JP2012520831A - 中性ビニルポリマーおよび賦形剤を含むコーティングを使用するエタノールの影響に対する耐性を有する制御放出性医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
US2003/0118641A1は、抽出可能なオピオイドを含む経口医薬形態の濫用の可能性を減らすための方法を記載している。この方法では、常用の家庭用溶媒、例えばイソプロピルアルコール、ウォッカ、白ワイン酢、熱湯または過酸化物、希釈アルコール中0.01のHClを用いた活性化合物抽出に対する耐性が特に得られるはずである。活性化合物にマトリックス形成ポリマーおよびイオン交換材料、例えばスチレン−ジビニルベンゼンポリマーを微粒子化形態で配合することが提案されている。イオン交換材料は、活性化合物抽出に対する増大した耐性の機能に重要である。マトリックス形成ポリマーは、明らかに医薬コアの構造付与剤としての役割を果たす。多くの可能性がある物質がマトリックス形成ポリマーについて明記され、多くの他の物質のなかでも特にポリメタクリレートを含む。好ましいマトリックス形成剤は、C1〜C6−ヒドロキシアルキルセルロースである。
医薬組成物は、再現可能な放出プロフィールで活性成分を放出するように設計されている。この結果、望ましくかつ信頼性が高い血中濃度プロフィールが得られ、最適治療効果が得られる。血中濃度が低すぎる場合、活性成分は充分な治療効果をもたらさない。血中濃度が高すぎる場合、毒性効果を引き起こす可能性がある。どちらの場合も、活性成分の非最適血中濃度は、患者にとって危険である可能性があり、従って、回避されるべきである。医薬組成物の設計の間、活性成分の放出について仮定される理想的な比が、患者の一般的な生活習慣、不注意またはエタノールもしくはエタノール含有飲料の使用に関する常習行為によって改変される可能性があるという点に問題がある。これらの場合、実際に水性媒体のみについて設計される医薬形態は、高強度または低強度のエタノール含有媒体にさらに暴露される。たとえば食品医薬品局(FDA)などの保健機関がますますエタノール問題に注目していることから、エタノール耐性は近い将来、重要な登録要件となる可能性がある。
(1以上の)医薬活性成分を含むコアを含む制御放出性医薬組成物によって解決され、
ここで、コアは、pH1.2でおよび/またはpH6.8で40%(v/v)のエタノールを添加したUSPの緩衝培体中インビトロ条件下でエタノールの影響に対して耐性であるような医薬活性成分の放出プロフィールを与える効果を有するエタノール耐性付与コーティング層によってコーティングされ、
ここで、エタノールの影響に対する耐性とは、エタノールを含まない同じ培体中で測定される放出プロフィールと比較して、40%のエタノール含有培体の影響下で、放出プロフィールが20%を超えて加速されず、また20%を超えて遅延されないことを意味し、
ここで、エタノール耐性付与コーティング層は、少なくとも70質量%のポリマー部分a)と賦形剤部分b)との混合物を含み、ここで、
ポリマー部分a)は、水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはビニルコポリマーから構成され、
そして、賦形剤部分b)は、賦形剤:
b1)100〜250質量%の無孔性不活性滑剤、
b2)1〜35質量%のセルロース系化合物、
b3)0.1〜25質量%の乳化剤、そしてb3)に加えてもしくはb3)の代わりに、
b4)0.1〜30質量%の可塑剤
(ここで賦形剤部分b)の賦形剤は、それぞれポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算される)
から構成される。
本発明の医薬組成物という用語は、幅広く理解されなければならない。この用語には、保健機関による承認のために高度な基準を必要とする医薬組成物ならびに承認用件が低いかまたは特別な承認は全く必要ない医薬組成物、たとえばいわゆる医療装置または栄養補助食品が含まれる。
制御放出性医薬組成物は、薬学的に許容されるフィルム形成性ポリマーを含み、場合によって薬学的に許容される賦形剤を配合した活性医薬成分を含む医薬組成物を意味し、この医薬組成物はpH依存的またはpH非依存的で再生可能な放出プロフィールを示す。制御放出性医薬組成物の例は、即時放出性医薬組成物、腸溶性医薬組成物、パルス放出性医薬組成物または持続放出性医薬組成物である。
本発明の多層投与形態は、任意の活性物質に理論的に好適である。従来の医薬品に関する情報は、German Red ListまたはMerck Indexなどの参考書で見いだすことができる。
1.疾病、疾患、身体の損傷または病理学的愁訴を治癒、軽減、予防、または検出するため;
2.身体の調子、状態もしくは機能、または精神状態を確認するため;
3.ヒトまたは動物の身体によって産生される活性物質または体液を置換するため;
4.病原体、寄生虫または外因性物質を撃退、除去、または中和するため;あるいは
5.身体の調子、状態もしくは機能または精神状態に影響を与えるため。
これらの医薬活性物質は、1以上の活性物質のクラス(例えば減量剤(食欲抑制薬、肥満防止薬)、抗アシドーシス剤、興奮薬(抗低酸素血症薬)、鎮痛薬(抗リウマチ薬)、駆虫薬、抗アレルギー性物質、造血薬、抗不整脈薬、抗生物質(抗感染薬)、抗痴呆薬剤(向知性薬)、抗糖尿病薬、解毒剤、制吐剤(鎮暈剤)、鎮痙薬、止血薬(抗線維素溶解薬および他の止血薬)、抗高血圧薬、抗低血糖薬、抗低血圧薬、抗凝固剤、抗真菌剤、抗寄生虫薬、消炎剤、鎮咳薬(去痰剤)、抗動脈硬化薬、温泉療法薬および熱療用薬剤、ベータ受容体遮断薬、カルシウムチャンネル遮断薬およびレニン−アンギオテンシン−アルドステロン系阻害剤、気管支拡張薬(抗喘息薬)、利胆剤および胆管治療薬、コリン作動剤、コルチコイド、皮膚薬、殺菌剤(消毒剤)、食事療法薬(栄養剤)、診断薬および診断を準備するための薬剤、利尿薬、血液循環を促進する薬剤、離脱薬剤(中毒を治療するための薬剤)、酵素阻害剤、酵素欠損症用製剤、輸送蛋白質、線維素溶解薬、老人病薬、抗痛風製剤、風邪およびインフルエンザ治療剤ならびに咳およびくしゃみ治療薬、婦人科治療薬、痔治療薬(肛門病薬)、肝臓薬、催眠薬(鎮静剤)、脳下垂体ホルモン、視床下部ホルモンおよび他の調節ペプチドならびにそれらの阻害剤、免疫モジュレーター、注入および標準注射溶液、臓器灌流溶液、心臓薬剤、齲歯予防薬、歯周症治療薬および他の歯科用製剤、冠状動脈製剤、緩下薬、脂質低下剤、局所麻酔剤(神経治療薬)、胃腸治療薬、片頭痛治療薬、ミネラル製剤、経口および咽頭治療薬、筋弛緩剤、麻酔薬、神経障害製剤および他の神経向性薬剤、目薬、抗骨粗鬆症剤(カルシウムおよび骨代謝調節剤)、耳鼻科薬剤、抗パーキンソン剤および他の錐体外路障害治療薬、向精神薬、鼻治療薬(副鼻洞治療薬)、強壮薬(気付け薬)、甲状腺製剤、血清、免疫グロブリンおよびワクチン、性ホルモンおよびそれらの阻害剤、鎮痙剤(抗コリン薬)、栓球凝集抑制因子、結核治療薬、変質薬、泌尿器科薬、静脈障害治療薬、ビタミン、創傷および瘢痕治療薬剤、細胞増殖抑制剤および他の抗腫瘍剤および保護薬、生体適合物質、医用合成物)に属する可能性がある。
好適な活性物質の例としては、5−アミノサリチル酸、アバカビル、アバレリックス、アバタセプト、アカンプロサート、アカルボース、アセクロフェナク、アセチルサリチル酸、アシトレチン、アクラルビシン、アクチノマイシン、アシクロビル、アダリムマブ、アデフォビル、アデフォビルジピボキシル、アデノシン、アデノシルメチオニン、アドレナリン、アドハシン、アガルシダーゼアルファ、アガルシダーゼベータ、アルデスロイキン、アレファセプト、アレムツズマブ、アレンドロネート、アルファカルシドール、アルフゾシン、アルグルコシダーゼアルファ、アリスキレン、アリトレチノイン、アロプリノール、アルモトリプタン、アロセトロン、アレファセプト、アルプラゾラム、アルプロスタジル、アマンタジン、アンブリセンタン、アンブロキソール、アミホスチン、アミオダロン、アミスルピリド、アミトリプチリン、アムロジピン、アモキシシリン、アンホテリシンB、アンプレナビル、アナグレリド、アナキンラ、アナストロゾール、アンドロゲン、チアミン(アノイリン)、アニデュラファンギン、アポモルヒネ、アプレピタント、アプロチニン、アルガトロバン、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アルテメテル、アスコルビン酸、アタザナビル、アテノロール、アトモキセチン、アトルバスタチン、アトシバン、アキセロフトール、アザチオプリン、アゼライン酸、アジスロマイシン、アズトレオナム、バルサラジド、バルビツール酸誘導体、バシリキシマブ、ベクラペルミン、ベクロメタゾン、ベミパリン、ベナゼプリル、ベニジピン、ベンゾジアゼピン、ベタヒスチン、ベタメタゾン、ベバシズマブ、ベキサロテン。ベザフィブラート、ビカルタミド、ビマトプロスト、ビオチン、ビソプロロール、ビバリルジン、ボルテゾミブ、ボセンタン、ボツリヌス毒素、ブリモニジン、ブリンゾラミド、ブシラミン、ブデソニド、ブジピン、ブフェキサマック、ブメタニド、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブチジン、カルシトニン、カルシウム、カルシウム拮抗薬、カンデサルタン、カペシタビン、カプトプリル、カルバマゼピン、カルベトシン、カルビドーパ、カルボプラチン、カルグルミン酸、カルベジロール、カスポファンギン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セファロスポリン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフィキシム、セホチアム、セフォゾプラン、セフプロジル、セフトリアキソン、セフロキシム、セレコキシブ、セペシタビン、セリバスタチン、セチリジン、セトロレリクス、セツキシマブ、セビメリン、ケノデオキシコール酸、コリオゴナドトロピン、シクレソニド、シクロスポリン、シドホビル、シラスタチン、シロスタゾール、シメチジン、シナカルセト、シプロフロキサシン、シスプラチン、シタロプラム、クラドリビン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クリンダマイシン、クロベタゾール、クロブチノール、クロファラビン、クロニジン、クロピドグレル、コバラミン、コデイン、カフェイン、コレセベラム、コレスチラミン、コトリモキザゾール、クロモグリク酸、クロモリン、クマリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シプロテロン、システアミン、システイン、シタラビン、ダビガトランエテキシレート、ダクリズマブ、ダルホプリスチン、ダナパロイド、ダピプラゾール、ダプトマイシン、ダーベポエチン、ダリフェナシン、ダルナビル、ダサチニブ、デフェリプロン、デフェラシロクス、デシプラミン、デシルジン、デスロラタジン、デスモプレシン、デソゲストレル、デソニド、デクスイブプロフェン、デキスケトプロフェン、デクスラゾキサン、ジアゼパム、ジボテルミンアルファ、ジクロフェナク、ジダノシン、シヒドララジン、ジルチアゼム、ジメンヒドリナート、ジメチルスルホキシド、ジメチコーン、ジピボキシル、ジピリダモール、ジソプロキシル、ジソピラミド、ジバルプロエックス、ドセタキセル、ドコサン−1−オール、ドラセトロン、ドンペリドン、ドネペジル、ドーパミン、ドルナーゼα、ドルゾラミド、ドキサゾシン、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキシラミン、ドロナビノール、ドロペリドール、ドロスピレノン、ドロトレコギンアルファ、デュロキセチン、デュタステライド、エバスチン、エカベト、エコナゾール、エクリズマブ、エファリズマブ、エファビレンツ、エフロルニチン、エレトリプタン、エメダスチン、エムトリシタビン、エナラプリル、エンセピュア、エンフビルチド、エノキサパリン、エンタカポン、エンテカビル、エパルレスタット、エフェドリン、エピナスチン、エピネフリン、エピルビシン、エプレレノン、エポエチン、エプロサルタン、エプタコグアルファ、エプチフィバチド、エプトテルミンアルファ、エルロチニブ、エルタペネム、エスシタロプラム、エゾメプラゾール、エストラジオール、エストロゲン、エタナーセプト、エテンザミド、エチニルエストラジオール、エトフェナマート、エトフィブラート、エトフィリン、エトノゲストレル、エトポシド、エトリコキシブ、エベロリムス、エクセメスタン、エキセナチド、エゼチミブ、ファムシクロビル、ファモチジン、ファーモルビシン、ファロペネムダロキサート、フェルビナク、フェロジピン、フェノフィブラート、フェンタニル、フェンチコナゾール、フェキソフェナジン、フィルガストリム、フィナステリド、フルコナゾール、フルダラビン、フルナリジン、フルオロメトロン、フルオロウラシル、フルオキセチン、フルピルチン、フルルビプロフェン、フルタミド、フルチカゾン、フラバスタチン、フルボキサミン、フォリトロピン、葉酸、ホメピゾール、ホミビルセン、フォンダパリヌクス、ホルモテロール、ホスアンプレナビル、フォサプレピタントジメグルミン、ホスホマイシン、フォシノプリル、フロバトリプタン、フルベストラント、フロセミド、フシジン酸、ガバペンチン、ガドベネート、ガドベン酸、ガドブトロール、ガドジアミド、ガドペンテト酸、ガランタミン、ガロパミル、ガルスルファーゼ、ガンシクロビル、ガニレリクス、ガチフロキサシン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムフィブロジル、ゲンタマイシン、ゲピロン、ゲスターゲン、ゲストデン、イチョウ、グラティラマー、グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グルカゴン、グルシトール、グルコサミン、グルタチオン、グリブリド、グリセロール、ニトログリセリン、グリコシド抗生物質、ゴセレリン、グラニセトロン、グレパフロキサシン、グアネチジン、ジャイレース阻害剤、ハロファントリン、ハロペリドール、ヘミン、経口抗糖尿病薬としての尿素誘導体、ヘパリン、強心配糖体、ヒアルロン酸、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロキシオメプラゾール、ヒドロキシジン、視床下部ホルモン、イバンドロン酸、イブリツモマブ、イブプロフェン、イダルビシン、イデュルスルファーゼ、イフリキシマブ、イホスファミド、イロプロスト、イマチニブ、イミダプリル、イミグルセラーゼ、イミペネム、イミプラミン、イミキモド、インジナビル、インドメタシン、インドラミン、インフリキシマブ、インシュリングラルギン、インシュリン、インターフェロン、インターロイキン、イオヘキソール、イオパミドール、イオプロミド、イオサルコール、臭化イプラトロピウム、イルベサルタン、イリノテカン、イソコナゾール、イソプレナリン、イソソルビド、イトラコナゾール、イバプラジン、ヨウ素、オトギリソウ、カリウム塩、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、ラシジピン、ラミブジン、ラモトリジン、ランレオチド、ランソプラゾール、炭酸ランタン、ラロニダーゼ、ラタノプロスト、レフルノミド、レナリドマイド、レピルジン、レルカニジピン、レテプリニム、レトロゾール、ロイプロリド、レバセチルメサドール、レバフロキサシン、レベチラセタム、レボブピバカイン、レボカバスチン、レボセチリジン、レボドパ、レボドロプロピジン、レボフロキサジン、レボメサドン、レボノルゲストレル、レボチロキシン、リコフェロン、リドカイン、リマプロスト、リネゾリド、リオチロニン、リポ酸、リシノプリル、リスリド、ロドキサミド、ロフェプラミン、ロメフロキサシン、ロムスチン、ロペラミド、ロピナビル、ロラタジン、ロルノキシカム、ロサルタン、ロテプレドノールエタボネート、ロバスタチン、ロキソプロフェン、ルメファントリン、ルミラコキシブ、ルトロピン、マグネシウム、マクロライド系抗生物質、マンガホジピル、マニジピン、マプロチリン、マラビロク、マキサカルシトール、メベンダゾール、メベベリン、メカセルミン、メクリジン、メフェナム酸、メフロキン、メラトニン、メロキシカム、メルファラン、メマンチン、メナキノン、メナジオン、メピンドロール、メプロバメート、メロペネム、メサラミン、メサラジン、メスキシミド、
メタミゾール、メタキサロン、メトホルミン、メタドン、メトトレキセート、メトキシ−ポリエチレングリコール−エポエチンベータ、メチル−(5−アミノ−4−o−ペンタノエート)、メチル(5−アミノ−4−オキソペンタノエート)メチルナロキソン、メチルナルトレキソン、メチルフェニデート、メチルプレドニゾロン、メチキセン、メトクロプラミド、メトプロロール、メトロニダゾール、ミアンセリン、ミベフラジル、ミカファンギン、ミコナゾール、ミフェプリストン、ミグリトール、ミグルスタット、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミルタザピン、ミソプロストール、マイトマイシン、ミトキサントロン、ミゾラスチン、モダフィニル、モエキシプリル、フロ酸モメタゾン、モンテルカスト、モロクトコグアルファ、モルヒネ、モサプリド、モキシフロキサシン、麦角アルカロイド、ミコフェノール酸モフェチル、ナジフロキサシン、ナドロパリンカルシウム、ナフチドロフリル、ナルブフィン、ナロキソン、ナプロキセン、ナラトリプタン、ナルコチン、ナタリズマブ、ナタマイシン、ナテグリニド、フェニル酪酸ナトリウム、ネビボロール、ネファゾドン、ナララビン、ネルフィナビル、ネオスチグミン、ネラメキサン、ネシリチド、ネビラピン、ナイアシン、ニカルジピン、ニセルゴリン、ニケタミド、ニコランジル、ニコチン酸、ニフェジピン、ニフルム酸、ニロチニブ、ニルバジピン、ニモジピン、ニモラゾール、ニムスチン、ニソルジピン、ニチシノン、ノルエルゲストロミン、ノルフロキサシン、ノスカピン、ノバミンスルホン、ニスタチン、オクトレオチド、オフロキサシン、オクトレオトリド、オランザピン、オルメサルタン、オロパタジン、オルサラジン、オマリズマブ、オメプラゾール、オモコナゾール、オンダンセトロン、オルリスタット、オセルタミビル、オキサセフェム、オキサセプロール、オキサシリン、オキサリプラチン、オキサプロジン、オクスカルバゼピン、オキシコナゾール、オキシコドン、オキシメタゾリン、パクリタキセル、パリフェルミン、パリペリドン、パリビズマブ、パロノセトロン、パニペネム、パニツムマブ、パントプラゾール、パントテン酸、パラセタモール、上皮小体ホルモン、パレコキシブ、パリカルシトール、パロキセチン、ペガプタニブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラストリム、ペグインターフェロン、ペメトレキセド、ペンシクロビル、ペニシリン(経口)、ペンタゾシン、ペンチフィリン、ペントキシフィリン、ペプチド系抗生物質、ペルフルトレン、ペリンドプリル、ペルフェナジン、ペチジン、植物エキス、フェナゾン、フェニラミン、フェノチアジン、フェンセリン、フェニルブタゾン、フェニル酪酸、フェニトイン、フィロキノン、ピルジカイニド、ピメクロリムス、ピモジド、ピンドロール、ピオグリタゾン、ピペラシリン、ピペラジン、ピラセタム、ピレンゼピン、ピリベジル、ピルリンドール、ピロキシカム、ポルフィマー、ポサコナゾール、プラミペキソール、プラムリンチド、プランルカスト、プラバスタチン、プラゾシン、プレガバリン、プロカイン、プロマジン、プロピオン酸誘導体、プロピベリン、プロポフォール、プロプラノロール、プロピフェナゾン、プロスタグランジン、プロチオナミド、プロキシフィリン、ピリドキシン、クエチアピン、キナプリル、キヌプリスチン、ラベプラゾール、ラセカドトリル、ラロキシフェン、ラルテグラビル、ラミプリル、ラニビズマブ、ラニチジン、ラノラジン、ラサギリン、ラスブリカーゼ、レボキセチン、レパグリニド、レプロテロール、レセルピン、レタパムリン、レチノール、レボフロキサシン、リバビリン、リボフラビン、リファンピシン、リファキシミン、リルゾール、リメキソロン、リモナバント、リセドロネート、リスペリドン、リトナビル、リツキシマブ、リバスティグミン、リザトリプタン、ロフェコキシブ、ロピニロール、ロピバカイン、ロシグリタゾン、ロスバスタチン、ロチゴチン、ロキサチジン、ロキシスロマイシン、ルフィナミド、ルスコゲニン、ルトシド、サバジラ、サルブタモール、サリチル酸、サルメテロール、サペルコナゾール、サルグラモスチム、甲状腺ホルモン、スコポラミン、セレジリン、セルタコナゾール、セルチンドール、セルトラリン、セベラマー、セボフルラン、シブトラミン、シルデナフィル、ケイ酸塩、シンバスタチン、シロリムス、シタグリプチン、シタキセンタン、シトステロール、シベレスタット、ソリフェナシン、ソマトロピン、ソラフェニブ、ソタロール、スパグルミン酸、スパルフロキサシン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、スピラプリル、スピロノラクトン、スタブジン、スチリペントール、ストレプトマイシン、ラネリック酸ストロンチウム、スクラルフェート、スフェンタニル、スルバクタム、スルファサラジン、スルホンアミド、スルピリド、スルタミシリン、スルチアム、スマトリプタン、スニチニブ、塩化スキサメトニウム、タクリン、タクロリムス、タダラフィル、タフルプロスト、タリオロール、タルサクリジン、タモキシフェン、タムスロシン、タンドスピロン、タソネルミン、タザロテン、タゾバクタム、テガフール、テガセロド、テルビブジン、テリスロマイシン、テルミサルタン、テモカプリル、テモポルフィン、テモゾロマイド、テムシロリムス、テナトプラゾール、テネクテプラーゼ、テニポシド、テノホビル、テノキシカム、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルフェナジン、テリパラチド、テルリプレシン、テルタトロール、テストステロン、テトラベナジン、テトラサイクリン、テトリゾリン、テゾセンタン、テオブロミン、テオフィリン、チアマゾール、チアミン、チオテパ、トロンビン、チロトロピンアルファ、チロキシン、チアガビン、チアプリド、チボロン、チクロピジン、チゲサイクリン、チリジン、チモロール、チニダゾール、チオコナゾール、チオグアニン、チオトロピウム、チオキソロン、チプラナビル、チロフィバン、チロプラミド、チザニジン、トブラマイシン、トコフェロールアルファ/ベータ/ガンマ/デルタ、トラゾリン、トルブタミド、トルカポン、トルナフテート、トルペリゾン、トルテロジン、トピラマート、トポテカン、トラセミド、トラベクテジン、トラマドール、トラマゾリン、トランドラプリル、トラニルシプロミン、トラピジル、トラスツズマブ、トラボプロスト、トラゾドン、トレポスチニル、トリアムシノロン、トリアムテレン、トリフルペリドール、トリフルリジン、トロホスファミド、トリメタジジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレナミン、トリプロリジン、チロフィバン、トロマンタジン、トロメタモール、トロパルピン、トロバフロキサシン、トロキセルチン、トリプシン、ツロブテロール、チラミン、チロトリシン、ウラピジル、ウルソデオキシコール酸、ウルソジオール、バラシクロビル、バルデコキシブ、バルガンシクロビル、バルプロ酸、バルサルタン、バンコマイシン、バルデナフィル、バレニクリン、塩化ベクロニウム、ベンラファキシン、ベラパミル、ベルテポルフィン、ビダラビン、ビガバトリン、ビルダグリプチン、ビロキサジン、ビンブラスチン、ビンカミン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンポセチン、ビキジル、ボグリボース、ボリコナゾール、ワルファリン、ニコチン酸キサンチノール、キシメラガトラン、キシパミド、ザフィルルカスト、ザルシタビン、ザレプロン、ザナミビル、ジコノチド、ジドブジン、ジプラシドン、ゾレドロン酸、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾニサミド、ゾピクロン、ゾテピンなどが挙げられる。
エタノール耐性付与コーティング層という用語は、コア上のコーティングであって、医薬活性成分を含むものを意味し、ここで、コーティングは、少なくとも70質量%、少なくとも80質量%、少なくとも90質量%、少なくとも95質量%、少なくとも99質量%または100質量%の、ポリマー部分a)と賦形剤部分b)との混合物を含み、
ここで、ポリマー部分a)は、水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはビニルコポリマーから構成され、
賦形剤部分b)は、賦形剤:
b1)100〜250質量%、110〜240質量%、150〜220質量%の無孔性不活性滑剤、
b2)1〜35質量%、2〜30質量%、5〜28質量%または15〜25質量%のセルロース系化合物、
b3)0.1〜25質量%、0.8〜20質量%、1〜15質量%または5〜12質量%の乳化剤、そしてb3)に加えてまたはb3)の代わりに、
b4)0.1〜30質量%、1〜25質量%、2〜22質量%または5〜15質量%の可塑剤
(賦形剤部分b)の賦形剤はそれぞれポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算される)
から構成される。ポリマー部分a)および賦形剤部分b)は、互いに均一に混合される。
エタノール耐性医薬組成物は、エタノールの存在下で有意に影響を受けない放出動力学を有する処方である。エタノール耐性は、近い将来、重要な登録要件となり得る。従来の医薬組成物は、コーティングされていても、コーティングされていなくても、通常、アルコールに対して全く耐性でない。驚くべきことに、本発明のエタノール耐性付与コーティング層を含むコーティングを、即時放出性医薬組成物、持続放出性医薬組成物、腸溶コーティング医薬組成物またはパルス放出性医薬組成物であるコアに適用すると、これらのコーティングはアルコールに対して許容される耐性を提供することが判明した。エタノール耐性処方は、ラグ処方と呼ばれる場合もある。
エタノールを含む媒体およびエタノールを含まない媒体における活性成分の放出から計算される算術平均が8%(=+8%)である場合、8%のエタノールの影響による加速が起こる。この場合、20%以下の加速の範囲内にあるので、制御放出性医薬組成物はエタノールの影響に対して耐性であると見なされる。
エタノールを含む媒体およびエタノールを含まない媒体における活性成分放出から計算される算術平均が−23%である場合、23%のエタノールの影響による遅延が起こる。この場合、20%以下の遅延の範囲外にあるので、制御放出性医薬組成物はエタノールの影響に対して耐性であるとは見なされない。
放出された活性成分のパーセンテージの測定は、例えばそれぞれの活性化合物に適した波長でオンラインUV分光法によって実施することができる。HPLCの決定も可能である。この方法は当業者に周知である。
本発明の制御放出性医薬組成物は、医薬活性成分を含み、非コーティングペレットまたはコーティングペレットであり得るコアを含む。ペレットという用語には、より大きなサイズのペレットとして理解され得る顆粒および錠剤が含まれる。
コアは非コーティング中性担体ペレット、たとえばノンパレイユを含み、その上部で活性成分がラクトースまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤中に結合している。あるいは、コアは、活性成分が結合している非コーティングポリマーマトリックスの形で、非コーティングペレットを含んでもよい。コアは、結晶化活性成分から構成される非コーティングペレットを含んでもよい。
コアは、医薬活性成分を含むコーティングペレットを含み得る。コーティングペレットは、含まれる医薬活性成分がエタノールの影響に対して耐性となるという放出プロフィールを付与するためにエタノール耐性付与コーティング層によってコーティングされた、容易に処方されるまたは市販の医薬組成物であり得る。コーティングペレットは、即時放出性医薬製剤であってもよい。コーティングペレットは、持続放出性医薬製剤であってもよい。コーティングペレットは、腸溶コーティング医薬組成物であってもよい。
コアは、好ましくは少なくとも一方向で1〜50mmまたは10〜25mmのサイズまたは長さを有するコーティング錠または非コーティング錠であり得る。錠剤は、例えば、ボール、球体、ディスクまたはトーピードの形態を有し得る。好ましくは、腸溶(胃耐性)錠を、コアとして使用することができる。
本発明は、スプレー処理、好ましくは流動床スプレーコーティングによって、エタノール耐性付与コーティング層で、活性成分を含む非コーティングコアまたはコーティングコアをコーティングすることにより、制御放出性医薬組成物を製造する方法を開示する。
非コーティングペレットであるコアは、ペレット化処理で製造することができる。中性担体を含むまたは含まない、丸い活性成分含有ペレットを製造する。中性の担体を含むまたは含まない、丸い活性成分含有基体を製造する。流動床法によって、液体をプラセボペレットまたは他の好適な担体材料に適用することができ、溶媒または懸濁剤を蒸発させる。製造法によって、乾燥ステップを加えることができる。医薬活性成分の意図された量が完全に適用されるまで、噴霧ステップおよびその後の乾燥を数回繰り返すことができる。あるいは、湿式押出、溶融押出、噴霧乾燥、溶融造粒または湿式製粒法を用いて、非コーティングペレットを製造することができる。
−Voigt, R.(1984):Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie [Textbook of Pharmaceutical Technology];Verlag Chemie Weinheim
−Beerfield Beach/Florida−Basle.
−Sucker, H., Fuchs, P., Speiser, P.:Pharmazeutische Technologie [Pharmaceutical Technology], George Thieme Verlag Stuttgart(1991)、特に第15章および第16章、626〜642頁
−Gennaro, A., R.(Editor)、Remington′s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton Pennsylvania(1985)、Chapter 88, pp. 1567−1573.
−List, P. H.(1982):Arzneiformenlehre [Pharmaceutical Form Theory], Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH, Stuttgart.
ペレットコアは、ローター凝集、沈殿またはスプレー法などの方法によって丸みをつけることができる。特に、超音波ボルテックススプレー法を適用して、所定のサイズ、例えば100〜5000μmの非コーティングペレットコアを得ることができる。これは、全コア体積を活性成分ローディングに利用可能であるという利点を有する。活性成分ローディングは、それによっても、不活性コアを有する実施形態に関して増加させることができる。直接圧縮法を用いて、ミニ錠剤用のコアを製造することができる。医薬活性成分に加えて、非コーティングペレットコアは、さらなる医薬賦形剤:バインダー、例えばラクトース、ポリビニルピロリドン(PVP)、保湿剤、崩壊促進剤、s、崩壊剤、澱粉およびその誘導体、糖可溶化剤などを含んでもよい。
本発明の制御放出性医薬組成物は、エタノール耐性付与コーティング層が、コアの質量に基づいて計算して少なくとも2質量%、少なくとも3質量%、少なくとも4質量%、少なくとも5質量%、好ましくは10〜500質量%の量で存在するという点によって特徴付けられる。
本発明によって、エタノール耐性付与コーティング層を有する、例えば1〜5mmのサイズのミニ錠剤を提供することができる。
本発明によって、胃耐性およびエタノール耐性コーティングを有する、例えば1〜50mmのサイズの錠剤を提供することができる。
ポリマー部分a)は、1以上の水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはビニルコポリマーから構成されている。好ましくは、ポリマー部分a)は、コアの質量に基づいて計算して、少なくとも3.0質量%、少なくとも3.2質量%、少なくとも3.5質量%、少なくとも9質量%、少なくとも15質量%、少なくとも25質量%、少なくとも35質量%の量で存在する。
水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはコポリマーという用語は、必ずしも1つのポリマーまたはコポリマーa1)を意味するというわけではない。水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはコポリマーという用語は、1以上のポリマーまたはコポリマーa1)を意味する。
好適な水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはコポリマーは、ポリ酢酸ビニルポリマーまたはそれ由来のコポリマータイプのものであり得る。
好適な水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはコポリマーは、最も好適には(メタ)アクリルコポリマータイプのものであり得る。
中性または本質的に中性のメタクリレートコポリマーは、少なくとも95質量%以上の程度、特に少なくとも98質量%の程度、好ましくは少なくとも99質量%の程度、さらに好ましくは100質量%の程度の、中性基、特にC1〜C4アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーから構成される。
エタノール耐性付与コーティング層は、
賦形剤:
b1)100〜250質量%の無孔性不活性滑剤、
b2)1〜35質量%のセルロース系化合物、
b3)0.1〜25質量%の乳化剤、およびb3)に加えてまたはb3)の代わりに、
b4)0.1〜30質量%の可塑剤
(賦形剤部分b)の賦形剤は、それぞれポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算される)
からなる賦形剤部分b)をさらに含む。
エタノール耐性付与コーティング層の賦形剤部分b)は、ポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算して、60〜250質量%、90〜240質量%、110〜230質量%または140〜220質量%の無孔性不活性滑剤を含む。
エタノール耐性付与コーティング層の賦形剤部分b)は、ポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算して、1〜35質量%、2〜30質量%、5〜28質量%または15〜25質量%のセルロース系化合物b2)を含む。セルロース系化合物は、好ましくは中性のセルロース系化合物、より好ましくは水溶性セルロース誘導体である。中性のセルロース系化合物はセルロースの神経誘導体であり得、好ましくはセルロースのメチルエーテル、エチルエーテルまたはプロピルエーテルであり得る。最も好ましくは、中性のセルロース系化合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)またはメチルセルロースである。セルロース系化合物は、エタノール耐性付与コーティング層を、エタノールの侵入から保護すると考えられる。エタノールの存在下で、ある種の膨潤が起こる可能性があり、これによってコーティング層中の孔が密閉される。
エタノール耐性付与コーティング層の賦形剤部分b)は、ポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算して、0.1〜25質量%、0.8〜20質量%、1〜15質量%または5〜12質量%の乳化剤、好ましくは非イオン性乳化剤を含み得る。
エタノール耐性付与コーティング層の賦形剤部分b)は、ポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算して、0.1〜30質量%、1〜25質量%、2〜22質量%または5〜15質量%の(1以上)可塑剤を含み得る。
エタノール耐性付与コーティング層が100質量%未満(70質量%、80質量%、90質量%、95質量%または99質量%であり得る)のポリマー部分a)および賦形剤部分b)を有する、成る、または含む場合、最高30質量%、最高20質量%、最高10質量%、最高5質量%または最高1質量%(30質量%、20質量%、10質量%、5質量%または1質量%であり得る)のさらなる医薬賦形剤(ポリマー部分a)のポリマーと異なり、賦形剤部b)の賦形剤と異なる)をさらに含み得る。したがって、本発明の意味におけるさらなる医薬賦形剤という用語は、水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーもしくはビニルコポリマー、無孔性不活性滑剤、セルロース系化合物、乳化剤または可塑剤を除外する。エタノール耐性付与コーティング層およびさらなる賦形剤を合計すると100%になる。さらなる賦形剤は、本質的にポリマー部分a)と賦形剤部b)との混合物に起因するエタノール耐性付与効果に寄与しない、または影響を及ぼさない、もしくは相互作用しない。そのようなさらなる賦形剤は、例えば顔料であり得る。最も好ましくは、エタノール耐性付与コーティング層中にさらなる医薬賦形剤は存在しない。
本発明の制御放出性医薬組成物は、多粒子性薬理形態中例えば圧縮錠、カプセル、サシェ、発泡錠または再構成可能な粉末の形態中に含まれるペレットの形態を有し得る。
本発明の制御放出性医薬組成物は、サブコートおよび/またはトップコートをさらに備えていても、サブコートおよび/またはトップコートでコーティングされていてもよい。
すでに記載したように、顔料を無孔性不活性滑剤としての機能でコーティング層において使用して、エタノールの影響に対する耐性を促進することができる。本発明に関与しない賦形剤として顔料をさらに添加する場合は、コーティング層上のトップコートに添加して若干着色することができる。コーティング層において無孔性不活性滑剤として、または本発明に関与しない賦形剤としての機能で使用される顔料は、もちろん通常、非毒性であり、製薬目的に適している。これに関して、例えば、以下を参照:Deutsche Forschungsgemeinschaft, Farbstoffe fuer Lebensmittel, Harald, Boldt Verlag KG, Boppard(1978);Deutsche Lebensmittelrundschau 74, No.4,p.156(1978);Arzneimittelfarbstoffverordnung AmFarbV of 25.08.1980。
本発明の制御放出性医薬組成物は、直接圧縮、乾燥、湿潤または焼結顆粒の圧縮とその後の丸みづけ、湿式および溶融押出、湿式もしくは乾式造粒または直接ペレット化または活性成分を含まないビーズもしくは中性コア(ノンパレイユ)または活性成分を含有する粒子上に粉末を結合させる(粉末積層)ことにより、そしてスプレー法でポリマーコーティングを塗布することによるまたは流動床造粒によるなど、薬学的に慣習的な方法によってそれ自体は公知の方法で製造することができる。
本発明の制御放出性医薬組成物は、コアの質量に基づいて計算して、ポリマー部分a)が少なくとも3.0質量%、少なくとも3.2質量%、少なくとも3.5質量%の量で存在することにより特徴付けられる。
本発明のpH依存性制御放出性医薬組成物を用いて、エタノール含有飲物を同時にまたは続いて経口摂取した後(誤用)に、含まれる医薬活性成分の放出が増大する危険性を軽減することができる。
モデル薬剤
モデル薬剤としてコハク酸メトプロロールおよび塩酸ナロキソンを使用して、研究を実施する。
コーティングペレットは、
USP 32−NF27, General Chapter <711> Dissolutionに準拠し、最初の2時間は模擬胃液pH1.2中、次いで緩衝媒体pH6.8中で試験する。
塩酸ナロキソン
装置:USP I型(バスケット)
RPM:100/分
温度:37.5±0.5℃
溶解体積:500ml。
抜き取り体積:媒体を補充することなく、ピペットを用いて手作業で5ml抜き取った。
検出様式:HPLC
コハク酸メトプロロール
装置:USP II型(パドル)
RPM:100/分
温度:37.5±0.5℃
溶解体積:900ml
検出様式:オンラインUV−VIS
模擬胃液pH1.2(ヨーロッパ薬局方=EP)
溶解媒体2:
模擬胃液pH1.2(ヨーロッパ薬局方=EP)40%(v/v)エタノールを含む。
溶解媒体3:
リン酸緩衝塩溶液pH6.8(ヨーロッパ薬局方=EP)
溶解媒体4:
リン酸緩衝塩溶液pH6.8(ヨーロッパ薬局方=EP)40%(v/v)エタノールを含む。
EUDRAGIT(登録商標)NEを、水不溶性の本質的に中性のビニルコポリマー(ポリマー部分a))として使用する。EUDRAGIT(登録商標)NEは、30質量%のエチルアクリレートおよび70質量%のメチルメタクリレートのフリーラジカル重合単位から構成される。
無孔性不活性滑剤b1):
Talc Pharma:レーザー回折により測定して19.3μm(沈殿によって測定して10μm)の平均粒径を有するタルク
Talc Pharma M:レーザー回折により測定して10.5μm(沈殿によって測定して4.7μm)の平均直径を有するタルク
セルロース系化合物b2):ヒドロキシプロピルメチルセルロース
乳化剤b3):ポリソルベート80
1700〜2000ミクロンの糖球(ノンパレイユ)に、ボトムスプレーを用いた流動床プロセッサーを用いて、コハク酸メトプロロールまたは塩酸ナロキソンをロードする。
ポリビニルピロリドン(Kollidon(登録商標)K25)をバインダーとして使用する。900gのノンパレイユコアを、80gのバインダー(Kollidon(登録商標)K25)中に結合した270gのコハク酸メトプロロールでコーティングする。
ポリビニルピロリドン(Kollidon(登録商標)K25)をバインダーとして使用する。900gのノンパレイユコアを4.5gのバインダー(Kollidon(登録商標)K25)中に結合した90gのコハク酸メトプロロールでコーティングする。さらに120gのタルクおよび30gの二酸化ケイ素をコアに関して滑剤として使用する。
ポリビニルピロリドン(Kollidon(登録商標)K25)および活性成分を穏やかに撹拌しながら水中に溶解させる。高剪断力を加えながら滑剤を水中に分散させる。穏やかに撹拌しながら滑剤懸濁液をポリビニルピロリドン(Kollidon(登録商標)K25)溶液中に注ぐ。コーティング法全体を通して撹拌を続ける。
コーティング懸濁液製造:
無孔性不活性滑剤、乳化剤およびセルロース系化合物(賦形剤部分b))を、高剪断力を加えながら水中に溶解させる。滑剤懸濁液をおだやかに撹拌しながらEUDRAGIT(登録商標)NE分散液中に注ぐ。コーティング法全体を通して撹拌を続ける。
薬剤積層ペレットを適切な条件下、すなわちコア1kgあたり約10〜20g/分のコーティング懸濁液のスプレー速度および約25〜28℃の床温度で、流動床装置中、様々なコーティング懸濁液でコーティングする。噴霧圧力は、1.2mmのノズル直径で1.5〜2.2バールであった。コーティング後、ペレットを約40℃、45%r.h.で半時間、流動床プロセッサー中で流動化させる。コーティングペレットは、約2600〜3000μmの平均直径を有する。
実施例4〜6と比較した実施例1〜3は、タルクの種類の影響を示す。比較例C1は、セルロース系化合物(HPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース)および乳化剤(ポリソルベート80)を使用せず、タルク単独ではエタノール耐性は達成されないことを示す。比較例C2はセルロース系化合物(HPMC)を使用しない。比較例C3は乳化剤(ポリソルベート80)を使用しない。どちらの場合もエタノール耐性は観察されない。本発明によるエタノール耐性は、実施例1〜9で見られる。実施例2および6は、エタノールを含む媒体中で10%未満の加速を示す。
Claims (34)
- 医薬活性成分を含むコアを含む制御放出性医薬組成物であって、
前記コアは、40%(v/v)エタノールを添加したUSPに準拠した緩衝媒体中、pH1.2および/またはpH6.8のインビトロ条件下で医薬活性成分がエタノールの影響に対して耐性となる放出プロフィールを付与する効果を有するエタノール耐性付与コーティング層でコーティングされ、
ここで、エタノールの影響に対する耐性とは、エタノールを含まない同じ媒体において測定される放出プロフィールと比較して、40%のエタノールを含有する媒体の影響下で放出プロフィールが20%を超えて加速されず、20%を超えて遅延されないことを意味し、
ここで、エタノール耐性付与コーティング層は、少なくとも70質量%の、ポリマー部分a)と賦形剤部分b)との混合物を含み、ここで
ポリマー部分a)は、水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはコポリマーからなり、
賦形剤部分b)は、賦形剤:
b1)100〜250質量%の無孔性不活性滑剤、
b2)1〜35質量%のセルロース系化合物、
b3)0.1〜25質量%の乳化剤、およびb3)に加えてまたはb3)の代わりに、
b4)0.1〜30質量%の可塑剤
(賦形剤部分b)の賦形剤は、それぞれポリマー部分a)の乾燥質量に基づいて計算される)からなる、制御放出性医薬組成物。 - 医薬活性成分を含むコアが非コーティングペレットであることを特徴とする、請求項1に記載の制御放出性医薬組成物。
- コアがその上部で活性成分がバインダー中に結合している中性担体ペレットを含むことを特徴とする、請求項2に記載の制御放出性医薬組成物。
- コアがその中に活性成分が結合したポリマーマトリックスを含むことを特徴とする、請求項2に記載の制御放出性医薬組成物。
- コアが結晶化活性成分からなるペレットを含むことを特徴とする、請求項2に記載の制御放出性医薬組成物。
- 医薬活性成分を含むコアがコーティングペレットであることを特徴とする、請求項1に記載の制御放出性医薬組成物。
- コーティングペレットが持続放出性医薬製剤であることを特徴とする、請求項6に記載の制御放出性医薬組成物。
- コーティングペレットが腸溶コーティング医薬製剤であることを特徴とする、請求項6に記載の制御放出性医薬組成物。
- エタノール耐性付与コーティング層が、ポリマー部分a)のポリマーと異なり、また賦形剤部分b)の賦形剤と異なる20質量%までのさらなる医薬賦形剤を含むことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 水不溶性で本質的に中性のビニルポリマーまたはコポリマーが、95超〜100質量%のアクリル酸もしくはメタクリル酸のC1〜C4−アルキルエステルおよび5質量%未満のアクリル酸もしくはメタクリル酸のフリーラジカル重合単位から構成されるコポリマーであることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 水不溶性で本質的に中性のポリマーまたはコポリマーが、ポリ酢酸ビニル型ポリマーまたはポリ酢酸ビニル型コポリマーであることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 無孔性不活性滑剤が、層状シリカ成分、顔料またはステアレート化合物であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 無孔性不活性滑剤がタルクであることを特徴とする、請求項12に記載の制御放出性医薬組成物。
- 無孔性不活性滑剤がステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムであることを特徴とする、請求項12に記載の制御放出性医薬組成物。
- セルロース系化合物が水溶性セルロース誘導体であることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 中性セルロース系化合物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはメチルセルロースであることを特徴とする、請求項15に記載の制御放出性医薬組成物。
- 乳化剤が非イオン性乳化剤であることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 洗剤がソルビタンエステルまたはソルビタンエーテルのポリオキシエチレン誘導体であることを特徴とする、請求項17に記載の制御放出性医薬組成物。
- 洗剤がポリエトキシソルビタンモノオレエートであることを特徴とする、請求項17または18に記載の制御放出性医薬組成物。
- 医薬活性成分が、難溶性に分類されるエタノール中溶解性を有することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 医薬活性成分がオピオイドまたはオピオイド拮抗薬であることを特徴とする、請求項1または20に記載の制御放出性医薬組成物。
- 医薬活性成分が、モルヒネもしくはナロキソンまたはその薬学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項21に記載の制御放出性医薬組成物。
- 医薬活性成分がやや難溶性と分類されるエタノール中溶解性を有することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- 医薬活性成分がメトプロロールまたはその薬学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項23に記載の制御放出性医薬組成物。
- 多粒子医薬形態中に含まれるペレットの形態、圧縮錠、カプセル、サシェ、発泡錠または再構成可能な粉末の形態であることを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- さらにトップコートを備えていることを特徴とする、請求項1から25までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- ポリマー部分a)がコアの質量に基づいて計算して少なくとも3.0質量%の量で存在することを特徴とする、請求項1から26までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- コアが100〜5000μmの範囲の平均直径を有することを特徴とする、請求項1から27までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物。
- コアが100〜700μmの範囲の平均直径を有し、かつエタノール耐性付与コーティング層中のポリマー部分a)のポリマー乾燥物質の量がコアの質量に基づいて計算して15〜200質量%であることを特徴とする、請求項28に記載の制御放出性医薬組成物。
- コアが700超〜1400μmの範囲の平均直径を有し、かつエタノール耐性付与コーティング層中のポリマー部分a)のポリマー乾燥物質の量がコアの質量に基づいて計算して10〜150質量%であることを特徴とする、請求項28に記載の制御放出性医薬組成物。
- コアが1400超〜5000μmの範囲の平均直径を有し、かつエタノール耐性付与コーティング層中のポリマー部分a)のポリマー乾燥物質の量がコアの質量に基づいて計算して5〜100質量%であることを特徴とする、請求項28に記載の制御放出性医薬組成物。
- 医薬活性成分を含むコアが非コーティング錠またはコーティング錠であることを特徴とする、請求項1に記載の制御放出性医薬組成物。
- 活性成分を含むコーティングコアまたは非コーティングコアを、スプレー処理または流動床スプレーコーティングによってエタノール耐性付与コーティング層でコーティングすることによる、請求項1から32までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物の製造方法。
- エタノール含有飲料を同時にまたは続いて消費することによって含まれる医薬活性成分の経口摂取後の放出が増大または低減する危険性を軽減するための、請求項1から32までのいずれか1項に記載の制御放出性医薬組成物の使用。
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