JP2012526809A - 脂環式ジオール抗微生物剤を含有する組成物および製品ならびに該組成物および製品の使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、概略的には、抗微生物剤、該剤を組み込んだ組成物および製品、ならびに該組成物および製品の使用方法に関する。抗微生物剤は、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、およびこれらの混合物である。
多くの組成物および製品,例えばパーソナルケア製品、薬剤、動物ケア品、家庭用ケア品、燃料、および油は、しばしば水を含有するか、環境からの水を蓄積させる可能性がある。水は、組成物および製品を微生物生育に対して感染させやすくさせる。
第1の側面に従い、本発明は、水性組成物における微生物生育の低減または阻害における少なくとも1種の抗微生物剤の有効性を向上させる方法を提供する。該方法は、1,1−シクロヘキサンジメタノール(1,1−CHDM)、1,2−シクロヘキサンジメタノール(1,2−CHDM)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCBD)からなる群から選択される少なくとも1種の脂環式ジオール抗微生物剤、ならびに少なくとも1種の第2の抗微生物剤を、水性組成物に添加することを含む。
以下は例の結果のまとめである。これらの実験において、1,4−CHDMは単独、ならびに、金属キレート剤EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩)ならびに一般的に用いられる殺生剤、PEおよびCGとの組合せで試験した。また、1,4−CHDMおよびその構造異性体、TMCD(2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール)ならびに1,3−CHDMは、単独および各々BITとの組合せで試験した。1,1−CHDMもまた試験し、1,4−CHDMに対して改善された有効性を示した。
−0.2質量%のEDTAと1,4−CHDMとの組合せは、殆どの生物に対して相乗効果を与えた。効果は、1.25質量%の1,4−CHDMで最も明白であった。
−完全な殺生物が、P.aeruginosaに対して、1,4−CHDM(PEおよびCGの両者とともに)について実現された。
−相乗効果は、E.coliに対して1,4−CHDMについて1.25質量%および2.5質量%にて(PEを伴うもの)および1.25質量%にて(CGを伴うもの)見られる。
−1.25質量%の1,4−CHDMと、フェノキシエタノール(PE)およびカプリリルグリコール(CG)との組合せは、Staphylococcus aureusおよびStaphylococcus epidermidisに対する相乗効果を、3日培養にて示した;よって、PEおよびCG単独と比べて、より速い応答を与える。この速い応答はまた、Streptococcus mutansおよびBurkholderia cepacia(PEを伴うもの)ならびにB.subtilis(CGを伴うもの)に対して見られた。
−2.5質量%の1,4−CHDMと、PEおよびCGとの組合せは、Aeromonas spに対する相乗効果を示した。
−1.25質量%および2.5質量%の1,4−CHDMと、0.25質量%のPEとの組合せは、Microsporum canisに対して相乗的な応答を示した。
−一般的に、各脂環式ジオール抗微生物剤とBITとの組合せは殆どの生物に対して相乗性を示した。
−1,4−CHDM(0.5質量%〜2.5質量%にて)は、0.05質量%および0.2質量%のBITで、菌類およびグラム陰性バクテリアに対して、相乗性を示した。
−驚くべきことに、BITを伴う1,4−CHDMはC.albicansに対して相乗性を示したが、TMCDおよび1,3−CHDMは示さなかった。
−0.05%BITを伴うTMCD(0.5%〜2.5%にて)は、S.aureusおよびS.epidermidisに対して相乗性を示したが、一方、1,4−および1,3−CHDMは示さなかった。
−S.mutansに対する相乗性はあまり明白でなかった。BIT単独で高度に有効であったためである。
−1,4−CHDMおよびTMCD(BITとともに)は、B.subtilisに対して相乗性を示した一方、1,3−CHDMは示さなかった。
−幅広い相乗性を、バクテリア、酵母およびカビに対し、フェノキシエタノールについて1,4−CHDMとの組合せで示した。好ましい組成物は、フェノキシエタノールおよび1,4−CHDMを、質量比1:1〜1:100、より好ましくは1:3〜1:33で含む。
−幅広い相乗性を、バクテリア、酵母およびカビに対し、ベンジルアルコール:デヒドロ酢酸について1,4−CHDMとの組合せで示した。好ましい組成物は、ベンジルアルコール:デヒドロ酢酸および1,4−CHDMを、質量比1:1〜1:500、より好ましくは1:4〜1:50で、含む。
−IPBCと1,4−CHDMとの組合せは、P.aeruginosaに対して強い相乗性を示した。好ましい組成物は、IPBCおよび1,4−CHDMを、質量比1:2〜1:1000、より好ましくは1:7〜1:220で含む。
−MITと1,4−CHDMとの組合せは、P.aeruginosaに対して強い相乗性を示した。好ましい組成物は、MITおよび1,4−CHDMを、質量比1:100〜1:10,000、より好ましくは1:1587〜1:3333で含む。
−BITと1,4−CHDMとの組合せはP.aeruginosaについて強い相乗性を示した。好ましい組成物は、BITおよび1,4−CHDMを、質量比1:5〜1:1000、より好ましくは1:27〜1:250で含む。
−1,4−CHDMとの組合せでのMIT:BIT混合物はP.aeruginosaについて強い相乗性を示した。好ましい組成物は、BIT:MITおよび1,4−CHDMを、質量比1:100〜1:10,000、より好ましくは1:613〜1:1961で含む。
−カプリリルグリコールと1,4−CHDMとの組合せは、試験した菌類C.albicansおよびA.nigerの両者で相乗的であった。好ましい組成物は、カプリリルグリコールおよび1,4−CHDMを、質量比1:1〜1:500、より好ましくは1:20〜1:50で含む。
−クロルフェネシンと1,4−CHDMとの組合せはC.albicansについて相乗的であった。好ましい組成物は、クロルフェネシンおよび1,4−CHDMを、質量比1:1〜1:100、より好ましくは1:10〜1:16で含む。
−DMDMヒダントインと1,4−CHDMとの組合せはC.albicansについて相乗的であった。好ましい組成物は、DMDMヒダントインおよび1,4−CHDMを、質量比1:1〜1:500、より好ましくは1:7〜1:50で含む。
手順:BPWでの微生物接種試験
接種試験において用いた微生物を表3に示す。ATCC(American Type Culture Collection)または野生種のいずれかと指定される。これらの野生種生物は化学製品から予め単離した問題の生物であった。各生物についての説明において、バクテリアはGN(グラム陰性)またはGP(グラム陽性)のいずれかで示される。
以下の手順に従って、108cfu/mL接種(これは最終試験サンプル微生物濃度105〜106cfu(コロニー形成単位)/mLと等価である)を生成するのに必要な各接種材料(接種材料培地)の量を評価した。
Aspergillus niger培養物を集菌し、そしてSDAから胞子(この上でこれらが生育した)を採取した(滅菌接種ループで生育物を優しく擦ることによって行った)。次いで胞子を、培養された培地培養物中に、滅菌磁気撹拌棒で混合して、ペリクル形成を低減した。胞子−培養物混合物を、滅菌、非吸収性綿で繰り返し濾過し、繰り返し集菌し、増殖性の細胞および胞子をレベル1.0×108に調整した。血球計を用いて最終接種濃度を評価した。
接種日に、Candida albicans接種材料培地を、非吸収性滅菌ガーゼに注ぎ、遠心分離した。次いでペリクルを、所望の濁度に到達するまでリン酸緩衝液(pH7.2)で希釈した。血球計を用い、接種物が所望の濃度を含有するかを評価した。希釈を1.0×108で行い、そして3つのSDAスプレッドプレートを0.1mLの各希釈で接種した。プレートを少なくとも48時間培養し、接種カウントを確認した(すなわち、105〜106cfu/mL)。
対照基質(「培地のみ」)を、1%(w/v)デキストロースを含有する13.5mLのBPW(pH7.0)を各々20mLガラスチューブに添加し;次いで1.5mLの接種材料を添加して、時間ゼロでの最終濃度105〜106cfu/mLおよび総体積15mLを生成することによって、各微生物について3重に別個に準備した。
混合後、全ての接種基質を、35℃±2℃で14日間、次いで室温で培養した。
0.1mLアリコートを各々の接種された基質から取り出した。サンプルの濁度を評価し、必要な場合には、サンプルをリン酸緩衝液(pH7.2)で希釈して、読み取り可能なプレートカウントを得た(下記「プレートカウント」参照のこと)。Aspergillus nigerおよびCandida albicansをSDA上へ継代培養し、22℃±2℃で生育させた。バクテリアをPCA上に継代培養し、35℃±2℃にて加湿培養器内で培養した。悪い結果は、96時間培養よりも前には報告されず、カウントは最低48時間の培養の後に行った。
希釈したサンプルについて、プレート当たり22〜220コロニーを生成するプレートをカウントし、そしてカウントに希釈係数を乗じた。プレートカウントおよび希釈係数に基づき、等級コードを割り当てた。Aspergillus nigerのコロニーは共にクランプするため、正確なカウントは希釈によっては容易に実現できなかった。
A.nigerについて(0.1mLアリコートのプレーティングされた体積基準):
接種試験において用いた病原性真菌を表4に与える。M.canisおよび紅色白癬菌の両者をサブローデキストロース培地(SDB)(pH5.6)で生育させ、一方、癜風菌を、2%(v/v)のオリーブ油および0.2%(v/v)のTweenTM80を加えたSDB中で生育させ;培養は22℃±2℃にて連続撹拌下、10日間の撹拌によって行った。生物を細胞濃度103〜104cfu/mLで生育させた。これらの接種の実際の接種細胞濃度は、滅菌緩衝液水中の希釈および(スプレッドプレート法)プレーティング(計数のために)によって評価した。接種生物についてのこれらのカウントの結果を表4に与える。
0:視認できる生育なし
1:チューブ内に幾らかかの生育
2:チューブ内に中程度の生育
3:チューブ内にかなりの生育
4:チューブ内に顕著な生育
EDTA、PE、およびCGを伴うCHDMの接種試験の実験結果を表5に与える。1,4−CHDM、TMCDおよび1,3−CHDM(BITを伴う)の結果を表6に与える。全ての試験材料濃度をw/v%で与える。与えられる等級コードは、2重または3重のサンプルについての等級コードの平均である。殆どの場合、再現実験は同じ等級コード値を有した。表5は、BPWおよびSDB(病原性真菌)の両者における微生物接種についての結果を与えること;一方、表6は、BPWのみについての結果を与えることに留意されたい。BITは病原性真菌では試験しなかったからである。表5および6において多くのデータ列を繰り返して、成分の組合せについての結果を、個別の成分についての結果と比較しやすくしていることにも留意されたい。
接種材料の準備
試験培養物を表7に、生育および最小阻害濃度(MIC)試験に用いた培養温度とともに列挙する。E.coli、S.aureusおよびP.aeruginosaをトリプチケースソイ培地(TSB)中で20〜28時間、接種材料の準備のために培養した。C.albicansをサブローデキストロース培地(SDB)中で約44〜52時間、接種材料の準備のために培養した。A.nigerをサブローデキストロース寒天(SDA)上で、密集生育および視認できる胞子形成があるまで3〜4日間培養した。プレートの表面を5〜10mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に浸し、滅菌T形プラスチックスプレッダー(Copan Diagnostics)で、良く混合された胞子の懸濁物ができるまでプレート表面に亘って液体を優しく塗り広げることにより、SDAプレートから胞子を採取した。得られる胞子懸濁物は、血清用ピペットを用いて収集し、そして2〜8℃にて使用まで貯蔵した。
相乗性を試験した抗微生物剤、ならびにそれぞれの希釈剤および試験原液濃度を以下に示す。MIC範囲の評価のために、個別の抗微生物剤原液を滅菌培地に添加して最高レベルの試験濃度を得た。次いで培地中で連続希釈して試験濃度の範囲を準備した。相乗性試験のために、それぞれの試験濃度を滅菌培地中で準備し、次いでブレンドして所望の組合せを形成した。
MICは、高スループットマイクロプレート法を用いて評価した。それぞれの抗微生物剤をTSB(pH7.3)(バクテリア試験について)またはSDB(pH5.6)(菌類試験について)に、試験される最高濃度で添加した。連続希釈のシリーズは、希釈比1:1.3333で準備して、1log範囲が9希釈でカバーされるようにした。200μLの希釈された抗微生物剤を、滅菌、96ウエル、平底マイクロプレート(Nalge Nunc International)の各々4ウエルに分配した。最高濃度の更に4ウエルを、接種していない高レベル対照として分配した。培地培地のみを収容する更なる8ウエルもまた準備した。4つは陰性対照として働き、4つは陽性対照として働く。各抗微生物剤希釈物のうち3ウエルに、表7中の試験菌株の1つを接種した。各抗微生物剤希釈物の最後のウエルは接種せずに残して、試験化合物による任意の吸収/濁度のための対照(および補償の手段)とした。
表8に列挙する個別の抗微生物剤とCHDMとの組合せを試験した。上記の個別抗微生物剤試験において評価したMIC値を用いて、目的MICを定めた。各実験において、個別抗微生物剤およびCHDMについてのMIC値は、異なる日のデータの比較に起因するあらゆる変動性を見積もるために評価した。試験は、上記のように、係数1.3333で分けた4つの濃度の範囲に亘って行った。4つの濃度は目的MICに、目的よりも高い1つの希釈レベルと目的よりも低い2つの希釈レベルを加えたものであった。抗微生物剤とCHDMとの組合せは、目的MIC値の50%、ならびに、より高いおよびより低いそれぞれのレベルで行った。加えて、50%レベルシリーズもまた、抗微生物剤またはCHDMについて、目的レベルよりも低い1つの希釈レベルにて試験した。
SI=QA/Qa+QB/Bb
式中、QaおよびQbは、それぞれ、独立に試験したときのCHDMおよび抗微生物剤についての最小阻害濃度であり、そしてQAおよびQBは、それぞれ、阻害濃度での組合せでのCHDMおよび抗微生物剤の濃度である。従って、相乗性は1未満のSIとして規定される。
表9〜49は、相乗活性についての、CHDM/抗微生物剤の組合せの試験についての結果を与える。少なくとも2つの結果がSI<1を与えた場合に、組合せは相乗的であると認めた。
例3.1−3.12:クリーム配合物における混合物の適切な防腐のための試験
配合
適切な防腐のための試験を、European Pharmacopea(6.0)およびUnited States Pharmacopea(5.1)に従って実施した。試験は、エマルション基質としてのスキンクリーム配合物の接種からなった。pH6.75を有するスキンクリーム配合物は以下の通りであった:
−1.5%CHDM−D90と0.3%PEとの組合せの、Pseudomonas aeruginosaおよびAspergillus nigerに対する実験について、0.3%PEおよび1.5%CHDM−D90の個別の結果を考慮し、PEは0.3%にて極めて小さい抗微生物活性を与え;1.5%CHDM単独では顕著な活性を与え;しかし組合せは、7日以内にP.aeruginosaコロニーカウントをゼロまで低下させ、そして30日以内にA.nigerコロニーカウントをゼロまで低下させた。
−1.5%CHDM−D90と0.05%メチルパラベン(MP)との組合せの、菌類、Candida albicansおよびAspergillus nigerに対する実験について、MPは菌類に対して有効であることが知られているが、この低濃度(0.05%)では0.05%MP単独の結果から分かるように、有効ではなかった(特にA.nigerに対して)。
抗微生物効果データ(表54および表55)は、1,4−CHDM(殺生剤ありおよびなしで)について、22℃での15日間の曝露後に、バイオディーゼル順化バイオスライムまたは3つのバクテリア−菌類接種材料のいずれかに由来する微生物生育からのB−100バイオディーゼルの保護において得た。この試験は、目視濁度の方法で行った。マイクロリットルプレートまたは自動プレートリーダーのいずれも、系の固有の二相性の特徴に起因して、この実験には使用できなかった。B−100バイオディーゼル:ブッシュネル・ハース培地を用いた。これは最小限の塩の培地であり、炭化水素上の微生物の生育を評価するために特別に設計したものである。サンプルを目視で評価した(すなわち、より濁度が高いと、生育がより多く、より濁度が低いと、生育がより少なく、そして濁度なしは生育なしを意味する)。特記すべきは、1,4−CHDMが0.2〜0.5質量%濃度である場合に、1,4−CHDMがKillem殺生剤(FPPF Chemical,Buffalo,NYから得たもの)の防腐(阻害)作用を、200ppm用量で向上させたことである。より低用量の殺生剤(50ppmまたは100ppm)またはより低い濃度の1,4−CHDM(0.1質量%)のいずれでも向上が見られない。
実験はまた、Corynebacterium xerosisを用いて行った。これは体臭の原因となることが知られているバクテリアである。CHDMとエチルヘキシルグリセリン(EHG)またはトリクロサン(TRI)との組合せを用いた。この例で用いたCorynebacterium xerosisバクテリアはATCC#373であった。種培養物をブレインハートインヒュージョン培地中で生育させた。ブレインハートインヒュージョン培地において、例2に記載したような96ウエルプレートにてアッセイを実施した。ブレインハートインヒュージョン培地はpH約7.4であった。全ての生育は37℃で実施した。
1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)および1,1−シクロヘキサンジメタノール(1,1−CHDM)の抗微生物活性を評価した。各活性は、最小阻害濃度(MIC)で算出し、視認できる生育を阻害するのに必要な最低濃度を明らかにした。MICは3連続日について個別に、1,1−シクロヘキサンジメタノール、および、1,4−シクロヘキサンジメタノールの31%シス:69%トランス混合物の両者で、算出した。両化合物は、微生物の5つの株のパネルに対して評価した。1,1−CHDMは、種々の生物の間で相関して、1,4−CHDMの効果に対しての顕著な改善を与えた。
P.aeruginosa、C.albicans、E.coli、A.nigerおよびS.aureusの株を、American Type Culture Collection(Manassas,VA)から購入した。NUNC平底ポリスチレン96ウエルのマイクロタイタープレート(NUNC Cat#269787)、および17×100mmの培養チューブ(VWR Cat# 60818−703)は、VWR International,LLC(West Chester,PA)から購入した。Eastman CHDM−D90および1,1−CHDM(>99.7%,GCにより、およびNMRにより評価)は、Eastman Chemical Company(Kingsport,TN)により準備した。全てのバクテリア培養物は、BD BBLトリプチケースソイ培地中で生育させ、そして全ての菌類培養物はサブローデキストロース培地(VWR International,LLC(West Chester,PA)から購入)中で生育させた。吸収測定は、TECAN GENios Proマイクロプレートリーダーで行った。
小白金耳量の接種材料を、各菌株の新しく画線を付けた寒天プレートから、17×100mm培養チューブ内の5mLの滅菌培地に移した。チューブを振とうせずに、表58に列挙するように適切な温度にて適切な培地中で培養した。バクテリアは20〜28時間培養し、そしてC.albicansは44〜52時間培養した。
原液溶液を、各異性体について、対応する生育培地中で濃度5%w/v(1,4−CHDM)または2.25%w/v(1,1−CHDM)にて準備した。連続希釈を、希釈比1:1.3333で行い、1のlog範囲が9希釈でカバーされるようにした。
200マイクロリットルの各CHDM濃度のものを滅菌96ウエルプレートの4ウエル内に移した。最高濃度の更に4ウエルを、接種していない高レベル対照として入れた。更に8ウエルに滅菌培地のみを入れ、陰性および陽性の対照とした。各CHDM濃度の4ウエルのうち3つに試験菌株の1つを接種した(表58中に列挙する通り)。各CHDM異性体希釈物の最後のウエルは接種せずに残して、試験化合物に関するバックグラウンド濁度用の対照とした。バクテリアまたはC.albicansを有するプレートに2μlの種培養物を接種して最終濃度約106CFU/ml(バクテリアについて)および105CFU/ml(C.albicansについて)とした。A.nigerを有するプレートに、上記で準備した2μlの胞子懸濁物を接種した。
各プレートをカバーし、適切な温度で培養し、細胞密度の指標としての濁度を、612nmでの吸収測定にて、マイクロプレートリーダーを用いて評価した。測定は、各プレートについて24、48および72時間で行った。生データをエクセルスプレッドシートにエクスポートし、MIC値を評価してwt%として表した。各々の接種されたCHDMウエルの吸収を、まず各々の接種されていないウエルの平均読みを差し引き、次いで正の閾値と比較することによって読み出して、生育の陽性または陰性の状態を評価した。正の閾値は、接種した培地−のみのウエルの平均吸収に0.05を乗じることによって算出した。MICは、正の閾値未満の値を示す全3つの再現ウエルをもたらす最低試験濃度として評価した。
1,1−シクロヘキサンジメタノールは、1,4−シクロヘキサンジメタノールのものに対する抗微生物効果の測定可能な増大を示した。抗微生物効果は、これらの実験における5つの試験生物の4つに対して増大した。1,1−CHDMの溶解性は、水性生育培地中2.25%(w/v)に限られ、従って包括的なMIC結果は、0〜2.25%の範囲に限られた。最終結果を以下の表59に纏める。
Claims (20)
- 水性組成物における微生物生育の低減または阻害における少なくとも1種の抗微生物剤の有効性を向上させる方法であって:
1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種の脂環式ジオール抗微生物剤ならびに該抗微生物剤を該水性組成物に添加することを含む、方法。 - 該脂環式ジオール抗微生物剤を、該水性組成物の総質量基準で約0.2〜約5質量%の量で添加する、請求項1に記載の方法。
- 該水性組成物を、水とは非混和性でかつ該抗微生物剤を含む溶媒と接触させることによって、該脂環式ジオール抗微生物剤を該水性組成物に添加する、請求項1に記載の方法。
- 該水性組成物が、炭化水素、トリグリセリド、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪族アルコール、ポリグリコールエーテル、アルキルグリコールエーテル、アルキルグリコールエステル、アルキルグリコールエーテルエステル、アルキルアミン、アルキルアミド、またはこれらの混合物から選択される有機化合物を含む、請求項1に記載の方法。
- 該有機化合物が、ディーゼル、バイオディーゼル、ディーゼルおよびバイオディーゼルの混合物、航空燃料、油圧オイル、潤滑油、植物油、原油、トランスミッション流体、灯油、またはケロセンである、請求項4に記載の方法。
- (a)ディーゼル、バイオディーゼル、ディーゼルおよびバイオディーゼルの混合物、航空燃料、油圧オイル、潤滑油、植物油、原油、トランスミッション流体、灯油、またはケロセンから選択される少なくとも1種の燃料または油、
(b)1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種の脂環式ジオール抗微生物剤、ならびに
(c)少なくとも1種の他の抗微生物剤、
を含む、組成物。 - 1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種の脂環式ジオール抗微生物剤、および少なくとも1種の他の抗微生物剤を含む、パーソナルケア製品。
- 該脂環式ジオール抗微生物剤が約1〜約5質量%の量で添加された、請求項7に記載のパーソナルケア製品。
- 少なくとも1種の薬剤;
1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種の脂環式ジオール抗微生物剤;ならびに
少なくとも1種の他の抗微生物剤;
を含む、薬用製品。 - 該脂環式ジオール抗微生物剤が、約1質量%〜約5質量%の量で存在する、請求項9に記載の薬用製品。
- 1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種の脂環式ジオール抗微生物剤;ならびに
少なくとも1種の他の抗微生物剤;
を含む、動物ケア製品。 - 該脂環式ジオール抗微生物剤の量が約1〜約5質量%である、請求項11に記載の動物ケア製品。
- 1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種の脂環式ジオール抗微生物剤;ならびに
少なくとも1種の他の抗微生物剤;
を含む、家庭用ケア製品。 - 約1〜約5質量%の該脂環式ジオール抗微生物剤を含む、請求項13に記載の家庭用ケア製品。
- 残留性の抗微生物活性を表面に付与する方法であって:
請求項7、9、11または13に記載の製品を表面に局所適用すること;および
任意に、任意の過剰量の該製品を該表面から除去すること;
を含む、方法。 - 哺乳動物の表面の上でのバクテリアまたは菌類の感染を予防または処置する方法であって:
請求項7、9または11に記載の製品を該哺乳動物の表面に局所適用すること;および
任意に、任意の過剰量の該製品を該哺乳動物の表面から除去すること;
を含む、方法。 - 哺乳動物の表面の上でのバクテリアまたは菌類の存在による臭気を防止または低減する方法であって:
請求項7、9または11に記載の製品を該哺乳動物の表面に局所適用すること;および
任意に、任意の過剰量の該製品を該哺乳動物の表面から除去すること;
を含む、方法。 - 抗微生物活性をフィルム、繊維、成形品もしくは押出品、または繊維、ポリマー、接着剤、および/もしくは石膏から形成されたコンポジット材料に付与する方法であって:
1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールからなる群から選択される抗微生物剤、ならびに少なくとも1種の他の抗微生物剤を、該フィルム、繊維、成形品もしくは押出品、またはコンポジット材料に、その製造プロセスの間に組み込むこと;
を含む、方法。 - 該フィルム、繊維、成形品もしくは押出品、またはコンポジット材料の表面の上にバイオフィルムが形成されることを防止する、請求項18に記載の方法。
- 該抗微生物剤を、該フィルム、繊維、成形品もしくは押出品、またはコンポジット材料の総質量基準で約1〜約5質量%の量で組み込む、請求項18に記載の方法。
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