JP2012252083A - 微細パターンマスクおよびその製造方法、ならびにそれを用いた微細パターンの形成方法 - Google Patents

微細パターンマスクおよびその製造方法、ならびにそれを用いた微細パターンの形成方法 Download PDF

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Abstract


【課題】ラインエッジラフネスに優れた微細なパターンを簡便かつ高い量産性で製造できる微細パターン形成用の樹脂組成物と微細パターン形成方法の提供。
【解決手段】ポリシラザンまたはポリシルセスキオキサンとからなる群から選択されるケイ素含有ポリマーと、ポリスチレンなどのケイ素非含有有機ポリマーと、それらを溶解し得る溶媒とを含んでなる樹脂組成物。また、本発明により微細パターンの形成方法は、被加工膜上に、第一の凸パターンを形成させ、その凸パターンの凸部側壁に前記樹脂組成物から形成されたスペーサーを形成させて、そのスペーサー、またはスペーサーの周りに配置された樹脂層をマスクとして微細パターンを形成させるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法、特に半導体デバイスの製造において基材上にパターンを形成する方法、およびそのパターン形成に用いるパターンマスクの形成方法に関するものである。
一般的に半導体デバイスを製造する過程では、基材上に被加工膜(例:絶縁膜、導電膜)を形成させ、その上層にエッチングマスクを形成させた後に、エッチングによって、被加工膜に所定の寸法及び形状のパターンを形成させる工程が複数回行われる。
被加工膜にパターンを形成させる過程では、一般に、フォトレジスト(以下、「レジスト」ということがある)と呼ばれる感光性材料を用い、所謂、露光工程、現像処理工程等を行う、リソグラフィー技術が用いられる。
一方、昨今の半導体デバイスの分野においては、高密度化または高集積化のニーズが高く、それに対応するためにレジストパターンの微細化も要求されている。レジストパターンを微細化するためには、リソグラフィー技術の改良が必要であり、露光光源、レジスト材料、あるいは露光方法の検討が進められている。そのような技術としては、ArFエキシマレーザーの光源としての利用や、液浸露光などが挙げられる。しかしながら、これらの方法によっても作成可能なレジストパターンの線幅は40nm程度であり、それよりも狭い線幅を達成することは困難である。このような背景から、より高解像度のパターンを達成するために、種々の提案がなされている。
たとえば非特許文献1には、被加工膜上に形成されたパターン化されたテンプレートの側壁にケミカルベーパーデポジション法(以下CVD法という)によりスペーサーを形成させ、それをマスクとしてエッチングを行うことにより微細なパターンを得る方法が開示されている。この方法は以下の手順により行われる。予め形成されているテンプレート層に対して、フォトレジストプロセスにより、レジストパターンを形成させる。前記レジストパターンをマスクとして前記テンプレート層に像を転写し、凸(パターン化されたテンプレート層)を形成させる。更に、CVD法により、前記凸の側壁にスペーサーを形成させる。その後、凸を剥離することにより、スペーサーがパターンとして残る。このとき、パターン化されたテンプレート層がライン状であれば、当初のライン1本に対して、スペーサーからなるパターンは2本形成される。すなわち、パターンの二重化が達成される。これら、二重化されたパターンをエッチングマスクとして被加工膜を加工することにより、微細なパターンが形成される。非特許文献1においては、この方法により22nmの微細パターンの形成に成功している。しかしながら、この方法を達成する為のCVD法はその工程に相当の時間を要し、量産性の観点からは改良の必要性が高い。また、CVD法は高温条件で行うことが必要であるため、耐熱性の低いレジストパターンの表面に直接適用することが困難であるという問題もある。このため、テンプレート作成工程が必要なため、プロセスが複雑となり、コストが嵩む傾向にある。
また、プラズマ強化された原子層堆積法(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)も知られている。この方法は比較的CVD法に近似した方法であるが、低温条件で行うことができるという特徴がある。しかしながら、膜成長の速度が遅く、量産性の点で改良の余地がある。
さらには、CVDを用いずに、ポリシラザン組成物を基板表面に塗布して、微細なパターンを形成する方法も検討されている(特許文献1)。この方法では、たとえばレジストパターンの凸部側面にポリシラザンに由来するケイ素含有スペーサーを形成させ、その後にレジストパターンを除去する。この結果、ライン状のレジストパターンについて考えると、ラインの両側にケイ素含有スペーサーが形成されるので、結果的にパターンを二重化することができる。この方法は、前記したCVD法などに比べてコストが低く、かつ量産性が高いという特徴がある。しかし、本発明者らの検討によれば、得られるパターンのラインエッジラフネス(以下、LERということがある)に改良の余地がある。また、レジストパターン凸部側面に形成されるケイ素含有スペーサーの厚さが最終的なパターンの線幅となるので、高度な膜厚制御が必要となるが、特許文献1に記載された方法では比較的制御が難しいので、膜厚制御がより容易な方法が望ましい。また、15nmを超える厚い膜を形成させる場合には、形成されるスペーサーの矩形性が不十分となりやすいので、改良の余地があった。
国際公開第2009/096371号
Chris Bencher, Nanochip technology journal, issue of two 2007
本発明の目的は、ラインエッジラフネスに優れ、膜質が均一な、微細なパターンマスクを形成することができる樹脂組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供しようとするものである。
本発明による微細パターン形成用組成物は、下記一般式(Ia):
Figure 2012252083
(式中、R、およびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、またはこれらの基以外であってケイ素に連結する原子が炭素である基であり、
は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数1〜6の飽和炭化水素基を有するシラザン基であり、
、RおよびRはのうちの少なくとも一つは水素原子であり、
mは重合度を示す数である。)
で示される繰り返し単位を有するポリマー、および下記一般式(Ib):
Figure 2012252083
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、またはこれらの基以外であってケイ素に連結する原子が炭素である基であり、
nは重合度を示す数である。)
で示される繰り返し単位を有するポリマーからなる群から選択されるケイ素含有ポリマーと、
下記一般式(II):
Figure 2012252083
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数5〜7のシクロアルキル基であり、
およびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基であり、
pは重合度を示す数である。)
で示される繰り返し単位を1種類以上有するケイ素非含有有機ポリマーと、
溶剤と、
を含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明による微細パターンマスクの形成方法は、
表面上に被加工膜が積層された基材を準備する工程、
前記被加工膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
前記第一の凸パターン上に前記の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
前記塗布工程後の基材を加熱して、前記凸部に隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、および
前記凸部を除去することにより、前記の異種の物質からなる微細な第二の凸パターンマスクを形成させる工程
を含んでなることを特徴とするものである。
本発明による別の微細パターンマスクの形成方法は、
表面上に被加工膜および加工補助用中間膜が順に積層された基材を準備する工程、
前記加工補助用中間膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
前記第一の凸パターン上に前記の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
前記塗布工程後の基材を加熱して、前記凸部に隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、
前記第一の凸部を除去することにより、前記の異種の物質からなる微細な第二の凸パターンマスクを形成させる工程、および
前記第二の凸パターンマスクを介して前記加工補助用中間膜をエッチングして、被加工膜を加工するための微細パターンマスクを形成させる工程
を含んでなることを特徴とするものである。
本発明による別の微細パターンマスクの形成方法は、
表面上に被加工膜が積層された基材を準備する工程、
前記被加工膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
前記第一の凸パターン上に前記の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
前記塗布工程後の基材を加熱して、前記凸部に隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、
前記第一の凸パターンと同等の材質をスペース部に対して埋め込み、第一の凸パターンに対する補填パターンを形成させる工程、および
前記異種の物質からなる層を除去する事により、前記第一の凸パターンと前記第一の凸パターンに対する補填パターンとからなる、微細なパターンマスクを形成させる工程
を含んでなることを特徴とするものである。
本発明によるさらに別の微細パターンマスクの形成方法は、
表面上に被加工膜および加工補助用中間膜が順に積層された基材を準備する工程、
前記加工補助用中間膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
前記第一の凸パターン上に前記の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
前記塗布工程後の基材を加熱して、前記第一の凸パターンに隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、
前記第一の凸パターンと同等の材質を前記凸部の間のスペース部に対して埋め込み、第一の凸パターンに対する補填パターンを形成させる工程、
前記異種の物質からなる層を除去する事により、前記第一の凸パターンと前記第一の凸パターンに対する補填パターンとからなる、微細なパターンを形成させる工程、および
前記第一の凸パターンと前記第一の凸パターンに対する補填パターンを介して前記加工補助用中間膜をエッチングして、被加工膜を加工するための微細パターンマスクを形成させる工程
を含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明による微細パターンマスクは、前記のいずれかの方法により形成されたことを特徴とするものである。
さらに、本発明による微細パターンの形成方法は、前記の微細パターンマスクをエッチングマスクとして、前記被加工膜をエッチング加工する工程を含んでなることを特徴とするものである。
本発明によれば、量産性に優れ、スペーサー幅の制御が容易な微細なパターン形成方法とそれに用いることができる微細パターン形成用組成物が提供される。この方法によれば、通常の方法により形成されるパターンに対して、2倍の数のパターンを微細なサイズで形成することができ、かつLERに優れ、また形成されるスペーサーの矩形性が高いという特徴を有するものである。
本発明による微細パターンの形成方法の第一の実施態様を説明する模式図。 本発明による微細パターンの形成方法の第二の実施態様を説明する模式図。
樹脂組成物
本発明による樹脂組成物は、ケイ素含有ポリマーと、ケイ素非含有有機ポリマーと、それらを溶解し得る溶媒とを含んでなるものである。
まず、ケイ素含有ポリマーとしては、下記一般式(Ia)で示される繰り返し単位を有するポリマー、および下記一般式(Ib)で示される繰り返し単位を有するポリマーからなる群から選択されるものである。
Figure 2012252083
式中、R、およびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、またはこれらの基以外であってケイ素に連結する原子が炭素である基であり、
は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数1〜6の飽和炭化水素基を有するシラザン基であり、
、RおよびRはのうちの少なくとも一つは水素原子であり、
mは重合度を示す数である。
Figure 2012252083
式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、またはこれらの基以外であってケイ素に連結する原子が炭素である基であり、
nは重合度を示す数である。
上記の式(Ia)で表される樹脂は、一般にポリシラザンと呼ばれるものである。このポリシラザンは、R〜Rは、そのいずれかが式(Ia)で表されるようなシラザン基であると、2次元または3次元構造をとることができる。また、上記式(Ia)で表される繰り返し単位は、2種類以上を組み合わせることもできる。
このような樹脂のうち、ケイ素、窒素、および水素だけからなるパーヒドロポリシラザンは好ましいものの一つである。そのうちの一つは、式(Ia)においてR〜Rのすべてが水素であるものである。また、ほかのパーヒドロポリシラザンは、繰り返し単位として、−(SiHNH)−と−(SiHN)<とを有し、末端が水素または一SiH3であるものである。このパーヒドロポリシラザンは、繰り返し単位の配合比で種々の構造を取り得るが、例えば以下のような構造が例示できる。
Figure 2012252083
また、上記の式(Ib)で表される樹脂は、一般にポリシルセスキオキサンと呼ばれるものである。このポリシルセスキオキサンは、一つのケイ素原子の4つの結合手のうち、3つが酸素を介してほかのケイ素原子に結合している網目状の3次元構造を有している。上記式(Ib)で表される繰り返し単位は、2種類以上を組み合わせることもできる。
これらのケイ素含有ポリマーには、繰り返し単位として、そのほかの炭化水素からなる繰り返し単位、シロキサン結合を有する繰り返し単位などを本発明の効果を損なわない範囲で組み合わせることもできる。
このようなケイ素含有ポリマーの分子量は、適用するレジストの種類や、目的とするパターンの種類などに応じて、任意に選択されるが、重量平均分子量で500〜100,000であることが好ましく、600〜10,000である事が好ましい。なお、本発明において重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレンを標準とし検量線を作成し算出した値である。
また、本発明において用いられるケイ素非含有有機ポリマーは、下記一般式(II)で示される繰り返し単位を1種類以上有するポリマーからなる群から選択されるものである。
Figure 2012252083
式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数5〜7のシクロアルキル基であり、
およびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基であり、
pは重合度を示す数である。
ここで、ケイ素非含有有機ポリマーは、一般式(II)で表される繰り返し単位を1種類だけ含む単独重合体であっても、一般式(II)で表される繰り返し単位を2種類以上含む共重合体であってもよい。
このようなケイ素非含有有機ポリマーのうち、好ましいものとして、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−メチルスチレンなどの単独重合体、ポリ(スチレン−co−α−メチルスチレン)、ポリ(スチレン−co−エチレン)などの共重合体が挙げられる。これらのポリマーはレジストとの親和性が低く、より均一で矩形性の高いパターンを形成できるので好ましい。
このようなケイ素非含有有機ポリマーの分子量は、適用するレジストの種類や、目的とするパターンの種類などに応じて、任意に選択されるが、重量平均分子量で500〜400,000であることが好ましく、900〜350,000であることが好ましい。
本発明による樹脂組成物は、上記のケイ素含有ポリマー(Ia)または(Ib)と、ケイ素非含有有機ポリマー(II)とを含む。これらの配合比は、目的とするパターンの用途や形状に応じて調整される。たとえば、ケイ素含有ポリマーが少ないほうがプロセス制御が容易で、また得られるパターンの矩形性がよい傾向にあり、またケイ素含有ポリマーが多いほうが、ラインエッジラフネスが改良される傾向にある。具体的には、ケイ素含有ポリマーとケイ素非含有有機ポリマーとの配合比は、重量比で、10:90〜90:10であることが好ましく、20:80〜80:20であることがより好ましい。
本発明による樹脂組成物は、一般に溶剤を含んでなる。この溶剤は、前記各ポリマーを溶解し得るものである必要がある。すなわち、基板表面に組成物を塗布する際には、組成物が均一であることが好ましいからである。したがって、溶剤に対する樹脂の溶解度は、組成物が均一となる程度に溶解すればよい。一方、基板表面に有機レジストパターンが形成されている場合、その上に塗布した際に、溶剤がパターンを溶解してしまうと、パターンの微細化の前にパターンが破壊されてしまうため、レジストパターンを溶解しないものである必要がある。さらには、前記レジストパターンとは反応しないものであることが好ましい。
本発明において用いることができる溶剤は、上記の条件を満たすものであれば任意のものを選択することができる。また、用いるポリマーの種類や、適用するレジストの材料などに応じて選択できる。このような溶剤としては、(a)エーテル類、例えばジブチルエーテル(DBE)、ジプロピルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)、およびアニソールなど、(b)飽和炭化水素、例えばデカリン、n−ペンタン、1−ペンタン、n−へキサン、i−へキサン、n−へプタン、i−へプタン、n−オクタン、i―オクタン、n−ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン、エチルシクロへキサン、メチルシクロへキサン、シクロヘキサン、およびP−メンタンなど、(c)不飽和炭化水素、例えばシクロへキセン、およびジペンテン(リモネン)など、(d)ケトン類、例えばメチルイソブチルケトン(MIBK)、(e)芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、およびトリエチルベンゼンなど、が挙げられる。これらの中で好ましいのは、(a)エーテル類および(b)飽和炭化水素からなる群から選択される溶剤であり、より具体的にはジブチルエーテル、およびデカリンは第一の凸パターンが有機フォトレジストの場合、樹脂やレジスト材料の種類が変化しても広範に適用可能であり、好ましい溶剤である。これらの溶剤は、必要に応じて2種類以上を組み合わせて用いることもできる.
本発明による樹脂組成物は、前記ポリマーを前記溶剤に溶解させたものであるが、その濃度は特に限定されない。しかしながら、塗布性や、所望のパターン被覆硬化層厚などに応じて適宜調整することができる。一般には、組成物の全重量を基準として、前記ポリマーの総含有量が0.01〜30重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることが好ましい。
本発明による樹脂組成物は、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤としては、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤などが挙げられる。ただし、これらの成分の含有量は、組成物の全重量を基準として0.4%以下である。
本発明によるパターン形成方法は、前記した樹脂組成物を用いるほかは、特許文献1に記載された方法に準じて実施することができる。その方法について具体的に説明すると以下のとおりである。
第一の微細パターンマスク形成方法
以下、図1(a)〜(h)を参照しながら、本発明による微細パターンマスクの形成方法の第一の実施形態について詳細に説明すると以下の通りである。図1(a)〜(h)は、各パターンの長さ方向に垂直な方向の断面図を表すものである。
先ず、基材101、例えばシリコン基板やガラス基板上に、最終的に加工されてパターンとなる被加工膜102を形成させる。このとき、あらかじめ基材の表面上に被加工膜102の密着性を改良すること、基板の平面性を改良すること、エッチング処理などにおける加工性を改良することを目的に、前処理用中間膜(図示せず)を設けることもできる。このような場合には、被加工膜102はそのような前処理用中間膜を介して基材101上に形成される。また、基材の種類によっては、用いる基材が支持体としての機能と、被加工膜としての機能を併せ持つことができる。すなわち、基材の表面を被加工膜とみなすことができ、後述するようなパターンマスクを用いて、基材表面を加工することもできる。
本発明において、最終的に加工される被加工膜102は目的に応じて任意のものを用いることができ、特に限定されるものではない。被加工膜の材料としては、(a)導電性材料、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウムシリサイド(AlSi)、銅(Cu)、タングステン(W)、タングステンシリサイド(WSi)、チタン(Ti)、もしくは窒化チタン(TiN)等、(b)半導体材料、例えばゲルマニウム(Ge)、もしくはシリコン(Si)等、または(c)絶縁性材料、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化窒化シリコン(SiON)、もしくは有機樹脂等の有機材料を挙げることができる。
これらの材料は、目的とするパターンの用途に応じて選択される。すなわち、最終的な半導体デバイス等に組み込まれるパターンの直接的な原料となる被加工膜は、例えば金属配線層や、層間絶縁膜に加工されるものであり、それに応じた材料が選択される。例えば、パターンがトレンチアイソレーション構造、または低誘電の絶縁膜等として利用される場合には無機または有機の絶縁性材料が用いられ、また配線構造を形成させようとする場合には導電性材料が用いられる。有機材料が選択される場合には、例えば、ノボラック、ポリビニルフェノール、ポリメタクリレート、ポリアリーレン、ポリイミド、ポリアリーレンエーテル、カーボン等の炭素原子を含む有機材料が用いられる。
次いで、被加工膜102上に、必要に応じて加工補助用中間膜103を形成させる。以下、加工補助用中間膜を形成させる場合について主に説明するが、そのような層を形成させない場合は、以下の説明において加工補助用中間膜を被加工膜に読み替えることができる。この理由は、本発明のもっとも重要な特徴のひとつは、被加工膜、または存在する場合には加工補助用中間膜の直上に微細なパターンを有するマスクを形成させることにあり、そのマスクを利用して加工されるのが被加工膜または加工補助用中間膜のいずれであっても、マスクそのものの形成は実質的に影響を受けないからである。
加工補助用中間膜を形成させる場合、この膜は基材上101に設けることができるものとして前記した前処理用中間膜と同じものであっても、異なったものであってもよい。また、加工補助用中間膜の材料として、従来知られている反射防止膜などの材料を用いて、その機能をも持たせることができる。また、加工補助用中間膜が、多層レジスト法に用いる下層レジスト等に用いられる場合には、例えば、ノボラック、ポリビニルフェノール、ポリメタクリレート、ポリアリーレン、ポリイミド、ポリアリーレンエーテル、カーボン等の炭素原子を含む有機材料が用いられる。
加工補助用中間膜の材料として有機材料を用いる場合には、その炭素含有量は10重量%以上であることが好ましい。その理由は、炭素含有量が10重量%以上であれば、エッチングを行う過程で、後述する樹脂組成物により形成される層とのエッチング選択比、言い換えればエッチングレートの差が大きくなり、加工が容易となるからである。また、用途によって加工補助用膜の膜厚は異なるが、一般に20〜10000nmの範囲にあることが好ましい。その理由は、20nm以下では加工補助用中間膜に由来する最終的なパターンの目的が達成されないことがあり、10000nm以上では、後述するスペーサーパターンを被加工膜に転写する過程で、加工変換差が顕著に発生するためである。
さらには、被加工膜や加工補助用中間膜の種類やエッチングの条件に応じて、加工補助用中間膜を複数積層することもできる。なお、特に被加工膜102上に加工補助用中間膜103を設ける場合には、加工補助用中間膜の材料は後述する樹脂組成物により形成されるスペーサー部をマスクとして用いてエッチングされ、そのエッチング後に下層である被加工膜をさらにエッチング処理するときのマスクとして機能するものが好ましい。この場合において、このマスク自体が微細なパターンを有する、微細パターンマスクとなる。また、基材上に独立した被加工膜を形成させず、基材表面に加工補助用中間膜103を直接形成させ、それを加工することにより、基材表面を被加工膜として加工するための微細パターンマスクが形成される。
次に、加工補助用中間膜103が存在する場合にはそれを介して、存在しない場合には直接、被加工膜102上に、凸部を有する第一の凸パターン104を形成させる(図1(a))。具体的には、レジスト(例えばボジ型化学増幅レジスト)組成物等を塗布して、通常の方法で露光および現像して、レジストパターン104を形成させることができる。ただし、凸パターン104の形成方法はそれには限定されず、その他の方法で形成させることもできる。例えば、レジスト組成物以外の材料からなる層を形成させ、その層をリソグラフィー技術等によって加工して凸パターン104を形成させてもよい。
上記レジストパターン104を形成させるために用いることのできる感放射線性樹脂組成物は、従来公知,公用の感放射線性樹脂組成物であれば何れのものでもよい。感放射線性樹脂組成物としては、例えば、ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン系樹脂、アクリル系樹脂などのアルカリ可溶性樹脂およびキノンジアジド化合物を含むポジ型レジスト、光照射により酸を発生しこの発生した酸の触煤作用を利用してレジストパターンを形成する化学増幅型のポジまたはネガ型レジストなどを挙げることができるが、光照射により酸を発生しこの発生した酸の触媒作用を利用してレジストパターンを形成する化学増幅型のボジ型レジストが好ましい。レジスト材料としては既に多数のものが提案され、また市販もされており、これら公知、公用のレジスト材料は何れのものであってもよい。また、感放射線性樹脂組成物を用いてのレジストパターン形成方法は、塗布方法、露光方法、ベーク方法、現像方法、現像剤、リンス方法などを含め従来知られた何れの方法を用いることもできる。
また、最終的に微細なパターンを形成させるためには、第一の凸パターンがより微細であることが好ましい。このために、例えばArFやKrFを露光光源として用いるような微細パターンを形成する方法を用いることが好ましい。
第一の凸パターンの膜厚は、後述するスペーサー部の膜厚に対応する。例えば、加工補助用中間膜103の膜厚が20〜10000nmの範囲にある場合、後述するスペーサー部401の膜厚は、20〜5000nmの範囲にあることが好ましいので、第一の凸パターンの膜厚もそれと同等とすべきである。その理由は、スペーサー部401の膜厚が20nmより薄い場合、加工補助用中間膜103をエッチングする過程で、マスクとなるスペーサー部401が消費されてしまい、加工補助用中間膜103を所定の寸法及び形状に加工することが困難になるからである。一方、第一の凸パターン104の膜厚を薄くすれば、それだけ、露光時の露光量余裕度、フォーカス余裕度、或は解像度を向上させることができる。また、スペーサー部401の膜厚が5000nmより厚い場合、第一の凸パターンとしてのレジストパターンを解像する事自体が困難となるばかりか、樹脂組成物自体を埋め込む事が困難になることがあるので注意が必要である。
次いで、パターン上に被覆層を形成させるが、それに先立ってパターン表面に対する樹脂組成物の親和性を改良するための前処理を行うことができる。この処理は、パターン表面の親水性をより高くする処理であるが、この処理によって以下のような理由によりスペーサーの矩形性が改良されると考えられている。
一般的にパターン表面は親水性であるのに対して、組成物に含まれているケイ素非含有有機ポリマーは疎水性である。このため、樹脂組成物をパターン表面に塗布した場合、ケイ素非含有有機ポリマーとパターン表面との間で斥力が作用する。この斥力によって、樹脂組成物の塗膜内でケイ素非含有有機ポリマーがパターン表面から遠ざけられ、その結果親水性が相対的に高いケイ素含有ポリマーがパターン表面の近くの空間を充填し、その上に親水性が相対的に低いケイ素非含有有機ポリマーが被覆することになる。このような構造は、レジストパターン表面の親水性の変動の影響を受けやすい、親水性が相対的に高い層を、親水性が相対的に低い層で被覆しているので、レジストパターン表面の親水性の変動の影響を低減することもできる。本発明の方法では、このような効果により、形成されるスペーサーの矩形性を改善できると考えられている。
そして、パターン表面の親水性をより高くする前処理を行うことにより、パターン表面とケイ素非含有有機ポリマーとの間の斥力をより大きくすることができ、その効果をより高めることができる。この結果、前処理によってスペーサーの矩形性がより改良することができると考えられている。
このような前処理の方法としては、パターン表面に親水性のプライマー層を形成させる方法、パターン表面を直接的に親水化させる方法が挙げられる。プライマー層を形成させる方法としては、たとえばポリアリルアミン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーや、シランカップリング剤などを塗布する方法が挙げられる。また、パターン表面を親水化させる方法としては、パターン表面を酸またはアルカリ水溶液で洗浄し、その後水洗浄する方法や、パターン表面にコロナ放電処理、グロー放電処理、エキシマレーザー光照射処理、低圧プラズマ処理などをする方法が挙げられる。なお、これらの処理において、パターン表面に有機溶剤を接触させるとパターン表面が溶解されてしまうことがあるので、液体を接触させる場合には水性溶液を用いることが好ましい。
次いで、図1(b)に示すように、この第一の凸パターン104を覆うように、前記の樹脂組成物を塗布し、被覆層201を形成させる。
被覆層201を形成させるために樹脂組成物を塗布する方怯は、例えば感放射線性樹脂組成物を塗布する際に従来から使用されている、スピンコート法、スプレーコート法、浸漬塗布法、ローラーコート法など適宜の方法を用いればよい。塗布された被覆層は、引き続いて加熱され、第一の凸パターンの近傍に存在する樹脂組成物が硬化する。
樹脂組成物層の加熱処理の条件は、例えば60〜250℃、好ましくは80〜190℃、の温度で、10〜300秒、好ましくは60〜210秒程度であり、レジストパターンと樹脂組成物層のインターミキシングが起る温度であることが好ましい。形成される樹脂組成物層の膜厚は、加熱処理の温度と時問、使用する感放射線性樹脂組成物及び水溶性樹脂組成物などにより適宜調整することができる。したがって、レジストパターンをどの程度まで微細化させるか、言い換えればレジストパターンの幅をどの程度広げることが必要とされるかにより、これら諸条件を設定すればよい。しかし、被覆層の厚さはレジストパターンの表面からの厚さで、一般に0.01〜100μmとするのが一般的である。本発明によれば、被覆層の厚さを厚くして、形成されるケイ素含有スペーサーをたとえば15nm以上にしても矩形性のよいケイ素含有スペーサーを得ることができるので、従来の方法に比べて、被覆層を厚くすることができる。
このように、基板全体を加熱することにより、第一の凸パターンの凸部の近傍にて被覆層201の硬化反応が起きる。この後、基板を溶剤によりリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去することにより、第一の凸パターンが硬化層301により被覆された、第一の凸パターンを微細化させたパターンを得ることができる(図1(c))。
ここで、加熱により形成された硬化層301のみを残し、未反応の樹脂組成物を除去する方法として、リンス処理とプラズマ処理とが挙げられる。これらは必要に応じてどちらを用いてもよい。リンス処理を採用する場合、用いられる溶剤としては、硬化層に対しては溶解性が低く、樹脂組成物に対しては溶解性が高いものが選択される。より好ましくは、樹脂組成物に用いられている溶剤をリンス処理に用いる。また、プラズマ処理を採用する場合、その条件は特に限定されないが、たとえば、酸素、または酸素とアルゴンとの混合ガスを用いた異方性プラズマ処理を用いることができる。この場合に用いられる具体的な条件は、例えばアンテナパワー200W、バイアスパワー200W、プロセス圧力0.26Pa、酸素フロー速度40sccm、アルゴンフロー速度5sccm、温度20℃とすることができる。
次に、第一の凸パターン上に形成された硬化層を加工して、第一の凸パターンの凸部の側壁に第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる。このような層を以下、便宜的にスペーサーと呼ぶ。このスペーサーを形成させるためには、第一の凸パターン上面を被覆する硬化層を選択的に除去する必要がある。この場合、選択的エッチングの方式としては、スペーサーを最終的に形成することが可能なものであれば、特に限定されることはない。例えば、硬化層側壁部を何らかの埋め込み剤にて保護した後のウェットエッチング方法、或は、ドライエッチング方法であれば、反応性イオンエッチング法、マグネトロン型反応性イオンエッチング法、電子ビームイオンエッチング法、ICPエッチング法、またはECRイオンエッチング法等のドライエッチング方法が挙げられる。前述の通り、硬化層はSiを中心として、その他の元素との化合物を形成する。ゆえに、ドライエッチング方法を用いる場合には、フッ素原子(F)を含むソースガスを用いることが好ましい。
なお、前記した凸パターンおよびスペーサーが形成されている以外の部分である埋め込み底面、すなわち加工補助用中間膜103が存在する場合には加工補助用中間膜103の表面、存在しない場合には被加工膜102の表面、にも、硬化層が形成されることがある。樹脂組成物の塗布方法や、硬化条件を調整することにより埋め込み底面に硬化層を形成させないこともできるが、一般的には埋め込み底面にも硬化層が形成される。このような場合には、それも除去する事が必要である。埋め込み底面の硬化層の除去は、前記のように凸パターンの凸部上側の硬化層を除去するのと同時に行うことが比較的簡便で好ましい。この場合にはエッチング条件を調整することで、凸部上側と埋め込み底面の硬化層を同時に除去する。しかしながら、埋め込み底面に形成された硬化層の除去は、微細なパターンマスクを利用して被加工膜をエッチング加工する前までの任意の段階、具体的には、第一の凸パターンの凸部上側の硬化層を除去する前、後述する第一の凸パターンの除去と同時、などに行うこともできる。ただし、加工補助用中間膜103が存在する場合には、それをエッチング加工する前に硬化膜の除去をすることが必要である。
このような加工により、第一の凸パターンの凸部の側壁に第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層(スペーサー)401を形成させ、第二の凸パターン(図1(d))を形成させる。
次に、ドライエッチング法を用いて、第一の凸パターン104を除去してスペーサー401のみからなるマスク層を形成させ(図示せず)、さらにエッチング処理により、加工補助用中間膜103(存在しない場合には被加工膜)のうちスペーサー401に被覆されていない部分を除去する。すなわちスペーサー401からなる第二の凸パターンをマスクとして、加工補助用中間膜103をエッチングし、加工補助用中間膜に由来するパターン501を形成させる(図1(e))。ここで、第一の凸パターンの除去と、加工補助用中間膜または被加工膜の除去とは、エッチングの条件を調整するなどして独立に行うことも、また単一の条件で同時または連続して行うこともできる。ここで、エッチングの条件を調整し、第一の凸パターンのみを除去した段階で処理を終了させると、スペーサー401のみからなるマスク層を得ることができる。パターン501は、初期に形成させた第一の凸パターン104がライン・アンド・スペースであった場合には、各ラインの両側にラインパターンとしてスペーサーが形成される。したがって、ラインパターンの数を考えると、2倍のパターンが形成されることとなる。したがって、このような方法はパターンを2倍化させる方法ということもできる。
なお、パターン501を形成させるエッチングに先立って、第一の凸パターン間のスペース部に樹脂等を埋め込むことが好ましい。すなわち、エッチング処理において第二の凸パターンは側面の一部が露出しているため、エッチングの効果によって幅が狭くなることがあるので、樹脂の埋め込みによって第二の凸パターンを保護することが好ましい。このような樹脂としては種々のものから任意に選択できるが、第一の凸パターンと同等のエッチング選択比を有する有機物が好ましい。このような有機物としては、例えばポリビニルピロリドン−ヒドロキシエチルアクリレートなどを溶剤に溶解させたものが挙げられる。
この場合、ドライエッチングの方式としては、加工補助用中間膜103を加工することが可能なものであれば、特に限定されることはない。例えば、反応性イオンエッチング法、マグネトロン型反応性イオンエッチング法、電子ビームイオンエッチング法、ICPエッチング法、またはECRイオンエッチング法等、微細加工が可能なものから適切に選択することができる。ソースガスとしては、酸素原子(O)、窒素原子(N)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)からなる群のうち、少なくとも何れか一つを含むガスを用いることが好ましい。これらの原子を含むガスを用いて放電させて得られたエッチャントに対して、無機元素と酸素の結合をもった化合物は、不活性であるためスペーサー部に対して好適に作用する。
このために、加工補助用中間膜103を異方性良くエッチング加工することが可能になる。酸素原子を含むエッチングガスとしては、O、CO、CO、窒素原子を含むエッチングガスとしては、N、NH、塩素原子を含むエッチングガスとしては、Cl、HCl、BCl、また、臭素原子を含むエッチングガスとしては、HBr、Brを挙げることができる。これらのエッチングガスは、混合して使用しても良い。さらに、エッチングガスには、硫黄原子(S)を含んでいても良く、その理由は、被加工膜を異方性良く加工できるからである。この他に、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などのガスを含んでいても良い。
パターン501が形成された後、パターン501上に残ったスペーサー401は必要に応じて除去される(図1(f))。これにより被加工膜102を加工するためのマスクとして利用できる微細パターンが形成される。また、加工補助用中間膜が形成されていない場合には、被加工膜が加工された微細パターンが形成される。この場合例えば、ウェットエッチング方法、或は、ドライエッチング方法であれば、反応性イオンエッチング法、マグネトロン型反応性イオンエッチング法、電子ビームイオンエッチング法、ICPエッチング法、またはECRイオンエッチング法等のドライエッチング方法が挙げられる。前述の通り、硬化層はSiを中心として、その他の元素との化合物を形成する。ゆえに、ドライエッチング方法を用いる場合には、フッ素原子(F)を含むソースガスを用いることが好ましい。しかしながら、被加工膜102が空間露出している為、被加工膜を痛めない方法を前述の方法群から選択する必要がある。
次いで、このパターン501をエッチングマスクとして被加工膜102の加工を行う。この被加工膜の加工方法としては、例えば、ウェットエッチング方法、またはドライエッチング方法を用いることができ、より具体的には、反応性イオンエッチング法、マグネトロン型反応性イオンエッチング法、電子ビームイオンエッチング法、ICPエッチング法、またはECRイオンエッチング法等のドライエッチング方法が挙げられる。被加工膜の材質に応じてエッチャントを選択することが一般的である。
このような被加工膜の加工により、被加工膜からなる微細なパターン601が形成され(図1(g))、さらに必要に応じて、マスクとして残存していたパターン501が除去される。
上記の説明においては、基板上に被加工膜および加工補助用中間膜が形成された基材を用い、その上に直接形成された微細なパターンマスクを用いて微細パターンを形成させる方法を説明した。しかし、本発明による方法はそれに限定されず、基材として例えば、ベアなガラス基板等の透明基材に加工補助用中間膜103を形成させ、それを本発明による方法により加工することにより独立した微細パターンマスクを形成させ、さらにそれを別に準備された絶縁材料膜や導電性材料膜の上に形成されたレジスト膜に密着させて露光する、いわゆるコンタクト露光を行うことによりパターンを形成させたり、基材上に上記した方法に従って形成された微細なパターンマスクを、別に準備された絶縁材料膜や導電性材料膜の上に転写してから、そのパターンマスクを介してエッチングを行ってパターンを形成させたりすることもできる。また、本発明により得られたパターンは、さらに次工程において利用するパターンマスクとすることもできる。
第二の微細パターンマスク形成方法
第一の微細パターンマスク形成方法が、第一の凸パターンの凸部の側壁に形成されたスペーサーをマスクとしてパターンを形成するものであるのに対して、第二の微細パターンマスク形成方法は、スペーサーおよびスペーサーの下層を除去することによりパターンを形成するものである。このような本発明の第二の実施形態について、図2(a)〜(h)を参照しながら詳細に説明すると以下の通りである。
まず、第一の微細パターンの形成方法と同様にして、第一の凸パターンの凸部の側壁にスペーサーを形成させる(図2(a)〜(d))。これまでの工程は、第一の微細パターン形成方法と同じである。
次いで、第一の凸パターンの間のスペース部に第一の凸パターンと同等の物質104Aを埋め込む。(図2(e))。第一の凸パターンの間のスペース部はスペーサー401により微細化されているため、実質的にはスペーサーの間にある空間がスペース部となる。
第一の凸パターンの間のスペース部に埋め込まれる、第一の凸パターンと同等の物質は、第一のパターンを形成するのに用いたものと同じものであることが好ましい。例えばレジスト樹脂等で第一の凸パターンを形成させた場合には、第一の凸パターンを形成させるのに用いたレジスト組成物をスペース部に充填し、硬化させることが好ましい。しかしながら、このスペース部に埋め込まれた材料は、後に第一の凸パターンに対する補填パターンを形成するものである。言い換えれば、スペース部に埋め込まれた材料が、第一の凸パターンに対して、追加の凸部を形成する。すなわち、最終的な微細パターンを形成する際に、第一の凸パターンと同様のマスク材料として機能することが必要なものである。したがって、ここで第一の凸パターンと同等の物質とは、第一の凸パターンを形成するのに用いられた物質と同一であることは必須ではなく、第一の凸パターンと同様のマスク材料として機能し、さらに第一の凸パターンと同様にエッチングや除去ができるものであればよい。
また、最終的な微細パターンを形成させるマスク材料として機能させるためには、スペース部に埋め込む材料層の厚さは第一の凸パターンと同等の厚さを有することが好ましい。このため、埋め込みを行う際には、第一の凸パターンと同等の高さまで埋め込むことが好ましい。また、第一の凸パターン以上の高さまで埋め込みを行った後、第一の凸パターンと同等の高さになるまでエッチング処理等を行うことにより平坦化させることもできる。図2(e)においては、埋め込まれた材料104Aの高さは、第一の凸パターン104と区別するために異なった高さに記載されているが、この高さの差が少ないことが好ましい。
引き続き、第一の微細パターン形成方法の項で述べたのと同様の方法により、スペーサー401を除去する(図2(f))。これにより、被加工膜102または加工補助用中間膜103をエッチング処理するためのマスクが形成される。このマスクは、第一の凸パターン104と、それに対する補填パターン104Aとからなるものである。
第一の凸パターン104と、それに対する補填パターン104Aとからなるマスクを利用して加工補助用中間膜103を加工し(図2(g))、被加工膜102を加工するための微細パターンマスクが形成させる。さらにそのパターン化された加工補助用中間膜103をマスクとして被加工膜102を加工する(図2(h))。これにより、スペーサー401に対応する溝を有する微細なパターンを得ることができる。
以上説明したとおり、本発明の微細パターンの形成方法は、本発明において特定された工程を含むことを必須とするが、それ以外には従来公知の方法を組み合わせることができる。したがって、第一の凸パターンにレジストパターンを用いる場合、レジストパターンを形成するために用いられるフォトレジスト、およびこれを用いてのレジストの形成方法は従来公知のフォトレジストおよび従来公知のレジスト形成法のいずれのものであってもよい。なお、レジストパターンは、一般的に用いられている任意のものを用いることができる。一方、第一の凸パターンは上記微細パターン形成後のフォトレジストをエッチングマスクとして下層をエッチングした後の凸パターンも使用可能である。
実施例
本発明を諸例を参照しながら説明すると以下の通りである。
実施例1A
パーヒドロポリシラザン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)2.7gおよび、ポリ(スチレン−co−α−メチルスチレン)(シグマアルドリッチ製)2.7gを、ジブチルエーテルとキシレンの混合液(混合重量比67:33)94.6gに溶解させて、樹脂組成物1を得た。
2枚のシリコン基板上にArFレジストAX2110P(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を塗布し、通常の手法で露光して、ピッチ1:1.5のラインアンドスペースパターンを2つ作成した。
引き続き、パターンが形成された2つの基板を前処理した。前処理はSH−114(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)をパターンの表面に塗布し、90℃/90秒ベークし、脱イオン水で20秒リンスし、90℃/60秒ベークで乾燥させることによって行った。
次に樹脂組成物1を前処理された2つの基板にそれぞれ塗布し、180℃/180秒ベークし、クーリングした。次いで、1つの基板は、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。もう1つの基板は、異方性酸素プラズマ処理を30秒間行った。これによって、それぞれの基板にレジスト表面に硬化層を形成させた。
次いで、得られた硬化層の矩形性を評価した。硬化層の形成された基板を、ラインに垂直な方向で切断し、その断面写真をCD−SEM S−9200(商品名、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)で撮影した。ラインを被覆する硬化層の側面と、シリコン基板表面とがなす角度θを測定した。
次にドライエッチャー(NE5000N型、株式会社アルバック製)を用い、レジストパターンの上部と、レジストパターンの間にある下層部を除去して、パターンを二重化した。これによってスペーサーが形成された。CD−SEM S−9200(商品名、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、スペーサーのLERおよび幅を測定した。
実施例1B
ArFレジストによりパターンを形成させた後に前処理を行わなかったほかは、実施例1Aと同様にしてスペーサーを形成させて、その特性を評価した。
比較例1A
パーヒドロポリシラザン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)5.4gを、ジブチルエーテルとキシレンの混合液94.6gに溶解させて、樹脂組成物R1を得た。
シリコン基板上にArFレジストAX2110P(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を塗布し、通常の手法で露光して、ピッチ1:1.5のラインアンドスペースパターンを作成した。
引き続き、パターンが形成された基板を前処理した。前処理はSH−114(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)をパターンの表面に塗布し、90℃/90秒ベークし、脱イオン水で20秒リンスし、90℃/60秒ベークで乾燥させることによって行った。
次に樹脂組成物R1を前処理された2つの基板にそれぞれ塗布し、130℃/60秒ベークし、クーリングした。次いで、1つの基板は、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。もう1つの基板は、異方性酸素プラズマ処理を30秒間行った。これによって、それぞれの基板に、レジスト表面に硬化層を形成させた。
次に実施例1と同様にパターンを二重化し、スペーサーの特性を評価した。
比較例1B
ArFレジストによりパターンを形成させた後に前処理を行わず、樹脂組成物塗布後の加熱条件を150℃/60秒に変更したほかは、比較例1Aと同様にしてスペーサーを形成させて、その特性を評価した。
実施例1Aおよび1B、比較例1Aおよび1Bにおいて得られたスペーサーの特性値は表1に記載した通りであった。
Figure 2012252083
実施例2B
ポリフェニルシルセスキオキサン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)0.5g、およびポリスチレン(シグマアルドリッチ製)4.7gを、ジブチルエーテルとキシレンの混合液94.8gに溶解させて、樹脂組成物2を得た。
シリコン基板上にArFレジストAX2110P(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を塗布し、通常の手法で露光して、ピッチ1:1.5のラインアンドスペースパターンを作成した。このパターンを有する基板を3つ準備した。
次に樹脂組成物2をそれぞれの基板に塗布し、それぞれ60℃/60秒、120℃/60秒、および180℃/60秒の条件でベークし、クーリングし、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。この処理により、パターン側面にスペーサーが形成された。
処理後の基板を、CD−SEM S−9200(商品名、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて観察し、樹脂組成物による処理の前後におけるラインの寸法を測定した。各基板に形成されたスペーサーの厚さは下記式により算出した。
スペーサーの厚さ=(処理後のラインの幅−処理前のラインの幅)/2
3つの基板のスペーサーの厚さから、加熱温度に対するスペーサーの成長速度を算出した。上記のようにして求めたスペーサーの厚さをもとに、加熱温度に対するスペーサーの厚さをプロットし、回帰分析を行って、回帰直線の傾きに相当するスペーサー形成速度の温度依存性を求めた。
実施例3B
パーヒドロポリシラザン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を2.7g、およびポリスチレン(シグマ−アルドリッチ社製)を2.7g、ジブチルエテルとキシレンの混合液を94.6gに溶解させて、樹脂組成物3を得た。実施例2Bと同様にして、ArFレジストパターンを有する基板を3つ準備した。次に樹脂組成物3をそれぞれの基板に塗布し、それぞれ170℃/60秒、180℃/60秒、及び190℃/60秒の条件でベークし、クーリングし、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。この処理により、パターン側面スペーサーが形成された。
処理後の基板に対して、実施例2Bと同様の評価を行い、スペーサー形成速度の温度依存性を求めた。
比較例2B
ポリフェニルシルセスキオキサン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)5.2gを、ジブチルエーテルとキシレンの混合液94.8gに溶解させて、樹脂組成物R2を得た。
実施例2Bと同様にして、ArFレジストパターンを有する基板を3つ準備した。次に樹脂組成物R2をそれぞれの基板に塗布し、それぞれ160℃/60秒、170℃/60秒、および180℃/60秒の条件でベークし、クーリングし、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。この処理により、パターン側面にスペーサーが形成された。
処理後の基板に対して、実施例2Bと同様の評価を行い、スペーサー形成速度の温度依存性を求めた。
比較例3B
パーヒドロポリシラザン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)5.4gを、ジブチルエーテルとキシレンの混合液94.6gに溶解させて、樹脂組成物R3を得た。
実施例2Bと同様にして、ArFレジストパターンを有する基板を3つ準備した。次に樹脂組成物R3をそれぞれの基板に塗布し、それぞれ135℃/60秒、145℃/60秒、および155℃/60秒の条件でベークし、クーリングし、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。この処理により、パターン側面にスペーサーが形成された。
処理後の基板に対して、実施例2Bと同様の評価を行い、スペーサー形成速度の温度依存性を求めた。
実施例2B、比較例2Bおよび3において得られたスペーサー形成速度の温度依存性は表2に記載した通りであった。なお、評価の基準は以下の通りとした。
A: 非常に安定
B: 安定
C: 不安定
D: 非常に不安定
Figure 2012252083
実施例4A
パーヒドロポリシラザン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)3.9g、およびポリ(スチレン−co−α−メチルスチレン)(シグマアルドリッチ製)1.7gを、ジブチルエーテルとキシレンの混合液94.4gに溶解させて、樹脂組成物4を得た。
シリコン基板上にArFレジストAX2110P(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を塗布し、通常の手法で露光して、ピッチ1:1.5のラインアンドスペースパターンを作成した。このパターンを有する基板を3つ準備した。
引き続き、パターンが形成されたそれぞれの基板を前処理した。前処理はSH−114(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)をパターンの表面に塗布し、90℃/90秒ベークし、脱イオン水で20秒リンスし、90℃/60秒ベークで乾燥させることによって行った。
次に樹脂組成物4をそれぞれの基板に塗布し、それぞれ180℃/180秒、180℃/240秒、および180℃/300秒の条件でベークし、クーリングし、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。この処理により、パターン側面にスペーサーが形成された。
処理後の基板を、CD−SEM S−9200(商品名、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて観察し、樹脂組成物による処理の前後におけるラインの寸法を測定した。各基板に形成されたスペーサーの厚さは下記式により算出した。
スペーサーの厚さ=(処理後のラインの幅−処理前のラインの幅)/2
3つの基板のスペーサーの厚さから、加熱時間に対するスペーサーの成長速度を算出した。上記のようにして求めたスペーサーの厚さをもとに、加熱時間に対するスペーサーの厚さをプロットし、回帰分析を行って、回帰直線の傾きに相当するスペーサー形成速度の加熱時間依存性を求めた。
比較例4A
パーヒドロポリシラザン(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)5.4gを、ジブチルエーテルとキシレンの混合液94.6gに溶解させて、樹脂組成物R4を得た。
実施例4Aと同様にして、ArFレジストパターンを有し、前処理した基板を3つ準備した。次に樹脂組成物R4をそれぞれの基板に塗布し、それぞれ90℃/120秒、90℃/180秒、および90℃/240秒の条件でベークし、クーリングし、ジブチルエーテルで20秒リンスした後、90℃/60秒でスピン乾燥させた。この処理により、パターン側面にスペーサーが形成された。
処理後の基板に対して、実施例4Aと同様の評価を行い、スペーサー形成速度の加熱時間依存性を求めた。
Figure 2012252083
101 基材
102 被加工膜
103 加工補助用中間膜
104 第一の凸パターン
104A 埋め込み材料
201 被覆層
301 硬化層
401 スペーサー
501 加工補助用中間膜に由来するパターン501
601 微細パターン

Claims (11)

  1. 下記一般式(Ia):
    Figure 2012252083
    (式中、R、およびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、またはこれらの基以外であってケイ素に連結する原子が炭素である基であり、
    は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数1〜6の飽和炭化水素基を有するシラザン基であり、
    、RおよびRはのうちの少なくとも一つは水素原子であり、
    mは重合度を示す数である。)
    で示される繰り返し単位を有するポリマー、および下記一般式(Ib):
    Figure 2012252083
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、またはこれらの基以外であってケイ素に連結する原子が炭素である基であり、
    nは重合度を示す数である。)
    で示される繰り返し単位を有するポリマーからなる群から選択されるケイ素含有ポリマーと、
    下記一般式(II):
    Figure 2012252083
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数5〜7のシクロアルキル基であり、
    およびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基であり、
    pは重合度を示す数である。)
    で示される繰り返し単位を1種類以上有するケイ素非含有有機ポリマーと、
    溶剤と、
    を含んでなることを特徴とする、微細パターン形成用組成物。
  2. 前記ケイ素含有ポリマーが、パーヒドロポリシラザンである、請求項1に記載の微細パターン形成用組成物。
  3. 前記ケイ素含有ポリマーの重量平均分子量が500〜100,000であり、前記ケイ素非含有有機ポリマーの重量平均分子量が500〜400,000である、請求項1または2に記載の微細パターン形成用組成物。
  4. 前記ケイ素含有ポリマーと前記ケイ素非含有有機ポリマーとの配合比が、重量比で10:90〜90:10である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細パターン形成用組成物。
  5. 表面上に被加工膜が積層された基材を準備する工程、
    前記被加工膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
    前記第一の凸パターン上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
    前記塗布工程後の基材を加熱して、前記凸部に隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
    前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
    前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、および
    前記凸部を除去することにより、前記の異種の物質からなる微細な第二の凸パターンマスクを形成させる工程
    を含んでなることを特徴とする微細パターンマスクの形成方法。
  6. 表面上に被加工膜および加工補助用中間膜が順に積層された基材を準備する工程、
    前記加工補助用中間膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
    前記第一の凸パターン上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
    前記塗布工程後の基材を加熱して、前記凸部に隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
    前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
    前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、
    前記第一の凸部を除去することにより、前記の異種の物質からなる微細な第二の凸パターンマスクを形成させる工程、および
    前記第二の凸パターンマスクを介して前記加工補助用中間膜をエッチングして、被加工膜を加工するための微細パターンマスクを形成させる工程
    を含んでなることを特徴とする微細パターンマスクの形成方法。
  7. 表面上に被加工膜が積層された基材を準備する工程、
    前記被加工膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
    前記第一の凸パターン上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
    前記塗布工程後の基材を加熱して、前記凸部に隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
    前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
    前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、
    前記第一の凸パターンと同等の材質をスペース部に対して埋め込み、第一の凸パターンに対する補填パターンを形成させる工程、および
    前記異種の物質からなる層を除去する事により、前記第一の凸パターンと前記第一の凸パターンに対する補填パターンとからなる、微細なパターンマスクを形成させる工程
    を含んでなることを特徴とする微細パターンマスクの形成方法。
  8. 表面上に被加工膜および加工補助用中間膜が順に積層された基材を準備する工程、
    前記加工補助用中間膜上に、凸部を有する第一の凸パターンを形成させる工程、
    前記第一の凸パターン上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を塗布する塗布工程、
    前記塗布工程後の基材を加熱して、前記第一の凸パターンに隣接した部分に存在する前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程、
    前記硬化工程後の基材をリンス処理またはプラズマ処理により未硬化の樹脂組成物を除去する工程、
    前記凸部の上側表面に形成された硬化層を除去することにより、前記凸部の側壁に前記第一の凸パターンを構成する物質とは異種の物質からなる層を形成させる工程、
    前記第一の凸パターンと同等の材質を前記凸部の間のスペース部に対して埋め込み、第一の凸パターンに対する補填パターンを形成させる工程、
    前記異種の物質からなる層を除去する事により、前記第一の凸パターンと前記第一の凸パターンに対する補填パターンとからなる、微細なパターンを形成させる工程、および
    前記第一の凸パターンと前記第一の凸パターンに対する補填パターンを介して前記加工補助用中間膜をエッチングして、被加工膜を加工するための微細パターンマスクを形成させる工程
    を含んでなることを特徴とする微細パターンマスクの形成方法。
  9. 前記第一の凸パターンが、フォトレジストから形成されたものである、請求項5〜8のいずれか1項に記載の微細パターンマスクの形成方法。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法により形成されたことを特徴とする、微細パターンマスク。
  11. 請求項10に記載の微細パターンマスクをエッチングマスクとして、前記被加工膜をエッチング加工する工程を含んでなることを特徴とする、微細パターンの形成方法。
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