JP2013002318A - 燃料供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射弁の過剰噴射異常が生じた場合に適切に対処する。
【解決手段】エンジン10の燃料供給システムでは、燃料ポンプ22が駆動されることにより、燃料タンク21内に貯蔵された燃料がインジェクタ18に供給される。ECU40は、インジェクタ18から燃料が噴きっ放しになる過剰噴射異常を検出する異常検出手段と、車両が停止しているか否かを判定する停車判定手段とを備える。また、異常検出手段により過剰噴射異常が検出され、かつ停車判定手段により停車していると判定された場合に、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの燃料供給制御装置に関し、特に、燃料ポンプにより燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給システムにおいて、燃料噴射弁から燃料が噴きっ放しになる異常の発生時の措置に関する。
エンジンの燃料供給系の異常態様の一つとして、燃料噴射弁から燃料が噴きっ放しになる過剰噴射異常がある。燃料噴射弁の過剰噴射異常が生じた場合、燃料噴射弁から噴射された燃料が液体のままシリンダ内に溜まってしまい、その溜まった液体の燃料によってエンジンの圧縮負荷が高まる結果、コンロッド等のエンジン構成部品の破損を招くおそれがある。
そこで、従来、燃料噴射弁の過剰噴射異常が生じた場合の措置について種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の制御装置では、アイドルストップ制御によるエンジン停止中に、燃料系の故障によって燃料の噴きっ放しが生じていることが検出された場合、エンジンの再始動を禁止する。これにより、シリンダ内に燃料が溜まった状態でのエンジン再始動を禁止し、エンジン構成部品の破損を回避するようにしている。また、特許文献1には、上記とは逆に、アイドルストップ制御によるエンジン停止中に上記異常が検出された場合には、エンジンの再始動要求がなくてもエンジンを再始動させることも提案されている。これにより、過剰噴射された燃料をエンジンで燃焼し、排気性能を確保するようにしている。
特開2009−203840号公報
しかしながら、燃料の過剰噴射異常時において、特許文献1のようにエンジン停止後の次回のエンジン再始動を禁止した場合、車両動力源としてエンジンのみを備える車両では退避走行を実施できなくなってしまう。また、アイドルストップ中において燃料の過剰供給が継続されたままであるため、エンジンから排出される未燃ガスによって車両周囲のHC濃度が高くなることが考えられる。特に、車両が車庫等の閉空間に駐車された場合には、その空間のHC濃度が高くなりやすい。
また、上記特許文献1において、後者のように、過剰噴射された燃料を燃焼させる構成とした場合でも、燃料の噴きっ放しの状況では過剰噴射された燃料を燃焼処理しきれないこともあり、未燃ガスが排出されるおそれが未だ残ってしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、燃料噴射弁の過剰噴射異常が生じた場合に適切に対処することができる燃料供給制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、燃料タンク内に貯蔵された燃料を、燃料ポンプを駆動して燃料噴射弁に供給するエンジンの燃料供給システムに適用される燃料供給制御装置に関する。特に、請求項1に記載の発明は、前記燃料噴射弁から燃料が噴きっ放しになる過剰噴射異常を検出する異常検出手段と、車両が停止しているか否かを判定する停車判定手段と、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出され、かつ前記停車判定手段により停車していると判定された場合に、前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する供給停止手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、燃料噴射弁から燃料が噴きっ放しになる異常時には、車両が走行停止状態になった場合に燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給を停止するため、上記異常時において燃料噴射弁の燃料圧力が下がり、燃料噴射弁からエンジンの燃焼室内に燃料が過剰供給されないようにすることができる。これにより、上記異常時に車両が例えば車庫内等に駐車された場合に、エンジンから排出される未燃ガスによって、車庫内等の空間におけるHC濃度が高くなるのを回避することができる。また、燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料の供給停止によってエンジンの運転が強制的に停止されるが、エンジンの始動要求があった場合には、燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給を再開することにより、エンジンを再始動させることができる。
また、停車後に燃圧が所定の加圧状態のままであると、燃料の噴きっ放しにより、エンジンのシリンダ内に液体の燃料が溜まった状態になることが考えられる。特に、停車後にエンジンの運転が停止されてエンジンが非回転の状態になった場合には、シリンダ内に燃料が溜まりやすくなる。この場合、その溜まった燃料によってエンジンの圧縮負荷が高くなり、エンジンを再始動できないおそれがある。その点、上記構成によれば、停車状態になった場合に燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給を停止するため、燃料噴射弁に供給される燃料の圧力(燃圧)が減少され、ひいては、シリンダ内に燃料が溜まるのを抑制することができる。その結果、次回のエンジン再始動時にエンジンが始動できなくなるのを回避することができる。
請求項2に記載の発明では、前記供給停止手段は、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出され、かつ前記停車判定手段により停車していると判定された場合、その停車の状態が所定時間継続した時点で前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する。
車両が走行停止状態になった場合でも、例えば信号待ちや渋滞時では、停車してから発進するまでの時間が短かったり、停車と発進とが繰り返し行われたりすることがある。このような場合に、燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給を停止してエンジンの運転を強制停止させると、ドライバビリティの低下を招くおそれがある。その点、上記構成によれば、噴きっ放し異常時での停車の状態が所定時間継続した後に燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給を停止するため、ドライバビリティの低下をできるだけ抑制しつつ、過剰噴射異常に伴う不都合を抑制することができる。
ここで、燃料の噴きっ放しによるシリンダ内での燃料の貯留は、エンジン回転速度が所定の低回転速度域(例えばアイドル回転速度未満)になることで起こりやすくなる。また、車両の走行状態やエンジンの運転状態によっては、車両が走行停止状態になるよりも、エンジン回転速度が所定の低回転速度域に入るタイミングの方が早いことがある。
その点に鑑み、請求項3に記載の発明では、車両減速時において、エンジン回転速度が所定の低回転速度未満か否かを判定する回転速度判定手段を備え、前記供給停止手段は、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出されかつ前記停車判定手段により停車したと判定された状況になる前に、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出されかつ前記回転速度判定手段によりエンジン回転速度が前記所定の低回転速度未満であると判定された状況になった場合に前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する。つまり、この構成では、車両が停止するか、又はエンジン回転速度が所定の低回転速度未満になるかのいずれか早いタイミングを基準に、燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給が停止されることになる。これにより、燃料の噴きっ放しが原因でシリンダ内に燃料が貯留するのを好適に抑制することができ、ひいては、次回のエンジン再始動時おいて始動不良が生じるのをより確実に抑制することができる。
請求項4に記載の発明では、前記供給停止手段による前記燃料噴射弁への燃料供給の停止に伴いエンジンの運転が停止された後において、エンジンの始動要求があったことを検出する始動検出手段を備え、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出されたままの状態において、前記始動検出手段により始動要求があったことが検出された場合に、前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を再開する。この構成では、噴きっ放しの異常時であってもエンジン始動を優先させ、これにより退避走行を可能にする。ここで、エンジン始動要求については、例えばエンジンの始動装置が駆動されたか否かに基づいて判定したり、あるいはエンジン回転速度に基づいて判定したりする。
請求項5に記載の発明では、エンジンの排気通路において、排気を浄化する排気浄化装置が設けられており、車両走行状態において前記燃料噴射弁の燃料噴射を停止してエンジンの燃焼を停止させる所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定する燃料カット条件判定手段を備え、前記供給停止手段は、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出され、かつ前記燃料カット条件判定手段により前記燃料カット条件が成立したと判定された場合に、前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する。
車両走行状態での燃料カットの実行中では、エンジンでの燃料の燃焼が停止されるため、過剰噴射異常が生じている燃料噴射弁から噴射された未燃燃料は、そのまま排気浄化装置へ輸送される。また、排気浄化装置に未燃燃料が付着した後、その付着燃料が、例えば車両の高負荷運転時において高温の排気に曝された場合には、付着燃料が燃焼することで排気浄化装置が過昇温し、排気浄化装置の破損や劣化を招くことが懸念される。したがって、上記構成のように、燃料カットの実行中では、燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給を停止するのが望ましく、これにより、排気浄化装置の保護を図ることができる。
請求項6に記載の発明では、前記燃料カット条件の成立に伴うエンジンの燃焼停止後において、エンジン回転速度が所定の復帰回転速度よりも低くなった場合にエンジンの燃焼を再開する手段と、前記異常検出手段による前記過剰噴射異常の検出時において、前記復帰回転速度として、前記過剰噴射異常が検出されていない正常時よりも高回転側の異常時回転速度を設定する設定手段と、を備え、前記供給停止手段により前記燃料カット条件の成立に伴い前記燃料噴射弁への燃料供給を停止した場合において、エンジン回転速度が前記異常時回転速度よりも低くなった時点で前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を再開する。
燃料の噴きっ放しの異常時には、正常時に比べて、燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給の停止後に燃圧が大気圧まで低下するのが早くなる。また、燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料の供給停止の状態から燃料供給の状態に切り替えた場合に、燃料が所定燃圧まで昇圧していないと、燃料噴射弁から噴射される燃料の圧力が低くなり、エンジンストールが発生しやすくなる。その点、上記構成によれば、燃料ポンプによる燃圧上昇の所要時間を考慮して、エンジンの燃焼復帰を正常時よりも高回転側で実施することにより、エンジンストールが生じるのを抑制することができる。
また、燃料ポンプによる燃圧上昇の所要時間を考慮した場合の構成としては、請求項7に記載の発明のように、前記燃料カット条件の成立に伴うエンジンの燃焼停止後において、エンジン回転速度が所定の復帰回転速度よりも低くなった場合にエンジンの燃焼を再開する手段を備え、前記供給停止手段により前記燃料カット条件の成立に伴い前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を停止した場合において、エンジン回転速度が前記復帰回転速度に達する前に前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を再開する構成としてもよい。
上記構成によれば、エンジンの燃焼再開時において燃料を所定燃圧まで昇圧させておくことができ、これにより、エンジンストールが生じるのを回避することができる。また特に、請求項7に記載の構成では、復帰回転速度については変更せず(燃焼復帰するエンジン回転速度は変更せず)、燃料ポンプによる燃料供給のみを早目に実施するため、正常時と同じタイミングでエンジンの燃焼を再開させることができる。
エンジン制御システムの全体概略構成図。 車両停止時の処理手順を示すフローチャート。 エンジン再始動時の処理手順を示すフローチャート。 停車タイマ算出処理の処理手順を示すフローチャート。 過剰噴射異常時の制御の具体的態様を示すタイムチャート。 他の実施形態における過剰噴射異常時の制御の具体的態様を示すタイムチャート。 他の実施形態における過剰噴射異常時の制御の具体的態様を示すタイムチャート。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしている。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。このエンジン制御システムの全体概略構成図を図1に示す。
図1に示すエンジン10において、吸気通路11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられており、エアクリーナ12の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ13によって開度調節される空気量調整手段としてのスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ13に内蔵されたスロットル開度センサ(図示略)により検出される。
スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク15が設けられ、サージタンク15において、吸気管圧力を検出するための吸気圧センサ16が設けられている。サージタンク15には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド17が接続されており、吸気マニホールド17において、各気筒の吸気ポート近傍には、燃料を噴射供給するインジェクタ18が取り付けられている。
インジェクタ18には、燃料配管19を介して燃料タンク21が接続されている。また、燃料配管19の最上流部には、電動式の燃料ポンプ22が配置されている。燃料ポンプ22は、燃料タンク21内に貯蔵された燃料(本実施形態ではガソリン)を汲み上げてフィード圧(例えば0.3MPa)まで加圧し、その加圧した燃料を、燃料配管19を介してインジェクタ18に供給する。なお、図1では、エンジン10の吸気ポート近傍にインジェクタ18を設けたが、これに代えて、各気筒のシリンダヘッド等に設ける構成としてもよい。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートには、それぞれ吸気バルブ23及び排気バルブ24が設けられている。吸気バルブ23の開動作により、空気と燃料との混合気が燃焼室25内に導入され、排気バルブ24の開動作により、燃焼後の排ガスが排気通路26に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ27が取り付けられている。点火プラグ27には、点火コイル等よりなる点火装置を通じて、所望とする点火時期に高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ27の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室25内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
エンジン10の排気通路26には、排気中のCO,HC,NOx等を浄化するための触媒28が設けられており、本実施形態では触媒28として三元触媒が用いられている。また、触媒28の上流側には、排気を検出対象として混合気の空燃比(酸素濃度)を検出する空燃比センサ29が設けられている。
また、本システムには、エンジン10の出力軸(クランク軸)を回転させてエンジン10に初期回転を付与するスタータ31が設けられている。なお、スタータ31の駆動時には、スタータ31からECUにスタータ信号が入力されるようになっている。その他、本システムには、冷却水温を検出する冷却水温センサ32や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ33、車両の速度を検出する車速センサ34などが配置されている。
ECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)41を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU40のマイコン41は、前述した各種センサなどから各々検出信号を入力し、それらの各種検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算するとともに、それら演算結果に基づいてインジェクタ18や点火装置の駆動を制御する。
例えば燃料噴射量制御について、マイコン41は、エンジン10の吸入空気量とエンジン回転速度とから基本燃料量を算出し、その基本燃料量に対して各種補正を行うことにより最終制御量を算出する。そして、最終制御量を噴射時間に換算し、その換算した噴射時間だけインジェクタ18の噴射口が開くようにインジェクタ18の通電時間を制御する。
ところで、燃料噴射制御における異常の態様の一つとして、意図せずにインジェクタ18から燃料が噴きっ放しになる過剰噴射異常がある。過剰噴射異常の原因としては種々考えられるが、例えば、ECU40の回路故障に起因してインジェクタ18への通電が継続されることで、インジェクタ18の噴射口が開口した状態のままとなり、その結果、燃料が噴射されたままになることが挙げられる。このような過剰噴射異常が生じた場合、種々の不都合が生じることが懸念される。
例えば、過剰噴射異常が生じた状態で車両の走行が停止した場合に、インジェクタ18から燃料が噴きっ放しになると、エンジン10から車外に未燃ガスが排出され、これにより、車両周囲のHC濃度が高くなるおそれがある。特に、車両が車庫内などの閉空間に駐車された場合には、その空間内のHC濃度が高くなりやすくなる。
また、停車後において、インジェクタ18に供給される燃料の圧力が所定の加圧状態(例えば0.3MPa)のままであると、インジェクタ18から噴射された燃料が液体のまま燃焼室25内に溜まってしまい、その溜まった燃料が原因でエンジン10の圧縮負荷が過大になることが考えられる。特に、エンジン10が非回転の状態では、燃焼室25内に燃料が溜まりやすくなる。そのため、車両停止時にエンジン10の運転が停止した場合、その運転停止後においてエンジン10を再始動しようとしても、スタータ31ではクランク軸を非回転の状態から回転状態にすることができず、結果としてエンジン10を始動できないことがある。また、圧縮負荷が過大になることに起因して、コンロッド等のエンジン構成部品が破損することも考えられる。
そこで、本実施形態では、燃料が噴きっ放しになる過剰噴射異常が検出され、かつ車両が停止していると判定された場合に、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止することとしている。つまり、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止することで燃料の噴きっ放しを停止させ、これにより、未燃ガスの排出やエンジン10の始動不可を回避するようにしている。
次に、図2〜図4のフローチャートを用いて、本実施形態の燃料噴射異常時の処理手順について説明する。なお、図2は車両停止時の処理手順を示し、図3はエンジン再始動時の処理手順を示し、図4は停車タイマ算出処理の処理手順を示す。これらの処理は、ECU40のマイコン41により所定周期毎に実行される。
まず、図2を用いて、車両停止時の処理手順について説明する。図2において、ステップS11では、燃料の過剰噴射異常が生じているか否かを判定する。本実施形態では、インジェクタ18の一対の端子電極のうち少なくとも一方に電流センサなどの検出部を設けておき、同検出部によりインジェクタ18に常に(例えば所定時間以上)電流が流れていることが検出された場合に過剰噴射異常が発生していると判断する。あるいは、インジェクタ18の弁体の位置を検出する位置センサを設けておき、その検出結果からインジェクタ18の噴射口が常開になっている(過剰噴射異常が生じている)ことを検出してもよい。
過剰噴射異常が発生している場合には、ステップS12へ進み、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給(燃料圧送)を停止するためのポンプ停止条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、車両が停止している第1条件(停車条件)、及びエンジン回転速度が判定値N1未満である第2条件(回転速度条件)の少なくともいずれかが成立しているか否かを判定する。この判定値N1は、アイドル回転速度Ni(例えば700〜800rpm)よりも低回転側の値(例えば300rpm)に設定されている。
ここで、エンジン回転速度が所定の低回転速度域(例えば300rpm以下)では、噴きっ放し状態のインジェクタ18から噴射された燃料が、液体のままエンジン10に貯留されやすく、その結果、エンジン10の回転停止後においてエンジン10を再始動しようとしても、溜まった燃料によって圧縮負荷が過大になることで、エンジン10を始動できないおそれがある。そこで、本実施形態では、車速ゼロになる前にエンジン回転速度が所定の低回転速度域になる場合があることを考慮して、ポンプ停止条件として、第1条件と第2条件とを含むものとしている。
第1条件及び第2条件が成立していなければ、ステップS13へ進み、条件判定フラグF1をオフにする。一方、第1条件及び第2条件の少なくともいずれかが成立している場合にはステップS14へ進み、条件判定フラグF1をオンにする。また、図4の停車タイマ算出処理により算出される停車タイマの値を取得する。この停車タイマは、過剰噴射異常時においてポンプ停止条件が成立している時間、つまり、過剰噴射異常が検出された状態での停車の継続時間、又は過剰噴射異常が検出された状態での低回転状態の継続時間であり、マイコン41により算出されるようになっている。なお、図4の停車タイマ算出処理の処理手順については後述する。
続くステップS15では、取得した停車タイマが判定値T1よりも大きいか否かを判定する。判定値T1について本実施形態では、第1条件の成立に伴い条件判定フラグF1がオンされた場合と、第2条件の成立に伴い条件判定フラグF1がオンされた場合とで同じ値が設定されるが、両者で異なる値が設定されるようにしてもよい。後者の場合、具体的には、例えば、第1条件が成立した場合に用いる判定値T1を、第2条件が成立した場合に用いる判定値T1よりも大きい値に設定する。
停車タイマが判定値T1以下の場合には、一旦本処理を終了する。この場合、燃料ポンプ22への通電を継続して燃料ポンプ22を駆動したままにすることで、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料の供給を継続する。一方、停車タイマが判定値T1よりも大きい場合には、ステップS16へ進み、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料の供給を停止する。具体的には、燃料ポンプ22への通電を停止することで、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料の供給を停止する。これにより、全ての気筒において、インジェクタ18への燃料供給が停止され、エンジン10の運転が強制的に停止される。ステップS16では、併せてポンプ停止フラグF2をオンにする。
次に、エンジン始動時の処理手順について図3を用いて説明する。図3において、ステップS21では、ポンプ停止フラグF2がオンか否かを判定し、F2=オンの場合、ステップS22へ進み、エンジン10の再始動要求があったか否かを判定する。ここでは、スタータ信号に基づいて、エンジン10の再始動要求があったか否かを判定する。このとき、スタータ信号が入力され、スタータ31の駆動が開始されたと判定された場合には、ステップS23へ進み、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を再開する(燃料ポンプ22への通電を再開する)とともに、条件判定フラグF1及びポンプ停止フラグF2をオフにする。
次に、図4の停車タイマ算出処理について説明する。図4において、ステップS31では、条件判定フラグF1がオンか否かを判定する。F1=オンの場合にはステップS32へ進み、停車タイマをカウントアップする。一方、F1=オフの場合にはステップS33へ進み、停車タイマをゼロにリセットする。
次に、過剰噴射異常時の制御の具体的態様について、図5のタイムチャートを用いて説明する。図5中、(a)は車速の推移、(b)はエンジン回転速度の推移、(c)は停車タイマの推移、(d)は燃料ポンプ22のオン/オフの推移、(e)はスタータ31のオン/オフの推移、(f)は条件判定フラグF1の推移、(g)はポンプ停止フラグF2の推移を示す。なお、図5では、ECU40により燃料の過剰噴射異常が検出されている場合を想定している。
車両走行中のタイミングt11で、燃料カットの実施条件(例えば、エンジン回転速度が所定回転速度以上かつアクセルオフ)が成立すると、燃料噴射及び点火が停止され、これにより、車速及びエンジン回転速度が低下する。なお、燃料カットは、エンジン回転速度がアイドル回転速度又はその付近に定められた所定の復帰回転速度に達した時点で解除されて燃料噴射状態に復帰する。その後、車速がゼロになるか、又はエンジン回転速度が判定値N1未満になると、そのタイミングt12で停車タイマのカウントアップが開始される。なお、図5では、車速ゼロになった時点においてエンジン10がアイドル運転状態で制御されている場合を想定している。このとき、異常が生じている気筒については、過剰量の燃料が噴射された状態になっている。
この状態において、車速ゼロ(t12)になってから所定時間が経過し、停車タイマが判定値T1に達すると、そのタイミングt13で、燃料ポンプ22への通電が停止される。この通電オフにより、エンジン運転状態において燃料ポンプ22の駆動が停止され、燃料タンク21内からインジェクタ18への燃料供給が停止される。また、燃料供給の停止に伴いエンジン回転速度が低下し、エンジン10の運転が停止される。
その後、エンジン10を再始動させるべくドライバが操作して、スタータ31が駆動された場合を考える。この場合、スタータ31がオンされたタイミングt14で、燃料ポンプ22への通電が開始される。これにより、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給が再開され、エンジン10での燃焼が行われる結果、退避走行が可能になる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
インジェクタ18から燃料が噴きっ放しになる異常が検出され、かつ車両が走行停止状態になったことが判定された場合に、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止する構成とした。このため、噴きっ放し異常かつ停車時において燃料圧力が下がり、これにより、インジェクタ18からエンジン10のシリンダ内に燃料が過剰供給されないようにすることができる。したがって、噴きっ放しの異常時に車両が例えば車庫内等に駐車された場合に、エンジン10から排出される未燃ガスによって、車庫内等のHC濃度が高くなるのを回避することができる。
また、過剰噴射異常が発生しかつ停車状態になった場合に燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料供給を停止することにより、インジェクタ18に供給される燃料の圧力(燃圧)が減少され、ひいては、シリンダ内に燃料が溜まるのを抑制することができる。その結果、次回のエンジン再始動時にエンジンが始動できなくなるのを回避することができる。
車両が停止された場合であっても、例えば信号待ちや渋滞時では、停車してから発進するまでの時間が短かったり、停車と発進とが繰り返し行われたりすることがある。このような場合にまで、インジェクタ18への燃料供給を停止してエンジン10の運転を強制停止させると、ドライバビリティの低下を招くおそれがある。この点、本実施形態では、停車の状態が所定時間継続された場合に限って、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止する構成としたため、ドライバビリティの低下をできるだけ少なくしつつ、過剰噴射異常に伴う不都合を抑制することができる。
車両が停止するか、又はエンジン回転速度が所定の低回転速度未満になるかのいずれか早いタイミングを基準に、燃料ポンプ22による燃料噴射弁への燃料供給を停止する構成としたため、車両が停車状態になる前にエンジン回転速度が判定値N1より小さくなり、シリンダ内での燃料の貯留が生じやすくなった場合には、その時点を基準に、燃料ポンプ22による燃料噴射弁への燃料供給を停止することができる。したがって、次回のエンジン再始動時おいて始動不良が生じるのをより確実に抑制することができる。
燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料の供給停止によってエンジン10の運転が強制的に停止されるが、エンジン10の始動要求があった場合には、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を再開するため、エンジン10を再始動させることができ、ひいては退避走行を可能にすることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・図5のタイミングt11で、燃料カットの実施条件の成立に伴い燃料カットを実施する場合に、燃料カットの実施中において燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止する構成とする。燃料カットの実施中では、エンジン10での燃料の燃焼が停止されるため、過剰噴射異常が生じているインジェクタ18からの未燃燃料はそのまま触媒28へ輸送される。また、その後において、触媒28に付着した未燃燃料が、例えば車両の高負荷運転時に高温の排気に曝されることにより燃焼した場合には、触媒28が過昇温するおそれがある。これに鑑み、本構成では、過剰噴射異常の発生時において燃料カットを実施する期間では、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止することとしている。
図6は、燃料カット時における燃料ポンプ22の駆動制御の具体的態様を示すタイムチャートである。図6中、(a)はアクセル操作の推移、(b)は燃料カットの実施の推移、(c)は車速の推移、(d)はエンジン回転速度の推移、(e)は停車タイマの推移、(f)は燃料ポンプ22のオン/オフの推移、(g)はインジェクタ18から噴射される燃料の圧力(燃圧)の推移を示す。なお、図6では、ECU40により燃料の過剰噴射異常が検出されている場合を想定している。
図6において、車両走行中でのアクセルオフに伴い燃料カットが実行されると、そのタイミングt21で燃料ポンプ22の駆動が停止される。また、エンジン回転速度が所定の復帰回転速度Nr以下になったタイミングt22で、エンジンストールを回避するべく、燃料ポンプ22が駆動され、インジェクタ18からの燃料噴射及び点火が再開される。その後、第1条件又は第2条件が成立すると、その成立タイミングt23で停車タイマのカウントアップが開始される。また、タイミングt23から所定時間が経過したタイミングt24で燃料ポンプ22の駆動が停止される。
・燃料の噴きっ放しの異常時には、インジェクタ18の噴射口が開いたままであるため、正常時に比べて、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給の停止後に燃圧が大気圧まで低下するのが早くなる。一方、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料の供給停止の状態から燃料供給の状態に切り替えた場合(燃料ポンプ22を駆動停止の状態から駆動状態に切り替えた場合)、インジェクタ18から噴射される燃料の圧力を略大気圧(0.1MPa)から所定燃圧(例えば0.3MPa)に上昇させるには時間がかかる(図6(g)参照)。そのため、インジェクタ18への燃料供給状態に切り替えてから、燃料ポンプ22による燃圧上昇の所要時間TAが経過するまでは、インジェクタ18から噴射される燃料の燃圧が低く、エンジンストールを引き起こすおそれがある。
その点に鑑み、本実施形態では、過剰噴射異常の発生時には、燃料カットの実施時においてエンジン燃焼停止状態から燃焼状態に切り替えるエンジン回転速度である復帰回転速度として、過剰噴射異常が生じていない正常時よりも高回転側の異常時回転速度を設定する。また、エンジン回転速度が異常時回転速度に達した場合に、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を再開するとともに、エンジン10の燃料噴射及び点火を再開する。この場合、燃料ポンプ22による燃圧上昇の所要時間TAを見越して、燃料カットを高回転側で解除することができ、その結果、エンジンストールが生じるのを抑制することができる。
・燃料ポンプ22による燃圧上昇の所要時間TAを考慮し、燃料カット条件の成立に伴い燃料ポンプ22の駆動を停止した場合において、エンジン回転速度が復帰回転速度に達する前に燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を再開する構成とする。具体的には、燃料ポンプ22の駆動を再開するエンジン回転速度としてポンプ駆動回転速度Npを設定する。この場合、ポンプ駆動回転速度Npとして、例えば、復帰回転速度Nrよりも所定量αだけ高回転側の値を設定する。図7に、本実施形態の具体的態様を示す。図7において、タイミングt31で燃料カットの実施に伴い燃料ポンプ22の駆動を停止した後、エンジン回転速度がポンプ駆動回転速度Npに到達したタイミングt32で、燃料ポンプ22の駆動を再開する。そして、エンジン回転速度が復帰回転速度Nrに到達したタイミングt33で燃料カットを解除し、エンジン10での燃焼を再開する。
・上記実施形態では、ポンプ停止条件として第1条件(停車条件)及び第2条件(回転速度条件)を含み、過剰噴射異常が検出されており、かつ第1条件及び第2条件のうちの少なくともいずれかの条件が成立した場合に、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止したが、ポンプ停止条件として第1条件のみを含み、過剰噴射異常が検出されており、かつ第1条件が成立した場合に、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止してもよい。
・アイドルストップ機能を有するエンジン10に本発明を適用してもよい。例えば停車後においてアイドルストップ制御によりエンジン10が自動停止した場合、異常が生じているインジェクタ18では、燃圧が所定の加圧状態(例えば0.3MPa)のままであると、エンジン10が自動停止したにもかかわらず、燃料が噴きっ放しになる。この場合、未燃燃料が車外に排出されることで車外のHC濃度が高くなったり、あるいは、シリンダ内に燃料が貯留されることでエンジン10の再始動要求があった場合にエンジン10を再始動できなかったりするおそれがある。したがって、アイドルストップ制御によるエンジン自動停止を実施する場合にも、燃料の過剰噴射異常時には、停車状態になった時点、又はエンジン回転速度が判定値N1未満になった時点で、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止して燃圧を下げることにより、車外環境の悪化を抑制するといった効果や、エンジン再始動を確実に行うといった効果を得ることができる。
・上記実施形態では、燃料の過剰噴射異常が検出され、かつ停車状態になったと判定された場合に、停車状態が所定時間継続された時点で燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止したが、燃料の過剰噴射異常が検出され、かつ停車状態になったと判定された時点で、つまり停車状態が所定時間継続されるのを待たずに、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止する構成としてもよい。また、エンジン回転速度が判定値N1未満になった場合も同様に、燃料の過剰噴射異常が検出され、かつエンジン回転速度が判定値N1未満になったと判定された場合に、所定時間が経過するのを待たずにその時点で、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止する構成としてもよい。
・上記実施形態では、燃料ポンプ22への通電を停止してポンプ駆動を停止させることにより、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止したが、該燃料供給を停止する構成は上記に限定しない。例えば、燃料ポンプ22とインジェクタ18とを繋ぐ燃料配管19の途中に、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料の供給/供給停止を切り替える切替弁を設け、この切替弁を閉弁させることにより、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を停止してもよい。
・上記実施形態では、インジェクタ18に設けた電流センサや位置センサの検出値に基づいて燃料の過剰噴射異常を検出したが、過剰噴射異常を検出する方法はこれに限定しない。例えば、エンジン10の運転状態を示すパラメータに基づいて過剰噴射異常を検出してもよく、具体的には、燃料カットの実施中に空燃比センサ29により検出された空燃比が所定空燃比よりもリッチか否かを判定し、肯定判定される場合に、燃料の過剰噴射異常が生じていると判定する方法を採用してもよい。
・上記実施形態では、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給停止によってエンジン10の運転を強制停止した後、スタータ信号に基づいて、エンジン10の始動要求があったか否かを判定し、その判定結果に基づいて、燃料ポンプ22によるインジェクタ18への燃料供給を再開したが、スタータ信号に基づく構成に代えて、クランク角センサ33により検出されるエンジン回転速度が、ゼロから正の値になったことが検出された場合に、エンジン10の始動要求があったと判断して、インジェクタ18への燃料供給を再開してもよい。
・上記実施形態では、電動式の燃料ポンプ22を備える車両について説明したが、エンジン10のクランク軸の回転に伴い駆動される機械駆動式の燃料ポンプを備える車両に本発明を適用してもよい。
・上記実施形態では、車両駆動源としてエンジン10を備える車両に適用する場合について説明したが、車両駆動源としてエンジン10と電動機とを備えるハイブリッド車両に本発明を適用してもよい。
10…エンジン、18…インジェクタ(燃料噴射弁)、21…燃料タンク、22…燃料ポンプ、25…燃焼室、28…触媒(排気浄化装置)、29…空燃比センサ、33…クランク角センサ、34…車速センサ、40…ECU、41…マイコン(異常検出手段、停車判定手段、供給停止手段、回転速度判定手段、始動検出手段、燃料カット条件判定手段)。

Claims (7)

  1. 燃料タンク内に貯蔵された燃料を、燃料ポンプを駆動して燃料噴射弁に供給するエンジンの燃料供給システムに適用され、
    前記燃料噴射弁から燃料が噴きっ放しになる過剰噴射異常を検出する異常検出手段と、
    車両が停止しているか否かを判定する停車判定手段と、
    前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出され、かつ前記停車判定手段により停車していると判定された場合に、前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する供給停止手段と、
    を備えることを特徴とする燃料供給制御装置。
  2. 前記供給停止手段は、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出され、かつ前記停車判定手段により停車していると判定された場合、その停車の状態が所定時間継続した時点で前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する請求項1に記載の燃料供給制御装置。
  3. 車両減速時において、エンジン回転速度が所定の低回転速度未満か否かを判定する回転速度判定手段を備え、
    前記供給停止手段は、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出されかつ前記停車判定手段により停車したと判定された状況になる前に、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出されかつ前記回転速度判定手段によりエンジン回転速度が前記所定の低回転速度未満であると判定された状況になった場合に前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する請求項1又は2に記載の燃料供給制御装置。
  4. 前記供給停止手段による前記燃料噴射弁への燃料供給の停止に伴いエンジンの運転が停止された後において、エンジンの始動要求があったことを検出する始動検出手段を備え、
    前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出されたままの状態において、前記始動検出手段により始動要求があったことが検出された場合に、前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を再開する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料供給制御装置。
  5. エンジンの排気通路において、排気を浄化する排気浄化装置が設けられており、
    車両走行状態において前記燃料噴射弁の燃料噴射を停止してエンジンの燃焼を停止させる所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定する燃料カット条件判定手段を備え、
    前記供給停止手段は、前記異常検出手段により前記過剰噴射異常が検出され、かつ前記燃料カット条件判定手段により前記燃料カット条件が成立したと判定された場合に、前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を停止する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料供給制御装置。
  6. 前記燃料カット条件の成立に伴うエンジンの燃焼停止後において、エンジン回転速度が所定の復帰回転速度よりも低くなった場合にエンジンの燃焼を再開する手段と、
    前記異常検出手段による前記過剰噴射異常の検出時において、前記復帰回転速度として、前記過剰噴射異常が検出されていない正常時よりも高回転側の異常時回転速度を設定する設定手段と、を備え、
    前記供給停止手段により前記燃料カット条件の成立に伴い前記燃料噴射弁への燃料供給を停止した場合において、エンジン回転速度が前記異常時回転速度よりも低くなった時点で前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を再開する請求項5に記載の燃料供給制御装置。
  7. 前記燃料カット条件の成立に伴うエンジンの燃焼停止後において、エンジン回転速度が所定の復帰回転速度よりも低くなった場合にエンジンの燃焼を再開する手段を備え、
    前記供給停止手段により前記燃料カット条件の成立に伴い前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を停止した場合において、エンジン回転速度が前記復帰回転速度に達する前に前記燃料ポンプによる前記燃料噴射弁への燃料供給を再開する請求項5に記載の燃料供給制御装置。
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