きくなる。ここで、磁性を担う材料(FeCo)の割合が、82.5体積%(Fe70Co30)以上の場合を考慮すると、比透磁率は700以上である。従って、表1の結果から得られた、非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(FeCo)の境界の結果と併せると、非磁性基体側の軟磁性層2Aは磁気記録層側の軟磁性層2Cよりも高い比透磁率を有し、その値は、少なくとも非磁性基体側の軟磁性層2Aの10MHzにおける比透磁率が700以上であることが好ましいこととなる。
また、磁性を担う材料(FeCo)が少なくなるほど、比透磁率の周波数特性は高くなる。ここで、磁性を担う材料(FeCo)の割合が82体積%(Fe70Co30)以下の場合を考慮すると、比透磁率の周波数特性は1000MHz以上である。従って、表1の結果から得られた、非磁性基体側の軟磁性層2Aと磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(FeCo)の境界の結果と併せると、磁気記録層側の軟磁性層2Cは非磁性基体側の軟磁性層2Aよりも高い比透磁率の周波数特性を有し、その値は、磁気記録側の軟磁性層2Cの比透磁率の周波数特性が1000MHz以上であることが好ましいこととなる。
以上の通り、表1及び表2の結果より、Squash特性とSNR特性を同時に満足するためには、磁気記録層側の軟磁性層は、比透磁率の周波数特性が、非磁性基体側の軟磁性層に比べて高いことが必要である。さらに、磁気記録層側の軟磁性層の比透磁率の周波数特性が1000MHz以上であり、非磁性基体側の軟磁性層又は磁気記録層側の軟磁性層のいずれかの比透磁率が700以上であることが必要であった。
次に、表3の実施例4−1〜4−5の結果からわかるように、本発明の磁気記録媒体の軟磁性層2A及び2Cの材料として、磁性を担う材料(FeCo)と、B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaの元素、及びその組合せを含む添加材料を組み合わせることが好ましいことがわかる。そして、これらの組み合わせにおいても、非磁性基体側の軟磁性層2Aの磁性を担う材料(FeCo)の割合が、磁気記録層側の軟磁性層2Cの磁性を担う材料(FeCo)の割合よりも高い場合に、Squash特性及びSNR特性の両方が優れる磁気記録媒体を実現できた。
さらに、表3及び表4の実施例によっても、Squash特性とSNR特性を同時に満足するためには、磁気記録層側の軟磁性層は、比透磁率の周波数特性が、非磁性基体側の軟磁性層に比べて高いことが必要である。さらに、磁気記録層側の軟磁性層の比透磁率の周波数特性が1000MHz以上であり、非磁性基体側の軟磁性層又は磁気記録層側の軟磁性層のいずれかの比透磁率が700以上であることが必要であった。
以上のように、本発明の軟磁性裏打ち層の構成によれば、Squash特性と、SNR特性の両方を満足できる磁気記録媒体を得ることができた。
1 基体
2 SUL
2A 非磁性基体側の軟磁性層
2B 交換結合制御層
2C 磁気記録層側の軟磁性層
3 下地層
4 磁気記録層
5 保護層
6 磁気記録媒体
10 単磁極ヘッド
11 主磁極
12 リターンヨーク
13 コイル
14 磁束
15 磁気記録層
16 SUL
17 磁気記録媒体

Claims (5)

  1. 非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と、磁気記録層を含む磁気記録媒体であって、前記軟磁性裏打ち層は、非磁性基体側の軟磁性層、交換結合制御層、磁気記録層側の軟磁性層からなる積層構造を有するものであり、且つ、前記磁気記録層側の軟磁性層は、前記非磁性基体側の軟磁性層よりも比透磁率の周波数特性(10MHz時の比透磁率に比べて、比透磁率が50%低下させる周波数)が高く、前記非磁性基体側の軟磁性層が前記磁気記録層側の軟磁性層よりも比透磁率が高いことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記軟磁性裏打ち層において、磁性を担う材料として、前記非磁性基体側の軟磁性層及び前記磁気記録層側の軟磁性層が、
    (i)Fe及びCoを含む磁性を担う材料と、
    (ii)B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaから選択される元素、又はこれらの組合せを含む添加材料
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記磁気記録層側の軟磁性層の比透磁率の周波数特性は、1000MHz以上であり、前記非磁性基体側の軟磁性層又は前記磁気記録層側の軟磁性層の比透磁率は700以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 非磁性基体上に少なくとも軟磁性裏打ち層と、磁気記録層を含む磁気記録媒体であって、前記軟磁性裏打ち層は、非磁性基体側の軟磁性層、交換結合制御層、及び磁気記録層側の軟磁性層からなる積層構造を有し、前記2つの軟磁性層は、(i)Fe及びCoを含む磁性を担う材料と、(ii)B、C、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaから選択される元素、又はこれらの組合せを含む添加材料からなる軟磁性層の組合せであり、前記非磁性基体側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性材料の割合が、前記磁気記録層側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性材料の割合よりも大きいこと特徴とする磁気記録媒体。
  5. 前記軟磁性裏打ち層において、前記非磁性基体側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性材料の割合が82.5体積%以上であり、かつ、前記磁気記録層側の軟磁性層におけるFe及びCoを含む磁性材料の割合が82.5体積%より小さいこと特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
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