JP2009289361A - 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置において、垂直記録層の磁性粒子の微細化と高配向化を両立させ、更なる低媒体ノイズ化を可能とすることを目的とする。
【解決手段】垂直磁気記録媒体は、非磁性シード層と、非磁性シード層上に設けられた非磁性中間層と、非磁性中間層上に設けられた垂直記録層とを備える。非磁性シード層は、fcc構造を有するNi合金で形成された第1のシード層と、第1のシード層と非磁性中間層との間に設けられておりfcc構造を有するNi合金で形成された第2のシード層を有する。第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量は、第1のシード層中のNi以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量より多い。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置に係り、特に垂直磁気記録方式を採用する垂直磁気記録媒体及びそのような垂直磁気記録媒体を備えた磁気記憶装置に関する。
磁気ディスク装置に代表される磁気記憶装置には、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等に内蔵されている内蔵型と、PC等に外付けされる外付け型がある。これらの磁気記憶装置に対しては、記憶容量を増大するために、磁気記憶装置に内蔵されている磁気記録媒体の面記録密度を増加する要望がある。
近年、高記録密度において記録ビット安定性が高い垂直磁気記録方式の磁気記憶装置が実用化されている。磁気記録媒体の面記録密度の増加に対しては、垂直磁気記録方式を採用する垂直磁気記録媒体でも、水平(又は、面内)磁気記録方式を採用する磁気記録媒体の場合と同様に、媒体ノイズの低減が求められる。
垂直磁気記録媒体では、媒体ノイズの低減のために、垂直記録層にグラニュラ磁性層を用いることが提案されている。グラニュラ磁性層では、磁性粒子の粒子界面に酸化物又は窒化物である非磁性材料が形成され、磁性粒子を磁気的に分離又は孤立化して媒体ノイズを低減する。又、グラニュラ磁性層における磁性粒子の更なる磁気的分離又は孤立化を促進させるために、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1には、垂直記録層の直下の非磁性中間層の結晶粒子同士を空隙により分離する方法が提案されている。
垂直磁気記録媒体の面記録密度を更に増加するには、信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)の更なる向上が求められる。現在、SNRの更なる向上のための対策は、主に低媒体ノイズ化が主流となっている。低媒体ノイズ化のためには、垂直記録層の磁性粒子の微細化、均一化及び結晶配向分散の低減が必要となる。本明細書では、磁性粒子等の結晶粒子の結晶配向分散の低減を、高配向化とも言う。これらの磁性粒特性を決定付けるのに重要な役目を担っているのが、垂直記録層の直下に設けられた非磁性中間層である。非磁性中間層の結晶粒子を微細化、均一化及び高配向化することができれば、非磁性中間層上にエピタキシャル成長される垂直記録層の磁性粒子も微細化、均一化及び高配向化することができる。
非磁性中間層の結晶粒子を微細化、均一化及び高配向化するために、非磁性中間層の直下にシード層を設ける手法も提案されている。例えば、特許文献2には、hcp(hexagonal close packed)構造のRu中間層の直下にfcc(face centered cubic)構造のNiWシード層を設けることが提案されている。しかし、特許文献2で提案されている媒体構成では、シード層の結晶粒子の微細化と結晶粒子の高配向化は相反するものであり、結晶粒子の微細化と高配向化を両立させるには限界がある。このため、垂直記録層の磁性粒子の微細化と高配向化を両立させるには限界があった。従って、従来の垂直磁気記録媒体では、更なる低媒体ノイズ化には限界があり、そのために面記録密度の更なる増加にも限界があった。
特開2005−353256号公報 特開2007−179598号公報 特開2001−155321号公報 特開2007−257804号公報 特開2007−184019号公報 Toshio Ando et al., "Tripple-Layer Perpendicular Recording Media for High SN Ratio and Signal Stability", IEEE Transactions on Magnetics, Vol.33, No.5, September 1997, pp.2983-2985 S. S. P. Parkin, "Systematic Variation of the Strength and Oscillation Period of Indirect Magnetic Exchange Coupling through the 3d, 4d, and 5d Transition Metals", Physical Review Letters, Vol.67, No.25, December 16, 1991, pp.3598-3601
従来の垂直磁気記録媒体では、垂直記録層の磁性粒子の微細化と高配向化を両立させるには限界があり、更なる低媒体ノイズ化が難しいという問題があった。
そこで、本発明は、垂直記録層の磁性粒子の微細化と高配向化を両立させ、更なる低媒体ノイズ化を可能とする垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、非磁性シード層と、前記非磁性シード層上に設けられた非磁性中間層と、前記非磁性中間層上に設けられた垂直記録層とを備え、前記非磁性シード層は、fcc構造を有するNi合金で形成された第1のシード層と、前記第1のシード層と前記非磁性中間層との間に設けられておりfcc構造を有するNi合金で形成された第2のシード層を有し、前記第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量は、第1のシード層中のNi以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量より多い垂直磁気記録媒体が提供される。
本発明の一観点によれば、少なくとも1つの磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に情報を書き込み及び/又は該磁気記録媒体から情報を読み出すトランスデューサを備え、前記磁気記録媒体に情報を書き込み及び/又は該磁気記録媒体から情報を読み出すトランスデューサを備え、前記磁気記録媒体は上記の如き構成を有する垂直磁気記録媒体である磁気記憶装置が提供される。
開示の垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置によれば、垂直記録層の磁性粒子の微細化と高配向化を両立させ、更なる低媒体ノイズ化を可能とすることができる。
開示の垂直磁気記録媒体は、非磁性中間層が非磁性シード層と垂直記録層の間に設けられた構成を有する。又、非磁性シード層は、fcc構造を有するNi合金で形成された第1のシード層と、第1のシード層と非磁性中間層との間に設けられておりfcc構造を有するNi合金で形成された第2のシード層を有する。第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量は、第1のシード層中のNi以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量より多い。
本発明者らは、非磁性シード層をNi基のfcc構造を有する第1のシード層とNi基のfcc構造を有する第2のシード層とで構成し、且つ、第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量を第1のシード層中の含有量より多くすると、非磁性シード層の結晶粒子の微細化と高配向化の両立が図れることを見出した。
シード層の結晶粒子の微細化と高配向化を両立させることで、垂直記録層の磁性粒子の微細化と高配向化を両立させることができる。このため、更なる低媒体ノイズ化が可能となり、面記録密度の更なる増加も可能となる。
以下に、本発明の垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置の各実施例を、図面と共に説明する。
図1は、本発明の一実施例における垂直磁気記録媒体の一部を示す断面図である。図1に示す垂直磁気記録媒体10は、例えば磁気ディスクである。
垂直記録層媒体10は、非磁性基板11上に軟磁性裏打ち層12、非磁性シード層13、非磁性中間層14、垂直記録層15及び保護膜16が積層された構造を有する。非磁性基板11と軟磁性裏打ち層12の間に、軟磁性裏打ち層12の密着性向上や、磁気異方性制御のためのシード層(図示せず)を更に設けても良い。又、保護層16上に、潤滑層17が設けられている。
非磁性基板11は、本実施例ではガラス基板である。しかし、非磁性基板11はガラス基板に限定されず、化学強化ガラス基板、結晶化ガラス基板、NiPメッキを施されたAl基板又はAl合金基板、プラスチック基板、Si基板、熱酸化Si基板等を用いても良い。
軟磁性裏打ち層12は、軟磁性裏打ち層12自体の磁区制御等のために、2層以上の積層構造を有しても良い。本実施例では、軟磁性裏打ち層12は、軟磁性層12−1、非磁性分断層12−2及び軟磁性層12−3の積層構造を有する。
軟磁性層12−1は、例えばFeCoTaZrで形成されるが、他の非晶質若しくは微結晶構造領域のCoZrNb,CoNbTa,FeCoZrNb,FeCoB,FeCoCrB,NiFeSiB,FeAlSi,FeTaC,FeHfC,NiFe等の軟磁性材料を用いても良い。非磁性裏打ち層12からのノイズ低減のためには、軟磁性材料は非晶質若しくは微結晶構造を持つことが好ましい。非磁性分断層12−2は、例えばRuで形成されるが、Ru以外に非特許文献2に示されるような材料を用いても良い。軟磁性層12−3は、例えばFeCoNbZrで形成される。
尚、軟磁性裏打ち層12は省略しても良いが、より大きな記録磁界と磁場勾配を得るためには設けることが望ましい。
非磁性シード層13は、fcc構造を有するNi合金で形成された第1のシード層13−1と、fcc構造を有するNi合金で形成された第2のシード層13−2を有する。第2のシード層13−2を形成するNi合金中、Ni以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量は、第1のシード層13−1中のNi以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量より多い。ゴールドシュミット半径は、単体元素の結晶構造を剛体球モデルにて再現したときの剛体球の半径、即ち、原子半径を言う。
Ni合金の固溶範囲内では、主成分のNiよりゴールドシュミット半径が大きな元素の割合が大きい程、結晶粒子が小さくなる傾向にある。しかしながら、これと同時に結晶配向分散の増大も発生するため、シード層の組成調整による結晶粒子の微細化と高配向化の両立は難しかった。本実施例では、第1のシード層13−1に求められる結晶粒子の微細化の効果は大きくなく、むしろ結晶粒子の高配向化の効果の方が重要となる。一方、第2のシード層13−2で求められるのは、第2のシード層13−2の直上の非磁性中間層14の結晶粒子の微細化を促すための微細化の効果である。これらの効果を発現する第1及び第2のシード層13−1,13−2を設けることにより、結晶粒子の微細化と高配向化の両方を実現することができる。
第1のシード層13−1は、Niを主成分とし、W,Nb,Ta,Mo,Zrからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むfcc構造のNi合金で形成されている。一方、第2のシード層は、Niを主成分とし、W,Nb,Ta,Mo,Zr,Alからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むfcc構造のNi合金で形成されている。W,Nb,Ta,Mo,Zr,Alは、Niよりゴールドシュミット半径が大きく、Niに添加した場合には結晶欠陥の起点となりやすい。結晶欠陥が発生すると、結晶欠陥により結晶粒界が誘発されてNi合金の結晶粒径が微細化し易くなる。更に、W,Nb,Ta,Mo,Zr,Alは、Niへの固溶限界も10at.%と比較的大きく、Ni合金の結晶構造を保ちながら結晶粒子の微細化が可能である。尚、Niへのゴールドシュミット半径が大きな添加元素の添加量が増加すると結晶粒子の微細化は図れるが、結晶配向は低下してしまう。本実施例において主成分のNiよりゴールドシュミット半径が大きな元素の組成を16at.%以下と規定するのは、16at.%を超えると格子が形成されず非晶質となってしまうからである。このように、第1のシード層13−1の結晶粒子が第2のシード層13−2の結晶粒子より大きくなるように、第1及び第2のシード層13−1,13−2の組成を選定する。
本実施例では、第1及び第2のシード層13−1,13−2は、いずれも結晶構造を有する必要がある。第1及び第2のシード層13−1,13−2を形成する上記の如きNi合金は、Ni以外の全元素(即ち、添加元素)の組成比に対し、比較的結晶を組み易く、且つ、固溶範囲の組成である必要がある。そこで、図2と共に後述するように、第1及び第2のシード層13−1,13−2の各々について、Ni以外の全元素の組成比の範囲を、垂直磁気記録媒体10の良好な特性が得られる範囲の上限及び下限に応じて選定した。第1のシード層13−1のNi以外の全元素の組成比は、1at.%〜12at.%である。一方、第2のシード層13−2のNi以外の全元素の組成比は、2at.%〜16at.%である。
一般に、ゴールドシュミット半径が異なる元素からなる合金は、大きな結晶粒子を形成しにくい。これは、2元系の合金でも、3元系の合金でも言えることである。従って、Ni−X(Xは任意の添加元素)なる2元系の合金を第2のシード層13−2として用いても、適切な組成範囲であれば結晶構造、及び結晶粒径や結晶配向を含む層構造は同様のものとなる。ただし、母相となるNiが磁性材料であり、添加元素によっては第2のシード層13−2が非磁性とならないことがある。結晶質のシード層は、非磁性材料で形成することが望ましいので、本実施例では少量の添加でも非磁性となるような添加元素をNiに添加している。第1のシード層13−1は、W,Nb,Ta,Mo,Zrからなるグループから選択された少なくとも1つの添加元素を含むNi合金で形成されており、全添加元素の組成比は1at.%〜12at.%である。一方、第2のシード層は、W,Nb,Ta,Mo,Zr,Alからなるグループから選択された少なくとも1つの添加元素を含むNi合金で形成されており、全添加元素の組成比は2at.%〜16at.%である。
第1のシード層13−1の直下に設けられた層を形成する材料にもよるが、一般に、1nm未満の極薄膜は、膜の面内方向に連続膜構造とならずに島状の不連続構造となってしまう可能性が高い。第1のシード層13−1がこのような不連続構造になった場合、第1のシード層13−1の直上に設けられた第2のシード層13−2の結晶粒子は微細化及び均一化される可能性はあるものの、結晶配向は劣化してしまい結晶粒子の高配向化は望めない。
又、第1のシード層13−1の膜厚が5nmを超えると、Ni合金固有の結晶構造が発現し始め、第1のシード層13−1自体の結晶性が低下するため、結晶粒子の高配向化は望めない。更に、第1のシード層13−1の膜厚が5nmを超えると、ヘッド(図示せず)と軟磁性裏打ち層12との間の距離が広がってしまう。ヘッドと軟磁性裏打ち層12との間の距離は、記録磁界強度、記録磁界勾配等の記録特性に影響を及ぼし、高密度記録のためにできるだけ大きく急峻な記録磁界を発生させるには、この距離は小さい方が良い。このため、本実施例では、第1のシード層13−1の膜厚は、fcc構造を有する範囲であれば良いが、好ましくは1nm〜5nmであり、より好ましくは2nm〜4nmである。
第2のシード層13−2の膜厚は、結晶粒子の微細化の見地からは結晶粒子の肥大化が起こらない比較的薄い範囲であることが望ましいが、結晶配向の見地からはある程度の結晶性を有する比較的厚い範囲であることが望ましい。更に、ヘッドと軟磁性裏打ち層12との間の距離を考慮して記録特性の観点からは、第2のシード層13−2の膜厚は比較的薄い範囲であることが望ましい。このため、本実施例では、第2のシード層13−2の膜厚は、fcc構造を有する範囲であれば良いが、好ましくは1nm〜5nmであり、より好ましくは2nm〜4nmである。
尚、非磁性シード層13全体の膜厚が厚くなると、その分製造プロセスの時間もかかってしまい、記録特性も低下してしまうので、非磁性シード層13全体の膜厚は好ましくは10nm以下であり、より好ましくは8nm以下である。又、第1及び第2のシード層13−1,13−2の結晶構造を良好なものとするためには、非磁性シード層13全体の膜厚は好ましくは2nm以上であり、より好ましくは3nm以上である。
非磁性中間層14は、少なくとも結晶粒子同士が空隙により互いに隔離された柱状構造を持つRu又はRuを50at.%以上の主成分とするRu合金で形成された非磁性中間層が最表面にある1層以上の積層構造を有する。非磁性中間層14の構造には、例えば上記特許文献1で開示されている構造を用いることができる。本実施例では、非磁性中間層14は、Ru非磁性中間層14−1と、Ru非磁性中間層14−2を有する。非磁性中間層14−2は、結晶粒子が空隙により物理的に隔離された構造を持つ。尚、非磁性中間層14は、このような2層構造に限定されるものではなく、少なくとも非磁性下地層14−2のような結晶粒子が空隙により物理的に隔離された構造を持つ非磁性層が最表面にあれば良い。
垂直記録層15は、少なくとも磁性粒子が非固溶相で隔離された柱状構造を持つグラニュラ磁性層を有する。垂直記録膜15は、記録再生特性の向上のために、グラニュラ磁性層を2層以上設けた構造としても良い。又、垂直記録層15が2層以上のグラニュラ磁性層を有する構造の場合、グラニュラ磁性層間に非磁性、若しくは、弱磁性の層を設けても良い。更に、記録特性や耐食性の向上のために、グラニュラ磁性層上に所謂連続膜構造を持つ磁性層を設けても良い。本実施例では、垂直記録層15は、グラニュラ磁性層(第1の磁性層)15−1と、連続膜構造を持つ書き込み補助層として機能する連続膜磁性層(第2の磁性層)15−2を有する。グラニュラ磁性層15−1は例えばCoCrPt合金で形成されており、連続膜磁性層15−2は例えばCoCrPtB合金で形成されている。この場合、グラニュラ磁性層15−1は、少なくともCoCrPt合金粒子が非非固溶相で隔離された柱状構造を持つ。連続膜磁性層15−2の磁気異方性は、グラニュラ磁性層15−1の磁気異方性より小さい。
保護層16は、例えばDLC(Diamond-Like Carbon)で形成されており、膜厚は例えば4.0nmである。潤滑層17は、例えばフッ素系潤滑剤で形成されており、膜厚は例えば1.0nmである。
次に、垂直磁気記録媒体10の製造方法について説明する。本実施例のサンプルEmb1〜Emb13と、比較例のサンプルCmp1〜Cmp5は、以下のように作成した。
(1)サンプルEmb1:
サンプルEmb1の非磁性基板11には、NiPメッキを施したAl合金基板を用いた。
軟磁性裏打ち層12は、軟磁性裏打ち層12からの漏洩磁束の抑制のために磁区制御されていることが望ましい。磁区制御の技術としては、例えば非特許文献1に記載されているような非磁性裏打ち層の磁化方向をそろえる方法や、例えば特許文献3に記載されているような極薄の非磁性分断層により分断された軟磁性裏打ち層を反強磁性的に結合させる方法が提案されている。本実施例では、特許文献3の手法のように、図1において非磁性基板11上に軟磁性層12−1、非磁性分断層12−2及び軟磁性層12−3をこの順に堆積させた。
下層軟磁性層12−1は、FeCoTaZrを0.5PaのAr雰囲気中で1kWの投入電力にてDC(Direct Current)スパッタ法にて25nm堆積させた。非磁性裏打ち層12全体の膜厚は、非磁性裏打ち層12の飽和磁束密度Bsが1(T)以上の場合、記録再生特性の見地から10nm以上であることが好ましく、より好ましくは30nm以上である。又、量産設備やコストの見地からは、非磁性裏打ち層12全体の膜厚は100nm以下であることが好ましく、より好ましくは60nm以下である。
尚、以下の説明では、堆積方法として特に断らない限りDCスパッタ法を用いるものとするが、各層の堆積方法はDCスパッタ法に限らず、RF(Radio Frequency)スパッタ法、パルスDCスパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で各層を成膜することも可能である。
次に、FeCoNbZr軟磁性層12−1上に、非磁性分断層12−2としてRuを0.5PaのAr雰囲気中で投入電力150Wにて0.4nm堆積させた。Ru非磁性分断層12−2の膜厚は、隣接する磁性層の磁化が反強磁性的に結合するように選定した。非磁性分断層12−2にRuを用いた場合、一般的には0.5nm〜1nm程度の膜厚が適当である。
次に、Ru非磁性分断層12−2上に、軟磁性層12−3としてFeCoNbZrを0.5PaのAr雰囲気中で1kWの投入電力にてDCスパッタ法にて25nm堆積させた。
非磁性裏打ち層12の上に非磁性シード層13を堆積させた。非磁性シード層13は、fcc構造を持つ第1のシード層13−1とfcc構造を持つ第2のシード層13−2で形成した。第1のシード層13−1をNiWとし、第2のシード層13−2にNiWNbを用いたときに結晶粒子の微細化及び高配向化の両立が図れることが確認された。サンプルEmb1では、第1のシード層13−1のNi92を0.5PaのAr雰囲気中で150Wの投入電力でDCスパッタ法にて3.2nm堆積させた。又、第2のシード層13−2のNi86Nbを0.5PaのAr雰囲気中で100Wの投入電力でDCスパッタ法にて3.2nm堆積させた。
第1のシード層13−1の膜厚は、fcc構造が得られる範囲であれば良いが、薄過ぎると第1のシード層13−1自体が連続膜で無くなり非磁性中間層14とその上方の結晶配向分散が増加、即ち、劣化する。又、第1のシード層13−1は厚すぎるとヘッドと軟磁性裏打ち層12の距離が大きくなり記録特性に悪影響を与える。従って、第1のシード層13−1の膜厚は、1nm〜5nmであることが好ましく、より好ましくは2nm〜4nmであることが確認された。
第2のシード層13−2の膜厚は、fcc構造が得られる範囲であれば良いが、粒径微細化の見地からは結晶粒子の肥大化が起こらない薄膜領域である方が良く、結晶配向の見地からはある程度の結晶性が必要となり、更に、記録特性の観点からは第2のシード層13−2は薄い方が良い。従って、第2のシード層13−2の膜厚は好ましくは1nm〜5nmであり、より好ましくは2nm〜4nmであることが確認された。
非磁性シード層13上に、非磁性中間層14を堆積させた。サンプルEmb1では、グラニュラ磁性層15−1の磁性結晶の磁気的な孤立化の促進のために、次に述べるような積層構造を採用した。非磁性中間層14−1としてRuを0.67PaのAr雰囲気中で投入電力800Wにて14nm堆積させた。次に、非磁性中間層14−2としてRuを5PaのAr雰囲気中で投入電力300Wにて7nm堆積させた。非磁性中間層14−2は、高圧ガスと低堆積レートの効果により、結晶粒子が空隙により物理的に隔離された構造を持つ。
次に、非磁性中間層14上に、垂直記録層15を堆積させた。サンプルEmb1では、垂直記録層15は良好な記録再生特性を得るために、例えば特許文献4に開示されているような構造とした。つまり、基板側に設けたグラニュラ磁性層15−1上に、所謂連続膜構造を持つ連続膜磁性層15−2を設けた。先ず、基板側に設けるグラニュラ磁性層15−1として、4PaのAr雰囲気中にて投入電力300Wにて8nmの92(66Co−13Cr−21Pt)−8TiO2を堆積させた。次に、連続膜磁性層15−2として0.5PaのAr雰囲気中にて投入電力400Wにて63Co−20Cr−13Pt−4Bを7nm堆積させた。
垂直記録層15上に、DLC保護層16をCVD法にて4nm堆積させた。又、保護層16上に、フッ素系潤滑剤を1nm塗布し、研磨テープにて表面の突起や異物を除去することで潤滑層17を形成した。
(2)サンプルEmb2:
垂直磁気記録媒体10の特性の第1のシード層13−1の膜厚依存性を調べるために、上記サンプルEmb1の場合と同様の条件下で、第1のシード層13−1と第2のシード層13−2の合計膜厚を6.4nmと一定にして、第1及び第2のシード層13−1,13−2の夫々の膜厚を変化させたサンプルを作成した。第1及び第2のシード層13−1,13−2の合計膜厚を一定としたのは、後にサンプルの記録再生特性を比較する時に、ヘッドの記録能力を同条件とするためである。
サンプルEmb2では、第1のシード層13−1は膜厚が5.0nmのNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が1.4nmのNi86Nbで形成された。
(3)サンプルEmb3:
サンプルEmb3では、上記サンプルEmb1の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が1.5nmのNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が4.9nmのNi86Nbで形成された。
(4)サンプルCmp1:
サンプルCmp1では、上記サンプルEmb1の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が0、即ち、第1のシード層13−1は形成せず、第2のシード層13−2は膜厚が6.4nmのNi86Nbで形成された。
(5)サンプルEmb4:
サンプルEmb4は、上記サンプルEmb1の場合と同様の条件下で、第2のシード層13−1にNi86Alを用いて作成された。第1のシード層13−1は膜厚が5.0nmに形成され、第2のシード層13−2は膜厚が1.4nmに形成された。
(6)サンプルEmb5:
サンプルEmb5では、上記サンプルEmb4の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が3.2nmのNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が3.2nmのNi86Alで形成された。
(7)サンプルEmb6:
サンプルEmb6では、上記サンプルEmb4の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が1.5nmのNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が4.9nmのNi86Alで形成された。
(8)サンプルCmp3:
サンプルCmp3では、上記サンプルEmb4の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が0、即ち、第1のシード層13−1は形成せず、第2のシード層13−2は膜厚が6.4nmのNi86Alで形成された。
(9)サンプルEmb7:
サンプルEmb7は、上記サンプルEmb1の場合と同様の条件下で、第2のシード層13−1にNi86Taを用いて作成された。第1のシード層13−1は膜厚が5.0nmに形成され、第2のシード層13−2は膜厚が1.4nmに形成された。
(10)サンプルEmb8:
サンプルEmb8では、上記サンプルEmb7の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が3.2nmのNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が3.2nmのNi86Taで形成された。
(11)サンプルEmb9:
サンプルEmb9では、上記サンプルEmb7の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が1.5nmのNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が4.9nmのNi86Taで形成された。
(12)サンプルCmp4:
サンプルCmp4では、上記サンプルEmb7の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が0、即ち、第1のシード層13−1は形成せず、第2のシード層13−2は膜厚が6.4nmのNi86Taで形成された。
(13)サンプルCmp5:
サンプルCmp5は、上記サンプルEmb7の場合と同様の条件下で、第1のシード層13−1は膜厚が3.2nmのNi86Taで形成され、第2のシード層13−2は膜厚が3.2nmのNi92で形成された。つまり、サンプルCmp5では、第1及び第2のシード層13−1,13−2の積層順序が、サンプルEmb7とは逆である。
(14)サンプルEmb10:
上記サンプルEmb1の場合と同様の条件下で、第1のシード層13−1と第2のシード層13−2の合計膜厚を6.4nmと一定にして、第2のシード層13−2の組成を変化させたサンプルを作成した。
サンプルEmb10では、第1のシード層13−1は膜厚が3.2nmのNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が3.2nmのNi82Nb10で形成された。
(15)サンプルEmb11:
サンプルEmb11では、上記サンプルEmb10の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が3.2のNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が3.2nmのNi84Nbで形成された。
(16)サンプルEmb12:
サンプルEmb12では、上記サンプルEmb10の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が3.2のNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が3.2nmのNi88Nbで形成された。
(17)サンプルEmb13:
サンプルEmb13では、上記サンプルEmb10の場合と同様の条件で第1のシード層13−1は膜厚が3.2のNi92で形成され、第2のシード層13−2は膜厚が3.2nmのNi90Nbで形成された。
図2は、実施例及び比較例のサンプルEmb1〜Emb13,Cmp1〜Cmp5の特性を示す図である。図2に示す特性は、非磁性中間層14(本実施例の場合、非磁性中間層14−1)の粒径(nm)、非磁性中間層14を形成するRuの(002)結晶面のロッキングカーブから得られる半値幅Δθ50(deg)及び垂直記録層15への周知のテストライト及びテストリードにより得られたSNR(dB)を含む。SNRは、垂直磁気記録媒体10の記録再生特性を示す。
実施例のサンプルEmb1〜Emb13と比較例のサンプルCmp1〜Cmp5の結晶粒径、半値幅Δθ50及びSNR(即ち、記録再生特性)を比較することで、次のような特性が確認された。
図2に示す比較例のサンプルCmp1,Cmp2と実施例のサンプルEmb1〜Emb3を比較すると、実施例のサンプルEmb1〜Emb3では結晶粒子の微細化、及び、結晶配向分散の増加の抑制が両立し、SNRが向上することが確認された。又、比較例のサンプルCmp2のように第2シード層13−2を形成するNiWNbだけでは、結晶粒子の微細化は実現できるものの、結晶配向分散が増加してSNRが劣化することも確認された。従って、第1及び第2のシード層13−1,13−2で形成された2層構造の非磁性シード層13によるSNRの改善効果が確認された。
第2のシード層13−2の材料を変えた比較例のサンプルCmp1〜Cmp3及び実施例のサンプルEmb4〜Emb9を、実施例のサンプルEmb1〜Emb3を比較すると、第2のシード層13−2の材料を変えた場合でも、結晶粒子を微細化する効果及び結晶配向分散の増加の抑制する効果が現れる傾向は変わらないことが確認された。結晶粒子を微細化する効果及び結晶配向分散の増加の抑制する効果の程度は、第2のシード層13−2に用いる材料に応じて変化することも確認された。図2からもわかるように、第2のシード層13−2にNiWNbを用いた場合が、結晶粒子を微細化する効果及び結晶配向分散の増加の抑制する効果が最も大きいことが確認された。
又、比較例のサンプルCmp5と実施例のサンプルEmb1の比較から、第2のシード層13−2に含まれるNi以外のNiよりゴールドシュミット半径が大きな元素の組成が第1のシード層13−1に含まれるNi以外のNiよりゴールドシュミット半径が大きな元素の組成以下の場合には、結晶配向分散の増加を抑制する効果が現れないことも確認された。これは、第1のシード層13−1の結晶配向分散を抑制する効果が低下するための考えられる。
更に、図2からもわかるように、第2のシード層13−2のNi以外のNiよりゴールドシュミット半径が大きな元素の総量に適正値があることが確認された。つまり、第2のシード層13−2に含まれるNi以外のNiよりゴールドシュミット半径が大きな元素の総量が、第1のシード層13−1に含まれるNiよりゴールドシュミット半径が大きな元素の総量より第1のシード層13−1より少なければ結晶粒子を微細化する効果は小さく、多すぎれば結晶配向分散が増大してしまう。このため、第1のシード層13−1は、Niを主成分としW,Nb,Ta,Mo,Zrからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むfcc構造のNi合金で形成されていることが望ましく、第1のシード層13−1を形成するNi合金中Ni以外の全元素の組成比は1at.%〜12at.%であることが望ましく、第1のシード層13−1の膜厚は1nm〜5nm、より好ましくは2nm〜4nmであることが望ましいことが確認された。又、第2のシード層13−2は、Niを主成分としW,Nb,Ta,Mo,Zr,Alからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むNi合金で形成されていることが望ましく、第2のシード層13−2を形成するNi合金中Ni以外の全元素の組成比は2at.%〜16at.%であることが望ましく、第2のシード層13−2の膜厚は1nm〜5nm、より好ましくは2nm〜4nmであることが望ましいことが確認された。
上記実施例によれば、従来の垂直磁気記録媒体より高い記録再生特性の垂直記録媒体を作成することができる。従って、より高記録密度の垂直磁気記録媒体を提供でき、より記録容量の大きな磁気記憶装置を提供できる。
次に、本実施例における磁気記憶装置を、図3及び図4と共に説明する。図3は、本実施例における磁気記憶装置の一部を示す断面図であり、図4は、図3の磁気記憶装置の一部を上部カバーを取り外して示す平面図である。
図3及び図4において、ベース113にはモータ114が取り付けられており、このモータ114は複数の磁気記録ディスク116が固定されたハブ115を回転する。各磁気記録ディスク116は、図1に示す垂直磁気記録媒体10の構造を有する。磁気記録ディスク116からの情報の読み取りはスライダ117に固定されたMR(Magneto-Resistive)ヘッドにより行われる。MRヘッドには、GMR(Giant Magneto-Resistive)ヘッド、TuMR(Tunneling Magneto-Resistive)ヘッド等を使用可能である。MRヘッドにはインダクティブヘッドが組み合わされており、磁気記録ディスク116への情報の書き込みはこのインダクティブヘッドにより行われる。MRヘッド及びインダクティブヘッドは、トランスデューサを構成する。スライダ117はサスペンション118に接続されており、サスペンション118はスライダ117を磁気記録ディスク116の記録面に押し付ける。スライダ117の表面はパターン化されており、特定のディスク回転速度及びサスペンション硬度では、スライダ117が磁気記録ディスク116の記録面より所定距離浮いた位置を走査するようになっている。サスペンション118は、アクチュエータ120に接続された強固なアーム119に固定されている。これにより、磁気記録ディスク116の広範囲にわたって書き込みを行うことが可能となる。
勿論、磁気記録ディスク116の数は図3に示すように3つに限定されるものではなく、2つ、或いは、4つ以上の磁気記録ディスク116を磁気記憶装置内に設けても良い。
更に、本実施例における垂直磁気記録媒体は、磁気記録ディスクに限定されるものではなく、本発明は、磁気記録カードを含む各種磁気記録媒体に適用可能である。
尚、本発明は、以下に付記する発明をも包含するものである。
(付記1)
非磁性シード層と、
前記非磁性シード層上に設けられた非磁性中間層と、
前記非磁性中間層上に設けられた垂直記録層とを備え、
前記非磁性シード層は、fcc構造を有するNi合金で形成された第1のシード層と、前記第1のシード層と前記非磁性中間層との間に設けられておりfcc構造を有するNi合金で形成された第2のシード層を有し、
前記第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量は、第1のシード層中のNi以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量より多い、垂直磁気記録媒体。
(付記2)
前記第1のシード層は、Niを主成分とし、W,Nb,Ta,Mo,Zrからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むfcc構造のNi合金で形成されている、付記1記載の垂直磁気記録媒体。
(付記3)
前記第1のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の全元素の組成比は、1at.%〜12at.%である、付記1又は2記載の垂直磁気記録媒体。
(付記4)
前記第1のシード層の膜厚は1nm〜5nmである、付記1乃至3のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記5)
前記第1のシード層の膜厚は2nm〜4nmである、付記1乃至3のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記6)
前記第2のシード層は、Niを主成分とし、W,Nb,Ta,Mo,Zr,Alからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むfcc構造のNi合金で形成されている、付記1乃至5のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記7)
前記第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の全元素の組成比は、2at.%〜16at.%である、付記1乃至6のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記8)
前記第2のシード層の膜厚は1nm〜5nmである、付記1乃至7のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記9)
前記第2のシード層の膜厚は2nm〜4nmである、付記1乃至7のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記10)
前記第1のシード層及び前記第2のシード層の合計膜厚は、3nm以上である、付記8又は9記載の垂直磁気記録媒体。
(付記11)
前記第1のシード層はNiWで形成されており、前記第2のシード層はNiWNbで形成されている、付記1記載の垂直磁気記録媒体。
(付記12)
前記非磁性中間層は、Ru又はRuを主成分とする合金で形成されている、付記1乃至11のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記13)
基板と、
前記基板上の設けられた軟磁性裏打ち層を更に備え、
前記軟磁性裏打ち層はCoとFeを含み、且つ、非晶質又は微結晶質である材料で形成されている、付記1乃至12のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記14)
前記垂直記録層は、グラニュラ磁性材料で形成された1以上の磁性層を有する、付記1乃至13のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記15)
前記垂直磁性層は、前記非磁性中間層上に設けられグラニュラ磁性材料で形成された第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に設けられ、且つ、前記第1の磁性層より磁気異方性が小さい第2の磁性層を有する、付記1乃至14のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
(付記16)
少なくとも1つの磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体に情報を書き込み及び/又は該磁気記録媒体から情報を読み出すトランスデューサを備え、
前記磁気記録媒体は、付記1乃至15のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体である、磁気記憶装置。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施例における垂直磁気記録媒体の一部を示す断面図である。 実施例及び比較例のサンプルの特性を示す図である。 本発明の一実施例における磁気記憶装置の一部を示す断面図である。 図3の磁気記憶装置の一部を上部カバーを取り外して示す平面図である。
符号の説明
10 垂直磁気記録媒体
11 非磁性基板
12 軟磁性裏打ち層
13 非磁性シード層
13−1 第1のシード層
13−2 第2のシード層
14 非磁性中間層
15 垂直記録層
16 保護層
116 磁気記録ディスク

Claims (10)

  1. 非磁性シード層と、
    前記非磁性シード層上に設けられた非磁性中間層と、
    前記非磁性中間層上に設けられた垂直記録層とを備え、
    前記非磁性シード層は、fcc構造を有するNi合金で形成された第1のシード層と、前記第1のシード層と前記非磁性中間層との間に設けられておりfcc構造を有するNi合金で形成された第2のシード層を有し、
    前記第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量は、第1のシード層中のNi以外の元素でNiよりゴールドシュミット半径が大きい元素の含有量より多い、垂直磁気記録媒体。
  2. 前記第1のシード層は、Niを主成分とし、W,Nb,Ta,Mo,Zrからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むfcc構造のNi合金で形成されている、請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記第1のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の全元素の組成比は、1at.%〜12at.%である、請求項1又は2記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記第1のシード層の膜厚は1nm〜5nmである、請求項1乃至3のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記第2のシード層は、Niを主成分とし、W,Nb,Ta,Mo,Zr,Alからなるグループから選択された少なくとも1つの元素を含むfcc構造のNi合金で形成されている、請求項1乃至4のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記第2のシード層を形成するNi合金中、Ni以外の全元素の組成比は、2at.%〜16at.%である、請求項1乃至5のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記第2のシード層の膜厚は1nm〜5nmである、請求項1乃至6のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 前記第1のシード層はNiWで形成されており、前記第2のシード層はNiWNbで形成されている、請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 前記垂直記録層は、グラニュラ磁性材料で形成された1以上の磁性層を有する、請求項1乃至8のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 少なくとも1つの磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体に情報を書き込み及び/又は該磁気記録媒体から情報を読み出すトランスデューサを備え、
    前記磁気記録媒体は、請求項1乃至9のいずれか1項記載の垂直磁気記録媒体である、磁気記憶装置。
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