JP2007192081A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の高温再始動において、ラフアイドルの発生を正確に認識してラフアイドル解消制御を実行することにより、無用なラフアイドル解消制御を防止し、安定したアイドリング運転を可能にする内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン始動時のアイドリング運転時、冷却水温度の検知などにより高温再始動時であるか否かを判定する。高温再始動時である際、エンジンの失火判定のための失火カウンタのカウント値が所定のラフアイドル判定値を超えた場合にはラフアイドル状態にあると判断し、燃料噴射量を増量すると共にアイドル目標回転数を高く設定してラフアイドル解消制御動作を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車用エンジンに代表される内燃機関の制御装置に係る。特に、本発明は、エンジンのアイドリング運転の安定化を図るための対策に関する。
従来より、例えば自動車用エンジンにおいて、エンジンを停止した直後はエンジン自体及び燃料供給系等が比較的高温度になっている。このような状況下でエンジンを再始動(以下、この始動を「高温再始動」と呼ぶ)させた場合には、燃料供給系を流れる燃料が高温度(例えば100℃程度)になるため、この燃料供給系の内部でベーパ(蒸発燃料)が発生し、このベーパがインジェクタにまで達することがある。つまり、インジェクタに液相の燃料が供給されない状況となることがある。インジェクタではその開弁時間によって気筒内への燃料噴射量を制御している。つまり、液相の燃料が供給されていることを前提として開弁時間が設定されて適正な燃料噴射量(吸入空気量に応じた燃料噴射量)が得られるようになっている。このため、上述の如くベーパがインジェクタにまで達してこのベーパが気筒内に噴射される状況では燃料噴射量が不足することになり、気筒内の空燃比が目標空燃比に対して大幅にリーン(希薄)となってしまい、アイドリング運転の回転数(以下、アイドル回転数と呼ぶ)が安定せず(以下、この状態をラフアイドル状態と呼ぶ)、場合によってはエンジン停止(エンジンストール)に陥ってしまう可能性がある。また、着火できない程度まで混合気がリーンになってしまった場合にはエンジンの始動が不能になることもある。
このような状況を回避するために下記の特許文献1や特許文献2に開示されているように、冷却水温度や吸気温度を検知することで高温再始動時であるか否かを判定し、高温再始動時である場合にはインジェクタの燃料噴射量を増量することが行われている。つまり、燃料噴射量を増量させることによって、空燃比のリーン状態を改善すると共に燃料供給系内のベーパを早期に排出することでアイドル回転数の早期安定化を図るようにしている。また、吸入空気量を増量し、これに伴う燃料噴射量の増量を行わせることによってもアイドル回転数の早期安定化を図ることが可能である。
特開平9−158757号公報 特開平6−93903号公報
しかしながら上述した燃料噴射量の増量や吸入空気量の増量は、冷却水温度や吸気温度などの温度情報のみに基づいて実行させるものであり、実際にラフアイドル状態に陥っているか否かを正確に判断した上で実行するものとはなっていなかった。
従って、例えば単に冷却水温度や吸気温度が高くなっているだけであって燃料のベーパ等が発生しておらずラフアイドル状態に陥っていないにも拘わらず、燃料噴射量の増量や吸入空気量の増量といったラフアイドル解消制御が実行されてしまう可能性があった。このような無用なラフアイドル解消制御が実行されてしまうと、気筒内の空燃比が目標空燃比に対して大幅にリッチになってしまい、ラフアイドル状態の発生を助長してしまうばかりでなく、場合によっては空燃比のオーバリッチによるエンジンストールを招いてしまう可能性もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の高温再始動等において、ラフアイドルの発生を正確に認識してラフアイドル解消制御を実行することにより、無用なラフアイドル解消制御を防止し、安定したアイドリング運転を可能にする内燃機関の制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、内燃機関のOBD(On−Boad Diagnostic System)に備えられている失火判定のための失火カウンタのカウント値を利用して、高温再始動時においてラフアイドル状態が実際に発生しているか否かを判断し、ラフアイドル状態が発生していると判断した場合に限りラフアイドル解消のための制御動作を実行するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関のアイドリング運転時における回転変動を抑制するためのラフアイドル解消制御を実行可能な内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、上記内燃機関の始動時に、内燃機関が高温状態にあるか否かを判定する温度判定手段と、上記内燃機関の回転変動量が所定の閾値を超えたときに失火が生じていると判定してその失火発生回数をカウントする失火カウンタからの出力を受け、且つそのカウント値が所定のラフアイドル判定値を超えたか否かを判定するラフアイドル判定手段と、上記温度判定手段及びラフアイドル判定手段の出力を受け、内燃機関の始動時のアイドリング運転時において、内燃機関が高温状態にあり且つ失火カウンタのカウント値が所定のラフアイドル判定値を超えている場合に上記ラフアイドル解消制御を実行するラフアイドル解消制御手段とを備えさせている。
内燃機関の高温再始動等のように、高温状態でのアイドリング運転時には、燃料供給系の内部でベーパ(蒸発燃料)が発生し、このベーパが原因となって気筒内の空燃比が目標空燃比に対して大幅にリーンとなりアイドル回転数が安定しない状況となる可能性がある。このような回転数の変動は失火時の運転状態に近似しているため、このアイドリング運転時における回転変動量が所定の閾値を超えたときには失火カウンタのカウント値がインクリメントされていく。つまり、この失火カウンタのカウント値に基づいてアイドリング運転時における回転変動量を直接的に把握することができる。この点に着目し、本解決手段では、内燃機関の始動時であって高温状態にある状況で失火カウンタのカウント値が所定のラフアイドル判定値を超えた場合には、内燃機関の高温再始動時にラフアイドル状態が発生していると認識する。そして、このラフアイドル状態の発生が認識されると、ラフアイドル解消制御(燃料噴射量の増量など)を実行することでラフアイドル状態を解消してアイドル回転数の安定化を図るための制御に移行する。従来では、内燃機関が高温状態である場合には実際にラフアイドル状態が発生しているか否かを認識することなくラフアイドル解消制御を行っていた。つまり、ラフアイドル状態が発生していなくても燃料噴射量の増量などのラフアイドル解消制御を行っていたため、無用なラフアイドル解消制御が実行されてしまうことがあった。これでは、気筒内の空燃比が大幅にリッチになってしまい、ラフアイドル状態の発生を助長してしまう可能性があった。これに対し、本解決手段によれば上記失火カウンタのカウント値を利用してラフアイドル状態が発生しているか否かを正確に認識することができるため、ラフアイドル状態の発生時に限ってラフアイドル解消制御を実行することができ、安定したアイドリング運転が可能になる。
上記目的を達成するための他の解決手段としては以下のものも挙げられる。つまり、内燃機関のアイドリング運転時における回転変動を抑制するためのラフアイドル解消制御を実行可能な内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、上記内燃機関の始動時に、内燃機関が高温状態にあるか否かを判定する温度判定手段と、上記内燃機関の回転変動量が所定の閾値を超えたときに失火が生じていると判定してその失火発生回数をカウントする失火カウンタからの出力を受け、且つその単位時間当たりのカウント回数が所定のラフアイドル判定値を超えたか否かを判定するラフアイドル判定手段と、上記温度判定手段及びラフアイドル判定手段の出力を受け、内燃機関の始動時のアイドリング運転時において、内燃機関が高温状態にあり且つ失火カウンタの単位時間当たりのカウント回数が所定のラフアイドル判定値を超えている場合に上記ラフアイドル解消制御を実行するラフアイドル解消制御手段とを備えさせている。
この特定事項によっても、失火カウンタのカウント値を利用してラフアイドル状態が発生しているか否かを正確に認識することができるため、ラフアイドル状態の発生時に限ってラフアイドル解消制御を実行することができ、安定したアイドリング運転を可能にできる。
また、ラフアイドル解消制御手段により実行されるラフアイドル解消制御として具体的には、燃料噴射量の増量制御、アイドリング目標回転数を高く設定する制御、点火栓の点火時期の変動幅を抑制する制御のうちの少なくとも一つとしている。上記燃料噴射量の増量制御によれば、空燃比のリーン状態を改善すると共に燃料供給系内のベーパを早期に排出することでアイドル回転数の早期安定化を図ることが可能になる。同様に、アイドリング目標回転数を上昇させた場合にも、吸入空気量を増量させることに伴う燃料噴射量の増量を行うことになり、空燃比のリーン状態の改善及び燃料供給系内のベーパの早期排出によってアイドル回転数の早期安定化を図ることができる。また、これら制御によってアイドル回転数の安定化を図る場合、本発明ではラフアイドル状態の発生時に限って燃料噴射量の増量が行われるため燃料消費量の削減を図ることもできる。また、ラフアイドル解消制御として点火栓の点火時期の変動幅を抑制する制御を行うものでは、点火時期の進角量や遅角量が大き過ぎることによる失火の発生を回避することができエンジンストールを防止できる。
また、上記失火カウンタとして、内燃機関の積算回転回数が所定のクリア値に達する度にそのカウント値を「0」に戻して失火発生回数を再度カウントしていくものである場合において、ラフアイドル解消制御手段は、ラフアイドル解消制御の実行中に内燃機関の積算回転回数が上記クリア値に達して失火カウンタのカウント値が「0」に戻った場合には、失火カウンタの単位時間当たりのカウント回数が所定値を下回っている間、ラフアイドル解消制御を徐々に解除していくようにしている。
具体的には、ラフアイドル状態が解消されることで失火カウンタの単位時間当たりのカウント回数が少なくなっている状況では、ラフアイドル解消制御として燃料噴射量の増量制御を行っていた場合には、その燃料噴射量を徐々に減量していく。また、ラフアイドル解消制御としてアイドリング目標回転数を高く設定していた場合には、そのアイドリング目標回転数を徐々に低くしていく。更に、ラフアイドル解消制御として点火栓の点火時期の変動幅の抑制を行っていた場合には、その点火栓の点火時期の変動幅の抑制を解除していく。このようにラフアイドル解消制御を徐々に解除していくことで、内燃機関の回転数や出力の急変動を招くことを回避し、良好なドライバビリティを維持しながらラフアイドル解消制御から通常の内燃機関制御に移行していくことが可能になる。
また、上記失火カウンタのカウント値が所定の異常判定値に達すると失火異常判定を行うようになっている場合において、上記ラフアイドル判定値を、上記異常判定値よりも小さい値に設定している。
これによれば、失火は発生しておらずラフアイドル状態が発生している状況では、失火カウンタのカウント値が異常回数(失火異常判定を行う回数)に達する前にラフアイドル判定が行われてラフアイドル解消制御が開始されることになる。そして、このラフアイドル解消制御の開始に伴ってラフアイドル状態が解消されるため、失火が発生しない限り失火カウンタがインクリメントされることはない。このため、失火が発生していないにも拘わらずラフアイドル状態が発生しているために失火カウンタのカウント値が異常回数に達してしまって失火異常の誤判定がなされてしまうといったことを回避でき、失火判定動作の信頼性を維持しながらも上述した各解決手段による効果を奏することができる。
本発明では、内燃機関の失火判定のための失火カウンタのカウント値を利用して、高温再始動時等においてラフアイドル状態が実際に発生しているか否かを判断し、ラフアイドル状態が発生していると判断した場合に限りラフアイドル解消のための制御動作を実行するようにしている。このため、無用なラフアイドル解消制御を防止しながらも、安定したアイドリング運転を可能にする内燃機関の制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を自動車用直列4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明する。
−エンジンの構成説明−
先ず、図1を参照して、本実施形態に係るエンジン(内燃機関)の概略構成について説明する。この図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、4気筒分(図1では1気筒分のみを示す)のシリンダボア2を有するシリンダブロック1aと、シリンダヘッド1bとを備えている。各シリンダボア2内には上下動可能に設けられたピストン3が備えられ、このピストン3が、コンロッド(コネクティングロッド)3aを介してエンジン1の出力軸であるクランクシャフト10に連結されている。そして、シリンダボア2の内部において、ピストン3とシリンダヘッド1bとにより囲まれた空間によって燃焼室4が区画形成されている。
シリンダヘッド1bには、各燃焼室4に対応して点火プラグ(点火栓)11が取り付けられている。また、シリンダヘッド1bには、各燃焼室4に通じる吸気ポート5a及び排気ポート6aがそれぞれ設けられ、これら吸気ポート5a及び排気ポート6aには、吸気通路5及び排気通路6がそれぞれ接続されている。吸気ポート5a及び排気ポート6aの燃焼室4に通じる各開口端には、吸気バルブ7及び排気バルブ8がそれぞれ設けられている。吸気バルブ7及び排気バルブ8は、クランクシャフト10の動力によってそれぞれ回転する吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト32によって開閉される。クランクシャフト10の動力は、タイミングベルト35及び各タイミングプーリー33,34を介して、上記吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト32に伝達されている。
また、上記吸気ポート5aの近傍には、各気筒に対応して燃料噴射弁(インジェクタ)9がそれぞれ備えられている。各インジェクタ9には燃料供給系を介して所定圧力の燃料が供給されている。
一方、吸気通路5にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16の上流側には、アクセルペダル18の操作に応じて駆動するスロットルモータにより開閉されるスロットルバルブ19が設けられている。このスロットルバルブ19の開度に応じて吸気通路5へ導入される吸入空気量が調整されるようになっている。更に、このスロットルバルブ19の上流側には、吸入空気を浄化するためのエアクリーナ20が設けられている。
エンジン1の運転が開始されると、吸気通路5内への吸入空気の導入とともにインジェクタ9から燃料が噴射されることにより、それら吸入空気と燃料とが混合されて混合気となる。そして、エンジン1の吸入行程において、吸気バルブ7により吸気ポート5aが開かれることにより混合気が吸気ポート5aを通じて燃焼室4に取り込まれる。この燃焼室4に取り込まれた混合気は、圧縮行程において圧縮された後、点火プラグ11によって着火され、その混合気が爆発・燃焼してクランクシャフト10に駆動力が付与される(膨張行程)。燃焼後の排気ガスは、排気バルブ8により排気ポート6aが開かれることによって排気通路6に排出され(排気行程)、更に触媒12を経て浄化された後、外部に放出される。なお、上記点火プラグ11は、イグナイタ13から出力される高電圧の印加タイミングに応じて混合気への点火動作を実行している。
尚、上記インジェクタ9、点火プラグ11、スロットルモータ等は電子制御装置(以下「ECU」という)40によって駆動制御される。このECU(Electronic Control Unit)40は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びバックアップRAM、タイマーやカウンタ等を備え、これらと、A/D(Analog/Digital)変換器を含む外部入力回路及び外部出力回路とが双方向性バスにより接続されて構成されている。
このように構成されたECU40は、各種センサの検出信号を外部入力回路を介して入力し、これら信号に基づいてエンジン1の燃料噴射等についての基本制御の他、エンジン1の運転状態に関する各種制御を実行する。具体的には、ECU40には、以下に述べる各種のセンサが接続されている。
上記クランクシャフト10の近傍には、その回転角(クランク角CA)及び回転速度(エンジン回転速度NE)を検出するためのクランク角センサ21が配設されている。このクランク角センサ21は、所定のクランク角(例えば30°)毎にパルス信号を出力する。このクランク角センサ21によるクランク角の検出手法の一例としては、クランクシャフト10と回転一体のロータ(NEロータ)の外周面の30°おきに外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記クランク角センサ21を配置する。そして、クランクシャフト10の回転に伴って外歯がクランク角センサ21の近傍を通過した際に、このクランク角センサ21が出力パルスを発生するようになっている。尚、このロータとしては、外周面に形成される外歯が10°おきに形成されたものが適用される場合もある。この場合、ECU内で分周して30°CA毎の出力パルスを発生する。
上記吸気カムシャフト31の近傍には、カム角センサ22が配設されている。このカム角センサ22は、通常、気筒判別センサとして用いられ、例えば第1気筒#1の圧縮上死点(TDC)に対応してパルス信号を出力する。つまり、このカム角センサ22は、吸気カムシャフト31の1回転毎にパルス信号を出力する。このカム角センサ22によるカム角の検出手法の一例としては、吸気カムシャフト31と回転一体のロータの外周面の1箇所に外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記カム角センサ22を配置し、吸気カムシャフト31の回転に伴って外歯がカム角センサ22の近傍を通過した際に、このカム角センサ22が出力パルスを発生するようになっている。このロータはクランクシャフト10の1/2の回転速度で回転するため、クランクシャフト10が720°回転する毎に出力パルスを発生する。言い換えると、ある特定の気筒が同一行程(例えば第1気筒♯1が圧縮上死点に達した時点)となる度に出力パルスを発生する構成である。
上記サージタンク16には、吸気通路5内の圧力(吸気管内圧力PM)を検出するための圧力センサ23が設けられている。この圧力センサ23は、サージタンク16内の圧力に応じた信号を出力する。
上記シリンダブロック1aには冷却水が流れるウォータジャケット1cが形成されており、このウォータジャケット1cには冷却水の温度を検出するための水温センサ24が取付けられている。
また、上記吸気通路5におけるエアクリーナ20の近傍位置には吸入空気温度を検出するための吸気温センサ25が配置されている。
以上が、本実施形態に係るエンジンの概略構成である。
そして、本実施形態におけるエンジン1では、OBDに備えられ複数の気筒のうち何れかの気筒で失火が発生している場合にその失火の発生を検知する失火判定装置が設けられている。また、本実施形態におけるエンジン1は、アイドリング運転時におけるアイドル回転数を安定化させるためのラフアイドル解消制御動作が可能な構成となっている。このラフアイドル解消制御動作として具体的には、インジェクタ9からの燃料噴射量の増量制御及びアイドリング目標回転数を高く設定する制御が行われる(これら制御が行われる条件については後述する)。そして、本実施形態の特徴とするところは、上記ラフアイドル状態の発生の有無の判定を上記失火判定装置を利用することにより行っている点にある。以下、失火判定及びラフアイドル解消のための構成及び動作についてそれぞれ説明する。
−失火判定のための構成及び動作−
本実施形態に係る失火判定装置は上記ECU40によって構成される。つまり、このECU40には、上記各センサ21〜25の出力信号がそれぞれ取り込まれ、これら各信号に基づいてクランク角CAや、エンジン回転速度NE、現在の運転気筒(例えば現在膨張行程を迎えている気筒)、吸気管内圧力PM等をECU40によって演算するとともに、それら演算結果に基づいて、後述する失火判定動作が実行される構成となっている。
以下、失火判定装置の失火判定動作について説明する。本失火判定装置による失火判定動作は、各気筒の上死点を基準として、360°クランク角(CA)前から遅角側に0°〜30°CA回転するのに要する時間をT1、また同じく遅角側に90°〜120°CA回転するのに要する時間をT2として算出する。この時間T1及びT2はそれぞれ、各点火毎にクランクシャフト10が30°CA回転するのに要する時間が極大になると推定される角度及び極小になると推定される角度に対応した30°CAの所要時間である。
また、上記時間T1及びT2の算出対象であった気筒のピストン3が上記時間T1の開始タイミングから360°CA回転した後の上死点位置から同じく遅角側に0°〜30°CA回転するのに要する時間をT3、遅角側に90°〜120°CA回転するのに要する時間をT4として算出する。これら時間T3及びT4も、各点火毎にクランクシャフト10が30°CA回転するのに要する時間が極大になると推定される角度及び極小になると推定される角度にそれぞれ対応した30°CAの所要時間である。
そして、これら各時間T1,T2,T3,T4に基づき、回転変動量ΔNEを次式
ΔNE=(T4−T3)−(T2−T1) …(1)
から算出する。
これにより、現在膨張行程中の気筒の回転速度における、360°進角側で膨張行程を迎えていた気筒(点火タイミングが2点火前の気筒)の回転速度に対する差を反映した回転変動量を求めることができる。
いずれかの気筒において失火が生じてエンジン回転速度が低下すると、クランクシャフト10が一定クランク角度を回転するのに要する経過時間が長くなる。つまり、上記(1)式における(T4−T3)の値が(T2−T1)の値に対して大きくなる。そこで、各気筒の膨張行程時においてクランクシャフト10が一定クランク角度を回転するのに要する経過時間を検出し、この経過時間の長さを上記(1)式に当てはめ、算出された回転変動量ΔNEに基づいて失火が生じているか否かを判定するようになっている。そして、この回転変動量ΔNEが所定値を超える度に、ECU40に備えられている失火カウンタを「1」ずつインクリメントしていき、この失火カウンタのカウント値がエンジンの所定回転回数以内に所定値を超えると失火異常判定を行うようになっている。
この失火カウンタのカウント値による失火判定動作について図2のフローチャートに沿って説明する。この図2に示すように、先ず、失火を判定(失火検出)するための前提条件が成立しているか否かが判断される(ステップST1)。この前提条件としては、例えばエアーコンディショナの作動/非作動が切り換えられてから所定時間が経過していることや、シフトレバーが操作されてから所定時間が経過していること等が挙げられる。
そして、上記前提条件が成立していないと判断(ステップST1でNO判定)された場合には、エンジン1が現在、失火発生に伴うエンジン回転速度NEの変動を精度よく判定することのできない条件下にあるとして、本処理が一旦終了される。
一方、上記前提条件が成立していると判断(ステップST1でYES判定)された場合には、ECU40に備えられている検出カウンタ(1000revカウンタ)のカウント値がインクリメント(「1」加算)される(ステップST2)。このカウント値は、後述する失火異常の判定に際し失火発生の検出頻度の算出基準となる総判定回数として用いられる。
その後、エンジン回転速度NE及び吸気管内圧力PMに基づいて失火判定のための閾値N1がマップ演算され、上述した如く算出される回転変動量ΔNEがこの閾値N1よりも大きいか否かが判断される(ステップST3)。なお、上記閾値N1のマップ演算に用いられるマップは、エンジン回転速度NE及び吸気管内圧力PMから閾値N1を算出するためのマップであり、これらエンジン回転速度NE、吸気管内圧力PM及び閾値N1の関係が実験等によって求められた上で設定されている。また、このマップも予めECU40内の適宜のメモリに記憶されている。
そして、回転変動量ΔNEが閾値N1よりも大きいと判断(ステップST3でYES判定)された場合には、ステップST4に移り、失火検出回数をカウントする失火カウンタのカウント値をインクリメント(「1」加算)する。
また、回転変動量ΔNEが閾値N1以下であると判断(ステップST3でNO判定)された場合には、上記失火カウンタのカウント操作を行うことなく、ステップST5以降の処理にジャンプする。
そして、このステップST5以降の処理では、先ず、検出カウンタ(1000revカウンタ)のカウント値が所定の条件成立カウント値(本発明でいうクリア値;例えば2000)以上であるか否かが判断される(ステップST5)。この判断では、総検出回数が失火発生の検出頻度を判定する基準回数(例えばクランクシャフト10の1000回転相当)に達したか否かが判断される。
そして、総検出回数が基準回数に達したと判断(ステップST5でYES判定)された場合には、失火カウンタのカウント値が所定の異常回数(例えば100)以上であるか否かが判断される(ステップST6)。すなわちこの判断では、総検出回数中に所定回数以上の頻度で失火発生が検出されたか否かが判断される。
そして、失火カウンタのカウント値が所定値(異常回数値)以上であると判断(ステップST6でYES判定)された場合には、排気エミッションの悪化や触媒12の劣化等を招くおそれのある頻度で失火が発生しているとして、失火異常と判定される(ステップST7)。この場合には、例えば、この異常判定を異常履歴として記憶したり、異常ランプ(MIL)を点灯させたりすることにより運転者にメンテナンスが必要であることを警告する。そして、その後、上記各カウンタのカウント値を「0」にリセットした後(ステップST8)、リターンされる。
一方、検出カウンタのカウント値が所定値未満であると判断(ステップST5でNO判定)された場合には、総検出回数が上記基準回数に達していないとして、リターンされる。
また、検出カウンタ(1000revカウンタ)のカウント値が所定値に達した際の失火カウンタのカウント値が所定値(異常回数値)未満であると判断(ステップST6でNO判定)された場合には、失火発生の検出頻度が比較的低いとして、この場合にも各カウント値が「0」にリセットされた後(ステップST10)、リターンされる。以上のようにして各カウント値が「0」にリセットされた後には、再びステップST1に戻り、失火判定のための前提条件が成立している間、失火発生の検出頻度をモニタして検出頻度が高い場合には上記異常判定を行う。
以上のように、失火判定動作にあっては、回転変動量ΔNEが比較的大きくなる(上記閾値N1よりも大きくなる)度に失火カウンタのカウント値をインクリメントしていき、失火の発生頻度が高い場合には異常ランプ(MIL)を点灯させるなどして運転者に警告を行った後に各カウント値を「0」にリセットする。一方、失火の発生頻度が低い場合には失火異常判定を行うことなく、エンジン1の所定回転回数毎(1000revカウンタのカウント値が所定の条件成立カウント値に達する毎)に各カウント値を「0」にリセットするようにしている。
尚、本形態では、上述したように、クランク角度の位相が360°離れた気筒における経過時間の偏差(回転変動量)ΔNEを求めるようにしているので、NEロータに製造誤差があったとしても、同一の外歯の認識に基づいて上記演算が実行され、回転変動量ΔNEがNEロータの製造誤差の影響を受けることがなく、この回転変動量ΔNEを正確に算出できる。
−ラフアイドル解消制御動作−
次に、本実施形態の特徴とする動作であるラフアイドル解消制御動作について説明する。エンジン1の高温再始動時には、燃料供給系の内部でベーパ(蒸発燃料)が発生し、このベーパが原因となって気筒内の空燃比が目標空燃比に対して大幅にリーン(希薄)となり、アイドル回転数が安定せず、場合によってはエンジン停止に陥ってしまう可能性がある。本実施形態では、この高温再始動時におけるラフアイドルの発生を正確に検知し、ラフアイドル解消制御を適切に実行して安定したアイドリング運転を実現するようにしている。
以下、このラフアイドル解消制御動作の手順について図3のフローチャートに沿って説明する。このラフアイドル解消制御は、例えばエンジン1の始動初期時のアイドリング運転時に実行されるものである。このため、イグニッションスイッチのON信号やスタータモータの始動信号が発信されるタイミングでこの制御動作は開始されることになる。
この制御動作が開始されると、先ず、ステップST11において、エンジン1の高温再始動時であるか否かの判定が行われる(温度判定手段による判定動作)。具体的には、上記水温センサ24によって検出された冷却水温度が所定の高温判定温度(例えば90℃)を超えているか否か、及び吸気温センサ25によって検出された吸入空気温度が所定の高温判定温度(例えば80℃)を超えているか否かを判定することにより、エンジン1が高温状態にあるか否かを判断し、これによって高温再始動時であるか否かを判定するようにしている。尚、この判定は、冷却水温度及び吸入空気温度が共に高温判定温度を超えている場合にエンジン1が高温状態にあると判定するようにしてもよいし、少なくとも一方のみが高温判定温度を超えている場合にエンジン1が高温状態にあると判定するようにしてもよい。
このステップST11の判定において、エンジン1の高温再始動時でないと判定(NO判定)された場合には、燃料供給系の内部でベーパが発生する可能性は低く、ベーパが原因で空燃比が大幅にリーンとなってラフアイドル状態を招くといった状況は生じ難いとして本制御動作を終了する。
一方、エンジン1の高温再始動時であると判定(ステップST11でYES判定)された場合にはステップST12に移り、上記失火判定装置における失火判定動作で使用していた失火カウンタのカウント値(CMSOBD)を読み出して、このカウント値が所定のラフアイドル判定値(α)よりも大きいか否かを判定する(ラフアイドル判定手段による判定動作)。つまり、ラフアイドルが発生している状況では、失火が発生している場合と同様にアイドル回転数が不安定になっており、失火カウンタのカウント値がインクリメントされる状況にある。このため、この失火カウンタのカウント値をラフアイドル状態の発生の有無の判断に利用し、この失火カウンタのカウント値(CMSOBD)が所定のラフアイドル判定値(α)よりも大きい場合には、ラフアイドル状態が継続的に発生していると判断できる。尚、このラフアイドル判定値(α)は、上記失火異常判定のための異常回数(本実施形態では100)よりも小さい値(例えば50)として設定される。
前回のエンジン運転時には、そのエンジン停止に伴って失火カウンタのカウント値は「0」にリセットされているため、今回の高温再始動の開始時には、未だ失火カウンタのカウント値(CMSOBD)はラフアイドル判定値(α)に達していない。このため、ステップST12ではNO判定されてステップST13に移る。このステップST13ではラフアイドル状態フラグ(XHRI)が「1」であるか否かを判定する。このラフアイドル状態フラグ(XHRI)は、「高温ラフアイドル判定(エンジン1の高温再始動時であってラフアイドル状態となっていると判定)」がなされた際に「1」にセットされるフラグであり、高温再始動の開始時には未だ「高温ラフアイドル判定」はなされていないため、このラフアイドル状態フラグ(XHRI)は「0」となっており、このステップST13ではNO判定されてステップST14に移る。このステップST14では、エンジン1のアイドリング運転状態が継続しているか否かが判定される。例えばスロットル開度を検出することによりアイドリング運転状態が継続しているか否かを判断する。また、エンジン回転数を検出することによってアイドリング運転状態が継続しているか否かを判断するようにしてもよい。そして、アイドリング運転が解除されてステップST14でNO判定された場合には本制御動作を終了する。一方、このステップST14において未だアイドリング運転中であると判定(YES判定)された場合にはステップST12に戻る。
このようにして高温再始動時のアイドリング運転中にステップST12〜ステップST14の動作が繰り返されている間に、ラフアイドル状態が継続的に発生している場合には、それに伴って失火カウンタのカウント値(CMSOBD)が加算されていき、ステップST12において、失火カウンタのカウント値(CMSOBD)がラフアイドル判定値(α)よりも大きいYESに判定されると、ステップST15に移って「高温ラフアイドル判定」が行われる。その後、ステップST16においてラフアイドル解消制御が実行される(ラフアイドル解消制御手段によるラフアイドル解消制御の実行)。このラフアイドル解消制御として具体的には、ラフアイドル状態フラグ(XHRI)を「1」とすると共に、アイドル運転時におけるインジェクタ9からの燃料噴射量の増量制御(KHRICHをセット:例えば通常のアイドル運転時に対して10%の増量)を実行すると共に、アイドル運転時の目標回転数(フィードバック制御される回転数)を高く(KHNTをセット:例えば通常のアイドル運転時の目標回転数に対して20%高く)設定する。このような動作が失火カウンタがリセット(図2のフローチャートのステップST8におけるリセット)されるまで継続して行われる。このラフアイドル解消制御における燃料噴射量の増量割合やアイドル目標回転数の上昇割合は固定値としてもよいし、エンジンの運転状態に応じて変更されるマップ値としてもよい。このマップ値とする場合には、上記検知した冷却水温度や吸入空気温度等に応じて燃料噴射量やアイドル目標回転数の上昇割合を変更するラフアイドル解消制御マップをECU40内のメモリに予め記憶させておき、ラフアイドル解消制御時に、そのマップ値を読み出すことになる。
そして、失火カウンタがリセットされると、失火カウンタのカウント値(CMSOBD)がラフアイドル判定値(α)以下となるため、ステップST12ではNO判定されてステップST13に移る。このステップST13では、再びラフアイドル状態フラグ(XHRI)が「1」であるか否かが判定される。この際、直前までラフアイドル解消制御が実行されていたためラフアイドル状態フラグ(XHRI)は「1」となっており、このステップST13ではYES判定されてステップST17に移る。このステップST17では、上述したラフアイドル解消制御によってラフアイドル状態が解消されたか否かを判定する。具体的には、例えば上記失火カウンタのカウント値をモニタしておき、所定時間内における失火カウンタのカウント加算値が所定値以下であって、失火カウンタのインクリメントの頻度が低いと判断された場合にラフアイドル状態が解消したと判断する。例えば10secの間における失火カウンタのカウント加算値が5未満であった場合にはラフアイドル状態が解消したと判断する。
このステップST17においてラフアイドル状態が解消されておらずNO判定された場合にはステップST14に移り、アイドリング運転状態が継続している間で且つ失火カウンタのカウント値(CMSOBD)がラフアイドル判定値(α)に達するまでの間は、ステップST12,ST13,ST17,ST14の動作を繰り返し、ラフアイドル解消制御が継続して行われることになる。また、この状態から失火カウンタのカウント値(CMSOBD)がラフアイドル判定値(α)よりも大きくなるとステップST12,ST15,ST16の動作を繰り返すことになる。この場合にもラフアイドル解消制御が継続して行われることになる。
一方、ステップST17においてラフアイドル状態が解消されたYESに判定された場合にはステップST18に移り、ラフアイドル解消制御の解除動作を実行する。この動作として具体的には、ラフアイドル状態フラグ(XHRI)を「0」とすると共に、アイドル運転時におけるインジェクタ9からの燃料噴射量の増量制御(KHRICH)及びアイドル運転時の目標回転数(KHNT)を共に徐変減衰させ、燃料噴射量及びアイドル目標回転数を通常のアイドル運転時の値に徐々に戻していく。そして、燃料噴射量及びアイドル目標回転数が通常のアイドル運転時の値に戻った時点で本制御動作を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、エンジン1の始動時であって高温状態にある状況で失火カウンタのカウント値がラフアイドル判定値を超えた場合には、ラフアイドル状態が発生していると判断している。このように本実施形態では失火カウンタのカウント値を利用してラフアイドル状態が発生しているか否かを正確に認識することができるため、ラフアイドル状態の発生時に限ってラフアイドル解消制御を実行することができ、安定したアイドリング運転を可能にできる。また、ラフアイドル状態の発生時に限って燃料噴射量の増量制御が行われるので燃料消費量の削減を図ることもできる。
また、本実施形態では、上記ラフアイドル判定値(α)を、失火判定のための異常回数(本実施形態では100)よりも小さい値(本実施形態では50)として設定している。このため、高温再始動時に、失火は発生しておらずラフアイドル状態が発生している状況では、失火カウンタのカウント値が異常回数(失火異常判定を行う回数)に達する前に高温ラフアイドル判定が行われてラフアイドル解消制御動作が開始されることになり、これによってラフアイドル状態が解消されるため、失火が発生しない限り失火カウンタがインクリメントされることはない。つまり、失火が発生していないにも拘わらず、ラフアイドル状態が発生しているために失火カウンタのカウント値が異常回数に達してしまって失火異常の誤判定がなされてしまうといったことが回避できるようになっている。
−その他の実施形態−
以上説明した実施形態は自動車用直列4気筒ガソリンエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、V型や水平対向型等の他の形式のエンジンやディーゼルエンジンにも適用可能である。また、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数(6気筒エンジン等)、燃料噴射方式(筒内直噴方式等)、その他、エンジンの仕様は特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、水温センサ24によって検出される冷却水温度が所定の高温判定温度(例えば90℃)を超えているか否か、及び吸気温センサ25によって検出された吸入空気温度が所定の高温判定温度(例えば80℃)を超えているか否かを判定することにより、エンジン1が高温状態にあるか否かを判定するようにしていた。本発明はこれに限らず、燃料温度、例えばインジェクタ9に繋がる燃料供給配管内部の燃料温度を検出することによってエンジン1が高温状態にあるか否かを判定するようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、ラフアイドル解消制御としては、燃料噴射量の増量制御及びアイドリング目標回転数を高く設定する制御を行うようにしていた。本発明はこれに限らず、点火プラグ11の点火タイミングの変動幅を抑制したり、または点火タイミングを固定するようにしてもよい。例えば、通常のアイドリング運転時、点火プラグ11の点火タイミングとしてピストン上死点に対して進角側に10°の位置から進角側及び遅角側にそれぞれ5°の範囲で点火タイミングを変更可能としている場合に、ラフアイドル解消制御では、この制御幅を進角側及び遅角側にそれぞれ3°の範囲に規制したり、ピストン上死点に対して進角側に10°の位置に固定するものである。これによれば、点火タイミングの進角量や遅角量が大き過ぎることによる失火の発生を回避することができエンジンストールを防止できる。また、ラフアイドル解消制御としては、上述した燃料噴射量の増量制御、アイドリング目標回転数を高く設定する制御、点火プラグ11の点火時期の変動幅を抑制する制御のうち一つのみを行ってもよいし、2つまたは3つを組み合わせて行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、検出カウンタ(1000revカウンタ)によって総検出回数を、失火カウンタによって失火発生の検出回数をそれぞれカウントすることで、失火発生の検出頻度を求めるようにしたが、これら頻度の求め方は任意に設定可能である。
また、失火判定の手法としては、上述したような回転変動量に基づくものに限らず、点火プラグ11の対向電極間を通じて流れるイオン電流値の変動量に基づいて失火の有無を判定するようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、クランク角度の位相が360°離れた気筒における経過時間の偏差ΔNEを求めるようにしていたが、この偏差ΔNEを求めるために対比される気筒はこれに限るものではない。また、上記偏差ΔNEの演算に用いる経過時間T1〜T4を求めるためのクランクシャフト10の回転角度も30°に限らず任意の角度が設定可能である。
実施形態に係るエンジンの概略構成を示す図である。 失火判定動作の手順を示すフローチャート図である。 ラフアイドル解消制御動作の手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
9 インジェクタ
11 点火プラグ(点火栓)
ΔNE 回転変動量
N1 閾値
CMSOBD 失火カウンタのカウント値
α ラフアイドル判定値

Claims (5)

  1. 内燃機関のアイドリング運転時における回転変動を抑制するためのラフアイドル解消制御を実行可能な内燃機関の制御装置において、
    上記内燃機関の始動時に、内燃機関が高温状態にあるか否かを判定する温度判定手段と、
    上記内燃機関の回転変動量が所定の閾値を超えたときに失火が生じていると判定してその失火発生回数をカウントする失火カウンタからの出力を受け、且つそのカウント値が所定のラフアイドル判定値を超えたか否かを判定するラフアイドル判定手段と、
    上記温度判定手段及びラフアイドル判定手段の出力を受け、内燃機関の始動時のアイドリング運転時において、内燃機関が高温状態にあり且つ失火カウンタのカウント値が所定のラフアイドル判定値を超えている場合に上記ラフアイドル解消制御を実行するラフアイドル解消制御手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関のアイドリング運転時における回転変動を抑制するためのラフアイドル解消制御を実行可能な内燃機関の制御装置において、
    上記内燃機関の始動時に、内燃機関が高温状態にあるか否かを判定する温度判定手段と、
    上記内燃機関の回転変動量が所定の閾値を超えたときに失火が生じていると判定してその失火発生回数をカウントする失火カウンタからの出力を受け、且つその単位時間当たりのカウント回数が所定のラフアイドル判定値を超えたか否かを判定するラフアイドル判定手段と、
    上記温度判定手段及びラフアイドル判定手段の出力を受け、内燃機関の始動時のアイドリング運転時において、内燃機関が高温状態にあり且つ失火カウンタの単位時間当たりのカウント回数が所定のラフアイドル判定値を超えている場合に上記ラフアイドル解消制御を実行するラフアイドル解消制御手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の制御装置において、
    ラフアイドル解消制御手段により実行されるラフアイドル解消制御は、燃料噴射量の増量制御、アイドリング目標回転数を高く設定する制御、点火栓の点火時期の変動幅を抑制する制御のうちの少なくとも一つであることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1、2または3記載の内燃機関の制御装置において、
    失火カウンタは、内燃機関の積算回転回数が所定のクリア値に達する度にそのカウント値を「0」に戻して失火発生回数を再度カウントしていくものであり、
    ラフアイドル解消制御手段は、ラフアイドル解消制御の実行中に内燃機関の積算回転回数が上記クリア値に達して失火カウンタのカウント値が「0」に戻った場合には、失火カウンタの単位時間当たりのカウント回数が所定値を下回っている間、ラフアイドル解消制御を徐々に解除していくよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の内燃機関の制御装置において、
    失火カウンタのカウント値が所定の異常判定値に達すると失火異常判定を行うようになっており、
    ラフアイドル判定値は、上記異常判定値よりも小さい値に設定されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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