JP2003059024A - 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置

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JP2003059024A JP2001247825A JP2001247825A JP2003059024A JP 2003059024 A JP2003059024 A JP 2003059024A JP 2001247825 A JP2001247825 A JP 2001247825A JP 2001247825 A JP2001247825 A JP 2001247825A JP 2003059024 A JP2003059024 A JP 2003059024A
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Kenji Shimizu
謙治 清水
Akira Sakawaki
彰 坂脇
Teru Yo
輝 楊
Norio Mochizuki
寛夫 望月
Hiroshi Sakai
浩志 酒井
Kazuyuki Hikosaka
和志 彦坂
Futoshi Nakamura
太 中村
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Resonac Holdings Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録再生特性、熱揺らぎ特性に優れた磁気記
録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置を提供
する。 【解決手段】 非磁性基板1上に、少なくとも直上の膜
の配向性を制御する配向制御膜3と、磁化容易軸が基板
に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜5と、保護膜6と
が設けられ、垂直磁性膜5が、Co、Cr、Pt、Cu
を含んだ材料からなり、Crの含有率が16at%以上
24at%以下、Cuの含有率が0.1at%以上4a
t%以下であり、垂直磁性膜5の保磁力Hcが3000
(Oe)以上、逆磁区核形成磁界(−Hn)が0(O
e)以上2500(Oe)以下、残留磁化(Mr)と飽
和磁化(Ms)との比Mr/Msが0.85以上であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、そ
の製造方法、およびこの磁気記録媒体を用いた磁気記録
再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市販されている磁気記録媒体は、磁
性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し水平に配向した面
内磁気記録媒体がほとんどである。このような面内磁気
記録媒体では、高記録密度化するとビット体積が小さく
なりすぎ、熱揺らぎ効果により記録再生特性が悪化する
可能性がある。また、高記録密度化した際に、記録ビッ
ト境界での反磁界の影響により媒体ノイズが増加する。
これに対し、磁性膜内の磁化容易軸が主に垂直に配向し
た、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した際
にも、ビット境界での反磁界の影響が小さく、境界が鮮
明な記録磁区が形成されるため低ノイズ化が可能であ
り、しかも比較的儀ビット体積が大きくても高記録密度
化が可能であることから熱揺らぎ効果にも強く、近年大
きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した媒体の構
造が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では、磁気記録媒
体の更なる高記録密度化が要望されており、垂直磁性膜
に対する書き込み能力に優れる単磁極ヘッドを用いるた
めに、記録層である垂直磁性膜と基板との間に、裏打ち
層と称される軟磁性材料からなる層を設け、単磁極ヘッ
ドと、磁気記録媒体の間の磁束の出入りの効率を向上さ
せた磁気記録媒体が提案されている。しかしながら、上
記裏打ち層を設けた磁気記録媒体を用いた場合でも、記
録再生時の記録再生特性や、熱揺らぎ耐性、記録分解能
において満足できるものではなく、これらの特性に優れ
る磁気記録媒体が要望されていた。特開昭59−610
12号公報には、CoCr系材料からなる垂直磁性膜
に、第3元素としてCuを添加することが提案されてい
るが、この磁気記録媒体では、垂直磁気異方性Kuが小
さく、記録再生特性や熱揺らぎ耐性が不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、記録再生
特性、熱揺らぎ耐性を向上させ、高密度の情報の記録再
生が可能な磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記
録再生装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の磁気記
録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも、直上の膜の配
向性を制御する配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し
主に垂直に配向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けら
れ、前記垂直磁性膜が、Co、Cr、Pt、Cuを含ん
だ材料からなり、Crの含有率が16at%以上24a
t%以下、Cuの含有率が0.1at%以上4at%以
下であり、垂直磁性膜の保磁力(Hc)が3000(O
e)以上、逆磁区核形成磁界(−Hn)が0(Oe)以
上2500(Oe)以下、残留磁化(Mr)と飽和磁化
(Ms)との比Mr/Msが0.85以上であることを
特徴とする。垂直磁性膜は、Crの含有率が18at%
以上24at%以下、Ptの含有率が14at%以上2
4at%以下、Cuの含有率が0.1at%以上3at
%以下であることが好ましい。垂直磁性膜は、CoCr
PtCu系合金、CoCrPtCuTa系合金、CoC
rPtCuB系合金、CoCrPtCuTaB系合金の
いずれかからなるものであることが好ましい。本発明で
は、非磁性基板と軟磁性下地膜との間に、硬磁性材料か
らなる硬磁性膜を設けることができる。本発明では、垂
直磁性膜上に、軟磁性材料からなる磁化安定膜を設ける
ことができる。本発明の磁気記録媒体の製造方法では、
非磁性基板上に、少なくとも、直上の膜の配向性を制御
する配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に
配向した垂直磁性膜と、保護膜とを設け、前記垂直磁性
膜を、Co、Cr、Pt、Cuを含んだ材料からなり、
Crの含有率が16at%以上24at%以下、Cuの
含有率が0.1at%以上4at%以下であるものと
し、垂直磁性膜の保磁力(Hc)を3000(Oe)以
上、逆磁区核形成磁界(−Hn)を0(Oe)以上25
00(Oe)以下、残留磁化(Mr)と飽和磁化(M
s)との比Mr/Msを0.85以上とすることを特徴
とする。本発明の磁気記録再生装置は、磁気記録媒体
と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドと
を備えた磁気記録再生装置であって、磁気ヘッドが単磁
極ヘッドであり、磁気記録媒体が、非磁性基板上に、少
なくとも、直上の膜の配向性を制御する配向制御膜と、
磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜
と、保護膜とが設けられ、前記垂直磁性膜が、Co、C
r、Pt、Cuを含んだ材料からなり、Crの含有率が
16at%以上24at%以下、Cuの含有率が0.1
at%以上4at%以下であり、垂直磁性膜の保磁力
(Hc)が3000(Oe)以上、逆磁区核形成磁界
(−Hn)が0(Oe)以上2500(Oe)以下、残
留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)との比Mr/Msが
0.85以上であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
第1の実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体
は、非磁性基板1上に、軟磁性下地膜2と、配向制御膜
3と、中間膜4と、垂直磁性膜5と、保護膜6と、潤滑
膜7とが順次形成されて構成されている。非磁性基板1
としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材
料からなる金属基板を用いてもよいし、ガラス、セラミ
ック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの
非金属材料からなる非金属基板を用いてもよい。ガラス
基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあ
り、アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガ
ラス、アルミノケートガラス、アルミノシリケートガラ
スを使用できる。また、結晶化ガラスとしては、リチウ
ム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基
板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊
維強化物などが使用可能である。非磁性基板1として
は、上記金属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパ
ッタ法を用いてNiP膜が形成されたものを用いること
もできる。
【0006】軟磁性下地膜2は、磁気ヘッドからの磁束
を基板垂直方向成分を大きくするため、および情報が記
録される垂直磁性膜5の磁化を、より強固に基板1に垂
直な方向に固定するために設けられているものである。
この作用は特に、記録再生用の磁気ヘッドとして垂直記
録用の単磁極ヘッドを用いる場合に、より顕著となる。
【0007】軟磁性下地膜2は、軟磁性材料からなるも
ので、この材料としては、Fe、Ni、Coを含む材料
を用いることができる。この材料としては、FeCo系
合金(FeCo、FeCoVなど)、FeNi系合金
(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiS
iなど)、FeAl系合金(FeAl、FeAlSi、
FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlO
など)、FeCr系合金(FeCr、FeCrTi、F
eCrCuなど)、FeTa系合金(FeTa、FeT
aC、FeTaNなど)、FeMg系合金(FeMgO
など)、FeZr系合金(FeZrNなど)、FeC系
合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、
FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金などを
挙げることができる。またFeを60at%以上含有す
るFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrN等
の微結晶構造を有する材料を用いてもよいし、微細な結
晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を
有する材料を用いてもよい。軟磁性下地膜2の材料とし
ては、上記のほか、Coを80at%以上含有し、Z
r、Nb、Ta、Cr、Mo等のうち少なくとも1種を
含有し、アモルファス構造を有するCo合金を用いるこ
とができる。この材料としては、CoZr系合金、Co
ZrNb系合金、CoZrTa系合金、CoZrCr系
合金、CoZrMo系合金などを好適なものとして挙げ
ることができる。
【0008】軟磁性下地膜2の保磁力Hcは200(O
e)以下(好ましくは50(Oe)以下)とするのが好
ましい。この保磁力Hcが上記範囲を超えると、軟磁気
特性が不十分となり、再生波形がいわゆる矩形波でな
く、歪みをもった波形になるため好ましくない。軟磁性
下地膜2の飽和磁束密度Bsは、0.6T以上(好まし
くは1T以上)とするのが好ましい。このBsが上記範
囲未満であると、再生波形がいわゆる矩形波でなく、歪
みをもった波形になるため好ましくない。また、軟磁性
下地膜2の飽和磁束密度Bsと軟磁性下地膜2の膜厚t
との積Bs・tは、40T・nm以上(好ましくは60
T・nm以上)であること好ましい。このBs・tが上
記範囲未満であると、再生波形が歪みをもつようになっ
たり、OW特性(オーバーライト特性)が悪化するため
好ましくない。
【0009】軟磁性下地膜2の表面(配向制御膜3側の
面)は、軟磁性下地膜2を構成する材料が部分的または
完全に酸化されて構成されていることが好ましい。これ
により、軟磁性下地膜2の表面の磁気的な揺らぎを抑え
ることができるため、この磁気的な揺らぎに起因するノ
イズを低減して、磁気記録媒体の記録再生特性を改善す
ることができる。また、軟磁性下地膜2上に形成される
配向制御膜3の結晶粒を微細化して、記録再生特性を改
善することができる。
【0010】この軟磁性下地膜2の表面の酸化部分は、
例えば軟磁性下地膜2を形成した後、軟磁性下地膜2の
表面を、酸素を含む雰囲気に曝す方法や、軟磁性下地膜
2の表面に近い部分を成膜する際のプロセス中に酸素を
導入する方法により形成することができる。具体的に
は、軟磁性下地膜2の表面を酸素に曝す場合には、酸素
単体、あるいは酸素をアルゴンや窒素などのガスで希釈
したガス雰囲気中に0.3〜20秒程度保持しておけば
よい。また、軟磁性下地膜2を大気に曝す方法をとるこ
ともできる。特に酸素をアルゴンや窒素などのガスで希
釈したガスを用いる場合には、軟磁性下地膜2表面の酸
化の度合いの調節が容易になるので、安定した製造を行
うことができる。また、軟磁性下地膜2の成膜用のガス
に酸素を導入する場合には、例えば成膜法としてスパッ
タ法を用いるならば、成膜時間の一部のみに、酸素を導
入したプロセスガスを用いてスパッタを行えばよい。こ
のプロセスガスとしては、例えばアルゴンに酸素を体積
率で0.05%〜50%(好ましくは0.1〜20%)
程度混合したガスが好適に用いられる。
【0011】配向制御膜3は、直上に設けられた中間膜
4および垂直磁性膜5の配向性や粒径を制御するもの
で、配向制御膜3の材料としては、特に限定されるもの
ではないが、hcp構造、fcc構造、アモルファス構
造を有するものが好ましい。特に、Ru系合金、Ni系
合金、Co系合金が好ましい。配向制御膜3の厚さは、
0.5〜40nm(好ましくは1〜20nm)とするの
が好ましい。配向制御膜3の厚さが0.5〜40nm
(好ましくは1〜20nm)の範囲であるときには、垂
直磁性膜5の垂直配向性が特に高くなり、かつ記録時に
おける磁気ヘッドと軟磁性下地膜2との距離を小さくす
ることができるので、再生信号の分解能を低下させるこ
となく記録再生特性を高めることができる。この厚さが
上記範囲未満であると、垂直磁性膜5における垂直配向
性が低下し、記録再生特性および熱揺らぎ耐性が劣化す
る。この厚さが上記範囲を超えると、垂直磁性膜5の磁
性粒子径が大きくなり、ノイズ特性が劣化するおそれが
あるため好ましくない。また記録時における磁気ヘッド
と軟磁性下地膜2との距離が大きくなるため、再生信号
の分解能や再生出力の低下するため好ましくない。
【0012】配向制御膜3の表面形状は、垂直磁性膜
5、保護膜6の表面形状に影響を与えるため、磁気記録
媒体の表面凹凸を小さくして、記録再生時における磁気
ヘッド浮上高さを低くするには、配向制御膜3の表面平
均粗さRaを2nm以下とするのが好ましい。表面平均
粗さRaを2nm以下とすることによって、磁気記録媒
体の表面凹凸を小さくし、記録再生時における磁気ヘッ
ドの浮上高さを十分に低くし、記録密度を高めることが
できる。
【0013】配向制御膜3は、酸素と窒素のうち少なく
ともいずれかを含有させることができる。酸素や窒素を
含有させるには、配向制御膜3を形成する際に、成膜ガ
ス(プロセスガス)に酸素または窒素を含有させる方法
をとることができる。例えば、成膜法としてスパッタ法
を用いるならば、プロセスガスとしては、アルゴンに酸
素を体積率で0.05〜50%(好ましくは0.1〜2
0%)程度混合したガス、アルゴンに窒素を体積率で
0.01〜20%(好ましくは0.02〜10%)程度
混合したガスが好適に用いられる。酸素、窒素を含有さ
せることによって、配向制御膜3の結晶粒を微細化する
ことができる。
【0014】中間膜4には、hcp構造を有する材料を
用いるのが好ましい。中間膜4には、CoCr合金やC
oCrX1合金やCoX1合金(X1:Pt、Ta、Z
r、Ru,Nb、Cu、Re、Ni、Mn、Ge、S
i、O、NおよびBのうち1種または2種以上)を用い
るのが好適である。中間膜4のCoの含有率は30〜7
0at%であることが好ましい。
【0015】中間膜4の厚さは、垂直磁性膜5における
磁性粒子の粗大化による記録再生特性の悪化や、磁気ヘ
ッドと軟磁性下地膜2との距離が大きくなることによる
記録分解能の低下を起こさないようにするために、20
nm以下(好ましくは10nm以下)とするのが好まし
い。中間膜4を設けることによって、垂直磁性膜5の垂
直配向性を高め、垂直磁性膜5の保磁力を高め、記録再
生特性および熱揺らぎ耐性をさらに向上させることがで
きる。
【0016】垂直磁性膜5は、その磁化容易軸が基板に
対して主に垂直方向に向いた磁性膜である。垂直磁性膜
5は、Co、Cr、Pt、Cuを含んだ材料からなり、
Crの含有率が16at%以上24at%以下(好まし
くは18at%以上24at%以下)、Cuの含有率が
0.1at%以上4at%以下(好ましくは0.1at
%以上3at%以下)とされている。Crの含有率が1
6at%未満であると、磁性粒子間の交換結合が大きく
なり、その結果磁気クラスター径が大きくなり、ノイズ
が増大するため好ましくない。また、Crの含有率が2
4at%を超えると、保磁力および残留磁化(Ms)と
飽和磁化(Mr)の比Mr/Msが低下するため好まし
くない。Cuの含有率が0.1at%未満では、Cu添
加の効果を得ることできない。また、Cuの含有率が4
at%を超えると、結晶粒が粗大化し、記録再生特性が
悪化するため好ましくない。
【0017】垂直磁性膜5のPtの含有率は、14at
%以上24at%以下とするのが好ましい。Ptの含有
率が14at%未満であると、垂直磁気異方性Kuが小
さくなり、Cuの添加効果を得ることができない。すな
わち残留磁化(Ms)と飽和磁化(Mr)の比Mr/M
sの向上効果、逆磁区核形成磁界(−Hn)の増加効果
が不十分となり好ましくない。Pt含有率が24at%
を超えると、ノイズが増大するため好ましくない。
【0018】垂直磁性膜5の材料としては、CoCrP
tCu系合金、CoCrPtCuB系合金、CoCrP
tCuTa系合金、CoCrPtCuTaB系合金が特
に好ましい。CoCrPtCuB系合金を用いる場合に
は、Bの含有率は4at%以下(好ましくは3at%以
下)であることが好ましい。Bの含有率が4at%を超
えると、保磁力およびMr/Ms(残留磁化Msと飽和
磁化Mrの比)が低下するため好ましくない。CoCr
PtCuTa系合金を用いる場合には、Taの含有率は
4at%以下(好ましくは3at%以下)であることが
好ましい。Taの含有率が4at%を超えると、保磁力
およびMr/Msが低下するため好ましくない。CoC
rPyCuTaB系合金を用いる場合には、BとTaの
合計含有率は4at%以下(好ましくは3at%以下)
であることが好ましい。BとTaの合計含有率が4at
%を超えると、保磁力およびMr/Msが低下するため
好ましくない。
【0019】垂直磁性膜5は、上記CoCrPtCu系
合金材料からなる1層構造とすることもできるし、Co
CrPt系合金材料からなる層と、上記CoCrPtC
u系合金材料からなる層とを積層した複層構造とするこ
ともできる。また、Co系合金(Co、CoCr、Co
B、Co−SiO2等)層とPd系合金(Pd、Pd
B、Pd−SiO2等)層とを積層した構造を有する複
層構造としてもよい。また、上記Co系合金層とPt系
合金(Pt、PtB、Pt−SiO2等)層とを積層し
た構造を有する複層構造としてもよい。さらに、TbF
eCo等のアモルファス材料層と、上記CoCrPtC
u系合金層とを備えた複層構造とすることもできる。
【0020】Cuの添加効果としては、保磁力の向上、
Mr/Msの向上、逆磁区核形成磁界(−Hn)の増加
を挙げることができる。表1は、垂直磁性膜5の材料と
してCoCrPtCu系合金を用いた場合の特性と、こ
の材料からCuを除いたCoCrPt系合金を用いた場
合との特性を示すものである。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、CoCrPtC
u系合金を用いた場合(例1)には、CoCrPt系合
金を用いた場合(例2)に比べ、記録再生特性に大きな
差はないものの、保磁力Hc、Mr/Ms、および逆磁
区核形成磁界(−Hn)が向上し、熱揺らぎ耐性が大き
く改善された。また、CoCrPtCu系合金を用い、
Cr含有率を22at%にした場合(例1)と、Cr含
有率を24at%にした場合(例2)とを比較すると、
Cr含有率を24at%とした場合に、優れた記録再生
特性を得ることができた。優れた記録再生特性が得られ
たのは、熱揺らぎ耐性を劣化させることなく、Cr含有
率を高く設定することができたためであると考えること
ができる。
【0023】垂直磁性膜5の厚さは、3〜60nm(好
ましくは5〜40nm)とするのが好ましい。垂直磁性
膜5の厚さが上記範囲未満であると、十分な磁束が得ら
れず、再生出力が低下する。また、垂直磁性膜5の厚さ
が上記範囲を超えると、垂直磁性膜5内の磁性粒子の粗
大化が起き、記録再生特性が低下するため好ましくな
い。
【0024】垂直磁性膜5の保磁力Hcは、3000
(Oe)以上とされている。保磁力Hcが3000(O
e)未満の磁気記録媒体は、高記録密度化に不適であ
り、また熱揺らぎ耐性にも劣るため好ましくない。
【0025】垂直磁性膜5の逆磁区核形成磁界(−H
n)は0(Oe)以上2500(Oe)以下とされてい
る。逆磁区核形成磁界(−Hn)が0未満の磁気記録媒
体は、熱揺らぎ耐性に劣るため好ましくない。
【0026】垂直磁性膜5の残留磁化(Ms)と飽和磁
化(Mr)の比Mr/Msは0.85以上とされてい
る。Mr/Msが0.85未満の磁気記録媒体は、熱揺
らぎ耐性に劣るため好ましくない。
【0027】以下、逆磁区核形成磁界(−Hn)につい
て説明する。図2に示すように、MH曲線において、磁
化が飽和した状態から外部磁界を減少させる過程で外部
磁界が0となる点をaとし、磁化が0になった点をbと
し、点bでのMH曲線の接線と飽和磁化を示す直線との
交点をcとすると、逆磁区核形成磁界(−Hn)は、点
aと点cとの距離(Oe)で表すことができる。なお、
逆磁区核形成磁界(−Hn)は、外部磁界が負となる領
域に点cがある場合に正の値をとり(図2を参照)、逆
に、外部磁界が正となる領域に点cがある場合に負の値
をとる(図3を参照)。
【0028】垂直磁性膜5は、結晶粒子の平均粒径が5
〜15nmであることが好ましい。この平均粒径は、例
えば垂直磁性膜5の結晶粒子をTEM(透過型電子顕微
鏡)で観察し、観察像を画像処理することにより求める
ことができる。
【0029】保護膜6は垂直磁性膜5の腐食を防ぐとと
もに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損
傷を防ぐためのもので、従来公知の材料を使用でき、例
えばC、SiO2、ZrO2を含むものが使用可能であ
る。保護膜6の厚さは、1〜10nmとするのが望まし
い。潤滑剤7には、パーフルオロポリエーテル、フッ素
化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いるのが好
ましい。
【0030】本実施形態の磁気記録媒体にあっては、垂
直磁性膜5が、Co、Cr、Pt、Cuを含んだ材料か
らなり、Crの含有率が16at%以上24at%以
下、Cuの含有率が0.1at%以上4at%以下であ
り、保磁力Hcが3000(Oe)以上、逆磁区核形成
磁界(−Hn)が0(Oe)以上2500(Oe)以
下、残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)との比Mr/
Msが0.85以上である。このため、優れた熱揺らぎ
耐性を得ることができる。さらには、熱揺らぎ耐性を劣
化させることなく、Cr含有率を高く設定することがで
き、ノイズを低減し、記録再生特性を改善することがで
きる。
【0031】なお、熱揺らぎとは、記録ビットが不安定
となり記録したデータの熱消失が起こる現象をいい、磁
気記録媒体装置においては、記録したデータの再生出力
の経時的な減衰として現れる。また本発明において、垂
直磁性膜が複数の層からなる複層構造を有するものであ
る場合には、これら層のうち少なくとも1つが、上記第
1実施形態における垂直磁性膜5の構成を備えたもので
あればよい。
【0032】図4は、本発明の磁気記録媒体の第2の実
施形態を示すもので、この磁気記録媒体では、非磁性基
板1と軟磁性下地膜2との間に、磁気異方性が主に面内
方向を向いた硬磁性膜8が設けられている。硬磁性膜8
にはCoSm合金や、CoCrPtX2合金(X2:P
t、Ta、Zr、Nb、Cu、Re、Ni、Mn、G
e、Si、O、NおよびBのうち1種または2種以上)
を用いるのが好適である。硬磁性膜8は、保磁力Hcが
500(Oe)以上(好ましくは1000(Oe)以
上)であることが好ましい。硬磁性膜8の厚さは、15
0nm以下(好ましくは70nm以下)であることが好
ましい。硬磁性膜8の厚さが150nmを超えると、配
向制御膜3の表面平均粗さRaが大きくなるため好まし
くない。硬磁性膜8は、軟磁性下地膜2と交換結合して
おり、磁化方向が基板半径方向に向けられた構成とする
のが好ましい。硬磁性膜8を設けることにより、より効
果的に軟磁性下地膜2での巨大な磁区の形成を抑えるこ
とができるので、磁壁によるスパイクノイズの発生を防
止して、記録再生時のエラーレートを十分に低くするこ
とができる。硬磁性膜8の配向を制御するために、非磁
性基板1と硬磁性膜8との間にCr合金材料やB2構造
材料からなる下地膜を形成してもよい。
【0033】図5は、本発明の磁気記録媒体の第3の実
施形態を示すもので、この磁気記録媒体では、垂直磁性
膜5と保護膜6との間に軟磁性材料からなる磁化安定膜
9が設けられている。磁化安定膜9の材料としては、F
eCo系合金(FeCo、FeCoVなど)、FeNi
系合金(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、Fe
NiSiなど)、FeAl系合金(FeAl、FeAl
Si、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、Fe
AlOなど)、FeCr系合金(FeCr、FeCrT
i、FeCrCuなど)、FeTa系合金(FeTa、
FeTaC、FeTaNなど)、FeMg系合金(Fe
MgOなど)、FeZr系合金(FeZrNなど)、F
eC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系
合金、FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金
などを挙げることができる。またFeを60at%以上
含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZ
rN等の微結晶構造、あるいは微細な結晶粒子がマトリ
クス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用
いてもよい。磁化安定膜9の材料としては、上記のほ
か、Coを80at%以上含有し、Zr、Nb、Ta、
Cr、Mo等のうち少なくとも1種を含有し、アモルフ
ァス構造を有するCo合金を用いることができる。この
材料としては、CoZr系合金、CoZrNb系合金、
CoZrTa系合金、CoZrCr系合金、CoZrM
o系合金などを好適なものとして挙げることができる。
【0034】磁化安定膜9の保磁力Hcは200(O
e)以下(好ましくは50(Oe)以下)とするのが好
ましい。磁化安定膜9の飽和磁束密度Bsは、0.4T
以上(好ましくは1T以上)とするのが好ましい。ま
た、磁化安定膜9の飽和磁束密度Bsと膜厚tとの積B
s・tが7.2T・nm以下であること好ましい。この
Bs・tが上記範囲を超えると、再生出力が低下するた
め好ましくない。
【0035】垂直磁性膜5と保護膜6との間に軟磁性膜
からなる磁化安定膜9を設けることにより、熱揺らぎ耐
性の向上、再生出力の増加を図ることができる。これ
は、垂直磁性膜5の表面に存在する磁化の揺らぎを、こ
の磁化安定化膜9が安定化することにより、漏れ磁束が
揺らぎの影響を受けなくなり、再生出力が増加するため
であると考えられる。また、この磁化安定膜9が設けら
れていることにより、垂直磁性膜5の基板1の法線方向
の磁化と、軟磁性下地膜2および磁化安定膜9の面内方
向の磁化が、閉回路を形成する。この作用により、垂直
磁性膜4の磁化がより強固に固定されるので、優れた熱
揺らぎ耐性が得られると考えられる。
【0036】上記構成の磁気記録媒体を製造するには、
基板1上に、軟磁性下地膜2、配向制御膜3、中間膜
4、垂直磁性膜5を順次、スパッタ法、真空蒸着、イオ
ンプレーティングなどにより形成する。軟磁性下地膜
2、配向制御膜3の表面には、必要に応じて酸化処理を
施すこともできる。垂直磁性膜5を形成する際には、C
o、Cr、Pt、Cuを含有し、Crの含有率が16a
t%以上24at%以下、Cuの含有率が0.1at%
以上4at%以下である材料を用いる。また保磁力Hc
が3000(Oe)以上、逆磁区核形成磁界(−Hn)
が0(Oe)以上2500(Oe)以下、残留磁化(M
r)と飽和磁化(Ms)との比Mr/Msが0.85以
上となるように、成膜条件を選択する。次いで保護膜6
を、好ましくはプラズマCVD法、イオンビーム法、ス
パッタ法などにより形成する。潤滑剤7を形成するに
は、ディッピング法、スピンコート法などの従来公知の
方法を採用することができる。また、図4に示す磁気記
録媒体を製造するには、基板1と軟磁性下地膜2との間
に、スパッタ法などにより硬磁性膜8を形成する。図5
に示す磁気記録媒体を製造するには、垂直磁性膜5と保
護膜6との間にスパッタ法などにより磁化安定膜9を形
成する。
【0037】図6は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記
録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録
再生装置は、上記実施形態の磁気記録媒体10と、磁気
記録媒体10を回転駆動させる媒体駆動部11と、磁気
記録媒体10に情報を記録再生する磁気ヘッド12と、
ヘッド駆動部13と、記録再生信号処理系14とを備え
ている。記録再生信号処理系14は、入力されたデータ
を処理して記録信号を磁気ヘッド12に送ったり、磁気
ヘッド12からの再生信号を処理してデータを出力する
ことができるようになっている。磁気ヘッド12として
は、垂直記録用の単磁極ヘッドを例示することができ
る。図6(b)に示すように、この単磁極ヘッドとして
は、主磁極12aと、補助磁極12bと、これらを連結
する連結部12cに設けられたコイル12dとを有する
構成のものを好適に用いることができる。
【0038】上記磁気記録再生装置によれば、上記磁気
記録媒体10を用いるので、熱揺らぎ耐性および記録再
生特性を高めることができる。従って、データ消失など
のトラブルを未然に防ぐとともに、高記録密度化を図る
ことができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の作用効果を明
確にする。ただし、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)洗浄済みのガラス基板(オハラ社製、外形
2.5インチ)をDCマグネトロンスパッタ装置(アネ
ルバ社製C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、
到達真空度1×10-5Paとなるまで成膜チャンバ内を
排気した後、このガラス基板上に89Co−4Zr−7
Nb(Co含有率89at%、Zr含有率4at%、N
b含有率7at%)のターゲットを用いて100℃以下
の基板温度で厚さ100nmの軟磁性下地膜2をスパッ
タリングにより成膜した。この膜の飽和磁束密度Bsと
膜厚tの積Bs・tが110T・nmであることを振動
式磁気特性測定装置(VSM)で確認した。次いで、基
板を200℃に加熱して、上記軟磁性下地膜2上に、R
uターゲットを用いて厚さ20nmの配向制御膜3を形
成し、65Co−30Cr−5Bターゲットを用いて厚
さ5nmの中間膜4を形成し、59Co−22Cr−1
7Pt−2Cuターゲットを用いて厚さ25nmの垂直
磁性膜5を形成した。なお、上記スパッタリング工程に
おいては、成膜用のプロセスガスとしてアルゴンを用
い、圧力0.5Paにて成膜した。次いで、CVD法に
より厚さ5nmの保護膜6を形成した。次いで、ディッ
ピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑
膜7を形成し、磁気記録媒体を得た。(表2を参照)
【0040】(実施例2〜15)垂直磁性膜5の組成ま
たは厚さを変えた以外は、実施例1に準じて磁気記録媒
体を作製した。(表2参照)
【0041】(比較例1)垂直磁性膜5を、61Co−
22Cr−17Ptターゲットを用いて形成した(厚さ
25nm)以外は、実施例1に準じて磁気記録媒体を作
製した。(表2を参照)
【0042】(比較例2〜7)垂直磁性膜5を表2に示
すとおりとすること以外は、実施例1に準じて磁気記録
媒体を作製した。(表2参照)
【0043】これら実施例および比較例の磁気記録媒体
について、記録再生特性および熱揺らぎ特性を評価し
た。記録再生特性の評価は、GUZIK社製リードライ
トアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS
1701MPを用いて行った。記録再生特性の評価に
は、書き込み部に単磁極を用い、再生部にGMR素子を
用いた磁気ヘッドを用いて、記録周波数520kFCI
にて測定した。熱揺らぎ特性の評価については、70℃
の条件下で記録周波数50kFCIにて書き込みをおこ
なった後の再生出力の減衰率を(So−S)×100/
(So×3)に基づいて算出した。この式において、S
oは磁気記録媒体に書き込み後1秒経過時の再生出力を
示し、Sは1000秒後の再生出力を示す。上記値は熱
揺らぎ耐性の指標となる。これらの試験結果を表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】表2より、垂直磁性膜5にCoCrPtC
u系合金を用い、Cr含有率を16〜24at%、Pt
含有率を14〜24at%、Cu含有率を0.1〜4a
t%とした実施例では、優れた記録再生特性および熱揺
らぎ耐性が得られたことがわかる。
【0046】(実施例16〜18)垂直磁性膜5を2層
構造を有するものとし、これら2層のうちいずれかにC
oCrPtCu系合金を用いて磁気記録媒体を作製し
た。(表3を参照) 表中、垂直磁性膜5の組成は「下層の組成/上層の組
成」で示す。また厚さについても、「下層の厚さ/上層
の厚さ」で示す。
【0047】(比較例8)垂直磁性膜5を表3に示すと
おりとする以外は、実施例1に準じて磁気記録媒体を作
製した。(表3参照) これらの実施例および比較例の磁気記録媒体について、
記録再生特性および熱揺らぎ特性を評価した。試験結果
を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3より、CoCrPtCu系合金を用
い、Cr含有率を16〜24at%、Pt含有率を14
〜24at%、Cu含有率を0.1〜4at%とした層
を有する垂直磁性膜5を設けた実施例では、CoCrP
tCu系合金を用いない比較例に比べ、優れた記録再生
特性を示したことがわかる。
【0050】(実施例19〜25)軟磁性下地膜2の組
成を表4に示すとおりとする以外は、実施例1に準じて
磁気記録媒体を作製した。(表4参照) これらの実施例の磁気記録媒体について、記録再生特性
および熱揺らぎ特性を評価した。試験結果を表4に示
す。
【0051】
【表4】
【0052】表4より、いずれの実施例においても、優
れた記録再生特性を得ることができたことがわかる。
【0053】(実施例26〜30)配向制御膜3の材料
およびその厚さを表5に示すとおりとする以外は、実施
例1に準じて磁気記録媒体を作製した。(表5参照) これらの実施例の磁気記録媒体について、記録再生特性
および熱揺らぎ特性を評価した。試験結果を表5に示
す。
【0054】
【表5】
【0055】表5より、配向制御膜3に、hcp構造材
料、fcc構造材料、またはアモルファス材料を用いた
構成によって、優れた記録再生特性を得ることができた
ことがわかる。
【0056】(実施例31〜33)軟磁性下地膜2の表
面を酸素含有ガス(純酸素(100%O2)、50%O2
−50%Ar、または大気)に曝すことによって、軟磁
性下地膜2に酸化処理を施すこと以外は実施例1に準じ
て磁気記録媒体を作製した。(表6参照) これらの実施例の磁気記録媒体について、記録再生特性
および熱揺らぎ特性を評価した。試験結果を表6に示
す。
【0057】
【表6】
【0058】表6より、軟磁性下地膜2の酸化によっ
て、優れた記録再生特性が得られたことがわかる。
【0059】(試験例34〜40)中間膜4の材料およ
びその厚さを表7に示すとおりとする以外は、実施例1
に準じて磁気記録媒体を作製した。(表7参照) これらの実施例の磁気記録媒体について、記録再生特性
および熱揺らぎ特性を評価した。試験結果を表7に示
す。
【0060】
【表7】
【0061】表7より、いずれの実施例においても優れ
た記録再生特性が得られたことがわかる。
【0062】(実施例41〜43)非磁性基板1と軟磁
性下地膜2との間に、94Cr−6Moからなる下地膜
(厚さ20nm)を設け、その上に、表8に示す硬磁性
膜8を設けた以外は、実施例1に準じて磁気記録媒体を
作製した。(表8参照) これらの実施例の磁気記録媒体について、記録再生特性
および熱揺らぎ特性を評価した。試験結果を表8に示
す。
【0063】
【表8】
【0064】表8より、硬磁性膜8を設けることによっ
て、記録再生特性を悪化させることなく、軟磁性下地膜
2の磁壁起因のスパイク状ノイズを抑え、記録再生特性
を向上させることができたことがわかる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体にあっては、垂直磁性膜が、Co、Cr、Pt、C
uを含んだ材料からなり、Crの含有率が16at%以
上24at%以下、Cuの含有率が0.1at%以上4
at%以下であるので、記録再生特性を向上させるとと
もに、熱揺らぎ耐性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の第1の実施形態を
示す一部断面図である。
【図2】 MH曲線の一例を示すグラフである。
【図3】 MH曲線の他の例を示すグラフである。
【図4】 本発明の磁気記録媒体の第2の実施形態を
示す一部断面図である。
【図5】 本発明の磁気記録媒体の第3の実施形態を
示す一部断面図である。
【図6】 本発明の磁気記録再生装置の一例を示す概
略図であり、(a)は全体構成を示し、(b)は磁気ヘ
ッドを示す。
【符号の説明】
1…非磁性基板、2…軟磁性下地膜、3…配向制御膜、
4…中間膜、5…垂直磁性膜、6…保護膜、7…潤滑
膜、8…硬磁性膜、9…磁化安定膜、10…磁気記録媒
体、11…媒体駆動部、12…磁気ヘッド、12a…主
磁極、12b…補助磁極、12c…連結部、12d…コ
イル、13…ヘッド駆動部、14…記録再生信号処理系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/84 G11B 5/84 Z H01F 10/16 H01F 10/16 (72)発明者 坂脇 彰 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工エイチ・ディー株式会社内 (72)発明者 楊 輝 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工エイチ・ディー株式会社内 (72)発明者 望月 寛夫 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工エイチ・ディー株式会社内 (72)発明者 酒井 浩志 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工エイチ・ディー株式会社内 (72)発明者 彦坂 和志 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 中村 太 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 Fターム(参考) 4K029 AA09 AA24 BA02 BA24 BC06 BD11 CA05 5D006 AA02 AA05 BB02 BB07 CA01 CA03 CA05 DA03 DA08 EA02 FA09 5D112 AA03 AA04 AA05 AA07 AA24 BB05 BC07 BD02 BD03 FA04 5E049 AA04 BA06 BA08 DB12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、少なくとも、直上の
    膜の配向性を制御する配向制御膜と、磁化容易軸が基板
    に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜と、保護膜とが設
    けられ、 前記垂直磁性膜が、Co、Cr、Pt、Cuを含んだ材
    料からなり、Crの含有率が16at%以上24at%
    以下、Cuの含有率が0.1at%以上4at%以下で
    あり、 垂直磁性膜の保磁力(Hc)が3000(Oe)以上、
    逆磁区核形成磁界(−Hn)が0(Oe)以上2500
    (Oe)以下、残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)と
    の比Mr/Msが0.85以上であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 垂直磁性膜は、Crの含有率が18a
    t%以上24at%以下、Ptの含有率が14at%以
    上24at%以下、Cuの含有率が0.1at%以上3
    at%以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 垂直磁性膜は、CoCrPtCu系合
    金、CoCrPtCuTa系合金、CoCrPtCuB
    系合金、CoCrPtCuTaB系合金のいずれかから
    なるものであることを特徴とする請求項1または2記載
    の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性基板と軟磁性下地膜との間に、
    硬磁性材料からなる硬磁性膜が設けられていることを特
    徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の磁気記
    録媒体。
  5. 【請求項5】 垂直磁性膜上に、軟磁性材料からなる
    磁化安定膜が設けられていることを特徴とする請求項1
    〜4のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性基板上に、少なくとも、直上の
    膜の配向性を制御する配向制御膜と、磁化容易軸が基板
    に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜と、保護膜とを設
    け、前記垂直磁性膜を、Co、Cr、Pt、Cuを含ん
    だ材料からなり、Crの含有率が16at%以上24a
    t%以下、Cuの含有率が0.1at%以上4at%以
    下であるものとし、垂直磁性膜の保磁力(Hc)を30
    00(Oe)以上、逆磁区核形成磁界(−Hn)を0
    (Oe)以上2500(Oe)以下、残留磁化(Mr)
    と飽和磁化(Ms)との比Mr/Msを0.85以上と
    することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情
    報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装
    置であって、磁気ヘッドが単磁極ヘッドであり、磁気記
    録媒体が、非磁性基板上に、少なくとも、直上の膜の配
    向性を制御する配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し
    主に垂直に配向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けら
    れ、 前記垂直磁性膜が、Co、Cr、Pt、Cuを含んだ材
    料からなり、Crの含有率が16at%以上24at%
    以下、Cuの含有率が0.1at%以上4at%以下で
    あり、 垂直磁性膜の保磁力(Hc)が3000(Oe)以上、
    逆磁区核形成磁界(−Hn)が0(Oe)以上2500
    (Oe)以下、残留磁化(Mr)と飽和磁化(Ms)と
    の比Mr/Msが0.85以上であることを特徴とする
    磁気記録再生装置。
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