JP2012527889A - イチョウ科の形成層由来植物幹細胞及びその分離方法 - Google Patents

イチョウ科の形成層由来植物幹細胞及びその分離方法 Download PDF

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Abstract

本発明はイチョウ科(family Ginkgoaceae)の形成層由来幹細胞及びその分離方法に関する。本発明に係るイチョウ科の形成層由来幹細胞は脱分化過程を経ないで未分化状態で分離され、長期培養時にも細胞生長率と生長パターンが変化することなく安定的に維持され、大量培養が可能であるため、有用である。また、本発明に係るイチョウ科の形成層由来幹細胞は、酸化剤処理によって生じるラジカル消去能を測定した結果、既存の合成抗酸化剤と同等か、さらに高い抗酸化効果を有することが明らかになり、優れた抗酸化用組成物として有用である。

Description

本発明はイチョウ科(family Ginkgoaceae)の形成層由来幹細胞及びその分離方法に関する。
植物は、過去食糧資源と認識されていたが、現在では薬剤、香料、色素、農薬、及び染料等を含む広範囲な化学物質の供給源として、その意義が拡大している。特に、植物由来有用物質の多くは、抗ウイルス、抗バクテリア、抗癌、抗酸化能力等の生理活性があって、新医薬品として開発可能な理想的な資源として注目されており、多くの植物由来物質の化学構造と活性との間の関係を解明するための研究が盛んに行われている。
しかし、現状では、生理活性物質は、医薬品として開発し難しく、その主な理由は次の通りである。第一に、植物内の生理活性物質の含有量が極めて限定的である。第二に、植物の生長速度は非常に遅い。第三に、植物由来生理活性物質は、植物の特定器官内にだけ少量存在する。第四に、自然破壊という環境問題が係わっている。第五に、植物由来生理活性物質の場合、化学的な構造が非常に複雑で、多段階重合プロセスが必要であり、生産費用が非常に高いという経済的な問題がある。従って、植物由来生理活性物質を商業的に安定的に供給することはかなり難しい。
ところが、生物工学技法の一つである植物細胞培養方法は、環境問題を誘発せずに、植物由来有用物質を安定的に供給できる、最も理想的な技術として永く評価されている。韓国公開特許1995−0000870(1995年1月3日)によれば、植物細胞培養による有用物質の生産は、植物から直接抽出する方法より数多くの長所がある。特に、既存の抽出法とは違って、外部環境の影響を受けずに持続的な生産が可能で、生態系破壊のような懸念される問題を解決できる最適な方法として考えられている。しかし、現状は植物細胞培養に対する大いなる関心と努力にもかかわらず産業化に成功した例はまだきわめて一部にすぎない。これは、数多くの植物細胞培養で細胞増殖と生産性の変異が主な問題として依然として残っているためである。
植物発現システムに植物細胞を利用する場合、植物細胞の分化組織、例えば葉、幹、種等は、分裂能を喪失した永久組織であるため、分裂能を有する細胞株に転換するために脱分化過程を必ず行う必要がある。前記脱分化過程は、植物体のある組織や器官を利用して培養した時、既に特定機能を行えるよう分化した組織や細胞の状態を脱分化することを意味する。しかし、このような脱分化過程中に染色体変異によって細胞株の深刻な変異が発生しうる。
特に、植物細胞培養を介した有用物質の生産は、長期間の培養期間において、早い細胞増殖と高い代謝物質生産能が安定的に維持されてこそ産業化が可能であるが、多くの細胞株は、継代培養によって本来とは異なる数多くの変異を受けるようになる。従って、このような変異の問題を克服して、植物細胞培養を介して有用物質生産において、遺伝的に安定した細胞株を獲得するための方法が切に望まれる。
そこで、本発明者の一部は、植物の幹から採取した形成層だけを利用してカルスを誘導する方法を開発したが(韓国登録特許第0533120号)、この登録特許は単に木本植物の幹形成層を利用してカルスを誘導しただけであった。カルス(callus)とは、脱分化が起きて形成された組織であるため、前記登録特許は依然として脱分化による変異問題は未解決のままであった。また、本発明者中の一部は、脱分化による変異の問題を解決し、安定的に増殖が可能な遺伝的安全性が高い細胞株の提供方法として国際特許出願PCT/KR2006/001544号の発明を開発した。しかし、落葉樹に属するイチョウは、有用植物として知られており、これから脱分化による変異の問題を解決して安定的に増殖が可能な遺伝的安全性が高い細胞株を獲得することが求められている。
そこで、本発明者は、イチョウ科植物の形成層由来幹細胞を分離することによって有用な植物細胞株を提供しようと鋭意努力した結果、イチョウ科植物の形成層由来幹細胞を分離し、前記幹細胞が安定的に増殖して、培養時に変異がないことを確認して、本発明を完成した。
発明の要約
本発明の目的は、脱分化過程を経ていないイチョウ科の形成層由来幹細胞及びその分離方法を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明はイチョウ科の形成層から由来し、脱分化を経ない先天的未分化細胞であることを特徴とするイチョウ科の形成層由来幹細胞を提供する。
本発明はまた、以下の工程を含むイチョウ科の形成層由来幹細胞の分離方法を提供する:
(a)イチョウ科植物から形成層含有組織を取得する工程;
(b)前記取得された形成層含有組織を培地で培養する工程;及び
(c)前記形成層から細胞を分離することによって形成層由来幹細胞を取得する工程。
本発明はまた、前記イチョウ科の形成層由来幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗酸化用組成物を提供する。
本発明はまた、前記イチョウ科の形成層由来幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗酸化用機能性食品を提供する。
本発明の他の特徴及び具現例は、以下の詳細な説明及び添付された特許請求の範囲からより一層明白になる。
材料植物(イチョウ)の横断面から形成層を観察した写真である。 本発明に係る幹細胞の誘導及び分離写真であり、Aは幹細胞(矢印)と篩部(phloem)細胞(★印)の極めて異なる形態を示す写真であり、Bは幹細胞を分離してから、培養3週後の写真である。 本発明に係る幹細胞(A)及びイチョウの樹皮切片体誘導カルス(B)の固体培養時写真である。 本培養過程の幹細胞(A)及びイチョウの樹皮組織から誘導したカルス(B)の細胞凝集の程度を観察した顕微鏡写真である(×100)。 本発明に係る幹細胞(A)及びイチョウ体細胞(B)の顕微鏡写真であり、左側下段のスケールバーは25μmである。 ニュートラル・レッドを利用して液包を染色後観察した、本発明に係る幹細胞(A)及びイチョウ樹皮組織から誘導したカルス(B)の顕微鏡写真であり、右側下段のスケールバーは25μmである。 本発明に係る幹細胞(A)及びイチョウ樹皮組織から誘導したカルス(B)のミトコンドリアを観察した写真である。 本発明に係る幹細胞の生物反応器での細胞生長曲線を示したグラフである。 本発明に係る幹細胞(stem cell)及びイチョウ樹皮組織から誘導したカルスの生長速度比を示したグラフである。 3L空気浮揚式生物反応器(A)、20L空気浮揚式生物反応器(B)及び250L空気浮揚式生物反応器(C)で10日間培養した結果を示した写真である。 本発明に係る幹細胞及びイチョウ樹皮組織から誘導したカルスの凍結保存後細胞生存率を示したグラフである。 本発明に係る幹細胞抽出物(GG−E)及びエリシターを処理して、培養した培養物の抽出物(GP−E)の濃度別ラジカル消去能を示したグラフである。
他の方式で定義されない限り、本明細書において使用されたあらゆる技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野に熟練した専門家によって通常理解されるものと同じ意味を有する。通常、本明細書において使用された命名法は、本技術分野において周知であり、しかも汎用されるものである。
本発明の詳細な説明などにおいて使用される主な用語の定義は、下記の通りである。
本願において維管束「形成層」は植物の維管束組織(vascular tissue)内に位置する側部分裂組織(lateral meristem)であり、幹と根元に位置する。形成層の活動によって植物の肥大生長が起き、その結果、11,000年以上の年輪を有する巨大植物体が存在できるようになる。発生学的に維管束形成層は、前形成層を起源とするため、分裂組織的連続性を維持しながら徐々に分化した同一分裂組織に便宜上区分されるだけで(植物形態学、イ・ジェド他7人共著、アカデミー書籍、第10章、1993)、本発明において形成層は、前形成層を含むと解釈される。このような形成層と前形成層は、同じ一次分裂組織として、本発明において形成層及び前形成層組織を用いて同じ効果を得ることは明らかである。
本願において植物「幹細胞」とは、脱分化過程を経ておらず、遺伝的により安定した先天的な未分化細胞をいう。
本願において「破砕物」とは、細胞を界面活性剤(detergent)等を利用した化学的方法または物理的方法等で破砕して得た細胞溶解物を意味し、細胞株の「抽出物」とは、細胞を溶媒に溶かして分離した物質で、蒸留または蒸発を利用して濃縮される。また、細胞株「培養液」とは、細胞を培養させた後、細胞を除いて残った細胞培養溶液を意味する。さらに、本願において「培養物」とは、培養液及び/または培養された細胞株を含む物質として、この時培養された細胞株は培養条件によって分化したり、有用物質の生産能及び/または分泌能が向上した細胞株を全て含む概念である。
本願において「先天的な未分化状態(innately undifferentiated)」とは、脱分化過程を経て未分化状態にあることではなく、本来的に分化前状態を維持することをいう。
本願において「カルス」とは、脱分化過程を介して分化しない状態になった細胞または細胞塊(PNAS, 99(25):15843, 2002)をいう。
一観点において、本発明は、イチョウ科の形成層から由来し、脱分化を経ない先天的未分化細胞であることを特徴とするイチョウ科の形成層由来幹細胞に関する。
分化済みの組織である葉や幹、根元の部分を用いる場合、カルスを形成するためには、分化した組織から未分化組織に戻る(rejuvenilation)脱分化(dedifferentiation)過程を経るが、この脱分化過程中に体細胞に突然変異が起きて、細胞不安定性の原因となる。そこで、本発明者等は、体細胞変異が殆どない植物細胞システムを研究し、分裂組織である形成層だけで特異的に細胞株を誘導する場合、脱分化を経ずに分裂組織自体が有している旺盛な分裂能を用いることができるため、体細胞変異がなく遺伝的に安全性が高く、生理的に均一な細胞株を誘導できる点に着眼して形成層由来幹細胞の分離を行った。
本発明に係るイチョウ科の形成層由来幹細胞は以下の少なくとも一つの特性を有することを特徴とする:
(a)懸濁培養時、イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、多数の単細胞を含むか、又は小さいサイズの細胞集合体を含むこと;
(b)多数の液包(vacuole)を有する形態学的特徴を有すること;
(c)イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、多数のミトコンドリアを有すること;
(d)イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、生長速度が速く、そして永く成長できること;
(e)イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、生物反応器での剪断ストレス(shear stress)に対して低い感受性を有すること。
この時、「多数の液包」を有するとは、イチョウ科の脱分化されたカルス等と比較して二倍以上の多数の液包を有することをいう。また、本発明に係る幹細胞は、イチョウ科のカルス等と比較してサイズ面で小さい液包を有する。また、「多数のミトコンドリア」を有するとは、イチョウ科の脱分化されたカルスと比較してミトコンドリアを二倍以上多数有することをいう。
本発明において、前記幹細胞は前記(a)乃至(e)の特性のうち少なくとも二つ以上の特性を有することを特徴とし、好ましくは前記(a)乃至(e)の特性のうち少なくとも三つ以上の特性を有することを特徴とし、さらに好ましくは前記(a)乃至(e)の特性のうち少なくとも四つ以上の特性を有することを特徴とする。また、本発明において、前記幹細胞は、前記(a)乃至(e)の特性を全て有してもよい。
また、イチョウ科形成層由来幹細胞の分化を誘導して導管要素(tracheary elements)に分化できる分化能を有することを確認した。植物幹細胞を特徴づける特性としては、自己再生能力(self renewal)以外に分化能(pluripotency)があるが、これで本発明に係るイチョウ科形成層由来細胞が幹細胞であることを確認した。
一方、本発明に係る幹細胞は、(a)イチョウ科植物から形成層含有組織を取得する工程;(b)前記取得された形成層含有組織を培地で培養する工程;及び(c)前記形成層から細胞を分離することによって形成層由来幹細胞を取得する工程を含む分離方法によって得られる。この時、前記工程(b)は、形成層含有組織を培養して形成層から増殖する培養された形成層を誘導することによって行ってもよく、前記工程(c)は、培養された形成層を分離することによって形成層由来幹細胞を取得することによって行ってもよい。また、前記工程(b)は、オーキシン(auxin)を含んだ培地で培養してもよく、この時、オーキシンとしては、NAA(α-naphtalene acetic acid)またはIAA(indole-3-acetic acid)が用いてもよく、このようなオーキシンは1〜5mg/Lの濃度で含まれてもよい。また、前記工程(c)は、形成層以外の部分から無定形に増殖するカルス層から前記培養された形成層を分離することによって形成層由来幹細胞を取得することによって行ってもよい。
本発明の一実施例ではイチョウ科イチョウ属のイチョウからイチョウの形成層由来幹細胞を分離し、そこで本発明は、好ましくはイチョウ属植物の形成層由来幹細胞であることを特徴とし、さらに好ましくはイチョウの形成層由来幹細胞であることを特徴とする。
また、本発明では、前記取得されたイチョウの形成層由来幹細胞の抗酸化効果を確認した。
他の観点において、本発明は、前記イチョウ科の形成層由来幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗酸化用組成物に関する。
本発明において、前記培養物は、前記幹細胞をエリシターとして、3〜5重量%の原糖または砂糖を含むか;及び/またはジャスモン酸メチル(methyl jasmonate)、キトサン、フェニルアラニン(phenylalanin)、安息香酸、ABA、サリチル酸(salicylic acid)及び酢酸ナトリウム(sodium acetate)のうちいずれか一つ以上を含む培地で追加培養する工程を追加で行って取得されたことが好ましい。この時、好ましくは、前記培地は3〜5重量%の原糖または砂糖;及びジャスモン酸メチル、真菌類抽出物、細菌類抽出物、酵母(yeast)抽出物、キトサン、グルコマンナン(glucomanan)、グルカン(glucan)、フェニルアラニン(phenylalanine)、安息香酸(benzoic acid)、サリチル酸、アラキドン酸(arachonic acid)、STS、モバロナロネイトN−ベンゾリグリシン(mevalonalonate N-benzolyglycine)、ABA、SNP、IPP、BHT、CCC、エテホン(ethephon)、馬尿酸(hippuic acid)、硝酸二アンモニウムセリウム(amminoium ceric nitrate)、AgNO、硫酸バナジル(vanadyl sulfate)、p−アミノ安息香酸(p-aminobenzoic acid)、ブラシノステロイド(brassinosteroids)、アルギン酸ナトリウム(sodium alginate)、酢酸ナトリウム(sodium acteate)でからなる群から選択された少なくとも1つの物質;を含む培地であることを特徴とする。
本発明においてまた、前記幹細胞にエリシターとして、紫外線、熱、エチレン、抗真菌剤、抗生剤、重金属塩及び高い塩濃度等を処理して物理的及び化学的ストレスを加えることによって、取得された培養物を利用できる。
本発明においてまた、前記抽出物は、蒸溜水、エタノール等のアルコール、アセトン、DMSO(dimethyl sulfoxide)及びこれらの混合溶媒でからなる群から選択された溶媒を利用して抽出されたことが好ましい。
本発明の一実施例では、本発明に係る幹細胞抽出物及びその培養物の抽出物が酸化剤DPPHで酸化が開始されたラジカルに対する消去能力を有していた。それらのラジカルに対する消去能は、合成抗酸化剤として広く用いられているBHTと類似またはより優れていることが確認できた。従って、本発明に係る幹細胞抽出物は、優秀な抗酸化用組成物として有用である。
従って、本発明では、前記幹細胞またはその破砕物を含有する組成物が、抗酸化活性を示すような具体的な実施例がなかったとしても、前記で調べたようにその幹細胞抽出物及びその培養物の抽出物が抗酸化活性を有することを確認したところ、本発明に係る幹細胞自体やその破砕物を含有した組成物も抗酸化活性を有し、酸化を抑制できることは当業界において通常の知識を有する者には明らかに理解できる。
本発明に係る幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を有効性分として含有する抗酸化用組成物は、これらを各々単独で含むか一つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含んで医薬組成物として提供でき、前記幹細胞等は疾患及びこれの重症程度、患者の年令、体重、健康状態、性別、投与経路及び治療期間等に応じて適切な薬学的に有効な量で医薬組成物に含まれる。
前記において「薬学的に許容される」とは、生理学的に許容されヒトに投与される際に、通常胃腸障害、めまいのようなアレルギー反応またはこれと類似の反応を起こさない組成物をいう。前記担体、賦形剤及び希釈剤として、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロフィルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油が挙げられる。
前記医薬組成物は、充鎮剤、抗凝集剤、滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤等を追加で含んでもよい。また本発明の医薬組成物は、ほ乳動物に投与された後、活性成分の迅速、持続または遅れた放出を提供できるように当業界に公知の方法を用いて剤形化できる。剤形は、粉末、顆粒、精剤、エマルジョン、シロップ、エアゾール、軟質または硬質ゼラチンカプセル、滅菌注射溶液、滅菌粉末状であってもよい。
他の観点において、本発明はまた、前記イチョウ科の形成層由来幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗酸化用機能性食品に関する。
本願において「機能性食品」とは、一般食品に本発明に係る幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を添加することによって食品の機能性を向上したものを意味する。
以下、本発明を実施例を挙げて詳述する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないことは当業者において通常の知識を有する者にとって自明である。
特に、下記実施例ではイチョウの形成層由来幹細胞抽出物及びその培養物の抗酸化効果を確認したが、その幹細胞自体またはその破砕物を用いても類似の結果を得られることは当業界において通常の知識を有する者には明らかである。
《実施例1:イチョウ科の形成層由来幹細胞の製造》
1−1:植物材料の準備
イチョウ科イチョウ属のイチョウ(Ginkgo biloba、忠清(チュンチョン)南道 扶餘、韓国)は、図1のように、Phloroglycinol染色を介して、木部(xylem)と篩部繊維を観察することができるが、その間に形成層(cambium)が存在することが確認できる。このようなイチョウから前記形成層由来幹細胞を取得するため、先ず、イチョウの幹を採取した後、直ちに抗酸化剤100mg/Lアスコルビン酸(L-ascorbic acid、DUCHEFA,The Netherlands)溶液に沈積して、運搬及び保管した。この時、前形成層を利用して同様の幹細胞を取得するためには幹の代わりに小枝を採取する。
その後、1%ベノミル(benomyl、Dongbu Hannong Chemical,Korea)、1%ダコニール(daconil、Dongbu Hannong Chemical,Korea)、1%ストレプトマイシン(sterptomycin sulphate、DUCHEFA,The Netherlands)、0.1%セフォタキシム(cefotaxime sodium、DUCHEFA,The Netherlands)の混合溶液に24時間前処理後、フェノール化合物(phenolic compound)と残存化学物質を取り除くために水道水(tap water)で30分間洗浄した。そして、70%エタノール(ethanol、DC Chemical,Korea)に1分、30%過酸化水素(hydrogen peroxide、LG Chemical,Korea)に15分、1%CLOROX溶液に15分、3%CLOROX溶液に5分表面殺菌後、3〜4回洗浄した。
1−2:幹から形成層含む切片体の製造及び組織分離
実施例1−1の殺菌過程を経た幹(前形成層利用時小枝)の中央部位の木部をピンセットで保持して形成層が含まれた樹皮(bark)組織を持ち上げると、木部で簡単に剥がれた。剥がれた組織は形成層、篩部、皮層(cortex)、表皮(epidermis)を含む切片体を構成する。
1−3:イチョウの形成層由来幹細胞誘導工程
前記実施例1−2で準備した形成層を含む切片体は表1の幹細胞誘導培地(培地1)上で培養した。
培地に生長調節剤として、NAA、IAAのようなオーキシンは1〜3mg/Lの濃度で添加することができるが、好ましくは2mg/Lの濃度で添加する。培養は、25±1℃に調節された暗室で実施された。
初期培養4〜7日目に形成層から細胞分裂が肉眼で観察され、培養15日以後に篩部・皮層及び表皮で形成された層から脱分化による無定形のカルスが誘導し始めた。培養30日経過後、培養された形成層は篩部を含んだ層、即ち無定形のカルス層で分離し始め(図2A:幹細胞(矢印)、篩部細胞(★印))、二つの層が自然に分離する時まで待ってから、完全に分離されると、各々異なったペトリ皿(petridish)に分離培養した。分離後、生長率が良い白くかつ柔らかい部分を誘導培地と同様の新しい培地で毎14日目に継代培養した。図2Bは、前記形成層由来幹細胞を分離して、3週間培養した後の写真である。
一方、比較のためにイチョウの樹皮切片体を消毒した後、前記表1の培地で培養し、その結果、図3Bに示したように、樹皮切片体は、脱分化によってカルスを形成することを観察することができた。樹皮切片体から誘導されたカルスは、篩部を含む組織同様多数の細胞の間の分裂速度の差のために不規則な形になり、生長率が不安定で、簡単に褐変する傾向を示した。褐変及び凝集した樹皮切片体から誘導されたカルスは、最後は自身が分泌するフェノール化合物によって、生長が鈍くなって壊死した。即ち、6ヶ月後から樹皮から誘導されたカルスは、維持及び培養が難しかった。一方、図3Aに示したように、イチョウの形成層由来幹細胞は、長期培養時細胞の生長率、生長パターン、凝集程度に変化なく安定的に維持され、大量培養が可能であった。
《実施例2:イチョウの中の形成層由来幹細胞の増殖及び特性観察》
前記実施例1から分離した形成層由来幹細胞を下記表2の液状培地が含まれていたフラスコに入れて、暗条件、25±1℃、100rpmの回転攪拌器(shaker)で培養した。継代培養周期は、2週間に固定することによって培養細胞が常に対数生長期状態で高い活力を維持することができるようにした。
細胞凝集の程度(biological microscope CX31、Olympus,Japan)を見ると、本発明に係る幹細胞は、図4Aに示したように、懸濁培養時多数の単細胞を含み、一部は小さいサイズの細胞集合体で存在することを確認できたが、対照群のイチョウの体細胞(樹皮組織から誘導されたカルス)の場合、図4Bに示したように凝集することを観察することができた。
一方、図5Aに示したように、本発明に係る幹細胞は、多数の液包を有する形態学的特徴を観察することができた。このような特徴は、植物体内に存在する未分化細胞で圧力等のような原因によって現れる特徴であって、そのため本発明に係る幹細胞は未分化状態であることを確認することができた。一般のイチョウの体細胞(樹皮組織から誘導したカルス)の場合、図5Bに示したように、このような特徴を確認できなかった。これをさらに詳細に調べるため、液包をニュートラル・レッドで染めた結果、本発明に係る幹細胞は、図6Aに示したように赤色の多数の小液包(vacuoles)を確認でき、一般のイチョウの体細胞(樹皮組織から誘導したカルス)の場合、図6Bに示したように、一つの大きい中心液包が存在することを確認することができた。
一方、本発明に係る幹細胞は、光学顕微鏡BX41TFで観察した結果、非常に活発に動くミトコンドリアを多数観察することができた。図7Aは、本発明に係る幹細胞が多数のミトコンドリアを有することを示しており、矢印はミトコンドリアを示す。一方、一般のイチョウの体細胞(樹皮組織から誘導したカルス)の場合、図7Bに示したように、このような特徴を確認できなかった。
一方、培養期間別増殖速度を測定するために、3Lの内容積を有する空気浮揚式生物反応器(airlift bioreactor、サムソン科学,Korea)を利用して、細胞培養物の生長速度を測定した結果、図8に示したように、1週間培養時2倍、2週間培養時3倍の生長率を確認することができた。この時、培地は表2の液状培地を用い、暗条件、25±1℃に一定に維持した。また、これと同様の培地と条件で3Lの空気浮揚式生物反応器でイチョウ樹皮組織から誘導したカルスと本発明に係るイチョウの形成層由来幹細胞を培養して比較した。
その結果、表3及び図9に示したように、イチョウ樹皮組織から誘導したカルスの生長速度は、2.3倍で、GI(growth index = (maximum DCW − initial DCW)/initial DCW)は1.3に過ぎなかったが、本発明に係る形成層由来幹細胞は生長速度が3.1倍で、GIが2.27とイチョウ樹皮組織から誘導したカルスに比べて高いことを確認することができた。通常反応器の場合、反応器内における生長輪(growth ring)生成と培養中の植物培養体凝集性と細胞壁が固く、剪断に対する感受性によって細胞生存率(cell viability)が急激に減少するか、形成層由来幹細胞培養物は生物反応器内の生長輪面積を僅かに形成し、培養器に簡単な刺激を与えて、培地を動かすと、内壁のリング(ring)が簡単に解除された。また凝集が小さく、多くの液包を有し、剪断に対する感受性が低く、細胞生存率がほとんど減少しなかった。
また、表4及び図10に示したように、3L空気浮揚式生物反応器、20L空気浮揚式生物反応器及び250L空気浮揚式生物反応器で10日間培養した結果、250Lのような大量培養時にも増殖することが確認でき、250Lの大量培養時、却ってリッター当り乾燥細胞量が増加したことが分かった。
即ち、本発明に係る形成層由来幹細胞は、大量培養のための生物反応器で剪断ストレスに対し低い感受性を有するため、生物反応器内における急速大量生長が可能であることを確認した。従って、本発明に係る形成層由来幹細胞がイチョウの脱分化されたカルス由来細胞株に比べて、剪断ストレスに対し低い感受性を有することが分かった。
一方、イチョウ樹皮組織から誘導したカルスと本発明に係るイチョウ形成層由来幹細胞に対し凍結保存を実施した。懸濁培養物として、培養6日から8日経過したものを用い、凍結保存剤は0.5Mグリセロール(DUCHEFA,The Netherlands)と0.5M DMSO(DUCHEFA,The Netherlands)と1Mスクロース(DUCHEFA,The Netherlands)が含まれた培地で、5mLクライオバイアル(Duran,USA)に移した。凍結保存剤を処理される細胞接種量は、200mg/mLである。凍結保存剤で処理された懸濁細胞は、30分間冷凍庫に維持した後、ディープフリーザーに3時間保管後、液体窒素に浸漬させて冷凍させた。
その後、解凍のために液体窒素に20分以上維持された培養細胞を取り出して40℃の恒温水槽に入れて1〜2分間解凍させた。細胞再生長のために、細胞懸濁液を無菌状態の漏斗及びろ過紙を用いてろ過した。ろ過された細胞は、ろ紙が含まれた固形生長培地上に置き、30分間室温で安定化させた後、再度新鮮な固形生長培地に移された。
その結果、図11及び表5に示したように、イチョウ樹皮組織から誘導したカルスは、本発明のイチョウ形成層由来幹細胞に比べて、非常に低い生存率を示すことが確認できた。
また、植物幹細胞を特徴づける特性としては、自己再生能力以外に分化能がある。そこで、イチョウ形成層由来幹細胞の導管要素分化を誘導するため、生長調節剤が含まれたMS medium条件で25±1℃、暗条件で培養した結果、形成層由来幹細胞から導管要素が分化することが確認できた。
《実施例3:エリシターの処理及びイチョウの形成層由来幹細胞の抽出物製造》
3−1:エリシターの処理
実施例2のように14日間懸濁培養した幹細胞を回収して、2種類の処理区に分けて実験を行った。即ち、(1)前記14日間懸濁培養した細胞株(growth phase)、(2)前記14日間懸濁培養した細胞株を滅菌水に原糖3〜5重量%(g/L)及びジャスモン酸メチル100μMを添加した培地で14日間暗培養した細胞株(elicitation phase)を利用した。
3−2:抽出物の製造
前記二つの細胞株を、各々培養液を取り除いた後、凍結乾燥した。凍結乾燥細胞株(dry)2gは、50mLの80%エタノール中で、15℃、48時間攪拌しながら、溶解した。前記溶解後、3,000rpmで20分間遠心分離して得た上澄液を、凍結乾燥した。抽出粉末をPBSに溶解することによって、前記二つの細胞株に対するエタノール抽出物を各々取得して用いた。
《実施例4:イチョウの形成層由来幹細胞抽出物の抗酸化効果確認》
本発明に係る幹細胞の抗酸化効果を確認するため、実施例3−2の各エタノール抽出物を、酸化剤であるDPPHで酸化させた後、実施例3−2の各エタノール抽出物のラジカル(radical)に対する消去能力を測定した。
即ち、96−ウェルプレート(96-well plate)に実施例3−2の各エタノール抽出物20μLと100μMのDPPH溶液180μLをいれた後、常温で20分反応させて、520nmで吸光度を測定した。対照群としては、合成抗酸化剤として広く用いられているBHTを用いて、ラジカル消去能は百分率(%)で示した。
その結果、図12に示したように、エリシターを処理しない14日間懸濁培養した細胞株から取得したエタノール抽出物(GG−E:growth phase ethanol extract)の場合、濃度が増加するほど抗酸化力が増加することが明らかになり、2.5mg/mLでは合成抗酸化剤で広く用いられているBHTと同様の抗酸化力を有することが明らかになり、優れた抗酸化力を有することが分かった。また、エリシターで原糖とジャスモン酸メチルを処理した細胞株から取得したエタノール抽出物(GP−E:elicitation phase ethanol extract)も濃度が増加するほど抗酸化力が増加し、2.5mg/mLの濃度ではBHTより高い抗酸化活性を示した。このような実験結果は、本発明に係る形成層由来幹細胞が優れた抗酸化効果があることを提示する。
《製造例1:薬学製剤製造例》
製剤例1−1:錠剤の製造
実施例3で製造された幹細胞抽出物100mgをトウモロコシ澱粉100mg、乳糖100mg及びステアリン酸マグネシウム2mgを混合して、通常の錠剤製造方法により錠剤を製造した。
製剤例1−2:カプセル剤の製造
実施例3で製造された幹細胞抽出物500mgを軟質ゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造した。
製剤例1−3:シロップ剤の製造
実施例1で取得した幹細胞1g、異性化糖10g、マンニトール5g、適量の精製水の含有量で通常の液製剤の製造方法により100mLのシロップ剤を製造した。
製剤例1−4:注射剤の製造
実施例3で製造された幹細胞抽出物200mgをポリオキシエチレン水素化カストロオイルを含有する生理食塩水200mgに加熱溶解して、混合抽出物を0.1%の濃度で含有する注射剤を製造した。
《製造例2:機能性食品の製造》
製造例2−1:機能性飲物の製造
実施例1で取得した幹細胞200mgを96mLの水に溶解した後、補助剤としてビタミンC500mg、矯味剤としてクエン酸、オリゴ糖を各々1g加え、保存材として安息香酸ナトリウム0.05gを加えた後、精製水を加えて、全量を100mLにして機能性飲物を製造した。
製造例2−2:機能性飲物の製造
実施例3で製造した幹細胞抽出物200mgを96mLの水に溶解した後、補助剤としてビタミンC500mg、矯味剤としてクエン酸、オリゴ糖を各々1g加え、保存材として安息香酸ナトリウム0.05gを加えた後、精製水を加えて、全量を100mLにして、機能性飲物を製造した。
以上説明したように、本発明に係るイチョウ科の形成層由来幹細胞は脱分化過程を経ないで未分化状態に分離して、長期培養時にも細胞生長率と生長パターンが変化することなく安定的に維持され、大量培養が可能であるため、有用である。また、本発明に係るイチョウ科の形成層由来幹細胞は、酸化剤処理によって生じるラジカル消去能を測定した結果、既存の合成抗酸化剤と類似するか、さらに高い抗酸化効果を有することが明らかになり、優れた抗酸化用組成物として有用である。
以上、本発明の内容の特定の部分を詳述したが、当業界における通常の知識を持った者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。

Claims (23)

  1. イチョウ科の形成層から由来し、脱分化を経ない先天的未分化細胞であることを特徴とするイチョウ科の形成層由来幹細胞。
  2. 以下の少なくとも一つの特性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のイチョウ科の形成層由来幹細胞:
    (a)懸濁培養時、イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、多数の単細胞を含むか、又は小さいサイズの細胞集合体を含むこと;
    (b)多数の液包を有する形態学的特徴を有すること;
    (c)イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、活性が増加したミトコンドリアを有すること;
    (d)イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、生長速度が速く、そして永く成長できること;及び
    (e)イチョウ科の脱分化されたカルスに比べて、生物反応器での剪断ストレスに対して低い感受性を有すること。
  3. 前記(a)〜(e)の特性の少なくとも二つの特性を有することを特徴とする請求項2に記載のイチョウ科の形成層由来幹細胞。
  4. 前記(a)〜(e)の特性の少なくとも三つの特性を有することを特徴とする請求項2に記載のイチョウ科の形成層由来幹細胞。
  5. 前記(a)〜(e)の特性の少なくとも四つの特性を有することを特徴とする請求項2に記載のイチョウ科の形成層由来幹細胞。
  6. 前記(a)〜(e)の特性を全て有することを特徴とする請求項2に記載のイチョウ科の形成層由来幹細胞。
  7. 前記イチョウ科の形成層由来幹細胞は以下の工程を含む分離方法により分離されることを特徴とする請求項1に記載のイチョウ科の形成層由来幹細胞:
    (a)イチョウ科植物から形成層含有組織を取得する工程;
    (b)前記取得された形成層含有組織を培地で培養する工程;及び
    (c)前記形成層から細胞を分離することによって形成層由来幹細胞を取得する工程。
  8. 前記イチョウ科植物はイチョウ属であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載イチョウ科の形成層由来幹細胞。
  9. 前記イチョウ科はイチョウであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載イチョウ科の形成層由来幹細胞。
  10. 以下の工程を含むイチョウ科の形成層由来幹細胞の分離方法:
    (a)イチョウ科植物から形成層含有組織を取得する工程;
    (b)前記取得された形成層含有組織を培地で培養する工程;及び
    (c)前記形成層から細胞を分離することによって形成層由来幹細胞を取得する工程。
  11. 前記工程(b)の培地は、オーキシンを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記培地は1〜5mg/Lの濃度のオーキシンを含むことを特徴とする特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記工程(c)は、培養された形成層を形成層以外の組織に由来する無定形に増殖するカルス層より分けた後、形成層から細胞を分離して形成層由来幹細胞を取得することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. 前記イチョウ科植物はイチョウ属であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  15. 前記イチョウ科植物はイチョウであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  16. 請求項1〜7のいずれか一項に記載イチョウ科の形成層由来幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗酸化用組成物。
  17. 前記培養物は、前記幹細胞を3〜5重量%の原糖または砂糖を含むか;またはジャスモン酸メチル、真菌類抽出物、細菌類抽出物、酵母抽出物、キトサン、グルコマンナン、グルカン、フェニルアラニン、安息香酸、サリチル酸、アラキドン酸、STS、モバロナロネイトN−ベンゾリグリシン、ABA、SNP、IPP、BHT、CCC、エテホン、馬尿酸、硝酸二アンモニウムセリウム、AgNO、硫酸バナジル、p−アミノ安息香酸、ブラシノステロイド、アルギン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか一つ以上を含む培地で追加培養して取得されたことを特徴とする請求項16に記載の抗酸化用組成物。
  18. 前記イチョウ科植物はイチョウ属であることを特徴とする請求項16に記載の抗酸化用組成物。
  19. 前記イチョウ科植物はイチョウであることを特徴とする請求項16に記載の抗酸化用組成物。
  20. 請求項1〜7のいずれか一項に記載イチョウ科の形成層由来幹細胞、その抽出物、その破砕物及びその培養物のいずれか一つ以上を含有する抗酸化用機能性食品。
  21. 前記培養物は、前記幹細胞を3〜5重量%の原糖または砂糖を含むか;またはジャスモン酸メチル、真菌類抽出物、細菌類抽出物、酵母抽出物、キトサン、グルコマンナン、グルカン、フェニルアラニン、安息香酸、サリチル酸、アラキドン酸、STS、モバロナロネイトN−ベンゾリグリシン、ABA、SNP、IPP、BHT、CCC、エテホン、馬尿酸、硝酸二アンモニウムセリウム、AgNO、硫酸バナジル、p−アミノ安息香酸、ブラシノステロイド、アルギン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムからなる群から選択されるいずれか一つ以上を含む培地で追加培養して取得されたことを特徴とする請求項16に記載の抗酸化用機能性食品。
  22. 前記イチョウ科植物はイチョウ属であることを特徴とする請求項20に記載の抗酸化用組成物。
  23. 前記イチョウ科植物はイチョウであることを特徴とする請求項20に記載の抗酸化用機能性食品。
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