JP2013010834A - 耐候性と色相の優れた安定化された塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

耐候性と色相の優れた安定化された塩化ビニル系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
BaZn系やCaZn系の低毒性金属塩を含有した複合安定剤を添加してなる硬質塩化ビニル系樹脂組成物に、紫外線吸収剤を添加した際に生じる黄色化を、メルカプトのエステル化合物を添加することで耐候性を損なうことなく着色を防止し、色相の持続性や初期着色防止性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。

【解決手段】
塩化ビニル樹脂100重量部に、(a) カルボン酸またはアルキルフェノールの金属塩化合物の少なくとも1種0.05〜5重量部と、(b)β−ジケトン化合物の少なくとも1種0.0005〜10重量部と、(c)紫外線吸収剤の少なくとも1種以上を0.001〜3.0重量部、(d) メルカプトのエステル化合物を0.01〜3.0重量部を添加する。

【選択図】 なし

Description

本発明は、BaZn系やCaZn系の低毒性金属塩を含有した複合安定剤を添加してなる塩化ビニル系樹脂組成物に、紫外線吸収剤を添加した際に生じる黄色化を、メルカプトのエステル化合物を添加することで耐候性を損なうことなく着色を防止し、色相の持続性や初期着色防止性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。
ポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂は各種の優れた性質を有するが、これを熱成型加工すると脱塩化水素を伴う分解を起こして成形品が着色し、商品価値を低下させる欠点を有している。これを改善するために従来から種々の安定剤を添加して塩素含有樹脂の熱安定性を改善することが広く行われており、このような安定剤としては、鉛系、有機錫系、金属石鹸系がある。
また、ポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂組成物の成形品は、用途により屋外あるいは屋内において太陽光に曝される事などがあり、それによって着色や物理的性質の低下などおこし不具合が起きるなどの問題点があった。これら問題点を改善するため有機酸金属塩、無機金属塩、亜リン酸エステル類、有機錫系安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを各種配合して耐候劣化を改善しようと試みがされている。
しかしながら、耐候劣化を防止するために使用される紫外線吸収剤を多量添加すると、安定剤として添加されている金属化合物等と反応し成型加工時に着色が起き製品の本来の色調が出せなくなるなどの問題があった。
特開昭52−47948号公報 特開昭57−80444号公報 特開平6−192520号公報 米国特許第3644246号
本発明は、BaZn系やCaZn系の低毒性金属塩を含有した複合安定剤を主体として添加してなる塩化ビニル系樹脂組成物において成分として含有される紫外線吸収剤等によって生じる黄色変色化を、メルカプトのエステル化合物を添加することで耐候性を損なうことなく着色を防止し、色相の持続性や初期着色防止性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供しようとするものである。
本発明は、塩化ビニル樹脂100重量部に、(a) カルボン酸またはアルキルフェノールの金属塩化合物の少なくとも1種0.05〜5重量部と、(b)β−ジケトン化合物の少なくとも1種0.0005〜10重量部と、(c)紫外線吸収剤の少なくとも1種以上を0.001〜3.0重量部、(d)メルカプトのエステル化合物を0.01〜3.0重量部を添加してなる安定化された塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
上記のカルボン酸またはアルキルフェノールの金属塩化合物の金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。有機酸残基として、次に示すようなカルボン酸、またはフェノール、アルキルフェノールがある。カルボン酸は、炭素数1〜22の飽和または不飽和脂肪族のカルボン酸、炭素数7〜16の環式または複素環式カルボン酸、炭素数2〜10のヒドロキシ酸またはアルコキシ酸であり、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、イソデカン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、エポキシ化ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ケトステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酢酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、ラウリルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、パラターシャリーブチル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、アミノ安息香酸、サリチル酸、アミノ酢酸、グルタミン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、マレイン酸、チオジプロピオン酸等が挙げられる。フェノール、アルキルフェノールの例として、フェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ターシャリーブチルフェノール、オクチルフェノール、イソアミノフェノール、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
これらのカルボン酸の金属塩化合物、およびアルキルフェノールの金属塩化合物は酸性塩または中性塩であってもよく、塩基性塩、炭酸塩あるいは過塩基性塩であってもよい。また、これら有機金属塩の添加量は塩素含有樹脂100重量部に対しては、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。
これら金属塩類は1種または2種以上混合して使用することが出来る。
上記β−ジケトン化合物は初期着色防止剤として効果があり、例えばデヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、2−ベンゾイルシクロペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、アセチルステアロイルメタン、ベンゾイルアセトン、パルミトイルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、トリベンゾイルメタン、4−メトキシベンゾイル−ベンゾイルメタン、ビス(4−メトキシベンゾイルメタン)、4−クロロベンゾイル−ベンゾイルメタン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、アセチルアセトン、そしてベンゾイルテトラロンなどである。その他初期着色防止剤としてはスルホレン化合物を使用することができる。
本発明においては、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタンが、特に好んで用いられる。
上記のβ−ジケトン化合物は金属錯塩であってもよく、錯塩を構成する金属としては、ナトリウム、カルシウム、バリウムまたは亜鉛などである。
これら初期着色防止剤の添加量は、塩素含有樹脂100重量部に対し、0.0005〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部である。
これら初期着色防止剤は1種または2種以上混合して使用することができる。
本発明で用いられる代表的な紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系およびベンゾフェノン系がある。ベンゾトリアゾール系としては、例えば、2−(2´ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール化合物、およびコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物がある。ベンゾフェノン系としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン 2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノンなどがある。
本発明で用いられるメルカプトのエステル化合物は下記(化1)の一般式(1)表される。
(化1) HS(CHCOO−R (1)
(式中、nは1〜8、Rは炭素数1〜18までの直鎖あるいは側鎖のアルキルを表し、組成中にエーテル基が含まれても良い。)
上記メルカプトのエステル化合物としては、例えば、2−エチルへキシルメルカプトアセテート、イソオクチルメルカプトアセテート、2−エチルへキシルメルカプトプロピオネート、イソオクチルメルカプトプロピオネート、メトキシブチルメルカプトアセテート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)などがある。
本発明において2−エチルへキシルメルカプトアセテート、イソオクチルメルカプトアセテートが、特に好んで用いられる。
これらメルカプトのエステル化合物の添加量は、塩素含有樹脂100重量部に対し、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
これらメルカプトのエステル化合物は1種または2種以上混合して使用することができる。
本発明では、さらに(e)成分として、(化2)の一般式(2)で表されるハイドロタルサイト0.05〜10重量部を添加することにより、より効果的に塩素含有樹脂組成物の安定化を行うことができる。
(化2)
MgZnAl(OH)(An- z/n・mHO (2)
(式中、x+y+z=1、x>yであり、xは0<x<1の範囲を示し、yは0≦y<0.5の範囲を示し、zは0<z<0.5の範囲を示し、An-はn価の陰イオン(CO3 2−および/またはClO )を示し、mは0≦m<3の範囲を示す)
上記のハイドロタルサイト化合物には、天然物と合成品があり、いずれも本発明に使用可能である。また、表面を、ステアリン酸やオレイン酸のような高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩などの有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、ワックス、あるいは過塩素酸などで被覆したものも使用できる。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物には、更に安定化助剤を添加してもよい。使用できる他の安定化助剤としては、例えば、多価アルコールおよびそのエステル化合物、フェノール系あるいは硫黄系の酸化防止剤、有機亜リン酸エステル化合物類、有機リン酸エステル化合物類、ヒンダードアミン系光安定剤、初期着色防止剤、過塩素酸塩、無機酸化物、無機水酸化物、エポキシ化合物類および有機錫化合物類などが挙げられる。
上記有機亜リン酸エステル化合物は、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイト、アルキルアリールホスファイト、ビスフェノール−A−ホスファイト、多価アルコールホスファイト、エステル残基の有機基の一つ以上が水素原子によって置換されたアシッドホスファイトなどによって代表され、このようなホスファイト化合物としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリイソトリデシルホスファイト、トリイソデシルチオホスファイト、トリベンジルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリ−2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト、2,4−ジ−t−ブチルフェニルジイソデシルホスファイト、トリブトキシエチルホスファイト、4,4´−イソプロピリデンジフェニルアルキル(C12−C15)ジホスファイト、ペプキタス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、4,4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル−ジ−トリデシルホスファイト)などがある。
また、上記の有機亜リン酸エステル化合物中の有機残基の一つあるいは二つが水素原子によって置換されたアシッドホスファイトも有効であり、例えばジフェニルアシッドホスファイト、モノフェニルアシッドホスファイト、ジイソオクチルアシッドホスファイト、モノイソオクチルアシッドホスファイト、ジトリデシルアシッドホスファイト、ジベンジルアシッドホスファイト、ジノニルフェニルアシッドホスファイトなどである。
また、上記有機リン酸エステル化合物として、例えば、ノニルフェニルポリオキシエチレン(5〜55)リン酸、トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸などがある。更に、有機リン酸エステルの金属付加物(例えば、モノ−ジ混合イソオクチルホスフェートのマグネシウム、カルシウム、バリウムまたは亜鉛塩、モノ−ジ混合イソトリデシルホスフェートのマグネシウム、カルシウム、バリウムまたは亜鉛塩など)も熱安定化助剤として用いることが出来る。
また、上記有機リン酸エステル中の有機残基の一つあるいは二つが水素原子によって置換されたアシッドホスフェートも有効であり、例えば、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェートなどがある。さらにこれらアシッドホスフェートの金属塩、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウムまたは亜鉛塩などがある。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、例えばアルキル化フェノール、アルキル化フェノールエステル、アルキレンまたはアルキリデンビスフェノール、ポリアルキル化フェノールエステルであり、これらは、例えばブチル化ヒドロキシトルエン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4´−ジヒドロキシ−2,2´−ジフェニルプロパン、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。そして、含イオウアルカン酸アルキルエステルとしては、例えばジラウリルチオプロピオン酸エステル、ジステアリルチオプロピオン酸エステルなどである。
上記エポキシ化合物とは、エポキシ化不飽和油脂、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル、エポキシシクロヘキサン誘導体またはエピクロロヒドリン誘導体であり、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸のブチル、イソオクチル、2−エチルヘキシルなどのアルキルエステル、およびカルシウム、亜鉛などの金属塩、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、エポキシポリブタジエン、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルなどである。
上記有機錫系化合物としては、例えば、ジメチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジメチル錫サルファイド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジオレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫ビス(ステアリルマレート)、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジオクチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫メルカプトアセテート、モノブチル錫トリス(2−エチルへキシルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、モノオクチル錫トリス(2−エチルへキシルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジメチル錫ビス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、モノオクチル錫トリス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)などがあげられる。また、これら有機錫系化合物の添加量は塩素含有樹脂100重量部に対し、0.01から10重量部、好ましくは0.05から5重量部である。
上記光安定剤として用いられるものは、例えばポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などのヒンダードアミン化合物である。
上記多価アルコール、およびそのエステル化合物としては、例えばモノおよびジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトールであり、この多価アルコールとカルボン酸、アミノ酸またはロジンとのエステル化合物、例えばステアリン酸ペンタエリスリトール、アジピン酸ペンタエリスリトール、アジピン酸ジペンタエリスリトール、ピロリドンカルボン酸ジペンタエリスリトール、グルタミン酸ペンタエリスリトール、ウッドロジンペンタエリスリトール、無水マレイン酸ウッドロジンペンタエリスリトール、ウッドロジングリセロールエステルである。また、含窒素化合物である1,2,3−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、2−メルカプトベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物、β−アミノクロトン酸と1,3,または1,4−ブタンジオール、1,2−ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、ラウリルアルコールなどとのエステル化合物、そしてトリス(2−ヒドロキシルエチル)イソシアネート、トリス(メルカプトエチル)イソシアヌレート化合物等も用いることが出来る。
本発明には塩化ビニル樹脂などの塩素含有樹脂が使用されるが、塩素含有樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−アルキル、シクロアルキル又はアリールマレイミド共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、などを挙げる事ができる。樹脂の形状や重合・製造方法には特に限定されない。
更に本発明において、必要に応じて、可塑剤、帯電防止剤、防曇剤、防錆剤等の金属不活性剤、防黴剤、殺菌剤、低分子アクリル酸エステルオリゴマーなどのプレートアウト防止剤、離型剤、粘度低下剤、界面活性剤、蛍光増白剤、発泡剤、アクリル系セル調整剤、加工助剤、耐衝撃強化剤、滑剤等、無機塩または無機金属化合物や、顔料、炭酸カルシウムやクレーなどの充填剤、難燃剤、表面処理剤、架橋剤、補強剤、耐熱性向上剤等これらはその目的に応じて適宜に使用することができる。
上記可塑剤としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ−混合−アルキル(C9〜11)フタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタレート系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシルアジペートなどのアジペート系可塑剤、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリブチルトリメリテートなどのトリメリテート系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジブチルセバケートなどのセバケート系可塑剤、その他ホスフェート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤、エポキシ系可塑剤などがあげられる。
上記無機塩または無機金属化合物は、例えば、金属がナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウムまたはスズで、これらの金属の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩、塩基性炭酸塩、塩基性リン酸塩である。そしてこれらの化合物は複塩であってもよく、また無水和物でも結晶水を有する水和物であっても良く、さらには混合物などの形態をとっていてもよい。また、多価アルコール等との錯化合物であっても良い。
これらの無機塩または無機金属化合物の代表的なものは、例えば、(化3)で表されるカルシウム含有水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム−アルミニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸アルミニウム18水和物、硫酸アルミニウム−ナトリウム12水和物、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、オルトリン酸カルシウム、オルトリン酸亜鉛、ナトリウム置換型A型ゼオライト、カルシウム置換型A型ゼオライト、マグネシウム置換型A型ゼオライト、ワラストナイト類、トベルモライト類などである。
(化3)
Ca(1−x)(OH) (3)

(式中、MはMgおよびAlを示し、xは0.005<x<0.5の範囲を示す)
上記加工助剤、耐衝撃強化剤として用いられるものは、塩素化ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、アクリロニトリルメチルメタクリレートブタジエンスチレン共重合体、メタクリレートブタジエンスチレン共重合体(MBS)、アクリロニトリル塩素化ポリエチレンスチレン共重合体、アクリルゴムアクリロニトリルスチレン共重合体、アクリルゴムメチルメタクリレートアクリロニトリル共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂などである。
以上の様に、本発明の紫外線吸収剤を添加した際に黄色化するBaZn系やCaZn系の低毒性金属塩を含有した複合安定剤を添加してなる硬質塩化ビニル系樹脂組成物に、メルカプトのエステル化合物を添加することで耐候性を損なうことなく着色を防止し、色相の持続性や初期着色防止性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供することが出来る。
次に本発明を以下の実施例に基づいて更に説明する。然しながら本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
表1の各成分を配合し、これを190℃で3分間8インチロールにて混練し、厚さ約0.4mmの試験用シートを作成した。この試験用シートを8枚重ねあわせ厚さ約3mm、190℃、150kg/cmの条件下で2分間プレスを行い、着色の色相を測定した。評価方法は10段階で、無着色のものを10とし黒色(あるいは濃色)に変化したものを1とし目視で判断した。
上記の方法で作成した試験用シートを3cm四方に切り、耐候性(促進試験)スーパーUVによる着色性の評価を行った。促進試験の条件は、照射強度:75mW/cm2、ブラックパネル温度:63℃、1サイクル:8時間(照射4時間、無照射4時間)、照射時:63℃×湿度70%、無照射時:30℃×湿度90%以上。サンプリングは2サイクル毎に行い評価方法は10段階で、無着色のものを10とし黒色(あるいは濃色)に変化したものを1とし目視で判断した。
Figure 2013010834
上記(表1)に記された※記の配合剤は以下の通りである。

1 アクリル系強化剤 :三菱レイヨン(株)製 メタブレンW−300

2 加工助剤 :三菱レイヨン(株)製 メタブレン−P530

3 紫外線吸収剤A :2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール

4 紫外線吸収剤A−1 : 2−(2−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール

5 紫外線吸収剤B :2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン

6 HT−7 :協和化学(株) 合成ハイドロタルサイト アルカマイザー7
※ 7 酸化防止剤 :テトラキス[メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン

8 有機系耐熱助剤 :ジペンタエリスリトールアジピン酸エステル化合物

9 OTG :2−エチルへキシルメルカプトアセテート
上記表の比較例1、2、3、4から分かるように各種紫外線吸収剤を添加した場合は促進耐候性において優れた色相の持続性が認められるものの、プレスシートの着色が確認され初期着色がおき色相が悪くなったことが分かる。比較的にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加したときの変色が大きい。
実施例1、2、から分かるように2−エチルへキシルメルカプトアセテートを比較例2から添加し、また増量することで促進耐候性を悪くせずプレスシートの初期着色防止性が段階的に改善されることが分かった。
実施例3、4から分かるように2−エチルへキシルメルカプトアセテートをそれぞれ比較例3、4から添加することで促進耐候性を悪くせずプレスシートの初期着色防止性が改善されることが分かった。
比較例6では、安定剤として初期着色防止効果があるステアロイルベンゾイルメタンを比較例2から増量した場合、プレスシートの着色防止効果は認められるが、2−エチルへキシルメルカプトアセテートほどの効果は認められなかった。
比較例5では安定剤として初期着色防止に効果があるZnsteを比較例2から増量したが、プレスシートの初期着色防止効果は認められないことが分かった。
以上の結果から、紫外線吸収剤を添加することで成型加工時に黄変色する樹脂組成物に、メルカプトのエステル化合物を添加することで耐候性を損なうことなく初期着色を改善できることは明らかである。
優れた耐候性が要求され紫外線吸収剤が含有するポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂組成物の加工時の着色を防止でき、有効に適用できる。

Claims (4)

  1. 塩化ビニル樹脂100重量部に、(a)カルボン酸またはアルキルフェノール金属塩化合物の少なくとも1種0.05〜5重量部と、(b)β−ジケトン化合物の少なくとも1種0.0005〜10重量部と、(c)紫外線吸収剤の少なくとも1種以上を0.001〜3.0重量部、(d) メルカプトのエステル化合物を0.01〜3.0重量部を添加してなる安定化された塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. カルボン酸またはアルキルフェノールの金属塩化合物の金属が、亜鉛、バリウム−亜鉛、カルシウム−亜鉛またはカルシウム−マグネシウム−亜鉛、マグネシウム−亜鉛のいずれかの組み合わせである請求項1に記載の安定化された塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. メルカプトのエステル化合物が(化1)の一般式(1)表される請求項1に記載の安定化された塩化ビニル系樹脂組成物。
    (化1) HS(CHCOO−R (1)
    (式中、nは1〜8、Rは炭素数1〜18までの直鎖あるいは側鎖のアルキルを表し、組成中にエーテル基が含まれても良い。)
  4. (e)成分として、(化2)の一般式(2)で表されるハイドロタルサイト0.05〜10重量部を添加してなる請求項1に記載の安定化された塩化ビニル系樹脂組成物。
    (化2) MgZnAl(OH)(An- z/n・mHO (2)
    (式中、x+y+z=1、x>yであり、xは0<x<1の範囲を示し、yは0≦y<0.5の範囲を示し、zは0<z<0.5の範囲を示し、An-はn価の陰イオン(CO3 2−および/またはClO )を示し、mは0≦m<3の範囲を示す)
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