特許文献1の装置は、内燃機関の停止が完了するまでの過程で再始動条件の成立を判定してから所定気筒に対して燃焼を噴射するので、その判定タイミングが遅ければ内燃機関の機関回転数の低下具合によって燃料を噴射する機会を逸してしまうこともある。このような場合には内燃機関の停止を完了させてから再始動させる必要があるため、ドライバビリティを損なうおそれがある。また、特許文献2の装置は内燃機関の停止完了前の停止過程で再始動を行うものではない。
そこで、本発明は、内燃機関の停止過程中に再始動条件が成立した場合における再始動の成功可能性を高めることができる内燃機関の停止始動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の停止始動制御装置は、火花点火型内燃機関に適用され、所定の停止条件が成立した場合に前記内燃機関を停止させるとともに所定の再始動条件が成立した場合に前記内燃機関を再始動させる内燃機関の停止始動制御装置であって、前記停止条件の成立に応じて前記内燃機関への火花点火を中止させつつ前記内燃機関への燃料供給を継続させる停止制御手段と、前記停止条件の成立後前記内燃機関の停止完了前に前記再始動条件が成立した場合、前記停止条件の成立後に供給された燃料が燃焼するように前記内燃機関への火花点火を再開させる再始動制御手段と、を備えることにより上述した課題を解決する。
この制御装置によれば、再始動条件の成否に関わりなく、停止条件成立後に火花点火が中止された状態で燃料供給が行われる。そのため、停止条件成立後停止完了前の停止過程において再始動条件が成立したときには、再始動条件成立後に燃料供給をせずに火花点火を再開することにより点火燃焼させて速やかに再始動できる。この制御装置は再始動条件成立後に燃料供給してから点火燃焼する場合よりも再始動の機会を逸する可能性が低いため、内燃機関の停止過程中に再始動条件が成立した場合における再始動の成功可能性を高めることができる。
本発明の停止始動制御装置の一態様においては、前記内燃機関には該内燃機関に供給する供給空気量を開度の変化により調整可能なスロットル弁が設けられており、前記停止条件の成立後停止完了前に前記再始動条件が成立した場合、前記停止条件の成立後前記再始動条件の成立前よりも供給空気量が増加するように、前記スロットル弁の開度を開き側に制御するスロットル弁制御手段を更に備えてもよい。この態様によれば、再始動条件の成立後にその成立前よりも供給空気量が増加するので、再始動を試みる際の空気量不足を解消することができる。このため、火花点火を再開した後の点火燃焼が良好となって再始動の成功可能性が更に向上する。この態様においては、前記スロットル弁制御手段は、前記停止条件が成立した場合はその成立前よりも供給空気量が減少するように、前記スロットル弁の開度を閉じ側に制御してもよい。この場合には、停止条件成立前よりも供給空気量が減少するので、その空気の反力によってトルク変動が抑制されるため停止過程における振動を低減できる。また、仮に停止過程において再始動条件が成立しなかった場合でも、停止完了までの過程が速やかに進行するため停止条件成立後に供給された燃料の機関外への排出を抑制することができる。
本発明の停止始動制御装置の一態様においては、前記内燃機関には電動機を駆動源とした始動装置が設けられており、前記再始動制御手段は、前記停止条件の成立後前記内燃機関の停止完了前に前記再始動条件が成立した際の前記内燃機関の機関回転数が所定値以下の場合、前記始動装置を作動させながら前記内燃機関への火花点火を再開させてもよい。停止過程においては機関回転数が低いほど点火燃焼によるトルクが不足するため再始動が難しくなる。この態様によれば、機関回転数が所定値以下の場合には始動装置の助けを借りて十分なトルクで再始動を試みることができるので確実に再始動を成功できるようになる。
本発明の停止始動制御装置の一態様においては、前記内燃機関は複数の気筒を備えた4ストローク1サイクル機関として構成され、かつ前記内燃機関の停止完了後の再始動の際に所定行程で停止した気筒から火花点火を開始するように構成されており、前記停止制御手段は、前記所定行程で停止する気筒を前記複数の気筒のなかから特定するとともに、前記停止条件が成立してから、その特定した気筒まで燃料供給を継続させて、以後の燃料供給を前記内燃機関の停止完了まで中止させてもよい。停止完了後の再始動において、所定行程(例えば、圧縮行程又は膨張行程)で停止した気筒から火花点火を開始しする内燃機関の場合、停止過程において再始動条件が成立しないまま停止完了したときには、停止完了まで燃料供給を続行すると所定行程で停止する気筒への燃料供給後の他の気筒への燃料供給が無駄になる。この態様によれば、所定ストロールで停止する気筒を特定し、その気筒まで燃料供給が継続されて以後の燃料供給が停止完了まで中止される。そのため、燃料供給の無駄を省くことができるので燃費悪化を防止できる。
本発明の停止始動制御装置の一態様においては、前記内燃機関は複数の気筒を備えた4ストローク1サイクル機関として構成されており、前記再始動制御手段は、前記停止条件の成立後前記内燃機関の停止完了前に前記再始動条件が成立した場合、当該再始動条件の成立の際に圧縮行程にある気筒から火花点火を再開させてもよい。この態様によれば、再始動条件の成立後に圧縮気筒にある気筒から火花点火が開始するので、速やかな再始動が実現できる。
以上説明したように、本発明によれば、停止過程中の再始動条件成立後に燃料供給をせずに火花点火を再開して速やかに再始動できるので、再始動条件成立後に燃料供給してから点火燃焼する場合よりも再始動の機会を逸する可能性が低いため、内燃機関の停止過程中に再始動条件が成立した場合における再始動の成功可能性を高めることができる。
図1は本発明の一形態に係る停止始動制御装置が適用された内燃機関を示している。内燃機関1は不図示の車両に走行用動力源として搭載される。図1において、内燃機関1は4ストローク1サイクル機関として構成されており、一方向に並ぶ4つの気筒2を備える。なお、図1では単一の気筒2のみを示すが、他の気筒2に関する構成も同じである。これらの気筒2を互いに区別するため、以下の説明又は図面においてこれらの気筒2の並び方向の一端から他端に向かって#1~#4の気筒番号を与えることがある。
各気筒2におけるピストン3の位相は気筒2の個数及びレイアウトに応じて互いにずらされている。内燃機関1は直列4気筒型であるので、ピストン3の位相はクランク角にして180°CAずつずらされている。これにより、4つの気筒2のうちいずれか一つの気筒2のピストン3は必ず吸気行程にあり、他のいずれか一つの気筒2のピストン3は必ず膨張行程にある。また、内燃機関1は、燃料噴射弁4から吸気ポート5に燃料を噴射して各気筒2内に混合気を導入し、その混合気に点火プラグ6の火花により点火するポート噴射型の火花点火型内燃機関として構成されている。各気筒2の点火順序は、#1、#3、#4、#2の順序に設定されている。燃料噴射弁4から噴射される燃料は一例としてガソリンである。更に、内燃機関1には、燃焼室7と吸気通路8及び排気通路9との間をそれぞれ開閉する吸気弁10及び排気弁11、吸気通路8からの空気量を調整するスロットル弁12、及びピストン3の往復運動をクランク軸14に回転運動として伝達するコンロッド13が設けられる。これらの構成は周知の内燃機関と同様でよい。
内燃機関1には、これを始動させるための始動装置としてのスタータ15が設けられている。スタータ15は、電動機16を駆動源とし、電動機16の回転を減速歯車機構17を介してクランク軸14と一体回転するリングギア18に伝達する周知のものである。なお、減速歯車機構17は、電動機16からクランク軸14への回転伝達を許容し、クランク軸14から電動機16への回転伝達を阻止するワンウェイクラッチを内蔵する。
内燃機関1の運転状態はエンジンコントロールユニット(ECU)20によって制御される。ECU20はマイクロプロセッサ、及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺装置を含んだコンピュータとして構成され、ROMに記録されたプログラムに従って内燃機関1の運転状態を制御するために必要な各種の処理を実行する。一例として、ECU20は、吸入空気量や空燃比を各種センサの出力信号から検出して、所定の空燃比が得られるように燃料噴射弁4の燃料噴射量を制御する。また、ECU20は点火プラグ6を駆動する点火回路19を操作して火花点火の実行を制御する。ECU20が参照するセンサとしては、クランク軸14の回転位置(クランク角)に対応した信号を出力するクランク角センサ21、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ22、内燃機関1を搭載する車両の車速を検出する車速センサ23及び車両に設けられるミッションの変速段(シフト位置)を検出するシフト位置センサ24等が設けられる。その他にも、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキペダルセンサ等が設けられるが図示は省略した。また、ECU20はスロットル弁12を操作してその開度を制御することができる。
ECU20は、車両が停止する等の所定の停止条件が成立すると内燃機関1を停止させ、所定の再始動条件が成立するとその停止状態から内燃機関1を再始動させる、いわゆるアイドルストップ制御を内燃機関1に対して実行する。停止条件及び再始動条件はアイドルストップ制御に関する公知の技術と同様に設定してよい。例えば、車両が停止しかつ機関回転数(回転速度)がアイドル回転数になることをもって停止条件の成立を判断して、内燃機関1に対して停止指令を出力する。この場合、停止条件の成否の判断はクランク角センサ21及び車速センサ23からの信号に基づいて行われる。また、車両停止状態でミッションのシフト位置がドライブレンジの場合にアクセルペダルが踏まれ又はブレーキペダルが離されることをもって再始動条件の成立を判断して、内燃機関1に対して再始動指令を出力する。この場合、再始動条件の成否の判断はアクセル開度センサ22及びシフト位置センサ24又は不図示のブレーキペダルセンサの出力信号に基づいて行われる。停止条件又は再始動条件の成立の判断には機関温度やバッテリの状態等の種々の要素も加味されてよいが、これらは公知技術であるので詳しい説明は省略する。
本形態はアイドルストップ制御において停止条件が成立してから内燃機関1の停止が完了する前に再始動条件が成立した場合の制御に特徴がある。まず、図2及び図3を参照して本形態に係る制御例を説明する。これらの図は内燃機関1のクランク角、機関回転数NE、スロットル弁12の開度及びスタータ15の動作状態の時間的変化を示し、これらに合わせて#1~#4の各気筒2のストロークと各気筒2に対する燃料供給(燃料噴射)及び火花点火の実行時期を示している。
図2は本形態に係る制御結果の一例を示すタイミングチャートである。図示するように、停止条件が成立して停止指令が出力されると燃料噴射が継続された状態でその指令後直ちに火花点火が中止される。これと並行してスロットル弁12の開度が閉じ側、この場合はスロットル弁12が略全閉状態に制御される。燃料供給が継続されるものの火花点火が中止されるので、気筒2内での燃焼が行われずに機関回転数NEは徐々に低下して停止完了に向かう。この間、スロットル弁12が略全閉状態に制御されるので機関回転数NEの変動が抑えられる。停止完了までの停止過程で再始動指令がない場合は、一点鎖線で示すように、火花点火が中止されつつ燃料噴射が圧縮行程で停止する気筒2まで(この例では#2気筒まで)継続されてから停止完了する。燃料噴射を圧縮行程で停止する気筒まで継続するのは、停止完了後の再始動で圧縮気筒から火花点火を開始するため無駄な燃料噴射を回避するためである。
一方、停止過程で再始動指令が出力される場合には、直ちにスロットル弁12の開度が指令出力前よりも開き側に制御されて供給空気量が増加され、続いて再始動指令時に圧縮行程にあった気筒2(この例では#1気筒)から火花点火が再開される。停止指令後に燃料噴射が行われているので、その燃料を含んだ気筒2内の混合気が火花点火の再開により燃焼し、これにより実線で示すように機関回転数NEが立ち上がり再始動が成功する。図2の例では、再始動指令時の機関回転数NEが火花点火のみによる再始動が困難となる閾値NEstを超えていて火花点火のみでも再始動に必要なトルクを確保できるので、再始動時にスタータ15は作動されない。
図3は本形態に係る制御結果の他の例を示すタイミングチャートである。この例は再始動指令のタイミングが図2よりも遅い場合を示している。停止過程で再始動指令がない場合は図2と同様である。再始動指令前の状態も図2と同様である。図3の例では、再始動指令時の機関回転数NEが閾値NEst以下なので、再始動指令後直ちにスタータ15が作動される。同時にスロットル弁12の開度も開き側に制御されて供給空気量が増加される。その後停止指令時に圧縮行程にある気筒2(この例では#4気筒)から火花点火が再開される。この場合はスタータ15の助けを借りることで再始動に必要なトルクを確保できるため実線で示すように機関回転数NEが立ち上がり再始動が成功する。
次に、以上の制御を実現するための具体的な処理手順についてフローチャートに沿って説明する。図4~図6はECU20が実行する制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、これらのルーチンは互いに並行して実行される。各制御ルーチンのプログラムはECU20に保持されており、適時に読み出されて所定クランク角毎に繰り返し実行される。図4はアイドリングストップ制御に係る点火制御及び空気量制御の制御ルーチンの一例を示している。まず、ステップS1において、ECU20は停止条件が成立しているか否か、即ち停止指令が出力されているか否かを判断する。この判断は例えば停止指令の有無を管理するためのフラグをECU20のRAMに割り当てて、そのフラグの状態を参照することにより実施できる。停止条件が成立していない場合は以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。停止条件が成立している場合はステップS2に進み、スロットル弁の開度TAを閉じ側に制御する。ここでの閉じ側の開度θ0は、アイドリング時の空気量に満たない空気量になる開度θ0に設定され、例えば略全閉状態に設定される(TA←θ0)。即ち、アイドリング時の開度をθidlとすると、θ0≦θidlとなる。
次にステップS3では、この処理時点の直後に点火時期が到来する気筒2に対する火花点火を中止(カット)する。次いで、ステップS4において再始動条件が成立しているか否か、即ち再始動指令が出力されているか否かを判断する。この判断はステップS1の場合と同様に例えば再始動指令の有無を管理するためのフラグをECU20のRAMに割り当てて、そのフラグの状態を参照することにより実施する。再始動条件が成立していない場合は以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。再始動条件が成立している場合はステップS5に進み、スロットル弁12の開度TAを開き側に制御する。ここでの開き側の開度θopは、アイドリング状態の空気量以上の空気量が得られる開度として適宜設定される。即ち、θop≧θidlとなる。
次にステップS6では、機関回転数NEが閾値NEstを超えているか否かを判断する。機関回転数NEはクランク角センサ21の出力に基づいて演算される。閾値NEstは上述したように、火花点火のみでは再始動が困難になる回転数の限界を意味し、換言すればスタータ15による助力が必要となる回転数の上限を意味し、予め実験的に定めておくことができる。閾値NEstは一定値(例えば、400rpm)に設定してもよいし、状況に応じて値を変化させる変数でもよい。機関回転数NEが閾値NEst以下の場合はスタータ15の助力を要するため、ステップS7に進んでスタータ15を起動させる。一方機関回転数NEが閾値NEstを超えている場合はスタータ15の助力が必要ないので、ステップS8に進んで、現時点において圧縮行程にある気筒2を特定し、続くステップS9において、特定された圧縮行程にある気筒2に対して火花点火を実行する。そして、今回のルーチンを終了する。
図5はアイドリングストップ制御に係る燃料噴射制御の制御ルーチンの一例を示している。まず、ステップS11において、ECU20は停止条件が成立したか否かを判定する。停止条件が成立している場合はステップS12に進み、そうでない場合は以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。ステップS12では、圧縮行程でピストン3が停止する気筒(圧縮行程停止気筒)に対する燃料噴射が終了したか否かを判定する。この判定は、その燃料噴射(最終噴射)の終了を管理するために設けられた最終噴射フラグFcoの状態に基づいて行われる。そのフラグFcoは最終噴射が終了したときにONに設定され、それ以外の場合はOFFに設定される。最終噴射が終了した場合、つまりフラグFcoがONの場合にはステップS13に進んで、以後の燃料噴射を中止(カット)し、今回のルーチンを終了する。一方、最終噴射が未了の場合はステップS14に進んで、燃料噴射時期を迎える気筒が圧縮行程停止気筒か否かを判別する。この判別は図6に示す制御ルーチンにてON/OFFされる停止気筒判別フラグCcoの状態に基づいて行われる。
図6は圧縮行程停止気筒判定制御の制御ルーチンの一例を示している。まずステップS21において、機関回転数NEが所定値NEco以下か否かを判定する。図7は圧縮行程停止気筒を判別のために使用する所定値NEcoを説明する説明図である。この図に示すように、所定値NEcoの具体的な値は、機関回転数NEが所定値NEcoのときに排気行程にある気筒がその後圧縮行程で停止完了を迎える実験的な事実に基づいて設定される。つまり、機関回転数が所定値NEcoの際に排気行程にある気筒が圧縮行程停止気筒に相当する。そこで、ステップS21において機関回転数NEが所定値NEco以下と判定された場合はステップS22に進み、排気行程にある気筒を圧縮行程停止気筒として特定し、停止気筒判別フラグCcoをONに設定する(Cco←ON)。その後、今回のルーチンを終了する。周知のように各気筒2の行程(ストローク)はクランク角センサ21の出力から特定される。一方、機関回転数NEが所定値を超えている場合は、圧縮行程停止気筒を判別できる時期にないので、ステップS23に進んで、停止気筒判別フラグCcoをOFFに設定し(Cco←OFF)、今回のルーチンを終了する。
図5に戻り、ステップS14で停止気筒判別フラグCcoがONの場合はステップS15に進んで最終噴射フラグFcoをONに設定し(Fco←ON)、その上でステップS16において圧縮行程気筒に対する燃料噴射を実行して今回のルーチンを終了する。一方、停止気筒判別フラグCcoがONでない場合は、ステップS17に進んで最終噴射フラグFcoをOFFに設定し(Fco←OFF)、その上でステップS16において燃料噴射を実行して今回のルーチンを終了する。
以上の図4~図6に示した制御ルーチンを実行することにより、図2及び図3に示した結果を得ることができる。即ち、再始動条件の成否に関わりなく、停止条件成立後に火花点火が中止された状態で燃料供給が行われるため、停止条件成立後停止完了前の停止過程において再始動条件が成立したときには、再始動条件成立後に燃料供給をせずに火花点火を再開することにより点火燃焼させて速やかに再始動できる。本形態の制御は再始動条件成立後に燃料供給してから点火燃焼する場合よりも再始動の機会を逸する可能性が低いため、内燃機関1の停止過程中に再始動条件が成立した場合における再始動の成功可能性を高めることができる。
以上の形態において、ECU20は図4~図6の制御ルーチンを実行することにより、本発明に係る停止制御手段として、図4のステップS4~9を実行することにより、本発明に係る再始動制御手段として、図4のステップS2及びステップS5を実行することにより、本発明に係るスロットル弁制御手段としてそれぞれ機能する。
但し、本発明は以上の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。本発明の停止始動制御装置が適用される内燃機関はポート噴射型の内燃機関に限定されず、気筒内に燃料を直接的に噴射するいわゆる直噴型の内燃機関にも適用できる。直噴型の内燃機関に適用する場合には停止条件成立後に燃料供給できる時期についてポート噴射型の内燃機関よりも制約が少ないので、その燃料供給時期の自由度が高まる利点がある。
また、停止条件成立後における燃料供給の継続を圧縮行程停止気筒までとするのは一例にすぎない。例えば、本発明を適用する内燃機関が停止完了後の再始動において膨張行程から火花点火を開始するように構成されている場合には、その燃料供給を停止完了時において膨張行程で停止する膨張行程停止気筒まで継続させてもよい。膨張行程停止気筒の判別は図7に示したものと同様の方法で実施することができる。
また、内燃機関の停止過程において供給空気量を減量あるいは増量させる手段としては、スロットル弁の開度を制御する形態に限定されない。例えば、気筒毎に設けられる吸気弁の開閉時期を制御することで供給空気量を減量あるいは増量させることもできる。即ち吸気弁の閉弁時期を遅角させて供給空気量を減量させたり、吸気弁の閉弁時期を進角させて供給空気量を増量させてもよい。また、スロットル弁の開度制御と吸気弁の開閉時期制御とを併用して、供給空気量を減量あるいは増量させることもできる。