JP2000268341A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JP2000268341A
JP2000268341A JP11068633A JP6863399A JP2000268341A JP 2000268341 A JP2000268341 A JP 2000268341A JP 11068633 A JP11068633 A JP 11068633A JP 6863399 A JP6863399 A JP 6863399A JP 2000268341 A JP2000268341 A JP 2000268341A
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JP11068633A
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Hirotaka Norihashi
宏高 法橋
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直磁気記録媒体の垂直磁化膜の表面近傍に
生じる、媒体ノイズの主原因になる逆磁区の発生を抑制
し、媒体ノイズ特性の優れた垂直磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 本発明の垂直磁気記録媒体20によれ
ば、下地軟磁性膜として金属軟磁性膜よりも遥かに抵抗
率の大きい絶縁体軟磁性膜24を用いているため、高記
録密度時の高周波の記録磁界に対する下地軟磁性膜の渦
電流損失を抑制することができる。その結果、高記録密
度時の高周波の記録磁界に対する下地軟磁性膜の渦電流
損失を低減させて高周波の記録磁界に対する下地軟磁性
膜の磁化の応答性を改善し、高記録密度の領域での記録
能力に優れた垂直磁気記録媒体とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク等と
して用いられる垂直磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータやワーク
ステーションの進歩に伴うハードディスクドライブの大
容量化及び小型化により、磁気ディスクはさらなる高面
密度化が必要とされている。しかし、現在広く普及して
いる長手記録方式では、高記録密度を実現しようとする
と、記録ビットの微細化に伴う記録磁化の熱揺らぎの問
題や、記録ヘッドの記録能力を超えかねない高保磁力化
の問題が発生する。そこで、これらの問題を解決しつ
つ、面記録密度を大幅に向上できる手段として、垂直磁
気記録方式が検討されている。
【0003】図77は、このような垂直磁気記録媒体の
従来例を示す概略断面図である。この垂直磁気記録媒体
50は、垂直磁気異方性をもつ垂直磁化膜54が基板5
6上に形成されたものである。例えば、垂直磁化膜とし
てはCoCr系合金が用いられる(日本応用磁気学会
誌、Vol.8, No.1, 1984, p17)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図77
のような従来の垂直磁気記録媒体では、高記録密度の領
域で垂直記録層への書き込みが困難になるという問題が
あった。この高記録密度の領域での記録能力の劣化の問
題は、高密度記録の情報記録装置を形成する際に大きな
障害となる。
【0005】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、高記録密度の
領域での記録能力に優れた新規な垂直磁気記録媒体を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、記録密度の
向上により記録周波数が上昇すると、記録ヘッドから発
生する高周波の記録磁界に対する下地軟磁性膜の磁化の
応答性に損失が生じ、その損失が主に渦電流損失である
ことを見出した。本発明は、この知見に基づきなされた
ものであり、高記録密度時の高周波の記録磁界に対する
下地軟磁性膜の渦電流損失を低減させることにより、高
周波の記録磁界に対する下地軟磁性膜の磁化の応答性を
改善するものである。
【0007】すなわち、本発明に係る垂直磁気記録媒体
は、少なくとも下地軟磁性膜と垂直磁化膜との二層から
なる垂直磁気記録媒体において、下地軟磁性膜が絶縁体
下地軟磁性膜であることを特徴とするものである。
【0008】本発明の垂直磁気記録媒体は、下地軟磁性
膜として金属軟磁性膜ではなく、金属軟磁性膜よりもは
るかに抵抗率の大きい絶縁体軟磁性膜を用いているた
め、高記録密度時の高周波の記録磁界に対する下地軟磁
性膜の渦電流損失を抑制することができる。その結果、
高記録密度時の高周波の記録磁界に対する下地軟磁性膜
の渦電流損失を低減させて高周波の記録磁界に対する下
地軟磁性膜の磁化の応答性を改善し、高記録密度の領域
での記録能力に優れた垂直磁気記録媒体とすることがで
きる。
【0009】請求項2記載の垂直磁気記録媒体は、請求
項1記載の垂直磁気記録媒体において、絶縁体下地軟磁
性膜が酸化物磁性体である。請求項3記載の垂直磁気記
録媒体は、請求項2記載の垂直磁気記録媒体において、
酸化物磁性体がフェライトである。請求項4記載の垂直
磁気記録媒体は、絶縁体下地軟磁性膜がグラニュラー薄
膜である。請求項5記載の垂直磁気記録媒体は、請求項
1〜3記載の垂直磁気記録媒体において、絶縁体下地軟
磁性膜の抵抗率が0.1[Ω・m]以上である。請求項
6記載の垂直磁気記録媒体は、請求項3記載の垂直磁気
記録媒体において、フェライトがRFe(R=M
n、Ni、Cu、Zn)である。請求項7記載の垂直磁
気記録媒体は、請求項3記載の垂直磁気記録媒体におい
て、フェライトがR−Zn系フェライトのRZn
1−xFe(R=Mn、Ni、Cu、0<x<
1)である。請求項8記載の垂直磁気記録媒体は、請求
項3記載の垂直磁気記録媒体において、フェライトがM
Fe1−xFe(0.4≦x<1)である。
請求項9記載の垂直磁気記録媒体は、請求項3記載の垂
直磁気記録媒体において、フェライトがRFe1−x
Fe(R=Ni、Cu、0.5≦x<1)であ
る。請求項10記載の垂直磁気記録媒体は、請求項3記
載の垂直磁気記録媒体において、フェライトがガーネッ
ト型フェライトである。請求項11記載の垂直磁気記録
媒体は、請求項10記載の垂直磁気記録媒体において、
ガーネット型フェライトがイットリウム−鉄−ガーネッ
ト(YIG、Y Fe12)である。請求項12記
載の垂直磁気記録媒体は、請求項10記載の垂直磁気記
録媒体において、ガーネット型フェライトがM置換(M
=Ca,Si)イットリウム−鉄−ガーネット(YI
G、Y3−xFe12)である。請求項13記
載の垂直磁気記録媒体は、請求項4記載の垂直磁気記録
媒体において、グラニュラー薄膜の母材がSiO、C
又はAlであり、その母材中に分散させる粒子が
強磁性材料である。請求項14記載の垂直磁気記録媒体
は、請求項13記載の垂直磁気記録媒体において、強磁
性材料がCo又はCoFeである。請求項15記載の垂
直磁気記録媒体は、請求項1〜14記載の垂直磁気記録
媒体において、下地軟磁性膜の飽和磁束密度の値をBs
[G]、膜厚をd[μm]としたときに、Bs・dの値が5
00〜10000である。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る垂直磁気記
録媒体の一実施形態を示す概略断面図である。本実施形
態の垂直磁気記録媒体20は、垂直磁化膜28と、垂直
磁化膜28の下の絶縁体軟磁性膜24とが、基板22上
に形成されたものである。
【0011】金属軟磁性膜よりも遥かに抵抗率の大きい
酸化物軟磁性体のフェライト軟磁性膜、ガーネット型フ
ェライト軟磁性膜、グラニュラー軟磁性膜等を下地軟磁
性膜として用いることにより、高記録密度時の高周波の
記録磁界に対する下地軟磁性膜の渦電流損失を抑制する
ことができる。その結果、高記録密度時の高周波の記録
磁界に対する下地軟磁性膜の渦電流損失を低減させて、
高周波の記録磁界に対する下地軟磁性膜の磁化の応答性
を改善し、高記録密度の領域での記録能力に優れた垂直
磁気記録媒体とすることが可能である。以下、具体的な
実施例について説明する。
【0012】
【実施例1】図2は、本発明に係る垂直磁気記録媒体の
実施例1を示す概略断面図である。6インチのMnFe
ターゲットを用いてスパッタ法により、下地軟磁
性膜としてMnFe膜16を2.5インチの基板
12上に、基板温度400[℃]で45〜520[n
m]の範囲内で6種類の膜厚で成膜した。成膜条件は、
初期真空度5×10−7[mTorr]において、投入
電力0.5[kW]、アルゴンガス圧4[mTor
r]、成膜速度3[nm/seC]とした。その上にC
78Cr19Ta(at%)ターゲットを用いてC
78Cr19Ta(at%)膜を100[nm]成
膜した。更にその上にC保護膜を10[nm]成膜し
た。下地軟磁性膜の飽和磁束密度BsをVSM(試料振
動型磁力計)で測定したところ、5000[G]であっ
た。下地のMs・dの値が500[G・μm]の媒体を本
発明媒体B1とする。本発明媒体B1にでおいて、Mn
Feターゲットの代わりにNiFeターゲットを
用いて、MnFe膜の代わりにNiFe膜を有す
る媒体を従来媒体A1とする。なお、以下で用いる「従
来媒体」とは、必ずしも従来からあったものではなく、
本発明媒体の比較用媒体という意味である。
【0013】NiFe膜及びMnFe膜の電気抵
抗率を測定した。その結果、NiFe膜は5×10−8
[Ω・m]、MnFe膜は0.1[Ω・m]であ
った。NiFe膜及びMnFe膜の交流透磁率を
測定した結果をそれぞれ図3及び図4に示す。NiFe
膜の場合、周波数1[MHz]あたりから交流透磁率の
虚数成分が大きくなり、損失が見られることが分かる。
これは、NiFe膜の電気抵抗率が小さいため、高周波
の磁場に対して渦電流損失が大きくなるためである。そ
れに対し、MnFe膜の場合、周波数100[M
Hz]あたりになってもまだ交流透磁率の虚数成分はそ
れほど大きくならず、損失が小さいことが分かる。これ
は、MnFe膜の電気抵抗が大きいために渦電流
損失を生じにくいためである。
【0014】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体B1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。ここ
で、ID/MR複合ヘッドの記録トラック幅は4[μ
m]、再生トラック幅は3[μm]、記録ギャップ長は
0.4[μm]、再生ギャップ長は0.32[μm]で
ある。評価は、センス電流12[mA]、周速度10.
16[m/s]、浮上量45[nm]の条件下で行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体B1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図5に示す。これら
は、本発明媒体B1の最大出力で規格化して示してい
る。図5から分かるように、従来媒体A1では、記録周
波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増加
が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほとん
ど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒体
B1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増加
に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波数
100[MHz]でも十分な記録能力を確保できている
ことが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数の
増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られる
ように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記録
能力が確保できないのに対し、本発明媒体B1では、記
録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図4
に見られるように抑制されているため、高い記録周波数
の領域で十分な記録能力を確保できているためである。
【0015】従来媒体A1及び本発明媒体B1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図6に示す。両者とも記録
密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図6か
ら分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数10
0[MHz]に相当する記録密度500[kFRPI]
近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度化に
伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著しく
劣化している。これに対し、本発明媒体B1の場合、記
録周波数100[MHz]に相当する記録密度500
[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されており、従
来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周波数の
高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できていること
が分かる。これは、上述したように、本発明媒体B1の
下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれより遥
かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失を遥か
に抑えられるためである。
【0016】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図7に
示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の総
量を表す。これから分かるように、Bs・d=400で
は十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のBs
・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を十
分に果たしていないためである。Bs・dの値が500
〜10000の範囲内では出力値が十分取れているが、
Bs・d=11000となると再び出力値が減少してし
まう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなることによ
り下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜の配
向性を乱すようになるので、出力が減少してしまう。こ
のことから、下地膜のBs・dの値は500〜1000
0の範囲内であることが望ましい。
【0017】以上のことより、本発明媒体B1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0018】
【実施例2】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにNiFeターゲットを用いて、実施
例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。下地軟
磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力計)で
測定したところ、3400[G]であった。下地のBs・
dの値が500[G・μm]の媒体を本発明媒体C1とす
る。
【0019】NiFe膜の電気抵抗率を測定した
結果10[Ω・m]であった。なお、NiFe膜の電
気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×10−8[Ω
・m]である。NiFe膜及びNiFe膜の交流
透磁率を測定した結果をそれぞれ図3、図8に示す。図
3から分かるように、NiFe膜の場合、周波数1[M
Hz]あたりから交流透磁率の虚数成分が大きくなり、
損失が見られることが分かる。これは、NiFe膜の電
気抵抗率が小さいため、高周波の磁場に対して渦電流損
失が大きくなるためである。それに対し、NiFe
膜の場合、周波数100[MHz]あたりになっても
まだ交流透磁率の虚数成分はそれほど大きくならず、損
失が小さいことが分かる。これは、NiFe膜の
電気抵抗が大きいために渦電流損失を生じにくいためで
ある。
【0020】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体C1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体C1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図9に示す。これら
は、本発明媒体C1の最大出力で規格化して示してい
る。図9から分かるように、従来媒体A1では、記録周
波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増加
が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほとん
ど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒体
C1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増加
に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波数
100[MHz]でも十分な記録能力を確保できている
ことが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数の
増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られる
ように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記録
能力が確保できないのに対し、本発明媒体C1では、記
録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図8
に見られるように抑制されているため、高い記録周波数
の領域で十分な記録能力を確保できているためである。
【0021】従来媒体A1及び本発明媒体C1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図10に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図1
0から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体C1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
C1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0022】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図11
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0023】以上のことより、本発明媒体C1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0024】
【実施例3】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにCuFeターゲットを用いて、実施
例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。下地軟
磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力計)で
測定したところ、2100[G]であった。下地のBs・
dの値が500[G・μm]の媒体を本発明媒体D1とす
る。
【0025】CuFe膜の電気抵抗率を測定した
結果10[Ω・m]であった。なお、NiFe膜の電
気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×10−8[Ω
・m]である。NiFe膜及びCuFe膜の交流
透磁率を測定した結果をそれぞれ図3及び図12に示
す。図3から分かるように、NiFe膜の場合、周波数
1[MHz]あたりから交流透磁率の虚数成分が大きく
なり、損失が見られることが分かる。これは、NiFe
膜の電気抵抗率が小さいため、高周波の磁場に対して渦
電流損失が大きくなるためである。それに対し、CuF
膜の場合、周波数100[MHz]あたりにな
ってもまだ交流透磁率の虚数成分はそれほど大きくなら
ず、損失が小さいことが分かる。これは、CuFe
膜の電気抵抗が大きいために渦電流損失を生じにくい
ためである。
【0026】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体D1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体D1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図13に示す。これ
らは、本発明媒体D1の最大出力で規格化して示してい
る。図13から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体D1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体D1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
12に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0027】従来媒体A1及び本発明媒体D1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図14に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図1
4から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体D1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
D1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0028】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図15
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0029】以上のことより、本発明媒体D1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0030】
【実施例4】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにZnFeターゲットを用いて、実施
例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。下地軟
磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力計)で
測定したところ、3000[G]であった。下地のBs・
dの値が500[G・μm]の媒体を本発明媒体E1とす
る。
【0031】ZnFe膜の電気抵抗率を測定した
結果10[Ω・m]であった。なお、NiFe膜の電
気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×10−8[Ω
・m]である。NiFe膜及びZnFe膜の交流
透磁率を測定した結果をそれぞれ図3及び図16に示
す。図3から分かるように、NiFe膜の場合、周波数
1[MHz]あたりから交流透磁率の虚数成分が大きく
なり、損失が見られることが分かる。これは、NiFe
膜の電気抵抗率が小さいため、高周波の磁場に対して渦
電流損失が大きくなるためである。それに対し、ZnF
膜の場合、周波数100[MHz]あたりにな
ってもまだ交流透磁率の虚数成分はそれほど大きくなら
ず、損失が小さいことが分かる。これは、ZnFe
膜の電気抵抗が大きいために渦電流損失を生じにくい
ためである。
【0032】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体E1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体E1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図17に示す。これ
らは、本発明媒体E1の最大出力で規格化して示してい
る。図17から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体E1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体E1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
16に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0033】従来媒体A1及び本発明媒体E1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図18に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図1
8から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体E1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
E1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0034】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図19
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0035】以上のことより、本発明媒体E1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0036】
【実施例5】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにMn0.5Zn0.5Feターゲッ
トを用いて、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を
作成した。下地軟磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料
振動型磁力計)で測定したところ、2500[G]であっ
た。下地のBs・dの値が500[G・μm]の媒体を本
発明媒体F1とする。
【0037】Mn0.5Zn0.5Fe膜の電気
抵抗率を測定した結果10[Ω・m]であった。な
お、NiFe膜の電気抵抗率は実施例1に示したとお
り、5×10−8[Ω・m]である。NiFe膜及びM
0.5Zn0.5Fe膜の交流透磁率を測定し
た結果をそれぞれ図3及び図20に示す。図3から分か
るように、NiFe膜の場合、周波数1[MHz]あた
りから交流透磁率の虚数成分が大きくなり、損失が見ら
れることが分かる。これは、NiFe膜の電気抵抗率が
小さいため、高周波の磁場に対して渦電流損失が大きく
なるためである。それに対し、Mn0.5Zn0.5
膜の場合、周波数100[MHz]あたりにな
ってもまだ交流透磁率の虚数成分はそれほど大きくなら
ず、損失が小さいことが分かる。これは、Mn0.5
0.5Fe膜の電気抵抗が大きいために渦電流
損失を生じにくいためである。
【0038】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体F1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体F1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図21に示す。これ
らは、本発明媒体F1の最大出力で規格化して示してい
る。図21から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体F1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体F1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
20に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0039】従来媒体A1及び本発明媒体F1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図22に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図2
2から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体F1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
F1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0040】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図23
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0041】以上のことより、本発明媒体F1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0042】
【実施例6】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにNi0.3Zn0.7Feターゲッ
トを用いて、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を
作成した。下地軟磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料
振動型磁力計)で測定したところ、4000[G]であっ
た。下地のBs・dの値が500[G・μm]の媒体を本
発明媒体G1とする。
【0043】Ni0.3Zn0.7Fe膜の電気
抵抗率を測定した結果10[Ω・m]であった。な
お、NiFe膜の電気抵抗率は実施例1に示したとお
り、5×10−8[Ω・m]である。NiFe膜及びN
0.3Zn0.7Fe膜の交流透磁率を測定し
た結果をそれぞれ図3及び図24に示す。図3から分か
るように、NiFe膜の場合、周波数1[MHz]あた
りから交流透磁率の虚数成分が大きくなり、損失が見ら
れることが分かる。これは、NiFe膜の電気抵抗率が
小さいため、高周波の磁場に対して渦電流損失が大きく
なるためである。それに対し、Ni0.3Zn0.7
膜の場合、周波数100[MHz]あたりにな
ってもまだ交流透磁率の虚数成分はそれほど大きくなら
ず、損失が小さいことが分かる。これは、Ni0.3
0.7Fe膜の電気抵抗が大きいために渦電流
損失を生じにくいためである。
【0044】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体G1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体G1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図25に示す。これ
らは、本発明媒体G1の最大出力で規格化して示してい
る。図25から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体G1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体G1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
24に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0045】従来媒体A1及び本発明媒体G1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図26に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図2
6から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体G1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
G1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0046】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図23
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0047】以上のことより、本発明媒体G1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0048】
【実施例7】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにCu0.5Mn0.5Feターゲッ
トを用いて、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を
作成した。下地軟磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料
振動型磁力計)で測定したところ、2500[G]であっ
た。下地のBs・dの値が500[G・μm]の媒体を本
発明媒体H1とする。
【0049】Cu0.5Mn0.5Fe膜の電気
抵抗率を測定した結果10[Ω・m]であった。な
お、NiFe膜の電気抵抗率は実施例1に示したとお
り、5×10−8[Ω・m]である。NiFe膜及びC
0.5Mn0.5Fe膜の交流透磁率を測定し
た結果をそれぞれ図3及び図28に示す。図3から分か
るように、NiFe膜の場合、周波数1[MHz]あた
りから交流透磁率の虚数成分が大きくなり、損失が見ら
れることが分かる。これは、NiFe膜の電気抵抗率が
小さいため、高周波の磁場に対して渦電流損失が大きく
なるためである。それに対し、Cu0.5Mn0.5
膜の場合、周波数100[MHz]あたりにな
ってもまだ交流透磁率の虚数成分はそれほど大きくなら
ず、損失が小さいことが分かる。これは、Cu0.5
0.5Fe膜の電気抵抗が大きいために渦電流
損失を生じにくいためである。
【0050】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体H1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体H1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図29に示す。これ
らは、本発明媒体H1の最大出力で規格化して示してい
る。図29から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体H1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体H1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
28に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0051】従来媒体A1及び本発明媒体H1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図30に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図3
0から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体H1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
H1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0052】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図31
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0053】以上のことより、本発明媒体H1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0054】
【実施例8】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにMnFe1−xFe (x=0.
1、0.3、0.4、0.7、0.95)ターゲットを
用いて、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成
した。下地軟磁性膜のBs・dの値は500[G・μm]
と設定した。Mn0.4Fe0.6Feターゲッ
ト、Mn0.3Fe0.7Feターゲットを用い
て作成した媒体をそれぞれ本発明媒体J1、従来媒体A
2とする。
【0055】MnFe1−xFe(x=0.
1、0.3、0.4、0.7、0.95)膜の電気抵抗
率と交流透磁率を測定した結果を図32に示す。図32
から分かるように、x=0.1、0.3の場合は鉄(F
e)の組成が多いため、電気抵抗率が低く、そのために
周波数100[MHz]での交流透磁率の虚数成分が大
きい。それに対し、x=0.4以上になると鉄(Fe)
の組成が少なくなるために電気抵抗率が高くなり、その
ために周波数100[MHz]での交流透磁率の虚数成
分が小さい。これはx=0.4以上になると電気抵抗が
高いために渦電流損失が抑えられているためである。
【0056】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体J1及び従来媒体A2の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A2及び本発明媒体J1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図33に示す。これ
らは、本発明媒体J1の最大出力で規格化して示してい
る。図33から分かるように、従来媒体A2では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体J1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A2では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図32に見ら
れるように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な
記録能力が確保できないのに対し、本発明媒体J1で
は、記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失
が図32に見られるように抑制されているため、高い記
録周波数の領域で十分な記録能力を確保できているため
である。
【0057】従来媒体A2及び本発明媒体J1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図34に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図3
4から分かるように、従来媒体A2の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体J1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A2で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
J1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A2のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0058】以上のことより、本発明媒体J1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
また、本発明媒体J1よりもMn濃度の高い媒体の場合
も、図32より下地軟磁性膜の高周波での渦電流損失を
抑えられるため、同様な効果が得られる。そして、組成
x=1の場合が実施例1の場合となる。
【0059】
【実施例9】実施例1においてMnFeターゲッ
トの代わりにNiFe1−xFe (x=0.
2、0.4、0.5、0.7、0.95)ターゲットを
用いて、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成
した。下地軟磁性膜のBs・dの値は500[G・μm]
と設定した。Ni0.5Fe0.5Feターゲッ
ト、Ni0.4Fe0.6Feターゲットを用い
て作成した媒体をそれぞれ本発明媒体K1、従来媒体A
3とする。
【0060】NiFe1−xFe(x=0.
2、0.4、0.5、0.7、0.95)膜の電気抵抗
率と交流透磁率を測定した結果を図35に示す。図35
から分かるように、x=0.2、0.4の場合は鉄(F
e)の組成が多いため、電気抵抗率が低く、そのために
周波数100[MHz]での交流透磁率の虚数成分が大
きい。それに対し、x=0.5以上になると鉄(Fe)
の組成が少なくなるために電気抵抗率が高くなり、その
ために周波数100[MHz]での交流透磁率の虚数成
分が小さい。これはx=0.5以上になると電気抵抗が
高いために渦電流損失が抑えられているためである。
【0061】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体K1及び従来媒体A3の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A3及び本発明媒体K1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図36に示す。これ
らは、本発明媒体K1の最大出力で規格化して示してい
る。図36から分かるように、従来媒体A3では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体K1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A3では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図35に見ら
れるように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な
記録能力が確保できないのに対し、本発明媒体K1で
は、記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失
が図35に見られるように抑制されているため、高い記
録周波数の領域で十分な記録能力を確保できているため
である。
【0062】従来媒体A3及び本発明媒体K1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図37に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図3
7から分かるように、従来媒体A3の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体K1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A3で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
K1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A3のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0063】以上のことより、本発明媒体K1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
また、本発明媒体K1よりもNi濃度の高い媒体の場合
も、図35より下地軟磁性膜の高周波での渦電流損失を
抑えられるため、同様な効果が得られる。そして、組成
x=1の場合が実施例2の場合となる。
【0064】
【実施例10】実施例1においてMnFeターゲ
ットの代わりにCuFe1−xFe (x=0.
2、0.4、0.5、0.7、0.95)ターゲットを
用いて、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成
した。下地軟磁性膜のBs・dの値は500[G・μm]
と設定した。Cu0.5Fe0.5Feターゲッ
ト、Cu0.4Fe0.6Feターゲットを用い
て作成した媒体をそれぞれ本発明媒体L1、従来媒体A
4とする。
【0065】CuFe1−xFe(x=0.
2、0.4、0.5、0.7、0.95)膜の電気抵抗
率と交流透磁率を測定した結果を図38に示す。図38
から分かるように、x=0.2、0.4の場合は鉄(F
e)の組成が多いため、電気抵抗率が低く、そのために
周波数100[MHz]での交流透磁率の虚数成分が大
きい。それに対し、x=0.5以上になると鉄(Fe)
の組成が少なくなるために電気抵抗率が高くなり、その
ために周波数100[MHz]での交流透磁率の虚数成
分が小さい。これはx=0.5以上になると電気抵抗が
高いために渦電流損失が抑えられているためである。
【0066】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体L1及び従来媒体A4の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A4及び本発明媒体L1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図39に示す。これ
らは、本発明媒体K1の最大出力で規格化して示してい
る。図39から分かるように、従来媒体A3では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体L1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A4では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図38に見ら
れるように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な
記録能力が確保できないのに対し、本発明媒体L1で
は、記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失
が図38に見られるように抑制されているため、高い記
録周波数の領域で十分な記録能力を確保できているため
である。
【0067】従来媒体A4及び本発明媒体L1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図40に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図4
0から分かるように、従来媒体A4の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体L1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A4で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
L1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A4のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0068】以上のことより、本発明媒体L1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
また、本発明媒体L1よりもCu濃度の高い媒体の場合
も、図38より下地軟磁性膜の高周波での渦電流損失を
抑えられるため、同様な効果が得られる。そして、組成
x=1の場合が実施例3の場合となる。
【0069】
【実施例11】実施例1においてMnFeターゲ
ットの代わりにYFe12ターゲットを用いて、
実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。下
地軟磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力
計)で測定したところ、1800[G]であった。下地の
Bs・dの値が500[G・μm]の媒体を本発明媒体M
1とする。
【0070】YFe12膜の電気抵抗率を測定し
た結果10[Ω・m]であった。なお、NiFe膜の
電気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×10
−8[Ω・m]である。NiFe膜及びYFe
12膜の交流透磁率を測定した結果をそれぞれ図3及び
図41に示す。図3から分かるように、NiFe膜の場
合、周波数1[MHz]あたりから交流透磁率の虚数成
分が大きくなり、損失が見られることが分かる。これ
は、NiFe膜の電気抵抗率が小さいため、高周波の磁
場に対して渦電流損失が大きくなるためである。それに
対し、YFe12膜の場合、周波数100[MH
z]あたりになってもまだ交流透磁率の虚数成分はそれ
ほど大きくならず、損失が小さいことが分かる。これ
は、YFe12膜の電気抵抗が大きいために渦電
流損失を生じにくいためである。
【0071】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体M1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体M1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図42に示す。これ
らは、本発明媒体M1の最大出力で規格化して示してい
る。図42から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体M1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体M1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
41に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0072】従来媒体A1及び本発明媒体M1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図43に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図4
3から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体M1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
M1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0073】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図44
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0074】以上のことより、本発明媒体M1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0075】
【実施例12】実施例1においてMnFeターゲ
ットの代わりにY2.998Ca0. 002Fe
12ターゲットを用いて、実施例1と同様にして垂直磁
気記録媒体を作成した。下地軟磁性膜の飽和磁化Bsを
VSM(試料振動型磁力計)で測定したところ、170
0[G]であった。下地のBs・dの値が500[G・μ
m]の媒体を本発明媒体N1とする。
【0076】Y2.998Ca0.002Fe12
膜の電気抵抗率を測定した結果10 [Ω・m]であっ
た。なお、NiFe膜の電気抵抗率は実施例1に示した
とおり、5×10−8[Ω・m]である。NiFe膜及
びY2.998Ca0.00 Fe12膜の交流透
磁率を測定した結果をそれぞれ図3、図45に示す。図
3から分かるように、NiFe膜の場合、周波数1[M
Hz]あたりから交流透磁率の虚数成分が大きくなり、
損失が見られることが分かる。これは、NiFe膜の電
気抵抗率が小さいため、高周波の磁場に対して渦電流損
失が大きくなるためである。それに対し、Y2.998
Ca0.002Fe12膜の場合、周波数100
[MHz]あたりになってもまだ交流透磁率の虚数成分
はそれほど大きくならず、損失が小さいことが分かる。
これは、Y2.998Ca0.00 Fe12膜の
電気抵抗が大きいために渦電流損失を生じにくいためで
ある。
【0077】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体N1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体N1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図46に示す。これ
らは、本発明媒体N1の最大出力で規格化して示してい
る。図46から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体N1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体N1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
45に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0078】従来媒体A1及び本発明媒体N1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図47に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図4
7から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体N1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
N1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0079】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図48
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0080】以上のことより、本発明媒体N1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0081】
【実施例13】実施例1においてMnFeターゲ
ットの代わりにY2.998Si0. 002Fe
12ターゲットを用いて、実施例1と同様にして垂直磁
気記録媒体を作成した。下地軟磁性膜の飽和磁化Bsを
VSM(試料振動型磁力計)で測定したところ、180
0[G]であった。下地のBs・dの値が500[G・μ
m]の媒体を本発明媒体P1とする。
【0082】Y2.998Si0.002Fe12
膜の電気抵抗率を測定した結果10 [Ω・m]であっ
た。なお、NiFe膜の電気抵抗率は実施例1に示した
とおり、5×10−8[Ω・m]である。NiFe膜及
びY2.998Si0.00 Fe12膜の交流透
磁率を測定した結果をそれぞれ図3及び図49に示す。
図3から分かるように、NiFe膜の場合、周波数1
[MHz]あたりから交流透磁率の虚数成分が大きくな
り、損失が見られることが分かる。これは、NiFe膜
の電気抵抗率が小さいため、高周波の磁場に対して渦電
流損失が大きくなるためである。それに対し、Y
2.998Si0.002Fe12膜の場合、周波
数100[MHz]あたりになってもまだ交流透磁率の
虚数成分はそれほど大きくならず、損失が小さいことが
分かる。これは、Y2.998Si0.0 02Fe
12膜の電気抵抗が大きいために渦電流損失を生じにく
いためである。
【0083】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体P1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体P1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図50に示す。これ
らは、本発明媒体P1の最大出力で規格化して示してい
る。図50から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体P1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体P1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
49に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0084】従来媒体A1及び本発明媒体P1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図51に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図5
1から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体P1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
P1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0085】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図52
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0086】以上のことより、本発明媒体P1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0087】2.5インチの基板上にスパッタ法により
でCo−SiO分散膜を50[nm]〜500[n
m]に渡って色々な膜厚で成膜した。成膜条件は、初期
真空度5×10−7[mTorr]以下において、投入
電力0.5[kW]、アルゴンガス圧4[mTor
r]、成膜速度3[nm/seC]とした。分散膜は、
基板にバイアス電圧を印加しながらCoターゲットとS
iOターゲットを、同時にスパッタして得た。分散膜
中のCoの体積比は50[%]程度に設定した。その上
にCo78Cr19Ta(at%)ターゲットを用い
て基板温度400[℃]としてCo78Cr19Ta
膜を100[nm]成膜した。更にその上にC保護膜を
10[nm]成膜した。これらの媒体のうち、Co−S
iO分散膜の膜厚が500[nm]、400[nm]
である媒体をそれぞれ便宜上、本発明媒体E2、本発明
媒体E3とする。
【0088】
【実施例14】実施例1においてMnFe膜の代
わりにCo−SiO分散膜を成膜し、実施例1と同様
にして垂直磁気記録媒体を作成した。分散膜は、基板に
バイアス電圧を印加しながらCoターゲットとSiO
ターゲットを、同時にスパッタして得た。分散膜中のC
oの体積比は50[%]程度に設定した。下地軟磁性膜
の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力計)で測定し
たところ、600[G]であった。下地のBs・dの値が
500[G・μm]の媒体を本発明媒体Q1とする。
【0089】Co−SiO分散膜の電気抵抗率を測定
した結果2×10[Ω・m]であった。なお、NiF
e膜の電気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×10
−8[Ω・m]である。NiFe膜及びCo−SiO
分散膜の交流透磁率を測定した結果をそれぞれ図3及び
図53に示す。図3から分かるように、NiFe膜の場
合、周波数1[MHz]あたりから交流透磁率の虚数成
分が大きくなり、損失が見られることが分かる。これ
は、NiFe膜の電気抵抗率が小さいため、高周波の磁
場に対して渦電流損失が大きくなるためである。それに
対し、Co−SiO分散膜の場合、周波数100[M
Hz]あたりになってもまだ交流透磁率の虚数成分はそ
れほど大きくならず、損失が小さいことが分かる。これ
は、Co−SiO分散膜の電気抵抗が大きいために渦
電流損失を生じにくいためである。
【0090】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体Q1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体Q1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図54に示す。これ
らは、本発明媒体P1の最大出力で規格化して示してい
る。図54から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体Q1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体Q1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
53に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0091】従来媒体A1及び本発明媒体Q1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図55に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図5
5から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体Q1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
Q1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0092】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図56
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0093】以上のことより、本発明媒体Q1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0094】
【実施例15】実施例1においてMnFe膜の代
わりにCo−C分散膜を成膜し、実施例1と同様にして
垂直磁気記録媒体を作成した。分散膜は、基板にバイア
ス電圧を印加しながらCoターゲットとCターゲット
を、同時にスパッタして得た。分散膜中のCoの体積比
は50[%]程度に設定した。下地軟磁性膜の飽和磁化
BsをVSM(試料振動型磁力計)で測定したところ、
550[G]であった。下地のBs・dの値が500[G
・μm]の媒体を本発明媒体R1とする。
【0095】Co−C分散膜の電気抵抗率を測定した結
果10[Ω・m]であった。なお、NiFe膜の電気
抵抗率は実施例1に示したとおり、5×10−8[Ω・
m]である。NiFe膜及びCo−C分散膜の交流透磁
率を測定した結果をそれぞれ図3及び図57に示す。図
3から分かるように、NiFe膜の場合、周波数1[M
Hz]あたりから交流透磁率の虚数成分が大きくなり、
損失が見られることが分かる。これは、NiFe膜の電
気抵抗率が小さいため、高周波の磁場に対して渦電流損
失が大きくなるためである。それに対し、Co−C分散
膜の場合、周波数100[MHz]あたりになってもま
だ交流透磁率の虚数成分はそれほど大きくならず、損失
が小さいことが分かる。これは、Co−C分散膜の電気
抵抗が大きいために渦電流損失を生じにくいためであ
る。
【0096】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体R1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体R1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図58に示す。これ
らは、本発明媒体P1の最大出力で規格化して示してい
る。図58から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体R1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体R1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
57に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0097】従来媒体A1及び本発明媒体R1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図59に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図5
9から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体R1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
R1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0098】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図60
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0099】以上のことより、本発明媒体R1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0100】
【実施例16】実施例1においてMnFe膜の代
わりにCo−Al分散膜を成膜し、実施例1と同
様にして垂直磁気記録媒体を作成した。分散膜は、基板
にバイアス電圧を印加しながらCoターゲットとAl
ターゲットを、同時にスパッタして得た。分散膜中
のCoの体積比は50[%]程度に設定した。下地軟磁
性膜の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力計)で測
定したところ、580[G]であった。下地のBs・dの
値が500[G・μm]の媒体を本発明媒体S1とする。
【0101】Co−Al分散膜の電気抵抗率を測
定した結果3×10[Ω・m]であった。なお、Ni
Fe膜の電気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×1
[Ω・m]である。NiFe膜及びCo−Al
分散膜の交流透磁率を測定した結果をそれぞれ図3
及び図61に示す。図3から分かるように、NiFe膜
の場合、周波数1[MHz]あたりから交流透磁率の虚
数成分が大きくなり、損失が見られることが分かる。こ
れは、NiFe膜の電気抵抗率が小さいため、高周波の
磁場に対して渦電流損失が大きくなるためである。それ
に対し、Co−Al分散膜の場合、周波数100
[MHz]あたりになってもまだ交流透磁率の虚数成分
はそれほど大きくならず、損失が小さいことが分かる。
これは、Co−Al分散膜の電気抵抗が大きいた
めに渦電流損失を生じにくいためである。
【0102】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体S1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体S1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図62に示す。これ
らは、本発明媒体P1の最大出力で規格化して示してい
る。図62から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体S1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体S1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
61に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0103】従来媒体A1及び本発明媒体S1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図63に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図6
3から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体S1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
S1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0104】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図64
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0105】以上のことより、本発明媒体S1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0106】
【実施例17】実施例1においてMnFe膜の代
わりにCoFe−SiO分散膜を成膜し、実施例1と
同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。分散膜は、基
板にバイアス電圧を印加しながらCoターゲットとSi
ターゲットを、同時にスパッタして得た。分散膜中
のCoの体積比は50[%]程度に設定した。下地軟磁
性膜の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力計)で測
定したところ、600[G]であった。下地のBs・dの
値が500[G・μm]の媒体を本発明媒体T1とする。
【0107】CoFe−SiO分散膜の電気抵抗率を
測定した結果3×10[Ω・m]であった。なお、N
iFe膜の電気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×
10 −8[Ω・m]である。NiFe膜及びCoFe−
SiO分散膜の交流透磁率を測定した結果をそれぞれ
図3及び図65に示す。図3から分かるように、NiF
e膜の場合、周波数1[MHz]あたりから交流透磁率
の虚数成分が大きくなり、損失が見られることが分か
る。これは、NiFe膜の電気抵抗率が小さいため、高
周波の磁場に対して渦電流損失が大きくなるためであ
る。それに対し、CoFe−SiO分散膜の場合、周
波数100[MHz]あたりになってもまだ交流透磁率
の虚数成分はそれほど大きくならず、損失が小さいこと
が分かる。これは、CoFe−SiO分散膜の電気抵
抗が大きいために渦電流損失を生じにくいためである。
【0108】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体T1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体T1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図66に示す。これ
らは、本発明媒体P1の最大出力で規格化して示してい
る。図66から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体T1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体T1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
61に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0109】従来媒体A1及び本発明媒体T1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図67に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図6
7から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体T1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
T1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0110】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図68
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0111】以上のことより、本発明媒体T1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0112】
【実施例18】実施例1においてMnFe膜の代
わりにCoFe−C分散膜を成膜し、実施例1と同様に
して垂直磁気記録媒体を作成した。分散膜は、基板にバ
イアス電圧を印加しながらCoターゲットとCターゲッ
トを、同時にスパッタして得た。分散膜中のCoの体積
比は50[%]程度に設定した。下地軟磁性膜の飽和磁
化BsをVSM(試料振動型磁力計)で測定したとこ
ろ、610[G]であった。下地のBs・dの値が500
[G・μm]の媒体を本発明媒体U1とする。
【0113】CoFe−C分散膜の電気抵抗率を測定し
た結果2×10[Ω・m]であった。なお、NiFe
膜の電気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×10
−8[Ω・m]である。NiFe膜及びCoFe−C分
散膜の交流透磁率を測定した結果をそれぞれ図3及び図
69に示す。図3から分かるように、NiFe膜の場
合、周波数1[MHz]あたりから交流透磁率の虚数成
分が大きくなり、損失が見られることが分かる。これ
は、NiFe膜の電気抵抗率が小さいため、高周波の磁
場に対して渦電流損失が大きくなるためである。それに
対し、CoFe−C分散膜の場合、周波数100[MH
z]あたりになってもまだ交流透磁率の虚数成分はそれ
ほど大きくならず、損失が小さいことが分かる。これ
は、CoFe−C分散膜の電気抵抗が大きいために渦電
流損失を生じにくいためである。
【0114】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体U1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体U1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図70に示す。これ
らは、本発明媒体P1の最大出力で規格化して示してい
る。図70から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体U1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体U1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
69に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0115】従来媒体A1及び本発明媒体U1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図71に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図7
1から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体U1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
U1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0116】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図72
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0117】以上のことより、本発明媒体U1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0118】
【実施例19】実施例1においてMnFe膜の代
わりにCoFe−Al分散膜を成膜し、実施例1
と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。分散膜は、
基板にバイアス電圧を印加しながらCoターゲットとA
ターゲットを、同時にスパッタして得た。分散
膜中のCoの体積比は50[%]程度に設定した。下地
軟磁性膜の飽和磁化BsをVSM(試料振動型磁力計)
で測定したところ、590[G]であった。下地のBs・
dの値が500[G・μm]の媒体を本発明媒体V1とす
る。
【0119】CoFe−Al分散膜の電気抵抗率
を測定した結果10[Ω・m]であった。なお、Ni
Fe膜の電気抵抗率は実施例1に示したとおり、5×1
[Ω・m]である。NiFe膜及びCoFe−A
分散膜の交流透磁率を測定した結果をそれぞれ
図3及び図73に示す。図3から分かるように、NiF
e膜の場合、周波数1[MHz]あたりから交流透磁率
の虚数成分が大きくなり、損失が見られることが分か
る。これは、NiFe膜の電気抵抗率が小さいため、高
周波の磁場に対して渦電流損失が大きくなるためであ
る。それに対し、CoFe−Al分散膜の場合、
周波数100[MHz]あたりになってもまだ交流透磁
率の虚数成分はそれほど大きくならず、損失が小さいこ
とが分かる。これは、CoFe−Al分散膜の電
気抵抗が大きいために渦電流損失を生じにくいためであ
る。
【0120】ID/MR複合ヘッドを用いて、本発明媒
体V1及び従来媒体A1の記録再生特性を調べた。使用
ヘッド及びR/W測定条件は実施例1と同様にして行っ
た。従来媒体A1及び本発明媒体V1の入出力特性(出
力の記録電流依存性)の測定結果を図74に示す。これ
らは、本発明媒体P1の最大出力で規格化して示してい
る。図74から分かるように、従来媒体A1では、記録
周波数の増加に伴って、記録電流の増加に伴う出力の増
加が緩慢になり、記録周波数100[MHz]ではほと
んど記録できないことが分かる。それに対し、本発明媒
体V1では、記録周波数の増加に伴って、記録電流の増
加に伴う出力の増加はそれほど緩慢にならず、記録周波
数100[MHz]でも十分な記録能力を確保できてい
ることが分かる。これは、従来媒体A1では記録周波数
の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図3に見られ
るように顕著なため、高い記録周波数の領域で十分な記
録能力が確保できないのに対し、本発明媒体U1では、
記録周波数の増加に伴う下地軟磁性膜の渦電流損失が図
73に見られるように抑制されているため、高い記録周
波数の領域で十分な記録能力を確保できているためであ
る。
【0121】従来媒体A1及び本発明媒体V1の出力の
記録密度依存性の測定結果を図75に示す。両者とも記
録密度の増加にともなって出力は減少して行くが、図7
5から分かるように、従来媒体A1の場合、記録周波数
100[MHz]に相当する記録密度500[kFRP
I]近傍では、ほとんど出力が観測されず、高記録密度
化に伴う記録周波数の高周波化に伴って、記録能力が著
しく劣化している。これに対し、本発明媒体V1の場
合、記録周波数100[MHz]に相当する記録密度5
00[kFRPI]近傍でも出力が十分観測されてお
り、従来媒体A1で見られた高記録密度化に伴う記録周
波数の高周波化に伴った記録能力の劣化を抑制できてい
ることが分かる。これは、上述したように、本発明媒体
V1の下地軟磁性膜の電気抵抗率が従来媒体A1のそれ
より遥かに高いため、高周波の磁場に対する渦電流損失
を遥かに抑えられるためである。
【0122】下地軟磁性膜のBs・dの値を400〜1
1000[G・μm]の範囲内で変化させたときの各媒体
の記録密度500[kFRPI]の時の出力値を図76
に示す。Bs・dは下地軟磁性膜が受け入れうる磁束の
総量を表す。これから分かるように、Bs・d=400
では十分に出力が取れない。これは、下地軟磁性膜のB
s・dの値が小さすぎて、下地軟磁性膜としての機能を
十分に果たしていないためである。Bs・dの値が50
0〜10000の範囲内では出力値が十分取れている
が、Bs・d=11000となると再び出力値が減少し
てしまう。これは、下地軟磁性膜の膜厚が厚くなること
により下地の表面平滑性が劣化し、その上の垂直磁化膜
の配向性を乱すようになるので、出力が減少してしま
う。このことから、下地膜のBs・dの値は500〜1
0000の範囲内であることが望ましい。
【0123】以上のことより、本発明媒体V1を用いる
ことにより、記録密度の向上に伴って記録周波数が向上
しても記録能力の劣化を抑制できる、将来の超高密度記
録にふさわしい垂直磁気記録媒体とすることができる。
【0124】
【発明の効果】請求項1乃至15記載の垂直磁気記録媒
体によれば、下地軟磁性膜として金属軟磁性膜よりも遥
かに抵抗率の大きい酸化物軟磁性体のフェライト軟磁性
膜、ガーネット型フェライト軟磁性膜、グラニュラー軟
磁性膜を用いているため、高記録密度時の高周波の記録
磁界に対する下地軟磁性膜の渦電流損失を抑制すること
ができる。その結果、高記録密度時の高周波の記録磁界
に対する下地軟磁性膜の渦電流損失を低減させて高周波
の記録磁界に対する下地軟磁性膜の磁化の応答性を改善
し、高記録密度の領域での記録能力に優れた垂直磁気記
録媒体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る垂直磁気記録媒体の一実施形態を
示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施例1における垂直磁気記録媒体を
示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施例1における、透磁率の周波数依
存性を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例1における、透磁率の周波数依
存性を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例1における、出力の記録電流依
存性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例1における、出力の記録密度依
存性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例1における、下地軟磁性膜のB
s・dと出力の関係を示す図表である。
【図8】本発明の実施例2における、透磁率の周波数依
存性を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例2における、出力の記録電流依
存性を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例2における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例2における、下地軟磁性膜の
Bs・dと出力の関係を示す図表である。
【図12】本発明の実施例3における、透磁率の周波数
依存性を示すグラフである。
【図13】本発明の実施例3における、出力の記録電流
依存性を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例3における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例3における、下地軟磁性膜の
Bs・dと出力の関係を示す図表である。
【図16】本発明の実施例4における、透磁率の周波数
依存性を示すグラフである。
【図17】本発明の実施例4における、出力の記録電流
依存性を示すグラフである。
【図18】本発明の実施例4における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図19】本発明の実施例4における、下地軟磁性膜の
Bs・dと出力の関係を示す図表である。
【図20】本発明の実施例5における、透磁率の周波数
依存性を示すグラフである。
【図21】本発明の実施例5における、出力の記録電流
依存性を示すグラフである。
【図22】本発明の実施例5における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図23】本発明の実施例5における、下地軟磁性膜の
Bs・dと出力の関係を示す図表である。
【図24】本発明の実施例6における、透磁率の周波数
依存性を示すグラフである。
【図25】本発明の実施例6における、出力の記録電流
依存性を示すグラフである。
【図26】本発明の実施例6における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図27】本発明の実施例6における、下地軟磁性膜の
Bs・dと出力の関係を示す図表である。
【図28】本発明の実施例7における、透磁率の周波数
依存性を示すグラフである。
【図29】本発明の実施例7における、出力の記録電流
依存性を示すグラフである。
【図30】本発明の実施例7における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図31】本発明の実施例7における、下地軟磁性膜の
Bs・dと出力の関係を示す図表である。
【図32】本発明の実施例8における、抵抗率、透磁率
と周波数の関係を示す図表である。
【図33】本発明の実施例8における、出力の記録電流
依存性を示すグラフである。
【図34】本発明の実施例8における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図35】本発明の実施例9における、抵抗率、透磁率
と周波数の関係を示す図表である。
【図36】本発明の実施例9における、出力の記録電流
依存性を示すグラフである。
【図37】本発明の実施例9における、出力の記録密度
依存性を示すグラフである。
【図38】本発明の実施例10における、抵抗率、透磁
率と周波数の関係を示す図表である。
【図39】本発明の実施例10における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図40】本発明の実施例10における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図41】本発明の実施例11における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図42】本発明の実施例11における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図43】本発明の実施例11における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図44】本発明の実施例11における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図45】本発明の実施例12における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図46】本発明の実施例12における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図47】本発明の実施例12における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図48】本発明の実施例12における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図49】本発明の実施例13における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図50】本発明の実施例13における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図51】本発明の実施例13における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図52】本発明の実施例13における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図53】本発明の実施例14における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図54】本発明の実施例14における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図55】本発明の実施例14における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図56】本発明の実施例14における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図57】本発明の実施例15における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図58】本発明の実施例15における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図59】本発明の実施例15における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図60】本発明の実施例15における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図61】本発明の実施例16における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図62】本発明の実施例16における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図63】本発明の実施例16における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図64】本発明の実施例16における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図65】本発明の実施例17における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図66】本発明の実施例17における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図67】本発明の実施例17における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図68】本発明の実施例17における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図69】本発明の実施例18における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図70】本発明の実施例18における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図71】本発明の実施例18における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図72】本発明の実施例18における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図73】本発明の実施例19における、透磁率の周波
数依存性を示すグラフである。
【図74】本発明の実施例19における、出力の記録電
流依存性を示すグラフである。
【図75】本発明の実施例19における、出力の記録密
度依存性を示すグラフである。
【図76】本発明の実施例19における、下地軟磁性膜
のBs・dと出力の関係を示す図表である。
【図77】従来の垂直磁気記録媒体を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
10,20 垂直磁気記録媒体 12,22 基板 16 MnFe下地軟磁性膜 18 Co78Cr19Ta(at%)垂直磁化膜 24 絶縁体軟磁性膜 28 垂直磁化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/84 G11B 5/84 Z H01F 10/20 H01F 10/20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下地軟磁性膜と垂直磁化膜と
    の二層からなる垂直磁気記録媒体において、 前記下地軟磁性膜が絶縁体下地軟磁性膜であることを特
    徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体下地軟磁性膜が酸化物磁性体
    である、請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記酸化物磁性体がフェライトである、
    請求項2記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記絶縁体下地軟磁性膜がグラニュラー
    薄膜である、請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記絶縁体下地軟磁性膜の抵抗率が0.
    1[Ω・m]以上であることを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記フェライトがRFe(R=M
    n、Ni、Cu、Zn)である、請求項3記載の垂直磁
    気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記フェライトがR−Zn系フェライト
    のRZn1−xFe(R=Mn、Ni、Cu、
    0<x<1)である、請求項3記載の垂直磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 前記フェライトがMnFe1−xFe
    (0.4≦x<1)である、請求項3記載の垂直
    磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記フェライトがRFe1−xFe
    (R=Ni、Cu、0.5≦x<1)である、請求
    項3記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記フェライトがガーネット型フェラ
    イトである、請求項3記載の垂直磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記ガーネット型フェライトがイット
    リウム−鉄−ガーネット(YIG、YFe12
    である、請求項10記載の垂直磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記ガーネット型フェライトがM置換
    (M=Ca,Si)イットリウム−鉄−ガーネット(Y
    IG、Y3−xFe12)である、請求項10
    記載の垂直磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記グラニュラー薄膜の母材がSiO
    、C又はAl であり、その母材中に分散させる
    粒子が強磁性材料である、請求項4記載の垂直磁気記録
    媒体。
  14. 【請求項14】 前記強磁性材料がCo又はCoFeで
    ある、請求項13記載の垂直磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記下地軟磁性膜の飽和磁束密度の値
    をBs[G]、膜厚をd[μm]としたときに、Bs・dの
    値が500〜10000である、請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は
    14記載の垂直磁気記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003203324A (ja) * 2001-10-24 2003-07-18 Toda Kogyo Corp 垂直磁気記録媒体
JP2013012271A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体
US8980447B2 (en) 2012-06-27 2015-03-17 Fuji Electric Co., Ltd. Magnetic recording medium having a soft magnetic underlayer with tailored relative permeability regions

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