JP2012502910A - 強力なhcv阻害剤である2−チアゾリル−4−キノリニル−オキシ誘導体の結晶形態 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、本明細書に記載されているような化合物(1)の新規な結晶形態および化合物(1)のナトリウム塩、それを調製する方法、その医薬組成物、およびC型肝炎ウイルス(HCV)感染の治療におけるそれらの使用に関する。
タイプAは、CuKα線を使用して測定すると、度2θ(±0.2度2θ)で表して、4.8、6.8、9.6、13.6、17.3、19.8および24.5において特徴的なピークを有する特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
また別の実施形態は、化合物(1)のタイプAもしくはナトリウム塩、またはその混合物、および少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を対象とする。
また別の実施形態は、哺乳動物に、治療有効量の化合物(1)のタイプAもしくはナトリウム塩、またはその混合物を投与することを含む、前記哺乳動物においてHCV感染を治療する方法を対象とする。
本明細書において特に定義されていない用語には、開示および文脈に照らして当業者が与えるであろう意味を与えるべきである。しかし、本出願を通して使用されているように、それとは別に明記しない限り、下記の用語は示した意味を有する。
「タイプA」という用語は、CuKα線を使用して測定したとき、9.6度2θ(±0.2度2θ)において少なくとも特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを有する化合物(1)の結晶多形を意味する。この特徴的なピークは、タイプAを化合物(1)の他の結晶形態と区別すると考えられる。
「約」という用語は、所与の値または範囲の5%以内、さらに好ましくは1%以内を意味する。例えば、「約3.7%」とは、3.5〜3.9%、好ましくは3.66〜3.74%を意味する。「約」という用語が値の範囲(例えば、「約X%からY%」)と関連しているとき、「約」という用語は、記載された範囲のより低い(X)値およびより高い(Y)値の両方を修飾することを意図する。例えば、「約20%から40%」は、「約20%から約40%」と等しい。
物質に関して「薬学的に許容される」という用語は本明細書において使用する場合、過度の毒性、刺激作用、アレルギー反応などがなく、正しい医学的判断の範囲内でヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適し、合理的な便益/リスク比と釣り合い、かつ物質が医薬組成物中で使用されるとき使用目的のために有効な物質を意味する。
(i)患者において病態を阻害または寛解させ、例えば、その発症を抑止または遅延させ、あるいは
(ii)患者において病態を緩和し、すなわち、病態の後退または治癒をもたらすことが含まれる。HCVの場合、治療には、患者においてHCVウイルス量のレベルを低下させることが含まれる。
化合物(1)は、本明細書において「タイプA」と称される結晶多形形態として単離した。一般に、タイプAは、度2θ(±0.2度2θ)で表して、4.8、6.8、9.6、13.6、17.3、19.8および24.5においてピークを有する特徴的なX線粉末回折(「XRPD」)パターンを示す。
表1
図2は、タイプAの結晶についての示差走査熱量測定(DSC)熱曲線を示す(DSCは毎分10℃の加熱速度にて圧着カップ中で行う)。
一般の一実施形態において、本発明は、結晶形態の化合物(1)を対象とする。
別のより特定の実施形態は、少なくとも下記の特徴(CuKα線を使用して測定したとき、9.6度2θ(±0.2度2θ)においてピークを含むX線粉末回折パターン)を有する化合物(1)の結晶多形を対象とする。
別の実施形態は、CuKα線を使用して測定したとき、9.6度2θ(±0.2度2θ)において上記のようにピークを含み、19.8度2θ(±0.2度2θ)においてピークをさらに含むXRPDパターンを有する、化合物(1)の結晶多形を対象とする。
別の実施形態は、9.6度2θ(±0.2度2θ)において上記のようにピークを含むXRPDパターンを有し、かつまた圧着カップ中毎分10℃の加熱速度で図2において示すものと実質的に同じDSC熱曲線を示す、化合物(1)の結晶多形を対象とする。
別の実施形態は、化合物(1)の分量を対象とし、上記のXRPDによって定義した実施形態のいずれかによって特性決定すると、前記物質の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも99%は、結晶形態、例えばタイプAの結晶多形の形態で存在する。化合物(1)の分量中のこのような量のタイプAの存在は典型的には、化合物のXRPD分析を使用して測定可能である。
さらなる実施形態は、化合物(1)と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物を対象とし、上記のXRPDによって定義した実施形態のいずれかによって特性決定すると、組成物中の化合物(1)の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも99%は、結晶形態、例えば、タイプAの結晶多形の形態で存在する。
化合物(1)のタイプAは、下記のステップを含む方法(この方法もまた本発明の実施形態である)によって調製し得ることが見出された。
(i)混合物を約65〜75℃の温度に加熱することによって、化合物(1)を、水を共溶媒として含有してもよい脂肪族アルコール溶媒に溶解し、溶液を得るステップ、
(ii)水をステップ(i)において得た溶液に加え、その間に溶液を約70〜75℃の温度に維持し、スラリーを得るステップ、
(iii)ステップ(ii)において得たスラリーを冷却し、固体材料を得るステップ、
(iv)ステップ(iii)の固体材料を集め、前記材料を約65〜80℃の温度で乾燥させ、化合物(1)のタイプAを得るステップ。
最終ステップ(iv)において、ステップ(iii)においてこのように得られた固体は、従来の収集および高温乾燥技術、例えば、濾過および真空オーブンを使用して、集め、高温で乾燥し得る。
化合物(1)のナトリウム塩
式(1)の化合物のナトリウム塩は、それは安定な結晶形態として調製することができるという事実によって、医薬品処理に特に適していることが見出された。一般に、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩は、度2θ(±0.2度2θ)で表して、5.4、6.5、8.7、10.1、11.9、13.0、18.2、20.2、および24.7において特徴的なピークを有する特徴的なX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
表2
図4は、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩結晶についての示差走査熱量測定(DSC)熱曲線を示す(DSCは毎分10℃の加熱速度にて開放したカップ中で行われる)。
第一に、ナトリウム塩形態は、LBDDS製剤のために通常使用される添加剤(例えば、プロピレングリコールおよびエタノールを含めて)中で非常に改善された溶解性を有することが予想外に見出された。下記の表は、特定の添加剤中の化合物(1)のタイプA形態と比較して、化合物(1)のナトリウム塩形態の非常に改善された溶解性を示すデータを提供する。
プロピレングリコールおよびエタノール中のナトリウム塩形態の非常に改善された溶解性によって、この形態は、これらの通常の添加剤の1つまたは複数を用いたLBDDS製剤の開発に特に適しているものとなる。
第2に、ナトリウム塩は、タイプA形態と比較して、プロピレングリコールおよびエタノール中でより高い形態安定性を予想外に示す。特に、化合物(1)のタイプA形態は、エタノールまたはプロピレングリコール中でスラリー化したときに、そのXRPDパターンの変化によって示されているように明らかな形態変化を示す。図5は、結晶形態の変化を明らかに示す、タイプAの結晶形態(下部−Lot A03)、プロピレングリコール中でスラリー化した後(中央−プロピレングリコール固体)、およびエタノール中でスラリー化した後のタイプA形態(上部−EtOH固体)のXRPDパターンを示す。対照的に、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩形態をプロピレングリコールまたはエタノール中でスラリー化したときに、残った固相についてXRPDパターンの変化は観察されない。これによってこれらの添加剤中のナトリウム塩形態の改善された安定性が示され、これによってまたナトリウム塩形態は、これらの通常の添加剤の1つまたは複数を用いたLBDDS製剤の開発に特に適したものとなる。これらの結果を生じさせるために使用される方法を、特性決定方法の項において下記に記載する。
より特定の実施形態において、化合物(1)のナトリウム塩は、結晶形態である。
よりさらに特定の実施形態において、本発明は、少なくとも下記の特徴(CuKα線を使用して測定したとき、10.1度2θ(±0.2度2θ)においてピークを含むX線粉末回折パターン)を有する、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩を対象とする。
別の実施形態は、CuKα線を使用して測定したとき、10.1度2θ(±0.2度2θ)において上記のようにピークを含み、5.4、8.7、13.0および18.2度2θ(±0.2度2θ)においてピークをさらに含むXRPDパターンを有する、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩を対象とする。
別の実施形態は、CuKα線を使用して測定したとき、10.1度2θ(±0.2度2θ)において上記のようにピークを含み、5.4、6.5、8.7、11.9、13.0、18.2、20.2および24.7度2θ(±0.2度2θ)においてピークをさらに含むXRPDパターンを有する、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩を対象とする。
別の実施形態は、10.1度2θ(±0.2度2θ)において上記のように特徴的なピークを有するXRPDパターンを有し、かつまた開放したカップ中毎分10℃の加熱速度で図4において示すものと実質的に同じDSC熱曲線を示す、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩を対象とする。
別の実施形態は、化合物(1)の分量を対象とし、上記のXRPDによって定義した実施形態のいずれかによって特性決定し得るように、前記物質の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも99%は、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩の形態で存在する。化合物(1)の分量中のこのような量の化合物(1)の結晶性ナトリウム塩の存在は典型的には、化合物のXRPD分析を使用して測定可能である。
さらなる実施形態は、化合物(1)のナトリウム塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。より特定の実施形態において、組成物中の化合物(1)のナトリウム塩の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも99%は、上記のXRPDによって定義した実施形態のいずれかによって特性決定し得るように、結晶形態、例えば、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩の形態で存在する。
(i)混合物をスラリーとして加熱することによって、または完全な溶液を得ることによって、化合物(1)を、水を共溶媒として含有してもよいケトンまたはアセテート溶媒に溶解するステップ、
(ii)水をステップ(i)において得た溶液に加え、その間に溶液を約50〜70℃の温度に維持し、溶液またはスラリーを得るステップ、
(iii)化合物(1)の結晶性ナトリウム塩による種晶添加のステップ、
(iv)ステップ(iii)において得たスラリーを冷却し、固体材料を得るステップ、
(iv)ステップ(iii)の固体材料を集め、前記材料を約45〜75℃の温度で乾燥させ、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩を得るステップ。
医薬組成物および方法
タイプAおよびナトリウム塩形態を含めた化合物(1)の上記の形態は、HCV NS3セリンプロテアーゼに対する化合物(1)の示された阻害活性を考慮すると、抗HCV剤として有用である。したがって、これらの形態は、哺乳動物においてHCV感染の治療に有用であり、患者においてHCV感染を治療し、または1種もしくは複数のその症状を軽減するための医薬組成物の調製のために使用することができる。さらに、化合物(1)のナトリウム塩形態は、ヒト臨床試験においてHCV感染患者の治療において有効性を示してきた。特定の患者についての適当な投与量および投与計画は、当技術分野において公知の方法によって、および米国特許第6,323,180B1号および同第7,585,845号における開示を参照することによって決定することができる。一般に、哺乳動物におけるHCV感染の治療のための治療有効量を投与する。一実施形態において、単回用量または多回用量で成人のヒト毎に1日当たり約50mg〜1000mg、さらに好ましくは約120mg〜約480mgを投与する。
選択された投与量レベルの化合物(1)のこれらの結晶形態またはそのナトリウム塩は典型的には、患者に医薬組成物によって投与される。例えば、本発明において用い得る様々なタイプの組成物については米国特許第6,323,180号および同第7,585,845号における記載を参照されたい。医薬組成物は、経口的、非経口的に、または埋込レザバーによって投与し得る。非経口という用語には、本明細書において使用する場合、皮下、皮内、静脈内、筋内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、くも膜下腔内、および病巣内の注射または注入技術が含まれる。経口投与または注射による投与が好ましい。
本発明の医薬組成物は、任意の従来の無毒性で薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、添加剤またはビヒクルを含有し得る。場合によっては、製剤のpHは、薬学的に許容される酸、塩基または緩衝液で調節し、製剤された化合物またはその送達形態の安定性を増強し得る。
医薬組成物は、無菌の注射可能な調製品の形態で、例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁剤としてでよい。この懸濁剤は、適切な分散化剤または湿潤剤(例えば、Tween80など)および懸濁化剤を使用して、当技術分野で公知の技術によって製剤し得る。
1.X線粉末回折
X線粉末回折分析は、CuKα線を使用した、Bruker AXS、Inc.、Madison、WIから入手可能なBruker AXS X線粉末回折計モデルD8Discoverで行った。機器は、長い高精度焦点X線管を備えている。管のパワー(tube power)は、40kVおよび40mAに設定した。機器は、0.6mmの出口スリット、0.4°ソーラースリット、LiF平板結晶回折ビームモノクロメータおよびNaIシンチレーション検出器を使用してGobel Mirrorによって平行ビームモードで操作した。検出器スキャンは、1°2θの管の角度を使用して操作した。ステップスキャンは、2〜40°2θ、ステップ毎に0.05°、ステップ毎に4秒で操作した。石英の参照標準を使用して、機器の整合性を点検した。ゼロバックグラウンド石英ホルダーをファイリングすることによって、試料を分析のために調製した。
DSC分析は、TA instruments DSC Q1000で行った。示差走査熱量測定曲線は、窒素流下で圧着カップ中摂氏10度に加熱したタイプの試料で得た。
タイプAまたはナトリウム塩形態としての化合物(1)の溶解性を、様々な非水性溶媒中で調査した。溶液は、Teflonで裏打ちしたキャップを有するねじ蓋アンバーバイアル中で過剰な化合物(1)を0.25ml〜1.0mlの添加剤に加えることによって調製した。試料は室温で4日まで回転させた。試料採取は、遠心分離し(エッペンドルフモデル5415Cテーブルトップ遠心機で14,000rpm)、0.45μmのPVDFフィルターを通して濾過することによって行った。溶解性を決定するために、濾液をHPLC分析にかけた。HPLC分析は、勾配または定組成条件を使用してAgilent1100で行った。両方の方法は、アセトニトリル/水(各々、0.1%トリフルオロ酢酸(Triflouroacetic Acid)を有する)およびACE C−18固定相を使用し、カラム加熱を40〜45℃に維持した。検出の波長は220nmまたは264nmに設定した。湿った固体を集め、XRPDによって形態変化(安定性)について分析した。
形態変化研究についてのXRPD分析は、CuKα線を使用して、Bruker AXS、Inc.、Madison、WIから入手可能なBruker AXS X線粉末回折計モデルD8DiscoverまたはD8Advanceで行った。管のパワーは、40kVおよび40mAまたは40kVおよび30mAに設定した。機器(複数可)は、0.6mmの出口スリット、0.4°ソーラースリットおよびLiF平板結晶回折ビームモノクロメータを使用して、または1mmの発散スリット、0.12mmのソーラースリットを使用して、Gobel Mirrorによって平行ビームモードで操作した。D8 Advanceを伴うBragg−Brentano配置(1mmの発散スリット、0.12mmのソーラースリット)をまた、いくつかの分析のために使用した。各配置/機器は、NaIシンチレーション検出器を用いた。検出器スキャンは、1°2θの管の角度を使用して操作した。ステップスキャンは、2〜35°2θまたは40°2θ、ステップ毎に0.05°、ステップ毎に0.6秒または4秒で操作した。石英の参照標準を使用して、機器の整合性を点検した。ゼロバックグラウンド石英ホルダーまたはNiめっきホルダーをファイリングすることによって、試料を分析のために調製した。
アミド1のジアニオン(1.00gのアミド1から上記のように全く同一に調製)を−78℃に冷却し、次いで2.19mLのペルフルオロオクチルブロミド(8.46mmol、1.75当量)をシリンジによって5分に亘り滴下で添加した。次いで、暗色の反応混合物を−10℃のバス中に入れた。2時間後、10mLのHCl(1N)を注意深く加え、混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO4)、溶媒を真空中で除去した。次いで、残渣を4:1のヘキサン:EtOAcで溶出するシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、1.13gのブロモアミド5(81%)を無色の油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.12 (br s, 1H), 8.04 (dd, J = 1.3, 8.4 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 1.3, 8.3 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 1.33 (s, 9H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ: 176.57 (s), 155.74 (s), 136.98 (s), 128.34 (d), 113.63 (d), 106.86 (d), 103.07 (s), 56.26 (q), 40.20 (s), 27.45 (q).
0.25gのブロモアミド5(0.87mmol、1当量)、2.0mLの濃HCl(24mmol、28当量)、および1.0mLのジグリムを、100℃で24時間加熱した。次いで、混合物を冷却し、濾過した(生成物)。H2Oを使用して濾液を真空中で蒸発させ、全ての溶媒を共沸的に除去した。残渣をEtOAcで粉砕し、さらなる生成物の沈殿がもたらされ、それをまた濾過した。合わせた固体を乾燥させ、0.16g(77%)のブロモアニリン6・HClを薄茶色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.09 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 3.84 (br s, 2H), 3.77 (s, 3H).
ブロモアニシジン・HCl(5.73g、24.0mmol)、三塩化アルミニウム(3.52g)およびクロロベンゼン(15.0mL)を、オーブンで乾燥させた100mLの三つ口フラスコ中に室温で充填する(温度は30℃に上昇する)。次いで、このように得られた混合物を10分間撹拌し、次いで0〜5℃に冷却し、続いてアセトニトリル(1.89mL、36.0mmol)をゆっくりと加え、続いてBCl3(2.82g)を加え、気体(または液体)として反応混合物中に移し、温度を5℃未満に保つ。次いで、このように得られた混合物を室温で20分間撹拌し、次いで85〜100℃に16時間加熱する。HPLCは反応が完了したことを示す(220nmでSM<0.5%)。混合物を50℃に冷却する。次いでトルエン(15mL)を加え、続いてIPA(11.1mL)をゆっくりと加え、次いで水(32mL)を50℃でゆっくりと加えた。このように得られた混合物をこの温度でさらに2時間撹拌し、次いで3gのセライトを加え、撹拌した混合物を室温に冷却した。濾過し、次いで有機画分を水(1×15mL)、5%NaHCO3(2×15mL)、水(1×15mL)で洗浄し、次いで減圧下で濃縮し、3.92〜4.4gの所望の生成物を68〜72%単離収率で得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.72 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.1 (br s, 2H), 6.28 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 2.55 (s, 3H).
塩化オキサリル(8.15mL)をTHF(300mL)およびDMF(300μL)に溶解したチアゾール酸8(20.18g)の冷たい混合物(10±5℃)に約5分の期間に亘り滴下で添加し、内部温度を10±5℃に維持する。反応混合物は、黄色で均質となる。冷却槽を除去し、混合物を約30分の期間に亘り周囲温度に到達させる。ガス発生が観察される。混合物を周囲温度で30分間から1時間撹拌する。アニリン7(19.8g)、DMAP(140mg)およびTHF(35mL)の溶液を、10±5℃で加えた。Et3N(13.2mL)を、10±5℃で10分の期間に亘り少しずつ加えた。氷バスを除去し、混合物を65±2℃に加熱し、一晩(18時間)撹拌した。混合物を周囲温度に到達させ、EtOAc(150mL)で希釈し、水(150mL)で洗浄した。NaHCO3(5%、225mL)を有機部分に加え、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。有機部分を概ね40℃にて減圧下で濃縮した。EtOAc(150mL)をこのように得られた材料に加え、残留した水を除去し、混合物を減圧下で概ね40℃にて濃縮した(水を共沸させた)。EtOAc(94mL)を加え、このように得られたスラリーを2〜6時間撹拌し、濾過した。固体をEtOAc(30mL)、続いてヘプタン(30mL)で洗浄し、1時間空気乾燥させ、所望の生成物を70%収率で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.32 (d, 6H, J = 7.8 Hz), 2.58 (s, 3H), 2.65-2.72 (m, 1H), 3.98 (s, 3H), 6.83 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.70 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.86 (s, 1H), 8.98 (bs, 1H), 10.13 (bs, 1H).
2Lのフラスコ中に、カリウムt−ブトキシド(112g)を入れた。乾燥DMEを室温で加えた(発熱:温度は35℃に上昇した)。生成した溶液を約80℃に加熱し、温度を80〜85℃に維持するように、アミド(88g)を10分割でゆっくりと加えた。完了すると、反応混合物を85℃で2時間撹拌した。反応の間に固体が沈殿した。HPLC分析は、反応がこの時点で完了したことを示した(変換:100%)。反応混合物を室温に、次いで冷浴で10℃に冷却した。2NのHCl水溶液(約500ml)を、温度を25℃未満に保つためにゆっくりと加え、反応混合物をクエンチした。pHを4〜5に調節した。約100mlの水を加え(注:濾過を促進するために、水の量は調節する必要があり得る)、このように得られた懸濁液を室温で5〜10時間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、THFで洗浄し、真空下で乾燥させた。収量:81g、96%収率。
1H-NMR (400 M Hz, DMSO-d6): 1.14 (6H, d, J = 6.8 Hz, i-Pr), 2.48 (1H, 七重線, J = 6.8 Hz, i-Pr), 3.99 (3H, s, MeO), 6.75 (1H, s, H-3), 7.24 (1H, d, J= 8.5 Hz, H-6), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz, H5), 8.22 (1H, s, H-5'), 9.87 (1H, s, OH), 12.40 (1H, s, アミド NH).
100mlのフラスコ中に、出発物質キノロン(4.22g)およびジオキサン(40ml)を入れた。POCl3(4.6g)を加え、混合物を75℃に加熱した。2時間後、HPLCは反応が完了したことを示した(99.7%の変換)。反応混合物を室温に冷却し、次いで100mlの飽和NaHCO3溶液および20mlのEtOAcに注いだ。このように得られた懸濁液を3時間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、EtOAcで洗浄し、真空下で乾燥させた。収量:4.0g、90.9%。
1H-NMR (400 M Hz, CDCl3): 1.14 (6H, d, J = 6.8 Hz, i-Pr), 2.76 (1H, 七重線, J = 6.8 Hz, i-Pr), 4.05 (3H, s, MeO), 7.68 (1H, d, J= 8.5 Hz, H-6), 8.07 (1H, s, H-3), 8.13 (1H, s, H-5'), 8.20 (1H, d, J = 8.5 Hz, H5), 12.30 (1H, s, アミド NH).
アモルファス化合物(1)(バッチ7、13.80g)を、1000mlの三つ口フラスコに加えた。無水エタノール(248.9g)を、フラスコに加えた。撹拌している間、フラスコの内容物を摂氏60度/時間で摂氏約74度に加熱した(固体は摂氏74度で溶解しない)。次いで、水(257.4g)を、このように得られたスラリーに4時間に亘り直線的に加え、その間撹拌し、温度を摂氏74度に維持した。水の添加が完了した後、温度を周囲温度へと摂氏8度/時間で直線的に低下させ、次いで周囲温度で6時間維持し、その間撹拌した。このように得られた固体を濾過によって集め、1/1(w/w)のEtOH/水(50ml)で洗浄した。湿った固体は、N2をケークによって吸引することによって漏斗上で30分間乾燥させた(この試料のXRPD分析は、パターンがEtOH溶媒和物と同様であることを示す)。次いで、固体を摂氏65〜70度にて真空(HgでP=25)および窒素流下で1.5時間乾燥させた。このように得られた固体(12.6g、95.5%補正収率)を、XRPDによってタイプA化合物(1)であると確認した。
アモルファスの化合物(1)のナトリウム塩(2.1g)および8.90gのアセトンをバイアルに加え、周囲温度で3時間撹拌した。スラリーは濾過した母液であり、このように得られた固体を20分間窒素流下で20分間乾燥させた。1.51gの化合物(1)の結晶性ナトリウム塩を固体として集めた。
15.6gの化合物(1)のタイプA、175mLのアセトンおよび3.6mLの水を250mlの反応器に加え、摂氏53度に加熱し、固体を溶解した。900ulのNaOH(10.0N)を反応器に加え、溶液をタイプAで種晶添加した。種晶添加した溶液を摂氏53度で10分間撹拌した。第2の900ul部分のNaOH(10.0N)を加え、系を摂氏53度で30分間撹拌し、その間にスラリーが発生した。スラリーを、1時間当たり摂氏15度の冷却速度で摂氏19度に冷却し、摂氏19度で一晩保持した。最終的なこのように得られたスラリーを濾過し、湿った固体を15mLのアセトンで洗浄した。固体を摂氏52度で真空下にて1時間窒素流で乾燥させ、次いで固体を実験室の空気に1時間曝した。12.1gの化合物(1)の結晶性ナトリウム塩固体を集めた。
25.4Kgのアモルファス化合物(1)、228LのTHFおよび11.1Kgの10重量%NaOH(水溶液)を、反応器に加えた。成分を摂氏25度で混合し、全ての固体を溶解した。このように得られた溶液を濾過し、反応器およびフィルターを23LのTHFで洗浄した。180Lの溶媒は、摂氏65度で常圧蒸留を使用して除去した。195LのMIBKを加え、166Lの溶媒は、摂氏約44度で減圧蒸留によって除去した。161LのMIBKおよび0.41Kgの水を反応器に戻し、内容物を摂氏70度に加熱した。255gの化合物(1)のナトリウム塩の種晶を摂氏70度で加え、1.42Lの水を1.5時間に亘り加えた。水を添加した後、スラリーを摂氏70度で45分間保持し、次いで摂氏45度に1時間に亘り冷却した。このように得られたスラリーを濾過し、約0.8重量%の水を含有する64LのMIBKで洗浄した。湿ったケークを摂氏55度で乾燥させ、約25Kgの化合物(1)の結晶性ナトリウム塩を得た。
2.00gのアモルファス化合物(1)、9.96gのTHFおよび0.11gの水を反応器に加え、周囲温度で撹拌し、固体を溶解した。エタノール中の21重量%のNaOEt(0.820ml)を滴下で添加し、その間溶液を撹拌し、溶液Aを得た。15.9gのn−BuAcおよび160ulの水を第2の反応器に加え、摂氏65度に加熱した(溶液B)。2.56gの溶液Aを溶液Bに摂氏65度で加え、このように得られた混合物を、40mgの化合物(1)のナトリウム塩の種晶で種晶添加した。種晶添加した混合物を摂氏65度で45分間熟成させた。4つの別々の間隔で2.56gの溶液Bを溶液Aに加え、45分間熟成させた。最後の添加および熟成後に、スラリーを1時間に亘り摂氏50度に冷却し、濾過した。湿ったケークを、0.5重量%の水を含有する6mLのn−BuAcで洗浄した。最終的な固体を、窒素パージを使用して摂氏50度にて真空下で乾燥させた。化合物(1)の結晶性ナトリウム塩固体を集めた。
室温でナトリウムエトキシドのエタノール(21重量%;306ml)溶液を、化合物(1)(745g)のTHF(2000ml)および水(76.5ml)溶液に加え、その間撹拌した。30分間撹拌した後、混合物を濾過し、フィルターをTHF(85ml)で洗浄した。このように得られた溶液を65℃に温め、濾過した酢酸ブチル(6640ml、65℃に事前に温めてもよい)で30分以内に処理した。種結晶(0.50g)を加え、混合物を65℃で2時間撹拌し、その間約30分後に結晶化が開始した。懸濁液を1時間以内に50℃に冷却し、この温度でさらに1時間撹拌した。表題化合物を濾過によって単離し、濾過した酢酸ブチル(765ml、50℃に事前に温めてもよい)で洗浄し、65℃で約16時間乾燥させ、化合物(1)の結晶性ナトリウム塩(約725g)を得た。
Claims (15)
- CuKα線を使用して測定したとき、9.6度2θ(±0.2度2θ)においてピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の式(1)の結晶化合物。
- 前記X線粉末回折パターンが、CuKα線を使用して測定したとき、19.8度2θ(±0.2度2θ)においてピークをさらに含む、請求項2に記載の結晶化合物。
- CuKα線を使用して測定したとき、4.8、6.8、9.6、13.6、17.3、19.8および24.5度2θ(±0.2度2θ)においてピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の式(1)の結晶化合物。
- 結晶形態の請求項5に記載のナトリウム塩。
- CuKα線を使用して測定したとき、10.1度2θ(±0.2度2θ)においてピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項6に記載の結晶性ナトリウム塩。
- 前記X線粉末回折パターンが、CuKα線を使用して測定したとき、13.0および18.2度2θ(±0.2度2θ)においてピークをさらに含む、請求項7に記載の結晶性ナトリウム塩。
- 前記X線粉末回折パターンが、CuKα線を使用して測定したとき、5.4および8.7度2θ(±0.2度2θ)においてピークをさらに含む、請求項8に記載の結晶性ナトリウム塩。
- 前記X線粉末回折パターンが、CuKα線を使用して測定したとき、5.4、6.5、8.7、10.1、11.9、13.0、18.2、20.2および24.7度2θ(±0.2度2θ)においてピークを含む、請求項6に記載の結晶性ナトリウム塩。
- 図3に示されているものと実質的に同じである、CuKα線を使用して作成したX線粉末回折パターンを有する、請求項6に記載の結晶性ナトリウム塩。
- 請求項5、6、7、8、9、10または11に記載のナトリウム塩と、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
- 前記組成物中の式(1)の化合物のナトリウム塩の少なくとも50%が、請求項6、7、8、9、10または11に記載の結晶化合物の形態で存在する、請求項13に記載の医薬組成物。
- 哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染を治療するための医薬組成物を調製するための、請求項1に記載の式(1)の結晶化合物、または請求項5に記載の式(1)の化合物のナトリウム塩、またはその混合物の使用。
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