JP3661535B2 - 筒内噴射型エンジンの始動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射型エンジンに適用する始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内噴射型多気筒エンジンにあっては、燃料噴射制御、あるいは、点火時期制御などを行うために、始動時に気筒識別、例えば、どの気筒がどの行程にあるかを識別する必要がある。そして、クランク角度及びカム角度から気筒識別が行われると、各気筒に対して吸気行程に燃料噴射及び点火が実行される。
【0003】
例えば、4気筒の筒内噴射型エンジンでは、クランクシャフトが2回転(270°)することで1サイクル(吸気行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程)実施されるものであり、このクランクシャフトの2回転で、クランク角センサからSGT信号が出力されると共に、カム角センサからSGC信号が出力される。従って、エンジンの始動時に、SGT信号の立ち下がり及び立ち上がりに対するSGC信号のレベルによりどの気筒が圧縮上死点位置(爆発行程)にあるかを識別し、吸気行程にある気筒から燃料噴射及び点火を開始する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の筒内噴射型エンジンの始動方法では、気筒の識別にエンジンの1行程分を必要とし、次に吸気行程、圧縮行程、爆発行程と続くため、この吸気行程で燃料を噴射して爆発行程で点火することとなり、早くともエンジン起動時から4行程目に着火してエンジンが始動する。そのため、点火プラグへの通電時間が長くなり、バッテリの電力を多く消費してしまうという問題がある。
【0005】
なお、本出願人は、既に、特願平11−73362号の「筒内噴射型内燃機関の始動装置」として、停止中の内燃機関の圧縮行程に位置する気筒を特定し、内燃機関の始動時に特定した気筒の残りの圧縮行程に対して燃料噴射を実行することにより、内燃機関の早期始動を可能としたものを出願している。ところが、この出願では、特定した気筒の圧縮行程における位置に応じた制御や、エンジンの停止時の逆転による気筒の特定違いに対する制御についてはまだ改良の余地があった。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するものであって、エンジンを早期に始動することで消費電力の低減を図ると共に始動フィーリングの向上を図った筒内噴射型エンジンの始動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の筒内噴射型エンジンの始動装置では、圧縮行程気筒判別手段が停止中のエンジンの圧縮行程に位置する気筒を特定し、燃料噴射制御手段はエンジンの始動時に圧縮行程気筒判別手段で特定された気筒の圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには特定された気筒に対して燃料噴射を実行する一方、残りの期間が所定期間より短いときには特定された気筒への燃料噴射を禁止すると共に次回に圧縮行程となる気筒に対して燃料噴射を実行するようにしている。
【0008】
従って、始動のためのクランキングが開始されると、圧縮行程の残りの期間が長いときにはその気筒に燃料が噴射され、短いときには次回に圧縮行程となる気筒に燃料が噴射されるため、該当する気筒に直ちに着火されると共に着火不可な気筒へは燃料が噴射されなくなり、早期なエンジン始動が可能となって消費電力の低減が図れると共に、排ガス性能を向上しつつ燃費の悪化が防止され、始動フィーリングを向上できる。
【0009】
また、請求項2の発明の筒内噴射型エンジンの始動装置では、燃料噴射制御手段は、圧縮行程気筒判別手段で特定された気筒の圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには該気筒に加えて特定された気筒の前回にあった気筒に対して燃料噴射を実行するようにしている。
【0010】
従って、エンジンの停止時にクランクシャフトが逆転して停止した場合であっても、前回に圧縮行程にあった気筒に対して燃料が噴射されるため、確実にエンジンを始動できる。
【0011】
更に、請求項3の発明の筒内噴射型エンジンの始動装置では、始動時のエンジンの圧縮行程に位置する気筒を識別する圧縮行程気筒識別手段をさらに備え、燃料噴射制御手段は、圧縮行程気筒判別手段で特定された気筒の圧縮行程及び特定された気筒の前回にあった気筒の吸気行程に対して燃料噴射を実行するものであって、圧縮行程気筒識別手段によって圧縮行程気筒判別手段で特定された気筒が圧縮行程ではなく吸気行程であったことが判定されると、特定された気筒の吸気行程に続く圧縮行程において燃料噴射を実行するようにしている。
【0012】
従って、燃料の悪化が防止され、吸気行程で噴射した燃料による生ガスを低減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1に本発明の一実施形態に係る筒内噴射型エンジンの始動装置を表す概略構成、図2にエンジン停止時の制御を表すフローチャート、図3にエンジン始動時の制御を表すフローチャート、図4及び図5にエンジン停止状態がケース1に該当する場合のエンジン始動時のタイムチャート、図6にエンジン停止状態がケース2に該当する場合のエンジン始動時のタイムチャートを示す。
【0015】
本実施形態において、図1に示すように、エンジン11は4気筒の筒内噴射型の火花点火式エンジンであって、シリンダヘッドに気筒ごとに点火プラグ12及びインジェクタ13が取付けられ、図示しない燃焼室内にこのインジェクタ13から燃料が直接噴射されるようになっている。このエンジン11では、圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射モードと、吸気行程で燃料噴射を行う吸気行程噴射モードとが切り換え可能となっており、圧縮行程噴射モードでは、点火プラグの周囲に理論空燃比近傍の混合気を形成した上で超リーンな全体空燃比を実現する層状燃焼が可能であり、吸気行程噴射モードでは、燃焼室に均一な混合気を形成する均一燃焼が可能となっている。そして、このエンジン11にはクラッチ14を介してベルト式無段変速機(CVT)15が連結され、このCVT15の出力軸は図示しないフロントデフを介して左右の駆動輪へ連結されている。
【0016】
このエンジン11には常時噛み合いのスタータ16が装着され、スタータ16のピニオンギヤ17がエンジン11のフライホイール18に噛み合っている。このスタータ16において、スタータモータ19は常開のリレー接点20を介してバッテリ21に接続され、リレー接点20と対応するリレーコイル22はイグニツションスイッチ23のST接点24を介してバッテリ21に接続されている。従って、イグニツションスイッチ23がST接点24の位置まで操作されると、リレーコイル22の励磁によりリレー接点20が閉じられてスタータモータ19が通電し、スタータ16によりエンジン11がクランキングされる。また、スタータ16のリレーコイル22はスタータ制御用のコントローラ25のリレー接点26及びイグニツションスイッチ23のON接点27を介してバッテリ21に接続されており、リレー接点26と対応するリレーコイル28はバッテリ21に接続されている。従って、イグニツションスイッチ23がON接点27の位置であっても、リレーコイル28の励磁によりリレー接点26が閉じられると、スタータモータ19が通電してクランキングが行われる。
【0017】
また、車両にはエンジン11やCVT15などを制御する電子制御ユニット(ECU)29が設けられ、このECU29には、入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶を行う記憶装置、中央処理装置及びタイマやカウンタ類が具備されており、このECU29により筒内噴射エンジン11の総合的な制御が実施される。エンジン11には、所定のクランク位置でクランク角信号SGTを出力するクランク角センサ30が設けられると共に、所定のカム位置でカム回転位置信号SGCを出力するカム角センサ31が設けられている。即ち、このクランク角センサ30、カム角センサ31に加えて、シフトポジションセンサ32、図示しないスロットルポジションセンサ、エアフローセンサ、アクセルポジションセンサなどの各種センサ類の検出情報、イグニッションキースイッチ23の信号がECU29に入力され、ECU29が各種センサ類の検出情報に基づいて、燃料噴射モードや燃料噴射量、点火時期等を決定し、点火プラグ12、インジェクタ13のドライバ、スロットル弁の駆動モータ等を駆動制御する。
【0018】
このように構成された筒内噴射型エンジン11にあって、ECU29は、停止中のエンジン11の圧縮行程に位置する気筒を特定(圧縮行程気筒判別手段)し、始動時に圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには特定された気筒に対して燃料噴射を実行する一方、圧縮行程における残りの期間が所定期間より短いときには特定された気筒への燃料噴射を禁止すると共に次回に圧縮行程となる気筒に対して燃料噴射を実行(燃料噴射制御手段)するようにしている。また、エンジン11の始動時に、圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには特定された気筒に加えて、前回圧縮行程にあった気筒に対して燃料噴射を実行するようにしている。
【0019】
この場合、圧縮行程気筒判別手段は、クランク角センサ30及びカム角センサ31であり、クランク角信号SGTとカム回転位置信号SGCに基づき、エンジン停止時に圧縮気筒を識別する。即ち、SGT信号の立ち下がり及び立ち上がりに対するSGC信号のレベルによりどの気筒が圧縮上死点位置(爆発行程)にあるかを識別し、それに基づいて圧縮行程で停止した気筒をECU29に記憶する。また、この圧縮行程で停止した気筒が圧縮行程内のどの期間に位置しているか、つまり、本実施形態では、圧縮行程であると特定された気筒にて、この圧縮行程での停止位置が75°BTDCより前(残りの期間が所定期間より長いとき)であればケース1として特定し、後(残りの期間が所定期間より短いとき)であればケース2として特定し、ECU29に記憶する。
【0020】
更に、エンジン11が停止時に圧縮行程であると特定された気筒にて、その停止位置が75°BTDCより前であるとき(ケース1)は、圧縮行程初期から中期(ピストンが上昇する前)でエンジン11が停止した場合と、圧縮行程後期(ピストンが上昇途中)でエンジン11が逆転して停止した場合とが考えられる。エンジン11が逆転して戻ってから圧縮行程初期で停止した場合、クランク角信号SGTが既に出力されているため、ECU29は、実際に停止した気筒ではなく次回に圧縮行程となる気筒を圧縮行程で停止した気筒であると特定してしまう。そこで、ケース1の場合、エンジン11の始動時に、圧縮行程で停止したと特定された気筒及び前回圧縮行程にあった気筒に対して燃料を噴射し、その後、クランク角信号SGTとカム回転位置信号SGCに基づいて正確に気筒を識別してから正しい気筒の圧縮行程で燃料を噴射するようにしている。
【0021】
ここで、本実施形態の筒内噴射型エンジンの始動装置による制御を図2、図3のフローチャート及び図4、図5、図6のタイムチャートに基づいて説明する。
【0022】
まず、エンジン11の停止時の制御において、図2に示すように、ステップ11にて、エンジン11が停止したかどうかを、例えば、エンジン回転数センサの出力により判定する。この場合、ドライバによるイグニッションキースイッチ23のOFF操作による手動停止と、アイドルストップによる自動停止、ハイブリッド車でのバッテリ電力や運転状態によるエンジン停止があり、アイドルストップによる自動停止の場合には、予め設定された停止条件、例えば、シフトレバーの中立位置、車速0状態の一定時間継続、ブレーキスイッチのONなどが成立しているときにエンジン11を停止する。
【0023】
このステップ11にて、エンジン11が停止したら、ステップS12にて、前述したように、クランク角センサ30のクランク角信号SGTとカム角センサ31のカム回転位置信号SGCに基づいてエンジン11の停止時に圧縮行程にある気筒を識別し、ECU29に記憶する。そして、ステップ13にて、圧縮行程で停止した気筒にて、その停止位置が75°BTDCより前、つまり、クランク角信号SGTがLOWレベルにあるかを判定し、LOWレベルにあれば、ステップS14にてケース1と設定し、LOWレベルでなくHIGHレベルにあれば、ステップS15にてケース2と設定する。このようにしてエンジン11の停止時に、ECU29は圧縮行程にある気筒と、この圧縮行程で停止した気筒の停止位置に応じてケース1あるいはケース2を記憶する。
【0024】
次に、エンジン11の始動時の制御において、図3に示すように、ステップ21にて、エンジン11の起動指令がECU29に入力したかどうか、例えば、ドライバのイグニッションキースイッチ23によるON操作があったか、また、アイドルストップ状態で、予め設定された再始動条件、例えば、シフトレバーの走行位置、アクセルペダルスイッチのONなどが成立しているときにエンジン11を再始動する。ステップS22では、既に通常の燃料噴射が開始されているかどうかを判定し、通常の燃料噴射が開始されていればステップS35で通常の燃料噴射及び点火制御を継続する。
【0025】
一方、ステップS22にて、通常の燃料噴射が開始されていなければ、ステップS23にて、ECU29に記憶されているエンジン11の停止状態を読み出し、ケース1に該当するかどうかを判定する。そして、このステップS23にて、エンジン11の停止状態がケース1に該当すれば、ステップS24にて前回エンジン11が停止したときの気筒記憶があることを確認し、ステップS25にて、気筒識別が完了しているかどうかを判定し、気筒識別が完了していなければ、ステップS26に移行する。
【0026】
そして、このステップS26にて、クランク角信号SGTの立ち上がり(HIGH)を待ち、ステップS27にて、記憶された気筒と前回圧縮行程にあった気筒に対して75°BTDCでインジェクタ13により燃料噴射を実行し、ステップS28にて、この記憶された気筒と前回圧縮行程にあった気筒に対して75°BTDCで点火コイルに通電して点火プラグ12により着火する。そして、ステップS29にて、クランク角信号SGTの立ち下がり(LOW)を待ち、ステップS30にて、点火コイルの通電を停止する。
【0027】
このエンジン11の停止状態がケース1の場合の始動制御について具体的に説明すると、図4に示すように、エンジン11が圧縮行程で停止したと特定された気筒が#4気筒であるとき、クランク角信号SGTの停止位置は75°BTDCより前となっている。この状態からエンジン11を始動すると、ECU29は特定された#4気筒に加えて、前回圧縮行程にあった#3気筒に対して燃料噴射を実行し、続いてこの#4気筒及び#3気筒に対して点火する。そして、その後のSGT信号の立ち下がり及び立ち上がりに対するSGC信号のレベルにより#2気筒が圧縮上死点位置にあるかを識別し、圧縮行程で停止した気筒が#4気筒であることを確認する。この場合、#3気筒に燃料噴射及び点火を実行したが、このときは爆発行程にあるために着火せず、その後、#2,#1,#3気筒の順に燃料噴射及び点火を実行する。
【0028】
一方、図5に示すように、クランク角信号SGTの停止位置が75°BTDCより前(点線位置)であるために、エンジン11が圧縮行程で停止したと特定された気筒が#4気筒であったとしても、エンジン11が逆転して停止した場合があり、この場合、実際のエンジン11の停止位置は更に手前(一点鎖線位置)であり、圧縮行程で停止した気筒は#3気筒である。この場合、エンジン11を始動すると、ECU29は、前述と同様に、特定された#4気筒及び#3気筒に対して燃料噴射及び点火を実行する。ところが、#4気筒は吸気行程であるために着火せず、圧縮行程にある#3気筒のみ着火する。そして、その後のSGT信号の立ち下がり及び立ち上がりに対するSGC信号のレベルにより#4気筒が圧縮上死点位置にあるかを識別することで、圧縮行程で停止した気筒は#4気筒ではなく、#3気筒であることを確認し、#4,#2,#1気筒の順に燃料噴射及び点火を実行する。なお、#4気筒では、吸気行程で既に燃料を噴射しており、圧縮行程で噴射する燃料量を減少することができ、吸気行程で噴射した燃料と圧縮行程で噴射した燃料とで理論空燃比近傍の混合気を形成し、リーンな全体空燃比を実現する層状燃焼が実現されることとなり、燃費が悪化したり、吸気行程で噴射した燃料による生ガスが外部に排出されることはない。
【0029】
また、図3に戻り、ステップS23でエンジン11の停止状態がケース1に該当しなかった(ケース2に該当)り、ステップS24で前回エンジン11が停止したときの気筒記憶がないときには、ステップS31に移行して気筒識別の完了を行ってからステップS32に移行し、また、ステップS25にて、気筒識別が完了していたらステップS32に移行する。そして、このステップS32では、クランク角信号SGTの立ち上がり(HIGH)を待ち、ステップS33にて、識別された気筒に対して75°BTDCでインジェクタ13により燃料噴射を実行し、ステップS34にて、この識別された気筒に対して75°BTDCで点火コイルに通電して点火プラグ12により着火する。そして、ステップS29でクランク角信号SGTの立ち下がり(LOW)を待ち、ステップS30で点火コイルの通電を停止する。
【0030】
このエンジン11の停止状態がケース2の場合の始動制御について具体的に説明すると、図6に示すように、エンジン11が圧縮行程で停止したと特定された気筒が#4気筒であるとき、クランク角信号SGTの停止位置は75°BTDCより後となっている。この状態からエンジン11を始動すると、ECU29は特定された#4気筒には燃料噴射を実行せず、次回に圧縮行程となる#2気筒に対して燃料噴射を実行し、続いてこの#2気筒に対して点火する。このとき、SGT信号の立ち下がり及び立ち上がりに対するSGC信号のレベルにより#2気筒が圧縮上死点位置にあるかを識別しており、圧縮行程で停止した気筒が#4気筒であることを確認している。
【0031】
なお、上述の実施形態では、気筒識別が完了した気筒に燃料噴射を行っていたが、単純に記憶気筒の次に圧縮行程となる気筒に燃料噴射を行ってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の筒内噴射型エンジンの始動装置によれば、停止中のエンジンの圧縮行程に位置する気筒を特定し、エンジンの始動時に特定された気筒の圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには特定された気筒に対して燃料噴射を実行する一方、残りの期間が所定期間より短いときには特定された気筒への燃料噴射を禁止すると共に特定された気筒の次回に圧縮行程となる気筒に対して燃料噴射を実行するようにしたので、圧縮行程に位置する気筒に直ちに着火されると共に着火不可な気筒へは燃料が噴射されなくなり、早期なエンジン始動が可能となって消費電力の低減が図れると共に、排ガス性能を向上しつつ燃費の悪化が防止され、始動フィーリングを向上することができる。
【0033】
また、請求項2の本発明の筒内噴射型エンジンの始動装置によれば、燃料噴射制御手段は、圧縮行程気筒判別手段で特定された気筒の圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには該気筒に加えて特定された気筒の前回にあった気筒に対して燃料噴射を実行するようにしたので、エンジンの停止時にクランクシャフトが逆転して停止した場合であっても、前回に圧縮行程にあった気筒に対して燃料が噴射されるため、確実にエンジンを始動することができる。
【0034】
更に、請求項3の本発明の筒内噴射型エンジンの始動装置によれば、始動時のエンジンの圧縮行程に位置する気筒を識別する圧縮行程気筒識別手段をさらに備え、燃料噴射制御手段は、圧縮行程気筒判別手段で特定された気筒の圧縮行程及び特定された気筒の前回にあった気筒の吸気行程に対して燃料噴射を実行するものであって、圧縮行程気筒識別手段によって圧縮行程気筒判別手段で特定された気筒が圧縮行程ではなく吸気行程であったことが判定されると、特定された気筒の吸気行程に続く圧縮行程において燃料噴射を実行するようにしたので、燃料の悪化が防止され、吸気行程で噴射した燃料による生ガスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る筒内噴射型エンジンの始動装置を表す概略構成図である。
【図2】 エンジン停止時の制御を表すフローチャートである。
【図3】 エンジン始動時の制御を表すフローチャートである。
【図4】 エンジン停止状態がケース1に該当する場合のエンジン始動時のタイムチャートである。
【図5】 エンジン停止状態がケース1に該当する場合のエンジン始動時のタイムチャートである。
【図6】 エンジン停止状態がケース2に該当する場合のエンジン始動時のタイムチャートである。
【符号の説明】
11 エンジン
12 インジェクタ
13 点火プラグ
15 ベルト式無段変速機(CVT)
16 スタータ
21 バッテリ
29 電子制御ユニット、ECU(燃料噴射制御手段)
30 クランク角センサ(圧縮行程気筒判別手段)
31 カム角センサ(圧縮行程気筒判別手段)
Claims (3)
- 燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射型エンジンにおいて、停止中の前記エンジンの圧縮行程に位置する気筒を特定する圧縮行程気筒判別手段と、前記エンジンの始動時に前記圧縮行程気筒判別手段で特定された前記特定気筒の圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには前記特定気筒に対して燃料噴射を実行する一方、圧縮行程における残りの期間が所定期間より短いときには前記特定気筒への燃料噴射を禁止すると共に前記特定気筒の次回に圧縮行程となる気筒に対して燃料噴射を実行する燃料噴射制御手段とを具えたことを特徴とする筒内噴射型エンジンの始動装置。
- 前記燃料噴射制御手段は、前記圧縮行程気筒判別手段で特定された前記特定気筒の圧縮行程における残りの期間が所定期間より長いときには前記特定気筒に加えて前記特定気筒の前回にあった気筒に対して燃料噴射を実行することを特徴とする請求項1記載の筒内噴射型エンジンの始動装置。
- 始動時の前記エンジンの圧縮行程に位置する気筒を識別する圧縮行程気筒識別手段をさらに備え、
前記燃料噴射制御手段は、前記圧縮行程気筒判別手段で特定された前記特定気筒の圧縮行程及び前記特定気筒の前回にあった気筒の吸気行程に対して燃料噴射を実行するものであって、前記圧縮行程気筒識別手段によって前記圧縮行程気筒判別手段で特定された前記特定気筒が圧縮行程ではなく吸気行程であったことが判定されると、前記特定気筒の吸気行程に続く圧縮行程において燃料噴射を実行することを特徴とする請求項2記載の筒内噴射型エンジンの始動装置。
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