JP2012513191A - 試料中の標的核酸を検出するための方法 - Google Patents

試料中の標的核酸を検出するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ハイブリダイゼーション分析及び核酸増幅反応、特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において使用される、蛍光レポーター及びクエンチング分子を含む蛍光プローブペアを使用した、試料中の標的核酸を検出するための方法に関する。

Description

本発明は、一般的に試料中で標的核酸を検出するための方法に関する。より詳細には、本発明は、蛍光レポーター及びクエンチング分子を含む蛍光プローブペアを使用して、試料中の標的核酸を検出するための、ハイブリダイゼーション分析及び核酸増幅反応、特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で使用する方法に関する。
核酸の増幅反応、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をモニタリングするための、蛍光プローブを使用する方法は当業者に周知である。
蛍光プローブの例としては、図1に示されるような蛍光の二重標識プローブである。このような蛍光の二重標識されたプローブは典型的には、2つの異なる色素、すなわちレポーター及びクエンチャーで標識され、特異的な標的核酸配列とハイブリッド形成することができるオリゴヌクレオチドから成る。レポーターは光で励起された場合に蛍光発光することができる分子であり、クエンチャーはレポーターによって発光された蛍光を吸収することができる分子である。場合によっては、レポーターはオリゴヌクレオチドの5’末端上に位置し、クエンチャーは3’末端上に位置する。このタイプの蛍光プローブでは、プローブが標的核酸配列とハイブリッド形成される場合、又はPCR中に切断される場合に、蛍光が発光される。PCRのモニタリングは、PCR中、蛍光強度をモニタリングすることに基づいて行われる。より詳細には、プローブが標的核酸配列とハイブリッド形成されていない場合には、これはランダムコイル立体構造と考えられ、レポーターは空間的にクエンチャーに十分近く、フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)がレポーターからクエンチャーへ生じる。この場合において、レポーターが適切な波長光で励起される場合には、レポーターによって発光された蛍光は、クエンチャーによって「クエンチングされ」、そして蛍光強度が比較的低く観察される。プローブが標的核酸配列とハイブリッド形成されている場合には、プローブはもはや配列上に折り畳まれておらず、レポーターとクエンチャーとの間の距離は増加する。従って、FRETが減少され、レポーターによって発光された蛍光のクエンチャーによるクエンチングは減少し、蛍光強度が比較的高く観察される。PCRの伸長段階中に、プローブがDNAポリメラーゼによって切断される場合には、レポーターはプローブから切断され、レポーターとクエンチャーとの間でFRETは生じない。結果として、蛍光強度はまた比較的高い。このプロセスはPCRの各サイクルでリピートされる。よって、蛍光強度の変化をモニタリングすることは、PCRを定量的にモニタリングするために使用できる。
ここで、蛍光の二重標識されたプローブの使用に付随する欠点が存在する。特に、非開裂(cleaving)DNAポリメラーゼを使用するPCR法において二重標識されたプローブが使用される場合、蛍光のシグナル変化の大きさは、色素が付着されたDNAプローブの長さ及び立体構造によってのみ制御される。二重標識されたプローブの場合、色素は同一のDNA断片に付着されるので、互いに離れることができる距離は低下する。蛍光の二重標識されたプローブの適用はこの側面によって制限される。
蛍光色素が異なるオリゴヌクレオチド上にある、ハイブリダイゼーションプローブペアを使用することによって、色素はさらに互いに離れることができ、従って蛍光の変化が増加し、より大きなシグナルダイナミック(dynamic)となる。図2で模式的に示されるように、蛍光ハイブリダイゼーションプローブペアにおいて、第一のオリゴヌクレオチドが蛍光ドナー色素で標識され、そして第二のオリゴヌクレオチドが蛍光のアクセプター色素で標識される。第一及び第二のオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列とハイブリッド形成するようにデザインされ、これによりいずれのオリゴヌクレオチドも標的核酸配列とハイブリッド形成される場合に、ドナー及びアクセプターが隣接できる、又はごく接近した状態となる。ドナー色素は光によって励起される場合、FRETによってこのエネルギーの全部又は一部をアクセプターへ転移する。その結果、アクセプターによって発光された光は検出することができる。比較的高い蛍光強度は、プローブが標的核酸配列とハイブリッド形成されていることを示す。PCRの伸長段階中にDNAポリメラーゼによってプローブが切断される場合には、ドナー及び/又はアクセプターはプローブから切断され、比較的低い蛍光強度が観察される。
蛍光ハイブリダイゼーションプローブペアでの欠点は、アクセプター色素の蛍光をモニタリングする場合に、蛍光ドナー色素の高い蛍光バックグラウンドが観察されることである。
従って、高い蛍光バックグラウンドを取り除き、さらに大きなシグナルダイナミックが得られる、蛍光プローブを使用してPCRをモニタリングするための改良された方法が必要である。
本発明は、このニーズを満たす蛍光プローブを使用したPCRをモニタリングするための方法を提供する。
第一の態様において、本発明は、
第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸と選択的にハイブリッド形成する条件下で、試料を、5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼと、第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブペアとに接触させる段階であって、ここで第一のオリゴヌクレオチドプローブが蛍光レポーターを含み、第二のオリゴヌクレオチドプローブがクエンチャーを含み、これにより第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される場合には、蛍光レポーターの蛍光がクエンチャーによってクエンチングされ、第一及び第二のオリゴヌクレオチドが標的核酸とハイブリッド形成されない場合には、蛍光レポーターの蛍光がクエンチャーによってクエンチングされない、段階、
蛍光レポーターを光源で励起する段階、
第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される条件下で、蛍光レポーターの蛍光をモニタリングする段階、並びに、
当該蛍光を、第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成されない条件下で得られたものと比較する段階、
を含んでなる、試料中で標的核酸を検出するための方法に関する。
他の態様において、本発明は、
蛍光レポーターを含んでなる第一のオリゴヌクレオチドプローブ、と
第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される場合に、蛍光レポーターの蛍光をクエンチングすることに効果のあるクエンチャーを含んでなる第二のオリゴヌクレオチドプローブ、とのペア並びに、
5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼ、を含んでなる、試料中の標的核酸を検出するためのキットに関する。
さらに他の態様において、本発明は、
試料中の標的核酸、
5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼ、
蛍光レポーターを含んでなる第一のオリゴヌクレオチドプローブ、並びに、
第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される場合に、蛍光レポーターの蛍光をクエンチングすることに効果のあるクエンチャーを含む第二のオリゴヌクレオチドプローブ、を含んでなる反応混合物に関する。
図1は、先行技術の、二重標識されたプローブの略図である。 図2は、先行技術の、蛍光ドナーを含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ及びアクセプターを含む第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなる、ハイブリッド形成されたプローブペアの略図である。 図3は、本発明の方法の、蛍光レポーターを含んでいる第一のオリゴヌクレオチドプローブ、及びクエンチャーを含んでいる第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなるハイブリッド形成されたプローブペアの略図である。 図4aは、先行技術の、蛍光ドナー及びアクセプターを含んでなるコントロール蛍光プローブに由来する融解曲線によって表される蛍光データを示す。 図4bは、先行技術の、蛍光ドナー及びアクセプターを含んでなるコントロール蛍光プローブに由来する融解ピークによって表される蛍光データを示す。 図5aは、本発明の方法の、蛍光レポーターを含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、及びクエンチャーを含む第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなるプローブペアの励起に由来する融解曲線よって表される蛍光データを示す。 図5bは、本発明の方法の、蛍光レポーターを含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、及びクエンチャーを含む第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなるプローブペアの励起に由来する融解ピークによって表される蛍光データを示す。 図6は、図4(b)及び5(b)の蛍光データのオーバーレイ(overlay)を示す。
定義
本開示の理解を促進するために、次の定義が有効である。
本明細書で使用する「試料」は、核酸を含む又は含むと推定される任意の物質を意味する。これには、例えば、皮膚、血漿、血清、髄液、リンパ液、滑液、尿、涙液、血球、器官、腫瘍等、並びに(細胞培養培地における細胞の成長に起因する条件培地、組み換え細胞及び細胞成分を含むがこれに限定されない)インビトロ(in vitro)の細胞培養成分の試料を含むがこれらに限定されない、個人から分離された組織又は体液の試料が含まれる。
本明細書で使用する用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」及び「オリゴヌクレオチド」は、互換的に使用する。これらの用語は、分子の一次構造のみを意味する。従って、これらの用語には、二本及び一本鎖DNA、並びに二本及び一本鎖RNAが含まれる。オリゴヌクレオチドは、指定されたヌクレオチド配列の領域に対応する、少なくとも約6個のヌクレオチド、例えば少なくとも約10〜12個のヌクレオチド、又は少なくとも約15〜20個のヌクレオチド配列を含んでよい。「対応する」は、指定された配列と同一又は相補的であることを意味する。オリゴヌクレオチドは、必ずしも任意の現存する又は天然の配列に物質的に由来するものではなく、化学合成、DNA複製、逆転写又はこれらの組合せを含む、いかなる方法で生成されてよい。
用語「プライマー」は、精製制限消化(purified restriction digest)において自然に生じるか、合成的に生成されるかにかかわらず、核酸鎖に相補的であるプライマー伸長生成物の合成が触媒作用を受ける条件下に置かれた場合に、相補鎖に沿った合成の開始点として機能することができる、1又は複数のプライマー及びオリゴヌクレオチドを意味する。
本明細書で使用する核酸配列の相補鎖は、核酸配列と並列された場合に一方の配列の5’末端が他方の3’末端とペアを形成することができる、「逆平行(antiparallel)対合」状態にあるオリゴヌクレオチドを意味する。相補性は完全である必要はなく、安定的な二本鎖は不適正塩基対又は不適合塩基を含有してよい。核酸技術の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成及びオリゴヌクレオチドの配列、イオン強度、並びに不適正塩基対の発生率を含む多数の変数を考慮に入れながら、二本鎖安定性を経験的に測定することができる。
本明細書で使用する用語「標的配列」、「標的核酸」又は「標的核酸配列」は、増幅される又は検出される、或いはいずれも行われる、オリゴヌクレオチド領域を意味する。標的配列は、増幅のために使用された2つのプライマー配列の間に存在する。
本明細書で使用する用語「プローブ」は、プローブ中の少なくとも1つの配列の、標的領域中の配列との相補性に起因して、標的核酸中の配列と二本鎖構造を形成する、標識されたオリゴヌクレオチドを意味する。一定の実施形態において、プローブは、ポリメラーゼ連鎖反応を刺激するために使用される配列に相補的な配列を含まない。用語「プローブペア」は、上述のプローブペアを意味する。
本明細書で使用する用語「標識」は、検出可能な(好適には定量化可能な)シグナルを提供するために使用することができ、且つ核酸又はタンパク質に付着することができる、任意の原子又は分子を意味する。標識は、蛍光、放射線、比色分析、質量分析、X線回折又は吸収、磁性、酵素活性等によって検出可能なシグナルを提供する。
用語「ハイブリッド形成され」及び「ハイブリダイゼーション」は、1つのオリゴヌクレオチドの他のオリゴヌクレオチド(典型的には逆平行型ポリヌクレオチド)との塩基対合相互作用を意味し、二本鎖、又は、典型的にはハイブリダイゼーション複合体と名付けられる他の高次構造の形成をもたらす。ハイブリダイゼーションを達成するために、2つのポリヌクレオチドが全長にわたり100%の相補性を有する必要はない。ある態様において、ハイブリダイゼーション複合体は分子間相互作用、又は分子内相互作用から形成することができる。一方、用語「ハイブリッド形成されない」は、「ハイブリダイゼーション」が生じていない又はまだ生じていない状態を意味する。
本明細書で使用する用語「相補的」又は「相補性」は、ワトソンクリック型及びフーグスティーン型塩基対合ルールによって関連付けられるポリヌクレオチドの逆平行型鎖に関して使用する。例えば、配列5’−AGTTC−3’は、配列5’−GAACT−3’に相補的である。用語「完全に相補的」又は「100%相補的」等は、(ポリヌクレオチド二本鎖中に不適正塩基対のない)逆平行型鎖の間に、塩基の完全なワトソンクリック型対合を有する相補的配列を意味する。しかしながら、相補性は完全である必要はなく、安定した二本鎖は、例えば、不適正塩基対又は不適合塩基を含んでよい。用語「部分的な相補性」、「部分的に相補的な」、「不完全な相補性」又は「不完全に相補的な」等は、100%未満の完全性である(例えば、ポリヌクレオチド二本鎖中に、少なくとも1つの不適正塩基対又は不適合塩基が存在する)逆平行型ポリヌクレオチド鎖の間の塩基の任意のアラインメントを意味する。例えば、逆平行型ポリヌクレオチド鎖の間の塩基のアラインメントは、少なくとも99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、又は50%、或いはこれらの間の任意の値とすることができる。
本明細書で使用する用語「FRET」(蛍光共鳴エネルギー転移又はフェルスター共鳴エネルギー転移)及び同等の用語は、一般的に、ドナー分子から光子の放出なしに、エネルギーがドナー色素分子からアクセプター色素分子へ転移される、2つの色素分子の電子状態の間の、動的な距離依存的相互作用を意味する。FRET効率は、色素の間の分子間距離の逆数に依存し、生体高分子の大きさと同程度の距離を超えて有用である。一般的に、FRETによって、従来の光学顕微鏡法の限界をこえる空間分析能で、イメージング、動態解析及び/又は共存分子若しくは単一分子中の立体構造変化の定量化を行うことができる。一般的に、FRETは、(a)ドナー及びアクセプター分子は近接近状態(典型的には、例えば10〜100Å)でなければならず、(b)アクセプターの吸収スペクトルは、ドナーの蛍光放出スペクトルと重複しなければならず、さらに(c)ドナー及びアクセプターの遷移双極子の配向はほぼ平行でなければならない、ことが必要である。
大抵のFRETの利用においては、ドナー色素とアクセプター色素、又はレポーターとクエンチャーは異なり、その場合アクセプターの増感蛍光の出現又はドナー蛍光のクエンチングによってFRETを検出することができる。場合によっては、ドナーとアクセプター又はレポーターとクエンチャーは同一であり、FRETは生じる蛍光脱分極によって検出することができる。FRETシステム中の1つからなるドナー/アクセプター又はレポーター/クエンチング分子の使用は、例えば、2004年5月20日に公開された「生体試料中における酵素活性の検出のための組成物及びこの使用方法」という表題の、Packard及びKomoriyaによる公開米国特許出願第2004/0096926号に記載される。
FRETは、分子近接の変化を特徴とする種々の生物学的現象を検討するための重要な技術となっている。FRET技術は、多くの生物研究所で現在普及しており、種々の生物系における使用に適合されており、これには、核酸ハイブリダイゼーションの検出、リアルタイムPCRアッセイ及びSNP検出、タンパク質の構造及び立体構造、タンパク質複合体の空間分布及びアセンブリ、レポーター/リガンド相互作用、イムノアッセイ、単一分子、核酸の構造及び立体構造の相互作用の調査、突然変異の検出のためのプライマー伸長アッセイ、オートメーション化されたDNA配列決定、脂質の分布及び輸送、膜融合アッセイ(膜融合の脂質混合アッセイ)、膜電位センシング、蛍光発生プロテアーゼ基質、並びにサイクリックAMP及び亜鉛の指標が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で使用する用語「FRETレポーター」は、典型的には、十分に近接した適切なFRETクエンチャーに転移することができる、検出可能な放射線、例えば蛍光又は発光放射線を放出する部分を意味する。一般的に、これらの分子は色素である。用語「FRETレポーター」は、「レポーター」又は「FRET標識」或いは「FRET標識部分」と互換的に使用することができる。
本明細書で使用する用語「クエンチャー」は、一般的に、放射線を発光した光源に由来する、検出可能な放射線、例えば蛍光又は発光放射線の放出を減少する且つ/又は減少することができる部分を意味する。なお、放射線はこれらに限定されない。一般的に、クエンチャーは光放出を減少することができる任意の部分を意味する。いかなる検出計測手段が使用されてもクエンチング効果は最小限で検出可能であることを除いて、クエンチングの程度それ自体は、限定されない。態様によっては、クエンチャーは、少なくとも50%まで、又は少なくとも80%まで、或いは最も好適には少なくとも90%まで、光源によって発光される検出可能な放射線を減少する。実施形態によっては、クエンチャーはレポーターからの蛍光放出を減少することとなり、従ってレポーター/クエンチャーはFRETのペアを形成し、クエンチャーは「FRETクエンチャー」と、そしてレポーターは「FRETレポーター」と名付けられる。これは、用語「クエンチャー」をFRETクエンチャーに限定することを目的とするものではない。例えば、クエンチングは任意のタイプのエネルギー転移を含むことができ、光電子転移、プロトン共役電子転移、近接して位置するフルオロフォア間の二量体形成、一過性の励起状態相互作用、衝突のクエンチング、又は非蛍光基底状態の化学種(species)の形成を含むがこれに限定されない。ある実施形態においては、クエンチャーは光放出の減少が可能な分子を意味する。フルオロフォアとクエンチャーとの間のスペクトル重複は必要でない。本明細書で使用する「クエンチング」には、任意のタイプのクエンチングが含まれ、これには動的なもの(Forster-Dexter エネルギー転移等)、及び静的なもの(基底状態の複合体)が含まれる。また、クエンチャーは蛍光色素から吸収されたエネルギーを光以外の形態、例えば、熱として消散することができる。実施形態によっては、クエンチャーは、FRETレポーターから吸収されたエネルギーを、ある波長で又はFRETレポーター放出と識別可能なシグナルタイプを使用して、且つそのクエンチャーに特徴的である波長又はシグナルタイプで再放出することができるので、従って、この点において、クエンチャーはまた「標識」となり得る。
蛍光プローブシステムの使用についての一般的な考察に関して、例えば、Joseph R.Lakowicz,Plenum Publishing Corporation、第2版(1999年7月1日)による蛍光分光法の原理及び蛍光プローブのハンドブック、及びMolecular Probes、第6版(1996)で出版のRichard P.Hauglandによるリサーチケミカルズを参照されたい。
他の試薬及び検出/イメージング計測手段とともに、様々な色素、蛍光剤、クエンチャー、及び蛍光タンパク質は、FRET分析における使用のために開発され、そして広く市販されている。当業者は、任意の特定の分析の使用のための適切なFRETプロトコール、試薬及び計測手段を認識している。
用語「モニタリングすること」は、プローブによって発光された蛍光をモニタリングすることを意味する。これはまた、例えば技術分野で周知のタイプのコンピューター可読培地上での、蛍光の強度の検出及び測定、蛍光強度データの収集及び記録を含む。さらなる段階には、コンピューターを使用した又は使用しない、データの数理処理、これらの分析及び解釈が含まれる。
用語「5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼ」又は「5’〜3’ヌクレアーゼ欠損酵素」、又は便宜上「ヌクレアーゼ欠損酵素」は、天然のTaq DNAポリメラーゼの5’〜3’活性が50%以下であるポリメラーゼを意味する。5’〜3’ヌクレアーゼ活性を測定する方法及び測定条件は、米国特許第5,466,591号に記載されている。5’〜3’ヌクレアーゼ活性が欠如したポリメラーゼの例としては、Taq DNAポリメラーゼのストッフェル(Stoffel)断片(米国特許第5,466,591号)、テルムスアフリカヌス(Thermus africanus)DNAポリメラーゼの突然変異体(米国特許第5,968,799号)、高度高熱菌DNAポリメラーゼの突然変異体(米国特許第5,624,833号及び第5,420,029号)、サーマス種spsl7(Thermus species sps17)及びサーマス種Z05(Thermus species Z05)のDNAポリメラーゼ(米国特許第5,466,591号及び第5,405,774号)の突然変異体が含まれる。5’〜3’ヌクレアーゼ欠損酵素はまたキメラ、すなわち、(例えば、米国特許第5,795,762号及び第6,228,628号に記載されるような)1種類以上に由来するドメインから構成され且つ5’〜3’ヌクレアーゼ活性を排除する突然変異を有する、キメラタンパク質である。
本明細書で使用する用語「Tm」は、「融解温度」に関して使用する。融解温度は、ホモ二本鎖又はヘテロ二本鎖中の二本鎖ポリヌクレオチド又は核酸塩基オリゴマー(例えば、ハイブリダイゼーション複合体)の集合の半分が、一本鎖に解離する温度である。二本鎖ポリヌクレオチドのTmの予想は、塩基配列並びにオリゴマーの結合の構造及び配列特徴並びに性質を含む他の要因を考慮する。Tmを予想及び実験的に測定する方法は、当技術分野で周知である。例えば、Tmは従来から融解曲線によって測定されており、その測定では二本鎖核酸分子は制御温度プログラムで加熱され、二本鎖中の2つの一本鎖の対合/解離の状態は、この2つの鎖が完全に解離される温度に達するまでモニタリング及びプロッティングされる。Tmは、この融解曲線から読まれる。あるいは、Tmはアニーリング曲線によって測定することができ、二本鎖核酸分子はこの2つの鎖が完全に解離される温度まで加熱される。その後、この温度は制御温度プログラムにおいて低下され、二本鎖中の2つの一本鎖の対合/解離の状態は当該2つの鎖が完全にアニールされる温度に達するまでモニタリング及びプロッティングされる。Tmは、このアニーリング曲線から読まれる。
本発明の実施では、他に記載のない限り、当業者の技術範囲内である化学、分子生物学、微生物学及び組換えDNA技術の従来技術を使用する。このような技術は、文献で十分に説明されている。例えば、Sambrook,Fritsch & Maniatisの、分子クローニング;実験マニュアル、第二版(1989);オリゴヌクレオチド合成(M. J. Gait, ed., 1984);核酸ハイブリダイゼーション(B. D. Hames & S. J. Higgins, eds., 1984);分子クローニングのための解説書(B. Perbal, 1984);及び酵素学の一連の方法(Academic Press, Inc.)を参照されたい。
本発明の詳細な説明
本発明は、蛍光プローブを使用してPCRをモニタリングするための方法を提供する。第一の態様において、本発明は、試料中の標的核酸を検出するための方法であって:
第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが選択的に標的核酸とハイブリッド形成する条件下で、試料を5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼ、及び第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブと接触させる段階であって、ここで第一のオリゴヌクレオチドプローブが蛍光レポーターを含み、且つ第二のオリゴヌクレオチドプローブがクエンチャーを含み、これにより第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される場合、蛍光レポーターの蛍光がクエンチャーによってクエンチングされ、第一及び第二のオリゴヌクレオチドが標的核酸とハイブリッド形成されない場合に、蛍光レポーターの蛍光がクエンチャーによってクエンチングされない、段階;
光源で蛍光レポーターを励起する段階;
第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される条件下で、蛍光レポーターの蛍光をモニタリングする段階;並びに、
第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される条件下で得られた蛍光を、プローブが標的核酸とハイブリッド形成されない場合に得られた蛍光と比較する段階、を含んでなる方法に関する。
本発明の方法において、光で励起された場合に、レポーター色素は蛍光を放出し、蛍光は直接モニタリングされる。クエンチャーは、レポーターに空間的に十分近い場合に、レポーターの蛍光を減弱する。これは、光によって励起された場合に、ドナーがFRETによるエネルギーを、蛍光を順々に放出するアクセプターに転移する、ドナー及びアクセプターを有する蛍光ハイブリダイゼーションペアを使用した先行技術の方法と異なる。その後、このアクセプターは、モニタリングされた当該蛍光を有する。本発明の方法のレポーターによって直接発光された蛍光をモニタリングすることによって、ドナーアクセプタープローブペアにおけるドナーの不要な高い蛍光バックグラウンドを回避できることを発明者は発見した。これは、ドナーを有する多くのオリゴヌクレオチドプローブが存在する、マルチプレックスアッセイにおいて特に有効である。また、エネルギー転移とは対照的に、多くのシグナル又は大きなシグナルダイナミックが直接的な励起から得られたことを発明者は発見した。
レポーター又はクエンチャーとしてFRETにおいて通常使用される分子には、例えば、フルオレセイン色素(例えば、FAM, JOE, 及びHEX)、ローダミン色素(例えば, R6G, TAMRA, ROX)、並びにシアニン色素(例えば, Cy3, Cy3.5, Cy5, Cy5.5, 及びCy7)が含まれるがこれらに限定されない。他の例としては、DABCYL及びEDANSが含まれる。蛍光色素がレポーター又はクエンチャーとして作用するか否かは、その励起及び放出スペクトルによって、並びにそれとペアが形成される蛍光色素によって確定される。例えば、FAMは488nmの波長を有する光によって最も効率的に励起され、500〜650nmのスペクトル、及び525nmの最大放出を有する光を放出する。FAMは、例えば、514nmに最大励起を有するクエンチャーとしてのTAMRAとの使用に適切なレポーター標識である。蛍光色素から吸収されたエネルギーを消散する非蛍光又はダーククエンチャー(dark quencher)の例としては、Biosearch Technologies,Inc.(Novato, CA, USA)によって販売されるブラックホールクエンチャー(Black Hole quenchers)(登録商標)が含まれる。ブラックホールクエンチャー(登録商標)は、置換又は非置換のアリール又はヘテロアリール化合物、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも3つのラジカルを含んでなる構造体であり、その中の少なくとも2つの残基が環外のジアゾ結合を介して結合されている(例えば, 2001年11月15日公開、国際公開第01/86001号のCook等の、タイトル「ドナーアクセプターエネルギー転移のためのダーククエンチャー」,を参照されたい)。他のダーククエンチャーには、アイオワブラッククエンチャー(Iowa Black quenchers)(例えば, Iowa Black FQ(登録商標)及びIowa Black RQ(登録商標))並びにイクリプス(Eclipse)(登録商標)ダーククエンチャー(Epoch Biosciences, Inc, Bothell, WA)が含まれる。クエンチャーの例は、例えば、2002年10月15日にHorn等によって発行された、タイトル「クエンチング可能な蛍光標識を有するオリゴヌクレオチドプローブ、及びこの使用方法」の米国特許第6,465,175号においてもまた提供される。
蛍光色素には、例えば、ローダミン色素、例えば、R6G、R1l0、TAMRA、ROX等、(米国特許第5,366,860号;第5,847,162号;第5,936,087号;第6,051,719号;第6,191,278号を参照)、フルオレセイン色素、例えば、JOE、VIC、TET、HEX、FAM等;6−カルボキシフルオレセイン;2’,4’,1,4,−テトラクロロフルオレセイン;及び2’,4’,5’,7’,1,4−ヘキサクロロフルオレセイン、米国特許第5,188,934号;第6,008,379号;第6,020,481号を参照、ベンゾフェノキサジン(米国特許第6,140,500号)、ハロフルオレセイン(halofluorescein)色素、シアニン色素(例えば, CY3, CY3.5, CY5, CY5.5, CY7, 等, Kubistaの国際出願公開第97/45539号を参照)、ボディピ(BODIPY)(登録商標)色素(例えば, FL, 530/550, TR, TMR, 等)、アレクサフルオロ(ALEXA FLUOR)(登録商標)色素(例えば, 488, 532, 546, 568, 594, 555, 653, 647, 660, 680等)、ジクロロローダミン色素、エネルギー転移色素(例えば, BIGDYE(登録商標)v1色素, B1GDYE(登録商標)v2色素, BIGDYE(登録商標)v3色素等)、ルシファー(Lucifer)色素(例えば, Lucifer yellow等)、カスケードブルー(CASCADE BLUE)(登録商標)、オレゴングリーン(Oregon Green)等が含まれる。蛍光色素のさらなる例としては、例えば、Hauglandの、Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes及びResearch Products, Ninth Ed.(2003)並びにこの最新のものにおいて提供されている。蛍光色素は、一般的に、例えば、Molecular Probes,Inc.(Eugene, OR)、Amersham Biosciences Corp.(Piscataway, NJ)、Applied Biosystems(Foster City, CA)等を含む様々な市販サプライヤーから容易に利用できる。
FRET標識技術は、リアルタイム増幅産物定量化において、また核酸プローブハイブリダイゼーションのモニタリングのためにも通常使用される。ある実施形態では、FRET標識システムは本発明のプローブと共に使用される。本発明は特定のFRETペアシステムに限定することを意図するものではない。当業者は、本発明のプローブと共に使用することができる広範囲のFRET標識を認識している。レポーター及びクエンチャーの蛍光エネルギー転移色素ペアには、例えば、米国特許第5,863,727号;第5,800,996号;第5,945,526号のもの及び検出可能なシグナルを生じることができる任意の他の蛍光標識が含まれる。
レポーター及び/又はクエンチャーとして使用することができる他の標識には、例えば、ビオチン、弱蛍光標識(Yin 等のAppl Environ Microbiol. 69(7):3938(2003), Babendure等のAnal. Biochem. 317(1)(2003):1, 及びJankowiak 等のChem Res Toxicol. 16(3):304(2003))、非蛍光標識、比色分析標識、化学発光標識(Wilson 等のAnalyst. 128(5):480(2003)及びRoda等のLuminescence 18(2):72(2003))、ラマン標識、電気化学標識、生物発光標識(Kitayama等のPhotochem Photobiol. 77(3):333(2003), Arakawa等のAnal. Biochem. 314(2):206(2003), 及びMaedaのI. Pharm. Biomed. Anal. 30(6):1725(2003))、並びに例えば2003年11月21日に出願の米国特許出願第10/719,257号に記載されるアルファメチルPEG標識試薬が含まれる。
オリゴヌクレオチドプローブの調製は、当技術分野で周知の方法によって実施することができる。当業者は、オリゴヌクレオチドプローブが標的核酸と選択的にハイブリッド形成する条件を規定することができる。さらに、蛍光レポーターを励起しモニタリングするための手段及び方法はまた、当技術分野で周知である。
本発明のある実施形態では、増幅には、ポリメラーゼ連鎖反応、すなわちテンプレート変性のリピートされたサイクル、オリゴヌクレオチドプライマーのテンプレートとのアニーリング(ハイブリダイゼーション)、及びヌクレオチド取り込み生体触媒によるプライマーの伸長が含まれる。ある実施形態では、アニーリング及び伸長は同様の温度段階で生じる。
ある実施形態では、増幅反応には、ホットスタートプロトコールが含まれる。アレル特異的な増幅という状況の中で、不適正な標的に関してのアレル特異的なプライマーの選択性は、ホットスタートプロトコールの使用によって増強される。多くのホットスタートプロトコール、例えば、クリティカル試薬(critical reagent)を反応混合物の残りから分離するためのワックスの使用(米国特許第5,411,876号)、抗体によって可逆的に不活性化された核酸ポリメラーゼの使用(米国特許第5,338,671号)、活性部位を特異的に化学結合するようにデザインされたオリゴヌクレオチドによって可逆的に不活性化された核酸ポリメラーゼ(米国特許第5,840,867号)、又は例えば米国特許第5,677,152号及び第5,773,528号に記載されるような、可逆的な化学変化を伴う核酸ポリメラーゼの使用は、当技術分野で周知である。
本発明のある実施形態においては、増幅アッセイはリアルタイムPCRアッセイである。リアルタイムPCRアッセイにおいて、増幅の測定は「閾値までのサイクル数」又はCt値である。早期のCt値は、閾値レベルの急速な達成を反映し、従ってより効率的な増幅を反映する。遅いCt値は、非効率的な又は抑制された増幅を反映する。リアルタイムPCRアッセイに関して、適合テンプレートと不適合テンプレートとの間のCt値の違いは、一定のアレル間の識別又はアッセイの選択性である。
核酸配列、RNA及びDNAいずれの増幅も、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,965,188号に記載される。好適な方法、典型的にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、各サイクルにおいて増幅された生成物を変性するために使用される温度に耐えることができる、熱安定性DNAポリメラーゼを使用して実施される。PCRは今日、当技術分野で周知であり、科学文献において広範囲に記載されている。例えば、PCR Applications((1999) Innis et al, eds., Academic Press, San Diego)、PCR Strategies((1995) Innis et al., eds., Academic Press, San Diego);PCR Protocols((1990) Innis et al., eds., Academic Press, San Diego)、及びPCR Technology((1989) Erlich, ed., Stockton Press, New York)を参照されたい。増幅方法のレビューは、Abramson and Myers((1993) Current Opinion in Biotechnology 4:41〜47)において提供される。
本発明の方法は、5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している1又は複数の核酸ポリメラーゼを利用する。5’〜3’ヌクレアーゼ欠損酵素としてもまた知られる、これらのポリメラーゼの多くは、当技術分野で周知である。実施例には、G46E E678G CS5ポリメラーゼ、G46E E678G CS6ポリメラーゼ、TMA−25ポリメラーゼ、TMA−30ポリメラーゼ、デルタ−ZO5ポリメラーゼ、及び米国特許第5,466,591号に記載のStoffel断片として周知のTAQ DNA ポリメラーゼの5’〜3’ヌクレアーゼ欠損突然変異体が含まれる。5’〜3’ヌクレアーゼ活性を有する酵素を使用する場合に、プローブ断片は、PCR中に切断される。これは2つの効果を有する:切断されたプローブは、post−PCR融解に関与することができずシグナル産生が減少することとなり、切断された蛍光DNA断片はより高く且つノイズのある蛍光ベースラインとなる。ヌクレアーゼ欠損酵素が使用される場合には、プローブは切断されず、増加されたシグナルダイナミック、及びノイズのより少ないベースラインを有するアッセイとなり、これによりローバスト(robust)且つ感度の高いアッセイとなる。
一定の実施形態では、本発明の方法は、試料中の1又は複数の種類を検出するために、マルチプレックスアッセイに応用される。典型的なマルチプレックスアッセイにおいて、2以上の異なる標的核酸配列を、各プローブペアが第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなる2以上のプローブペアを使用して検出し、ここで各第一のオリゴヌクレオチドプローブには異なるフルオロフォアが含まれ、各第二のオリゴヌクレオチドプローブには異なるクエンチャーが含まれ、対応するフルオロフォアをクエンチングすることができる。
図1は、同一のオリゴヌクレオチド上にレポーター及びクエンチャーを含んでなる二重標識されたプローブを使用した先行技術の方法の略図である。二重標識されたプローブは、単一ヌクレオチド多型(SNP)を含む標的とハイブリッド形成される。既に説明した通り、蛍光の二重標識されたプローブは典型的には、2つの異なる色素、すなわちレポーター及びクエンチャーで標識されたオリゴヌクレオチドから成り、特異的な標的核酸配列とハイブリッド形成することができる。レポーターは、光で励起された場合に蛍光を発光することができる分子であり、クエンチャーはレポーターによって発光された蛍光を吸収することができる分子である。このタイプの蛍光プローブで、プローブが標的核酸配列とハイブリッド形成される場合、又はPCR中にこれが切断される場合、蛍光は発光される。PCRのモニタリングは、PCRが行われる時間にわたり、蛍光の強度のモニタリングに基づく。より詳細には、プローブは標的核酸配列とハイブリッド形成されない場合、プローブはランダムコイル立体構造を想定し、レポーターは空間的にクエンチャーに十分に近接しているので、フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)はレポーターからクエンチャーに生じる。この場合において、光で励起される時、レポーターによって発光された蛍光はクエンチャーによって「クエンチングされ」、比較的小さい蛍光強度が認められる。プローブが標的核酸配列とハイブリッド形成される場合、プローブはもはやランダムコイル立体構造を有さず、レポーターとクエンチャーとの間の距離は大きくなり、従ってFRETは減少される。レポーターによって発光された蛍光は、クエンチャーによるクエンチングが少なくなり、比較的大きい蛍光強度が認められる。PCRの伸長段階中にDNAポリメラーゼによってプローブが切断される場合、レポーターはプローブから切断され、レポーター及びクエンチャーの間にFRETは生じない。結果として、蛍光強度はまた比較的大きい。このプロセスは、PCRのサイクル毎にリピートする。従って、蛍光強度の変化のモニタリングは、PCRを定量的にモニタリングするために使用することができる。
図2は、2つのオリゴヌクレオチドを含んでなる標識されたプローブペアを使用した先行技術の方法の略図であり、一方はドナーを有し、他方はアクセプターを有する。プローブペアは、単一ヌクレオチド多型(SNP)を含む標的とハイブリッド形成される。エネルギー転移ハイブリダイゼーションプローブペアが標的とハイブリッド形成される場合、ドナーは励起され、そのエネルギーをアクセプターへ転移し、これにより高い蛍光が生成される。逆に、直接励起のハイブリダイゼーションプローブペアが標的とハイブリッド形成される場合、レポーターの蛍光はクエンチャーによってクエンチングされ、蛍光は比較的低い。
図3は、標識されたプローブペアを使用した本発明の方法の略図である。プローブペアは、蛍光レポーターを含んでいる第一のオリゴヌクレオチドプローブ及びクエンチャーを含んでいる第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなる。プローブペアは、単一ヌクレオチド多型(SNP)を含有する標的とハイブリッド形成される。プローブペアが光で励起される場合、レポーターはクエンチャーに空間的に近接し、励起されたレポーターからクエンチャーへの転移又はエネルギーはFRETによって生じる。レポーターの放出は比較的弱い。プローブペアがハイブリッド形成されない場合、プローブペアが標的核酸とハイブリッド形成される場合よりも、レポーターとクエンチャーとの距離はより重要である。結果として、レポーターの放出は増加する。レポーターの放出及び強度変化のモニタリングは、試料についての分析を実施するために使用することができる。例えば、プローブペアは、一定の標的核酸配列を検出するめにデザインすることができる。レポーターによって発光された蛍光のモニタリングは、試料中の標的核酸の存在を示すことができる。これは、標的核酸が例えば疾患又は疾病の兆候となり得る、診断分野における複数の応用につながり得る。
図4は、レポーター及びクエンチャーが同一のオリゴヌクレオチド上に存在する、図1に示される先行技術のプローブタイプに由来するデータを表す。オリゴヌクレオチドが標的とハイブリッド形成される場合、レポーター及びクエンチャーは最大限に引き離され、蛍光シグナルは高い。温度が上昇するにつれてプローブが標的を融解する場合、プローブはランダムコイル立体構造の形をとり、レポーター及びクエンチャーは互いにより近くに移動し、蛍光が減少する。これは、図4の第一のパネル(a)において観察することができ、これは、ファクターVに関するポストPCRの融解アッセイにおける、温度に対する蛍光の生データである。このデータはまた「融解曲線」データとして周知である。第二のパネル(b)は、ネガティブな一次導関数の生データ、又は「融解ピーク」データを示し、プローブ融解温度(Tm)におけるピークを実験中の3つの標的に対して示され、この場合、これらの標的は、プローブに完全に適合し且つ最も高いTmを示す野生型標的、プローブに対して単一塩基不適正塩基対を有し低いTmを示す突然変異型標的、及び野生型及び突然変異型標的をいずれも等量で含み2つのピークを生じるヘテロ接合型標的である。
図5(a-b)は、図3に示される本発明のプローブペア由来のデータを示す。この場合において、レポーター及びクエンチャーは異なるオリゴヌクレオチド上にあり、そしてレポーターが励起され且つそのモニタリングされた蛍光を有する場合、蛍光変化は前例と逆方向にある。オリゴヌクレオチドがハイブリッド形成される場合には、レポーター及びクエンチャーは互いに近接し蛍光は低い。オリゴヌクレオチドが標的を融解する場合、色素は最大限に分離され蛍光は上昇する。これは、前例と同様に、ポストPCRの同一ファクターVアッセイの融解の生データを示す第一のパネル(a)において見ることができる。第二のパネル(b)は、生データのネガティブな一次導関数を示し、Tm値に関するネガティブピーク示す。
図4及び5に関するY軸の比較によって、プローブペア(図5)に関するシグナルの大きさは、単一プローブ(図4)のものより著しく高いことを確認することができる。これは、ネガティブ導関数曲線が同一のグラフ(図6)上にプロッティングされる場合に、より明確に確認することができる。
図6は、図4(b)及び5(b)に由来するデータを共に示す。ハイブリッド形成されたプローブペア由来のシグナルの大きさ(ネガティブ曲線)は、二重標識されたコントロールプローブ由来のもの{ポジティブ(positive)曲線}よりも約50%大きいことを確認することができ、これはより大きなシグナルダイナミックが得られることを意味する。
既に説明した通り、本発明の方法は、先行技術の検出方法の多くの欠点を克服する。大きなシグナルダイナミック、ひいては良好な精度が得られる。
本発明はまた、本発明の方法を使用することに有効であるキットを提供する。一定の実施形態において、キットは蛍光レポーターを含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、クエンチャーを含む第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなるので、第一及び第二のオリゴヌクレオチドが標的核酸とハイブリッド形成される場合に、蛍光レポーターの蛍光はクエンチャーによってクエンチングされる。任意には、キットは、紙製又は電子説明書及び蛍光のモニタリングを操作するためのソフトウェアを含んでなるコンピューター可読の媒体を含むことができる。コンピューター可読の媒体は、コンピューター又は例えばマイクロプロセッサーを含む他の装置によって読む又は解読することができるタイプとしてよい。
本発明はまた、本発明の方法の使用に有効である反応混合物を提供する。一定の実施形態において、反応混合物は試料中の標的核酸、蛍光レポーターを含む第一のオリゴヌクレオチドプローブ、クエンチャーを含む第二のオリゴヌクレオチドプローブを含んでなり、これにより第一及び第二のオリゴヌクレオチドが標的核酸とハイブリッド形成される場合に、蛍光レポーターの蛍光はクエンチャーによってクエンチングされる。典型的な反応混合物は、核酸の増幅のために使用される成分を含んでよい。
次の実施例は、本発明の範囲を本明細書に記載の実施形態に制限することなく、本発明を説明する。
これらの実施例において、本発明の方法は、プラスミドベクターの中にクローン化された、ライデン突然変異の部位を含むヒトファクターV遺伝子の領域を増幅するために使用した。本実施例において、非対称PCR試料マスターミックス(master mix)(100uL)は、:5%グリセロール;50mM トリシン、pH8.3;25mM 酢酸カリウム;200μM dATP,200μM dGTP,200μM dCTP,400μM dUTP;0.7μM 上流(過剰)プライマー;0.1μM 下流{限界(limiting)}プライマー;各プローブ0.4μM;0.04U/μL ウラシル−N−グリコシラーゼ;0.4U/μL ΔZO5 DNAポリメラーゼ;及び4mM 酢酸マグネシウムから構成された。
試料マスターミックスを、ファクターV野生型、突然変異型及び混合型プラスミドDNA標的を増幅するために使用した。過剰プライマーが、限界プライマー濃度の7倍過剰に存在し、結合するハイブリダイゼーションプローブに対して一本鎖増幅産物の過剰は確実である。増幅及び融解を、Roche LightCycler 480上で実施した。
実施例に使用した温度サイクリングプロフィールは:50℃で5分間(UNG段階);94℃で15秒間、続いて59℃で40秒間を2サイクル;次に91℃で15秒間、続いて59℃で40秒間を48サイクル、なお各59℃の段階中はデータ収集を行い;次に40℃〜95℃で1度ごとに3つのデータ取得を行う融解段階、であった。
上流プライマーの配列は、配列番号1、下流プライマーの配列は配列番号2であり、二重標識された融解プローブ(コントロール)の配列は配列番号3であり、アンカープローブの配列は配列番号4であり、そしてアクセプタープローブの配列は配列番号5であった。配列は、表1に示す。実験結果は、図4〜6に示す。
図4は、ドナー及びアクセプターを含んでなる蛍光プローブから得られた融解曲線(4a)及び融解ピーク(4b)を示す。図5は、レポーターを有するオリゴヌクレオチドと、クエンチャーを有するオリゴヌクレオチドとを含んでなる蛍光プローブペアから得られた融解曲線(5a)及び融解ピーク(5b)を示す。突然変異型、野生型及び混合型標的に関する異なる曲線は、いずれの図にも示される。図6は、図4(b)及び5(b)の蛍光データのオーバーレイを示す。
Figure 2012513191

Claims (16)

  1. 試料中の標的核酸を検出するための方法であって、
    a)第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸と選択的にハイブリッド形成する条件下で、上記試料を、5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼと、第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブとに接触させる段階であって、ここで当該第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される場合に、蛍光レポーターの蛍光がクエンチャーによってクエンチングされ、当該第一及び第二のオリゴヌクレオチドが標的核酸とハイブリッド形成されない場合には、蛍光レポーターの蛍光がクエンチャーによってクエンチングされないように、第一のオリゴヌクレオチドプローブが蛍光レポーターを含み、そして第二のオリゴヌクレオチドプローブがクエンチャーを含む、段階、
    b)蛍光レポーターを光源で励起する段階、
    c)第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される条件下で、蛍光レポーターの蛍光をモニタリングする段階、並びに、
    d)段階c)の蛍光を、第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成されない条件下で得られたものと比較する段階、
    を含んでなる方法。
  2. オリゴヌクレオチドプローブの少なくとも2つのペアが、マルチプレックスアッセイにおいて使用される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記レポーターが、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、FAM、JOE、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びEDANSから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記クエンチャーが、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、FAM、JOE、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びEDANSから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記クエンチャーがダーククエンチャーである、請求項1に記載の方法。
  6. 5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している前記核酸ポリメラーゼが、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)、サーマス種spsl7(Thermus species sps17)、サーマス種Z05(Thermus species Z05)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)及びサーマス・アフリカヌス(Thermus africanus)から成る群から選択される1又は複数の種に由来する、請求項1に記載の方法。
  7. 蛍光レポーターを含んでなる第一のオリゴヌクレオチドプローブ、
    第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される場合に、蛍光レポーターの蛍光をクエンチングすることに効果のあるクエンチャーを含んでなる第二のオリゴヌクレオチドプローブ、並びに、
    5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼ、
    を含んでなる、試料中で標的核酸を検出するためのキット。
  8. 前記レポーターが、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、FAM、JOE、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びEDANSから成る群から選択される、請求項7に記載のキット。
  9. 前記クエンチャーが、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、FAM、JOE、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びEDANSから成る群から選択される、請求項7に記載のキット。
  10. 前記クエンチャーがダーククエンチャーである、請求項7に記載のキット。
  11. 5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している前記核酸ポリメラーゼが、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)、サーマス種spsl7(Thermus species sps17)、サーマス種Z05(Thermus species Z05)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)及びサーマス・アフリカヌス(Thermus africanus)から成る群から選択される1又は複数の種に由来する、請求項7に記載のキット。
  12. 試料中の標的核酸、
    5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している核酸ポリメラーゼ、
    蛍光レポーターを含んでなる第一のオリゴヌクレオチドプローブ、並びに、
    第一及び第二のオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸とハイブリッド形成される場合に、蛍光レポーターの蛍光をクエンチングすることに効果のあるクエンチャーを含んでなる第二のオリゴヌクレオチドプローブ、
    を含んでなる反応混合物。
  13. 前記レポーターが、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、FAM、JOE、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びEDANSから成る群から選択される、請求項12に記載の反応混合物。
  14. 前記クエンチャーが、フルオレセイン色素、ローダミン色素、シアニン色素、FAM、JOE、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びEDANSから成る群から選択される、請求項12に記載の反応混合物。
  15. 前記クエンチャーがダーククエンチャーである、請求項12に記載の反応混合物。
  16. 5’〜3’ヌクレアーゼ活性が実質的に欠如している前記核酸ポリメラーゼが、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)、サーマス種spsl7(Thermus species sps17)、サーマス種Z05(Thermus species Z05)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)及びサーマス・アフリカヌス(Thermus africanus)から成る群から選択される1又は複数の種に由来する、請求項12に記載の反応混合物。
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