JP2002352408A - 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置

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JP2002352408A
JP2002352408A JP2001154448A JP2001154448A JP2002352408A JP 2002352408 A JP2002352408 A JP 2002352408A JP 2001154448 A JP2001154448 A JP 2001154448A JP 2001154448 A JP2001154448 A JP 2001154448A JP 2002352408 A JP2002352408 A JP 2002352408A
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謙治 清水
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彰 坂脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録再生特性に優れた磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 非磁性基板1上に、軟磁性下地膜2と、
配向制御膜3と、垂直磁性膜4と、保護膜5とが設けら
れ、軟磁性下地膜2が、以下の組成で表される材料を含
む。 aFe−bCo−cM−dX1−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
Niのうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、
d、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
7、3≦f≦30である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、そ
の製造方法、およびこの磁気記録媒体を用いた磁気記録
再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板
に対し水平に配向した面内磁気記録媒体が広く用いられ
ている。面内磁気記録媒体では、高記録密度化するとビ
ット体積が小さくなりすぎ、熱揺らぎ効果により記録再
生特性が悪化する可能性がある。また、高記録密度化し
た際に、記録ビット境界での反磁界の影響により媒体ノ
イズが増加する。これに対し、磁性膜内の磁化容易軸が
主に垂直に配向した垂直磁気記録媒体は、高記録密度化
した際にも、ビット境界での反磁界の影響が小さく、境
界が鮮明な記録磁区が形成されるため低ノイズ化が可能
であり、しかも比較的ビット体積が大きくても高記録密
度化が可能であることから熱揺らぎ効果にも強く、近年
大きな注目を集めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では、磁気記録媒
体の更なる高記録密度化が要望されている。このため、
垂直磁性膜に対する書き込み能力に優れる単磁極ヘッド
を用いるために、記録層である垂直磁性膜と基板との間
に、裏打ち層と称される軟磁性材料からなる膜を設けた
磁気記録媒体が提案されている。この磁気記録媒体で
は、単磁極ヘッドと、磁気記録媒体の間の磁束の出入り
の効率を向上させることができる。しかしながら、上記
軟磁性膜(裏打ち層)を設けた磁気記録媒体を用いた場
合でも、記録再生特性は満足できるものではなく、この
特性に優れる磁気記録媒体が要望されていた。特開平2
−152208号公報には、Co(50〜75at%)
−M'(M'=Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、
W)(4〜25at%)−N(1〜35at%)からなる
軟磁性膜(裏打ち層)を用いることが提案されている。
一般にCo合金からなる軟磁性膜は、Coの含有率が8
5at%未満であると飽和磁化が低下するため、この軟
磁性膜を厚くする必要が生じ、その結果、表面粗さが粗
くなる。このため、上記磁気記録媒体では、記録再生時
における磁気ヘッド浮上高さを十分に低くすることがで
きなくなり、高記録密度化が困難になる問題があった。
また厚い軟磁性膜を形成するために、生産性が低下する
問題があった。また特開平11−149628号公報に
は、FeAlSi、FeTaN合金からなる軟磁性下地
膜を設けることによって、突発性のスパイクノイズの発
生を抑制し、エンベロープ特性を改善することが提案さ
れている。しかしながら、上記磁気記録媒体では、エン
ベロープ特性は改善されるが、軟磁性下地膜に起因する
媒体ノイズが大きくなるため好ましくない。これは、軟
磁性下地膜の結晶粒を微細化しても、結晶粒どうしの磁
気的な結合が大きくなることから、磁気クラスターサイ
ズ(磁気的結合粒子径)が大きくなるためである。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、軟磁性下地膜から発生する媒体ノイズを低減するこ
とにより、記録再生特性を向上させ高密度の記録再生が
可能となる磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録
再生装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の磁気記
録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材料から
なる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御する配向
制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した
垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、前記軟磁性下地膜
が、以下の組成で表される材料を含むことを特徴とす
る。 aFe−bCo−cM−dX1−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
Niのうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、
d、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
7、3≦f≦30である。) 軟磁性下地膜は、以下の組成で表される材料を含むもの
であってもよい。 aFe−bCo−cM−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X2=P、C、B、Oのうち1種
または2種以上。ただし、a、b、c、e、fは百分率
で表された原子比であり、60≦a+b≦90、30≦
a≦90、5≦c≦20、0.1≦e≦10、3≦f≦
30である。) また軟磁性下地膜は、以下の組成で表される材料を含む
ものであってもよい。 aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
Niのうち1種または2種以上、X2=P、C、B、O
のうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、d、
e、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
7、0.1≦e≦7、3≦f≦30である。) 上記a〜fは、次の範囲にあることが好ましい。60≦
a+b≦80、30≦a≦80、5≦c≦20、0.1
≦d≦3、0.1≦e≦5、8≦f≦25。軟磁性下地
膜は、Feを主成分する平均粒径13nm以下の微細結
晶と、該微細結晶よりもMとN(M=Ti、Zr、N
b、Hf、Ta、V、Moのうち1種または2種以上)
を多く含有する非晶質相とからなる構成とするのが好ま
しい。微細結晶は、bcc構造をとることが好ましい。
軟磁性下地膜の飽和磁束密度Bsが1T以上とするのが
好ましく、1.4T以上とするのがさらに好ましい。軟
磁性下地膜は、飽和磁束密度Bsと該軟磁性下地膜の膜
厚tの積Bs・tを50T・nm以上とするのが好まし
く、100T・nm以上とするのがさらに好ましい。配
向制御膜は、Ti、Zn、Y、Zr、Ru、Re、G
d、Tb、Hfのうち1種または2種以上を50%at
以上含有するhcp構造材料からなる構成とすることが
できる。配向制御膜は、Ni、Cu、Pd、Ag、P
t、Ir、Au、Alのうち1種または2種以上を50
%at以上含有するfcc構造材料からなる構成とする
ことができる。軟磁性下地膜は、垂直磁性膜側の表面の
一部または全面が酸化されている構成とするのが好まし
い。垂直磁性膜の逆磁区核形成磁界(−Hn)は、0
(Oe)以上とするのが好ましい。本発明の磁気記録媒
体の製造方法は、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材
料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御す
る配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配
向した垂直磁性膜と、保護膜とを設け、前記軟磁性下地
膜を、以下の組成で表される材料を含むものとなるよう
に形成することを特徴とする。 aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
Niのうち1種または2種以上、X2=P、C、B、O
のうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、d、
e、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
7、0.1≦e≦7、3≦f≦30である。) 本発明の製造方法では、軟磁性下地膜を、Feを主成分
する平均粒径13nm以下の微細結晶と、該微細結晶よ
りもMとN(M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、
Moのうち1種または2種以上)を多く含有する非晶質
相とからなるものとするのが好ましい。また本発明の製
造方法では、軟磁性下地膜をスパッタ法にて成膜し、成
膜の際に用いる成膜ガスの窒素含有率を0.1〜50v
ol%とするのが好ましい。また本発明では、軟磁性下
地膜を形成した後、この軟磁性下地膜を250℃〜45
0℃で熱処理するのが好ましい。本発明の磁気記録再生
装置は、磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に情報を記
録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であ
って、磁気ヘッドが単磁極ヘッドであり、磁気記録媒体
が、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材料からなる軟
磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御する配向制御膜
と、磁化容易膜が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁
性膜と、保護膜とが設けられ、前記軟磁性下地膜が、以
下の組成で表される材料を含むことを特徴とする。 aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
Niのうち1種または2種以上、X2=P、C、B、O
のうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、d、
e、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
7、0.1≦e≦7、3≦f≦30である。) 軟磁性下地膜は、Feを主成分する平均粒径13nm以
下の微細結晶と、該微細結晶よりもMとN(M=Ti、
Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち1種または2
種以上)を多く含有する非晶質相とからなるものである
ことが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
第1の実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体
は、非磁性基板1上に、軟磁性下地膜2と、配向制御膜
3と、垂直磁性膜4と、保護膜5と、潤滑膜6とが順次
形成されて構成されている。非磁性基板1としては、ア
ルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料からなる金
属基板を用いてもよいし、ガラス、セラミック、シリコ
ン、シリコンカーバイド、カーボンなどな非金属材料か
らなる非金属基板を用いてもよい。ガラス基板として
は、アルモファスガラス、結晶化ガラスがあり、アルモ
ファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アル
ミノケートガラス、アルミノシリケートガラスを使用で
きる。また、結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化
ガラスを用いることができる。セラミック基板として
は、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化
珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物
などが使用可能である。非磁性基板1としては、上記金
属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法によ
りNiP膜が形成されたものを用いることもできる。非
磁性基板1の表面形状は、媒体表面の形状に影響を与え
るため、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さを低く
するには、非磁性基板1の表面平均粗さRaを2nm以
下とするのが好ましい。この表面平均粗さRaを2nm
以下とすることによって、磁気記録媒体の表面凹凸を小
さくし、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さを十分
に低くし、記録密度を高めることができる。
【0007】軟磁性下地膜2は、ヘッドからの磁束の垂
直方向成分を大きくし、かつ垂直磁性膜4の磁化を基板
1に対し垂直な方向に固定するために設けられているも
のである。本実施形態の磁気記録媒体では、軟磁性下地
膜2が、以下の組成で表される材料を含む構成を採用で
きる。 aFe−bCo−cM−dX1−fN ・・・(1) (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
Niのうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、
d、fは百分率で表された原子比(at%)であり、6
0≦a+b≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、
0.1≦d≦7、3≦f≦30である。) a〜fは、60≦a+b≦80、30≦a≦80、5≦
c≦20、0.1≦d≦3、8≦f≦25とするのがよ
り好ましい。軟磁性下地膜2は、式(1)で示される材料
を主成分とするものであることが好ましい。なお主成分
とは当該成分を50at%を越えて含むことを意味す
る。式(1)に示す材料の具体例としては、FeHfCr
N、FeHfAlN、FeHfSiN、FeHfGa
N、FeHfCrAlN、FeZrCrN、FeTaC
rN、FeNbCrN、FeTiCrN、FeCoHf
CrNを挙げることができる。
【0008】また、軟磁性下地膜2は、以下の組成で表
される材料を含むものであってもよい。 aFe−bCo−cM−eX2−fN ・・・(2) (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、X2=P、C、B、Oのうち1種
または2種以上。ただし、a、b、c、e、fは百分率
で表された原子比であり、60≦a+b≦90、30≦
a≦90、5≦c≦20、0.1≦e≦10、3≦f≦
30である。) a〜fは、60≦a+b≦80、30≦a≦80、5≦
c≦20、0.1≦e≦5、8≦f≦25とするのがよ
り好ましい。軟磁性下地膜2は、式(2)で示される材料
を主成分とするものであることが好ましい。式(2)に示
す材料の具体例としては、FeHfBN、FeHfC
N、FeHfPN、FeHfON、FeHfBCN、F
eZrBN、FeTaBN、FeNbBN、FeTiB
N、FeHfAlCONを挙げることができる。
【0009】また、軟磁性下地膜2には、以下の組成で
表される材料を含むものを用いることもできる。 aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN ・・・(3) (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
1種または2種以上、 X1=Cr、Ga、Al、Si、Niのうち1種または
2種以上、 X2=P、C、B、Oのうち1種または2種以上。 ただし、a、b、c、d、e、fは百分率で表された原
子比であり、60≦a+b≦90、30≦a≦90、5
≦c≦20、0.1≦d≦7、0.1≦e≦7、3≦f
≦30である。) a〜fは、60≦a+b≦80、30≦a≦80、5≦
c≦20、0.1≦d≦3、0.1≦e≦5、8≦f≦
25とするのがより好ましい。軟磁性下地膜2は、式
(3)で示される材料を主成分とするものであることが好
ましい。式(3)に示す材料の具体例としては、FeHf
CrBN、FeHfAlBN、FeHfAlPN、Fe
HfCrAlBN、FeHfCrBPNを挙げることが
できる。
【0010】FeとCoの含有率の合計(a+b)が上
記範囲未満であると、飽和磁束密度が小さくなり軟磁性
下地膜2を厚くする必要が生じるため、表面平均粗さR
aが大きくなる。その結果、記録再生時における磁気ヘ
ッド浮上高さを十分に低くすることができなくなり、高
記録密度化が難しくなる。またFeとCoの合計含有率
が上記範囲を越えると、十分な低ノイズ化が難しくなる
ため好ましくない。Feの含有率(a)が上記範囲未満
であると、飽和磁束密度が小さくなり軟磁性下地膜2を
厚くする必要が生じるため、表面平均粗さRa大きくな
る。その結果、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さ
を十分に低くすることができなくなり、高記録密度化が
難しくなる。またFeの含有率が上記範囲を越えると、
十分な低ノイズ化が難しくなるため好ましくない。Mの
含有率(c)が上記範囲未満であると、軟磁性下地膜2
によるノイズ低減効果が低くなるため好ましくない。ま
たMの含有率が上記範囲を越えると、軟磁性下地膜2全
体が非晶質になり、ノイズ特性が劣化するおそれがある
ため好ましくない。Nの含有率(f)が上記範囲未満で
あると、軟磁性下地膜2の結晶粒径が大きくなりやすく
なる。またNの含有率が上記範囲を越えると、軟磁性下
地膜2の飽和磁束密度が低くなるため好ましくない。
【0011】X1の含有率(d)が上記範囲未満である
と、結晶粒を微細化する効果が低下し、結晶粒径が大き
くなりノイズが増加する。またX1の含有率が上記範囲
を越えると、軟磁性下地膜2の磁化が不十分となりやす
くなる。また軟磁性下地膜2から発生する媒体ノイズが
増加するため好ましくない。X2の含有率(e)が上記
範囲未満であると、結晶粒が大きくなり媒体ノイズが増
加する。X2の含有率が上記範囲を越えると、軟磁性下
地膜2の磁化が不十分となりやすくなる。また軟磁性下
地膜2から発生する媒体ノイズが増加するため好ましく
ない。
【0012】軟磁性下地膜2は、Feを主成分する微細
結晶と、該微細結晶よりもMとN(M=Ti、Zr、N
b、Hf、Ta、V、Moのうち1種または2種以上)
を多く含有する非晶質相とからなるものとするのが好ま
しい。図2は、微細結晶と非晶質相とを有する軟磁性下
地膜2の一例を示すもので、ここに示す例では、軟磁性
下地膜2が、多数の微細結晶2aと、これら微細結晶2
aを隔てる非晶質相2bとを有する構造となっている。
この微細結晶2aの平均粒径は、13nm以下となって
いる。この平均粒径は、10nm以下とするのが好まし
い。この結晶粒径をこの範囲とすることによって、軟磁
性下地膜2および垂直磁性膜4内の磁気クライスターサ
イズを小さくし、媒体ノイズを低減することができ、記
録再生特性を向上させることができる。
【0013】微細結晶2aの平均粒径は、透過型電子顕
微鏡(TEM)による観察像より求めることができる。
すなわちTEMにより観察された微細結晶2aの画像
を、コンピューター上で処理することにより、この微細
結晶2aと同じ面積の円に変換し、この円の直径を、そ
の微細結晶2aの粒径とする。同様の手順で複数の微細
結晶2aについて粒径を求め、これら複数の微細結晶2
aの粒径の平均値を平均粒径とする。粒径測定の対象と
なる微細結晶2aの数は、100以上(好ましくは50
0以上)とするのが好適である。
【0014】微細結晶2aはbcc構造をとることが好
ましい。微細結晶2aがbcc構造をとると、効果的に
飽和磁束密度を高めることができるためである。また、
微細結晶2aでは(110)面が優先配向していること
が好ましい。結晶構造および配向面はX線回折法(XR
D)にて判別することができる。
【0015】軟磁性下地膜2の飽和磁束密度Bsは、1
T以上(好ましくは1.4T以上、さらに好ましくは
1.6T以上)であることが好ましい。飽和磁束密度B
sが上記範囲未満であると、軟磁性下地膜2の膜厚を厚
くする必要が生じ、表面平均粗さRaが大きくなった
り、生産性が悪化するため好ましくない。
【0016】軟磁性下地膜2の飽和磁束密度Bsと軟磁
性下地膜2の膜厚tとの積Bs・tは、50T・nm以
上(好ましくは100T・nm以上)であることが好ま
しい。このBs・tが50T・nm未満であると、再生
波形がいわゆる矩形波でなく歪みをもつものとなり、記
録再生特性が悪化するため好ましくない。
【0017】軟磁性下地膜2は、表面(垂直磁性膜4側
の面)の一部または全面が酸化されている構成とするこ
とができる。この酸化部分(酸化層)の厚さは3nm以
下(好ましくは2.5nm以下、より好ましくは2nm
以下)であることが好ましい。この酸化部分の厚さが3
nmを越えると、この上に設けられる配向制御膜3の配
向を乱し、記録再生特性の劣化を招くため好ましくな
い。またこの厚さが3nmを越えると、軟磁性下地膜2
の表面酸化が過剰になり、表面平均粗さRaが大きくな
る(例えば2nmを越える値となる)。その結果、記録
再生時における磁気ヘッド浮上高さを十分に低くするこ
とができなくなり、高記録密度化が難しくなる。軟磁性
下地膜2が酸化された状態はオージェ電子分光法、SI
MS法などにより確認することができる。また軟磁性下
地膜2表面の酸化部分(酸化層)の厚さは、例えば媒体
断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により求めるこ
とができる。
【0018】軟磁性下地膜2の保磁力Hcは100(O
e)以下(好ましくは30(Oe)以下、さらに好まし
くは10(Oe)以下)とするのが好ましい。この保磁
力Hcが上記範囲を越えると、軟磁性特性が不十分とな
り、再生波形がいわゆる矩形波でなく歪みをもつものと
なるため好ましくない。また、軟磁性下地膜2の最大透
磁率は、1000〜1000000(好ましくは100
000〜500000)とするのが好ましい。最大透磁
率が上記範囲未満であると、記録時に磁気記録媒体への
書き込みが不十分となり、十分な記録再生特性を得られ
ないおそれがある。なお、透磁率はCGS単位系で表し
た値である。
【0019】軟磁性下地膜2の表面形状は、磁気記録媒
体表面の形状に影響を与えるため、その表面平均粗さR
aを2nm以下とするのが好ましい。表面平均粗さRa
をこの範囲とすることによって、磁気記録媒体の表面凹
凸を小さくし、記録再生時における磁気ヘッド浮上高さ
を十分に低くし、記録密度を高めることができる。
【0020】配向制御膜3は、垂直磁性膜4の配向性や
結晶粒径を制御するためのものである。配向制御膜3
は、少なくとも表面側(垂直磁性膜4側)が、hcp構
造またはfcc構造をとるものであることが好ましい。
配向制御膜3に用いられるhcp構造材料としては、T
i、Zn、Y、Zr、Ru、Re、Gd、Tb、Hfの
うち1種または2種以上を50at以上含有するものを
挙げることができる。なかでも、HfとRuのうちいず
れかを50at%以上含有する合金を用いると、垂直磁
性膜4から発生する媒体ノイズを低減することができ、
高記録密度化が可能になるため好ましい。特に、Ruを
用いると、垂直磁性膜4の垂直配向性を高めることがで
きるため好ましい。hcp構造材料としては、垂直磁性
膜4に対する格子の整合性を考慮して、上記材料(T
i、Zn、Y、Zr、Ru、Re、Gd、Tb、Hfの
うち1種または2種以上)に、Co、Cr、Fe、Ni
等を添加した合金を用いることができる。また結晶粒を
微細化するため、上記材料(Ti、Zn、Y、Zr、R
u、Re、Gd、Tb、Hfのうち1種または2種以
上)にC、O、N、Si、B、Pを添加した合金を用い
ることもできる。配向制御膜3に好適に用いられるhc
p構造材料の具体例としては、Ru、RuCr、Hf、
HfB、Reを挙げることができる。
【0021】配向制御膜3に用いられるfcc構造材料
としては、Ni、Cu、Pd、Ag、Pt、Ir、A
u、Alのうち1種または2種以上を50at以上含有
するものを用いることが好ましい。なかでも特に、Ni
を用いると、垂直磁性膜4の垂直配向性を高めることが
できるため好ましい。またfcc構造材料としては、垂
直磁性膜4に対する格子の整合性を考慮して、上記材料
(Ni、Cu、Pd、Ag、Pt、Ir、Au、Alの
うち1種または2種以上)に、Co、Cr、Fe、Ni
等を添加した合金を用いることができる。また結晶粒を
微細化するため、上記材料(Ni、Cu、Pd、Ag、
Pt、Ir、Au、Alのうち1種または2種以上)
に、C、O、N、Si、B、Pを添加した合金を用いる
こともできる。配向制御膜3に好適に用いられるfcc
構造材料の具体例としては、Ni、NiCrN、Cu、
PdBを挙げることができる。
【0022】配向制御膜3の厚さは、1〜50nm(好
ましくは2〜30nm、さらに好ましくは2〜20n
m)とするのが好ましい。この厚さが上記範囲未満であ
ると、垂直磁性膜4における垂直配向性が低下し、記録
再生特性および熱揺らぎ耐性が劣化する。またこの厚さ
が上記範囲を越えると、垂直磁性膜4において結晶粒子
が粗大化し記録再生特性が悪化する。また記録再生特性
時における磁気ヘッドと軟磁性下地膜2との距離が大き
くなるため、再生信号の分解能が低下する。
【0023】垂直磁性膜4は、その磁化容易軸が基板に
対して主に垂直に配向した磁性材料からなるものであ
り、その材料としては、CoCrX3系、CoCrPt
系、CoCrTa系、CoCrPtX3系、CoPtX3
系(X3:Ta、Zr、Nb、Cu、Re、Ni、M
n、Ge、Si、O、N、およびBのうち1種または2
種以上)の合金を用いるのが好ましい。特に、垂直磁性
膜4の垂直磁気異方性を高めるために、CoCrPtX
3系、CoPtX3系の合金で、Pt含有率が8〜24a
t%であるものを用いることが好ましい。またPt含有
率を14〜22at%とすると、逆磁区核形成磁界(−
Hn)を確実に0以上とすることができ、優れた熱揺ら
ぎ特性を得ることができるため好ましい。また、垂直磁
性膜4には、遷移金属材料(Co、Co合金、Fe、F
e合金など)と貴金属材料(Pd、Pd合金、Pt、P
t合金)とを多数回にわたって積層した構造を採用でき
る。例えば、Co、CoX4、Fe、FeX4のいずれか
からなる層と、Pd、PdX4、Pt、PtX4(X4:
Cr、Pt、Ta、B、O、Ru、Siのうち1種また
は2種以上)のいずれかからなる層を多数回にわたって
積層した構造を採用することができる。上記CoCr
系、CoCrPt系、CoCrTa系、CoCrPtX
3系、CoPtX3系の合金、積層構造膜材料はいずれも
多結晶構造をとるが、本発明の磁気記録媒体では、非晶
質構造の垂直磁性膜を適用することもできる。非晶質構
造をとる材料としては、希土類元素を含む合金(TbF
eCo系合金など)を用いることができる。
【0024】垂直磁性膜4の逆磁区核形成磁界(−H
n)は、0(Oe)以上(好ましくは1000(Oe)
以上)とするのが好適である。この逆磁区核形成磁界
(−Hn)が、この範囲未満であると熱揺らぎ耐性が低
下する。図3に示すように、逆磁区核形成磁界(−H
n)とは、履歴曲線(MH曲線)において、磁化が飽和
した状態から外部磁場を減少させる過程で、外部磁場が
0となる点aから磁化反転を起こす点bまでの距離(O
e)で表すことができる。なお、逆磁区核形成磁界(−
Hn)は、磁化反転を起こす点bが、外部磁場が負とな
る領域にある場合に正の値をとり(図3を参照)、逆
に、点bが、外部磁場が正となる領域にある場合に負の
値をとる(図4を参照)。逆磁区核形成磁界(−Hn)
の測定には、軟磁性下地膜2の影響を除くため、基板
1、配向制御膜3、垂直磁性膜4、保護膜5のみからな
るディスクを用い、このディスクについて、振動式磁気
特性測定装置またはカー効果測定装置を用いて測定を行
うのが好適である。また磁気記録媒体をそのまま用い
て、振動式磁気特性測定装置またはカー効果測定装置に
より逆磁区核形成磁界(−Hn)を測定することもでき
る。
【0025】垂直磁性膜4は、成分組成や結晶構造が異
なる2以上の層からなる多層構造とすることもできる。
例えば、複数の磁性層と各磁性層間に形成された中間層
からなり、この中間層がhcp構造またはfcc構造を
とる構成とすることができる。これら複数の磁性層は、
成分組成や結晶構造の点で互いに同じものであってもよ
いし、互いに異なっていてもよい。中間層の材料として
は、磁性層に対する格子の整合性を考慮すると、Ru
(またはRe)に、Co、Cr、Fe、Ni、C、O、
N、Si、B等を添加した合金;Niに、Co、Cr、
Fe、C、O、N、Si、B等を添加した合金;Co
に、Cr、Fe、Ni、C、O、N、Si、B等を添加
した合金;CoCrに、Fe、Ni、C、O、N、S
i、B等を添加した合金;Niを用いることができる。
【0026】垂直磁性膜4の保磁力Hcは、3000
(Oe)以上とするのが好ましい。保磁力Hcがこの範
囲未満であると、記録特性、熱揺らぎ特性が劣化するた
め好ましくない。
【0027】垂直磁性膜4においては、結晶粒の平均粒
径が4〜15nmであることが好ましい。この平均粒径
がこの範囲未満であると、保磁力低下、熱揺らぎ特性劣
化が起こりやすくなる。平均粒径が上記範囲を越える
と、媒体ノイズが増加する。結晶粒の平均粒径は、上述
の軟磁性下地膜2における微細結晶2aの平均粒径と同
様にして求めることができる。
【0028】垂直磁性膜4の厚さは、5〜50nm(特
に7〜30nm)とするのが好ましい。この厚さが上記
範囲未満である場合には、垂直磁性膜4の結晶配向が不
十分となりやすくなり、記録再生特性が劣化する。また
厚さが上記範囲を越えると、結晶粒の粗大化が起こりや
すくなりノイズが増加し記録再生特性が劣化する。
【0029】保護膜5は、垂直磁性膜4の腐食を防ぐと
ともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の
損傷を防ぎ、かつ磁気ヘッドと媒体の間の潤滑特性を確
保するためのものである。保護膜5には、従来公知の材
料を使用することが可能であり、例えばC、SiO2
ZrO2の単一組成、またはこれらを主成分とし他元素
を含むものが使用可能である。保護膜5の厚さは、1〜
10nmとするのが好ましい。
【0030】潤滑膜6には、パーフルオロポリエーテ
ル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸など公知
の潤滑剤を使用することができる。その種類および膜厚
は、使用される保護膜や潤滑剤の特性に応じて適宜設定
することができる。
【0031】上記構成の磁気記録媒体を製造するには、
図1に示す基板1上に、スパッタ法などにより軟磁性下
地膜2を形成し、次いで、必要に応じてこの軟磁性下地
膜2の表面に酸化処理を施し、次いで配向制御膜3、垂
直磁性膜4を順次スパッタ法などにより形成する。次い
で、スパッタ法や、CVD法、イオンビーム法等によっ
て保護膜5を形成した後、ディップコーティング法、ス
ピンコート法などにより潤滑膜6を形成する。
【0032】軟磁性下地膜2を形成する際には、上記式
(1)〜(3)に示す材料からNを除いた材料からなるターゲ
ットを用いたスパッタ法を採用し、成膜時に用いる成膜
ガスに窒素を含有させる方法をとることができる。この
成膜ガスの窒素含有率は0.1〜50vol%とするの
が好ましい。この窒素含有成膜ガスとしては、窒素とア
ルゴンからなる混合ガスを用いることができる。窒素を
含有する成膜ガスを用いることによって、軟磁性下地膜
2を均一に形成することができるようになる。
【0033】軟磁性下地膜2の表面に酸化処理を施す場
合には、軟磁性下地膜2を形成した後、軟磁性下地膜2
を酸素含有ガスに曝す方法や、軟磁性下地膜2を形成す
る際の成膜用ガス中に酸素を導入する方法をとることが
できる。軟磁性下地膜2の表面を酸素含有ガスに曝す場
合には、軟磁性下地膜2を、酸素をアルゴンや窒素で希
釈した希釈ガスや純酸素に0.3〜20秒程度接触させ
る方法をとることができる。また軟磁性下地膜2を大気
に曝す方法をとることもできる。特に、酸素をアルゴン
や窒素などのガスで希釈した希釈ガスを用いる場合に
は、酸素の希釈率を選択することによって、軟磁性下地
膜2表面の酸化の度合いの調節が容易になるため、所望
の酸化状態を得ることができる。また軟磁性下地膜2の
成膜用ガスに酸素を導入する場合には、例えば成膜法と
してスパッタ法を用いるならば、成膜過程の一部のみ
(または全過程)に、酸素を含有するプロセスガスを用
いてスパッタを行えばよい。このプロセスガスとして
は、例えばアルゴンに酸素を体積率で0.05%〜50
%(好ましくは0.1〜20%)程度混合したガスが好
適に用いられる。この軟磁性下地膜2の表面酸化によっ
て、軟磁性下地膜2の表面の磁気的な揺らぎを抑え、こ
の揺らぎに起因するノイズ発生を防ぐとともに、軟磁性
下地膜2上に形成される配向制御膜3の結晶粒を微細化
してノイズ特性、記録再生特性の改善効果を得ることが
できる。また軟磁性下地膜2表面の酸化部分(酸化層)
によって、非磁性基板1や軟磁性下地膜2の材料がイオ
ン化して媒体表面に移動するのを阻止し、媒体表面の腐
食を防ぐことができる。
【0034】軟磁性下地膜2を、微細結晶2aと非晶質
相2bとを有するものとする場合には、軟磁性下地膜2
を形成した後、熱処理(アニール処理)を施すことによ
って、境界が鮮明な微細結晶2aおよび非晶質相2bを
形成し、ノイズを低減し、記録再生特性をさらに向上さ
せることができる。アニール処理の温度条件は、250
℃〜450℃とする。このアニール処理温度が250℃
未満であると、媒体ノイズ低減効果が低くなる。またア
ニール処理温度が450℃を越えると、微細結晶2aの
結晶が粗大化し、ノイズ低減効果が低くなるため好まし
くない。アニール処理の時間は特に制限されないが、2
〜50秒(さらに好ましくは2〜20秒)とするのが望
ましい。アニール処理後の冷却時間は特に制限されない
が、生産性を考えると、50秒以下(好ましくは20秒
以下)とすることが望ましい。
【0035】配向制御膜3を形成する際には、成膜ガス
に酸素や窒素を導入することによって、配向制御膜3の
表面に酸化膜または窒化膜を形成してもよい。例えば、
成膜法としてスパッタ法を用いるならば、配向制御膜3
の表面付近を形成する際に、プロセスガスとして、アル
ゴンに酸素を体積率で0.05〜50%(好ましくは
0.1〜20%)程度混合したガス、アルゴンに窒素を
体積率で0.01〜20%(好ましくは0.02〜10
%)程度混合したガスを用いることによって、上記酸化
膜または窒化膜を形成することができる。
【0036】垂直磁性膜4を単層構造とする場合には、
この垂直磁性膜4を構成する材料からなるターゲットを
用いて垂直磁性膜4を形成することができる。垂直磁性
膜4を、遷移金属層と貴金属層からなる多層構造とする
場合には、遷移金属(Co、Co合金)からなる第1の
ターゲットと、貴金属(Pt、Pd等)からなる第2の
ターゲットを交互に用いて、それぞれのターゲットの材
料を交互にスパッタすることにより垂直磁性膜4を構成
する。
【0037】保護膜5の形成方法としては、カーボンタ
ーゲットを用いたスパッタ法や、CVD法、イオンビー
ム法を用いることができる。また、SiO2やZrO2
ターゲットを用いたRFスパッタ、あるいはSiやZr
のターゲットを用い、プロセスガスとして酸素を含むガ
スを用いる反応性スパッタによって、SiO2やZrO2
からなる保護膜5を形成する方法などを適用することが
できる。CVD法、イオンビーム法を用いる場合には、
極めて硬度の高い保護膜5を形成することができ、スパ
ッタ法よりも保護膜5を大幅に薄くすることが可能とな
るため、記録再生時のスペーシングロスを小さくし、高
密度の記録再生を行うことができる。
【0038】本実施形態の磁気記録媒体では、軟磁性下
地膜2の材料として、以下に示す組成で表されるものの
うちいずれかを用いるので、記録再生特性を向上させる
ことができる。 aFe−bCo−cM−dX1−fN ・・・(1) (60≦a+b≦90、30≦a≦90、5≦c≦2
0、0.1≦d≦7、3≦f≦30) aFe−bCo−cM−eX2−fN ・・・(2) (60≦a+b≦90、30≦a≦90、5≦c≦2
0、0.1≦e≦10、3≦f≦30) aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN ・・・(3) (60≦a+b≦90、30≦a≦90、5≦c≦2
0、0.1≦d≦7、0.1≦e≦7、3≦f≦30)
【0039】上記材料を用いることによって、記録再生
特性を向上させることができる理由を以下に示す。窒素
には、Fe合金膜において結晶粒を微細化する効果があ
るため、窒素の添加によってノイズ低減を図ることがで
きる。さらに、FeN合金に、M(Ti、Zr、Nb、
Hf、Ta、V、Moのうち1種または2種以上)を添
加することによって、MとNが結合した化合物を生成さ
せることができる。このMとNを含む化合物は、粒界に
偏析しやすいため、Mの添加によって、粒界の形成を促
進し、結晶粒を孤立化させ、さらにノイズを低く抑える
ことができる。またX1(Cr、Ga、Al、Si、N
iのうち1種または2種以上)は、Feに固溶し、Fe
合金結晶の成長を抑える性質がある。このため、X1の
添加によって、軟磁性下地膜2において過剰な結晶成長
を阻止することができる。従って、結晶粒の粗大化を防
ぎ、ノイズ低減を図ることができる。またX2(P、
C、B、O)は、粒界領域に偏析しやすく、粒界におい
てFeやMと共有結合する性質があるため、X2の添加
によって、上記共有結合性化合物を含む粒界を形成させ
ることができる。このため、幅が広く、かつ安定な粒界
を形成するとともに、過剰な結晶成長を抑制することが
できる。従って、結晶粒を微細化、孤立化させ、さらな
るノイズ抑制が可能となる。X1とX2のいずれか1つで
も媒体ノイズ低減効果があるが、これら双方を添加する
ことによって、いっそう優れた媒体ノイズ低減効果を得
ることができる。以上の理由により、上記材料を用いる
ことによって、軟磁性下地膜2内の結晶粒径を小さくす
るとともに、結晶粒を孤立化させ、軟磁性下地膜2に起
因するノイズを低減することができる。また結晶粒を孤
立化させることができるため、これら結晶粒間の磁気的
相互作用を抑制することができる。このため、軟磁性下
地膜2中の磁気クラスターサイズを小さくし、この磁気
クラスターに基づくノイズを抑えることができる。
【0040】また、軟磁性下地膜2において結晶粒を微
細化、孤立化できることから、軟磁性下地膜2の影響下
で成長する配向制御膜3、垂直磁性膜4においても結晶
粒の微細化、孤立化を図ることができる。このため、さ
らなる媒体ノイズ低減を図ることができる。また上記磁
気記録媒体では、記録再生時において、磁気ヘッドから
の磁束が垂直磁性膜4、軟磁性下地膜2を通って再び磁
気ヘッドに至る閉磁路が形成される。このように、軟磁
性下地膜2と垂直磁性膜4は共通の磁束により磁化され
るため、垂直磁性膜4の磁気クラスターサイズは、軟磁
性下地膜2の磁気クラスターサイズに影響されるように
なる。このため、垂直磁性膜4の磁気クラスターサイズ
は、軟磁性下地膜2の磁気クラスターサイズと同様、小
さくなる。
【0041】以上より、本実施形態の磁気記録媒体で
は、軟磁性下地膜2および垂直磁性膜4において、結晶
粒径および磁気クラスターサイズを小さくし、記録再生
特性を向上させ、高密度の情報の記録再生が可能とな
る。なお、磁気クラスターサイズは、磁気間力顕微鏡
(MFM)により求めることができる。すなわち軟磁性
下地膜2を形成した段階の媒体を交流消磁した後、MF
Mで磁化状態を測定して、互いにほぼ同じ方向に向いて
いる磁化の集団の直径を磁気クライスターサイズとする
ことができる。
【0042】また本実施形態の磁気記録媒体では、軟磁
性下地膜2に、上記式(1)〜(3)に示す材料を用いるの
で、軟磁性下地膜2において十分な磁化を得ることがで
きる。このため、軟磁性下地膜2を過大な厚さに形成す
る必要がなく、生産性の低下を防ぐことができる。また
軟磁性下地膜2の表面粗さを小さくし、グライドハイト
特性の劣化を防ぐことができる。
【0043】また、軟磁性下地膜2を、微細結晶2a
と、微細結晶2aよりもMとN(M=Ti、Zr、N
b、Hf、Ta、V、Moのうち1種または2種以上)
を多く含有する非晶質相2bとからなるものとすること
によって、幅が広く、かつ安定な非晶質相2bを形成
し、微細結晶2a間の磁気的相互作用を抑え、磁気クラ
イスターサイズを小さくでき、媒体ノイズを小さくする
ことができる。非晶質相2bが幅広で安定なものとなる
のは、MとNが結合した化合物が形成され、この化合物
が非晶質相2bに偏析するためであると考えられる。
【0044】本実施形態の磁気記録媒体の製造方法で
は、軟磁性下地膜2に、上記式(1)〜(3)に示す材料を用
いるので、軟磁性下地膜2、垂直磁性膜4内の結晶粒径
を小さくし、軟磁性下地膜2、垂直磁性膜4に起因する
ノイズを低減することができる。また軟磁性下地膜2お
よび垂直磁性膜4の磁気クラスターサイズを小さくし、
この磁気クラスターに基づくノイズを抑えることができ
る。従って、記録再生特性を向上させ高密度の情報の記
録再生が可能となる。
【0045】図5は、本発明の磁気記録媒体の第2の実
施形態を示すものである。この磁気記録媒体では、軟磁
性下地膜2と配向制御膜3との間に、配向制御下地膜7
が設けられている点で、上記第1の実施形態の磁気記録
媒体と異なる。配向制御下地膜7には、Ti、Zn、
Y、Zr、Ru、Re、Gd、Tb、Hfのうち1種ま
たは2種以上を主成分とする材料を用いることができ
る。また、配向制御下地膜7の材料としては、B2構造
をなす材料を用いることもできる。B2構造をなす材料
としては、NiAl、FeAl、CoFe、CoZr、
NiTi、AlCo、AlRu、CoTiのうち1種ま
たは2種以上の合金を主成分とするものが使用できる。
また、これらの合金にCr、Mo、Si、Mn、W、N
b、Ti、Zr、B、O、N等の元素を添加した材料を
用いることもできる。配向制御下地膜7の厚さは、30
nm以下とするのが好ましい。この厚さが上記範囲を越
えると、垂直磁性膜4と軟磁性下地膜2との距離が大き
くなるため分解能およびノイズ特性が劣化する。配向制
御下地膜7の厚さは、0.1nm以上とするのが好まし
い。
【0046】図6は、本発明の磁気記録媒体の第3の実
施形態を示すものである。この磁気記録媒体では、配向
制御膜3と垂直磁性膜4との間に、非磁性材料からなる
非磁性中間膜8が設けられている点で、図1に示す第1
の実施形態の磁気記録媒体と異なる。非磁性中間膜8に
は、hcp構造をとる非磁性材料を用いるのが好まし
い。この材料としては、CoCr合金、CoCrX5合
金、CoX5合金(X5は、Pt、Ta、Zr、Ru、N
b、Cu、Re、Ni、Mn、Ge、Si、O、N、B
のうち1種または2種以上)を用いるのが好適である。
非磁性中間膜8の厚さは、垂直磁性膜4における磁性粒
の粗大化による記録再生特性の悪化や、磁気ヘッドと軟
磁性下地膜2の距離が大きくなることによる記録分解能
の低下を防ぐため、20nm以下(好ましくは10nm
以下)とするのが好適である。本実施形態では、非磁性
中間膜8を設けることによって、垂直磁性膜4の配向性
を向上させ、保磁力Hcを高め、記録再生特性および熱
揺らぎ特性をさらに向上させることができる。
【0047】図7は、本発明の磁気記録媒体の第4の実
施形態を示すものである。この磁気記録媒体では、非磁
性基板1と軟磁性下地膜2との間に、磁化容易軸が面内
方向に向いた硬磁性膜9と面内下地膜10が設けられて
いる点で、図1に示す第1の実施形態の磁気記録媒体と
異なる。硬磁性膜9に用いられる材料としては、CoC
r合金、特にCoCrX6(X6は、Pt、Ta、Zr、
Nb、Cu、Re、Ni、Mn、Ge、Si、O、N、
Bのうちから選ばれる1種または2種以上)を用いるの
が好適である。またCoSm合金を用いてもよい。硬磁
性膜9は、保磁力Hcが1000(Oe)以上(好まし
くは2000(Oe)以上)であることが好ましい。硬
磁性膜9の厚さは、10〜150nm(好ましくは40
〜80nm)とするの好ましい。硬磁性膜9は、軟磁性
下地膜2が基板半径方向の磁壁を形成しないようにする
ため、基板中心から放射状の方向に磁化され、硬磁性膜
9と軟磁性下地膜2が交換結合していることが好まし
い。面内下地膜10は、硬磁性膜9の直下に設けられ、
その材料としては、CrまたはCr合金を挙げることが
できる。面内下地膜10に用いられるCr合金の例とし
ては、CrMo系、CrTi系、CrW系、CrMo
系、CrV系、CrSi系、CrNb系の合金を挙げる
ことができる。
【0048】硬磁性膜9を設けることによって、軟磁性
下地膜2での巨大磁区の形成を抑えることができる。こ
のため、外乱磁場が大きい環境下においてもスパイクノ
イズの発生を防ぐことができ、エラーレート特性に優
れ、高密度記録が可能な磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0049】図8は、本発明の磁気記録媒体の第5の実
施形態を示すものである。ここに示す磁気記録媒体で
は、垂直磁性膜4と保護膜5との間に、磁化安定膜11
が設けられている点で図1に示す第1の実施形態の磁気
記録媒体と異なる。磁化安定膜11の材料としては、F
eを60at%以上含有するFe合金を用いることがで
きる。この材料としては、FeCo系合金(FeCo、
FeCoVなど)、FeNi系合金(FeNi、FeN
iMo、FeNiCr、FeNiSiなど)、FeAl
系合金(FeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、
FeAlSiTiRuなど)、FeCr系合金(FeC
r、FeCrTi、FeCrCuなど)、FeTa系合
金(FeTa、FaTaCなど)、FeC系合金、Fe
N系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系
合金、FeHf系合金を挙げることができる。磁化安定
膜11は、FeAlO、FeMgO、FeTaN、Fe
ZrNなどの微細結晶を有する構成とすることができ
る。また微細結晶がマトリクス中に分散されたグラニュ
ラー構造とすることもできる。磁化安定膜11には、C
oを80at%以上含有し、Zr、Nb、Ta、Cr、
Mo等のうち少なくとも1種以上を含有するCo合金を
用いることもできる。例えば、CoZr、CoZrN
b、CoZrTa、CoZrCr、CoZrMoなどを
好適なものとして挙げることができる。磁化安定膜11
の保磁力Hcは100(Oe)以下(好ましくは50
(Oe)以下)とするのが好ましい。磁化安定膜11の
飽和磁束密度Bsは、0.4T以上(好ましくは1T以
上)とするのが好ましい。また、磁化安定膜11の飽和
磁束密度膜厚積Bs・tは7.2T・nm以下であるこ
と好ましい。このBs・tが上記範囲を越えると再生出
力が低下するため好ましくない。また磁化安定膜11の
最大透磁率は、1000〜1000000(好ましくは
10000〜500000)とするのが好ましい。磁化
安定膜11は、構成材料が部分的または完全に酸化され
た構成とすることができる。すなわち磁化安定膜11の
表面(保護膜5側または垂直磁性膜4側の面)およびそ
の近傍において、構成材料が部分的または全体的に酸化
された構成とすることができる。
【0050】本実施形態では、磁化安定膜11を設ける
ことによって、熱揺らぎ特性の向上、再生出力の増大を
図ることができる。再生出力が増大するのは、磁化安定
膜11によって、垂直磁性膜4の表面における磁化の揺
らぎが抑えられることから、漏れ磁束が揺らぎの影響を
受けなくなるためであると考えられる。熱揺らぎ特性が
向上するのは、磁化安定膜11によって、垂直磁性膜4
の垂直方向の磁化と、軟磁性下地膜2および磁化安定膜
11の面内方向の磁化が、閉磁路を形成するようにな
り、垂直磁性膜4の磁化がより強固に垂直方向に固定さ
れるためであると考えられる。また磁化安定膜11の表
面が酸化された構成とする場合には、磁化安定膜11の
表面の磁気的な揺らぎを抑えることができるため、この
磁気的な揺らぎに起因するノイズを低減し、磁気記録媒
体の記録再生特性を改善することができる。
【0051】図9は、本発明に係る磁気記録再生装置の
一例を示す構成図である。この図に示す磁気記録再生装
置は、上記構成の磁気記録媒体20と、この磁気記録媒
体20を回転駆動させる媒体駆動部21と、磁気記録媒
体20に対して情報の記録再生を行う磁気ヘッド22
と、磁気ヘッド22を駆動させるヘッド駆動部23と、
記録再生信号処理系24とを備えている。記録再生信号
系24は、入力されたデータを処理して記録信号を磁気
ヘッド22に送ったり、磁気ヘッド22からの再生信号
を処理してデータを出力することができるようになって
いる。
【0052】磁気ヘッド22としては、単磁極ヘッドを
用いることができる。図10は、単磁極ヘッドの一例を
示すもので、単磁極ヘッド22は、磁極25と、コイル
26とから概略構成されている。磁極25は、幅の狭い
主磁極27と幅広の補助磁極28とを有する側面視略コ
字状に形成され、主磁極27は、記録時に垂直磁性膜4
に印加される磁界を発生し、再生時に垂直磁性膜4から
の磁束を検出することができるようになっている。
【0053】単磁極ヘッド22を用いて、磁気記録媒体
20への記録を行う際には、主磁極27の先端から発せ
られた磁束が、垂直磁性膜4を、基板1に対しほぼ垂直
な方向に磁化させる。この際、磁気記録媒体20には軟
磁性下地膜2が設けられているため、単磁極ヘッド22
の主磁極27からの磁束は、垂直磁性膜4、軟磁性下地
膜2を通って補助磁極28に至る閉磁路を形成する。こ
の閉磁路が単磁極ヘッド22と磁気記録媒体20との間
に形成されることにより、磁束の出入りの効率が増し、
高密度の記録再生が可能になる。なお、軟磁性下地膜2
と補助磁極28との間の磁束は、主磁極27と軟磁性下
地膜2との間の磁束とは逆向きになるが、補助磁極28
の面積は主磁極27に比べて十分に広いので、補助磁極
28からの磁束密度は十分に小さくなり、この補助磁極
28からの磁束により垂直磁性膜4の磁化が影響を受け
ることはない。また本発明では、磁気ヘッドとして、単
磁極ヘッド以外のもの、例えば再生部に巨大磁気抵抗
(GMR)素子を備えた複合型薄膜磁気記録ヘッドを用
いることもできる。
【0054】本実施形態の磁気記録再生装置は、磁気記
録媒体20の軟磁性下地膜2に、上記式(1)〜(3)に示す
材料を用いるので、軟磁性下地膜2内の結晶粒を微細
化、孤立化し、軟磁性下地膜2に起因するノイズを低減
することができる。また軟磁性下地膜2中の磁気クラス
ターサイズを小さくし、これによって垂直磁性膜4内の
磁気クラスターサイズを小さくすることができる。この
ため、この磁気クラスターに基づくノイズを抑えること
ができる。従って、記録再生特性を向上させ高密度の情
報の記録再生が可能となる。
【0055】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の作用効果を明
確にする。ただし、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)洗浄済みのガラス基板1(オハラ社製、外
径2.5インチ)をDCマグネトロンスパッタ装置(ア
ネルバ社製C−3010)の成膜チャンバ内に収容し
て、到達真空度1×10-5Paとなるまで成膜チャンバ
内を排気した後、このガラス基板上に、84Fe−13
Hf−3Crからなるターゲットを用い、アルゴン・窒
素混合ガス(窒素含有率5vol%)中で、軟磁性下地
膜2(厚さ100nm)を形成した。次いで、軟磁性下
地膜2に350℃の条件で10秒間の熱処理(アニール
処理)を施した。軟磁性下地膜2の組成をオージェ電子
分光法(AES)を用いて測定したところ、75Fe−
11.6Hf−2.4Cr−11Nであることが確認さ
れた。また透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてこの軟
磁性下地膜2を観察したところ、この軟磁性下地膜2
は、多数の微細結晶2aが非晶質相2bによって隔てら
れた構造となっており、この微細結晶2aの平均粒径が
10nmであることが確認された。また振動式磁気特性
測定装置(VSM)による測定の結果、軟磁性下地膜2
の飽和磁束密度Bsは1.5Tであり、Bs・tが15
0T・nmであることがわかった。次いで、200℃の
条件で、軟磁性下地膜2上に、50Ni−50Alから
なる配向制御下地膜7(厚さ8nm)と、Ruからなる
配向制御膜3(厚さ10nm)とからなる配向制御膜3
を順次形成した。次いで、65Co−17Cr−16P
t−2Bからなる垂直磁性膜4(厚さ25nm)を形成
した。垂直磁性膜4をTEMを用いて観察した結果、平
均結晶粒径が9nmであることが明らかになった。また
Kerr効果測定装置を用いて垂直磁性膜4の静磁気特
性を調べたところ、保磁力は4570(Oe)、逆磁区
核形成磁界(−Hn)は750(Oe)であった。また
軟磁性下地膜2、配向制御膜3、垂直磁性膜4を形成す
る際には、成膜用のプロセスガスとしてアルゴンを用
い、その圧力を0.5Paに設定した。次いで、CVD
法により保護膜5(厚さ5nm)を形成した。次いで、
ディップコーティング法によりパーフルオロポリエーテ
ルからなる潤滑膜6を形成し、磁気記録媒体を得た。な
お上記合金材料の記載において、aA−bBは、a(a
t%)A−b(at%)Bを示す。例えば65Co−1
7Cr−16Pt−2Bは、65at%Co−17at
%Cr−16at%Pt−2at%B(Co含有率65
at%、Cr含有率17at%、Pt含有率16at
%、B含有率2at%)を意味する。
【0056】(実施例2〜15)軟磁性下地膜2の組成
を表1に示すとおりとすること以外は、実施例1に準じ
て磁気記録媒体を作製した(表1を参照)。
【0057】(比較例1〜6)軟磁性下地膜2の組成を
表1に示すとおりとすること以外は、実施例1に準じて
磁気記録媒体を作製した(表1を参照)。
【0058】これら実施例および比較例の磁気記録媒体
について、記録再生特性を評価した。記録再生特性の評
価は、GUZIK社製リードライトアナライザRWA1
632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて
測定した。記録再生特性の評価には、磁気ヘッドとして
垂直記録用の単磁極ヘッドを用い、線記録密度600k
FCIにて測定を行った。試験結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1より、上記式(1)に示す材料を軟磁性
下地膜2に用いた実施例では、比較例に比べ、優れた記
録再生特性を示したことがわかる。
【0061】(実施例16〜26)軟磁性下地膜2の組
成を表2に示すとおりとすること以外は、実施例1に準
じて磁気記録媒体を作製した(表2を参照)。
【0062】(比較例7、8)軟磁性下地膜2の組成を
表2に示すとおりとすること以外は、実施例1に準じて
磁気記録媒体を作製した(表2を参照)。
【0063】これら実施例および比較例の磁気記録媒体
について、記録再生特性を評価した。試験結果を表2に
示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2より、上記式(2)に示す材料を軟磁性
下地膜2に用いた実施例では、比較例に比べ、優れた記
録再生特性を示したことがわかる。
【0066】(実施例27〜35)軟磁性下地膜2の組
成を表3に示すとおりとすること以外は、実施例1に準
じて磁気記録媒体を作製した(表3を参照)。これら実
施例の磁気記録媒体について、記録再生特性を評価した
結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3より、上記式(3)に示す材料を軟磁性
下地膜2に用いた実施例では、優れた記録再生特性を示
したことがわかる。また式(1)、(2)に示す材料を用いた
実施例(表1、表2)に比べて、より優れた記録再生特
性が得られたことがわかる。
【0069】(実施例36〜39)軟磁性下地膜2の飽
和磁束密度Bsおよび厚さtを表4に示すとおりとする
こと以外は、実施例1に準じて磁気記録媒体を作製した
(表4を参照)。これら実施例の磁気記録媒体につい
て、記録再生特性を評価した結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】表4より、飽和磁束密度Bsを1T以上
(特に1.4T以上)とすることによって、優れた記録
再生特性を得ることができたことがわかる。
【0072】(実施例40〜42)軟磁性下地膜2の飽
和磁束密度Bsおよび膜厚tを表5に示すとおりとする
こと以外は、実施例1に準じて磁気記録媒体を作製した
(表5を参照)。これら実施例の磁気記録媒体につい
て、記録再生特性を評価した結果を表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】表5より、飽和磁束密度Bsと膜厚tの積
Bs・tを50T・nm以上(特に100T・nm以
上)とすることによって、優れた記録再生特性を得るこ
とができたことがわかる。
【0075】(実施例43〜54)配向制御下地膜7お
よび配向制御膜3の材料およびその厚さを表6に示すと
おりとすること以外は、実施例1に準じて磁気記録媒体
を作製した(表6を参照)。これら実施例の磁気記録媒
体について、記録再生特性を評価した結果を表6に示
す。
【0076】
【表6】
【0077】表6より、配向制御膜3に、hcp構造ま
たはfcc構造材料(特にRu、Hf、Ru合金、Hf
合金、Ni、Ni合金)を用いた構成によって、記録再
生特性に優れた磁気記録媒体を得ることができたことが
わかる。
【0078】(実施例55〜63)垂直磁性膜4の材料
およびその厚さを表7に示すとおりとすること以外は、
実施例1に準じて磁気記録媒体を作製した(表7を参
照)。これら磁気記録媒体の熱揺らぎ耐性を評価した結
果を表7に示す。熱揺らぎ耐性の評価は、70℃の条件
下で線記録密度50kFCIにて書き込みをおこなった
後、書き込み後1秒後の再生出力に対する出力の低下率
(%/decade)を、(So−S)×100/(S
o×3)に基づいて算出した。この式において、Soは
磁気記録媒体に信号記録後1秒経過時の再生出力を示
し、Sは1000秒後の再生出力を示す。これら実施例
の磁気記録媒体について、記録再生特性を評価した結果
を併せて表7に示す。
【0079】
【表7】
【0080】表7より、垂直磁性膜4の厚さを5〜50
nm(特に7〜30nm)とすることによって、優れた
記録再生特性が得られたことがわかる。また垂直磁性膜
4にCoCrPt合金を用いた場合には、Pt含有率を
8〜24at%とすることによって、優れた熱揺らぎ耐
性が得られることがわかる。
【0081】(実施例64〜67)軟磁性下地膜2の表
面を酸素含有ガス(曝露ガス)に曝すことによって、軟
磁性下地膜2に酸化処理を施すこと以外は実施例1に準
じて磁気記録媒体を作製した。曝露ガスとしては、純酸
素(100%O2)、または酸素アルゴン混合ガス(5
0vol%O2−50vol%Ar)を用いた。上記曝
露によって軟磁性下地膜2の表面に形成された酸化層の
厚さを表8に示す。これら実施例の磁気記録媒体につい
て、記録再生特性を評価した結果を表8に示す。
【0082】(実施例68)軟磁性下地膜2を形成する
際に、プロセスガス(成膜ガス)として、Ar(100
%)を用い、次いで酸素アルゴン混合ガス(混合比:1
0vol%O2−90vol%Ar)を用いること以外
は実施例1に準じて磁気記録媒体を作製した(表8を参
照)。酸素アルゴン混合ガスの使用によって、軟磁性下
地膜2の表面付近に酸化層が形成された。この酸化層の
厚さを表8に併せて示す。この磁気記録媒体について、
記録再生特性を評価した結果を表8に示す。
【0083】
【表8】
【0084】表8より、軟磁性下地膜2の酸化によっ
て、優れた記録再生特性が得られたことがわかる。
【0085】(実施例69〜76)配向制御膜3と垂直
磁性膜4との間に非磁性中間膜8を設けること以外は実
施例1に準じて磁気記録媒体を作製した(表9を参
照)。これら実施例の磁気記録媒体について、記録再生
特性および熱揺らぎ耐性を評価した結果を表9に示す。
【0086】
【表9】
【0087】表9より、非磁性中間膜8を設けることに
よって、記録再生特性、熱揺らぎ耐性を向上させること
ができたことがわかる。特に、非磁性中間膜8の厚さを
20nm以下(特に10nm以下)とすることによっ
て、優れた記録再生特性が得られたことがわかる。
【0088】(実施例77〜81)非磁性基板1と軟磁
性下地膜2との間に硬磁性膜9、面内下地膜10を設け
ること以外は、実施例1に準じて磁気記録媒体を作製し
た(表10を参照)。面内下地膜10には、94Cr6
Moを用い、厚さは15nmとした。これら実施例の磁
気記録媒体について、記録再生特性を評価した結果を表
10に示す。表10には、スパイクノイズの有無も併せ
て示す。
【0089】
【表10】
【0090】表10より、硬磁性膜9、面内下地膜10
を設けることによって、スパイクノイズを抑えることが
できたことがわかる。また十分な記録再生特性を得るこ
とができたことがわかる。
【0091】(実施例82〜86)垂直磁性膜4と保護
膜5との間に磁化安定膜11を設けたこと以外は、実施
例1に準じて磁気記録媒体を作製した(表11を参
照)。これら実施例の磁気記録媒体について、記録再生
特性を評価した結果を表11に示す。
【0092】
【表11】
【0093】表11より、磁化安定膜11を設けること
によって、記録再生特性、再生出力、熱揺らぎ耐性を向
上させることができたことがわかる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体にあっては、軟磁性下地膜の材料として、以下に示
す組成で表されるもののうちいずれかを用いるので、記
録再生特性を向上させることができる。 aFe−bCo−cM−dX1−fN ・・・(1) (60≦a+b≦90、30≦a≦90、5≦c≦2
0、0.1≦d≦7、3≦f≦30) aFe−bCo−cM−eX2−fN ・・・(2) (60≦a+b≦90、30≦a≦90、5≦c≦2
0、0.1≦e≦10、3≦f≦30) aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN ・・・(3) (60≦a+b≦90、30≦a≦90、5≦c≦2
0、0.1≦d≦7、0.1≦e≦7、3≦f≦30)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の第1の実施形態を
示す一部断面図である。
【図2】 図1に示す磁気記録媒体の軟磁性下地膜を
示す構造図である。
【図3】 履歴曲線の一例を示すグラフである。
【図4】 履歴曲線の他の例を示すグラフである。
【図5】 本発明の磁気記録媒体の第2の実施形態を
示す一部断面図である。
【図6】 本発明の磁気記録媒体の第3の実施形態を
示す一部断面図である。
【図7】 本発明の磁気記録媒体の第4の実施形態を
示す一部断面図である。
【図8】 本発明の磁気記録媒体の第5の実施形態を
示す一部断面図である。
【図9】 本発明の磁気記録再生装置の一例を示す概
略構成図である。
【図10】 図9に示す磁気記録再生装置に使用され
る磁気ヘッドの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…非磁性基板、2…軟磁性下地膜、2a・・・微細結
晶、2b・・・非晶質相、3…配向制御膜、4…垂直磁性
膜、5…保護膜、20…磁気記録媒体、22…磁気ヘッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 浩志 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工エイチ・ディー株式会社内 Fターム(参考) 5D006 AA01 CA03 CA05 DA08 EA03 FA06 5D112 AA05 BB02 FA04 GB02 5E049 AA01 AC01 BA06 GC01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材
    料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御す
    る配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配
    向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、前記軟磁性
    下地膜が、以下の組成で表される材料を含むことを特徴
    とする磁気記録媒体。 aFe−bCo−cM−dX1−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
    1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
    Niのうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、
    d、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
    ≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
    7、3≦f≦30である。)
  2. 【請求項2】 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材
    料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御す
    る配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配
    向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、前記軟磁性
    下地膜が、以下の組成で表される材料を含むことを特徴
    とする磁気記録媒体。 aFe−bCo−cM−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
    1種または2種以上、X2=P、C、B、Oのうち1種
    または2種以上。ただし、a、b、c、e、fは百分率
    で表された原子比であり、60≦a+b≦90、30≦
    a≦90、5≦c≦20、0.1≦e≦10、3≦f≦
    30である。)
  3. 【請求項3】 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材
    料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御す
    る配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配
    向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、前記軟磁性
    下地膜が、以下の組成で表される材料を含むことを特徴
    とする磁気記録媒体。 aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
    1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
    Niのうち1種または2種以上、X2=P、C、B、O
    のうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、d、
    e、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
    ≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
    7、0.1≦e≦7、3≦f≦30である。)
  4. 【請求項4】 60≦a+b≦80、30≦a≦8
    0、5≦c≦20、0.1≦d≦3、0.1≦e≦5、
    8≦f≦25であることを特徴とする請求項3に記載の
    磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 軟磁性下地膜が、Feを主成分する平
    均粒径13nm以下の微細結晶と、該微細結晶よりもM
    とN(M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moの
    うち1種または2種以上)を多く含有する非晶質相とか
    らなることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか
    1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 微細結晶がbcc構造をとることを特
    徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 軟磁性下地膜の飽和磁束密度Bsが1
    T以上であることを特徴とする請求項1乃至6のうちい
    ずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 軟磁性下地膜の飽和磁束密度Bsが
    1.4T以上であることを特徴とする請求項1乃至7の
    うちいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 軟磁性下地膜の飽和磁束密度Bsと該
    軟磁性下地膜の膜厚tとの積Bs・tが50T・nm以
    上であることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれ
    か1項に記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 軟磁性下地膜の飽和磁束密度Bsと
    該軟磁性下膜の膜厚tとの積Bs・tが100T・nm
    以上であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいず
    れか1項に記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 配向制御膜が、Ti、Zn、Y、Z
    r、Ru、Re、Gd、Tb、Hfのうち1種または2
    種以上を50%at以上含有するhcp構造材料からな
    ることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1
    項に記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 配向制御膜が、Ni、Cu、Pd、
    Ag、Pt、Ir、Au、Alのうち1種または2種以
    上を50%at以上含有するfcc構造材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に
    記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 軟磁性下地膜の垂直磁性膜側の表面
    の一部または全面が酸化されていることを特徴とする請
    求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の磁気記録媒
    体。
  14. 【請求項14】 垂直磁性膜の逆磁区核形成磁界(−
    Hn)が0(Oe)以上であることを特徴とする請求項
    1乃至13のうちいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性
    材料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御
    する配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に
    配向した垂直磁性膜と、保護膜とを設け、前記軟磁性下
    地膜を、以下の組成で表される材料を含むように形成す
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
    1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
    Niのうち1種または2種以上、X2=P、C、B、O
    のうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、d、
    e、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
    ≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
    7、0.1≦e≦7、3≦f≦30である。)
  16. 【請求項16】 軟磁性下地膜を、Feを主成分する
    平均粒径13nm以下の微細結晶と、該微細結晶よりも
    MとN(M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Mo
    のうち1種または2種以上)を多く含有する非晶質相と
    からなるものとすることを特徴とする請求項15に記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  17. 【請求項17】 軟磁性下地膜をスパッタ法にて成膜
    し、成膜の際に用いる成膜ガスの窒素含有率を0.1〜
    50vol%とすることを特徴とする請求項15または
    16に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  18. 【請求項18】 軟磁性下地膜を形成した後、この軟
    磁性下地膜を250℃〜450℃で熱処理することを特
    徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 磁気記録媒体と、この磁気記録媒体
    に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再
    生装置であって、磁気ヘッドが単磁極ヘッドであり、磁
    気記録媒体が、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材料
    からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御する
    配向制御膜と、磁化容易膜が基板に対し主に垂直に配向
    した垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、前記軟磁性下
    地膜が、以下の組成で表される材料を含むことを特徴と
    する磁気記録再生装置。 aFe−bCo−cM−dX1−eX2−fN (M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Moのうち
    1種または2種以上、X1=Cr、Ga、Al、Si、
    Niのうち1種または2種以上、X2=P、C、B、O
    のうち1種または2種以上。ただし、a、b、c、d、
    e、fは百分率で表された原子比であり、60≦a+b
    ≦90、30≦a≦90、5≦c≦20、0.1≦d≦
    7、0.1≦e≦7、3≦f≦30である。)
  20. 【請求項20】 軟磁性下地膜が、Feを主成分する
    平均粒径13nm以下の微細結晶と、該微細結晶よりも
    MとN(M=Ti、Zr、Nb、Hf、Ta、V、Mo
    のうち1種または2種以上)を多く含有する非晶質相と
    からなるものであることを特徴とする請求項19に記載
    の磁気記録再生装置。
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