JP2012511898A - リボフラビンの生産方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、リボフラビン(以下、ビタミンB2とも称する)をバイオテクノロジーにより発酵生産するための方法および手段、ならびにこの方法を実行するための手段、とりわけリボフラビン生産量が増加した修飾された微生物宿主細胞に関する。本発明はしたがって、宿主細胞のリボフラビン生産に関与する酵素活性の発現を制御するための新規な方法および手段を提供する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、リボフラビン(以下、ビタミンB2とも称する)をバイオテクノロジーにより発酵生産するための方法および手段、ならびにこの方法を実行するための手段、とりわけリボフラビン生産量が増加した修飾された微生物宿主細胞に関する。本発明はしたがって、宿主細胞のリボフラビン生産に関与する酵素活性の発現を制御するための新規な方法および手段を提供する。
リボフラビンは、フラビンモノヌクレオチド(FMN)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の前駆体分子である。これらは、生体細胞および生物体における多くの酵素的酸化還元反応の必須補因子である。リボフラビンはしたがって、食品産業および動物飼料産業における重要な添加物である。微生物および植物では、リボフラビンは通例、7つの酵素反応により、プリン代謝由来のグアノシン三リン酸(GTP)およびペントースリン酸経路由来のリブロース−5−リン酸から合成される。
年間、約4000トンのリボフラビンが、バイオテクノロジーにより様々な微生物で生産される。最も重要な宿主生物体は桿菌、とりわけバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)である。これらとは別に、下等真核生物を含む、他の微生物細胞も使用される。例は、生物体エレモテシウム・アシュビ(Eremothecium ashbyii)、アシュビア・ゴシッピー(Ashbya gossypii)、およびカンジダ・ファマタ(Candida famata)である。
リボフラビン合成のための既知のバイオテクノロジー方法は、とりわけリボフラビンの生産量および生産速度に関して、改善が必要である。したがって、とりわけ、微生物バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)に基づいた、改良された生産方法および改良された宿主細胞を提供する必要がある。これはとりわけ、宿主細胞におけるリボフラビン合成と関連がある代謝活性およびとりわけ酵素活性の、特に簡単で効果的な調節を可能にする手段の提供に関する。さらに、これは、特に野生型と比較してリボフラビン合成が増加した、修飾された宿主細胞の提供に関する。
本発明者は意外にも、転写因子CcpCが、リボフラビン生産速度に好ましい影響を与えることを発見した。CcpCは、LysR転写因子ファミリーに属し、トリカルボン酸回路(TCA)の酵素活性をコードする遺伝子、とりわけcitBおよびcitZを制御することが知られている。意外なことに、リボフラビン生産量は、転写因子CcpCの活性および/または細胞内濃度に直接左右されることが分かっている。CcpCの活性低下は、生産量の増加につながる。CcpCにより制御されることが知られているTCAにおける酵素活性は、リボフラビン合成の代謝経路と直接的な関係がないため、この結果は意外であり、現状技術からは予測できない。
バイオマス生産、すなわち、とりわけ本発明に従って修飾された細胞、とりわけCcpC−欠失細胞、たとえばバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)のccpCノックアウト形質転換細胞の増殖速度が、本質的に不変のままであることもまた意外であった。
本発明はしたがって、その細胞に存在するおよび/または細胞で発現される、CcpCタイプの転写因子および/またはその相同体またはオルソログの活性または濃度が変更されていること、とりわけ減少していることを特徴とする、修飾されたリボフラビン産生細胞または細胞株、原核細胞または真核細胞、とりわけ微生物細胞に関する。この修飾によって、細胞または細胞株は、リボフラビン生産増加が可能になる。
とりわけ、CcpCタイプの転写因子の発現および/または活性が、非修飾微生物または野生型微生物と比較して、好ましくは少なくとも25%減少している、修飾されたリボフラビン産生微生物を主張するものである。
好ましくは、前述の細胞または細胞株は、CcpCをコードする遺伝子が、全く発現されないか(発現抑制)または少なくとも減少した発現を示す(過小発現)かのいずれかであるように修飾されており、これが上記細胞/細胞株におけるCcpC蛋白質の欠如または低下/減少した活性につながる。細胞/細胞株は好ましくはCcpC欠失変異体または形質転換細胞、とりわけCcpCをコードする少なくとも1つの遺伝子のノックアウト変異体および/またはその相同体および/またはオルソログである。
これに関連して、「減少した」は、CcpC蛋白質、またはその相同体オルソログの、転写因子としての機能における、活性低下、とりわけ活性欠如、およびccpC遺伝子またはその相同体またはオルソログの、発現低下、とりわけ発現欠如、の両方を意味すると理解され、その結果として、細胞、とりわけCcpC−欠失細胞における遺伝子産物CcpCの低コピー数または低濃度を招く。発現減少は、非修飾(CcpC野生型)細胞/細胞株におけるccpC遺伝子の発現を基準にして少なくとも25%、好ましくは少なくとも50、75、80、90、95、98または100%の低下を意味すると理解される。この減少は、遺伝子の活性および対応する遺伝子産物の両者に関する。
したがって、本発明による細胞または本発明に従って修飾された細胞では、中でもccpC遺伝子および/またはその遺伝子産物は、たとえば桿菌、好ましくは生物体バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)で発現されるとき、特にCcpC野生型と比べて、抑制されている、「ノックアウト」である、または、その機能(活性)が損なわれている。
遺伝子または蛋白質活性を測定する様々な方法が、当業者に知られている。好適な方法は、たとえばノーザン・ブロットすなわちccpC遺伝子の活性を測定するための「遺伝子チップ」法の使用、およびCcpCに対する特異的抗体を用いるウエスタン・ブロットすなわち細胞内の蛋白質濃度を測定するための定量的「2−D SDS−PAGEゲル」である。転写因子、とりわけCcpCの活性はまた、たとえばcitBまたはcitZ等の、制御される遺伝子の対応結合部位で結合したCcpCの量が測定される「ゲルシフト」実験により、間接的に測定することもできる。ccpCの遺伝子発現を低下させることによって、結合されるCcpCの量も減少し、これは、ポリアクリルアミドゲルを用いたシグナルの定量的測定により分析することができる。これらの測定方法および他の測定方法は当業者に周知であり、また本発明の意味でのCcpC活性の測定に使用することができる。
本発明の実行に好適な細胞または細胞株(宿主細胞としてまとめる)は全て、ccpC遺伝子あるいはその相同体またはオルソログの発現を減少させることができる既知のリボフラビン産生細胞である。例は、原核細胞または真核細胞、好ましくはグラム陰性菌またはグラム陽性菌、とりわけたとえばバチルス(Bacillus)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)またはシュードモナス(Pseudomonas)等の微生物細胞である。バチルス(Bacillus)属、たとえば炭疽菌(Bacillus anthracis)、セレウス菌(Bacillus cereus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquifaciens)またはバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)の細胞が好ましく、たとえばバチルス・スブチリス(B.subtilis)168等のバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)が特に好ましい。
本発明に好適な特に好ましい宿主細胞は、バチルス・スブチリス(B.subtilis)RB50::[pRF69]であり、これは修飾されたリボフラビン(rib)オペロンをコードする、プラスミドpRF69の複数のコピー(たとえば約5〜約20コピー)を含み、その修飾は強力プロモーターPspo15の挿入であって、結果としてリボフラビン遺伝子の転写が強化される(菌株の構築およびリボフラビン合成を増加させるための培養条件に関しては、たとえば欧州特許第405370号明細書およびPerkins et al.,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.,22:8−18,1999を参照されたい)。バチルス・スブチリス(B.subtilis)RB50およびプラスミドpRF69はそれぞれ、ブダペスト条約の条項に従って、米国イリノイ州ペオリアの「アグリカルチュラル・リサーチ・カルチャー・コレクション(NRRL)、カルチャー・コレクション部門(“Agricultural Research Culture Collection”(NRRL),Peoria,IL,USA,Culture Collection Division)に番号(「寄託番号」)B18502で、また米国20108バージニア州マナッサスP.O.Box 1549の「アメリカ培養細胞系統保存機関」(“American Type Culture Collection”(ATCC),P.O.Box 1549,Manassas,VA20108 USA)に、番号(「寄託番号」)ATCC 68338で、寄託されている。
本発明の好ましい態様では、ccpC遺伝子における修飾は、バチルス(Bacillus)属の菌株、とりわけバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)で行われる。ここで好ましいのは、宿主細胞としてのバチルス(Bacillus)株、とりわけリボフラビンオペロンで調節解除されたバチルス・スブチリス(B.subtilis)株である。調節解除されたリボフラビンオペロンの例は周知であり、いわゆる「ribO」および「ribC」変異を含む。調節解除は、rib遺伝子の遺伝子発現強化を引き起こす。転写制御因子Spo0Aをコードする遺伝子が(過剰)発現される宿主細胞、とりわけバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)が特に好ましい。したがって、最も好ましい実施態様において、本発明はspo0A遺伝子の活性型が発現されるように変異させたバチルス・スブチリス(B.subtilis)RB50で実行される。
本発明に好適なさらなる微生物は、たとえば下記の供託場所を介して公的に入手可能である:ドイツ・D−38124ブラウンシュヴァイク・インホッフェンシュトラッセ7Bのドイツ・微生物および細胞培養コレクション(DSMZ)(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ),Inhoffenstrasse 7B,D−38124 Brunswick, Germany)、日本・292−0818千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8の「NITE生物遺伝資源センター」(以前は、日本532−8686大阪市淀川区十三本町2丁目17−85の「発酵研究所」、大阪(IFO)として知られていた)または米国43210オハイオ州コロンバス、オハイオ州立大学の「バチルス遺伝子ストックセンター(BGSC)」(“Bacillus Genetic Stock Center”(BGSC),The Ohio State University,Columbus,Ohio 43210 USA)。
本発明と関連して、前述の微生物は、「国際原核生物命名規約」に定められている、同一生理的特性を有するシノニムおよびバソニムも含む。本発明における微生物の命名法は、「国際原核生物分類命名委員会および国際微生物学連合細菌学・応用微生物学部門(International Committee on Systematics of Prokaryotes and the Bacteriology and Applied Microbiology Division of the International Union of Microbiological Societies)」により公的に承認され、優先権出願時に、「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology(IJSEM)」で公表されたものである。
本発明は、変異した、とりわけ非機能的な遺伝子に関する。本発明は、それらに由来する、変異した、とりわけ非機能的な転写物に関する。本発明はまた、それらに由来する、転移した、とりわけ非機能的な、ポリペプチド類にも関する。このような変異した構造物は本発明の意味で、CcpC野生型あるいはその相同体またはオルソログの機能が低下または阻害されている、遺伝子的に修飾された宿主細胞を提供するために特に好適である。
結果として、本発明による教示の必須要素は、宿主細胞におけるリボフラビン生合成を増加させるために、効果的な、すなわち有効な、ccpC遺伝子、CcpC転写物または翻訳された転写因子の細胞内濃度を低下させることである。CcpCあるいはその相同体またはオルソログの活性および/または細胞内濃度の低下は、それ自体、周知の方法で達成される。当業者は、いわゆるCcpC欠失変異体、すなわちccpCノックアウト変異体または形質転換細胞を獲得するのに適当な、バイオテクノロジーによる方法および手段を知っている。本発明はしたがって、本願明細書でさらに詳細に記述される望ましいバリアントおよび実施態様に限定されない。
本発明によれば、用語「変異」は何らかの遺伝子的修飾、すなわち、とりわけ分子レベルでの、非機能的な「変異した」遺伝子産物をもたらす核酸分子の修飾を意味するものと理解される。とりわけ、遺伝子産物の合成を妨げ、すなわちここではCcpCタイプの転写因子の合成を妨げ、および/または、CcpC野生型と比較して、変化した「変異した」アミノ酸配列を有し、またその機能が部分的にまたは完全に失われている、「変異した」または修飾されたポリペプチドの発現をもたらす、微生物のゲノムの変化を意味すると理解される。本発明による、遺伝子または遺伝子産物における変異は、転写、翻訳および該当する場合には翻訳後修飾から選択される、発現における少なくとも1つのステップに変化をもたらす。この変異は好ましくは、遺伝子配列内の少なくとも1つのヌクレオチドの点変異、欠失、置換、挿入および反転から選択される。しかし、遺伝子変異の方策は、これらの好ましい実施態様に限定されない。当業者は、遺伝子に変異を適所に配置するさらなる実行可能手段を知っている。本発明による変異の目的は、CcpCをコードする少なくとも1つの遺伝子の発現を抑制することである。それと関連した目的は、野生型と比べて低下した活性、とりわけ制御活性を示す、修飾された転写因子の、細胞における発現である。
「変異」は、遺伝子のコード配列の直接的な修飾のみならず、発現と関連した他の構造物または配列の修飾にも関する。これらは好ましくは、遺伝子のオペロンの構造物、とりわけ、排他的にそれらに限定されることを望まないが好ましくはプロモーター、制御因子、オペレーター、転写因子結合部位、ターミネーターおよびそれらの補因子から選択される、制御構造物を含む。
本発明と関連して、特に用語「機能関連の」、「機能的に類似した」および「機能的な」と関連した、「機能」は、転写因子が結合するオペレーター構造を有するオペロンまたは遺伝子の発現を制御するための、CcpC野生型、あるいはその相同体またはオルソログの、転写因子機能を意味すると理解される。蛋白質、とりわけたとえばCcpC等の転写因子の蛋白質の機能は、本発明では、活性としても表現され、その場合、CcpC野生型の転写因子機能は、100%の転写因子活性に相当する。活性を測定するための既知の好適な方法の選択は、上述の通りである。
本発明の主題は、ccpC遺伝子、ならびにその相同体およびオルソログを表す単離された核酸分子である。本発明は、とりわけ、ヌクレオチド配列で配列番号(SEQ ID No.:)1として表され、またたとえば生物体バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)で生じる、この遺伝子に関する。本発明はまた、たとえば、アミノ酸配列配列番号2で表される、その遺伝子産物(CcpC蛋白質)にも関する。遺伝子ccpCは、とりわけ、前述の好適な宿主細胞の1つ、好ましくはバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)におけるオペロンの一部である。相同な/オルソロガスなCcpC配列を発見する方法は、たとえばEMBL、Genbank、SwissProt等の好適なデータベースで、たとえば「BLAST」検索を実施することなど、当業者に周知である。これらの配列はCcpC野生型の役割を果たし、これが次には本発明に従って修飾され、適切な宿主生物体でのリボフラビン生合成の増加をもたらす。この野生型配列を含む微生物は、本発明に関連して、野生型微生物と呼ばれる。
本発明はしたがって、非変異(野生型)核酸分子が、
a)ヌクレオチド配列配列番号1を含むかまたはそれからなる、核酸分子;
b)アミノ酸配列配列番号2を含むかそれからなる、ポリアミノ酸分子(蛋白質)をコードする核酸分子;
c)a)またはb)の核酸分子と少なくとも70%の相同性を有する核酸分子;
d)ストリンジェントな条件下で、a)またはb)の核酸分子の1つとハイブリダイズする核酸分子;および
c)CcpCタイプの転写因子の機能/活性を有する蛋白質をコードし、変異した核酸分子が、CcpC野生型の活性と比較して、CcpC蛋白質の活性低下をもたらす少なくとも1つの遺伝子変異を示す、a)またはb)による核酸分子の断片および/または類似体、
からなる群から選択される、
とりわけ、CcpCタイプあるいはその相同体またはオルソログに由来する、「変異した」転写因子をコードする、−好ましくは単離された−変異した(修飾された)核酸分子に関する。
上述の通り、好ましい実施態様では、ccpC遺伝子は完全にノックアアウトされている(いわゆるノックアウト変異)。
本発明のさらなる主題は、
a)少なくともアミノ酸配列配列番号2を含むかそれからなるポリアミノ酸分子;
b)上記の特徴を有する核酸分子によりコードされるポリアミノ酸分子;
c)a)またはb)の分子と少なくとも70%の相同性を有するポリアミノ酸分子;および
d)CcpCタイプの転写因子の機能を有する、a)またはb)のポリアミノ酸分子の少なくとも1つの断片および/または類似体、
からなる群から選択される、ポリアミノ酸分子(蛋白質またはポリペプチド)、好ましくは、単離物として存在する分子であって、
ここでa)〜d)の蛋白質は野生型CcpCであり、−上述の通り−修飾されて、その結果として転写因子としての活性が低下する。
本発明はまた、それぞれ、好ましい配列番号1または配列番号2において、かなりの配列同一性、すなわち、とりわけかなりの「相同性」を示す、このような核酸分子または蛋白質にも関する。本発明によれば、これは、少なくとも70%の相同性、好ましくは少なくとも75%、特に好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%および少なくとも98%の配列同一性を意味すると理解される。好ましくは、配列は、全長にわたる、それぞれ、配列番号1または配列番号2との同一性に関する。好ましいバリアントでは、前述の配列同一性は、専ら、配列番号1および配列番号2の配列の機能関連領域に関する。このような領域の例は、ccpC遺伝子におけるDNA結合ドメインである。当業者は、これらの遺伝子領域を同定するためのプログラムを知っている。
核酸分子間の「相同性」に関して、「ストリンジェントな条件」下でのハイブリダイゼーションを、1つの基準として理解することができる。「ストリンジェントな条件」について、たとえばManiatis et al.,1989:“Molecular cloning,a laboratory manual”,2nd Edition,Cold Spring Harbours Laboratory,N.Y.に記述されているような既知の技術的背景を参照すると、「ストリンジェントな条件」は、実際の配列によって異なる。通例、これは、特定配列の融点より5〜10K低いハイブリダイゼーション温度を意味すると理解され、この温度で、配列同一性50%の相補的プローブが、標的配列にハイブリダイズする。少なくとも50%、60、70%または特に好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%〜90%、とりわけ、少なくとも95%の核酸配列が互いに相同である条件が好ましい。
実施例として示されたストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションの実施態様において、反応は、約45℃で、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)で実施され、続いて50℃で、好ましくは55℃で、特に好ましくは60℃で、殊に好ましくは65℃で、1×SSC、0.1%SDSで洗浄される。
たとえばジゴキシゲニン(DIG)で標識したプローブ等の、標識プローブを使用した、たとえば42℃で数日間、たとえば2〜4日間のインキュベーション、その後室温にて2×SSC、0.1%SDSで1回または複数回の洗浄ステップ、および65〜68℃の0.5×SSC、0.1%SDSまたは0.1×SSC、0.1%SDSでの少なくとも1回の洗浄ステップ等が続く、「高ストリンジェント条件」下でのハイブリダイゼーションが好ましい。とりわけ「高ストリンジェント条件」は、DIG標識プローブ(たとえば「DIG標識システム(DIG labeling system)」,Roche Diagnostics GmbH,68298 Mannheim,Germanyで調製)を使用して、たとえば「DigEasyHyb solution」(Roche Diagnostics GmbH)等に100μg/mlのサケ精子核酸を任意選択により添加した溶液中、または50%ホルムアミド、5×SSC、0.02%SDS、0.1%N−ラウリルサルコシンおよび2%「ブロッキング試薬」(Roche Diagnostics GmbH)を含有する溶液中、たとえば42℃にて2時間〜4日間のインキュベーション、続いて室温にて2×SSC、0.1%SDS中で5〜15分間、2回の洗浄、さらに65〜68℃にて0.5×SSC、0.1%SDS中、または0.1×SSC、0.1%SDS中で15〜30分間、2回の洗浄を含む。
本出願では、用語「相同性」または「パーセント同一性」は、互換的に使用される。2つの核酸またはアミノ酸配列が互いに「相同」または「同一」であるパーセンテージを決定するために、両配列を最適比較に合わせて調節する(したがって、たとえば2つの配列の最適アラインメントのために、一方の配列にギャップを導入する)。次いで、対応する位置のヌクレオチドを比較する。第1の核酸配列のある位置が、第2の配列の対応する位置において、同一ヌクレオチドで占められているのであれば、両分子はこの位置で同一であり、100%の相同性または同一性に該当する。2つの配列間の同一性のパーセンテージ値(パーセント同一性)は、両配列が共通して有する多数の同一位置の関数として表すことができる[すなわち%同一性=同一位置の数/位置の総数(すなわち重複位置)×100]。比較する配列は、好ましくは同じ長さを有する。相同性を決定するために、様々な既知のコンピュータープログラム、たとえば、Needleman and Wunsch(J.Mol.Biol.48,444−453,1970)のアルゴリズムに従って作動するGCGソフトウェアパッケージ(http://accelrys.com/で入手可能)のコンポーネントとしてのプログラム“GAP”が、当業者には利用できる。
本発明に関連して、用語「オルソログ」は、全て、1つの共通のオリジナル遺伝子から出発して生じた、異なる属の遺伝子を意味すると理解されたい。通常、これらのオルソロガスな遺伝子の機能は、進化の間ずっと保存される。これまで配列決定されていないゲノムで、における信頼できる遺伝子機能を予測できるためには、オルソログの同定が重要である。
これとは対照的に、本発明の意味で、実際に1つの共通遺伝子に由来するが、進化の過程で別の機能を獲得した遺伝子は、「相同体」と呼ばれる。
好ましい実施態様において、本発明は、とりわけ、転写因子CcpC、あるいはその相同体またはオルソログの結合親和性の活性を低下させる修飾、および/または、CcpC、あるいはその相同体またはオルソログに由来する修飾されたすなわち「変異した」遺伝子産物、すなわち低下した結合活性を示すか結合活性を全く示さない蛋白質が得られるというような、制御された遺伝子、とりわけ転写因子結合構造物の、および/またはその補因子の、オペロンとの、その相互作用、および/または制御された遺伝子またはオペロンと連結されるオペレーター構造物との相互作用を提供する。
好ましいバリアントでは、これは、修飾された「変異した」アミノ酸配列を有する、とりわけ修飾された蛋白質構造を有する遺伝子産物が得られるように、オリジナルccpC遺伝子(野生型)あるいはその相同体またはオルソログの直接的遺伝子修飾によって実施される。
代替または好ましくは付加的なバリアントでは、これは、転写、翻訳および該当する場合には翻訳後プロセシングから選択される、少なくとも1つの工程を修飾することにより、これらの工程と関連した少なくとも1つの分子構造またはこれらの補因子の特に好ましい修飾によって、実施される。これは、とりわけ、これらの工程の少なくとも1つに関与している構造物または配列と結合しかつ/または不活性化する少なくとも1つの構造物または構築物を使用して実行される。この構造物または構築物は、好ましくはアンチセンス構築物および抗体から選択されるが、排他的にそれらに限定されるものではない。
好ましくは、転写因子CcpC、あるいはその相同体またはオルソログの活性および/または濃度は、特異的インヒビターにより直接低下する。このような特異的インヒビターの例は、CcpC遺伝子、あるいはその相同体またはオルソログ、あるいは本発明による他の構造的に関係した核酸分子のアンチセンス構築物であって、それ自体周知でありかつ宿主細胞で発現される方法で、宿主細胞に一時的または安定的に導入される。
別の好ましい実施態様において、本発明は、とりわけ、転写因子CcpCおよびそれぞれその相同体またはオルソログの発現、濃度/活性、すなわちとりわけコピー数、および/または必要に応じて、とりわけ上記発現を減少させるかまたは完全に抑制するための、それらの補因子の発現、を減少させる、修飾を提供する。好ましいバリアントでは、これは、ccpC遺伝子あるいはその相同体またはオルソログのオペロンの直接的遺伝子修飾によって実行される。好ましいバリアントでは、このために、遺伝子の発現を調節するプロモーターの修飾が提供され、好ましくは過少発現が起こるかまたは発現が全く起こらないような、言い換えれば「ノックアウト」である。
代替のまたは好ましくは付加的なバリアントにおいて、これは、好ましくはとりわけ、これらの工程と関連した少なくとも1つの分子構造物またはこれらの補因子の、転写、翻訳および該当する場合には翻訳後プロセシングから選択される少なくとも1つの工程を調節することによって実行される。これらの中にはとりわけ、たとえば相同組換えによって、またそれ自体既知の方法でアンチセンス構築物を使用しても、得ることができる、ノックアウト変異も含まれる。
本発明による核酸またはアンチセンス構築物は、一般に知られている方法で宿主細胞に導入することができる。好ましい方法は、好ましくはエレクトロポレーション、洗剤または類似した手段による、および代わりにまたは好ましくは加えて弾道的方法(たとえば「遺伝子銃」)または類似した方法による、宿主細胞の細胞壁および/または膜の崩壊であるが、本発明はこれらの方法および手段に制限されない。
したがって、本発明の一態様は、本発明によるヌクレオチド配列をアンチセンス方向に有する、外的に生産されたとりわけ合成的に生産されたDNAまたはRNA分子であり、これを宿主細胞に導入することができる。これはとりわけ、アンチセンス方向に、この核酸分子の1つまたは複数のコピーを含むベクターを含む。
したがって、本発明の好ましい実施態様は、CcpC、あるいはその相同体またはオルソログの発現を抑制するために修飾される、修飾された微生物細胞である。一バリアントにおいて、細胞は、CcpC、あるいはその相同体またはオルソログの過少発現のために修飾される。好ましい実施態様では、細胞は、CcpCをコードする少なくとも1つの遺伝子のノックアウト変異体である。本発明はしたがって、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)のCcpCコード化遺伝子の相同体のノックアウト変異体である、修飾された細胞も含む。本発明はしたがって、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)のCcpCコード化遺伝子のオルソログのノックアウト変異体も含む。本発明はまた、CcpCおよびその遺伝子の、他の機能類似体のノックアウト変異体も含む。
宿主細胞の遺伝子修飾の代替のまたは好ましくは付加的なバリアントにおいて、遺伝子修飾は、CcpC転写因子の少なくとも1つの結合構造、および好ましくは数個の結合構造物、およびその断片で行われる。これらは、好ましくは宿主細胞においてCcpCにより制御される遺伝子のオペレーター構造物である。制御された遺伝子は、とりわけcitBおよびcitZであるが、本発明はそれらに限定されるものではない。本発明によれば、CcpCにより制御される遺伝子のオペレーター区域付近の、本発明により好ましく提供される少なくとも1つの変異を介して、遺伝子の転写に関する制御作用が低い程度まで起こるかまたは全く生じないように、転写因子のオペレーターへの結合が阻止されるかまたは低下する。転写因子およびとりわけそれらの転写因子の結合配列により制御される遺伝子のオペレーター区域の修飾方法は当業者に周知である。制御された遺伝子citBおよびcitZの結合配列ならびにccpC遺伝子それ自身における結合配列は、たとえば「バチルス・スブチリスにおける(Bacillus subtilis)転写制御のデータベース」(DBTBS;http://dbtbs.hgc.jp/を参照されたい)で公開/言及されている。ccpC遺伝子それ自身の制御配列における既知の結合配列の例は、開始コドンに対して、−10〜+15位(配列番号3)、とりわけ−5〜+10位(配列番号8)に位置する。citBの既知の結合配列は、開始コドンに対して−75〜−52位(配列番号4)、とりわけ−73〜−68位(配列番号9)または−64〜−60位(配列番号10)、ならびに−35〜−22位(配列番号5)または−35〜−17位(配列番号11)、とりわけ−27〜−22位(配列番号12)に位置し、またcitZの既知の結合配列は、開始コドンに対して、−11〜+5位(配列番号6)、とりわけ−11〜−8位(配列番号13)、および+21〜+44位(配列番号7)、とりわけ+23〜+26位(配列番号14)または+34〜+37位(配列番号15)に位置する。前述の既知の結合配列および対応するオペロンを、表1に記載する。
Figure 2012511898

本発明はしたがって、遺伝子(上記参照)の発現減少をもたらす、ccpC遺伝子に修飾/変異を含む修飾された宿主細胞に関する。しかし、さらなる実施態様では、ccpC遺伝子産物の結合配列に、好ましくは、配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15により上述した結合配列の1つに、修飾/変異を含み、それによってCcpCの結合が減少するように、宿主細胞を修飾することもできる。この結合減少は、上述の通り、CcpCの活性低下と理解すべきであり、野生型の活性と比較して少なくとも25%の活性低下が好ましく、これは少なくとも25%減少した結合に相当する。本発明はまた、本明細書に記載の意味で、宿主細胞におけるリボフラビン合成を制御する、とりわけ増加するための、その転写物およびそれから合成可能な蛋白質およびそのアンチセンス構築物の使用にも関する。変異の導入方法およびそれに続く結合活性の測定方法、たとえば「ゲルシフト」実験または「フットプリント」実験等の実行(たとえばManiatis et al.,1989:“Molecular cloning,a laboratorymanual”,2nd Edition,Cold Spring Harbours Laboratory,N.Y.を参照されたい)は、当業者に周知である。
本発明はまた、前述の分子および構造物への分子結合にも関する。本発明によれば、このような分子は、CcpC、あるいは相同体またはオルソログの機能または活性を修飾、とりわけ抑制するのに好適である。好ましくはこのような分子は、配列番号1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および配列番号15から選択されるヌクレオチド配列により限定できる構造物または分子の少なくとも1つ、とりわけオペレーター構造物に結合する。好ましくは、結合分子は、このようにして限定できる構造に対する特異的抗体である。
したがって、本発明の主題は、前述のポリアミノ酸配列または分子による1つに特異的に結合することができる、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。CcpCへの抗体の結合により、たとえばcitBまたはcitZ等の、制御すべき遺伝子におけるオペレーター配列への転写因子の結合が阻止される。
上述の修飾された核酸分子および修飾された宿主細胞は、リボフラビン合成を増加させるために使用される。本発明はしたがって、とりわけ下記のステップ:
a)本発明にしたがって修飾された宿主細胞の提供、
b)宿主細胞におけるリボフラビンの合成を可能にする、好適な培地中および好適な培養条件での、修飾された宿主細胞の培養、および任意選択的に、
c)修飾された宿主細胞および/または培地からの、リボフラビンの単離
を含む、バイオテクノロジーによるリボフラビン合成方法にも関する。
本発明の特別な態様は、前述の修飾された宿主細胞を用いたリボフラビンの発酵生産である。本発明によれば、用語「リボフラビン」は、リボフラビン、ならびにフラビンモノヌクレオチド(FMN)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ならびにそれらの前駆体分子(「前駆体」)、リボフラビン、FMNまたはFADの誘導体および/または塩類も含む。塩類の例は、とりわけリボフラビン−5−リン酸およびリボフラビン−5−リン酸ナトリウムである。リボフラビン、FMNまたはFADの前駆体分子および誘導体としては、たとえばDRAPP、5−アミノ−6−リボシルアミノ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−5’−リン酸、2,5−ジアミノ−6−リビチルアミノ−4(3H)−ピリミジノン−5’−リン酸、5−アミノ−6−リビチルアミノ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−5’−リン酸、5−アミノ−6−リビチルアミノ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン、6,7−ジメチル−8−リビチルルマジン(DMRL)およびフラボ蛋白質などが挙げられる。
リボフラビン発酵合成の一般的方法およびリボフラビン生合成、とりわけバチルス(Bacillus)での発酵合成、に関与する遺伝子は周知である(たとえば欧州特許第405370号明細書または“Ullmna’s Encyclopedia of Industrial Chemistry”,7th Edition,2007,Chapter:Vitaminsを参照されたい)。こうした方法は、本明細書に記載の修飾された宿主細胞を用いたリボフラビン合成にも応用することができる。
様々な基質を、リボフラビン合成のための炭素源として本発明による方法で使用することができる。特に好適な炭素源は、3、5または6個の炭素原子を有する化合物、たとえば、D−グルコース、グリセリン、「濃厚汁」、デキストロース澱粉、ショ糖またはリボースから選択することができる。好ましくは、炭素源はD−グルコースである。本明細書に記載の方法と関連した、用語「炭素源」、「基質」および「生産基質」は、互換的に使用される。
修飾された宿主細胞を用いたリボフラビン合成のための本発明による方法のための培地として、リボフラビン合成に適する全ての培地を使用することができる。これは一般に、たとえば塩類および基質を含み、また特定のpHを有する、水性培地である。基質がリボフラビンに変換される培地は、生産培地とも呼ばれる。
本発明と関連して「発酵」または「生産」または「発酵工程」は、当業者に周知の条件下の培地中での成長細胞の使用、および、これらが、当業者に周知の条件下で適切な培地中で成長した後、もはや成長していない細胞(いわゆる「休止細胞」)の使用の両方を指す。これらの成長中の細胞またはもはや成長していない細胞は、当業者に周知の条件下で、好適な基質をリボフラビンに変換するために使用される。
合成されたリボフラビンは、好適な方法により宿主細胞から得る/単離することができる。これは、たとえば、生産培地からのリボフラビンの分離を意味する。次いで、任意選択的に、得られたリボフラビンをさらに加工する、たとえば精製することができる。
修飾された宿主細胞を用いてリボフラビンを生産するための上記方法と関連して、微生物の増殖相は通常、有酸素条件下、適切な栄養を加えた水性培地中で行われる。培養は、たとえばバッチ法、フェドバッチ法、半連続法または連続法で行われ、フェドバッチ法または半連続法が好ましい。
宿主細胞に応じて、pH、温度および栄養培地、培養期間は、たとえば約10時間〜約10日間、好ましくは約4〜約7日間、特に好ましくは約2〜約6日間である。当業者は、選択された宿主細胞に最適の条件を知っている。
培養は、たとえば、約7.0、好ましくは約6〜約8、特に好ましくは約6.5〜7.5のpH、および約13℃〜約70℃、好ましくは約35℃〜約39℃、特に好ましくは約30℃〜約39℃、とりわけ約36℃〜約39℃の適温で実施される。培地は通常、炭素源としてD−グルコース、グリセリン、「濃厚汁」、デキストロース、澱粉、ショ糖またはリボースを、またたとえばペプトン、酵母エキスまたはアミノ酸等の窒素源を含む。加えて、塩類、たとえば硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムが存在してもよい。バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)の細胞を使用したリボフラビンの発酵生産の一例は、国際公開第04/113510号パンフレット(VF培地)に記載されており、これを参照により本明細書に援用する。本方法は、好ましくは本発明に使用されることが望ましい。
転写因子CcpCの活性における修飾により、上述の通り、(修飾された)宿主細胞は、増加したリボフラビン合成ができる。本発明による宿主細胞、とりわけ菌株バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)の、リボフラビン生産量は、非修飾細胞すなわち野生型細胞のリボフラビン生産量と比較して、少なくとも10%増加することができる。少なくとも20%、とりわけ少なくとも30%、40%、50%、60%、80%およびそれ以上の増加が好ましい。リボフラビンの生産量/生産性を測定するための分析方法は周知である。HPLCまたは指示菌株(たとえばBretzel et al.,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.22,19−26,1999を参照されたい)の使用が、その例である。発酵が行われた後、生産されたリボフラビンを、既知の方法で他成分(培地、バイオマス等々)から分離し、精製して濃度測定し、野生型菌株で対照反応を実施する。
「生産」または「作製」および「生産性」等の用語は当業者に周知であり、所与の時間および所与の発酵体積で形成されるリボフラビン濃度(たとえば、時間当たりリットル当たりのkg生成物)を含む。用語「生産量」は当業者に周知であり、炭素源の生成物への、すなわちリボフラビンへの変換効率を含む。生産量は一般に、炭素源kg当たりの生成物kgとして表現される。本発明と関連して、「生産量および/または生産性」の増加は、所与の期間中の所与の培養体積で得られる分子の量の増加を意味する。
[実施例]
使用したが記載されていない培地は全て、国際公開第2007/051552号パンフレットに記述されている。
100×微量元素溶液A:MgCl・6HO 12.5g;CaCl 0.55g;FeCl・6HO 1.35g;MnCl・4HO 0.1g;0.17g/l ZnCl;CuCl・2HO 0.043g;CoCl・6HO 0.06g;NaMoO・2HO 0.06g;HOで1リットルにする、加圧滅菌。
5×最小塩類溶液:0.057M KSO;0.31M KHPO・5HO;0.22M KHPO;0.017M クエン酸Na・7HO;0.004M MgSOO、pH7.0、加圧滅菌。
100×微量元素溶液B:CaCl 0.55g;ZnCl 0.17g;CuCl・2HO 0.043g;0.06 CoCl・6HO;NaMoO・2HO 0.06g;HOで1リットルにする、加圧滅菌。
リボフラビンスクリーニング培地(RSM):10×スピッツァイツェン(Spizizen)塩類 200ml;100×微量元素溶液A 10ml;50%グルコース 2ml;25%ラフィノース 36ml;10%酵母エキス 10ml;HOで1リットルにする。
スピッツァイツェン(Spizizen)最小培地(SMM):10×スピッツァイツェン(Spizizen)塩類 100ml;50%グルコース 10ml;40%グルタミン酸ナトリウム 1ml;微量元素溶液A 10ml;HOで1リットルにする。
振盪フラスコ内でのリボフラビン生産は、以下の通りに試験した:凍結グリセリンストックから開始してVY培地5mlを接種し、振盪(280rpm)しながら37Cで6〜8時間培養した。培養5mlを、250mlフラスコ内のRSM培地25mlの接種にそのまま使用した。振盪(220rpm)しながら、39Cで48時間インキュベートした後、培養液500μlを4N NaOH 35mlで処理し、1分間、激しく振った。この試料を、リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)465mlで処理し、13200rpmで5分間、遠心分離した。リボフラビン、6,7−ジメチル−8−リビチルルマジン(DMRL)およびオキソルマジンの含量をHPLCで測定した。第2の培養試料を遠心分離し(5分、13200rpm)、その上澄を、残余グルコースおよびラフィノースの測定に使用した。数値の決定により、生産量を算出することが可能になった。
振盪機培養試料をHPLCで分析した。クロマトグラフィは、平衡化オートサンプラー、ダイオードアレイおよび蛍光検出器を具備した、Agilent 1100 HPLCシステムで実施した。分離は、4mm LC−8DB ガードカラムを具備したSupelcosil LC−8DB 5μカラム(150mm×4.6mm)で実行した。0.1M酢酸およびメタノールの混合物を移動相として使用した。溶出は、勾配を用いて実施した。2%メタノールの濃度で5分後、メタノール濃度を15分で50%まで上げた。カラムを、20Cで平衡化した。280nmにおけるUVシグナルを検出に使用した。15.2分後に、孤立ピークとしてリボフラビンを検出した。Flukaからのリボフラビンで本法の較正を実施したところ、10mg/lから1g/lまで直線状であった。培養ブロスからのグルコースおよびラフィノースを測定するために、クォータナリ(quaternary)ポンプ、オートサンプラー、屈折率検出器を取り付けた、Agilent 1100 HPLCシステムも使用した。分離は、ShiseidoからのCAPCELL PAK NH2 UG80カラム(4.6mm×250mm、5μ)で遂行した。至適カラム温度は35Cであった。移動相は、比率65/35の、アセトニトリルと脱イオン水との混合物であった。流量は、1ml/分に設定した。注入量は5μlであった。屈折率検出器シグナルを、検出に使用した。本法は、濃度0.5g/l〜30g/lに使用することができた。
[実施例1]
CcpCの活性の変化を伴うリボフラビン生産量のシミュレーション
本発明による活性変化、とりわけ転写因子CcpCの活性低下を伴う、宿主細胞におけるリボフラビン合成の代謝フラックス分布を予測するために、第1ステップで、CcpCの活性変化を確認し、CcpCにより制御される遺伝子に及ぼすそれらの影響を、「Network Component Analysis」(NCA)および遺伝子発現時系列で定量化した。転写因子活性の影響を予測するために、開始フラックス分布の制御されたフラックスを転用し、次いで、二次凸最適化により、新しい代謝流れ分布を算出する。例として、グルコースを用いた好気生育中に、リボフラビン産生バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)菌株を使用して、シミュレーションを実施した。
1未満のCcpC活性を有する変異体(AF<1、たとえばノックアウト変異体)は、野生型(AF=1)と比べて著しく増加したリボフラビン生産量、すなわち、0.02(グルコース1g当たりのリボフラビンg)に比して、生産量0.05を示す。
[実施例2]
CcpC−欠損菌株の発生
宿主細胞バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)における転写因子CcpCのノックアウト変異体を作製するために、バチルス・スブチリス(B.subtilis)のゲノムのオリジナルccpC遺伝子座に、抗生物質耐性遺伝子カセットを導入した。
バチルス・スブチリス(B.subtilis)168のゲノムDNAからPCRを用いて増幅しておいた2つのDNA断片を、第3のPCRで、ネオマイシン耐性遺伝子カセットと結合した(Itaya et al.,1989,A neomycin resistance gene cassette selectable ina single copy state in the Bacillus subtilis chromosome,Nucleic Acids Res.17:4410)。遺伝子ccpCの5’領域および3’領域に相同な、2つの断片を作製するために、以下のPCRを実施した:50μl中に、5’−相同断片、バチルス・スブチリス(B.subtilis)168由来のゲノムDNA 100ng、プライマーp436(配列番号16)の100μM溶液1μl、プライマーp439(配列番号17)の100μM溶液1μl、10mM dNTP溶液1μl、10×緩衝液5μlおよびPfuポリメラーゼ(Stratagene)0.5μl。PCR反応は、35サイクルの(i)94℃で30秒間の変性;(ii)52℃で30秒間のアニーリング;(iii)72℃で1分間の増幅;で構成されていた。実際のPCR反応前に、鋳型DNAを95℃で3分間変性した。3’DNA断片の場合には、プライマー対プライマーp437(配列番号18)およびプライマーp438(配列番号19)を使用した。プライマー対p9(配列番号20)およびp10(配列番号21)と同一条件下で、ネオマイシン耐性遺伝子カセットをコードするDNA断片を作製した。第4のPCRで、3つのDNA断片は、それらの相同な、重複領域により結合された。このために、アガロースゲル電気泳動法で精製したDNA断片各50ngを使用した。上述のPCR条件と比較して、増幅時間を2.5分に増加した。他のパラメータは全て、不変であった。プライマー対として、プライマーp45およびp51を使用した。結果として得られたPCR産物は、QiagenからのQiaQuick PCR精製キットを用いて精製した。コンピテントなバチルス・スブチリス(B.subtilis)168細胞を、精製産物2μgで形質転換した。2mg/lネオマイシンを含有するTBAB培地で、ネオマイシン耐性コロニーの選択を実施した。さらなるPCR(前述の条件下、プライマー対p45およびp10)を用いて、選択されたネオマイシン耐性形質転換細胞の遺伝子型を確認した。陽性の形質転換細胞1個は、BS5878と名付けられた。
[実施例3]
選択されたリボフラビン過剰生産菌株へのccpCノックアウトのトランスファー
リボフラビンを過剰生産する選択されたバチルス・スブチリス(B.subtilis)菌株にccpCノックアウトをトランスファーするために、ファージPBS−1による形質導入を使用した(国際公開第07/051552号パンフレット、実施例6を参照されたい)。菌株BS5878のPBS−1ファージ溶菌液を作製した。形質導入に使用したリボフラビン生産株BS3914およびBS3917は、以下の通りに作製した:菌株BS3914およびBS3917は、リボフラビン−過剰生産菌株BS3534の子孫である(BS3534の構築に関しては、国際公開第2007/051552号パンフレットを参照されたい)。BS3534は、欧州特許第405370号明細書に記載され、またNRRLB−18502の番号で寄託された、菌株バチルス・スブチリス(B.subtilis)RB50に基づく。菌株BS3914およびBS3917において、リボフラビン遺伝子座に組み込まれたプラスミドpRF69を、ネオマイシン耐性遺伝子カセットに置き換えた。対応するPCR産物を作製するために、上述のPCR法を使用した。PCR産物は、バチルス・スブチリス(B.subtilis)168のゲノムDNA上のリボフラビンオペロンプロモーター(プライマー対p50;配列番号22およびp51;配列番号23)から上流に526bp長の3’領域、およびPCRを用いてネオマイシン耐性遺伝子カセット(プラスミドpUB110上のプライマーp9およびp10)と融合させた、バチルス・スブチリス(B.subtilis)168のゲノムDNA上のribD遺伝子(プライマー対p44;配列番号24およびp45;配列番号25)における502bp長の5’領域からなる。正確な反応条件は、さらに上に記述されている。精製したPCR産物を、コンピテントなバチルス・スブチリス(B.subtilis)168細胞の形質転換に使用した。選択は、100mg/lリボフラビンおよび2mg/lネオマイシンを含有するTBABプレートで行われた。成長したコロニーの遺伝子型は、PCRおよび配列決定を用いて確認した。確認され、単離された1つの形質転換細胞は、BS3813と名付けられた。菌株BS3534に構築物をトランスファーするために、BS3813のPBS−1ファージ溶菌液を作製した。このように作製された菌株は、BS3798と名付けられた。
次のステップで、リボフラビン栄養要求菌株BS3813のネオマイシン耐性カセットを、再度、機能性リボフラビンオペロンに置き換えた。陽性の形質転換細胞/形質導入体を選択するために、最小培地プレート(1×無機塩溶液−微量元素溶液に溶解した2g/lグルコース)を使用した。修飾されたプロモーター/mRNAリーダー配列において、自然のプロモーターをバチルス・スブチリス(B.subtilis)のveg遺伝子のプロモーターに置き換えた。加えて、リーダー領域のシトシンを、チミジンに置き換えた(配列番号26)。菌株BS3813のコンピテント細胞を、配列番号26による配列を有するDNA断片で形質転換した。形質転換細胞はまた、リボフラビンを添加しない培地で成長する能力を有していた。成長したコロニーの遺伝子型を、PCRで確認し、続いて配列決定した。確認したコロニー1つは、BS3953と呼ばれた。菌株BS3953のPBS−1ファージ溶菌液を、BS3798の形質導入に使用した。選択は、上述の通りに実施した。2タイプの形質導入体を単離した。第一の場合には、BS3798の不活性化したspo0A遺伝子は、野生型対立遺伝子に置き換えられていなかった。確認された形質導入体1つは、BS3914と名付けられた。第2の場合、不活性化されたspo0A遺伝子は、形質導入中にDNAの大断片をトランスファーしたことにより、活性な野生型に置き換えられていた。試験したSpo0A陽性変異体1つは、BS3917と名付けられた。
BS3914およびBS3917に、BS5878由来の溶菌液を形質導入した。再度、2mg/lネオマイシン含有するTBABプレートで選択を行った。選択した形質導入体の遺伝子型を、前述のPCRで確認した。菌株BS3914の形質導入から確認された形質導入体5つは、BS5891、BS5893、BS5894およびBS5895と名付けられた。BS3917由来の4つの形質導入体はBS5887〜BS5890と名付けられた。
新しく作製された菌株のリボフラビン生産を、上述の通り振盪フラスコで試験した。48時間後、試料500μlを培養から採取し、4N NaOHで処理し、中和して、遠心分離後、HPLCで試料のリボフラビン濃度を測定した。生産量を算出するため、最終試料中の糖濃度も測定した。結果を、表2Aおよび2Bにまとめる。
Figure 2012511898

Figure 2012511898

菌株(BS3914)由来の形質導入体は、宿主菌株BS3914と同じ生産量で、リボフラビンを生産した。Spo0A−プラス菌株BS3917のccpCノックアウト菌株は、宿主菌株BS3917より著明に改善された生産量で、リボフラビンを生産した。BS3917自身でさえ、既述の条件で、Spo0A−マイナス菌株BS3914より有意に優れた生産量(25%)を示した。
活性なspo0A遺伝子を有するリボフラビン産生バチルス・スブチリス(B.subtilis)菌株において、ccpCの不活性化は、振盪フラスコ条件で、少なくとも20%の生産量の改善をもたらすと、結論することができる。
ccpCの部分的不活性化、すなわち、転写機能の縮小につながる、たとえば75%、50%または25%の活性縮小につながる、遺伝子配列への変異の導入、およびその後のリボフラビン濃度の測定により、野生型菌株と比較して約10〜最大20%の増加が認められた。こうした結果はまた、CcpCの結合配列(表1参照)への変異の挿入によって達成することもでき、それによって、結合親和性の減少に応じて、約25%のリボフラビン濃度の増加が達成される。上述の変異は、標準プロトコールに準じて挿入され、その後、既知の方法(Description参照)を用いて結合親和性または結合親和性の減少を測定することができ、また上述の通りにリボフラビンの量を測定することができる。

Claims (13)

  1. CcpCタイプの転写因子の発現および/または活性が、非修飾の微生物すなわち野生型微生物と比較して、好ましくは少なくとも25%減少していることを特徴とする、修飾されたリボフラビン産生微生物。
  2. 少なくとも1つの変異を、前記CcpCタイプの前記転写因子によって制御される少なくとも1つの遺伝子の1つまたは複数の結合配列に、好ましくは少なくとも1つの変異を、遺伝子citZおよび/またはcitBの結合配列に、含むことを特徴とする、請求項1に記載の微生物。
  3. 配列番号3、4、5、6、7またはそれらの断片、とりわけ配列番号8、9、10、11、12、13、14または15による配列に、少なくとも1つの変異を含むことを特徴とする、請求項2に記載の微生物。
  4. 前記Ccpcをコードする遺伝子がノックアウトされていることを特徴とする、請求項1または2に記載の微生物。
  5. a)ヌクレオチド配列配列番号1を含むかまたはそれからなる核酸分子;
    b)アミノ酸配列配列番号2を含むかそれからなるポリアミノ酸分子(蛋白質)をコードする核酸分子;
    c)a)またはb)の核酸分子と少なくとも70%の相同性を有する核酸分子;
    d)ストリンジェントな条件下で、a)またはb)の核酸分子の1つとハイブリダイズする、核酸分子;および
    c)前記CcpCタイプの転写因子の機能/活性を有する蛋白質をコードする、a)またはb)による核酸分子の断片および/または類似体;
    からなる群から選択される核酸分子を含み、
    a)〜c)による核酸分子が、CcpC蛋白質の活性減少、好ましくは、CcpC野生型の活性と比較して少なくとも25%の減少をもたらす、少なくとも1つの遺伝子変異を有する、
    ことを特徴とする、請求項1または4に記載の微生物。
  6. 非修飾微生物すなわち野生型微生物と比較して、少なくとも10%のリボフラビン生産量増加を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物。
  7. バチルス(Bacillus)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)およびシュードモナス(Pseudomonas)、好ましくは炭疽菌(Bacillus anthracis)、セレウス菌(Bacillus cereus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquifaciens)またはバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の微生物。
  8. 非修飾の微生物または野生型微生物におけるリボフラビン合成と比較して、とりわけ少なくとも10%、リボフラビン合成を増加させるための請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物の使用。
  9. 前記修飾される核酸分子が、
    a)ヌクレオチド配列配列番号1を含むかまたはそれからなる核酸分子;
    b)アミノ酸配列配列番号2を含むかそれからなるポリアミノ酸分子(蛋白質)をコードする核酸分子;
    c)a)またはb)の核酸分子と少なくとも70%の相同性を有する核酸分子;
    d)ストリンジェントな条件下で、a)またはb)の核酸分子の1つとハイブリダイズする、核酸分子;および
    c)前記CcpCタイプの転写因子の機能/活性を有する蛋白質をコードする、a)またはb)による核酸分子の断片および/または類似体;
    からなる群から選択されることを特徴とする、前記修飾が、前記転写因子機能の低下、好ましくは少なくとも25%の低下をもたらす、CcpCタイプの転写因子をコードする修飾された核酸分子の使用。
  10. 修飾される前記核酸分子が、前記転写因子の結合配列から選択されることを特徴とし、前記修飾が、前記CcpCタイプの転写因子の機能の減少、好ましくは少なくとも25%の減少をもたらすことを特徴とする、修飾された核酸分子の使用。
  11. 前記修飾された核酸分子が、配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14および15からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物の培養を含むことを特徴とする、リボフラビンを生産するための方法。
  13. a)請求項1〜7のいずれか1項に記載の好適な宿主細胞を提供するステップ、
    b)リボフラビン生産に好適な発酵条件で培養するステップ、および、
    c)前記培地および/または前記修飾された宿主細胞からリボフラビンを単離するステップ
    を含むことを特徴とする、リボフラビンを生産するための方法。
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