JP2012519929A - 改善された膜電極接合体 - Google Patents

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Abstract

改善された膜電極接合体。少なくとも一層のリン酸含有高分子電解質膜と少なくとも一層のガス拡散電極とからなる膜電極接合体であって、該ガス拡散電極が、
i.少なくとも一層の触媒層と
ii.少なくとも二層のガス拡散層からなる少なくとも一種のガス拡散媒体を有し、
・第一のガス拡散層が、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を有し、
・第二のガス拡散層が、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を有し、
・ガス拡散媒体が、ポリテトラフルオロエチレンを含み、
・第一のガス拡散層が、第二のガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有することを特徴とする膜電極接合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質膜により分離された二枚の電気化学的に活性な電極を有する改善された膜電極接合体(membrane electrode assemblies)に関する。
高分子電解質膜(PEM)燃料電池においては、最近用いられているプロトン伝導性膜は、ほとんどすべてがスルホン酸で変性されたポリマーである。主に完全フッ素化ポリマーが使用されている。その代表例が、米国デュポン社のナフィオン(R)である。プロトンの伝導には、膜内に比較的に高い水分率が求められ、その値は、通常スルホン酸基当り4〜20分子の水である。必要な水分率や、酸性の水や水素や酸素などの反応ガスに対するポリマーの安定性のため、PEM燃料電池スタックの作動温度は80〜100℃に制限されている。燃料電池の性能の劣化なしに高い作動温度は得られない。ある圧力レベルでの水の露点を超える温度では、膜が完全に乾燥して、膜抵抗が電流があまり流れなくなるほど上昇するため、燃料電池は電気エネルギーをまったく供給できなくなる。
しかしながら、システム上の理由のため、燃料電池の作動温度は100℃より高いことが望ましい。膜電極接合体(MEA)中に存在する貴金属系触媒の活性は、高い作動温度でずっと大きくなる。
特に、炭化水素からいわゆる改質油を作る用途の場合、改質器ガス中には明確な量の一酸化炭素が存在するため、通常、高コストで複雑なガス加工運転またはガス洗浄運転で除く必要がでてくる。高い作動温度では、触媒のCO不純物に対する許容度が上昇する。
また燃料電池の運転により熱が発生する。しかしながら、これらのシステムを80℃未満に冷却することが、非常に高コストで複雑となる場合がある。放出される電力によっては、この冷却装置をもっと単純にすることができる。即ち、100℃を超える温度で作動している燃料電池システム中では、廃熱をよりよく利用でき、このため燃料電池システムの効率を上げることができる。このような温度を得るために、新たな伝導メカニズムをもつ膜が、特にポリアゾール系の膜が一般に用いられている。このような膜は、例えばDE102005038195に詳細に述べられている。
本明細書はまた、燃料電池中で使用可能な膜電極接合体の製造についても述べる。これらの膜電極接合体は、それぞれ触媒層と接触する、高分子電解質膜で分離されている二枚のガス拡散層を有している。
このためガス拡散層は、平坦な導電性で耐酸性の構造物であり、例えばグラファイト繊維紙、炭素繊維紙、カーボンブラックを添加して伝導性としたグラファイト織物及び/又は紙である。
触媒層は、触媒活性物質を、例えば、PtやPd、Ir、Rh、Os、Ruなどの白金族の貴金属か、AuやAgなどの貴金属を含む必要がある。これらの金属類は、必要に応じて支持体材料上で使用することができ、例えば炭素の上で、特にカーボンブラック、グラファイトまたは黒鉛化カーボンブラックの形の炭素上で使用することができる。また、これらの触媒活性層が他の添加物を、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマーやプロトン伝導性イオノマー、表面活性物質を含んでいてもよい。
このような電極は、通常、カーボンブラックなどの支持体材料上の白金などの貴金属触媒や、PTFEなどのバインダーもある疎水化剤、界面活性剤、メチルセルロースなどの増粘剤を含む触媒インクを用いて生産される。しかしながら、通常、用いる電極触媒は酸性であり、このため上記成分を含む触媒インクは酸性のpHをとる。PTFE粒子はアルカリ性条件下でのみ安定化されるため、この結果としてPTFEが組成物から凝集して分離する。
製造後に、界面活性剤は、通常300℃を超える比較的高温で焼結して分解され、バインダーは熱処理される。しかしながら、このような高温が触媒活性値を損ねることが知られている。また、熱処理が支持体材料の酸化を引き起こし、これが今度は電極の性能と寿命を損ねることがある。
文献のX. L. Wang et al. Micro−porous layer with composite carbon black for PEM fuel cells(PEM燃料電池用の複合カーボンブラック含有マイクロポーラス層)、Electrochimica Acta 51 (2006) 4909−4915は、炭素繊維紙またはグラファイト織物からなるマクロポーラスガス拡散層とマイクロポーラス層を含む燃料電池用ガス拡散層を開示している。
このマイクロポーラス層は、マクロポーラスガス拡散層の上下の面にカーボンブラックと疎水化剤とを塗布して得られたものである。このマイクロポーラス層の機能は、触媒層を膜に面する側に置くために、また触媒層へのガス輸送とそこからの水の除去を効率的に行って触媒層に対する電気接触抵抗を低下させるために、正しい空孔構造と疎水性を与えることと考えられる。
これらのガス拡散層を、80℃で、均一なパーフルオロポリマー(PF)/C混合物とともに上下の面に塗布されたナフィオン(R)膜を用いて、試験する。しかしながら、ガス拡散層の裏面上では空孔が小さいため、100℃を超える作動温度ではこのようなシステムは、問題を引き起こし、性能劣化を引き起こす。より具体的には、例えば、試験規格EN−ISO9237による200Paでの空気透過率は、5l/m2sである
したがって本発明の目的は、好ましくは以下の特性をもつ改善されたMEAを提供すること、またそれと共に作動する燃料電池を提供することである:
・ 100℃を超える温度での運転してもセルが長寿命を示す。
・個々のセルが、100℃を超える温度で、長期間一定の性能または改善された性能を示す。
・同時に、燃料電池が、長期間の運転後に高い無負荷電圧と低いガスクロスオーバーを示す。
・燃料電池は、100℃を超える作動温度で使用可能であり、さらに燃料ガスの加湿が必要でない。より具体的には、膜電極接合体が、アノードとカソード間に加わる永続的なあるいは変動する差圧に耐えることができる。
・したがって、本発明の目的はまた、容易に安価で生産可能な膜電極接合体を提供することである。同時に、特に、高価な材料の使用量を最小にすることである。
・特に、長期間後の燃料電池が、高い電圧を保持し、低い化学量論で作動可能である。
・特に、一般的な信頼性を増加させるために、MEAが変動する作動条件(T、p、幾何構造等)に耐える。
・また、高価な貴金属、特に白金金属を、非常に効果的に利用する必要がある。また、このようなMEAの、非常に簡単で非常に安価で非常に効果的な製造方法を示す必要がある。
これらの目的は、請求項1の特徴をあわせてもつ膜電極接合体により達成される。また、このような膜電極接合体の特に有利な製造方法と特に好適な用途が保護される。
したがって、本発明は、少なくとも一層のリン酸含有高分子電解質膜と少なくとも一層のガス拡散電極とを含む膜電極接合体であって、該ガス拡散電極が、
i.少なくとも一層の触媒層と
ii.少なくとも二層のガス拡散層を有する少なくとも一種のガス拡散媒体とを有し、
・第一のガス拡散層が、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を有し、
・第二のガス拡散層が、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を有し、
・ガス拡散媒体が、ポリテトラフルオロエチレンを含み、第一のガス拡散層が第二のガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有することを特徴とする膜電極接合体を提供する。
高分子電解質膜
本発明の目的に好適な高分子電解質膜は公知であり、特に、US5,525,436, DE−A−10117687, DE−A−10110752, DE−A−10331365, DE−A−10052242, US2008160378, US2008233435, DE−U−20217178、Handbook of Fuel Cells − Fundamentals and Technology and Applications, Vol. 3, Chapter 3, High temperature membranes(燃料電池ハンドブック−基礎と技術と応用、第三巻、第三章、高温膜)), J. S. Wainright, M.H. Litt and R.F. Savinellに記載されている。
本発明によれば、リン酸を含む高分子電解質膜が用いられる。
これらの膜は、平坦な材料、例えば高分子膜を、リン酸またはリン酸を放出する化合物を含む液体で膨潤させるなどの方法により、あるいはポリマーとリン酸含有化合物またはリン酸放出化合物との混合物を製造し、次いで膜を形成するために平坦な製品を形成して膜状とし固化させることにより生産することができる。
本目的に好適なポリマーとしては、ポリ(クロロプレン)、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリ(p−キシリレン)、ポリアリールメチレン、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアミン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、PTFEとヘキサフルオロプロピレンやポリフルオロプロピルビニルエーテル、トリフルオロニトロソメタン、カルボアルコキシペルフルオロアルコキシビニルエーテルとのコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクロレイン、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリシアノアクリレート、ポリメタクリルイミド、シクロオレフィンのコポリマー、特にノルボルネンのコポリマーなどのポリオレフィン;
ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリエーテル、ポリプロピレンオキシド、ポリエピクロロヒドリン、ポリテトラヒドロフラン、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエステル、特にポリヒドロキシ酢酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリビドロキシ安息香酸エステル、ポリヒドロキシプロピオン酸、ポリピバロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリマロン酸、ポリカーボネートなどの主鎖中にC−O結合をもつポリマー;
ポリスルフィドエーテル、ポリフェニレンスルフイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォンポリマーなどの主鎖中にC−S結合をもつポリマー;
ポリイミン、ポリイソシアニド、ポリエーテルイミン、ポリエーテルイミド、ポリアニリン、ポリアラミド、ポリアミド、ポリヒドラジド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアゾール、ポリアゾールエーテルケトン、ポリアジンなどの主鎖中にC−N結合をもつポリマー;
液晶性ポリマー類、特にベクトラ、および
ポリシランやポリカルボシラン、ポリシロキサン、ポリケイ酸、ポリシリケート、シリコーン、ポリフォスファゼン、ポリチアジルなどの無機ポリマーがあげられる。
塩基性ポリマーが好ましい。特に、プロトンを輸送可能なほとんどすべての既知のポリマー膜が有用である。例えば、いわゆるグロータスメカニズムにより水の添加なしにプロトンを輸送することのできる酸が好ましい。
本発明で用いられる塩基性ポリマーは、好ましくは、繰り返し単位中に窒素原子を有する塩基性ポリマーである。
ある好ましい実施様態においては、この塩基性ポリマー中の繰り返し単位は、少なくとも一個の窒素原子を含有する芳香族環を含む。この芳香族環は、好ましくは1〜3個の窒素原子を持つ5員環または6員環であり、この環は、他の環に、特に他の芳香族環に縮合していてもよい。
本発明のある特定の側面においては、一つの繰り返し単位中にあるいは異なる繰り返し単位中に少なくとも一個の窒素、酸素及び/又は硫黄原子を含む高熱安定性のポリマーが用いられる。
本発明の「高熱安定性」のポリマーは、120℃を超える温度の燃料電池中で高分子電解質として長期間作動可能なポリマーである。なお、「長期間」は、本発明の膜が、WO01/18894A2に記載の方法により測定した場合に、初期性能と比較して50%を超える性能低下が無く、少なくとも110℃で、好ましくは少なくとも120℃で、より好ましくは少なくとも160℃で、少なくとも100時間、好ましくは少なくとも500時間、使用できることを意味する。
上記のポリマーは、個別に用いることもできるし、混合物(ブレンド)として用いることもできる。なお、ポリアゾール及び/又はポリスルホンを含むブレンドが特に好ましい。ドイツ特許出願DE−A−10052242およびDE−A−10245451に記載のように、好ましいブレンド成分は、ポリエーテルスルフォンや、ポリエーテルケトン、スルホン酸基で変性されたポリマーである。ブレンドの使用により、機械的特性を改善し、材料コストを低下させることができる。
塩基性ポリマーの特に好ましい群は、ポリアゾール類である。ポリアゾール系の塩基性ポリマーは、一般式(I)及び/又は(II)及び/又は(III)及び/又は(IV)の繰り返しアゾール単位を含む。
Figure 2012519929
式中、
Arは、同一であるか異なり、四価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
Ar1は、同一であるか異なり、二価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
Ar2は、同一であるか異なり、二価または三価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
Ar3は、同一であるか異なり、三価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
Ar4は、同一であるか異なり、三価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
Ar5は、同一であるか異なり、四価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
Xは、同一であるか異なり、酸素、硫黄、又はアミノ基であり、該アミノ基は、水素、1〜20個の炭素原子を有する基、好ましくは枝分れした、又は枝分れしていない、アルキル−又はアルコキシ基、又はアリール基を更なる基として有し、
nは、10以上の整数、好ましくは100以上の整数である。
好ましい芳香族または複素芳香族の基は、ベンゼンやナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、ビスフェノン、ジフェニルスルホン、キノリン、ピリジン、ビピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、テトラジン、ピロール、ピラゾール、アントラセン、ベンズピロール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾピリジン、ベンゾピラジン、ベンゾピラジジン、ベンゾピリミジン、ベンゾピラジン、ベンゾトリアジン、インドリジン、キノリジン、ピリドピリジン、イミダゾピリミジン、ピラジノピリミジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、ベンゾキノリン、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジジン、ベンゾプテリジン、フェナントロリン、フェナントレンに由来するものであり、これらは必要に応じて置換されていてもよい。
一つの繰り返し単位中でX基が同一である、式(I)の繰り返し単位を持つポリアゾールが好ましい。
これらのポリアゾールは、原理的には、例えばそのX基が異なる繰り返し単位を持つこともできる。しかしながら、一つの繰り返し単位中では、同じX基のみを持つことが好ましい。
さらに好ましいポリアゾールポリマーは、ポリイミダゾールや、ポリベンズチアゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリキノキサリン、ポリチアジアゾール、ポリ(ピリジン)、ポリ(ピリミジン)、ポリ(テトラアザピレン)である。
本発明の特に好ましい実施様態においては、この繰り返しアゾール単位を含むポリマーが、式(I)及び/又は(II)の単位のみを含むポリアゾールである。
ポリマー中の繰り返しアゾール単位の数は、好ましくは10以上の整数である。少なくとも100この繰り返しアゾール単位を含むポリマーが特に好ましい。
用いるポリアゾール、特にポリベンズイミダゾールは、高分子量であることに特徴がある。
固有粘度を測定すると、これは少なくとも0.2dl/gであり、好ましくは0.8〜10dl/g、特に1〜10dl/gである。
このようなポリアゾールの製造は既知であり、DE−A−10117687に記載されており、一種以上の芳香族テトラアミノ化合物と一種以上のカルボン酸モノマー当り少なくとも2個の酸基を持つ芳香族カルボン酸またはそのエステルとを溶融状で反応させてプレポリマーを得る。得られたプレポリマーは反応器内で固化し、次いで機械的に微粉砕される。この粉末状のプレポリマーは、通常、最高400℃の温度で固相重合により最終的に重合させられる。
高分子膜の製造には、ポリマー、好ましくはポリアゾールを他の工程において極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルアセトアミド(DMAc)中に溶解し、従来方法によりフィルムを製造することができる。
溶媒残渣を除くため、このようにして得られたフィルムを、ドイツ特許出願DE−A−10109829に記載のように、洗浄液で洗浄する。ドイツ特許出願に記載の溶媒残渣を除くためのポリアゾールフィルムの洗浄は、驚くべきことにフィルムの機械的特性を向上させる。これらの特性には、特にフィルムの弾性率や破断強度、破壊靱性があげられる。
また、ドイツ特許出願DE−A−10110752またはWO00/44816に記載のように、この高分子膜をさらに修飾、例えば架橋により修飾してもよい。ある好ましい実施様態においては、ドイツ特許出願DE−A−10140147に記載のように、一種の塩基性ポリマーと少なくとも一種のブレンド成分とからなる使用高分子膜がさらに架橋剤を含む。
ポリアゾールフィルムの厚みは、広い範囲内で変動可能である。酸でのドーピング前のポリアゾールフィルムの厚みは、好ましくは5μm〜2000μmの範囲であり、より好ましくは10μm〜1000μmの範囲であるが、これらの範囲に制限されるわけではない。
あるプロトン伝導度を達成するために、これらのフィルムはリン酸でドープ処理される。
また、少なくとも部分的に加水分解されたポリリン酸を用いることもできる。
ドーピングの程度(ドーピング度)を変化させてポリアゾール膜の伝導度の変化させることができる。この伝導度はドーパントの濃度とともに増加するが、最終的には最大値に達する。本発明によれば、ドーピング度は、ポリマーの繰り返し単位1モル当りの酸のモル数で表わされる。本発明において、ドーピング度は3〜50である、特に5〜40であることが好ましい。
一般に、高濃度の酸が用いられる。本発明のある特定の側面においては、ドーパント重量に対するリン酸の濃度が50重量%であり、特に少なくとも80重量%である。
また、プロトン伝導性膜を、
I)ポリマー、特にポリアゾールをポリリン酸中に溶解する工程と、
II)工程A)で得られる溶液を不活性ガス下で400℃の温度にまで加熱する工程と、
III)工程II)のポリマー溶液を用いて支持体上に膜を形成する工程と、
IV)工程III)で形成された膜を自己支持性となるまで処理する工程とからなる方法で製造することもできる。
また、ドープ処理されたポリアゾールフィルムは、
A)一種以上の芳香族テトラアミノ化合物と、一種以上のカルボン酸モノマー当り少なくとも2個の酸基を持つ芳香族カルボン酸またはそのエステルまたは一種以上の芳香族及び/又は複素芳香族のジアミノカルボン酸とを、ポリリン酸中で混合して溶液及び/又は分散液を得る工程と、
B)工程A)の混合物を用いて電極上の支持体上に層を形成する工程と、
C)工程B)で得られる平坦な構造物/層を不活性ガス下で350℃の温度まで、好ましくは280℃の温度まで加熱して、ポリアゾールポリマーを形成する工程と、
D)工程C)で形成された膜を、(自己支持性となるまで)処理する工程とからなる方法により得ることができる。
工程A)で使用される芳香族または複素芳香族のカルボン酸とテトラアミノ化合物についてはすでに述べた。
工程A)で使用されるポリリン酸は、市販のポリリン酸、例えばリーデル・デ・ハーン社から入手可能のポリリン酸を含む。ポリリン酸Hn+2n3n+i(n>1)は、通常、(酸滴定法による)P25含量として、少なくとも83%の値をもつ。これらのモノマーの溶液に代えて、分散液/懸濁液を作ることもできる。
工程A)で得られる混合物のポリリン酸とモノマーの総量との重量比は、1:10000〜10000:1であり、好ましくは1:1000〜1000:1、特に1:100〜100:1である。
工程B)での層の形成は、高分子膜製造の既存技術から知られている公知の方法(塗布、吹き付け、ナイフ塗布)により行われる。好適な支持体は、この条件下では不活性であると考えられるすべての支持体である。粘度調整のために、この溶液を必要に応じてリン酸(濃リン酸、85%)と混合してもよい。これにより粘度を目標値に調整でき、膜形成を容易にすることができる。
工程B)で生産される層の厚みは、20〜4000μmであり、好ましくは30〜3500μm、特に50〜3000μmである。
工程A)の混合物がトリカルボン酸またはテトラカルボン酸を含む場合は、その結果として生成するポリマーに分岐/架橋が発生する。このため、機械的特性が改善される。
工程C)で生産されるポリマー層は、この層が燃料電池中での使用に十分な強度を示すのに充分な温度で十分な時間、水分の存在下で処理される。この処理は、膜が自己支持性となり、破損することなく支持体から取り外すことができるようになるまで行うことができる。
工程C)において、工程B)で得られる平坦構造物が、350℃の温度まで、好ましくは280℃まで、より好ましくは200℃〜250℃の範囲の温度にまで加熱される。工程C)で用いる不活性ガスは、この技術分野で公知である。このようなガスとしては、特に窒素が、またネオンやアルゴン、ヘリウムなどの希ガスがあげられる。
本方法の変例においては、工程A)からの混合物の350℃までの温度への、好ましくは280℃まで加熱して、オリゴマー及び/又はポリマーを生成させておくこともできる。選ばれる温度と時間によっては、工程C)での加熱を一部あるいは全部省くことができる。この変例もまた、本発明の対象の一つである。
工程D)で、膜が、0℃より高く150℃より低い温度で、好ましくは10℃〜120℃の間で、特に室温(20℃)〜90℃の間で、水分または水及び/又は水蒸気及び/又は最高85%の含水リン酸%の存在下で処理される。この処理は、好ましくは標準的な圧力の下で行われるが、加圧下で行ってもよい。重要なのは、この処理が十分な水分の存在下で進行し、その結果、存在するポリリン酸が部分的加水分解により低分子量ポリリン酸及び/又はリン酸を形成して、膜の固化に寄与することである。
加水分解液は溶液であってもよく、その場合はこの液体が懸濁及び/又は分散した成分を含んでいてもよい。加水分解液の粘度は、広い範囲内であってよく、この粘度は溶媒添加または温度上昇で調整可能である。その動的粘度は、好ましくは0.1〜10000mPa・sの範囲であり、特に0.2〜2000mPa・sの範囲である。なお、これらの値は、例えばDIN53015に準じて得られる値である。
工程D)での処理は、公知の何れの方法で行ってもよい。例えば、工程C)で得られる膜を液体浴中に浸漬してもよい。また、加水分解液をこの膜に噴霧してもよい。また、加水分解液をこの膜の上に注いでもよい。後者の方法には、加水分解液中の酸の濃度が加水分解中で一定となるという利点がある。しかしながら最初の方法は、多くの場合、より低コストで実施可能である。
ガス拡散電極
高分子電解質膜に加えて、本発明の膜電極接合体は、さらに少なくとも一層のガス拡散電極を含む。通常二層の電気化学的に活性な電極が使用され(アノードとカソード)、これらは高分子電解質膜により隔てられている。「電気化学的に活性」とは、これらの電極が、水素及び/又は少なくとも一種の改質油の酸化と酸素の還元を触媒する能力を持っていることを意味する。この性質は、白金及び/又はルテニウムなどの触媒活性物質とともに電極を形成することにより得られる。「電極」とは、その材料が導電性であることを意味する。この電極は、必要に応じて、貴金属の層を持っていてもよい。このような電極は公知であり、例えばUS4,191,618や、US4,212,714、US4,333,805に記載されている。
好適な触媒活性物質は、好ましくは触媒的に活性な金属である。これらは当業界の熟練者には公知である。好適な触媒的に活性な金属類は、一般的には白金やパラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、およびその混合物からなる群から選ばれ、より好ましくは白金及び/又はルテニウムである。極めて好ましい実施様態においては、白金のみが、あるいは白金とルテニウムの混合物が用いられる。当業界の熟練者には既知のポリオキシメタレートを使用することもできる。
好ましく用いられる触媒活性金属または異なる金属の混合物が、必要に応じてコバルトやクロム、タングステン、モリブデン、バナジウム、鉄、銅、ニッケル、銀、金、イリジウム、スズ等、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる他の合金添加物を含んでいてもよい。
他の好ましい実施様態においては、この少なくとも一種の触媒活性物質が、適当な支持体材料に塗布されている。適当な支持体材料は当業界の熟練者には公知であり、例えばカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素ナノ粒子、炭素発泡体、炭素ナノチューブ、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる導電材である。
一酸化炭素含有改質油ガスを燃料として作動する燃料電池の場合は、アノード触媒が一酸化炭素による被毒に対して最大の抵抗を示すことが有利である。このような場合には、白金/ルテニウム系の電気化学触媒を用いることが好ましい。
本発明で用いられるガス拡散電極は、少なくとも一種のガス拡散媒体と少なくとも一層の触媒層を含む。本発明の第一の好ましい実施様態においては、これらが相互に直接結合している。本発明の他の好ましい実施様態においては、触媒で被覆した高分子電解質膜が用いられ、これがガス拡散媒体と組み合わされてガス拡散電極を形成する。
ガス拡散媒体はそれ自体公知であり、例えば、US6,017,650やUS6,379,834、US6,165,636に記載されている。これらは、特にガスの分配のため、水の制御に、電流の出力に、機械的な健全性のため、熱伝導のために用いられる。
用いるガス拡散媒体は、通常平坦な導電性耐酸性構造物である。これらには、例えば、カーボンブラックを添加して伝導性としたグラファイト繊維紙や炭素繊維紙、グラファイト織物及び/又は紙があげられる。これらの層により、ガス流及び/又は液流の細かな分配が可能となる。
また、少なくとも一種の導電性材料、例えば炭素(例えば、カーボンブラック)で含浸された導電性材料と、必要に応じてバインダーを含む機械的に安定な支持体材料からなるガス拡散媒体を用いることもできる。もちろん、炭素に代えてあるいは炭素と共に、他の種類の導電性粒子、例えば金属粒子を用いることもできる。
これらの目的に特に好適な支持体材料としては、例えば不織布、紙または織物の形状の繊維があげられ、特に炭素繊維、ガラス繊維、またはポリプロピレンやポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリフェニレンスルフイドまたはポリエーテルケトンなどの有機ポリマーを含む繊維があげられる。ガス拡散媒体に関するより詳細な説明が、例えばWO9720358に見られる。
このガス拡散媒体の厚みは、好ましくは80m〜2000μmの範囲であり、特に100μm〜1000μmの範囲、より好ましくは150μm〜500μmの範囲である。
このガス拡散媒体は、汎用の添加物を含んでいてもよい。これらには、表面活性物質が含まれる。
ある特定の実施様態においては、少なくとも一つのガス拡散媒体が圧縮性材料からなる。本発明において、圧縮性材料とは、その材料が、その健全性を失うことなく、元の厚みの1/2まで、特に1/3まで圧力により圧縮可能であるといる性質をもっている。
通常、カーボンブラックを添加して伝導性としたグラファイト織物及び/又は紙からなるガス拡散層はこの性質をもっている。
本発明において、ガス拡散媒体は少なくとも二層のガス拡散層を持つ。
・第一のガス拡散層は、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層からなり、
・第二のガス拡散層は、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を有し、
・ガス拡散媒体が、ポリテトラフルオロエチレンを含み、
・第一のガス拡散層が第二のガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有する。
これらは、二つの別々の層であってもよい。また、これらの層は、例えばガス拡散媒体の一面に.ポリテトラフルオロエチレンを部分的に塗布して得られる単一の媒体中に存在していてもよい。
本発明の特に好ましい実施様態においては、このガス拡散媒体がさらに、平均空孔径が100nm〜500nmの範囲にある空孔を有する少なくとも一種の導電性マイクロポーラス層を含む。
本発明の他の特に好ましい実施様態においては、このガス拡散媒体が、このような導電性マイクロポーラス層をまったく有していない。
なお、この孔径は、既知の方法により決定できる。水銀気孔率法が、特に規格DIN66133(1993年6月)による水銀気孔率法が特に有用である。
ガス拡散層の配置は、原理的には自由である。しかしながら、特に有用な構造は、第二のガス拡散層が第一のガス拡散層と触媒層との間にある構造であることがわかっている。もう一つの有用な構造は、第一のガス拡散層が第二のガス拡散層と触媒層との間にある構造であることもわかっている。
二つのガス拡散層中のポリテトラフルオロエチレンの濃度は、第一のガス拡散層が第二のガス拡散層より大きなポリテトラフルオロエチレン濃度を持っている限り、原則として自由に選択される。
しかしながら、第一のガス拡散層のフッ素濃度は、好ましくは0.35mg/cm2より大きく、より好ましくは0.40mg/cm2より大きく、特に0.5mg/cm2より大きい。
第二のガス拡散層のフッ素濃度は、好ましくは0.30mg/cm2未満であり、より好ましくは0.23mg/cm2未満、特に0.2mg/cm2未満である。
第一のガス拡散層中のフッ素濃度と第二のガス拡散層中のフッ素濃度の比率は、好ましくは1.1:1より大きく、好適には1.5:1より大きく、より好ましくは2:1より大きく、好適には4:1より大きく、特に6:1より大きい。
第一のガス拡散層中のフッ素濃度と炭素濃度の比率は、好ましくは少なくとも0.7であり、より好ましくは少なくとも0.8、特に少なくとも0.9である。
なお、このフッ素濃度は、公知の方法で測定できる。この点で特に有用な方法が、走査型電子顕微鏡(SEM)と電子プローブマイクロアナリシス(EPMA)とエネルギー分散エックス線分光(EDXS)であることが知られており、特に、例えばLudwig Reimer、Scanning Electron Microscopy: Physics of Image Formation and Microanalysis (Springer Series in Optical Sciences)[走査型電子顕微鏡:画像形成の物理とマイクロアナリシス(光科学シリーズ)], Springer, Berlin; 2nd edition; September 17, 1998に詳しく記載されているエネルギー分散エックス線分光(EDXS)法が好ましい。
第一のガス拡散層は、好ましくは粒度が100nm未満のカーボンブラック粒子を最小レベルで含んでいる。第一のガス拡散層は、ポリテトラフルオロエチレンと粒度が100nm未満のカーボンブラック粒子の総量に対して、好ましくは30重量%を超える、好ましくは50重量%を超える、好適には75重量%を超える、より好ましくは95重量%を超える、特に100重量%のポリテトラフルオロエチレンを含む。
第1及び第2のガス拡散層の厚みは、原則として自由に選択できる。しかしながら、第一のガス拡散層の厚みは、好ましくは1μmを超え、より好ましくは5μmを、好ましくは10μmを超え、特に25μmを超える。第二のガス拡散層の厚みは、好ましくは1μmを超え、より好ましくは5μmを超え、好適には10μmを超え、特に25μmを超える。
特に有用なガス拡散媒体では、その断面において、第一のガス拡散層が、ガス拡散媒体の総厚みに対して、ガス拡散媒体の初めの5〜30%を占めるものであることがわかっている。
なお、ガス拡散層の厚みは、公知の方法で、特に走査型電子顕微鏡(SEM)により測定可能である。
この(これらの)触媒層は、触媒活性物質を含んでいる。これらには、PtやPd、Ir、Rh、Os、Ruなどの白金族の貴金属や、AuやAgなどの貴金属があげられる。上記のすべての金属の合金を用いることもできる。また、少なくとも一層の触媒層は、白金族元素と、FeやCo、Ni、Cr、Mn、Zr、Ti、Ga、Vなどの卑金属との合金を含んでいてもよい。
本発明のガス拡散電極を直接メタノール、水素/空気または改質油/空気燃料電池用の膜電極接合体中でアノードとして使用する場合には、これらの触媒が白金及び/又はルテニウムを含むことが好ましい。
本発明のガス拡散電極を直接メタノール、水素/空気または改質油/空気燃料電池用の膜電極接合体中でカソードとして使用する場合には、これらの触媒が白金、白金−イリジウムまたは白金−ロジウム合金を含むことが好ましい。
上記の物質を含む触媒活性粒子は、金属粉の形で、いわゆる貴金属ブラックとして使用可能であり、特に白金及び/又は白金合金の形で使用可能である。このような粒子は、一般的には5nm〜200nmの範囲の、好ましくは7nm〜100nmの範囲の大きさを持つ。
また、これらの金属を支持体材料上で使用することもできる。この支持体は、好ましくは炭素を含み、特にカーボンブラック、グラファイトまたは黒鉛化カーボンブラックの形で使用できる炭素を含んでいる。また、SnOxやTiOxなどの導電性金属酸化物、またはFePOxやNbPOx、Zry(POx2などのリン酸塩を支持体材料として使用することもできる。これらの式において、添え字のxとyとzは、個々の化合物の酸素または金属の含量を示し、これらの遷移金属は異なる酸化状態をとりうるため、これらがある一定の範囲内にあってもよい。
金属と支持体化合物の総重量に対する担持金属粒子の量は、一般的には1重量%〜80重量%の範囲であり、好ましくは5重量%〜60重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%であるが、この範囲に制限されるわけではない。支持体の粒度、特に炭素粒子の大きさは、好ましくは20nm〜1000nmの範囲であり、特に30nm〜100nmの範囲である。この上に存在する金属粒子の大きさは、好ましくは1nm〜20nmの範囲であり、特に1nm〜10nm、より好ましくは2nm〜6nmである。
これら異なる粒子の大きさは平均であり、透過電子顕微鏡またはエックス線粉末回折により求めることができる。
上に詳述した触媒活性粒子は、一般的には市販されている。
また、触媒活性層が汎用の添加物を含んでいてもよい。これらには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマーや、プロトン伝導性イオノマー、表面活性物質が含まれる。
本発明のある特定の実施様態においては、フルオロポリマーと、少なくとも一種の貴金属と必要に応じて一種以上の支持体材料とを含む触媒材料との重量比は0.1より大きく、この比率は、好ましくは0.2〜0.6の範囲である。
本発明の他の好ましい実施様態においては、この触媒層がスルホン化されたポリテトラフルオロエチレンを含むことが好ましく、触媒層中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレンの比率は、触媒活性物質の総重量に対して、好ましくは10重量%〜300重量%の範囲である。これにより、特にカソード中での酸素の溶解度が、特に100℃を超える温度での溶解度が増加する。
また、触媒層中の非スルホン化ポリテトラフルオロエチレンの含量は、触媒層の総重量に対して、好ましくは30重量%未満であり、好適には10重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
また、触媒層中の非スルホン化ポリテトラフルオロエチレンの含量は、触媒層中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレンの総重量に対して、好ましくは100重量%未満、好適には50重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
本発明の特に好ましい実施様態においては、この触媒層がいずれの非スルホン化ポリテトラフルオロエチレンをも含まない。
また、触媒層中の界面活性剤の含量は、触媒層の総重量に対して、好ましくは30重量%未満であり、好適には10重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
また、触媒層中の界面活性剤の含量は、触媒層中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレンの総重量に対して、好ましくは100重量%未満であり、好適には50重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
本発明の特に好ましい実施様態においては、この触媒層がいずれの界面活性剤も含んでいない。
触媒層の厚みは、好ましくは1μm〜500μmの範囲であり、特に5μm〜250μmの範囲、好ましくは10μm〜150μmの範囲である。この値は平均であり、走査型電子顕微鏡(SEM)で得られる画像の断面の層厚を測定して決められる。
本発明の特に好ましい実施様態においては、触媒層の貴金属含量が、0.1mg/cm2〜5.0mg/cm2であり、好ましくは0.3mg/cm2〜4.0mg/cm2、より好ましくは0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2である。これらの値は、平坦試料の元素分析で決めることができる。
膜電極接合体についての他の情報については、技術文献を、特に特許出願であるWO01/18894A2やE19509748、DE19509749、WO00/26982、WO92/15121、DE19757492、および刊行物のW. Vielstich, H. Gasteiger, A. Lamm (editors) Handbook of Fuel Cells − Fundamentals, Technology and Applications, volume 3: Fuel Cell Technology and Applications, chapter 43: Principles of MEA preparation(燃料電池ハンドブック−基礎と技術と応用、第三巻、燃料電池の技術と応用、43章、MEA製造の原理) 2003 John Wiley and Sons, Ltd. pages 538−565 and W. Vielstich, H. Gasteiger, A. Lamm (editors) Handbook of Fuel Cells − Fundamentals, Technology and Applications, volume 3: Fuel Cell Technology and Applications, chapter 42: Diffusion media materials and characterisation(燃料電池ハンドブック−基礎と技術と応用、第三巻、燃料電池の技術と応用、42章、拡散媒体材料と性能評価) 2003 John Wiley and Sons, Ltd. pages 538−565を参照されたい。上記の引用文献中の膜電極接合体の構造と生産や、選ばれるべき電極やガス拡散層、触媒に関する開示も、本明細書の一部である。
本発明の膜電極接合体は、これらの部品を組み合わせて公知の方法で生産できる。このような膜電極接合体は、好ましくはホットプレスで生産される。このためには、ガス拡散電極と膜、好ましくはイオン交換膜、特にプロトン伝導性膜を、50℃〜200℃の範囲の温度で加熱し、1MPa〜10MPaの範囲の圧力でプレスする。触媒層を膜層に結合させるには、通常2分で充分である。この時間は、好ましくは30秒間〜10分間の範囲であり、特に30秒間〜5分間の範囲である。
ある好ましい変例では、この膜電極接合体が、まずまず膜に触媒層を塗布して触媒被覆膜(CCM)を製造し、次いでこの触媒被覆膜をガス拡散媒体とともに支持体上に貼り付けて得られる。用いるガス拡散媒体は、上記の多層構造をもつ。
特に有用な手法は、
i)ポリテトラフルオロエチレンを、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を含むガス拡散媒体に塗布し、
ii)工程i)からのガス拡散媒体を100℃を超える温度で熱処理し、
iii)触媒材料を工程II)からのガス拡散媒体に塗布する方法であることがわかっている。
熱処理は、好適には280℃未満の温度で行われ、好ましくは40℃〜250℃の範囲で、特に60℃〜200℃の範囲の温度で行われる。熱処理時間は、好ましくは1分〜2時間の範囲内で選ばれる。
この触媒材料は、好ましくは触媒活性物質とバインダー、好ましくはスルホン化ポリテトラフルオロエチレンを含む触媒インクを用いて塗布される。バインダー中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレンの比率は、触媒インク中の触媒活性物質の総重量に対して好ましくは30重量%〜300重量%の範囲である。また、バインダー中の非スルホン化ポリテトラフルオロエチレンの含量は、触媒インク中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレンの総重量に対して、好ましくは100重量%未満、好ましくは50重量%未満、より好ましくは10重量%未満、より好ましくは1重量%未満、特に0重量%である。また、バインダー中の界面活性剤の含量は、触媒インク中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレンの総重量に対して、好ましくは100重量%未満、好ましくは50重量%未満、より好ましくは10重量%未満、より好ましくは1重量%未満、特に0重量%である。
本発明の膜電極接合体(MEA)は、燃料電池用途に、特に100℃を超える温度で作動する発電用燃料電池用途に特に好適である。
驚くべきことに、本発明の単セル燃料電池が、そのいろいろな周囲温度と空気湿度における寸法安定性のため、いずれの問題もなく保存あるいは輸送可能であることが明らかとなった。長期保管後でも、あるいは大きく異なる気候条件の土地に輸送後でも、この単セル燃料電池の寸法が正しく、燃料電池スタックに問題無く組み込むことができる。その場合、この単セル燃料電池は、外部への設置のために現場で調湿する必要が無く、このため燃料電池の製造が簡単となり時間とコストが節約されることとなる。
好ましい単セル燃料電池の一つの利点は、燃料電池が120℃を超える温度で運転可能であることである。これは、ガス状燃料や液体燃料、例えば炭化水素改質工程の上流で作られる水素含有ガスに適用できる。用いる酸化剤は、例えば酸素または空気であってよい。
好ましい単セル燃料電池の他の利点は、純粋な白金触媒を用いて、即ち他の合金成分を使わずに120℃を超える運転を行っても、これらが一酸化炭素に対して高い許容度を示すことである。例えば160℃の温度では、1%を超えるCOが燃料ガス中に存在していても、これにより燃料電池の性能のいずれにも明らかな低下が引き起こされることがない。
好ましい単セル燃料電池は、高い動作温度が可能であるにもかかわらず、燃料ガスや酸化剤を加湿することなく燃料電池中で運転可能である。この燃料電池は安定に作動し、その膜が伝導度を失うことがない。このため、全体として燃料電池システムが単純となり、水の回路の制御が単純化するためさらにコスト削減が可能となる。これはまた、燃料電池システム中での0℃未満の温度での性能も改善させる。
驚くべきことに、好ましい単セル燃料電池では、いずれの問題もなく燃料電池を室温以下に冷却させることができ、性能低下なしに運転を再開させることができる。これ対して、従来のリン酸系燃料電池では、燃料電池システムのスイッチを切った後も、不可逆的な損傷を避けるために、場合によっては40℃を超える温度に維持する必要があった。
また、本発明の単セル燃料電池は、改善された熱安定性や腐食安定性と、比較的低いガス透過性、特に高温下での低ガス透過性といった特徴をもつ。本発明により、機械的安定性と構造的健全性の低下、特に高温下での低下を、可能な限り避けることができる。
また、本発明の単セル燃料電池は、安価でかつ簡単に製造できる。
以下、本発明を実施例と比較例をもって詳細に説明するが、これらの例が本発明の概念を制限するものではない。
触媒インクの調整
まず、2.4部のナフィオンイオノマーの水溶液(10wt%)[等量1100(デュポン社)]と1.85部のH2Oをガラス瓶に入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。次いで、1部のPt/C触媒を評量し、撹拌下で徐々にこの混合物に添加した。この混合物を、室温で約5〜10分間マグネチックスターラーで攪拌した。次いで試料を、入力エネルギー値が0.015KWhとなるまで超音波処理した。この値は、20gのバッチサイズに対するものである。
ガス拡散電極(GDE)の製造
出発GDL:
GDL1:H2315 IX11 CX45
マクロポーラス層(平均空孔径:10μm〜30μm)とマイクロポーラス炭素層(平均空孔径:100nm〜500nm)を持つフロイデンベルグ社のテフロン(登録商標)含浸ガス拡散層(GDL) (H2315 IX11 CX45)
GDL2:H2315 IX11
マクロポーラス層(平均空孔径:10μm〜30μm)を持ち、マイクロポーラス炭素層(平均空孔径:100nm〜500nm)を持たないフロイデンベルグ社のテフロン(登録商標)含浸ガス拡散層(GDL) (H2315 IX11)
比較用試料1:
触媒被覆ガス拡散電極(GDE)は、フロイデンベルグ社のテフロン(登録商標)含浸ガス拡散層(GDL) (H2315 IX11 CX45)のマイクロポーラス炭素層(MPL)上に、スクリーン印刷により触媒製剤を印刷して製造した。GDEの厚みと塗布量を表1に示す。
試料1:
さらに、フロイデンベルグ社のマイクロポーラス炭素層(MPL)(H2315 IX11 CX45)をもつテフロン(登録商標)含浸GDLに、0.35mgテフロン(登録商標)/cm2量のテフロン(登録商標)を噴霧によりGDL材料の反対(MPLの反対を向く面)上に塗布した。その後、340℃で2時間熱処理した。
得られたGDLは、第一のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)と第二のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)とをもち、第一のマクロポーラスガス拡散層は、第二のマクロポーラスガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有していた。
次いで、GDL(MPL側)上に、スクリーン印刷により触媒被覆ガス拡散電極(GDE)、を形成した。GDEの厚みと塗布量を表1に示す。
比較用試料2:
スクリーン印刷により、フロイデンベルグ社のテフロン(登録商標)含浸GDL(H2315 IX11、MPLなし)上に触媒製剤を印刷しようとした。この触媒インクでGDLを印刷することはできなかった。
試料2:
さらに、フロイデンベルグ社のテフロン(登録商標)含浸GDL(H2315 IX11、MPLなし)の触媒を塗布したい面を、噴霧により0.29mgテフロン(登録商標)/cm2の量のテフロン(登録商標)で塗装した。次いで、試料を340℃で2時間熱処理した。
得られたGDLは、第一のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)と第二のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)とを有し、第一のマクロポーラスガス拡散層は、第二のマクロポーラスガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有していた。
次いで、このGDL上にスクリーン印刷で、触媒被覆ガス拡散電極(GDE)を製造した。GDEの厚みと塗布量を表1に示す。
試料3:
さらに、フロイデンベルグ社のテフロン(登録商標)含浸GDL(H2315 IX11、MPLなし)の触媒を塗布したい面に、噴霧により1.45 mgテフロン(登録商標)/cm2の量のテフロン(登録商標)で塗装し、次いで試料を340℃で2時間熱処理した。
得られたGDLは、第一のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)と第二のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)とを有し、第一のマクロポーラスガス拡散層は、第二のマクロポーラスガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有していた。
次いで、このGDL上にスクリーン印刷で触媒被覆ガス拡散電極(GDE)を製造した。GDEの厚みと塗布量を表1に示す。
試料4:
さらに、フロイデンベルグ社のテフロン(登録商標)含浸GDL(H2315 IX11、MPLなし)の触媒を塗布したい面に、噴霧により0.4mgテフロン(登録商標)/cm2の量のテフロン(登録商標)で塗装し、次いで試料を340℃で2時間熱処理した。
得られたGDLは、第一のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)と第二のマクロポーラスガス拡散層(平均孔径:10μm〜30μm)を有し、第一のマクロポーラスガス拡散層は、第二のマクロポーラスガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有していた。
次いで、このGDL上にスクリーン印刷で触媒被覆ガス拡散電極(GDE)を製造した。GDEの厚みと塗布量を表1に示す。
Figure 2012519929
MEAの製造とセルの試験:
セルの試験のために、このように生産されたGDE(アノードとカソードが同じ)とセルテック−P膜とからMEA(膜電極接合体)を対称的に組み立てた。スペーサーを用いて、この接合体を140℃で30秒間プレスして初期厚の75%とした。MEAの活性面積は45cm2であった。次いで、試料をセルブロックに導入し、160℃で、H2(アノード化学量:1.2)と空気(カソード化学量:2)とを用いて試験した。0.6A/cm2での試料の性能を、表2中で比較する。
Figure 2012519929

Claims (17)

  1. 少なくとも一層のリン酸含有高分子電解質膜と少なくとも一層のガス拡散電極とからなる膜電極接合体であって、該ガス拡散電極が、
    i.少なくとも一層の触媒層と
    ii.少なくとも二層のガス拡散層を有する少なくとも一種のガス拡散媒体を有し、
    ・第一のガス拡散層が、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を有し、
    ・第二のガス拡散層が、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を有し、
    ・ガス拡散媒体が、ポリテトラフルオロエチレンを含み、
    第一のガス拡散層が、第二のガス拡散層より高いポリテトラフルオロエチレン濃度を有することを特徴とする膜電極接合体。
  2. 第二のガス拡散層が第一のガス拡散層と触媒層の間に配置される請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 第一のガス拡散層が第二のガス拡散層と触媒層の間に配置される請求項1に記載の膜電極接合体。
  4. 第一のガス拡散層の厚みが1μmより大きいことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の膜電極接合体。
  5. 第一のガス拡散層のフッ素濃度が0.35mg/cm2より大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の膜電極接合体。
  6. 第二のガス拡散層のフッ素濃度が0.30mg/cm2より小さいことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の膜電極接合体。
  7. 第一のガス拡散層中のフッ素濃度と第二のガス拡散層中のフッ素濃度の比率が1.1:1より大きいことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の膜電極接合体。
  8. 第一のガス拡散層が、ポリテトラフルオロエチレンと粒度が100nm未満のカーボンブラック粒子の総量に対して30重量%を超える量のポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の膜電極接合体。
  9. その断面において、第一のガス拡散層が、ガス拡散媒体の総厚みに対して、ガス拡散媒体の初めの5〜30%を占めることを特徴とする請求項1〜8の少なくとも一項に記載の膜電極接合体。
  10. 前記触媒層がスルホン化ポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする請求項1〜9の少なくとも一項に記載の膜電極接合体。
  11. 前記触媒層中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレンの含量が、前記触媒活性物質の総重量の10重量%〜300重量%であることを特徴とする請求項10に記載の膜電極接合体。
  12. 前記触媒層中の非スルホン化ポリテトラフルオロエチレンが、触媒層中のスルホン化ポリテトラフルオロエチレン総重量に対して100重量%未満であることを特徴とする請求項1〜11の少なくとも一項に記載の膜電極接合体。
  13. 少なくとも一種のポリアゾールを含むことを特徴とする請求項1〜12の少なくとも一項に記載の膜電極接合体。
  14. 前記ポリアゾールが一般式(I)及び/又は(II)及び/又は(III)及び/又は(IV)の繰り返しアゾール単位を含む請求項13に記載の膜電極接合体。
    Figure 2012519929
    式中、
    Arは、同一であるか異なり、四価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
    Ar1は、同一であるか異なり、二価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
    Ar2は、同一であるか異なり、二価または三価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
    Ar3は、同一であるか異なり、三価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
    Ar4は、同一であるか異なり、三価の芳香族基または複素芳香族基であり、単環であっても多環であってもよく、
    Xは、同一であるか異なり、酸素、硫黄、または、水素原子と、他の基として1〜20個の炭素原子を有する基、好ましくは技分かれしていてもよいアルキルまたはアルコキシ基、またはアリール基とを有するアミノ基であり、
    nは、10以上の整数、好ましくは100以上の整数である。
  15. i)ポリテトラフルオロエチレンを、平均空孔径が10μm〜30μmの範囲にある空孔を有する導電性マクロポーラス層を含むガス拡散媒体に塗布し、
    ii)工程i)からのガス拡散媒体を100℃を超える温度で熱処理し、
    iii)触媒材料を工程II)からのガス拡散媒体に塗布することからなることを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の膜電極接合体を少なくとも一つ含む燃料電池。
  17. 請求項16に記載の燃料電池を、発電のために、100℃を超える温度で使用する方法。
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