JP2012504222A - 較正 - Google Patents

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Abstract

本発明は光源、光学素子およびセンサを含む測定システムを較正する方法に関する。光源は光平面を生成するようにされ、光学素子は光平面とセンサとの間に位置する。本方法は、センサ上の少なくとも1つの点から光平面内の少なくとも1つの点への写像を得るために実行される。本方法は、光平面が生成されるように光源をオンにする工程と、光平面内の第1の写像位置に写像較正プロファイルを導入する工程と、を含み、写像較正プロファイルは直線を形成する少なくとも3つの点を含む。本発明はまた、このような較正方法に使用可能な較正物体に関する。

Description

本発明は、光源、光学素子およびセンサを含む測定システムを較正する方法に関する。光源は光平面を生成するようにされ、光学素子は光平面とセンサとの間に位置する。本方法は、センサ上の少なくとも1つの点から光平面内の少なくとも1つの点への写像を得るために実行される。本方法は、光平面が生成されるように光源をオンにする工程と、光平面内の第1の写像位置に写像較正プロファイルを導入する工程と、を含み、写像較正プロファイルは直線を形成する少なくとも3つの点を含む。
本発明はまた、このような較正方法に使用可能な較正物体に関する。
物体のプロファイルの寸法を測定するためにレンジカメラ(range camera)を使用することができる。レンジカメラは通常は光源とセンサを含み、光源は測定対象の物体上に光平面を生成するようにされる。さらに、物体から反射された光をセンサ上に集束するための光学素子は通常、センサと物体との間に置かれる。光源、物体およびセンサは通常、仮想三角形の角を形成するように互いに所定の距離に置かれる。
センサはセンサ面内に広がり、そして、当業者により理解されるように、プロファイルの寸法を決定するためには、センサ面内の座標が現実座標に変換されるようにセンサ面内の点から光平面内の点へ写像する必要がある。このような写像を得る処理は一般的には、「レンジカメラの較正」と称する。とりわけ、写像の未知の尺度、センサに関する光平面の未知の遠近歪みおよび前述の光学素子の未知の歪みのために、このような較正は通常、基準物体の測定により決定される。
この目的を達成するために、従来技術は前述の較正を実行する様々なやり方を提案している。例えば、非特許文献1は、格子縞等の2次元パターンを光平面の推定延長部に設置する(但し、光源はオフされている)。このパターンは少なくとも2つの位置に設置してよく、2つの位置の少なくとも1つは較正を実行できるように光平面の延長部に存在する。しかしながら、光源は上記提案のように較正手順中にオフされるので、パターンが光平面の延長部の外に非意図的に位置する危険性(これは較正の結果を損なうことになる)が当然ある。また、前述の方法は、必ずしも真だとは限らない「光源により生成される光平面が完全に平面である」という仮定に基づき、これもまた較正手順の結果を損なうことがある。
あるいは、従来技術は、較正物体は光平面内の複数の所定位置に設置されてよいということ、およびセンサ面から光平面への写像は複数の位置の画像およびその位置についての情報を使用することにより実行されるということ、とを教示する。しかしながら、このような較正手順は、較正物体の位置を適切かつ正確に決定できることを要求し、その結果、通常、較正物体の位置決めがモーションリグ(motion rig)を使用することにより行われることとなる。高価でかつ使用するのが煩わしいこととは別に、モーションリグはまた、光平面の回りに空間(この空間は例えばレンジカメラに近い空間制限のために常に利用可能だとは限らない)を必要とするという欠点がある。
上記から理解されるように、上に定義された従来技術の較正手順の欠点の少なくとも1つを取り除く、レンジカメラの較正手順のさらなる改善が必要である。
Z. Zhang named「A flexible new technique for camera calibration」IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence,22(11):1330−1334,2000
本発明の第1の目的は、モーションリグの使用を必要としないレンジカメラ較正方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、レンジカメラにより生成される光平面の延長部を考慮することができるレンジカメラ較正方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、センサ面からレンジカメラの光平面への線形および非線形写像を考慮することができるレンジカメラ較正方法を提供することである。
本発明の第4の目的は、大きな光平面を与えるレンジカメラを較正するために使用できるレンジカメラ較正方法を提供することである。
前述の目的の少なくとも1つは、請求項1に記載の測定システムの較正方法により達成される。
したがって本発明は、光源、光学素子およびセンサを含む測定システムを較正する方法に関する。光源は光平面を生成するようにされ、光学素子は光平面とセンサとの間に位置する。本方法は、センサ上の少なくとも1つの点から光平面内の少なくとも1つの点への写像を得るために実行される。本方法は、
−光平面が生成されるように光源をオンにする工程と、
−光平面内の第1の写像位置に写像較正プロファイルを導入する工程と、を含み、写像較正プロファイルは直線を形成する少なくとも3つの点を含む。
本発明によれば、本方法はさらに、
−写像較正プロファイルの少なくとも3つの点を使用することによりセンサの少なくとも第1の部分から光平面の少なくとも第1の部分への非線形写像を計算する工程と、
−光平面内の第1の射影変換(homography)位置に、点間の相対的距離が予め決められた少なくとも4つの点を含む射影変換較正プロファイルを導入する工程と、
−射影変換較正プロファイルの少なくとも4つの点に基づき、センサの少なくとも第1の部分から光平面の少なくとも第1の部分への射影変換を計算する工程と、を含む。
したがって、本発明の方法は較正プロファイル上の点間の相対的距離についての情報だけを必要とするので、較正プロファイルの位置決め制御の必要性は低減されており、取り除かれてもよい。また、射影変換較正プロファイルだけでなく写像較正プロファイルも実際の光平面内に導入されるので、上に検討したようなZ. Zhangにより提案された較正方法を使用する場合のように、写像が光平面内に無い仮想平面に対し決定されるという危険性はない。
本発明の較正方法の実施形態によると、本方法はさらに、
−写像プロファイルの位置を連続的な写像位置へ変更する工程と、
−非線形写像を計算するために、連続的な写像位置の各位置からの写像較正プロファイルの少なくとも3つの点についての情報を使用する工程と、を含む。
写像プロファイルの位置を変更する工程と非線形写像を決定する際に各位置についてのデータを使用する工程により非線形写像の精度を高める。また、これにより、撮像視野が較正物体より大きい場合ですら較正測定により完全な撮像視野をカバーすることが可能となる。
本発明の較正方法の別の実施形態によれば、写像プロファイルの位置を複数の連続的な写像位置へ変更する工程は、連続的な写像位置が無作為に選択されるように実行される。それゆえ、写像位置を無作為に選択することができるので、写像プロファイルの位置制御の必要性はない。このことは、例えば手作業で写像プロファイルの位置を単純に変更することにより連続的な写像位置を簡単なやり方で得ることができるということを暗示する。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、本方法はさらに、
−射影変換プロファイルの位置を連続的な射影変換位置に変更する工程と、
−射影変換を計算するために、連続的な射影変換位置の各位置からの射影変換較正プロファイルの少なくとも4つの点についての情報を用いる工程と、を含む。
非線形写像に関しては、これにより射影変換の精度を高める。本発明の較正方法の別の実施形態によれば、射影変換プロファイルの位置を複数の連続的な射影変換位置に変更する工程は、連続的な射影変換位置が無作為に選択されるように実行される。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、写像較正プロファイルは少なくとも3つの点が配置される平面を含む。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、射影変換較正プロファイルは所定寸法を有する鋸歯状部分を含み、少なくとも4つの点がこの鋸歯状部分に配置される。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、射影変換較正プロファイルは、プロファイル較正面を形成する長手次元(ディメンション)及び垂直次元に延びる。プロファイル較正面は、射影変換プロファイルが射影変換位置にあるときに光平面とほぼ平行となるようにされ、射影変換較正プロファイルはさらにプロファイル較正面にほぼ垂直な横方向次元に延びる。射影変換較正プロファイルはさらに、それぞれが横方向次元と角度をなす少なくとも3組の2本の直線制御線を含む。本方法はさらに、上記制御線を利用することにより光平面に対するプロファイル較正面のプロファイル傾斜の測度を決定する工程を含む。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、本方法はさらに、射影変換を計算する際にプロファイル傾斜を補償する工程を含む。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、光学素子は光軸を含み、センサはセンサ法線方向を有する平面内に広がっている。光軸はセンサ法線方向とScheimpflug(シャインフルーグ)角度をなす。本方法はさらに、センサ上の少なくとも1つの点から光平面内の少なくとも1つの点への写像を生成する際にScheimpflug角度を補償する工程を含む。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、光源は、光平面がレーザ平面となるようにレーザ源である。
本発明の較正方法の別の実施形態によると、写像較正プロファイルおよび射影変換較正プロファイルは単一の較正物体上に位置する。
本発明の第2の態様は、本発明の方法の工程を実施するコンピュータまたはプロセッサにおいて実行可能なコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータプログラム製品はコンピュータ可読媒体または搬送波上に格納される。
コンピュータプログラムはコンピュータまたはプロセッサにおいて実行可能なコンピュータプログラムコードを含むことができる。コンピュータプログラムはセンサから信号を受信するとともに上述のような本方法の計算工程を実施するようにされる。コンピュータプログラムはコンピュータ可読記憶媒体上に格納可能か、あるいは搬送波により配布可能である。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様によるコンピュータプログラム製品を含むとともに本発明による較正方法を実行するように配置された電子制御装置に関する。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様による第1の光源とセンサと電子制御装置とを含む測定システムに関する。
本発明の第5の態様は、複数の歯を含む鋸歯状部分を含む射影変換較正プロファイルを含む較正物体に関する。歯のそれぞれは頂点部に向かって較正面に延びる基部を含み、較正物体はさらに較正面にほぼ垂直に延びる横方向次元を有する。本発明の第2の態様によると、射影変換較正プロファイルはさらに、それぞれが横方向次元と角度を成す少なくとも2つの制御線を含む。
本発明の第5の態様の実施形態によると、少なくとも2つの制御線は歯の基部と頂点部との間に位置する。
本発明の第5の態様の別の実施形態によると、少なくとも2つの制御線のそれぞれは、頂点部が横方向次元と角度を成す延長部を有するように1つの歯の頂点部上に配置される。
本発明について、添付図面を参照し非限定的な例によりさらに説明する。
レンジタイプ測定システムの概略透視図である。 本発明の方法から得られる写像の概略フローチャートである。 非線形写像を決定する工程が実行されるときの図1の測定システムの概略透視図である。 非線形写像が実行される前の直線プロファイルの画像を示す。 非線形写像が実行される後の直線プロファイルの画像を示す。 非線形写像が実行される前の複数の直線プロファイルの画像を示す。 非線形写像が実行される後の複数の直線プロファイルの画像を示す。 線形写像を決定する工程が実行されるときの図1の測定システムの概略透視図である。 光平面内の複数の仮想点がどのように理想センサ面内に写像され使用されるかをAからCの順で示す。 プロファイルが光平面に対し平行にされたときにどのように光平面が較正プロファイルと交差するかを例証する。 プロファイルが光平面に対し傾斜されたときにどのように光平面が較正プロファイルと交差するかを例証する。 本発明による射影変換較正プロファイルを示す。 図9の射影変換較正プロファイルの一部を示す。 図9の射影変換較正プロファイルの一部を示す。 光平面に挿入される際の図9の射影変換較正プロファイルの一部を示す。 図9の射影変換較正プロファイルを示す。 本発明の方法の実施形態から得られる写像の概略フローチャートである。 そのセンサがその光学素子に対し傾斜された測定システムの概略側面図である。
本発明は以下では実施形態により例示される。しかしながら、実施形態は添付の特許請求範囲により定義される本発明の範囲を制限するためではなく本発明の原理を説明するために含まれるということを理解すべきである。
図1は、レンジタイプ測定システム10を示す。システム10は光源12とセンサ14を含む。光源12は入射光面18により測定物体16を照明するようにされる。この入射光面は「シート光」とも呼ばれることがある。センサ14は、測定物体16からの反射光20を検知し、この反射光20に基づき画像を生成するようにされる。さらに、システム10はセンサ14と測定物体16間に位置するようにされた光学素子22を含むことが好ましい。もちろん他の光学素子の配置も実現可能であるが、光学素子22は図1では単一レンズとして概略的に図示されている。さらに、測定システムはセンサ14により記録された画像を解析および/または格納するようにされた電子制御装置24を備えていることが好ましい。好ましくは、本システムはまた、記録画像および/または電子制御装置24により生成された画像を表示するようにされた観察手段26(例えば表示装置)を含む。さらに図1に示すのは、X、Y、Z次元をそれぞれ有するグローバル(すなわち現実)座標系である。
光源12は、光平面18すなわちシート光を生成するようにされ、当業者に知られており本明細書ではさらに説明しないアプリケーション(例えば、レーザ、発光ダイオード(LED))、通常光(電球))等に好適な任意のタイプのものであってよい。しかしながら、光源12は、光平面18がレーザ平面となるようにレーザ光線を生成するようにされるのが好ましい。さらに図1は、光平面18が第1および第2の光平面次元X、Xに沿って延びることを示す。図1に示す例では、第1の光平面次元XはX次元に平行であり、第2の光平面次元Xはグローバル座標系のZ次元に平行である。しかしながら、図1に示す測定システム10の他の実施形態では、光平面18はX、Y、Z次元のいずれにも平行でないように配向されてもよい。
動作中、測定物体16は通常、測定システム10に対し第1の移動方向(図1のY方向)に沿って動く。この目的を達成するために、測定物体16は例えばコンベヤベルト(図示せず)または任意の同様の装置上に置かれてもよい。随意的に、測定物体16は静止していてもよく、その代りに測定システム10が測定物体16に対し動くようにされる。当然、上記2つの選択肢の組み合わせもまた可能である。
センサ14は好ましくはCMOSセンサであるが、当業者は、本発明が物体から反射された光に基づいて物体の画像を生成するのに好適なCCDセンサまたは他の任意のセンサ等の他のタイプのセンサに適用され得るということを十分に理解するであろう。図1から分かるように、センサ14は通常、センサ縦方向次元vとセンサ横方向次元uを有するセンサ面内に広がっている。センサ横方向次元uは第1の移動方向Yにほぼ垂直であることが好ましい。
当業者により理解されるように、センサ14から得られる情報に基づいて物体16の正しいグローバル座標(すなわちX、Y、Z次元における座標)を得るためには、センサ次元u、vからX、Y、Z次元へ写像する必要がある。しかしながら、このような写像は、グローバル座標系におけるその配向が分かっている平面上の点をX、Y、Z次元へ写像することと単に関係するので、光平面18からX、Y、Z次元への写像は従来の写像技術を使用することにより容易に得られるということに留意されたい。それゆえ、本発明によるおよび以下に提示される写像法は、センサ次元u,vの座標から光平面次元X、Xの対応する座標への写像(すなわちセンサ面15から光平面18への写像)を得る方法に帰着できることが好ましい。
センサ面15から光平面18への写像に関し、このような写像は3つのサブ写像(すなわち、射影変換(または線形写像)H、非線形写像Dおよび固有パラメータ写像K)を含むものと見なしてよい。それゆえ、光平面18内の点Xに対して、センサ面15内の対応点uは次のように公式化することができる。
u〜KD(HX) 式1
式1による写像が得られると、式中に定義される表現は、センサ面15から光平面18への写像が得られるように逆にされる。すなわち、
X〜H−1−1(K−1(u)) 式2
上記から理解されるように、式1または式2のいずれかに定義される写像を得るためにサブ写像K、D、Hを決定する必要がある。
多くのアプリケーションでは、固有パラメータ写像Kは較正の結果を損なうことなくユニティ写像(すなわちK=l)であると仮定してよい。前述の仮定を用い、光平面18内の点Xのセンサ面15内の対応点uへの写像は次のように公式化することができる。
u〜D(HX) 式3
および
X〜H−1−1(u) 式4
以下の説明から明らかになるように、本発明のいくつかの実施形態はまた、固有パラメータ写像Kが実際に考慮される状況に対処する。
式3により規定される光平面18からセンサ面15への写像を図2に示す。ここでは写像D、Hが示される。このため、射影変換すなわち線形写像Hは光平面18を次元u、vを有する仮想理想センサ面に写像する。非線形写像Dは理想センサ面を次元
Figure 2012504222
Figure 2012504222
を有する歪んだセンサ面へ写像するが、この場合、歪んだセンサ面は、固有パラメータ写像Kが考慮されないので実際のセンサ面15と同じである。平面と写像に関して上に定義された名称は特記しない限り以下の説明に従う。
写像D、Hを決定するために、本発明は測定システムを較正する方法を提案する。本方法は、
−光平面18が生成されるように光源12をオンにする工程と、
−光平面18内の第1の写像位置に、直線を形成する少なくとも3つの点を含む写像較正プロファイル28を導入する工程と、
−写像較正プロファイル28の少なくとも3つの点を使用することによりセンサ14の少なくとも第1の部分から光平面18の少なくとも第1の部分への非線形写像D−1を計算する工程と、
−光平面18内の第1の射影変換位置に、点間の相対的距離が予め決められた少なくとも4つの点を含む射影変換較正プロファイル32を導入する工程と、
−射影変換較正プロファイル32の少なくとも4つの点に基づき、センサ14の少なくとも第1の部分から光平面18の少なくとも第1の部分への射影変換H−1を計算する工程と、を含む。
上に定義された方法について以下に詳細に説明する。まず非線形写像に関連する方法の工程から始める。
非線形写像は、とりわけ光学素子22が測定物体16からの反射光20の歪みをセンサ14に導入するという理由で図1に示す測定システム10に必要とされる。このような歪みは、光学素子22における不規則性のために(例えば、光学素子のレンズの製造公差のために)生じることがあるが、また、光学素子を構成するレンズの形が通常、湾曲する(例えば凸状になる)という理由で生じることがある。これにより光学素子22を通過する際に反射光20の非線形変換が自動的に生じる。
図3には、写像較正プロファイル28が光平面18内に導入された図1の測定システム10を示す。さらに光学素子と測定システムのセンサは図3では1つの単一ユニット17により示される。図3では、写像較正プロファイル28は写像較正物体30上に位置する。写像較正プロファイル28は直線を形成する少なくとも3つの点を含む。図3に示す写像較正プロファイル28の実施形態では、写像較正プロファイル28は、この場合の写像較正プロファイル28が連続的な直線を含むように平面を実際に含む。しかしながら写像較正プロファイル28の他の実施形態(例えば、直線上の離散的な点を構成する3以上の点を含むプロファイル28(図示せず))も非線形写像を決定する際に実現可能であるということに留意されたい。
図4Aは、反射光20がセンサ14に影響を与える前に非線形変換されると図3に示す写像較正プロファイル28がセンサ14上にどのように撮像されるかを示す。図4Aから分かるように、非線形変換の結果、写像較正プロファイル28の直線はセンサ14上の曲線28’として撮像されることになる。したがってその代りに、写像較正プロファイル28が図4Bに示すように直線28”として撮像されるように、図4Aに示す画像を非線形変換する必要がある。
図4Aから図4Bへの変換などの非線形変換を決定する際に考慮される非線形現象に依存して、写像は変わってもよい。単に一例として、レンズ歪みがモデル化されれば非線形写像は次のように決定することができる。まず、歪んだセンサ面は歪次元
Figure 2012504222
Figure 2012504222
を有する(図4A参照)ものと定義され、歪んだセンサ面から理想センサ面への変換は、次のように公式化することができる。
Figure 2012504222
ここで、
Figure 2012504222
そして、
Figure 2012504222
ここで
Figure 2012504222

Figure 2012504222
は歪んだセンサ面座標内の歪み中心を定義する。
したがって、歪んだセンサ面から理想センサ面への変換を設定することは、δのパラメータの適正値を決定することと見なすことができる。単に一例として、δのパラメータの適正値は、理想センサ面内のできるだけ直線状の線28”を生じるδのパラメータを選択する最適化手順を利用することにより得ることができる。
この目的を達成するために、線28”の直線性に関する直線性測度MS(これは好ましい一組のδのパラメータを得るために解析される)が必要である。この点で、本発明の発明者らは、線28”が複数の点{p}により構成されると仮定すると(この仮定は常に成立つ)、適切な直線性測度を次のように定義できるということを理解した。
Figure 2012504222
ここで、
λは、主方向(点{p}の最大分散を生じる理想センサ面内の方向)の点{p}の座標の分散であり、
λは、主方向に直交する方向の点{p}の座標の分散である。
上記直線性測度MSの定義から理解されるように、完全な直線は0の直線性測度MSを有し、半円状の線は0.5の直線性測度MSを有する。また、当業者は、δのパラメータの適正値を得るための手順が最小化問題として次のように公式化することができるということを理解できる。
Figure 2012504222
δのパラメータの適正値を得る手順の上記提示は理想センサ面の1つの線28”に限定された。しかしながら、非線形写像の精度を上げるために、本手順は図5Aと図5Bに示すように複数の線に対して実行できることが好ましい。したがって、プロファイル28が光平面18の複数の異なる場所に位置するとき写像較正プロファイル28の画像が生成され、理想センサ面内に複数の線(すなわちm本の線)が生じる(図5A参照)。図5Aの線を利用することにより、組み合わせ直線性測度MSは、次のようにすべての線に対し公式化することができる。
Figure 2012504222
このため、本発明の方法の好ましい実施形態はさらに、
−写像プロファイル28の位置を連続的な写像位置へ変更する工程と、
−非線形写像を計算するために、連続的な写像位置の各位置から写像較正プロファイル28の少なくとも3つの点についての情報を使用する工程と、を含む。
δの適切なパラメータを決定する際に直線性測度MSだけが使用されるので、本発明の発明者らは、写像プロファイルの位置を複数の連続的な写像位置へ変更する工程は連続的な写像位置が無作為に選択されるように実行され得るということを理解した。
次に、光平面とセンサ面間の射影変換すなわち線形写像の決定に関する本発明の方法の一部を提示する。
図6には、射影変換較正プロファイル32が光平面18内の第1の射影変換位置に導入された測定システム10を示す。射影変換較正プロファイル32は、点間の相対的距離が予め決められた少なくとも4つの点を含む。図6に示す例では、射影変換較正プロファイル32は複数の歯34、36を有する鋸歯状部分を含む。それぞれの歯は頂点34’、36’を有し、2つの隣接する歯34と36間に谷34”が形成される。このため、図6に示す射影変換較正プロファイル32は、点間の相対的距離が予め決定された複数の点を含む。
当業者により理解されるように、射影変換は、光平面18からセンサ面15への線形写像と見なしてよい。少なくともプロファイル32上の4つの点の位置が光平面18内で分かるように光平面18内の射影変換較正プロファイル32の位置が分かれば、当業者によく知られた技術(例えば直接線形変換技術)を使用することにより次のような線形写像を決定することが実際に可能であろう。
u〜HX 式10
式10において、uはセンサ面内の座標を定義し、Xは光平面内の座標を定義し、Hは通常は次式に従って公式化される射影変換行列すなわち線形写像行列Hである。
Figure 2012504222
本発明の発明者らが理解したことは、射影変換を決定するためには光平面18内の射影変換較正プロファイル32の正確な位置を知る必要がないということである。その代り、射影変換較正プロファイル32は
Figure 2012504222
が射影変換較正プロファイル32の座標を定義するようにその中心を光平面18の原点にして置かれて一定のやり方で回転されるということだけを仮定してよい。このため、
Figure 2012504222
とX間の関係は次のように公式化することができる、
Figure 2012504222
ここで、Rは射影変換較正プロファイル32の回転に関係し、Tは射影変換較正プロファイル32の変換に関係する。
このとき、光平面18内の仮想座標
Figure 2012504222
をセンサ座標uに写像する射影変換
Figure 2012504222
を次式となるように計算することができる。
Figure 2012504222
上に定義された
Figure 2012504222
とX間の関係を利用すると式13は次のように再公式化され、
Figure 2012504222
結局、射影変換は次のように再公式化されることになる。
Figure 2012504222
センサ面内の座標がレーザ平面に対し固定されると、演算子Hの逆H−1を利用することによりセンサ面内の座標が正しい現実座標へ写像されるように演算子Hを完全に決定することが実際に可能である。単に一例として、センサ面とレーザ平面との一定の関係は、演算子Hを完全に決定するためにレーザ平面内の既知の位置が使用されるように射影変換較正プロファイル32をレーザ平面内の所定位置(例えば、コンベヤベルト(図示せず)上の特定位置上)に置くことにより得ることができる。この目的を達成するために、レーザ平面座標系の原点XおよびX軸上の追加点Xを決定するとよい。Xが分かると、センサ面への投射は次のように公式化することができる。
〜HX 式16
このため、次の関係を公式化することができる。
Figure 2012504222
とXの両方は原点Xで零に等しいので、行列Rにより記述されるいかなる回転も原点Xの位置を有効にせず、したがって回転はこの場合R=Iとなるように恒等演算子として選択されてよいということに留意すべきである。
次に、変換ベクトルdは次のよう定義される。
Figure 2012504222
この結果、Tは次の形式をとることになる。
Figure 2012504222
変換行列Tに関し上に記載されたものと同様な手法が、回転行列Rを決定する際に使用可能である。しかしながらこの場合、X軸上の追加点Xがその代りに使用される。このため、追加点Xが理想センサ面上の点uに投影されると仮定されると、次の関係が公式化される。
Figure 2012504222
前に検討したように、追加点Xに対しX=0であることが分かっており、この情報を使用することによりX軸とベクトルr間の回転角φを決定することができる。ここで、
Figure 2012504222
前述の回転角φは次の関係式により決定することができる。
Figure 2012504222
回転角が決定されると回転行列Rは次式に従って計算することができる。
Figure 2012504222
このため、今や射影変換行列Hは次の関係式により決定することができる。
Figure 2012504222
式12〜式24に関して上に提示された教示を検討すると理解されるように、発明者らは、射影変換を決定する際に光平面18内の射影変換較正プロファイル32の正確な場所についての情報を使用することは必要ないということを理解した。その代りに、上に提示された技術を使用することにより、射影変換較正プロファイル32を光平面18内の任意の位置に置くことができ、光平面18の射影変換較正プロファイル32の位置とX、X次元との関係は式12により決定することができる。この関係が設定されると、上に検討された写像
Figure 2012504222
は、射影変換較正プロファイル32の4つの点間の相対的距離についての所定の情報を利用する従来方法(例えば、直接線形変換技術)を使用することにより決定することができる。このとき、射影変換行列Hは式24により決定することができる。
先に検討したような歪んだセンサ面から無歪センサ面への変換に関し、前述の射影変換を、複数の射影変換行列{Hi=1,nが生成されるように複数の連続的な射影変換位置1〜nに対し決定することができる。この生成は、プロファイル32が光平面18内の複数の(すなわちn個の)個別の位置にあるときに射影変換較正プロファイル32の画像を生成することにより行うことができる。非線形写像に関しては、光平面内の個別の位置は無作為に選択されてよい。このとき、複数の射影変換行列{Hi=1,nは、1つの単一射影変換行列Hを形成するように組み合わされる。このような組み合わせは複数のやり方(そのいくつかの例は以下に提示される)で行うことができる。
射影変換行列{Hi=1,nを組み立てる方法の第1の例は、1つの単一射影変換行列Hを生成するために行列{Hi=1,nの要素を形成する手段に基づく。この目的を達成するために、射影変換行列{Hi=1,nの各行列は例えばh 33=1 i=1,nとなるように最初に正規化される。このとき、単一の射影変換行列Hの各要素hjk j,k=1,3は、
Figure 2012504222
となるように複数の射影変換行列{Hi=1,nの対応する要素の平均値として生成される。
随意的に、射影変換行列Hは、光平面18内の仮想点を利用する手順により計算されてもよい。このため、光平面内の個別の座標を有する少なくとも4つの点を含む一組の仮想点が選択される。このような正確に4つの点を含む一組の例を図7Aに示す。このとき、仮想点の各点は射影変換行列{Hi=1,nのそれぞれを使用してセンサ面(n)に写像される。このため、各仮想点はセンサ面内のn個の点に写像される。図7Aに示す一組の仮想点に関するこのような写像の例を図7Bに示す。ここでは、前述の一組内の各点は4つの個別の射影変換行列{Hi=1,4によりセンサ面に写像された。図7Bから分かるように、4つの個別の射影変換行列{Hi=1,4が互いに異なる場合、1つの仮想点の4つの写像はセンサ面15内の4つの個別の点を生じる。次に、射影変換決定手順の本実施形態は、センサ面内の平均点が各仮想点のn個の写像に対し決定されることを提案する。このような平均値の例を図7Cに示す。この図では、仮想点のそれぞれに対するセンサ面への写像の平均点を示す。したがって光平面18内の一組の仮想点に対し、センサ面15内の対応する一組の点(前述の平均値)が得られた。一組の仮想点は少なくとも4つの点を含むので、射影変換行列Hは、例えば直接線形変換技術等の従来の射影変換決定方法により計算することができる。
図7A〜7Cを参照し上に定義された手順はまた逆にされ、その代りに一組の仮想点がセンサ面15内で選択され一組内の各点が個々の射影変換行列の逆
Figure 2012504222
を使用することにより光平面18内のn個の点に写像されるようにしてもよい。このとき、その代りに、各点の平均値は光平面18に形成され、射影変換行列Hを、図7A〜7Cを参照して上に説明されたのと同様のやり方で決定することができる。
少なくとも1つの(しかし、好ましくは複数の)射影変換行列{Hi=1,nの生成に関連する上記各章節を検討すると理解されるように、射影変換較正プロファイル32の点間の相対的距離の精度は射影変換行列{Hi=1,nの精度に影響を及ぼすことになる。射影変換較正プロファイル32の点間の相対的距離自体は高精度に決定することができるが、本発明の較正方法中にユーザが光平面18に関する射影変換較正プロファイル32を傾斜させる危険性がある。このような傾斜の影響を図8Aと図8Bに示す。図8Aは射影変換較正プロファイル32が光平面18にほぼ平行である位置を示し、図8Bは射影変換較正プロファイル32が光平面18に対しいくぶん傾斜された位置を示す。図8Aと図8Bに示す状況を比較すると理解されるように、例えば光平面内の頂点34’と谷34”間の距離は、図8Aに示す位置と比較し図8Bに示す位置ではいくぶん大きい。このため、図8Bに示す位置が射影変換決定を行う際に使用されると、得られる射影変換行列Hが損なわれるという危険性がある。
このため、射影変換行列Hが決定される前に、光平面18に関する較正プロファイル32のあらゆる傾斜を補償することが望ましいであろう。この目的を達成するために、本発明の発明者らは、図9に示すような射影変換較正プロファイル32を使用することにより前述の傾斜を決定できるということを理解した。
図9から分かるように、射影変換較正プロファイル32はプロファイル較正面P’を形成する長手方向次元x’と垂直方向次元z’に延びる。また、図9の射影変換較正プロファイル32は複数の歯34、36を含み、それぞれの歯は頂点部34’、36’に向かって較正面P’内に延びる基部34b、36bを含む。プロファイル較正面P’は、射影変換プロファイル32が射影変換位置にあるときに光平面18とほぼ平行となるようにされる。また、射影変換較正プロファイル32はプロファイル較正面P’にほぼ垂直な横方向次元y’に延びる。射影変換較正プロファイル32はさらに、それぞれが横方向次元と角度を成す少なくとも2つの直線の制御線38、40を含む。単に一例として、制御線38、40は、制御線38、40を射影変換較正プロファイル32の残りの線から明確に識別可能にする色により射影変換較正プロファイル32上で彩色されてよい。随意的に、射影変換較正プロファイル32は、頂点34’、36’のそれぞれが横方向次元y’と角度を成すように(すなわち、頂点34’、36’が横方向次元y’(図示せず)に対し傾斜されるように)設計されるとよい。
図9の射影変換較正プロファイル32は較正物体30上に置かれる。較正物体30の反対側の較正プロファイル32の表面は平坦であり、したがって写像較正プロファイル28として使用可能である。
図10には、図9の射影変換較正プロファイル32の一部の平面図を示す。図10から分かるように、第1の制御線38は横方向次元y’と第1の角度αを成し、第2の制御線は横方向次元y’と第2の角度αを成す。
第1と第2の角度α、αは次式に従って決定される。
Figure 2012504222
および
Figure 2012504222
パラメータx’、x’、x’、x’は第1と第2の制御線38、40の端点に対応し(図10参照)、wは射影変換較正プロファイル32の厚さ(すなわち横方向次元y’の広がり)である。光平面が図10に示す射影変換較正プロファイル32の部分にぶつかると、第1および第2の部分の距離d、dが決定され、光平面18に対する射影変換較正プロファイル32の傾斜を決定する際にこれら距離d、dを使用することができる。第1の部分の距離dは谷34”から第1の制御線38までの光平面18内の距離として定義され、第2の部分の距離dは谷34”から第2の制御線40までの距離として定義される。第1および第2の部分の距離d、dを図11に示す。さらに図12には、射影変換較正プロファイル32に関する光平面18の広がりに関係する2つのパラメータ、すなわち、光平面18と射影変換較正プロファイル32上の物体(図12における谷34”)との横方向次元y’の交点y’およびスキュー角度θ(すなわち、レーザ平面18と長手方向次元x’との角度)を示す。
当業者により理解されるように、スキュー角度θは光平面内の射影変換較正プロファイル32上の2点(例えば谷34”と頂点’36)間の実際の距離を得るために実際に使用されるので、スキュー角度θについての情報は、光平面18に対する較正面P’の任意の傾斜を補償する際の有益な情報となり得る。第1および第2の制御線38、40がα=−α=αとなるように配向されると、第1および第2の部分の距離d、dは次式に従って決定される。
Figure 2012504222
ここで、
Figure 2012504222
上記式27に使用される演算子sgn(α)は、sgn(α)=1(α>=0の場合)、sgn(α)=−1(α<0の場合)となるように角度αの符号を示す。上記から理解されるように、式27と式28から得られたスキュー角度θの測定は、射影変換較正プロファイル32の限定された部分だけからの測定値に基づく。このため、光平面18に対する較正面P’の傾斜の補償の精度を上げるためには、より大きい部分または射影変換較正プロファイル32の全体からの測定データが傾き補償を決定する際に使用されることが好ましい。射影変換較正プロファイル32のより大きい部分を考慮する方法の例を以下に提示する。
再び、光平面18と射影変換較正プロファイル32上の物体との横方向次元y’の交点y’が示された図12を参照する。先に示したように、射影変換較正プロファイル32上の物体は谷34”であってもよいが、交点は実際は光平面18と頂点36’との間にも形成される。以下の考察では、頂点36’と光平面18との交点y’の決定は同様のやり方で行うことができるので谷34”と光平面18との交点y’を決定することに焦点を合わせる。
まず、谷34”と光平面18との交点y’の値が分かれば図12の第1および第2の部分の距離d、dは次のように決定されるということに留意されたい。
Figure 2012504222
および
Figure 2012504222
このため、谷34”と光平面18との交点y’の値は次式により決定される。
Figure 2012504222
前に議論したように、同様の式は、頂点36’と光平面18との交点y’に対し、必要な変更を加えて得られる。このため、光平面18との交点y’は、射影変換較正プロファイル32の複数の頂点と谷等の複数の物体に対し決定することができる。図13は、複数の交点y’が決定された射影変換較正プロファイル32の平面図である。ここで、図13の各十字形はプロファイル32の頂点と光平面18との交点y’を示し、各円は谷と光平面18との交点y’を示す。
したがって、頂点と光平面18との複数の交点y’から、前述の交点(すなわち十字形部)を少なくとも最小自乗的やり方で接続する第1の傾斜線42を生成することができる。同様のやり方で、谷と光平面18との交点y’を接続する第2の傾斜線44を生成することができる。
第1と第2の傾斜線42、44の延伸についての情報(例えば、線42、44間の相対的距離と線の傾斜)に基づき、光平面18に対する較正面P’の傾斜を決定することができ、この傾斜は射影変換Hを決定する際に補償される。上に提示された補償を実行するために、射影変換Hは例えば第1および第2の部分の距離d、dを決定するために実際に必要であるということに留意されたい。この問題を克服するために、本発明の発明者らは、前述の傾斜を考慮することなく第1の射影変換行列Hを決定することができ、この第1の射影変換行列Hは傾斜を決定するためおよび決定された傾斜が考慮された第2の射影変換行列Hを得るために使用されるということを理解した。この手順は、射影変換行列H内の要素がHn−1=Hとなるかあるいは例えば
Figure 2012504222
と定義された誤差測度が好ましい値未満となるように収束するまでn回繰り返されてよい。
本発明による較正方法の提示はこれまで、固有パラメータ写像KをK=Iのようにユニティ写像とみなすことができるという仮定を用いた。しかしながら、本発明の較正方法のいくつかのアプリケーションでは固有パラメータ写像Kを決定する必要がある。これがどのように行われ得るかの例を以下に提示する。
まず、式1により規定される光平面18からセンサ面15への写像を図14に示す。ここでは写像K、D、Hがそれぞれ示される。図2と図13を比較すると、図13に示す方式による写像は歪んだ画像面内の点をセンサ面に写像するために固有パラメータ写像Kである追加の写像Kを含むということが理解される。固有パラメータ写像Kにより捕捉され得る現象としては限定するものではないが、センサ14の形状と光学素子22に関するセンサ14の位置とが挙げられる。
前述のパラメータを考慮する固有パラメータ写像行列Kは、次のように公式化することができる。
Figure 2012504222
ここで、α、αは、歪んだ画像面内の幾何学的点がセンサ14内の画素に変換されるようにuおよびv次元における尺度を定義する。上に定義したパラメータsはセンサ自身の歪度に関係し、センサを構成する画素の行と列が直交していないときは非零である。パラメータuとvはセンサの主点に関係する。当業者により理解されるように、式32に定義されるKのパラメータのいずれも本発明の較正方法の1つまたは複数の追加工程において決定することができる。
また、いくつかの測定システム10では、センサ14は実際は、光学素子22により規定された平面(通常、レンズ平面または焦点面と称され、光学素子22の主軸に垂直に延びる平面として定義される)に対し傾斜される。傾斜の目的は、光平面18のより大きな部分(好ましくはセンサ14により撮像される光平面18の全体部分上)の焦点を得ることである。傾斜されたセンサ14を有する測定システム10の例を図15に概略的に示す。
しかしながら、本発明の較正方法の実施形態は、センサ14がレンズ平面に平行であるという仮定を少なくとも暗黙的に用いた。このため、レンズ平面に対するセンサ14の任意の傾斜を補償するために、レンズ平面に平行な仮想画像面46が最初に導入される。したがって先の較正方法は、仮想画像面46から光平面18への適切な写像を提供する方法と見なされてよい。レンズ平面に対しセンサ14を傾斜する原理はScheimpflug原理と呼ばれることがある。
光平面18からセンサ14への写像を得るために、画像面46とセンサ14間の追加の射影変換が必要である。この射影変換は、光平面18と理想センサ面に関し上に提示されたのと同様の方法により得られ、本明細書ではさらに説明しない。
本発明の別の変形形態は本発明の範囲内で実現可能である。このため、本発明は本明細書に記載の実施形態と添付図面により限定されるものと考えてはならない。むしろ、本発明の完全な範囲は本明細書と添付図面を参照し添付の特許請求範囲により決定されなければならない。

Claims (15)

  1. 光平面(18)を生成する光源(12)、センサ(14)、および前記光平面(18)と前記センサ(14)との間に位置する光学素子(22)を有する測定システム(10)を較正する方法であって、
    前記センサ(14)上の少なくとも1つの点から前記光平面(18)内の少なくとも1つの点への写像を得るために実行される方法にして、
    前記光平面(18)が生成されるように前記光源(12)をオンにする工程と;
    前記光平面(18)内の第1の写像位置に、直線を形成する少なくとも3つの点を含む写像較正プロファイル(28)を導入する工程と;を含む、方法において、さらに、
    前記写像較正プロファイル(28)の前記少なくとも3つの点を使用することにより前記センサ(14)の少なくとも第1の部分から前記光平面(18)の少なくとも第1の部分への非線形写像を計算する工程と;
    前記光平面(18)内の第1の射影変換位置に、点間の相対的距離が予め決められた少なくとも4つの点を含む射影変換較正プロファイル(32)を導入する工程と;
    前記射影変換較正プロファイル(32)の前記少なくとも4つの点に基づき、前記センサ(14)の少なくとも第1の部分から前記光平面(18)の少なくとも第1の部分への射影変換を計算する工程と;を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記写像プロファイル(28)の前記位置を連続的な写像位置へ変更する工程と;
    前記非線形写像を計算するために前記連続的な写像位置のそれぞれからの前記写像較正プロファイル(28)の前記少なくとも3つの点についての情報を使用する工程と、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記写像プロファイル(28)の前記位置を複数の連続的な写像位置へ変更する工程は前記連続的な写像位置が無作為に選択されるように実行される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記射影変換プロファイル(32)の前記位置を連続的な射影変換位置に変更する工程と;
    前記射影変換を計算するために前記連続的な射影変換位置のそれぞれからの前記射影変換較正プロファイル(32)の前記少なくとも4つの点についての情報を使用する工程と;をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記射影変換プロファイル(32)の前記位置を複数の連続的な射影変換位置へ変更する工程は、前記連続的な射影変換位置が無作為に選択されるように実行される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記写像較正プロファイル(28)は前記少なくとも3つの点が置かれる平面を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記射影変換較正プロファイル(32)は所定寸法を有する鋸歯状部分を含み、少なくとも4つの点が前記鋸歯状部分上に置かれる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記射影変換較正プロファイル(32)はプロファイル較正面(P’)を形成する長手次元及び垂直次元に広がり、
    前記プロファイル較正面(P’)は、前記射影変換プロファイル(32)が射影変換位置にあるときに前記光平面(18)とほぼ平行となるようにされ、
    前記射影変換較正プロファイル(32)はさらに前記プロファイル較正面(P’)にほぼ垂直な横方向次元(y’)に広がり、
    前記射影変換較正プロファイル(32)はさらに少なくとも2つの直線の制御線(38、40)を含み、
    前記制御線(38、40)のそれぞれは前記横方向次元(y’)と角度を成し、
    前記方法はさらに、前記制御線(38、40)を利用することにより前記光平面(18)に対する前記プロファイル較正面(P’)のプロファイル傾斜の測度を決定する工程を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記射影変換を計算する際に前記プロファイル傾斜を補償する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記光学素子(22)は光軸を含み、
    前記センサ(14)はセンサ法線方向を有する平面内に広がり、
    前記光軸は前記センサ法線方向とScheimpflug角度を成し、
    前記方法はさらに、前記センサ(14)上の少なくとも1点から前記光平面(18)内の少なくとも1点への前記写像を生成する際に前記Scheimpflug角度を補償する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記光源(12)は前記光平面がレーザ平面となるようなレーザ源である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記写像較正プロファイル(28)と前記射影変換較正プロファイル(32)は単一の較正物体(30)上に位置する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. コンピュータまたはプロセッサにおいて実行可能なコンピュータプログラムコードを含み、測定システム(10)のセンサ(14)から信号を受信するようにされたコンピュータプログラムであって、
    前記測定システムはさらに光源(12)と光学素子(22)を含み、
    前記光源(12)は光平面(18)を生成するようにされ、前記光学素子(22)は前記光平面(18)と前記センサ(14)との間に位置し、
    前記コンピュータプログラムはコンピュータ可読記憶媒体上に格納可能であるか、あるいは搬送波により分配可能であり、
    前記コンピュータプログラムはコンピュータまたはプロセッサにおいて実行されると、
    −前記光平面(18)内の第1の写像位置に置かれた写像較正プロファイル(28)であって直線を形成する少なくとも3つの点を含む写像較正プロファイル(28)の、前記センサ(14)により記録された写像画像を格納する工程と、
    −前記光平面(18)内の第1の射影変換位置にある射影変換較正プロファイル(32)であって、点間の相対的距離が予め決められた少なくとも4つの点を含む射影変換較正プロファイル(32)の、前記センサ(14)により記録された射影変換画像を格納する工程と、
    −前記写像較正プロファイル(28)の前記少なくとも3つの点を含む前記写像画像を使用することにより前記センサ(14)の少なくとも第1の部分から前記光平面(18)の少なくとも第1の部分への非線形写像を計算する工程と、
    −前記射影変換較正プロファイル(32)の前記少なくとも4つの点を含む前記射影変換画像を使用することにより前記センサ(14)の少なくとも第1の部分から前記光平面(18)の少なくとも第1の部分への射影変換を計算する工程と、を実施するようにされた、コンピュータプログラム。
  14. 請求項13に記載のコンピュータプログラムを含むことを特徴とする電子制御装置(24)。
  15. 光源(12)、光学素子(22)およびセンサ(14)を含む測定システム(10)であって、
    前記光源(12)は光平面(18)を生成するようにされ、
    前記光学素子(22)は前記光平面(18)と前記センサ(14)との間に位置し、
    前記測定システム(10)は請求項14に記載の電子制御装置(24)を含むことを特徴とする、測定システム(10)。
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