JP5364376B2 - 改変型トランスケトラーゼおよびその使用 - Google Patents

改変型トランスケトラーゼおよびその使用 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、改変型トランスケトラーゼ酵素を提供する。野生型トランスケトラーゼの代わりに改変型トランスケトラーゼの1つを合成する微生物は芳香族アミノ酸の原栄養体であり、ペントースリン酸経路によって同化される炭素源の使用において損傷される。修飾酵素およびそれをコードするポリヌクレオチドは、例えば、リボフラビン、リボフラビン前駆体、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)およびこれらの誘導体などの、生合成のための基質としてリボース−5−リン酸、リブロース−5−リン酸、またはキシルロース−5−リン酸を使用する物質のための発酵方法で使用することができる。これらは、リン酸ピリドキサール(ビタミンB)、グアノシンおよびアデノシン、ならびにこれらのヌクレオチドの誘導体の産生のためにも使用することができる。
リボフラビン(ビタミンB)は全ての植物および多くの微生物によって合成されるが、高等動物では産生されない。リボフラビンは、炭水化物の酵素酸化において必要とされるフラビンアデニンジヌクレオチドおよびフラビンモノヌクレオチドなどの補酵素の前駆体なので、基礎代謝にとって不可欠である。高等動物では、リボフラビンが不十分であると、脱毛、皮膚炎症、視力低下、および成長障害が起こり得る。
グアノシン三リン酸(GTP)およびリブロース−5−リン酸からのリボフラビンの生合成を触媒するのに必要とされる酵素は、枯草菌(B.subtilis)の4つの遺伝子(ribG、ribB、ribA、およびribH)によってコードされる。これらの遺伝子はオペロン内に位置し、その遺伝子配列順は、酵素により触媒される酵素反応の順序とは異なる。例えば、リボフラビン生合成の最初のステップを触媒するGTPシクロヒドロラーゼIIは、オペロン内の第3の遺伝子ribAによってコードされる。ribA遺伝子は、第2の酵素活性、すなわち、リブロース−5−リン酸から4炭素単位3,4−ジヒドロキシ−2−ブタノン4−リン酸(DHBP)への転化を触媒する3,4−ジヒドロキシ−2−ブタノン4−リン酸シンターゼ(DHBPS)もコードする。デアミナーゼおよびレダクターゼは、オペロンの第1の遺伝子ribGによってコードされる。リボフラビン生合成の最後から2番目のステップは、最後のrib遺伝子ribHの産物であるルマジンシンターゼによって触媒される。経路の最後のステップを制御するリボフラビンシンターゼは、オペロンの第2の遺伝子ribBによってコードされる。ribオペロンの3’末端に位置する遺伝子の機能は現在のところ不明であるが、その遺伝子産物はリボフラビンの合成に必要ではない。
ribP1プロモーターからのリボフラビンオペロンの転写は、ribP1とribGとの間に位置する調節リーダー領域を伴う減衰機構によって制御される。このリーダー領域内のribO変異は、リボフラビンオペロンの発現の調節解除を引き起こす。調節が解除された発現は、ribC遺伝子のミスセンス変異を含有する菌株においても観察される。ribC遺伝子は、枯草菌(B.subtilis)のフラビンキナーゼ/FADシンターゼをコードすることが示されている(マック(Mack)M.ら、J.Bacteriol.、180:950〜955頁、1998年)。調節解除変異はribC遺伝子産物のフラボキナーゼ活性を低下させ、その結果、リボフラビン調節系のエフェクター分子であるフラビンモノヌクレオチド(FMN)の細胞内濃度の低下が起こる。
リボフラビンの産生速度および収率が増大したリボフラビン産生菌株の操作は、これまで多数の異なる方法で達成されている。例えば、(1)古典的な変異誘発を用いて、選り抜きの生物体のゲノムにランダム変異を有する変異型が生成された後、プリン類似体に対するより高い耐性の選択および/またはリボフラビンの増大した産生のスクリーニングが行われた。(2)あるいは、リボフラビン生合成の末端酵素、すなわちグアノシン三リン酸(GTP)およびリブロース−5−リン酸からリボフラビンへの転化を触媒する酵素が過剰発現され、その結果、標的産物に向かってより高い流束も生じた。生合成経路(例えば、リボフラビンの生合成経路)内への、そしてそこからの代謝流束は、この特定の経路の律速酵素の比活性と、これらの酵素のための基質の細胞内濃度とによって決定される。飽和基質濃度以上の場合にだけ、酵素はその最大活性で作用することができる。飽和基質濃度は、各酵素に特有の特徴である。例えば、リブロース−5−リン酸の細胞内濃度を、リボフラビン生合成経路の推定律速酵素である3,4−ジヒドロキシ−2−ブタノン4−リン酸シンターゼの飽和基質濃度よりも高いか、あるいはできるだけ近接するように維持することによって、リボフラビン経路内への代謝流束を増大させるか、あるいは高レベルに保つことができる。リブロース−5−リン酸の高細胞内濃度は、例えば、ペントースリン酸経路の非酸化的部分を通るリブロース−5−リン酸の中央代謝への排液を阻止または妨害することによって達成することができる。
ペントースリン酸経路の非酸化的部分における重要な酵素は、リボース−5−リン酸およびキシルロース−5−リン酸からセデュヘプツロース(seduheptulose)−7−リン酸およびグリセルアルデヒド−3−リン酸への可逆的転化を触媒するトランスケトラーゼ酵素である。さらに、トランスケトラーゼは、フルクトース−6−リン酸およびグリセルアルデヒド−3−リン酸からキシルロース−5−リン酸およびエリトロース−4−リン酸への転化も触媒する(コチェトフ(Kochetov)G.A.1982年、「酵母、ラット肝臓、およびブタ肝臓からのトランスケトラーゼ(Transketolase from yeast, rat liver, and pig liver)」、Methods Enzymol.、90:209〜23頁)。
遺伝子をコードするトランスケトラーゼにノックアウト変異を有するトランスケトラーゼ欠乏性の枯草菌(Bacillus subtilis)株が、発酵ブロス中に蓄積するリボースを産生することは以前に報告されている(デ・ウルフ(De Wulf)P.およびE.J.バンダム(Vandamme)1997年、「発酵によるD−リボースの産生(Production of D−ribose by fermentation)」、Appl.Microbiol.Biotechnol.48:141〜148頁、ササジマ(Sasajima)K.およびヨネダ(Yoneda)M.1984年、「微生物によるペントースの産生(Production of pentoses by microorganisms)」、Biotechnol.and Genet.Eng.Rev.2:175〜213頁)。明らかに、トランスケトラーゼノックアウト変異体では、細菌の生理学的必要量を超えて過剰のリボースの分泌を導くレベルまで増大した細胞内C5炭素糖プールが達成され得る。
上記のように、トランスケトラーゼに触媒される反応は、3つのタンパク新生芳香族アミノ酸を誘導するエリトロース−4−リン酸を産生するためにも必要とされる。従って、トランスケトラーゼ欠乏性の微生物はこれらのアミノ酸の栄養要求体である。これらの微生物は、これらのアミノ酸またはその生合成前駆体、例えばシキミ酸が培地によって供給されるときにだけ増殖することができる。
芳香族アミノ酸またはシキミ酸に対する好ましくない栄養要求性に加えて、トランスケトラーゼ欠乏性の枯草菌(Bacillus subtilis)変異体は、グルコースでの増殖が非常に遅いこと、ホスホエノールピルビン酸依存性のホスホトランスフェラーゼ系の欠損、炭素異化産物抑制の調節解除、ならびに細胞膜および細胞壁組成物の変化というような多数の激しい多面発現効果を示す。(デ・ウルフ(De Wulf)P.およびE.J.バンダム(Vandamme)1997年)。
他のトランスケトラーゼ欠乏性のリボフラビン分泌枯草菌(Bacillus subtilis)株は、ゲルシャノビチ(Gershanovich)ら(ゲルシャノビチ(Gershanovich)VN、クカノバ(Kukanova)AIa、ガルスキナ(Galushkina)ZM、ステパノフ(Stepanov)AI(2000年)Mol.Gen.Mikrobiol.Virusol.3:3〜7頁)によって記載された。
さらに、米国特許第6,258,554B1号明細書には、トランスケトラーゼ活性が欠乏しているリボフラビン過剰産生コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)菌株が開示される。米国特許第6,258,554B1号明細書の開示から、原栄養復帰細胞が、野生型トランスケトラーゼ背景を有するC.グルタミクム(glutamicum)株と同様の量のリボフラビンを産生したので、トランスケトラーゼ活性の欠乏、およびその結果であるアミノ酸栄養要求性は、改善されたリボフラビンの生産性のために不可欠であったことに気付くことができる。
これらの不都合、すなわち芳香族アミノ酸の栄養要求性および上記のさらなる多面発現効果によって、トランスケトラーゼ欠乏性の変異体は、安定な工業過程(例えば、このような菌株内でのリボフラビンの工業生産など)のためにあまり好ましくない産生菌株であるとされる。
一般に、本発明の目的は、非改変型トランスケトラーゼよりも改変型トランスケトラーゼの触媒特性が高い細胞内リブロース−5−リン酸およびリボース−5−リン酸濃度を可能にするように修飾されるが、上記のトランスケトラーゼ欠乏性の菌株の不都合を有さないトランスケトラーゼ変異株を提供することである。
驚くことに、調節された比活性を有することによっていくらかの残留流束がペントースリン酸経路を通るようにする改変型トランスケトラーゼをコードする変異遺伝子で野生型遺伝子を置換することによって、例えば、枯草菌(Bacillus subtilis)などの微生物を遺伝的に変化させることによって、例えばリボフラビンなどの発酵産物の産生は、原栄養特性を失うことなく著しく改善され得ることが今や分かった。
本発明は、改変型トランスケトラーゼと、上記の特性を有する改変型トランスケトラーゼをコードする遺伝子を含むポリヌクレオチド配列と、このようなポリヌクレオチド配列によって形質転換された宿主細胞と、変異型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチドによって野生型トランスケトラーゼ遺伝子が安定的に置換されている宿主細胞に基づいて、例えば、リボフラビン、リボフラビン前駆体、FMN、FAD、リン酸ピリドキサールもしくはこれらの1つまたは複数の誘導体などの発酵産物を生物工学的に生産するための方法とに関する。
野生型トランスケトラーゼがこのような改変型トランスケトラーゼの1つによって置換された変異体を単離するための第1のステップとして、タンパク新生芳香族アミノ酸の栄養要求体であり、ペントースリン酸経路により同化される炭素源、例えばグルコナートでは増殖することができない欠失変異体が生成され得る。次に、トランスケトラーゼ欠失変異体は、様々なトランスケトラーゼ変異体をコードするDNA断片の混合物で形質転換され得る。原栄養形質転換体が単離され、その中から、グルコナートでの増殖速度の低下を示すものが選択される。この方法に従って単離された変異体は、栄養要求性増殖を防止するが、グルコナートの同化作用を妨げる役割を果たすために十分なエリトロース−4−リン酸の生合成を可能にする改変型トランスケトラーゼ酵素を合成することができる。さらに、枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼ欠失変異体で通常観察される望ましくない多面発現効果は防止され得る。米国特許第6,258,554B1号明細書には、栄養要求増殖から原栄養増殖への復帰と共に、リボフラビン分泌C.グルタミクム(glutamicum)トランスケトラーゼ変異体は、野生型トランスケトラーゼ遺伝子を含有する類似菌株よりも多くのリボフラビンを産生する能力を失うことが示される。本発明の実施例において示されるように、上記で概説したように単離された原栄養性枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼ変異体は、予想外にトランスケトラーゼ野生型親株よりも多くのリボフラビンを産生したが、トランスケトラーゼ欠失変異体は、そのリボフラビン産生能力の一部を失った。
DNA断片に変異を導入するための方法は当該技術分野においてよく知られている。例えば、トランスケトラーゼ変異体は、アミノ酸配列の適切な位置を選択するために例えば酵母トランスケトラーゼの利用可能な3D構造の1つを用いるタンパク質工学(リンドクビスト(Lindqvist)Y.、G.シュナイダー(Schneider)、U.エルムラー(Ermler)、およびM.サンドストローム(Sundstrom)、1992年、「2.5Aの解像度におけるトランスケトラーゼ、チアミン二リン酸依存性酵素の三次元構造(Three−dimensional structure of transketolase, a thiamine diphosphate dependent enzyme, at 2.5A resolution)」、Embo.J.11:2373〜9頁)によって、あるいはランダム変異誘発によって生成することができる。いずれの場合にも、選択工程は上記のように実行され得る。改変型トランスケトラーゼ(野生型トランスケトラーゼの置換として使用される場合)は触媒特性、すなわち調節された比活性を示し、ペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源(例えば、グルコナート)では、野生型トランスケトラーゼを含有する宿主細胞と比較して増殖速度が低下した宿主細胞の増殖を可能にする。これらの特性は、より高い細胞内リブロース−5−リン酸およびリボース−5−リン酸濃度ならびにペントースリン酸経路を通る残留流束を引き起こすので、栄養要求性の増殖を防止するために十分なエリトロース−4−リン酸が産生される。
本発明のために使用することができる「野生型酵素」または「野生型トランスケトラーゼ」には、本発明に従って変異体を設計するための出発点として使用される上記のトランスケトラーゼが含まれ得る。野生型トランスケトラーゼは、特に、大腸菌属(Escherichia)、バシラス属(Bacillus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、エレモテシウム属(Eremothecium)、カンジダ属(Candida)またはアシュビア属(Ashbya)、好ましくは、大腸菌(E.coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、B.リシェニフォルミス(licheniformis)、B.ハロドゥランス(halodurans)、S.セレビシエ(cerevisiae)、E.ゴシッピー(gossypii)、C.フラレリ(flareri)またはA.ゴシッピー(gossypii)、もしくは図1に示されるアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列を有する任意のトランスケトラーゼから選択される真核生物または原核生物、好ましくは真菌または細菌の起源を有し得る。最も好ましくは、トランスケトラーゼは枯草菌(Bacillus subtilis)に由来する。「相同」とは、図1に示されるアミノ酸配列の1つまたは複数に対して、少なくとも約50%同一、好ましくは少なくとも約60%同一、より好ましくは少なくとも約70%、80%、85%、90%、95%同一、そして最も好ましくは少なくとも約98%同一であるトランスケトラーゼを指す。「野生型」は、本発明との関連では、自然から誘導できるトランスケトラーゼ配列、および合成トランスケトラーゼ酵素の変異型(図1に示される配列のいずれか1つに対して相同である限りは)の両方を含み得る。「野生型トランスケトラーゼ」および「非改変型トランスケトラーゼ」という用語は、本明細書では同義的に使用される。
「%の同一性」という用語は、当該技術分野において知られているように、場合によってはこのような配列のストリング間の適合によって決定されるようなポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列の間の関連性の度合いを意味する。「同一性」は、既知の方法、例えばプログラムBESTFIT(GCG Wisconsin Package、バージョン10.2、米国92121−3752カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)、スクラントンロード(Scranton Road)9685のAccelrys Inc.)により、以下のパラメータ:ギャップ形成ペナルティー(gap creation penalty)8、ギャップ伸長ペナルティー(gap extension penalty)2(デフォルトパラメータ)を用いて容易に決定することができる。
本明細書で使用される「変異体」、「変異体酵素」、「変異酵素」または「変異体トランスケトラーゼ」または「改変型トランスケトラーゼ」は、本発明の教示に従って所与の野生型酵素/トランスケトラーゼ(上記の定義による)から誘導可能な変異型を意味し、宿主生物体/細胞の野生型遺伝子を置換するために使用される場合には、例えばグルコナートおよび/またはリボースにおける増殖に対して影響を与えなければならない。本発明の範囲では、どのようにして変異体が得られたかは関係なく、このような変異体は、例えば、細胞全体/生物体の部位特異的変異誘発、飽和変異誘発、ランダム変異誘発/定向進化、化学またはUV変異誘発などによって得ることができる。これらの変異体は、例えば、合成遺伝子を設計することによって生成することもできるし、インビトロの(無細胞)翻訳によって生じることもできる。比活性の試験のために、変異体は、当業者に既知の方法によって(過剰)発現させることができる。「変異体トランスケトラーゼ」、「改変型トランスケトラーゼ」または「変異型トランスケトラーゼ」は、本明細書では同義的に使用される。
「宿主細胞」は、所与の発酵産物を産生し、野生型トランスケトラーゼ、または本発明による改変型トランスケトラーゼをコードする核酸を含有することができる細胞である。適切な宿主細胞は、微生物の細胞を含む。
本明細書中で使用される場合、「比活性」という用語は、コチェトフ(Kochetov)(コチェトフ(Kochetov)G.A.1982年、「酵母、ラット肝臓、およびブタ肝臓からのトランスケトラーゼ(Transketolase from yeast, rat liver, and pig liver)」、Methods Enzymol 90:209〜23頁)において記載されるように適切に定義された反応条件下における野生型および変異体トランスケトラーゼ酵素の反応速度を示す。「比活性」は、定義された温度において所与の時間に、定義された量のタンパク質によって消費される基質および/または産生される産物の量を定義する。通常、「比活性」は、タンパク質1mgあたり1分間に消費される基質または形成される産物がμmolで表される。通常、μmol/分は、U(=単位)で略記される。従って、μmol/分/(タンパク質mg)またはU/(タンパク質mg)という比活性の単位の定義は、本明細書を通して同義的に使用される。本発明との関連では、比活性は、類似または好ましくは同一のポリペプチド鎖の長さに基づいて比較されなければならないことが理解される。
多くの変異は、グルコナートでの増殖が上記のように影響を受けるように、野生型トランスケトラーゼを変化させ得る。
本発明の目的は、上記で定義した特性を有する改変型トランスケトラーゼを提供することであり、改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列は、対応する非改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列と比較したときに少なくとも1つの変異を含有する。
少なくとも1つの変異は、付加、欠失および/または置換であり得る。
好ましくは、少なくとも1つの変異は少なくとも1つのアミノ酸置換であり、非改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列内に存在する所与のアミノ酸が、本発明の改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列内の異なるアミノ酸で置換される。改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列は、対応する非改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列と比較したときに少なくとも1つのアミノ酸置換を含有することができる。特に、本発明の改変型トランスケトラーゼは、配列番号2に示される枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼアミノ酸配列のアミノ酸位置357に相当するアミノ酸位置に少なくとも1つの変異を含有する。
さらなる実施形態では、改変型トランスケトラーゼは、対応するトランスケトラーゼのアミノ酸配列と比較したときに少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つの置換を含有する。例えば、改変型トランスケトラーゼは、対応する非改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列と比較したときに1〜10、1〜7、1〜5、1〜4、2〜10、2〜7、2〜5、2〜4、3〜10、3〜7、3〜5または3〜4のアミノ酸置換を含有する。
本発明の好ましい実施形態では、非改変型トランスケトラーゼは、配列番号2に示されるようなバシラス属(Bacillus)、好ましくは枯草菌(Bacillus subtilis)から得られる。対応するDNA配列は、配列番号1に示される。改変型トランスケトラーゼは、配列番号2の位置357に少なくとも1つの変異を含有し、上記の特性を有する改変型トランスケトラーゼをもたらす。
配列番号2において示されるアミノ酸357に相当する位置にある非改変型トランスケトラーゼの少なくとも1つのアミノ酸置換は、置換R357H、R357A、R357S、R357N、R357T、R357K、R357I、R357V、R357G、およびR357Lから選択され得る。
特に好ましい実施形態では、変異型トランスケトラーゼは、配列番号2に示されるアミノ酸配列のアミノ酸位置357に相当するアミノ酸位置に影響を与え、置換R357H、R357A、R357S、R357N、R357T、R357K、R357I、R357V、R357G、およびR357Lから選択され得る1つの置換からなる。
他の好ましい実施形態では、改変型トランスケトラーゼは、対応する非改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列と比較したときに少なくとも2つのアミノ酸置換を含有し、少なくとも1つの変異は配列番号2に示されるアミノ酸配列のアミノ酸位置357に相当し、置換R357H、R357A、R357S、R357N、R357T、R357K、R357I、R357V、R357G、およびR357Lから選択され得る。
非改変型トランスケトラーゼに存在するアミノ酸は、好ましくは、位置357のアルギニンである。非改変型トランスケトラーゼの配列内のアミノ酸は、位置357においてヒスチジン、アラニン、セリン、アスパラギン、リジン、スレオニン、ロイシン、グリシン、イソロイシンまたはバリンに変化され得る。好ましくは、配列番号2に示される配列の位置357に相当するアミノ酸位置における置換は、ヒスチジンによるアルギニンの置換、アラニンによるアルギニンの置換、セリンによるアルギニンの置換、ロイシンによるアルギニンの置換、リジンによるアルギニンの置換、アスパラギンによるアルギニンの置換、スレオニンによるアルギニンの置換、グリシンによるアルギニンの置換、イソロイシンによるアルギニンの置換、バリンによるアルギニンの置換からなる。
本発明の改変型トランスケトラーゼは、好ましくはそのN末端またはC末端において外来性アミノ酸を含み得る。「外来性アミノ酸」は、天然の(自然中に存在する)トランスケトラーゼには存在しないアミノ酸、好ましくは、天然トランスケトラーゼには存在しない少なくとも約3、少なくとも約5、または少なくとも約7の隣接するアミノ酸の一続きを意味する。好ましい外来性アミノ酸の一続きとしては、組換えで産生された改変型トランスケトラーゼの精製を容易にする「タグ」があげられるが、これらに限定されない。このようなタグの例としては、「His」タグ、FLAGタグ、mycタグなどがあげられるが、これらに限定されない。比活性の計算のために、これらの追加のアミノ酸に対して値を補正する必要がある(上記も参照)。
もう1つの実施形態では、改変型トランスケトラーゼは、対応する非改変型トランスケトラーゼのアミノ酸配列と比較したときに1つまたは複数、例えば2つの欠失を含有し得る。好ましくは、欠失は、対応する非改変型トランスケトラーゼのNまたはC末端アミノ酸に影響を与え、酵素の機能特性、例えば比活性をあまり低下させない。
本発明は、さらに、本発明による改変型トランスケトラーゼをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに関する。本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」は、未修飾RNAまたはDNAもしくは修飾RNAまたはDNAであり得るポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖、またはより一般的には二本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物であり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を含むが、これらに限定されない。「ポリヌクレオチド」という用語は、1つまたは複数の普通でない塩基、例えばイノシン、もしくは1つまたは複数の修飾塩基、例えばトリチル化塩基を含むDNAまたはRNAを含む。
本発明のポリヌクレオチドは、非改変型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を修飾することによって簡単に得ることができる。非改変型トランスケトラーゼ酵素をコードするこのようなポリヌクレオチド配列の例としては図1のアミノ酸配列があるが、これらに限定されない。好ましくは、非改変型トランスケトラーゼは、バシラス属(Bacillus)、特に枯草菌(Bacillus subtilis)に由来し、より好ましくは、配列番号2に示される非改変型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチドである。
非改変型トランスケトラーゼをコードするヌクレオチド配列内に変異(例えば、付加、欠失および/または置換)を導入するための方法としては、部位特異的変異誘発およびPCRに基づく方法があげられるが、これらに限定されない。
本発明のDNA配列は、例えば、ジェンバンク(Genbank)(Intelligenetics、カリフォルニア州、米国)、欧州生命情報学研究所(European Bioinformatics Institute)(Hinston Hall、ケンブリッジ、英国)、NBRF(ジョージタウン大学(Georgetown University)、メディカルセンター(Medical Centre)、ワシントンDC、米国)およびVecbase(ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)、バイオテクノロジーセンター(Biotechnology Centre)、マディソン、ウィスコンシン州、米国)から、あるいはインビトロの変異誘発法によって図1に開示される配列情報から入手可能であるような最新技術において知られているトランスケトラーゼ酵素をコードするゲノムまたはcDNA配列から構築され得る。(例えば、サムブルック(Sambrook)ら、「分子クローニング(Molecular Cloning)」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨークを参照)。また本発明の実施に適し得る所与のDNA配列の変異のもう1つの可能性は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いることによる変異誘発である。出発材料としてのDNAは、当該技術分野において既知の、例えばサムブルック(Sambrook)ら(分子クローニング)に記載されている方法によって、それぞれの菌株/生物体から単離することができる。しかしながら、本発明に従って構築/変異すべきトランスケトラーゼをコードするDNAは、例えば、当該技術分野において既知の方法による合成遺伝子の構築によって、既知のDNA配列に基づいても調製可能であると理解される(例えば、EP747483号明細書に記載される)。
本発明の完全なDNA配列が得られたら、当該技術分野において既知の、例えばサムブルック(Sambrook)ら(上記参照)に記載されている方法によって、これらをベクターに組み込む、あるいは宿主生物体のゲノムに直接導入して、適切な宿主系においてコード化されたポリペプチドを(過剰)発現することができる。しかしながら、DNA配列自体を用いて本発明の適切な宿主系を形質転換し、コード化ポリペプチドの(過剰)発現を得ることも可能であることは当業者には知られている。
好ましい実施形態では、本発明は、
(i)上記のような少なくとも1つの変異を有する改変型トランスケトラーゼをコードし、特定の改変型トランスケトラーゼ酵素のDNA配列のいずれかと標準条件下でハイブリッド形成する、例えば配列番号1によるDNA配列とハイブリッド形成するDNA配列、または
(ii)上記のような少なくとも1つの変異を有する改変型トランスケトラーゼをコードするが、遺伝暗号の縮重のためにハイブリッド形成せず、しかし本発明の特定の改変型トランスケトラーゼ酵素のDNA配列のいずれかと標準条件下でハイブリッド形成するDNA配列と正確に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNA配列、または
(iii)このような改変DNA配列の断片であり、ポリペプチド(これの断片である)の活性特性を保持するDNA配列
を提供する。
ハイブリダイゼーションのための「標準条件」とは、本発明との関連では、特定のハイブリダイゼーションシグナルを検出するために当業者によって通常使用され、例えば、サムブルック(Sambrook)ら、「分子クローニング」、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989年、ニューヨークによって記載される条件、あるいは当業者によく知られており、例えばサムブルック(Sambrook)ら(上記参照)において記載されている、好ましくはいわゆるストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび非ストリンジェントな洗浄条件、またはより好ましくはいわゆるストリンジェントなハイブリダイゼーションおよびストリンジェントな洗浄条件を意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の特定の例は、50%のホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%の硫酸デキストラン、および20μg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中42℃で一晩のインキュベーション(例えば、15時間)の後、約65℃、0.1×SSC中におけるハイブリダイゼーション支持体の洗浄である。
もう1つの好ましい実施形態では、本発明はさらに、明確に記載されたDNA配列に基づいて設計された、図2に示されるようなPCRプライマーによるいわゆるポリメラーゼ連鎖反応法(「PCR」)によって得ることができるDNA配列を提供する。
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは、単離された形で提供される、そして好ましくは均一になるまで精製される。
「単離」とは、材料がその最初の環境(例えば、天然に存在する場合には自然環境)から取り出されることを意味する。例えば、生きている微生物中に含まれる天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、自然系に共存する材料のいくつかまたは全てから分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。このようなポリヌクレオチドはベクターの一部であり、および/またはこのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部であり得る。そして、このようなベクターまたは組成物はその自然環境の一部ではないという点でさらに単離され得る。
本明細書で使用される単離ポリヌクレオチドまたは核酸は、それが由来する生物体の天然に存在するゲノムにおいてそれが直接隣接する両方のコード配列(5’末端に1つおよび3’末端に1つ)と直接隣接しないDNAでもRNAでもよい。従って、1つの実施形態では、核酸は、コード配列に直接隣接する5’非コード(例えば、プロモーター)配列のいくつかまたは全てを含む。「単離ポリヌクレオチド」という用語は、従って、例えば、ベクター内、自己複製プラスミドまたはウィルス内、もしくは原核生物または真核生物のゲノムDNA内に組み込まれるか、あるいは他の配列と無関係に別個の分子(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されるcDNAまたはゲノムDNA断片)として存在する組換えDNAを含む。また、実質的に細胞材料、ウィルス材料、または培地(組換えDNA技法により産生される場合)、もしくは化学前駆体または他の化学薬品(化学的に合成される場合)を含まない追加のポリペプチドをコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも含まれる。さらに、「単離核酸断片」は断片として天然に存在しない核酸断片であり、自然状態では見られないであろう。
本明細書で使用される場合、単離ポリペプチドという用語は、実質的に他のポリペプチドを含まないポリペプチドを指す。単離ポリペプチドは、好ましくは、80%を超える純度であり、より好ましくは90%を超える純度であり、さらにより好ましくは95%を超える純度であり、最も好ましくは99%を超える純度である。純度は当該技術分野において既知の方法に従って、例えばSDS−PAGEおよびそれに続くタンパク質染色によって決定することができる。次に、デンシトメトリーによってタンパク質バンドを定量することができる。純度を決定するためのさらなる方法は、通常の技量レベルの範囲内である。
上記のように、本発明の改変型トランスケトラーゼおよび対応するポリヌクレオチドは、生合成のための基質としてリボース−5−リン酸、リブロース−5−リン酸、またはキシルロース−5−リン酸を使用する物質のための発酵方法においてより良好および効率的にするために、適切な宿主細胞の遺伝子操作において利用され得る。適切な宿主細胞内の前記改変型トランスケトラーゼの存在は、より高い細胞内リブロース−5−リン酸およびリボース−5−リン酸濃度ならびに前記組換え宿主内のペントースリン酸経路を通る残留流束を生じることができるので、栄養要求性増殖を防止するために十分なエリトロース−4−リン酸が産生され得る。
適切な宿主細胞は、例えば、アスペルギルス属(Aspergilli)(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)またはアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)など)、またはトリコデルマ属(Trichoderma)(トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)など)、またはアシュビア属(アシュビア・ゴシッピー(Ashbya gossypii)など)、またはエレモテシウム属(エレモテシウム・アシュビイ(Eremothecium ashbyii)など)のような真菌、もしくはサッカロミセス属(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)など)、またはカンジダ属(カンジダ・フラレリ(Candida flareri)など)、またはピキア属(Pichia)(ピキア・パストリス(Pichia pastoris)など)、またはハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(H.polymorpha(DSM5215)など)のような酵母菌である。使用可能な細菌は、例えば、バシラス属(Bacillus)(枯草菌(Bacillus subtilis)など)またはストレプトミセス属(Streptomyces)(ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)など)である。使用され得る大腸菌(E. coli)は、例えば、大腸菌(E. coli)K12株、例えばM15またはHB101である。
従って、本発明は、ペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源(例えば、グルコナート)において微生物が増殖できるが、野生型トランスケトラーゼを含有する宿主細胞と比較して低下された増殖速度を有するようにトランスケトラーゼの活性が改変された微生物に関する。通常、特定の生物体、例えば枯草菌(Bacillus subtilis)に由来して得られたトランスケトラーゼ変異体を再度同じ生物体に導入して、ここで宿主細胞として使用すること、あるいは得られた変異体を他の任意の関連の宿主細胞に導入することが可能である。
本明細書において使用される場合、「増殖速度」という用語は、以下のことを示す。細菌細胞は2つに分かれることにより再生する。増殖が制限されていなければ、一定の速度で倍加が続くので、細胞の数および集団の増加率はいずれも、連続したそれぞれの期間とともに2倍になる。このタイプの指数関数的な増殖では、時間(好ましくは、時間)に対して細胞の数の自然対数をプロットすると直線が生じる。この線の傾きは生物体の比増殖速度であり、単位時間における細胞あたりの分裂数の尺度である。食品では、得られる栄養物の量が限定されており、老廃物が蓄積し得るので、細菌は連続的に増殖することができない。これらの条件下では、増殖曲線はS字状の傾向がある。
本発明の目的は組換え宿主細胞を提供することであり、改変型トランスケトラーゼを有する本発明による前記組換え宿主細胞(例えば、微生物)の、ペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源、特にグルコナートにおける増殖速度は、野生型生物体と比較したときに100%未満である。特に、増殖速度は、野生型生物体の増殖速度と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%またはさらに90%およびそれ以上低下され得る。好ましくは、増殖速度の低下は、野生型トランスケトラーゼ遺伝子を含有する細胞と比較して10%〜90%の間であり、より好ましくは20%〜80%の間、さらにより好ましくは25%〜75%の間である。
特に、本発明は、遺伝子操作された/組換えで産生された宿主細胞(組換え細胞または形質転換細胞とも呼ばれる)に関し、野生型トランスケトラーゼ遺伝子は、ペントースリン酸経路によってのみ代謝されるわけではない炭素源ではわずかに低下されるかまたは全く低下されない増殖を可能にするが、生物体がペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源で増殖するときに明らかに低下された増殖速度を示す酵素をコードする改変型トランスケトラーゼ遺伝子によって置換されている。このような遺伝子操作された宿主細胞は、発酵産物の収率および産生方法の効率の改善を示し、望ましくない栄養要求性増殖および多面発現効果を防止することができるという利点を有する。
本発明は、さらに、本発明によるトランスケトラーゼを発現することができる宿主細胞を産生する方法に関し、
(i)それぞれの野生型酵素と比較して調節された活性を示す変異型トランスケトラーゼを生成するステップ、すなわち、
a)適合される必要がある触媒特性を有する第1のまたは非改変型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチドを提供するステップ、
b)変異ポリヌクレオチド配列が、前記第1のトランスケトラーゼと比較したときに少なくとも1つのアミノ酸変異を含有する新しいまたは改変型トランスケトラーゼをコードするように、1つまたは複数の変異をポリヌクレオチド配列内に導入するステップであって、前記少なくとも1つのアミノ酸変異が配列番号2に示されるようなアミノ酸配列の位置357に相当するアミノ酸であり得るステップ、および
c)任意で、ベクターまたはプラスミドに変異ポリヌクレオチドを挿入するステップと、
(ii)ペントースリン酸経路によってのみ代謝されるわけではない炭素源では正常またはわずかに低下した増殖を可能にするが、生物体がペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源で増殖する場合には増殖速度に対する影響を示す同じ生物体または別の生物体からのトランスケトラーゼ変異型によって、宿主細胞の野生型トランスケトラーゼを置換するステップ、すなわち、
a)遺伝子の制御配列を変化させることなく適切な野生型宿主細胞の野生型トランスケトラーゼを置換するステップ、
b)最少培地中、グルコナートにおける増殖速度を決定し、これを野生型宿主株と比較するステップ、および
c)野生型菌株の100%未満であるグルコナートでの増殖速度を可能にするトランスケトラーゼ変異体を選択するステップと
を含む。
本発明は、さらに、リボース−5−リン酸、リブロース−5−リン酸、またはキシルロース−5−リン酸の二次産物である物質を産生するための方法に関し、
a)ペントースリン酸経路によってのみ代謝されるわけではない炭素源ではわずかに低下するかまたは全く低下しない増殖を可能にするが、生物体がペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源で増殖する場合には低下した増殖速度を示す酵素をコードする改変型トランスケトラーゼ遺伝子によって野生型トランスケトラーゼ遺伝子が置換されている遺伝子操作された/組換えで産生された宿主細胞を、改変型トランスケトラーゼの発現を可能にする条件下、適切な培地中で培養することと、
b)発酵産物を培地から分離することと
を含む。
本明細書において使用される「発酵産物」は上記で定義される適切な宿主細胞によって産生される任意の産物でよく、その生合成は、リボース−5−リン酸、リブロース−5−リン酸、またはキシルロース−5−リン酸を基質として使用する。このような発酵産物の例としては、リボフラビン、リボフラビン前駆体、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)およびこれらの誘導体、リン酸ピリドキサール(ビタミンB)、グアノシン、アデノシンおよびこれらのヌクレオチドの誘導体があげられるが、これらに限定されない。
「リボフラビン前駆体」および「リボフラビン、FMNまたはFADの誘導体」は、本発明との関連では、これらの(生)合成において中間体または基質としてリブロース−5−リン酸またはリブロース−5−リン酸を必要とする任意のおよび全ての代謝産物を含むべきである。本特許出願との関連では、このような(生)合成経路が天然であるか、あるいは非天然である(すなわち、天然において生じないが生物工学的に操作された経路)かは、無関係である。好ましくは、合成経路は、事実上、生化学的である。リボフラビン前駆体およびリボフラビン、FMNまたはFADの誘導体には、DRAPP、5−アミノ−6−リボシルアミノ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−5’−リン酸、2,5−ジアミノ−6−リビチルアミノ−4(3H)−ピリミジノン−5’−リン酸、5−アミノ−6−リビチルアミノ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−5’−リン酸、5−アミノ−6−リビチルアミノ−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン、6,7−ジメチル−8−リビチルルマジン(DMRL)、およびフラボタンパク質が含まれるがこれらに限定されない。また、「リボフラビン」という用語は、例えば、リボフラビン−5−リン酸などのこれらの誘導体およびその塩(例えば、リボフラビン−5−リン酸ナトリウム)なども含む。
本明細書において記載されるポリヌクレオチド、ポリペプチド、組換え宿主細胞および方法は、上記で定義した発酵産物のいずれか1つまたは複数の生物工学的生産のために使用することができる。
本発明による適切な宿主細胞の遺伝子および代謝工学方法は、当業者に知られている。同様に、例えば、リボフラビン、リボフラビン前駆体、FMN、FAD、リン酸ピリドキサール、もしくはこれらの1つまたは複数の誘導体のために(潜在的に)適切な精製方法は、ファインケミカル生合成および産生の分野においてよく知られている。
本発明に従って、例えば、リボフラビン、リボフラビン前駆体、FMN、FAD、リン酸ピリドキサール、もしくはこれらの1つまたは複数の誘導体などの発酵産物を生物工学的に生産するための方法が上記のような細胞全体の発酵方法に限定されず、例えば、透過処理した宿主細胞、粗細胞抽出物、例えば、遠心分離またはろ過によって細胞残留物から浄化された細胞抽出物、またさらには単離した酵素で再構成された反応経路を使用してもよいことは理解される。また、このような方法の組み合わせも本発明の範囲内である。無細胞生合成(再構成された反応経路などによる)の場合、単離した酵素が、宿主細胞により調製されて単離されたのか、インビトロ転写/翻訳によって調製されたのか、あるいはさらに他の手段によって調製されたのかは無関係である。
発酵培地は、適切な炭素基質を含有しなければならない。適切な基質は、グルコースまたはフルクトースなどの単糖類、ラクトースまたはスクロースなどのオリゴ糖類、デンプンまたはセルロースなどの多糖類、もしくはこれらの混合物および再生可能な原料からの未精製混合物を含み得るが、これらに限定されない。本発明において用いられる炭素源は様々な種類の炭素含有基質を包含することができ、生物体の選択によってのみ制限され得ることが考慮される。
本明細書で記載される本発明の様々な実施形態は相互に組み合わせることができる。
本発明は、これから以下の非限定的な実施例によってさらに詳細に説明されるであろう。これらの実施例は、図面を参照して記載される。
特に、図1は、大腸菌(Escherichia coli)(TKT_ECOLI)、枯草菌(Bacillus subtilis)(TKT_BACSU)、バシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)(TKT_BACLD)、バシラス・ハロドゥランス(Bacillus halodurans)(TKT_BACHD)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)(TKT_CORGL)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)(TKT_YEAST)、およびアシュビア・ゴシッピー(Ashbya gossypii)(TKT_ASHGO)からのトランスケトラーゼアミノ酸配列のプログラムclustalW(1.83)によって計算されるマルチプル配列アライメントを示す。以下の実施例の1つにおいて議論される枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼのアミノ酸残基357に相同/等価である位置は、ボールド文字である。これらの位置のために使用される番号付けは、枯草菌(Bacillus subtilis)野生型アミノ酸配列に従って行われる。このタイプのアライメントは、標準パラメータを用いてCLUSTALまたはPILEUPにより行うことができる。図示されるように、トランスケトラーゼのアミノ酸配列は高度に保存される。特に、図示される全てのトランスケトラーゼにおいて、そしてそれよりはるかに多くの図示されないトランスケトラーゼにおいて、アルギニン357(枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼによる番号付け)は保存される。従って、ここで報告される概念および変異を用いるタイプの実験は、リボース−5−リン酸、キシルロース−5−リン酸、またはリブロース−5−リン酸を前駆体として有するリボフラビン、リボフラビン誘導体または化合物の産生を改善するために、アシュビア・ゴシッピー(Ashbya gossypii)のような枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼのアミノ酸配列の位置357に相同の位置にアルギニンを有する他のトランスケトラーゼと共に行うこともできる。また新しい生物体へのDNA配列の適応を有するまたは有さない位置357において変異された枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼ変異体遺伝子によって、生物体の最初のトランスケトラーゼ遺伝子を置換することも可能である。トランスケトラーゼ変異体遺伝子は、それが導入されることになる生物体に由来することは必須ではない。別の宿主生物体に必要とされる実際のステップは公表されており、当業者に知られており、どこか他のところで概説されている。
[実施例1:枯草菌(Bacillus subtilis)からのゲノムDNAの単離]
キアゲン(Qiagen)(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)からのDNeasy Tissue Kitを用い、供給業者の説明に従ってgDNAを調製した。37℃(250rpm)でインキュベートしたVY液体培地(Becton Dickinson、Sparks、MD 21152、米国)中の枯草菌(Bacillus subtilis)の一晩の培養物3mlのうちの1mlを細菌細胞の原料として用いた。最後に、200μlのAE緩衝液(Kitで供給された)中にgDNAを溶出した。
[実施例2:枯草菌(Bacillus subtilis)からのトランスケトラーゼ遺伝子の増幅]
枯草菌(Bacillus subtilis)PY79からのgDNA(P.ヤングマン(Youngman)、J.パーキンス(Perkins)およびR.ロジック(Losick)(1984年)、「枯草菌(Bacillus subtilis)における転位またはランスポゾン由来のerm遺伝子における発現に影響を与えることなく外来性DNAが挿入され得るTn917の一方の端部付近のクローニング部位の構築(Construction of a cloning site near one end of Tn917 into which foreign DNA may be inserted without affecting transposition in Bacillus subtilis or expression on the transposon−borne erm gene)」、Plasmid 12:1〜9頁、実施例1を参照)をtkt遺伝子の増幅のために使用した。ゲノムDNA配列に従って、tkt遺伝子は、そのコード配列(配列番号1)の内側に1つのEcoRI部位を含有する。EcoRI制限部位は、通常、pQE80(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)などの大腸菌(E. coli)発現ベクターへのクローニングのために使用されるので、フェニルアラニンコドンをTTCからTTTへ変化させるサイレント変異であるTによるC315の置換によってその部位を検出した。このために、2つの別個のPCR AおよびBを実施した。PCR Aのために以下のPCR条件を用いた:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーtkt1S(配列番号3による、図2も参照)およびtkt2AS(配列番号4による、図2)、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngのゲノムDNA(実施例1)。
温度調節は以下のとおりであった:
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:52℃で30秒間
ステップ4:72℃で30秒間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を35回繰り返した。
PCR Bを以下の条件下で実行した:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーtkt2S(配列番号8による、図2)およびtkt1AS(配列番号13による、図2)、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngのゲノムDNA(実施例1)。
温度調節は以下のとおりであった:
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:52℃で30秒間
ステップ4:72℃で2分間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を35回繰り返した。
アガロースゲル電気泳動を行い、その後キアゲン(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)からのMinElute Gel Extraction Kitを用いてゲルから抽出することによって、2つのPCR産物AおよびBを精製した。PCR産物AおよびBの重複領域を用いて、第3のPCRによってこれらを構築することが可能であった:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーRpiMutS(配列番号5による、図2)およびtkt1ASohne(配列番号6による、図2)、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngのPCR産物AおよびPCR産物B。
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:53℃で30秒間
ステップ4:72℃で2.5分間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を35回繰り返した。
Qiagen PCR精製キット(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)の助けを借りてPCR産物を精製し、50μlの溶出緩衝液中に溶出した。EcoRI消化によってPCR産物を確認した。さらなる確認のために、プライマーtkt1S、tkt2S、tkt2AS、tkt3S(配列番号9による、図2)、tkt4S(配列番号10による、図2)、tkt5S(配列番号11による、図2)、tkt6S(配列番号12による、図2)、tkt1ASを用いて配列決定した。
[実施例3:tkt変異体の構築]
酵母トランスケトラーゼの3D構造は、酵母トランスケトラーゼの基質結合への影響を示す変異の選択と共に得られた(ニルソン(Nilsson)U.、L.メシャルキナ(Meshalkina)、Y.リンドクウィスト(Lindqvist)、およびG.シュナイダー(Schneider)、1997年。位置R359(枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼにおける357番)において、最初のアルギニンをほとんど全ての他のアミノ酸で置換した。変異体の構築は、基本的に、実施例1に記載されるように実行した。酵母、枯草菌(Bacillus subtilis)および他の生物体からのトランスケトラーゼを含むアミノ酸配列アライメントは、図1に示される。
EcoRIを含まないtkt遺伝子をテンプレートとして用いて(実施例2)、EcoRI部位の欠失について既に記載したように変異を導入した。PCR AおよびBのために以下のPCR条件を使用した:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーRpiMutS(A)またはtkt357nnn−S(B)およびtkt357AS(A)(配列番号14による、図2)またはtkt1ASohne(B)、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngのEcoRIを含まないtkt遺伝子(実施例2)。PCR Bの場合、導入されるアミノ酸に従ってセンスプライマーを選択した:枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼの位置357におけるアスパラギンの導入のためにtkt357N−S(配列番号15による、図2)、グルタミンの導入のためにtkt357Q−S(配列番号16による、図2)、アラニンの導入のためにtkt357A−S(配列番号17による、図2)、リジンの導入のためにtkt357K−S(配列番号18による、図2)、セリンの導入のためにtkt357S−S(配列番号19による、図2)、スレオニンの導入のためにtkt357T−S(配列番号20による、図2)、ヒスチジンの導入のためにtkt357H−S(配列番号21による、図2)、バリンの導入のためにtkt357V−S(配列番号22による、図2)、イソロイシンの導入のためにtkt357I−S(配列番号23による、図2)、ロイシンの導入のためにtkt357L−S(配列番号24による、図2)、メチオニンの導入のためにtkt357M−S(配列番号25による、図2)、およびグリシンの導入のためにtkt357G−S(配列番号26による、図2)を選択した。
温度調節は以下のとおりであった:
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:52℃で30秒間
ステップ4:72℃で60秒間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を35回繰り返した。
アガロースゲル電気泳動を行い、その後キアゲン(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)からのMinElute Gel Extraction Kitを用いてゲルから抽出することによって、2つのPCR産物AおよびBを精製した。PCR産物AおよびBの構築は、第3のPCRにおいて行った:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーRpi MutSおよびtkt1ASohne、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngのPCR産物AおよびPCR産物B。
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:53℃で30秒間
ステップ4:72℃で2.5分間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を35回繰り返した。
Qiagen PCR精製キット(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)によりトランスケトラーゼのPCR産物を精製し、50μlの溶出緩衝液中に溶出した。PCR産物は、枯草菌(Bacillus subtilis)の形質転換のために用いた。
[実施例4:トランスケトラーゼ欠乏性の枯草菌(Bacillus subtilis)株の構築]
枯草菌(Bacillus subtilis)ゲノムの最初のtkt座位に変異トランスケトラーゼ遺伝子を、マーカーを含まずに導入するために、トランスケトラーゼ欠乏性菌株を構築した。枯草菌(Bacillus subtilis)トランスケトラーゼ遺伝子(配列番号2)の塩基対452〜1042および塩基対1562〜2001を含むPCRによって得られた2つのDNA断片を、ネオマイシン耐性遺伝子カセットと結合させた(M.イタヤ(Itaya)、K.コンドウ(Kondo)、およびT.タナカ(Tanaka)、1989年、「枯草菌(Bacillus subtilis)染色体の単一コピー状態において選択可能なネオマイシン耐性遺伝子カセット(A neomycin resistance gene cassette selectable in a single copy state in the Bacillus subtilis chromosome)」、Nucleic Acids Res 17:4410頁)。PCR Aのために以下のPCR条件を用いた:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーtktRec1S(配列番号27による、図2)およびtktRec1AS(配列番号28による、図2)、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngの増幅した実施例2のtkt遺伝子。
温度調節は以下のとおりであった:
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:52℃で30秒間
ステップ4:72℃で30秒間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を30回繰り返した。
以下の条件下でPCR Bを実行した:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーtktRec2S(配列番号29による、図2)およびtktRec2AS(配列番号30による、図2)、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngの増幅した実施例2のtkt遺伝子。
温度調節は以下のとおりであった:
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:52℃で30秒間
ステップ4:72℃で2分間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を30回繰り返した。
アガロースゲル電気泳動を行い、その後キアゲン(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)からのMinElute Gel Extraction Kitを用いてゲルから抽出することによって、2つのPCR産物AおよびBを精製した。ネオマイシン耐性カセットの配列を有する2つのPCR産物AおよびBの重複領域のために、第3のPCRによってこれらを構築することが可能である:DNAポリメラーゼと共に供給される適切な緩衝液中の2μMのプライマーtktRec1SおよびtktRec2AS、0.2mMの各ヌクレオチド(ATP、GTP、TTP、CTP)、2.5UのプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Stratagene、Gebouw California、1101 CB Amsterdam Zuidoost、オランダ)、100ngのPCR産物A、100ngのPCR産物B、および100ngのネオマイシン耐性カセット。
ステップ1:95℃で3分間
ステップ2:95℃で30秒間
ステップ3:55℃で30秒間
ステップ4:72℃で2.5分間
ステップ5:72℃で5分間
ステップ2〜4を35回繰り返した。
5つの構築PCRを貯蔵し、Qiagen PCR精製キット(QIAGEN GmbH、QIAGEN Str.1、40724 Hilden、独国)で精製し、50μlの溶出緩衝液中に溶出した。アガロースゲル電気泳動により正確なPCR産物を確認し、枯草菌(Bacillus subtilis)PY79の形質転換のために使用した。クンスト(Kunst)ら、1988年(F.クンスト(Kunst)、M.デバルボイル(Debarbouille)、T.ムサデク(Msadek)、M.ヤング(Young)、C.マウエル(Mauel)、D.カラマタ(Karamata)、A.クリア(Klier)、G.ラポポート(Rapoport)、およびR.デドンダ(Dedonder)、1988年、「枯草菌(Bacillus subtilis)sacU座位によりコードされる推定ポリペプチドは、2成分センサー−制御因子系と相同性を共有する(Deduced polypeptides encoded by the Bacillus subtilis sacU locus share homology with two−component sensor−regulator systems)」、J Bacteriol 170:5093〜101頁)に従って、コンピテントな枯草菌(Bacillus subtilis)細胞の調製を行った。2mlのMNGE+Bactoカサミノ酸(Casamino Acid)(CAA)(9mlのMN−培地(13.6g/lのKHPO、6.0g/lのKHPO、0.88g/lのクエン酸ナトリウム2HO)、1mlのグルコース(20%)、40μlのグルタミン酸カリウム(40%)、50μlのクエン酸鉄(III)アンモニウム(2.2mg/l、新たに調製)、100μlのトリプトファン(8mg/l)、30μlのMgSO(1M)、+/−50μlのBactoカサミノ酸(20%、Becton Dickinson AG、Postfach、CH−4002 Basel、スイス)を単一コロニーで接種し、37℃および250rpmで一晩インキュベートした。この培養物を用いて、10mlのMNGE+CAA(0.1の開始OD500nm)を接種し、OD500nmが1.3になるまで振とう(250rpm)しながら37℃でインキュベートした。培養物を同体積のMNGE(CAAを含まない)で希釈し、もう1時間インキュベートした。遠心分離工程(10分、4000rpm、20℃)の後、無菌管内に上澄みをデカントした。ペレットを保持した上澄みの1/8中に再懸濁した。300μlの細胞を、1.7mlのMN(1×)、43μlのグルコース(20%)および34μlのMgSO(1M)中に希釈した。調製したPCR産物10および20μlを希釈したコンピテント細胞400μlに添加し、37℃で30分間振とうさせた。100μlの発現混合物(500μlの5%酵母抽出物(Becton Dickinson AG、Postfach、CH−4002 Basel、スイス)、125μlのCAA(20%)、選択のために使用した場合には1/100の最終抗生物質濃縮物(2μg/mlのネオマイシン)、および750μlの無菌ビデスト(bidest)水)を添加し、細胞を37℃で1時間振とうさせた。最後に、細胞を沈降させ、200μlの上澄み中に懸濁させ、2μg/mlのネオマイシンを含有するTBABプレート(Becton Dickinson AG、Postfach、CH−4002 Basel、スイス)上にプレーティングした。
VY培地(5g/lの酵母抽出物(Becton Dickinson AG、Postfach、CH−4002 Basel、スイス)、25g/lの子牛インフュージョンブロス(Sigma))中で2つの形質転換体を増殖させた。BS3402と指定される形質転換体の一方から、実施例1に記載されるようにゲノムDNAを単離し、塩基対1043〜1561のトランスケトラーゼDNA断片のネオマイシン遺伝子カセットによる正確な置換を、tktRec1SおよびtktRec2ASをプライマーとして用いて標準PCRによって確認した。トランスケトラーゼ欠失変異体について予想されるように、菌株は、唯一の炭素源としてのリボースまたはグルコナートにおいては増殖することができず、増殖のために3つ全ての芳香族アミノ酸またはシキミ酸を必要とした。
[実施例5:トランスケトラーゼ変異型の遺伝子によるトランスケトラーゼ欠乏性枯草菌(Bacillus subtilis)株BS3402の形質転換]
増幅したトランスケトラーゼ遺伝子およびその変異型(実施例2および3)のDNA0.5および1μgを用いて、実施例4に記載されるようにBS3402を形質転換した。最少培地(SMS培地(2g/lの(NHSO、14g/lのKHPO、6g/lのKHPO、1g/lのクエン酸三ナトリウム、0.2g/lのMgSO 7HO、1.5%の寒天(Becton Dickinson AG、Postfach、CH−4002 Basel、スイス)および微量元素(500倍濃縮物:5.0g/lのMnSO×1HO、2.0g/lのCoCl 6HO、0.75g/lの(NHMo24 4HO、0.5g/lのAlC13*6HO、0.375g/lのCuCl2HO)中の2g/lのグルコースおよびソルビトール)における増殖によって陽性コロニーを同定した。コロニーは、24〜48時間後に目に見えた。全ての形質転換体はネオマイシンに感受性があり、導入された野生型および変異tkt遺伝子によるネオマイシン遺伝子の置換が示された。ゲノムDNAを形質転換体から単離し、実施例1に記載されるようにPCRによりtkt遺伝子を増幅した。導入された変異を配列決定によって確認した。さらなるヌクレオチドの交換は観察されなかった。生成された枯草菌(Bacillus subtilis)株は、R357A−BS3403、R357H−BS3482、R357K−BS3484、R357G−BS3512、R357V−BS3487、R357I−BS3509、R357L−BS3507、R357T−BS3492、R357S−BS3490、R357M−BS3505、R357N−BS3486、R357Q−BS3488と呼ばれた。
[実施例6:トランスケトラーゼ欠乏性の野生型菌株BS3402のバクテリオファージPBS−1ライセートによる枯草菌(Bacillus subtilis)RB50::[pRF69](EP0405370号明細書)の形質導入]
ファージPBS−1による形質導入作業は、ヘンキン(Henkin)ら、1984年(ヘンキン(Henkin)T.M.、およびG.H.チャンブリス(Chambliss)、1984年、「枯草菌(Bacillus subtilis)リボソームタンパク質S4に変化を引き起こす変異の遺伝子マッピング(Genetic mapping of a mutation causing an alteration in Bacillus subtilis ribosomal protein S4)」、Mol Gen Genet 193:364〜9頁)に記載されるように実行した。PBS−1ライセートの調製のために、TBABプレート(5μg/mlのネオマイシン)上で、菌株BS3402を37℃で一晩増殖させた。細胞を用いて、25mlのLB培地(Becton Dickinson AG、Postfach、CH−4002 Basel、スイス)をクレット20〜30のODまで接種した。(グリーンフィルタを用いて)。細胞の50%が運動性であるときに、0.2mlのPBS−1ファージライセート(ヘンキン(Henkin)T.M.、およびG.H.チャンブリス(Chambliss)1984年、「枯草菌(Bacillus subtilis)リボソームタンパク質S4に変化を引き起こす変異の遺伝子マッピング(Genetic mapping of a mutation causing an alteration in Bacillus subtilis ribosomal protein S4)」、Mol Gen Genet 193:364〜9頁)を0.8mlの培養ブロスに添加した。37℃、振とう下における30分間のインキュベーションの後、9mlのLB培地を添加した。この後、37℃でさらに30分のインキュベーション工程を行った。次に、4μg/mlのクロラムフェニコールを添加し、さらに2時間インキュベーションを続けた。最後に、管を37℃の乾燥恒温器に移し、一晩放置した。次の朝、培養物を0.45μmフィルタでろ過し、4℃で貯蔵するか、または形質導入のために直接使用した。
菌株RB50::[pRF69]を過剰産生するリボフラビンの形質導入のために、TBABプレートにおいて菌株を37℃で一晩増殖させた。このプレートの細胞を用いて25mlのLB培地(クレット20〜30)を接種した。培養物がクレット175に到達したら、0.8mlの細胞を、上記のように調製した菌株BS3402からの0.2mlのPBS−1ファージライセートと混合した。37℃、振とう下における30分のインキュベーションの後、細胞を沈降させ、1mlのVY培地中に懸濁した。この後、同一条件下で1時間のインキュベーションを行った。200〜1000μlの形質導入細胞を、2μg/mlのネオマイシンを含有する選択プレート上にプレーティングした。ネオマイシン耐性について、増殖したコロニーを試験した。gDNAの単離(実施例1)の後、プライマーtkt1SおよびRec2ASを用いる標準PCRを行い、実施例4の構築物によるtkt野生型遺伝子の置換を確認した。確認した菌株は、BS3523と呼ばれた。
[実施例7:菌株BS3523への改変型トランスケトラーゼ遺伝子の導入]
菌株BS3403、BS3482、BS3484、BS3486、BS3490、およびBS3512のPBS−1ライセートの調製のために、TBABプレート(5μg/mlのネオマイシン)上でそれぞれの菌株を37℃で一晩増殖させた。これらのプレートからの細胞を用いて、25mlのLB培地を、クレット20〜30のODまで接種した(グリーンフィルタを用いて)。細胞の50%が運動性であるときに(クレット150付近)、0.2mlのPBS−1ファージライセート(ヘンキン(Henkin)T.M.、およびG.H.チャンブリス(Chambliss)1984年、「枯草菌(Bacillus subtilis)リボソームタンパク質S4に変化を引き起こす変異の遺伝子マッピング(Genetic mapping of a mutation causing an alteration in Bacillus subtilis ribosomal protein S4)」、Mol Gen Genet 193:364〜9頁)を0.8mlの培養ブロスに添加した。37℃、わずかに振とうまたは回転(ローラードラム)下における30分間のインキュベーションの後、9mlのLB培地を細胞に添加した。これらを同じ条件下でさらに30分間インキュベートした。クロラムフェニコールを4μg/mlの濃度まで添加し、インキュベーションをさらに2時間続けた。管を振とうさせずに37℃で一晩インキュベートした。次の朝、培養物を0.45μmフィルタでろ過し、4℃で貯蔵するか、または形質導入のために直接使用した。このために、TBABプレート上でトランスケトラーゼ欠乏性菌株BS3523(実施例6を参照)を37℃で一晩増殖させた。プレートからの細胞を用いて、25mlのLB培地(クレット20〜30)を接種した。培養物を振とう下37℃でインキュベートした。培養物がクレット175に到達したら、0.8mlの細胞を、上記のような菌株BS3403、BS3482、BS3484、BS3486、BS3490、およびBS3512のそれぞれの0.2mlのPBS−1ファージライセートと混合した。37℃、振とう下における30分間のインキュベーションの後、細胞を沈降させ、1mlのVY培地中に懸濁した。同一条件下における1時間のインキュベーションの後、細胞を再度沈降させ、0.2mlの1×SMS培地中に懸濁し、選択プレート(1g/lグルコース、1g/lのソルビトール、および15%のアガロースを有する上記のような1×SMS)上にプレーティングした。ネオマイシン耐性の損失について増殖したコロニーを試験した。gDNAの単離(実施例1)の後、プライマーtkt1SおよびRec2ASを用いる標準PCRを行い、ゲノムDNAからのtkt遺伝子を増幅した。インタクトなものによる不活性化tkt遺伝子の置換を示すコロニーのtkt遺伝子を配列決定し、変異の存在を確認した。生成した菌株は、BS3525(BS3484ライセート)、BS3528(BS3482ライセート)、BS3530(BS3486)、BS3534(BS3403ライセート)、BS3535(BS3490ライセート)、BS3541(BS3512ライセート)と呼ばれた。
[実施例8:グルコースおよびグルコナートにおけるトランスケトラーゼ変異株の増殖]
枯草菌(Bacillus subtilis)の生存率および増殖におけるトランスケトラーゼ変異の効果を評価するために、2g/lのグルコースまたはグルコナートにおいて、生成した菌株の最大増殖速度を決定した。以下の培地を使用した:1×SMS(2g/lの(NHSO、14g/lのKHPO、6g/lのKHPO、1g/lのクエン酸三ナトリウム、0.2g/lのMgSO 7HO)、2g/lのグルコースまたはグルコナート、500μg/lの酵母抽出物、および実施例5に示されるような微量元素溶液。300mlのバッフル付きフラスコ中の25mlの記載した培地を一晩の培養物(5mlのVY、1mlの新たなVY中に再懸濁)からクレット20〜30のODまで接種した。これらを振とう下(220rpm)37℃でインキュベートした。誘導期の間、培養物のODを1時間間隔で追跡した。対数期の間は、間隔を30分に短縮した。最大増殖速度の決定のために、対数期中の少なくとも4つのデータポイントを用いた。
Figure 0005364376
野生型菌株PY79は、予想通り、両方の基質において最高の増殖速度を示した。トランスケトラーゼ位置357において異なる変異を導入することによって、グルコナートにおける増殖は、予想通り、グルコースにおける増殖よりもはるかにより影響を受けた。グルコナートにおける最大増殖速度の低下は、非酸化的なペントースリン酸シャントを通る流束およびペントースリン酸の蓄積に対するトランスケトラーゼ変異の効果のために尺度として使用した。示される変異によって広範囲の増殖速度が包含される。
[実施例9:振とうフラスコにおけるリボフラビンの産生]
クロラムフェニコール(10μg/ml)を含有する5mlのVYを、リボフラビン産生菌株RB50::[pRF69]、BS32525、BS3528、BS34530、BS3434、BS34335、およびBS3441により接種した(実施例7を参照)。一晩のインキュベーションの後、細胞を沈降させ(15分、4000rpm)、1mlのスクリーニング培地(2×SMS、10g/lのグルコース、1g/lの酵母抽出物、および実施例5に記載されるような微量元素)中に懸濁した。25mlのスクリーニング培地を含有する200mlのバッフル付きフラスコを0.25mlの再懸濁細胞により接種した。水が飽和した雰囲気中で、培養物を37℃で48時間インキュベートした。48時間のインキュベーション時間(この間に、供給したグルコースは培養物の全てにおいて使い果たされた)の後、0.5mlのサンプルを培養物から取り出し、35μlの4NのNaOHを添加し、混合物を1分間ボルテックスした。465μlの1Mのリン酸カリウム緩衝液、pH6.8を後で直接添加した。14000rpmにおける5分の遠心分離(エッペンドルフ(Eppendorf)遠心分離機5415D)によって混合物を清澄にした。上澄みを新しい管に移した。リボフラビンの測定のために2つの異なる方法を用いた。熱量測定のために、200μlの上澄みを800μlの水で希釈した。444nmにおける吸収に0.03305の係数を乗じて、培地1リットル当たりのリボフラビンのグラム数を得た。最終結果のために、得られた値を体積差について補正した。リボフラビン濃度は、実施例10に従ってHPLCによっても測定した。結果は表2に示される。
Figure 0005364376
トランスケトラーゼ変異を含有するほとんど全てのバシラス属(Bacillus)株は、明らかに増大したリボフラビンの産生を示したが、トランスケトラーゼ陰性菌株は、コントロール菌株よりも少ないリボフラビンを産生した。R357H変異の場合、リボフラビン濃度はほぼ2倍であった。
[実施例10:リボフラビンの発酵]
EP405370号明細書に記載されるように発酵運転を実施した。
菌株(1)RB50::[pRF69]、(2)BS3534(R357A)、および(3)BS3528(R357H)と共に発酵を実行した。24時間および48時間の発酵時間で、培養ブロス中のリボフラビンの濃度およびバイオマス(細胞の乾燥重量)を測定した。表3に示されるように、親株RB50::[pRF69]は、48時間で9.8g/lのリボフラビンを産生した。基質に対する収率は、3.59%(w/w)であった。バイオマスは、基質に対して20.3%(w/w)の収率で産生された。改変型トランスケトラーゼ遺伝子を発現するRB50::[pRF69]の誘導体は、リボフラビンの産生の著しい増大を示した。BS3528およびBS3534は、それぞれ11.7g/lおよび14.6g/lを産生した。これは、それぞれBS3528では4.23%およびBS3534では5.14%のグルコースでの収率に相当する(表3)。これらの結果は、トランスケトラーゼ活性の改変がリボフラビンの生産性の増大をもたらすことを実証する。
Figure 0005364376
[実施例11:リボフラビンの測定のための分析方法]
リボフラビンの測定のために、以下の分析方法を用いることができる(ブレッツェル(Bretzel)ら、J.Ind.Microbiol.Biotechnol.22、19〜26頁、1999年)。
クロマトグラフィシステムは、バイナリポンプ、カラムサーモスタットおよび冷却オートサンプラーを備えたヒューレット・パッカード(Hewlett−Packard)1100システムであった。ダイオードアレイ検出器および蛍光検出器の両方をインラインで使用した。2つのシグナル、280nmにおけるUVおよび励起446nm、発光520nmにおける蛍光トレースを記録した。
ステンレス鋼Supercosil LC−8−DBカラム(150×4.6mm、3μm粒径)をガードカートリッジと一緒に使用した。移動相は、100mMの酢酸(A)およびメタノール(B)であった。以下のスキームによるグラジエント溶出を用いた。
Figure 0005364376
カラム温度を20℃に設定し、流速は1.0ml/分であった。実行時間は25分であった。
発酵サンプルを希釈、ろ過、そしてさらに処理することなく分析した。リボフラビンは、外部標準との比較によって定量した。計算は、280nmにおけるUVシグナルに基づいた。Fluka(9471 Buchs、スイス)から購入したリボフラビンは、標準材料として使用した(純度 99.0%以上)。
(既に上記で言及したように)非改変型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチド配列の例を示す。 一組のプライマーを示す。

Claims (5)

  1. リボフラビン、リボフラビン前駆体、FADまたはFMNの産生方法であって、
    改変型トランスケトラーゼの発現を可能にする条件下で、適切な培地中で微生物を培養することと、
    発酵産物を前記培地から分離することとを含み、
    前記微生物は、配列番号2に記載のアミノ酸配列の位置357に相当するアルギニンがアラニン、リジン、セリン、ヒスチジン、グルタミンまたはアスパラギンによって置換されたアミノ酸配列を有する改変型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチドによって内在性の野生型トランスケトラーゼ遺伝子が置換された、リボフラビン産生バシラス属細菌であり
    ペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源における前記微生物の増殖速度は、非改変型トランスケトラーゼを含む宿主細胞と比較して10%〜90%低下され、
    前記微生物は、芳香族アミノ酸原栄養性である、
    方法。
  2. 前記トランスケトラーゼは、枯草菌(Bacillus subtilis)に由来する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非改変型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号1に記載のものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記発酵産物は、リボフラビンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. バシラス属細菌におけるリボフラビン産生のための改変型トランスケトラーゼの使用であって、
    配列番号2に記載のアミノ酸配列の位置357に相当するアルギニンがアラニン、リジン、セリン、ヒスチジン、グルタミンまたはアスパラギンによって置換されたアミノ酸配列を有する改変型トランスケトラーゼをコードするポリヌクレオチドによって内在性の野生型トランスケトラーゼ遺伝子が置換されており、
    ペントースリン酸経路によってのみ代謝される炭素源における前記微生物の増殖速度は、非改変型トランスケトラーゼを含む宿主細胞と比較して10%〜90%低下される、
    使用。
JP2008538286A 2005-11-02 2006-10-25 改変型トランスケトラーゼおよびその使用 Active JP5364376B2 (ja)

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