JP2012517689A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

基板(11)上に形成されたフィン型半導体領域(13)の両側部にエクステンション領域(17)が設けられている。フィン型半導体領域(13)を跨ぐと共にエクステンション領域(17)と隣り合うようにゲート電極(15)が形成されている。ゲート電極(15)と隣り合う領域のフィン型半導体領域(13)の上部に、エクステンション領域(17)よりも高い抵抗率を有する抵抗領域(37)が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、基板上にフィン型半導体領域を有するダブルゲート型の半導体装置及びその製造方法に関するものである。
近年、半導体装置の高集積化、高機能化及び高速化に伴って、益々半導体装置の微細化の要求が高まっている。そこで、基板上におけるトランジスタの占有面積の低減を目指して種々のデバイス構造が提案されている。その中でも、フィン(Fin)型構造を持つ電界効果トランジスタが注目されている。このフィン型構造を持つ電界効果トランジスタは、一般的にフィン型FET(Field Effect Transistor)と呼ばれ、基板の主面に対して垂直な薄い壁(フィン)状の半導体領域(以下、フィン型半導体領域という)からなる活性領域を有している。フィン型FETにおいては、フィン型半導体領域の上面に加えて両側面をチャネル面として用いたトリプルゲート型構造を実現できるため、基板上におけるトランジスタの占有面積を低減することができる(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。
図13(a)〜(e)は、従来のフィン型トリプルゲートFETの構造を示す図であり、図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)におけるA−A線の断面図であり、図13(c)は図13(a)におけるB−B線の断面図であり、図13(d)は図13(a)におけるC−C線の断面図であり、図13(e)は図13(a)におけるD−D線の断面図である。
従来のフィン型トリプルゲートFETは、図13(a)〜(e)に示すように、シリコンからなる支持基板101と、支持基板101上に形成された酸化シリコンからなる絶縁層102と、絶縁層102上に形成されたフィン型半導体領域103a〜103dと、フィン型半導体領域103a〜103d上にゲート絶縁膜104a〜104dを介して形成されたゲート電極105と、ゲート電極105の側面上に形成された絶縁性サイドウォールスペーサ106と、フィン型半導体領域103a〜103dにおけるゲート電極105を挟む両側方領域に形成されたエクステンション領域107と、フィン型半導体領域103a〜103dにおけるゲート電極105及び絶縁性サイドウォールスペーサ106を挟む両側方領域に形成されたソース・ドレイン領域117とを有している。フィン型半導体領域103a〜103dは、絶縁層102上においてゲート幅方向に一定間隔で並ぶように配置されている。ゲート電極105は、ゲート幅方向にフィン型半導体領域103a〜103dを跨ぐように形成されている。エクステンション領域107は、フィン型半導体領域103a〜103dのそれぞれの上部に形成された第1の不純物領域107aと、フィン型半導体領域103a〜103dのそれぞれの両側部に形成された第2の不純物領域107bとから構成されている。また、ソース・ドレイン領域117は、フィン型半導体領域103a〜103dのそれぞれの上部に形成された第3の不純物領域117aと、フィン型半導体領域103a〜103dのそれぞれの両側部に形成された第4の不純物領域117bとから構成されている。尚、ポケット領域の説明及び図示については省略する。
ところが、前述の従来のフィン型トリプルゲートFETにおいては、図13(b)に示すように、チャネル形成領域となるフィン型半導体領域103a〜103dの上部コーナーに対して、上方のゲート電極105からの電圧に加えて、側方のゲート電極105からの電圧も印加されるため、当該上部コーナーでは電気的特性が不安定になりやすい。
そこで、フィン型半導体領域の上面をハードマスクによって覆うことにより、フィン型半導体領域の両側面のみをチャネル面として用いたフィン型ダブルゲートFETが提案されている(例えば非特許文献2参照)。
図14は、従来のフィン型ダブルゲートFETの断面図である。尚、図14は、図13(b)示す従来のフィン型トリプルゲートFETの断面構成と対応する図であり、図14において、図13(a)〜(e)に示す従来のフィン型トリプルゲートFETと同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。図14に示すように、従来のフィン型ダブルゲートFETにおいては、フィン型半導体領域103a〜103dのそれぞれの上面とゲート電極105(正確にはゲート絶縁膜104a〜104d)との間には、例えばシリコン酸化膜からなるハードマスク150が介在しており、これにより、フィン型半導体領域103a〜103dのそれぞれの両側面のみがチャネル面として機能することになる。
尚、従来のフィン型ダブルゲートFETの平面構成は、図13(a)に示す従来のフィン型トリプルゲートFETの平面構成と同じであり、従来のフィン型ダブルゲートFETにおける図13(a)のB−B線及びC−C線の断面構成も、図13(c)及び(d)に示す従来のフィン型トリプルゲートFETの断面構成と同じである。但し、図示は省略しているが、従来のフィン型ダブルゲートFETにおける図13(a)のD−D線の断面構成は、図13(e)に示す従来のフィン型トリプルゲートFETの断面構成においてフィン型半導体領域103bの上面とゲート電極105(正確にはゲート絶縁膜104b)との間にハードマスク150を介在させた構成となる。
特開2006−196821号公報
D.Lenoble他、Enhanced performance of PMOS MUGFET via integration of conformal plasma−doped source/drain extensions、2006 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers、p.212 Jean−Pierre Colinge、FinFETs and Other Multi−Gate Transistors、Series on Integrated Circuits and Systems、p.14−19
しかしながら、従来のフィン型ダブルゲートFETにおいては、所望のトランジスタ特性が得られないという問題点がある。
前記に鑑み、本発明は、フィン型半導体領域を有するダブルゲート型の半導体装置において所望の特性が得られるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らは、従来のフィン型ダブルゲートFETにおいて所望のトランジスタ特性が得られない理由を検討した結果、次のような知見を得るに至った。
従来のフィン型ダブルゲートFETを製造するためのエクステンション注入をイオン注入法やプラズマドーピング法を用いて実施した場合、図14に示す断面では、ゲート電極105がマスクとなっているため、フィン型半導体領域103a〜103dに不純物は注入されない。すなわち、ゲート電極105により覆われた領域のフィン型半導体領域103a〜103dの側部にも上部にもエクステンション注入工程で不純物が注入されることはない。
一方、図13(c)及び(d)に示す断面(エクステンション注入時には、図13(c)の絶縁性サイドウォールスペーサ106、及び図13(d)のソース・ドレイン領域117は形成されていない)では、フィン型半導体領域103a〜103dに不純物が注入される。
図15(a)は、イオン注入法を用いてエクステンション注入を行っている様子を示した断面図であり、図15(b)は、プラズマドーピング法を用いてエクステンション注入を行っている様子を示した断面図である。尚、図15(a)及び(b)において、図13(a)〜(e)に示す従来のフィン型FETと同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
図15(a)に示すように、イオン注入法を用いてエクステンション注入を実施した場合、フィン型半導体領域103a〜103dの上面のみならず側面にも不純物を導入するために、イオン注入によってイオン108a及び108bをそれぞれ、鉛直方向に対して互いに異なる側に傾いた注入角度でフィン型半導体領域103a〜103dに注入することによって、エクステンション領域107を形成する。この場合、フィン型半導体領域103a〜103dの上部には、イオン108a及びイオン108bの両方が注入されてなる第1の不純物領域107aが形成される。しかしながら、フィン型半導体領域103a〜103dの両側部には、イオン108a又はイオン108bのいずれか一方のみが注入されてなる第2の不純物領域107bが形成される。すなわち、イオン108aのドーズ量とイオン108bのドーズ量とが同じである場合、第1の不純物領域107aの注入ドーズ量は、第2の不純物領域107bの注入ドーズ量の2倍の大きさになってしまう。その結果、第1の不純物領域107aの抵抗率は、第2の不純物領域107bの抵抗率と比べて例えば50%程度低くなる。
また、図15(b)に示すように、プラズマドーピング法を用いてエクステンション注入を実施した場合、注入イオン109aと、吸着種(ガス分子やラジカル等の中性種)109bと、スパッタリングによってフィン型半導体領域103a〜103dを離脱する不純物109cとのバランスによって決まる注入ドーズ量を持つ第1の不純物領域107aがフィン型半導体領域103a〜103dの上部に形成される。しかしながら、フィン型半導体領域103a〜103dの両側部の注入ドーズ量については、注入イオン109aやスパッタリングによる離脱不純物109cの影響は小さく、主として吸着種109bによって決まる注入ドーズ量を持つ第2の不純物領域107bがフィン型半導体領域103a〜103dの両側部に形成される。その結果、第1の不純物領域107aの注入ドーズ量は、第2の不純物領域107bの注入ドーズ量と比べて例えば25%程度高くなるので、第1の不純物領域107aの抵抗率は、第2の不純物領域107bの抵抗率と比べて例えば25%程度低くなる。
以上に説明したように、従来のフィン型ダブルゲートFETのエクステンション領域の形成方法によると、フィン型半導体領域103a〜103dの上部に形成される第1の不純物領域107aの抵抗率が、フィン型半導体領域103a〜103dの側部に形成される第2の不純物領域107bの抵抗率と比べて低くなる。このようなエクステンション構造を有するフィン型ダブルゲートFETを動作させた場合、エクステンション領域107を流れる電流は、第2の不純物領域107bと比べて抵抗率が低い第1の不純物領域107aに集中することになる(図13(c)参照)。一方、チャネルについては、ゲート電極105より覆われた領域のフィン型半導体領域103a〜103dの側部にのみチャネルが形成され、ハードマスク150に覆われたフィン型半導体領域103a〜103dの上部はチャネルとして機能しない(図14参照)。これはフィン型ダブルゲートFETの特徴であり、トランジスタの制御性を高精度化するために、フィン型半導体領域103a〜103dの上部をハードマスク150により覆うことによってゲート電極105からの電界の影響がフィン型半導体領域103a〜103dの上部に及ばないようにした結果である。そのため、エクステンション領域107を流れる電流は、フィン型半導体領域103a〜103d上部の第1の不純物領域107aに集中しているにもかかわらず、チャネルはフィン型半導体領域103a〜103d側部にしか存在しないので、チャネルに流れる電流は、フィン型半導体領域103a〜103d側部のうち比較的上側の部分により多く流れる。言い換えると、ゲート電極105より覆われたチャネル領域では、フィン型半導体領域103a〜103d側部のうち比較的下側の部分に流れる電流は、フィン型半導体領域103a〜103d側部のうち比較的上側の部分に流れる電流よりも小さくなってしまう。すなわち、オン時に流れる電流が、チャネルとなるフィン型半導体領域103a〜103d側部において不均一に流れてしまうので、所望のトランジスタ特性が得られないという問題が生じるのである。
また、本願発明者らは、従来のフィン型ダブルゲートFETのエクステンション注入にプラズマドーピング法を用いた場合には、次のような問題が生じることを見出した。図16(a)に示すように、プラズマドーピング法(プラズマ生成ガスはB2 6 とHeとの混合ガス)を平坦な半導体領域151に適用した場合、半導体領域151を構成するシリコンの削れ量は1nm/min以下である。しかしながら、図16(b)に示すように、前述のプラズマドーピング法を用いてフィン型半導体領域に不純物領域を形成した場合、平坦な半導体領域151上のフィン型半導体領域152の上部コーナーの削れ量は10nm/minよりも大きくなってしまう。
図17は、このような問題が生じたフィン型半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成した様子を表す斜視図である。図17に示すように、上部に不純物領域161aを有し且つ両側部に不純物領域161bを有するフィン型半導体領域161を跨ぐようにゲート電極163が形成されている。具体的には、フィン型半導体領域161の上面とゲート電極163との間には、下から順にハードマスク164とゲート絶縁膜162とが介在しており、フィン型半導体領域161の側面とゲート電極163との間にはゲート絶縁膜162が介在している。図17において、a、b、c、dは、ゲート絶縁膜162とハードマスク164とによって構成される鞍馬形状の内壁のうちソース側のコーナーを表し、a''、b''、c''、d''は、コーナーa、b、c、dをフィン型半導体領域161のソース側端面まで平行移動させたものである。
尚、一般にエクステンション領域上にはサイドウォールスペーサ(図17において図示省略)を形成し、エクステンション注入後のエクステンション領域を保護しているが、前記ソース側端面とは、サイドウォールスペーサにより覆われている半導体領域のうちチャネルから最も離れた箇所を意味するものとする。また、フィン型半導体領域161の上部コーナーの削れ量Gは、当該上部コーナーからb''又はc''までの距離であり、当該上部コーナーの曲率半径をrとすると、G=(√2ー1)×rである(但しドーピング前の上部コーナーの曲率半径は0(コーナーが直角)であるものとする)。
ここで、フィン型半導体領域161の上部コーナーの削れ量Gが大きくなると、ゲート絶縁膜162とハードマスク164とから構成される鞍馬形状の内壁コーナーb又はcと、例えばエクステンション領域となる不純物領域161a又は161bとの間には、意図しない隙間が生じてしまうことになる。このようなエクステンション構造を有するフィン型ダブルゲートFETを動作させた場合、エクステンション領域となるフィン型半導体領域161の上部コーナー(つまりチャネルとなるフィン型半導体領域161側部のうち最も上側に位置する部分)では電流が流れにくくなるため、所望のトランジスタ特性が得られないという問題が生じるのである。
以上に述べた知見に基づき、本願発明者らは、フィン型半導体領域の両側部にのみエクステンション領域を形成する一方、フィン型半導体領域の上部には、エクステンション領域よりも高い抵抗率を有する抵抗領域を形成するという発明を想到するに至った。
この発明によれば、エクステンション領域を流れる電流はフィン型半導体領域の両側部のみを流れるので、言い換えると、当該電流がフィン型半導体領域の上部を流れることがないので、ゲート電極により覆われたチャネル形成領域のフィン型半導体領域においても、その側部に電流を均一に流してやることができる。すなわち、オン時に流れる電流が、チャネルとなるフィン型半導体領域側部において均一に流れるので、フィン型ダブルゲートFETにおいて所望のトランジスタ特性を得ることができる。
また、この効果は、従来のフィン型ダブルゲートFETのようにフィン型半導体領域の上面とゲート電極との間にハードマスクを設けた構成を採用することなく得られるものである。従って、ハードマスクを除外した構成の採用が可能となり、微細化を大幅に向上させることができるという顕著な効果、及び、工程を簡単化してスループットを大幅に向上させることができるという顕著な効果を得ることができる。
また、本発明によれば、フィン型半導体領域の上部に抵抗領域を形成しておくことにより、フィン型半導体領域の上部コーナーの電気的特性を安定化させることができる。このため、フィン型半導体領域の上部コーナーの削れ量が大きくなっても、言い換えると、鞍馬形状のゲート絶縁膜の内壁コーナーと、ゲート絶縁膜外側(つまりゲート電極外側)のフィン型半導体領域の上部コーナーとの間に意図しない隙間が生じたとしても、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
尚、対象物の抵抗率(比抵抗)をRr、シート抵抗をRs、厚さ(接合深さ)をt、拡がり抵抗をRwとすると、Rs=Rr/tである。また、拡がり抵抗測定において広く知られている関係式Rw=CF×k×Rr/(2×3.14×r)に表されているように、抵抗率(比抵抗)Rrと拡がり抵抗Rwとは基本的には1対1の関係にあるので、Rs∝Rw/tと表せる。前記関係式において、CFは拡がり抵抗Rwの体積効果を考慮した補正項(補正無しの場合にはCF=1)であり、kは探針と試料との間のショットキー障壁における極性依存性を考慮した補正項(例えば試料がp型シリコンの場合にはk=1、試料がn型シリコンの場合にはk=1〜3)であり、rは探針先端の曲率半径である。以下の説明においては、主として「抵抗率(比抵抗)」を用いて説明を行うが、抵抗の大小関係については「抵抗率(比抵抗)」を「シート抵抗」又は「拡がり抵抗」と読み替えてもよい。
具体的には、本発明に係る半導体装置は、基板上に形成され且つその両側部にエクステンション領域を有するフィン型半導体領域と、前記フィン型半導体領域を跨ぐと共に前記エクステンション領域と隣り合うように形成されたゲート電極と、前記ゲート電極と隣り合う領域の前記フィン型半導体領域の上部に形成された抵抗領域とを備え、前記抵抗領域は、前記エクステンション領域よりも高い抵抗率を有する。
本発明に係る半導体装置において、前記ゲート電極と前記フィン型半導体領域との間に介在するように前記フィン型半導体領域上に形成されたゲート絶縁膜をさらに備えていてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記ゲート電極の側面を覆うように形成された絶縁性サイドウォールスペーサをさらに備え、前記抵抗領域は前記絶縁性サイドウォールスペーサの下に位置していてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記抵抗領域は、前記ゲート電極の下に位置する部分を除く前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に形成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置において、オン状態で電流が流れるチャネルは、前記ゲート電極に覆われた前記フィン型半導体領域の前記両側部に形成されてもよい。ここで、前記抵抗領域は、前記オン状態で前記フィン型半導体領域の前記上部に流れる電流を制限するように設けられていてもよい。また、前記オン状態で前記抵抗領域よりも大きい電流が前記チャネルに流れてもよい。
本発明に係る半導体装置において、動作時に前記フィン型半導体領域の前記上部はチャネルとして機能しなくてもよい。
本発明に係る半導体装置において、オン状態で流れる電流は、前記ゲート電極に覆われた前記フィン型半導体領域の前記両側部を実質的に均一に流れてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記抵抗領域がアモルファス領域を有すると、フィン型半導体領域側部のエクステンション領域よりも高い抵抗率を有する抵抗領域をフィン型半導体領域の上部に確実に形成することができる。ここで、前記アモルファス領域が結晶化阻害元素、例えばゲルマニウム、アルゴン、フッ素又は窒素等を含むと、アモルファス領域を有する抵抗領域を確実に形成することができる。尚、結晶化阻害元素として、前記エクステンション領域の反対導電型の不純物、例えば砒素等が導入されていてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記抵抗領域に、前記エクステンション領域の反対導電型の不純物が導入されていると、フィン型半導体領域側部のエクステンション領域よりも高い抵抗率を有する抵抗領域をフィン型半導体領域の上部に確実に形成することができる。
本発明に係る半導体装置において、前記フィン型半導体領域は、前記基板上に形成された絶縁層上に形成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記ゲート電極の両側面、前記エクステンション領域及び前記抵抗領域を覆うように絶縁性サイドウォールスペーサが形成されており、前記ゲート電極から見て前記絶縁性サイドウォールスペーサの外側の領域の前記フィン型半導体領域における少なくとも両側部に、ソース・ドレイン領域が形成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置において、前記フィン型半導体領域の側面の高さが、前記フィン型半導体領域の上面におけるゲート幅方向の幅と比べて大きいと、従来技術と比較して、前述の本発明の効果が顕著に発揮される。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、基板上にフィン型半導体領域を形成する工程(a)と、前記フィン型半導体領域を跨ぐようにゲート電極を形成する工程(b)と、前記フィン型半導体領域の上部及び両側部に不純物を導入し、それにより、前記フィン型半導体領域の上部に第1の不純物領域を形成すると共に前記フィン型半導体領域の両側部に第2の不純物領域を形成する工程(c)と、前記第1の不純物領域及び前記第2の不純物領域に導入した前記不純物を電気的に活性化する工程(d)とを備え、前記工程(c)及び前記工程(d)の少なくとも一方のプロセス条件を、前記第1の不純物領域が少なくとも部分的にアモルファス状態となるように選択する。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法によると、前述の本発明に係る半導体装置を確実に製造することができるので、前述の本発明の効果を得ることができる。特に、フィン型ダブルゲートFETでは、チャネルはフィン型半導体領域の側部にのみ有効に形成されるので、本発明のように、フィン型半導体領域の側部にエクステンション領域として形成される不純物領域の抵抗率を、フィン型半導体領域の上部に形成される不純物領域の抵抗率よりも可能な限り小さくすることが非常に重要である。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法において、前記不純物の導入時に前記ゲート電極をマスクとして用いてもよい。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法において、熱処理を用いて前記不純物を電気的に活性化してもよい。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法において、部分的にアモルファス状態にある前記第1の不純物領域の抵抗率は、前記第2の不純物領域の抵抗率よりも高くてもよい。
具体的には、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)はプラズマドーピングを用いると共に、前記フィン型半導体領域の上部に形成される第1のアモルファス領域の厚さが前記フィン型半導体領域の両側部に形成される第2のアモルファス領域の厚さよりも大きくなるようにプラズマドーピング時のバイアス電圧を設定してもよい。尚、プラズマドーピング時の圧力の下限については、スループットや装置限界等の支障がない範囲において低く設定することができるが、例えば現行のプラズマ装置の性能等を考慮した場合には当該下限は0.1Pa程度であり、将来的に予定されているプラズマ装置の性能を考慮した場合には当該下限は0.01Pa程度である。
また、この場合、前記工程(d)では、前記第2のアモルファス領域が結晶回復し且つ前記第1のアモルファス領域の少なくとも一部分がアモルファス化状態を維持するように熱処理温度を選択してもよい。尚、具体的な熱処理方法として、spike RTA(Rapid Thermal Annealing )やミリセカンドアニールを用いる場合には、熱処理時間の調整の余地はほとんどないので、熱処理温度の設定によって実質的にサーマルバジェットが決まる。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法において、前記工程(b)と前記工程(c)との間、又は前記工程(c)と前記工程(d)との間に、前記フィン型半導体領域の上部に結晶化阻害元素、例えばゲルマニウム、アルゴン、フッ素又は窒素等を導入する工程をさらに備えていてもよい。このようにすると、フィン型半導体領域上部の第1の不純物領域の少なくとも一部分を確実にアモルファス化することができる。尚、結晶化阻害元素として、前記エクステンション領域の反対導電型の不純物、例えば砒素等を導入してもよい。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、基板上にフィン型半導体領域を形成する工程(a)と、前記フィン型半導体領域を跨ぐようにゲート電極を形成する工程(b)と、前記フィン型半導体領域の上部及び両側部に第1導電型の不純物を導入し、それにより、前記フィン型半導体領域の上部に第1の不純物領域を形成すると共に前記フィン型半導体領域の両側部に第2の不純物領域を形成する工程(c)と、前記第1の不純物領域及び前記第2の不純物領域に導入した前記第1導電型の不純物を電気的に活性化する工程(d)とを備え、前記工程(b)よりも後に、前記フィン型半導体領域の上部に、前記第1導電型の不純物とは反対導電型の第2導電型の不純物を導入する工程をさらに備えている。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法によると、前述の本発明に係る半導体装置を確実に製造することができるので、前述の本発明の効果を得ることができる。特に、フィン型ダブルゲートFETでは、チャネルはフィン型半導体領域の側部にのみ有効に形成されるので、本発明のように、フィン型半導体領域の側部にエクステンション領域として形成される不純物領域の抵抗率を、フィン型半導体領域の上部に形成される不純物領域の抵抗率よりも可能な限り小さくすることが非常に重要である。尚、本発明に係る第2の半導体装置の製造方法において、前記フィン型半導体領域の上部に前記第2導電型の不純物を導入する工程を、前記第1導電型の不純物を熱処理により電気的に活性化する工程(d)よりも後に行ってもよい。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法において、前記第1導電型の不純物の導入時及び前記第2導電型の不純物の導入時に前記ゲート電極をマスクとして用いてもよい。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法において、熱処理を用いて前記第1導電型の不純物を電気的に活性化してもよい。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置の製造方法において、前記基板上に絶縁層を形成する工程をさらに備え、前記絶縁層上に前記フィン型半導体領域が形成されてもよい。
本発明に係る第1又は第2の半導体装置の製造方法において、前記フィン型半導体領域の側面は、前記フィン型半導体領域の上面に対して垂直であってもよい。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、基板上にフィン型半導体領域を形成する工程と、前記フィン型半導体領域を跨ぐようにゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極と隣り合う領域の前記フィン型半導体領域の両側部にエクステンション領域を形成する工程と、前記ゲート電極と隣り合う領域の前記フィン型半導体領域の上部に、前記エクステンション領域よりも高い抵抗率を有する抵抗領域を形成する工程とを備えている。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法において、前記フィン型半導体領域上にゲート絶縁膜を、前記ゲート電極と前記フィン型半導体領域との間に介在するように形成する工程をさらに備えていてもよい。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極の側面を覆うように絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程をさらに備え、前記抵抗領域は前記絶縁性サイドウォールスペーサの下に位置していてもよい。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法において、前記抵抗領域は、前記ゲート電極の下に位置する部分を除く前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されてもよい。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法において、前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に形成されてもよい。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法において、前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されてもよい。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法において、前記抵抗領域はアモルファス領域を有していてもよい。ここで、前記アモルファス領域は結晶化阻害元素、例えばゲルマニウム、アルゴン、フッ素又は窒素等を含んでいてもよい。
本発明によると、エクステンション領域となるフィン型半導体領域側部の抵抗率をフィン型半導体領域上部の抵抗率よりも小さくした半導体装置、言い換えると、フィン型半導体領域側部に低抵抗のエクステンション領域を備えた半導体装置を得ることができるので、フィン型ダブルゲートFET等の3次元デバイスにおける特性劣化を防止することができる。
図1(a)〜(e)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置、具体的には、フィン型FETを有する半導体装置の構造を示す図であり、図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A線の断面図であり、図1(c)は図1(a)におけるB−B線の断面図であり、図1(d)は図1(a)におけるC−C線の断面図であり、図1(e)は図1(a)におけるD−D線の断面図である。 図2(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるエクステンション注入前、エクステンション注入直後、及び不純物活性化熱処理後(デバイス完成状態)のそれぞれの時点でのエクステンション形成領域の断面構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置のフィン型半導体領域側面をフィン型半導体領域上面と同じ平面(仮想平面)に展開して、ゲートON時に流れる電流を模式的に示す図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法のエクステンション注入によりフィン型半導体領域に不純物を注入した直後のTEM写真である。 図6(a)は、フィン型半導体領域上部に相当する平坦な半導体基板表面部に対してプラズマドーピングを行った直後のTEM写真であり、図6(b)は、前記のプラズマドーピングの実施後に925℃でスパイクRTAによる熱処理を実施した後のTEM写真であり、図6(c)は、前記のプラズマドーピングの実施後に1000℃でスパイクRTAによる熱処理を実施した後のTEM写真である。 図7は、B2 6 とHeとの混合ガスを用いたプラズマドーピングを60秒間実施したときのバイアス電圧とアモルファス領域の厚さとの関係を示す図である。 図8は、spike RTA温度と、アモルファスシリコンが結晶シリコンに回復する厚さとの関係を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって得られる半導体デバイスの具体的構造の一例を模式的に示す斜視図である。 図10は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法によって得られる半導体デバイスの具体的構造の他例を模式的に示す斜視図である。 図11(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図12(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図13(a)〜(e)は、従来のフィン型トリプルゲートFETの構造を示す図であり、図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)におけるA−A線の断面図であり、図13(c)は図13(a)におけるB−B線の断面図であり、図13(d)は図13(a)におけるC−C線の断面図であり、図13(e)は図13(a)におけるD−D線の断面図である。 図14は、従来のフィン型ダブルゲートFETの断面図である。 図15(a)は、イオン注入法を用いてエクステンション注入を行っている様子を示した断面図であり、図15(b)は、プラズマドーピング法を用いてエクステンション注入を行っている様子を示した断面図である。 図16(a)及び(b)は、従来のフィン型ダブルゲートFETのエクステンション注入にプラズマドーピング法を用いた場合の問題点を説明するための図である。 図17は、図16(b)に示す問題が生じたフィン型半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成した様子を表す斜視図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(e)は、本実施形態に係る半導体装置、具体的には、フィン型FETを有する半導体装置の構造を示す図であり、図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A線の断面図であり、図1(c)は図1(a)におけるB−B線の断面図であり、図1(d)は図1(a)におけるC−C線の断面図であり、図1(e)は図1(a)におけるD−D線の断面図である。
本実施形態のフィン型FETは、図1(a)〜(e)に示すように、例えばシリコンからなる支持基板11と、支持基板11上に形成された例えば酸化シリコンからなる絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたフィン型半導体領域13a〜13dと、フィン型半導体領域13a〜13d上に例えばシリコン酸窒化膜からなるゲート絶縁膜14a〜14dを介して形成されたゲート電極15と、ゲート電極15の側面上に形成された絶縁性サイドウォールスペーサ16と、フィン型半導体領域13a〜13dにおけるゲート電極15を挟む両側方領域に形成されたエクステンション領域17と、フィン型半導体領域13a〜13dにおけるゲート電極15及び絶縁性サイドウォールスペーサ16を挟む両側方領域に形成されたソース・ドレイン領域27とを有している。ゲート電極15は、ゲート幅方向にフィン型半導体領域13a〜13dを跨ぐように形成されている。ポケット領域の説明及び図示については省略している。
本実施形態において、各フィン型半導体領域13a〜13dは、ゲート幅方向の幅aが例えば22nm程度であり、ゲート長方向の幅bが例えば350nm程度であり、高さ(厚さ)cが例えば65nm程度であり、絶縁層12上においてゲート幅方向にピッチd(例えば44nm程度)で並ぶように配置されている。フィン型半導体領域13a〜13dの上面と側面とは互いに垂直であってもよいし、垂直でなくてもよい。
本実施形態の特徴として、エクステンション領域17は、絶縁性サイドウォールスペーサ16により覆われている領域(つまりゲート電極15と隣り合う領域)のフィン型半導体領域13a〜13dの側部のみに形成されている一方、絶縁性サイドウォールスペーサ16により覆われている領域のフィン型半導体領域13a〜13dの上部には、エクステンション領域17よりも高い抵抗率を有する抵抗領域37が形成されている。本実施形態では、抵抗領域37は、少なくとも一部分がアモルファス化された不純物領域である。すなわち、本実施形態の半導体装置は、フィン型ダブルゲートFETを備えた半導体装置である。
尚、本実施形態において、ソース・ドレイン領域27は、ゲート電極15から見て絶縁性サイドウォールスペーサ16の外側のフィン型半導体領域13a〜13dにおける上部及び側部にそれぞれ形成された不純物領域27a及び27bから構成されている。しかし、エクステンション領域17と同様に、フィン型半導体領域13a〜13dの上部に抵抗領域を設けることにより、フィン型半導体領域13a〜13dの側部のみにソース・ドレイン領域27を設けてもよい。
以上に説明した本実施形態によると、エクステンション領域17を流れる電流はフィン型半導体領域13a〜13dの両側部のみを流れるので、言い換えると、当該電流がフィン型半導体領域13a〜13dの上部を流れることがないので、ゲート電極15により覆われたチャネル形成領域のフィン型半導体領域13a〜13dにおいても、その側部に電流を均一に流してやることができる。すなわち、オン時に流れる電流が、チャネルとなるフィン型半導体領域13a〜13dの側部において均一に流れるので、フィン型ダブルゲートFETにおいて所望のトランジスタ特性を得ることができる。特に、フィン型半導体領域13a〜13dの側面の高さが、フィン型半導体領域13a〜13dの上面におけるゲート幅方向の幅と比べて大きくなるに従って、従来技術と比較して、前述の本実施形態の効果が顕著に発揮される。
また、前述の本実施形態の効果は、従来のフィン型ダブルゲートFETのようにフィン型半導体領域の上面とゲート電極との間にハードマスクを設けた構成を採用することなく得られるものである。従って、ハードマスクを除外した構成の採用が可能となり、微細化を大幅に向上させることができるという顕著な効果、及び、工程を簡単化してスループットを大幅に向上させることができるという顕著な効果を得ることができる。
さらに、本実施形態によると、フィン型半導体領域13a〜13dの上部に抵抗領域37を形成しておくことにより、フィン型半導体領域13a〜13dの上部コーナーの電気的特性を安定化させることができる。このため、フィン型半導体領域13a〜13dの上部コーナーの削れ量が大きくなっても、言い換えると、鞍馬形状のゲート絶縁膜14a〜14dの内壁コーナーと、ゲート絶縁膜14a〜14dの外側(つまりゲート電極15の外側)のフィン型半導体領域13a〜13dの上部コーナーとの間に意図しない隙間が生じたとしても、トランジスタ特性の劣化を防止することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図2(a)〜(d)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。尚、図2(a)〜(d)は、図1(a)におけるD−D線の断面構成と対応している。
まず、図2(a)に示すように、例えばシリコンからなる厚さ775μmの支持基板11上に例えば酸化シリコンからなる厚さ150nmの絶縁層12を介して例えばシリコンからなる厚さ65nmの半導体層が設けられたSOI(Semiconductor On Insulator)基板を準備する。その後、当該半導体層をパターニングして、活性領域となるn型のフィン型半導体領域13bを形成する。ここで、フィン型半導体領域13bは、ゲート幅方向の幅aが例えば22nm程度であり、ゲート長方向の幅bが例えば350nm程度であり、高さ(厚さ)cが例えば65nm程度であり、隣接する他のフィン型半導体領域とピッチd(例えば44nm程度)で並ぶように配置される。また、本実施形態では、フィン型半導体領域13bを、側面が上面に対して垂直になるようにパターニングする。
次に、図2(b)に示すように、フィン型半導体領域13bの上面及び側面を覆うように例えばハフニウム酸化物からなる厚さ2nmのゲート絶縁膜14を形成した後、支持基板11上の全面に亘って例えば厚さ20nmのポリシリコン膜15Aを形成する。
次に、図2(c)に示すように、ポリシリコン膜15A上に、例えばダブルパターニング技術を用いてゲート電極形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとして、ポリシリコン膜15Aをエッチングして、フィン型半導体領域13b上にゲート電極15を形成し、その後、前記レジストパターンを除去する。このとき、ゲート絶縁膜14もエッチングされて、ゲート電極15の下側にゲート絶縁膜14bが残存する。尚、フィン型半導体領域13bの上面上において、ゲート電極15のゲート長方向の長さは例えば38nm程度である。また、ゲート電極15は、ゲート幅方向においてはフィン型半導体領域13bを跨ぐように形成されている(図1(b)参照)。
その後、ゲート電極15をマスクとして、p型の不純物(例えばボロン)をプラズマドーピング法によってフィン型半導体領域13bの上部及び側部に導入する。このとき、フィン型半導体領域13bの上部に形成されるアモルファス領域の厚さがフィン型半導体領域13bの両側部に形成されるアモルファス領域の厚さよりも大きくなるように、プラズマドーピング条件、例えばバイアス電圧の設定を行う。これにより、図2(c)に示すように、フィン型半導体領域13bの両側部には、エクステンション領域17となるp型不純物領域が形成される一方、フィン型半導体領域13bの上部には、エクステンション領域17よりも高い抵抗率を有する抵抗領域37が形成される。
尚、本実施形態では、エクステンション領域17を形成するためのプラズマドーピング時の圧力を0.6Pa以下に設定することにより、フィン型半導体領域13bの側部の注入ドーズ量を、フィン型半導体領域13bの上部の注入ドーズ量の80%以上にすることができる。具体的なプラズマドーピング条件は、例えば、原料ガスがHe(ヘリウム)で希釈したB2 6 (ジボラン)であり、原料ガス中でのB2 6 濃度が0.5質量%であり、原料ガスの総流量が100cm3 /分(標準状態)であり、チャンバー内圧力が0.35Paであり、ソースパワー(プラズマ生成用高周波電力)が500Wであり、バイアス電圧(Vpp)が430Vであり、プラズマドーピング時間が60秒である。
次に、図示は省略しているが、ゲート電極15をマスクとして、フィン型半導体領域13bに不純物をイオン注入して、n型ポケット領域を形成する。
次に、図2(d)に示すように、支持基板11上の全面に亘って例えば厚さ25nmの絶縁膜を形成した後、異方性ドライエッチングを用いて当該絶縁膜をエッチバックすることにより、ゲート電極15の側面上に絶縁性サイドウォールスペーサ16を形成する。
その後、ゲート電極15及び絶縁性サイドウォールスペーサ16をマスクとして、p型不純物(例えばボロン)をプラズマドーピング法によってフィン型半導体領域13bの上部及び側部に導入する。これにより、図2(d)に示すように、絶縁性サイドウォールスペーサ16の外側のフィン型半導体領域13bの上部に、ソース・ドレイン領域27の一部となるp型不純物領域27aが形成されると共に、絶縁性サイドウォールスペーサ16の外側のフィン型半導体領域13bの側部に、ソース・ドレイン領域27の一部となるとなるp型不純物領域27bが形成される。
尚、本実施形態では、ソース・ドレイン領域27を形成するためのプラズマドーピング時の圧力を0.6Pa以下に設定する(ドーピング時間は例えば60秒間)ことにより、フィン型半導体領域13bの側部の注入ドーズ量を、フィン型半導体領域13bの上部の注入ドーズ量の80%以上にすることができる。
続いて、エクステンション領域17及びソース・ドレイン領域27に導入した不純物を熱処理により電気的に活性化するために、例えばスパイクRTA法を1000℃程度の温度で実施する。このとき、フィン型半導体領域13bの側部(つまりエクステンション領域17)のアモルファス領域が結晶回復し且つフィン型半導体領域13bの上部(つまり抵抗領域37)のアモルファス領域の少なくとも一部分がアモルファス化状態を維持するように、熱処理温度及び熱処理時間を設定する。これにより、完成状態の半導体装置において、エクステンション領域17の抵抗率を抵抗領域37の抵抗率よりも低くすることができ、所望のトランジスタ特性を得ることができる。尚、具体的な熱処理方法として、spike RTAやミリセカンドアニールを用いる場合には、熱処理時間の調整の余地はほとんどないので、熱処理温度の設定によって実質的にサーマルバジェットが決まる。
すなわち、本実施形態の製造方法の特徴は、
(1)フィン型半導体領域13bの側部に形成されたエクステンション領域17の注入ドーズ量が、フィン型半導体領域13bの上部に形成された抵抗領域37の注入ドーズ量と比べて80%以上に設定されていること
(2)エクステンション注入直後において、フィン型半導体領域13bの上部に形成された抵抗領域37のアモルファス領域の厚さが、フィン型半導体領域13bの側部に形成されたエクステンション領域17のアモルファス領域の厚さよりも厚いこと(図3(b)参照)
(3)不純物活性化熱処理後において、フィン型半導体領域13bの側部に形成されたエクステンション領域17のアモルファス領域は結晶回復している一方、フィン型半導体領域13bの上部に形成された抵抗領域37のアモルファス領域の一部分(表面部)はアモルファス化状態のままであること(図3(c)参照)
である。ここで、図3(a)〜(c)は、エクステンション注入前、エクステンション注入直後、及び不純物活性化熱処理後(デバイス完成状態)のそれぞれの時点でのエクステンション形成領域の断面構成を示している。尚、図3(a)〜(c)において、a−Siはアモルファス領域を、c−Siは結晶領域を表している。また、図3(a)〜(c)において、図1(a)〜(e)に示す半導体装置と同一の構成要素には、同一の符号を付している。
以上に説明した本実施形態の特徴により、フィン型半導体領域側部のエクステンション領域の抵抗率を、フィン型半導体領域上部の抵抗率よりも小さく設定することができるので、フィン型半導体領域側部のみをチャネルとするフィン型ダブルゲートFETにおいても、所望のトランジスタ特性を得ることができる。具体的には、本実施形態のようなエクステンション構造を有するフィン型ダブルゲートFETを動作させた場合、ゲートON時に流れる電流は、フィン型半導体領域13上部の抵抗領域37と比べて抵抗率が低いフィン型半導体領域13側部のエクステンション領域17を主として流れる。このため、フィン型半導体領域13側部のエクステンション領域17を流れてきた電流は、チャネルでもフィン型半導体領域13側部を流れることとなり、スムーズに電流が流れる。この結果、フィン型半導体領域13側部のうちの比較的上側の部分に形成されたチャネルを流れる電流と、フィン型半導体領域13側部のうちの比較的下側の部分に形成されたチャネルを流れる電流とは同程度の大きさとなる。これにより、所望のトランジスタ特性を得ることができる。
図4は、本実施形態の半導体装置のフィン型半導体領域側面をフィン型半導体領域上面と同じ平面(仮想平面)に展開して、ゲートON時に流れる電流(図中矢印)を模式的に示している。図4に示すように、本実施形態の半導体装置においては、ゲートON時であっても、フィン型半導体領域13上部の抵抗領域37の存在によって、フィン型半導体領域13上部がチャネルとして機能することはない。尚、図4において、図1(a)〜(e)に示す半導体装置と同一の構成要素には、同一の符号を付している。
尚、本実施形態において、フィン型半導体領域13側部に形成されたエクステンション領域17の注入ドーズ量が、フィン型半導体領域13上部に形成された抵抗領域37の注入ドーズ量の80%(より好ましくは90%)程度以上であれば、従来技術と比べてトランジスタ特性を顕著に改善することができる。その理由は次の通りである。すなわち、本実施形態においては、フィン型半導体領域13上部に形成されたアモルファス領域の少なくとも一部分を、不純物活性化熱処理後にもアモルファス化状態のまま残留させることによって、フィン型半導体領域13上部(つまり抵抗領域37)の抵抗率を増大させている。ここで、注入ドーズ量自体を可能な限りフィン型半導体領域13の上部と側部とで同等にした方が、より望ましくは、フィン型半導体領域13の側部の注入ドーズ量をフィン型半導体領域13の上部の注入ドーズ量よりも大きくした方が、熱処理後にアモルファス領域を残留させることにより増大させなければならないフィン型半導体領域13上部の抵抗の割合を小さくすることができる。これにより、従来技術と比べてトランジスタ特性を顕著に且つ容易に改善することが可能となる。
また、本実施形態において、ゲート電極15から見て絶縁性サイドウォールスペーサ16の外側のフィン型半導体領域13における上部及び側部にソース・ドレイン領域27(不純物領域27a及び27b)を形成した。しかし、これに代えて、エクステンション領域17と同様に、フィン型半導体領域13の上部に抵抗領域を設けることにより、フィン型半導体領域13の側部のみにソース・ドレイン領域27を設けてもよい。この場合も、フィン型半導体領域13の側部にソース・ドレイン領域27として形成される不純物領域の注入ドーズ量が、フィン型半導体領域13の上部に抵抗領域として形成される不純物領域の注入ドーズ量の80%(より好ましくは90%)程度以上であれば、前述のように、従来技術と比べてトランジスタ特性を顕著に且つ容易に改善することができる。
また、本実施形態において、エクステンション領域17及びソース・ドレイン領域27の形成にプラズマドーピング法を用いたが、これに代えて、イオン注入法を用いてもよい。イオン注入法を用いた場合、フィン型半導体領域上部の注入ドーズ量と比べて、フィン型半導体領域側部の注入ドーズ量を小さくすることは容易ではないが、イオン注入条件の調節により、フィン型半導体領域上部に形成されるアモルファス領域の厚さをフィン型半導体領域側部に形成されるアモルファス領域の厚さよりも大きくすることにより、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態において、フィン型半導体領域13側部にエクステンション領域17を形成すると共にフィン型半導体領域13上部に、エクステンション領域17よりも高い抵抗率を有する抵抗領域37を形成するために、エクステンション注入条件及び不純物活性化熱処理条件の両方を調節したが、これに代えて、エクステンション注入条件及び不純物活性化熱処理条件のいずれか一方のみを調節してもよい。
また、本実施形態において、従来のフィン型ダブルゲートFETのようにフィン型半導体領域の上面とゲート電極との間にハードマスクを設けた構成を採用しなかったが、これに代えて、フィン型半導体領域13の上面とゲート電極15(正確にはゲート絶縁膜14)との間にハードマスクを設けてもよい。
[フィン型半導体領域におけるアモルファス領域の形成と結晶回復]
以下、本実施形態のエクステンション注入によるフィン型半導体領域におけるアモルファス領域の形成と、その後の熱処理による結晶回復とについて説明する。
図5は、本実施形態のエクステンション注入(具体的にはプラズマドーピング)によりフィン型半導体領域(図中フィンSi)に不純物を注入した直後のTEM(透過型電子顕微鏡)写真である。図5に示すように、フィン型半導体領域上部のアモルファス領域(図中a−Si)の厚さは、フィン型半導体領域側部のアモルファス領域の厚さと比べて大きい。ここで、アモルファス領域の厚さは、半導体領域(シリコン領域)中へのイオンの侵入深さ、つまり注入エネルギー(プラズマドーピング条件のパラメータで言えばバイアス電圧)によって決まる。また、イオンは基板主面に対して垂直に近い角度で入射するので、フィン型半導体領域上面には大きい角度(基本的に90度±5度程度)で入射し、フィン型半導体領域側面には極めて小さい角度(5度程度以下)で入射する。フィン型半導体領域の上面及び側面のそれぞれに入射するイオンの注入エネルギーが同じであるとすると、フィン型半導体領域上面にはイオンが大きい角度で入射するので、当該入射イオンはフィン型半導体領域上部の深い位置まで侵入してシリコン結晶にダメージを与える結果、厚いアモルファス領域が形成される。これに対して、フィン型半導体領域側面にはイオンが極めて小さい角度で入射するため、当該入射イオンはフィン型半導体領域側部の浅い位置までしか侵入できず、当該浅い位置のシリコン結晶にしかダメージを与えることができないので、極めて薄いアモルファス領域しか形成されない。さらに、フィン型半導体領域上部のアモルファス領域の厚さは注入エネルギーを高く設定するに従って大きくなるが、フィン型半導体領域側部のアモルファス領域の厚さは注入エネルギーを高くしても、フィン型半導体領域上部のアモルファス領域の厚さと比べて僅かしか増えない。尚、厳密には、フィン型半導体領域側部における入射イオンの侵入距離は注入エネルギーの増大に伴って大きくなると考えられるが、前述の極めて小さいイオン入射角度の影響により、フィン型半導体領域側部におけるアモルファス領域の厚さに対する注入エネルギーの影響については実質的に無視することができる。
次に、前述のようにプラズマドーピングによりフィン型半導体領域上部には厚く、フィン型半導体領域側部には薄く形成されたアモルファス領域に対して熱処理により結晶回復を行う工程について説明する。
図6(a)は、フィン型半導体領域上部に相当する平坦な半導体基板表面部に対してプラズマドーピングを行った直後のTEM写真である。図6(b)は、前記のプラズマドーピングの実施後に925℃でスパイクRTAによる熱処理を実施した後のTEM写真である。一方、図6(c)は、前記のプラズマドーピングの実施後に1000℃でスパイクRTAによる熱処理を実施した後のTEM写真である。尚、図6(a)〜(c)において、a−Siはアモルファス領域を、c−Siは結晶領域を表している。
図6(a)〜(c)に示すように、本実施形態のようにプラズマドーピングにより形成したアモルファス領域に対して熱処理を行うと、基板内部から表面に向かって結晶回復が生じる。このことから、プラズマドーピング条件及びアニール条件の調整により、半導体領域の深い部分のアモルファス領域を結晶回復させ、且つ半導体領域の表面部のアモルファス領域をそのまま残すことが可能であることが分かる。
以上に説明したように、図5及び図6(a)〜(c)にそれぞれ示した2つの特徴、
(1)プラズマドーピングによる不純物注入の直後においては、フィン型半導体領域上部のアモルファス領域を深く、且つフィン型半導体領域側部のアモルファス領域を薄く形成することができること、及び
(2)不純物活性化熱処理においては、半導体領域内部から表面に向けて結晶回復させることができること
を組み合わせることによって、言い換えると、プラズマドーピング条件及びアニール条件の調整により、熱処理後においてフィン型半導体領域側部のアモルファス領域が結晶回復しており且つフィン型半導体領域上部のアモルファス領域の少なくとも表面部がアモルファス化状態を維持した構造を得ることが可能となる。これにより、フィン型半導体領域側部の抵抗率を小さくし且つフィン型半導体領域上部の抵抗率を増大させることができるので、フィン型半導体領域上部の抵抗率と比べてフィン型半導体領域側部の抵抗率が小さい本発明のフィン型ダブルゲートFETを実現することが可能となる。
[本発明の効果を奏するためのプラズマドーピング条件及びアニール条件]
以下、本実施形態において本発明の効果を得るための具体的なプラズマドーピング条件及びアニール条件について説明する。
図7は、B2 6 とHeとの混合ガスを用いたプラズマドーピングを60秒間実施したときのバイアス電圧(Vpp)とアモルファス領域(a−Si)の厚さとの関係を示している。図7に示すように、Vppを50Vに設定した場合には、半導体領域(シリコン領域)の最表面から4nm程度の深さまでの範囲がアモルファスシリコンに変質する。すなわち、フィン型半導体領域上部に厚さ4nm程度のアモルファス領域が形成される。また、Vppを175Vに設定した場合には、フィン型半導体領域上部に厚さ9nm程度のアモルファス領域が形成され、Vppを250Vに設定した場合には、フィン型半導体領域上部に厚さ12nm程度のアモルファス領域が形成される。このとき、図示はしていないが、フィン型半導体領域側部には非常に薄いアモルファス領域しか形成されない。具体的には、プラズマドーピング条件によって若干変わるものの、厚さ2.5nm程度以下のアモルファス領域しか形成されない。これは、プラズマ中のイオンの基板主面に対する入射角(基板主面の法線方向に対する傾き角)がゼロに近い(但しゼロではない5°程度未満の極めて小さい角度)ことに起因している。すなわち、フィン型半導体領域の上面におけるイオンの入射角は極めて小さく(前述のように5°程度未満)、その一方、フィン型半導体領域の側面は上面に対して90°回転しているので、フィン型半導体領域の側面におけるイオンの入射角は極めて大きくなる。その結果、フィン型半導体領域の上部には深い位置までイオンが注入されるのに対して、フィン型半導体領域の側部にはイオンが斜めに入射してしまうので、浅い位置までしかイオンが注入されない。これにより、フィン型半導体領域の上部には、Vppの大きさに応じた厚さを持つアモルファス領域が形成されるのに対して、フィン型半導体領域の側部には、Vppの大きさにほとんど依存しない薄いアモルファス領域しか形成されない。本実施形態ではこの現象を利用する。
図8は、spike RTA温度と、アモルファスシリコンが結晶シリコンに回復する厚さ(a−Si回復量)との関係を示している。図8に示すように、900℃でspike RTAを実施した場合、結晶シリコンとアモルファスシリコンとの界面からシリコン領域表面側に向かって厚さ2.7nm程度しかアモルファスシリコンが結晶シリコンに回復していない。それに対して、925℃でspike RTAを実施した場合のa−Si回復量は8.3nm程度であり、975℃でspike RTAを実施した場合のa−Si回復量は10.8nm程度である。
図7及び図8に示す特性に基づいて、本願発明者らが導出した、本発明の効果を奏するためのプラズマドーピング時のVpp及びspike RTAの温度に関する条件例は以下の通りである。
−条件例1−
Vppを50V以上に設定してボロンのプラズマドーピングを実施し、900℃以下でspike RTAによる熱処理を行ってボロンを電気的に活性化させた場合、プラズマドーピング直後にはフィン型半導体領域の上部に厚さ4nm程度以上のアモルファス領域が形成され、フィン型半導体領域の側部には厚さ2.5nm程度以下のアモルファス領域が形成される。そして、熱処理によって厚さ2.7nm程度以下のアモルファス領域が結晶シリコンに回復するので、フィン型半導体領域の側部のアモルファス領域はほぼ完全に結晶シリコンに回復する一方、フィン型半導体領域の上部では最表面から1.3nm程度以上の深さまでアモルファス領域が残留する。これは、フィン型半導体領域の側部の電気抵抗が低くなり、フィン型半導体領域の上部の電気抵抗が高くなることを意味する。このように、プラズマドーピング時のVppを50V以上に設定し、900℃以下でspike RTAによる熱処理を行うことによって、本発明のフィン型ダブルゲートFETに適した抵抗分布を実現することが可能となる。
−条件例2−
Vppを175V以上に設定してボロンのプラズマドーピングを実施し、925℃以下でspike RTAによる熱処理を行ってボロンを電気的に活性化させた場合、プラズマドーピング直後にはフィン型半導体領域の上部に厚さ9nm程度以上のアモルファス領域が形成され、フィン型半導体領域の側部には厚さ2.5nm程度以下のアモルファス領域が形成される。そして、熱処理によって厚さ8.3nm程度以下のアモルファス領域が結晶シリコンに回復するので、フィン型半導体領域の側部のアモルファス領域はほぼ完全に結晶シリコンに回復する一方、フィン型半導体領域の上部では最表面から0.7nm程度以上の深さまでアモルファス領域が残留する。これは、フィン型半導体領域の側部の電気抵抗が低くなり、フィン型半導体領域の上部の電気抵抗が高くなることを意味する。このように、プラズマドーピング時のVppを175V以上に設定し、925℃以下でspike RTAによる熱処理を行うことによって、本発明のフィン型ダブルゲートFETに適した抵抗分布を実現することが可能となる。
−条件例3(より望ましい条件例)−
Vppを250V以上に設定してボロンのプラズマドーピングを実施し、975℃以下でspike RTAによる熱処理を行ってボロンを電気的に活性化させた場合、プラズマドーピング直後にはフィン型半導体領域の上部に厚さ12nm程度以上のアモルファス領域が形成され、フィン型半導体領域の側部には厚さ2.5nm程度以下のアモルファス領域が形成される。そして、熱処理によって厚さ10.8nm程度以下のアモルファス領域が結晶シリコンに回復するので、フィン型半導体領域の側部のアモルファス領域はほぼ完全に結晶シリコンに回復する一方、フィン型半導体領域の上部では最表面から1.2nm程度以上の深さまでアモルファス領域が残留する。これは、フィン型半導体領域の側部の電気抵抗が低くなり、フィン型半導体領域の上部の電気抵抗が高くなることを意味する。このように、プラズマドーピング時のVppを250V以上に設定し、975℃以下でspike RTAによる熱処理を行うことによって、本発明のフィン型ダブルゲートFETに適した抵抗分布を実現することが可能となる。さらに、ボロンの電気的な活性化率を実用的な範囲まで高くするためには、本条件例のように、spike RTAの温度をできるだけ高く(少なくとも950℃以上が望ましい)設定することが望ましい。これにより、本発明のフィン型ダブルゲートFETに適した抵抗分布を実現することが可能となるのみならず、実用的レベルの低いシート抵抗を持つエクステンション領域を実現することができる。
[第1の実施形態で得られる半導体デバイスの具体的構造]
以下、本実施形態の製造方法によって得られる半導体デバイスの具体的構造の一例について説明する。
−構造例1−
図9は、本実施形態の製造方法によって得られる半導体デバイスの具体的構造の一例を模式的に示す斜視図である。詳細には、図9に示す半導体デバイスは、プラズマドーピング前においてほぼ直角の上部コーナーを持つフィン型半導体領域を跨ぐようにゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成したデバイスの構造を示している。すなわち、図9に示すように、上部に抵抗領域64を有し且つ側部にエクステンション領域65を有するフィン型半導体領域61を跨ぐようにゲート絶縁膜62を介してゲート電極63が形成されている。ここで、抵抗領域64は、上部のアモルファス領域64aと下部の不純物領域64bとから構成されている。また、図中のa、b、c、dは、鞍馬形状を形成するゲート絶縁膜62の内壁のうちソース側のコーナーを表し、a''、b''、c''、d''は、フィン型半導体領域61のソース側端面までコーナーa、b、c、dを平行移動させたものである。
尚、一般にエクステンション領域上にはサイドウォールスペーサを形成することにより、エクステンション注入後のエクステンション領域を保護しているので、「ソース側端面」とは、サイドウォールスペーサに覆われている領域のうちチャネルから最も離れた箇所と言い換えることができる(但し図9ではサイドウォールスペーサの図示を省略している)。一方、フィン型半導体領域61のうち、サイドウォールスペーサ材料を残留させていない部分(つまり最終的にサイドウォールスペーサが形成されていない部分)は、エクステンション注入後にサイドウォールスペーサを形成するために実施されるドライエッチングの影響などを受けて、言い換えると、プラズマドーピング以外の要因によって、上部コーナーが削られてしまうことがあるので、「ソース側端面」としては採用しない。
また、図9に示す半導体デバイスにおいて、フィン型半導体領域61の高さは例えば10〜500nmであり、フィン型半導体領域61の幅は例えば10〜500nmであり、フィン型半導体領域61同士の間の距離は20〜500nmである。このような微細なフィン型半導体領域61を有する半導体デバイスに本発明を適用した場合、コーナーb''と抵抗領域64(フィン上部)との距離G、つまりコーナーc''と抵抗領域64(フィン上部)との距離Gがゼロよりも大きく且つ10nm以下であるという特徴、及び、エクステンション領域65(フィン側部)の抵抗率が抵抗領域64(フィン上部)の抵抗率よりも小さいという特徴を有する半導体デバイスを実現できるので、本発明の効果を得ることができる。
尚、鞍馬形状のゲート絶縁膜62の内壁のうちソース側のコーナーをa、b、c、dとし、これらに対応するドレイン側のコーナーをa’、b’、c’、d’とすると、コーナーb''と抵抗領域64(フィン上部)との距離G、又はコーナーc''と抵抗領域64(フィン上部)との距離Gとは、四角形a−a’−b’−bを含む平面、四角形b−b’−c’−cを含む平面又は四角形c−c’−d’−dを含む平面と、抵抗領域64との間の距離の最大値を意味し、これはプラズマドーピングによって削られたフィン型半導体領域61の上部コーナーの量を反映した量である。また、コーナーb''と抵抗領域64(フィン上部)との距離G、つまりコーナーc''と抵抗領域64(フィン上部)との距離Gがゼロよりも大きく且つ10nm以下であるという特徴は、通常、ゲート絶縁膜62の外側に位置する領域のフィン型半導体領域61における上部コーナーの曲率半径(つまりプラズマドーピング後の曲率半径)r’が、ゲート絶縁膜62の下側に位置する領域のフィン型半導体領域61における上部コーナーの曲率半径(つまりプラズマドーピング前の曲率半径)rよりも大きく且つ2r以下であるという特徴と等価である。
−構造例2−
図10は、本実施形態の製造方法によって得られる半導体デバイスの具体的構造の他例を模式的に示す斜視図である。詳細には、図10に示す半導体デバイスは、ゲート絶縁膜を形成する前に上部コーナーがある程度の曲率半径を持つようにフィン型半導体領域を形成しておき、当該フィン型半導体領域を跨ぐようにゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成したデバイスの構造を示している。尚、図10において、図9に示す構造と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
図10に示すようなフィン型半導体領域61を有する半導体デバイスに本発明を適用した場合にも、コーナーb''と抵抗領域64(フィン上部)との距離G、つまりコーナーc''と抵抗領域64(フィン上部)との距離Gがゼロよりも大きく且つ10nm以下であるという特徴、及び、エクステンション領域65(フィン側部)の抵抗率が抵抗領域64(フィン上部)の抵抗率よりも小さいという特徴を有する半導体デバイスを実現できるので、本発明の効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、フィン型半導体領域13上部に設けられた抵抗領域37(正確にはアモルファス領域)が結晶化阻害元素として、例えばゲルマニウムを含んでいることである。
すなわち、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、例えばプラズマドーピング時の圧力を0.6Pa以下に設定して、フィン型半導体領域13の上部及び側部にp型の不純物(例えばボロン)を導入することに加えて、本実施形態の特徴として、基板主面に対して垂直な方向からフィン型半導体領域13の上部にゲルマニウムイオンをイオン注入法により注入する。これによって、フィン型半導体領域13の上部コーナー(フィン角部)の削れ量を抑制しつつ、フィン型半導体領域13側部(エクステンション領域17)の抵抗率を、フィン型半導体領域13上部(抵抗領域37)の抵抗率よりも小さくすることができる。
図11(a)及び(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。尚、図11(a)及び(b)は、図1(a)におけるD−D線の断面構成と対応している。
本実施形態においては、まず、第1の実施形態の図2(a)に示す工程と同様の工程を実施する。具体的には、例えばシリコンからなる厚さ775μmの支持基板11上に例えば酸化シリコンからなる厚さ150nmの絶縁層12を介して例えばシリコンからなる厚さ65nmの半導体層が設けられたSOI基板を準備する。その後、当該半導体層をパターニングして、活性領域となるn型のフィン型半導体領域13bを形成する。
次に、第1の実施形態の図2(b)に示す工程と同様の工程を実施する。具体的には、フィン型半導体領域13bの上面及び側面を覆うように例えばハフニウム酸化物からなる厚さ2nmのゲート絶縁膜14を形成した後、支持基板11上の全面に亘って例えば厚さ20nmのポリシリコン膜15Aを形成する。
次に、図11(a)に示すように、ポリシリコン膜15A上に、例えばダブルパターニング技術を用いてゲート電極形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとして、ポリシリコン膜15Aをエッチングして、フィン型半導体領域13b上にゲート電極15を形成し、その後、前記レジストパターンを除去する。このとき、ゲート絶縁膜14もエッチングされて、ゲート電極15の下側にゲート絶縁膜14bが残存する。
その後、ゲート電極15をマスクとして、p型の不純物(例えばボロン)をプラズマドーピング法によってフィン型半導体領域13bの上部及び側部に導入する。これにより、図11(a)に示すように、フィン型半導体領域13bの両側部には、エクステンション領域17となるp型不純物領域が形成される一方、フィン型半導体領域13bの上部には、p型不純物領域18が形成される。
本実施形態では、前述のように、プラズマドーピング時の圧力を0.6Pa以下に設定したプラズマドーピング条件を用いることにより、フィン型半導体領域13b側部の注入ドーズ量を、フィン型半導体領域13b上部の注入ドーズ量の80%以上にすることができる。具体的なプラズマドーピング条件は、例えば、原料ガスがHe(ヘリウム)で希釈したB2 6 (ジボラン)であり、原料ガス中でのB2 6 濃度が0.5質量%であり、原料ガスの総流量が100cm3 /分(標準状態)であり、チャンバー内圧力が0.35Paであり、ソースパワー(プラズマ生成用高周波電力)が500Wであり、バイアス電圧(Vpp)が250Vであり、プラズマドーピング時間が60秒である。
次に、図11(b)に示すように、ゲート電極15をマスクとして、イオン注入法を用いて、基板主面に対して垂直な方向からフィン型半導体領域13bにゲルマニウムイオン19を注入する。このとき、ゲルマニウムイオン19は直進性を有するので、基板主面に対して垂直にゲルマニウムイオン19を入射させると、フィン型半導体領域13bの上面にのみゲルマニウムイオン19が照射される結果、フィン型半導体領域13bの上部(つまりp型不純物領域18)のみがアモルファス化されて抵抗領域37が形成される。
具体的なイオン注入条件は、例えば、イオン種がゲルマニウムであり、イオンの入射角度が基板主面に対して垂直な角度であり、ドーズ量が2×14cm-2程度であり、注入深さは、前述のエクステンション注入でフィン型半導体領域13b上部に注入されたボロンの注入深さよりも深い。このようにすると、フィン型半導体領域13bの上部に厚いアモルファス領域を形成することができると共に、後の不純物活性化熱処理で当該アモルファス領域に結晶回復が生じにくくなる。その結果、フィン型半導体領域13bの側部(エクステンション領域17)の抵抗率を、フィン型半導体領域13bの上部(抵抗領域37)の抵抗率よりも小さくすることができるので、従来技術と比べてトランジスタ特性を顕著に改善することができる。
次に、図示は省略しているが、ゲート電極15をマスクとして、フィン型半導体領域13bに不純物をイオン注入して、n型ポケット領域を形成する。
その後、第1の実施形態の図2(d)に示す工程と同様の工程を実施する。具体的には、ゲート電極15の側面上に絶縁性サイドウォールスペーサ16を形成した後、絶縁性サイドウォールスペーサ16の外側のフィン型半導体領域13bの上部及び側部にそれぞれ、ソース・ドレイン領域27を構成するp型不純物領域27a及び27bを形成する。
続いて、エクステンション領域17及びソース・ドレイン領域27に導入した不純物を熱処理により電気的に活性化するために、例えばスパイクRTA法を1000℃程度の温度で実施する。このとき、フィン型半導体領域13bの側部(つまりエクステンション領域17)のアモルファス領域が結晶回復し且つフィン型半導体領域13bの上部(つまり抵抗領域37)のアモルファス領域の少なくとも一部分がアモルファス化状態を維持するように、熱処理温度及び熱処理時間を設定する。これにより、完成状態の半導体装置において、エクステンション領域17の抵抗率を抵抗領域37の抵抗率よりも低くすることができ、所望のトランジスタ特性を得ることができる。尚、具体的な熱処理方法として、spike RTAやミリセカンドアニールを用いる場合には、熱処理時間の調整の余地はほとんどないので、熱処理温度の設定によって実質的にサーマルバジェットが決まる。
以上に説明した本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、フィン型半導体領域13上部に設ける抵抗領域37中に結晶化阻害元素(例えばゲルマニウム)を導入するため、抵抗領域37の抵抗率をエクステンション領域17の抵抗率よりも高くするためのプロセスウィンドウ(プラズマドーピング条件や不純物活性化熱処理条件等におけるマージン)、言い換えると、抵抗領域37中により厚いアモルファス領域を残存させるためのプロセスウィンドウが大きくなる。従って、所望の抵抗領域37をより確実且つ容易に形成することができる。
尚、本実施形態において、ゲート電極15の形成工程と絶縁性サイドウォールスペーサ16の形成工程との間において、エクステンション注入を行ってから結晶化阻害元素注入を行ったが、これに代えて、結晶化阻害元素注入を行ってからエクステンション注入を行ってもよい。
また、本実施形態において、結晶化阻害元素として、ゲルマニウムを導入したが、これに代えて、アルゴン、フッ素若しくは窒素等を導入してもよいし、又は、エクステンション領域17の反対導電型の不純物、例えば砒素等を導入してもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、フィン型半導体領域13上部に設けられた抵抗領域37(正確にはアモルファス領域)が、p型のエクステンション領域17の反対導電型(つまりn型)の不純物、例えば砒素を含んでいることである。
すなわち、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、例えばプラズマドーピング時の圧力を0.6Pa以下に設定して、フィン型半導体領域13の上部及び側部にp型の不純物(例えばボロン)を導入することに加えて、本実施形態の特徴として、基板主面に対して垂直な方向からフィン型半導体領域13の上部に砒素イオンをイオン注入法により注入する。これによって、フィン型半導体領域13の上部コーナー(フィン角部)の削れ量を抑制しつつ、フィン型半導体領域13側部(エクステンション領域17)の抵抗率を、フィン型半導体領域13上部(抵抗領域37)の抵抗率よりも小さくすることができる。
図12(a)及び(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。尚、図12(a)及び(b)は、図1(a)におけるD−D線の断面構成と対応している。
本実施形態においては、まず、第1の実施形態の図2(a)に示す工程と同様の工程を実施する。具体的には、例えばシリコンからなる厚さ775μmの支持基板11上に例えば酸化シリコンからなる厚さ150nmの絶縁層12を介して例えばシリコンからなる厚さ65nmの半導体層が設けられたSOI基板を準備する。その後、当該半導体層をパターニングして、活性領域となるn型のフィン型半導体領域13bを形成する。
次に、第1の実施形態の図2(b)に示す工程と同様の工程を実施する。具体的には、フィン型半導体領域13bの上面及び側面を覆うように例えばハフニウム酸化物からなる厚さ2nmのゲート絶縁膜14を形成した後、支持基板11上の全面に亘って例えば厚さ20nmのポリシリコン膜15Aを形成する。
次に、図12(a)に示すように、ポリシリコン膜15A上に、例えばダブルパターニング技術を用いてゲート電極形成領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとして、ポリシリコン膜15Aをエッチングして、フィン型半導体領域13b上にゲート電極15を形成し、その後、前記レジストパターンを除去する。このとき、ゲート絶縁膜14もエッチングされて、ゲート電極15の下側にゲート絶縁膜14bが残存する。
その後、ゲート電極15をマスクとして、p型の不純物(例えばボロン)をプラズマドーピング法によってフィン型半導体領域13bの上部及び側部に導入する。これにより、図12(a)に示すように、フィン型半導体領域13bの両側部には、エクステンション領域17となるp型不純物領域が形成される一方、フィン型半導体領域13bの上部には、p型不純物領域20が形成される。
本実施形態では、前述のように、プラズマドーピング時の圧力を0.6Pa以下に設定したプラズマドーピング条件を用いることにより、フィン型半導体領域13b側部の注入ドーズ量を、フィン型半導体領域13b上部の注入ドーズ量の80%以上にすることができる。
また、本実施形態では、プラズマドーピング時のバイアス電圧(Vpp)を、第1の実施形態よりも低く(例えば250V)することによって、第1の実施形態と比較して、フィン型半導体領域13bの上部(つまりp型不純物領域20)に形成されるアモルファス領域の厚さを小さくしている。これにより、本実施形態では、後の不純物活性化熱処理後に、フィン型半導体領域13b側部(エクステンション領域17)のアモルファス領域のみならず、フィン型半導体領域13b上部(つまりp型不純物領域20)のアモルファス領域にも結晶回復が生じる。
具体的なプラズマドーピング条件は、例えば、原料ガスがHe(ヘリウム)で希釈したB2 6 (ジボラン)であり、原料ガス中でのB2 6 濃度が0.5質量%であり、原料ガスの総流量が100cm3 /分(標準状態)であり、チャンバー内圧力が0.35Paであり、ソースパワー(プラズマ生成用高周波電力)が500Wであり、バイアス電圧(Vpp)が250Vであり、プラズマドーピング時間が60秒である。
次に、図12(b)に示すように、ゲート電極15をマスクとして、イオン注入法を用いて、基板主面に対して垂直な方向からフィン型半導体領域13bに、前述のエクステンション注入の不純物(p型不純物)とは導電型が異なる不純物(n型不純物)として、砒素イオン21を注入する。このとき、砒素イオン21は直進性を有するので、基板主面に対して垂直に砒素イオン21を入射させると、フィン型半導体領域13bの上面にのみ砒素イオン21が照射される結果、フィン型半導体領域13bの上部(つまりp型不純物領域20)のみの電気特性の極性が中和されて抵抗領域37が形成される。
具体的なイオン注入条件は、例えば、イオン種が砒素(As)であり、イオンの入射角度が基板主面に対して垂直な角度であり、ドーズ量は、前述のエクステンション注入でフィン型半導体領域13b上部に注入したボロンのドーズ量と同等であり、注入深さは、前述のエクステンション注入でフィン型半導体領域13b上部に注入されたボロンの注入深さと同等であり、注入エネルギーが0.8keVである。このように、フィン型半導体領域13b上部(p型不純物領域20)に、エクステンション注入の不純物(p型不純物)とは導電型が異なる不純物(n型不純物)をイオン注入すると、フィン型半導体領域13b上部の電気特性の極性を中和して抵抗領域37を形成することができる。従って、後の不純物活性化熱処理後に、フィン型半導体領域13bの側部(エクステンション領域17)の抵抗率を、フィン型半導体領域13bの上部(抵抗領域37)の抵抗率よりも小さくすることができるので、従来技術と比べてトランジスタ特性を顕著に改善することができる。
次に、図示は省略しているが、ゲート電極15をマスクとして、フィン型半導体領域13bに不純物をイオン注入して、n型ポケット領域を形成する。
その後、第1の実施形態の図2(d)に示す工程と同様の工程を実施する。具体的には、ゲート電極15の側面上に絶縁性サイドウォールスペーサ16を形成した後、絶縁性サイドウォールスペーサ16の外側のフィン型半導体領域13bの上部及び側部にそれぞれ、ソース・ドレイン領域27を構成するp型不純物領域27a及び27bを形成する。
続いて、エクステンション領域17及びソース・ドレイン領域27に導入した不純物を熱処理により電気的に活性化するために、例えばスパイクRTA法を1000℃程度の温度で実施する。
以上に説明した本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、フィン型半導体領域13上部に設ける抵抗領域37中に、エクステンション領域17の反対導電型の不純物(例えば砒素)を導入するため、抵抗領域37の抵抗率をエクステンション領域17の抵抗率よりも高くするためのプロセスウィンドウ(プラズマドーピング条件や不純物活性化熱処理条件等におけるマージン)が大きくなる。従って、所望の抵抗領域37をより確実且つ容易に形成することができる。
尚、本実施形態において、ゲート電極15の形成工程と絶縁性サイドウォールスペーサ16の形成工程との間において、エクステンション注入を行ってから反対導電型不純物注入を行ったが、これに代えて、反対導電型不純物注入を行ってからエクステンション注入を行ってもよい。或いは、エクステンション領域17に導入した不純物の活性化熱処理後に、反対導電型不純物注入を行ってもよい。但し、この場合、反対導電型不純物注入後に当該反対導電型不純物を活性化させる熱処理を実施することが好ましい。
また、本実施形態において、エクステンション領域17の反対導電型不純物として、砒素を導入したが、反対導電型不純物が砒素に限られないことは言うまでもない。
また、本実施形態において、抵抗領域37の抵抗率をエクステンション領域17の抵抗率よりも高くするために、抵抗領域37中に、エクステンション領域17の反対導電型の不純物を導入した。しかし、これに代えて、抵抗領域37となるp型不純物領域20(フィン型半導体領域13b上部)のうち、比較的p型不純物濃度が高い表面部を少なくともエッチング除去することにより、所望の抵抗領域37を形成してもよい。
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、基板上にフィン型半導体領域を有する3次元構造のダブルゲート型の半導体装置において所望の特性を得る上で有用である。
11 支持基板
12 絶縁層
13(13a〜13d) フィン型半導体領域
14(14a〜14d) ゲート絶縁膜
15 ゲート電極
15A ポリシリコン膜
16 絶縁性サイドウォールスペーサ
17 エクステンション領域
18 p型不純物領域
19 ゲルマニウムイオン
20 p型不純物領域
21 砒素イオン
27 ソース・ドレイン領域
27a 不純物領域
27b 不純物領域
37 抵抗領域
61 フィン型半導体領域
62 ゲート絶縁膜
63 ゲート電極
64 抵抗領域
64a アモルファス領域
64b 不純物領域
65 エクステンション領域

Claims (42)

  1. 基板上に形成され且つその両側部にエクステンション領域を有するフィン型半導体領域と、
    前記フィン型半導体領域を跨ぐと共に前記エクステンション領域と隣り合うように形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極と隣り合う領域の前記フィン型半導体領域の上部に形成された抵抗領域とを備え、
    前記抵抗領域は、前記エクステンション領域よりも高い抵抗率を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記ゲート電極と前記フィン型半導体領域との間に介在するように前記フィン型半導体領域上に形成されたゲート絶縁膜をさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記ゲート電極の側面を覆うように形成された絶縁性サイドウォールスペーサをさらに備え、
    前記抵抗領域は前記絶縁性サイドウォールスペーサの下に位置していることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記抵抗領域は、前記ゲート電極の下に位置する部分を除く前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1に記載の半導体装置において、
    オン状態で電流が流れるチャネルは、前記ゲート電極に覆われた前記フィン型半導体領域の前記両側部に形成されることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記抵抗領域は、前記オン状態で前記フィン型半導体領域の前記上部に流れる電流を制限するように設けられていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記オン状態で前記抵抗領域よりも大きい電流が前記チャネルに流れることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1に記載の半導体装置において、
    動作時に前記フィン型半導体領域の前記上部はチャネルとして機能しないことを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1に記載の半導体装置において、
    オン状態で流れる電流は、前記ゲート電極に覆われた前記フィン型半導体領域の前記両側部を実質的に均一に流れることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記抵抗領域はアモルファス領域を有することを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記アモルファス領域は結晶化阻害元素を含むことを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項13に記載の半導体装置において、
    前記結晶化阻害元素はゲルマニウム、アルゴン、フッ素又は窒素であることを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記抵抗領域に、前記エクステンション領域の反対導電型の不純物が導入されていることを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記フィン型半導体領域は、前記基板上に形成された絶縁層上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記ゲート電極の両側面、前記エクステンション領域及び前記抵抗領域を覆うように絶縁性サイドウォールスペーサが形成されており、
    前記ゲート電極から見て前記絶縁性サイドウォールスペーサの外側の領域の前記フィン型半導体領域における少なくとも両側部には、ソース・ドレイン領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記フィン型半導体領域の側面の高さは、前記フィン型半導体領域の上面におけるゲート幅方向の幅と比べて大きいことを特徴とする半導体装置。
  19. 基板上にフィン型半導体領域を形成する工程(a)と、
    前記フィン型半導体領域を跨ぐようにゲート電極を形成する工程(b)と、
    前記フィン型半導体領域の上部及び両側部に不純物を導入し、それにより、前記フィン型半導体領域の上部に第1の不純物領域を形成すると共に前記フィン型半導体領域の両側部に第2の不純物領域を形成する工程(c)と、
    前記第1の不純物領域及び前記第2の不純物領域に導入した前記不純物を電気的に活性化する工程(d)とを備え、
    前記工程(c)及び前記工程(d)の少なくとも一方のプロセス条件を、前記第1の不純物領域が少なくとも部分的にアモルファス状態となるように選択することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記不純物の導入時に前記ゲート電極をマスクとして用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  21. 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
    熱処理を用いて前記不純物を電気的に活性化することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
    部分的にアモルファス状態にある前記第1の不純物領域の抵抗率は、前記第2の不純物領域の抵抗率よりも高いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  23. 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(c)はプラズマドーピングを用いると共に、前記フィン型半導体領域の上部に形成される第1のアモルファス領域の厚さが前記フィン型半導体領域の両側部に形成される第2のアモルファス領域の厚さよりも大きくなるようにプラズマドーピング時のバイアス電圧を設定することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  24. 請求項23に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(d)では、前記第2のアモルファス領域が結晶回復し且つ前記第1のアモルファス領域が少なくとも部分的にアモルファス状態を維持するように熱処理温度を選択することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  25. 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(b)と前記工程(c)との間、又は前記工程(c)と前記工程(d)との間に、前記フィン型半導体領域の上部に結晶化阻害元素を導入する工程をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  26. 請求項25に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記結晶化阻害元素はゲルマニウム、アルゴン、フッ素又は窒素であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  27. 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記基板上に絶縁層を形成する工程をさらに備え、
    前記絶縁層上に前記フィン型半導体領域が形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  28. 請求項19に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記フィン型半導体領域の側面は、前記フィン型半導体領域の上面に対して垂直であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  29. 基板上にフィン型半導体領域を形成する工程(a)と、
    前記フィン型半導体領域を跨ぐようにゲート電極を形成する工程(b)と、
    前記フィン型半導体領域の上部及び両側部に第1導電型の不純物を導入し、それにより、前記フィン型半導体領域の上部に第1の不純物領域を形成すると共に前記フィン型半導体領域の両側部に第2の不純物領域を形成する工程(c)と、
    前記第1の不純物領域及び前記第2の不純物領域に導入した前記第1導電型の不純物を電気的に活性化する工程(d)とを備え、
    前記工程(b)よりも後に、前記フィン型半導体領域の上部に、前記第1導電型の不純物とは反対導電型の第2導電型の不純物を導入する工程をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  30. 請求項29に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1導電型の不純物の導入時及び前記第2導電型の不純物の導入時に前記ゲート電極をマスクとして用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  31. 請求項29に記載の半導体装置の製造方法において、
    熱処理を用いて前記第1導電型の不純物を電気的に活性化することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  32. 請求項29に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記基板上に絶縁層を形成する工程をさらに備え、
    前記絶縁層上に前記フィン型半導体領域が形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  33. 請求項29に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記フィン型半導体領域の側面は、前記フィン型半導体領域の上面に対して垂直であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  34. 基板上にフィン型半導体領域を形成する工程と、
    前記フィン型半導体領域を跨ぐようにゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極と隣り合う領域の前記フィン型半導体領域の両側部にエクステンション領域を形成する工程と、
    前記ゲート電極と隣り合う領域の前記フィン型半導体領域の上部に、前記エクステンション領域よりも高い抵抗率を有する抵抗領域を形成する工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  35. 請求項34に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記フィン型半導体領域上にゲート絶縁膜を、前記ゲート電極と前記フィン型半導体領域との間に介在するように形成する工程をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  36. 請求項34に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記ゲート電極の側面を覆うように絶縁性サイドウォールスペーサを形成する工程をさらに備え、
    前記抵抗領域は前記絶縁性サイドウォールスペーサの下に位置していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  37. 請求項34に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記抵抗領域は、前記ゲート電極の下に位置する部分を除く前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  38. 請求項34に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  39. 請求項34に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記抵抗領域は、前記ゲート電極から側方に延びる前記フィン型半導体領域の前記上部に実質的に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  40. 請求項34に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記抵抗領域はアモルファス領域を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  41. 請求項40に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記アモルファス領域は結晶化阻害元素を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  42. 請求項41に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記結晶化阻害元素はゲルマニウム、アルゴン、フッ素又は窒素であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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