JP2012246176A - 絶縁ペーストおよびそれを用いた多層構造体の製造方法 - Google Patents

絶縁ペーストおよびそれを用いた多層構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐薬品性に優れた絶縁ペーストを提供する。
【解決手段】ガラス粉末を50〜90質量%、有機成分を10〜50質量%含む絶縁ペーストであって、該ガラス粉末が酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し、該ガラス粉末中の酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が55〜80質量%の範囲内であることを特徴とする絶縁ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明はディスプレイや電子回路部品等に用いられる絶縁ペーストおよびそれを用いた多層構造体の製造方法に関する。
近年、電子部品やディスプレイにおいて小型化・高精細化が進んでいる。無機材料のパターン加工を行う場合、従来から無機粉末と有機バインダーからなるペーストによるスクリーン印刷が多く用いられている。さらに微細な無機物のパターンを形成する技術としては、感光性ペースト法が用いられている。導電性や絶縁性を有する無機粉末と感光性成分を含む有機成分からなる感光性ペーストを基板上に塗布した後、露光、現像によりパターンを形成し、焼成することによって感光性成分を含む有機成分を揮散させ、無機粉末を焼結することによって微細な無機物のパターンを形成する方法である。この方法を用いて、セラミック基板上にガラス粉末と有機成分からなる絶縁ペーストによりスルホールを有する絶縁層を形成した後、銀粉末と感光性有機成分からなる感光性導電ペーストにより微細な配線パターンを有する導電層を形成し、積層体を形成することが可能となった。
このような積層体における導電パターンは通常、酸化からの保護、半田付け性向上の目的でニッケルや金、パラジウム等のめっき処理が施されることが多いが、導電層は空隙が多く、めっき工程での前処理液やめっき液等の薬液が下層の絶縁層まで侵入し、絶縁層にクラックが入ったり、剥がれたりする問題があった。特に、比較的低温で焼成するような絶縁層の場合、強酸性の薬液では、絶縁層の剥がれが顕著になった。
そこで、本発明者らは、低温度で焼成し強酸性の薬液が侵入してもクラックや剥がれが発生しない耐薬品性に優れた絶縁ペーストについて鋭意検討したところ、特定の範囲内で酸化ビスマス成分を含むガラスを用い、かつ特定のガラス成分を含有することで耐薬品性に優れる絶縁ペーストを見出した。
一方、酸化ビスマスを含むガラスを用いる絶縁ペーストとしては、特許文献1に酸化ビスマス、酸化鉛、酸化リチウムのうち少なくとも1種を5〜50重量%含有するガラス微粒子を用いる感光性絶縁ペーストが提案されている。また、特許文献2に酸化ビスマス、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムの合計が5〜40重量部を含有するガラスを用いる感光性絶縁ペーストが提案されている。しかしながら、特許文献1および2記載の感光性絶縁ペーストを用いて絶縁層を形成し、強酸性の薬液に浸漬すると、絶縁層が脆くなり基板から剥離するという問題があった。
特開平9−059544号公報 特開平9−283035号公報
本発明は、ポットライフ、焼成後の緻密性に優れ、めっき工程での前処理液やめっき液等の強酸性の薬液が侵入してもクラックや剥がれが発生しない耐薬品性に優れた絶縁ペーストを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ガラス粉末を50〜90質量%、有機成分を10〜50質量%含む絶縁ペーストであって、該ガラス粉末が酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し、該ガラス粉末中の酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が55〜80質量%の範囲内であることを特徴とする絶縁ペーストである。
本発明によれば、ポットライフ、焼成後の緻密性および耐薬品性に優れた絶縁ペーストを提供できる。
本発明の絶縁ペーストは、ガラス粉末を50〜90質量%、有機成分を10〜50質量%含む絶縁ペーストであって、該ガラス粉末が酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し、該ガラス粉末中の酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が55〜80質量%の範囲内であることが必要である。ガラス粉末中の酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が55〜80質量%の範囲であることで、良好なパターン形成性やポットライフを保ちながら強酸に対する耐薬品性を向上させることができる。その含有率の合計が55質量%未満の場合、耐薬品性が不良となる。更にガラスの軟化点が高くなることにより、目的の温度における焼成が不可となる。また、該ガラス粉末中の酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が80質量%を超えると、絶縁ペーストのポットライフが不良となる。さらに、ガラス粉末中の酸化ビスマスの含有率が55〜70質量%の範囲内、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。なお、本発明においてガラス粉末中の酸化物の含有率は酸化物換算表記による値を用いる。
また、本発明の絶縁ペーストに含まれるガラス粉末は、以下の組成を有することが好ましい。
SiO 10〜30質量%
Bi 55〜70質量%
10〜30質量%
Al 3〜15質量%
ZrO 2〜10質量%
SiOが10質量%未満の場合は絶縁層の緻密性、強度や安定性が低下する場合がある。30質量%を超えると軟化点が上昇し、流動性が悪く焼結性が不十分となる場合がある。
Biは、ガラスの軟化点を下げる主要成分であり、その含有率が55質量%未満の場合は軟化点が上昇し、低温での焼成が不可能となる。70質量%を超えると、耐酸性が低下すると共に熱膨張係数が高くなり基板や配線等との密着性やクラック等の問題が生じる。
は10〜30質量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上する事ができる。また、30質量%を超えるとガラスの安定性が低下する場合がある。
Alはガラスの安定性、耐酸性を向上させる。含有率が3質量%未満ではガラス層の耐酸性が低下する。15質量%を越えるとガラスの耐熱温度が高くなり過ぎて低温での焼成が困難になる。
ZrOはガラスの耐酸性を高めることに有効である。ただし10質量%を越えると耐熱性が高くなり、焼成が困難となる場合や、ガラスが不安定となりガラス中に結晶が析出するおそれがある。
本発明においては、上記ガラスが、更にTiO、CeOを1〜5質量%の範囲内で含有することも好ましい。TiO、CeOを配合することによって絶縁層の耐薬品性向上や絶縁ペーストの貯蔵安定性を向上できる。5質量%を超えると絶縁層の耐熱温度が高くなり、焼成が困難となる場合がある。
また、更にMgO、CaO、BaO、ZnOを1〜10質量%の範囲内で含有することも好ましい。MgO CaO、BaO、ZnOを配合することによって、ガラスの軟化点や熱膨張係数の制御が可能になる。
本発明に用いるガラス粉末の粒子径は、作製しようとするパターン形状を考慮して選択されるが、50重量%粒子径が0.1〜10μm、10質量%粒子径が0.4〜2μm、90質量%粒子径が4〜10μmの範囲で、比表面積0.2〜3m/gであることが好ましい。50重量%粒子径が0.1μm未満の粉末はペースト中に良好に分散させる事が困難であり、10μmを超える粉末は焼成後膜の平坦性やパターン形状が悪化する傾向があるので好ましくない。
また、本発明においては、パターンの形状保持や熱膨張率の観点から耐火物フィラーを添加する事も好ましい。耐火物フィラーとしては、チタニア、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウムなどが挙げられる。耐火物フィラーの添加量としては、ペーストに対し5〜30質量%である事が好ましい。
本発明のガラスペーストに用いられる有機成分は、パターン形成プロセスにより選択される。ポリマーとして、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル重合体、ブチルメタクリレート樹脂等を用いることができる。
本発明において、微細なパターンを形成する場合には感光性ペースト法によりパターン形成する方法が好ましい。この場合は、有機成分として感光性モノマー、感光性オリゴマーおよび感光性ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含む感光性有機成分を含有する感光性絶縁ペーストとする。
感光性モノマーとしては、活性な炭素−炭素2重結合を有する化合物を用いることができる。官能基として、ビニル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基を有する単官能および多官能化合物が応用できる。アクリレートまたはメタクリレート官能基を有する多官能化合物には多様な種類の化合物が開発されているので、それらから反応性、屈折率などを考慮して選択することが可能である。具体的には、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、または上記化合物のアクリル基を1部または全てメタクリル基に代えた化合物等が挙げられる。
感光性絶縁ペーストを構成する有機成分として、光反応で形成される硬化物の物性の向上や感光性ペーストの粘度の調整などの役割を果たす成分としてオリゴマーまたはポリマーが用いられる。そのオリゴマーまたはポリマーは、炭素−炭素2重結合を有する化合物から選ばれた成分の重合または共重合により得られる。
共重合する化合物としては、不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後にアルカリ水溶液での現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物などが挙げられる。
こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は50〜180mgKOH/g、さらには70〜140mgKOH/gの範囲内が好ましい。酸価が180mgKOH/gを超えると、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が50未満になると未露光部の現像液に対する溶解性が低下するため現像液濃度を大きくする事になり露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくくなる。
以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。
好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
このような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル等量付加させることが好ましい。
本発明では、分子内にカルボキシル基と不飽和2重結合を含有する重量平均分子量500〜10万のオリゴマーもしくはポリマーを含有させることが好ましい。
本発明における絶縁ペーストを感光性絶縁ペーストとする場合には、感光性モノマー、感光性オリゴマーまたは感光性ポリマーを含有するが、これらの成分はいずれも活性光線のエネルギー吸収能力はないため、光反応を開始するためには光重合開始剤を用いる必要がある。感光性ペーストによるパターン形成は、露光された部分の感光性成分を重合および架橋させて現像液に不溶化することであり、上記のように感光性を示す官能基はラジカル重合性であるため、光重合開始剤はラジカル種を発生するものから選んで用いられる。
光重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。
光重合開始剤は、感光性モノマー、感光性オリゴマーおよび感光性ポリマーの合計量100質量部に対し、0.05〜10質量部の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10質量部である。光重合開始剤の量が少なすぎると光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎる場合には露光部の残存率が小さくなる恐れがある。
また、本発明における絶縁ペーストには、必要に応じて分散剤、可塑剤、沈殿防止剤等の添加剤を加えることができる。
本発明における絶縁ペーストを感光性絶縁ペーストとする場合には、必要に応じて紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤などの添加剤を加えることができる。これらの添加剤を加えることにより、ペーストの光感度、パターン形状といったペースト特性をコントロールすることが可能となる。
本発明の絶縁ペーストには、ペーストの粘度を調節する目的で有機溶媒を添加してもよい。有機溶媒は、揮発性と使用する他の有機成分との溶解性を主に考慮して選定する。特にポリマーに対する有機溶媒の溶解性が低いと固形分比が同一でも絶縁ペーストの粘度が高くなってしまい、塗布特性が悪化するという傾向がある。有機溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、テルピネオール、ベンジルアルコール、1−ブトキシ−2−プロパン、1,2−ジアセトキシプロパン、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アセトキシ−1−エトキシプロパン、(1,2−メトキシプロポキシ)−2−プロパノール、(1,2−エトキシプロポキシ)−2−プロパノール、2−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラフルフリルアルコール、2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2−メチル−1−ブタンノル、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、シクロヘキサンノン、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、1−メチルペンチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトンなどが挙げられる。本発明では有機溶媒を絶縁ペースト中に10〜40質量%の範囲で含まれるのが好ましく、より好ましくは12〜25質量%の範囲である。有機溶媒が10質量%未満では絶縁ペーストの粘度が高くなり、塗布が困難となる。また、有機溶媒が40質量%を越えると分散粒子の沈降が速くなり、絶縁ペーストの組成を安定化することが困難となる。また、ペーストの乾燥に多大なエネルギーと時間を要する傾向がある。
本発明の多層構造体の製造方法における絶縁ペーストを用いたパターン形成方法については、感光性ペースト法、スクリーン印刷法が挙げられるが、高精細化、工程の簡便性が優れている点から感光性ペースト法であることが好ましい。
本発明の絶縁ペーストは、各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散することで調整する。
次に、感光性ペースト法を用いてパターン加工を実施する一例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
まず、ガラスやアルミナ等の基板上に感光性絶縁ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用いることができる。
塗布後、乾燥を行う。乾燥は、通風オーブン、ホットプレート、IR乾燥炉等を用いて、通常40〜120℃で5〜180分間行う。
次に、露光装置を用いて露光を行う。露光装置としては、プロキシミティ露光機などを用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
露光後、露光部分と非露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して現像を行うが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行う。現像液には、感光性絶縁ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を用いる。また、該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性絶縁ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像することができる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などが使用できる。また、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいのでより好ましい。
有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が除去されずに残り、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離させ、非可溶部を腐食させるおそれがある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
最後に、焼成炉にて焼成する。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉等を用いることができる。焼成温度は550〜1000℃で行う。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
表1のA〜Hに示す組成のガラスを粉砕した平均粒子径2μmのガラス粉末48質量%、酸化チタン(JR−405、テイカ社製)12質量%、アクリルポリマー(APX−716、東レ社製)10質量%、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(第一工業製薬社製)8質量%、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1を2質量%、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート20質量%の比率で混合したものを3本ローラーで混練して作製した。
(パターン加工性の評価)
基板(アルミナ基板、76mm角、厚さ0.75mm)上にマイクロテック社製スクリーン印刷機および325メッシュのスクリーン版を用いて感光性絶縁ペーストを全面に印刷し、タバイ社製熱風乾燥機を用いて100℃で10分乾燥した。乾燥後の膜厚は20μmとした。乾燥後、直径50μmのスルホールが形成されたフォトマスクを介して露光を行った。露光機は、大日本スクリーン製露光機(光源:2kW超高圧水銀灯)を用いた。露光後、0.5%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間シャワー現像を行い、パターンを得た(現像液温度は25℃とした)。その後、光洋サーモテック社製ローラーハース焼成炉を用いて焼成した。焼成条件は、室温〜620℃まで10℃/分で昇温後、620℃で15分間行った。焼成後、光学顕微鏡を用いてスルホールの解像性を調べた。表2において、50倍でスルホールの面積を観察し、スルホールに全く残渣が観察されなかった状態を○、スルホールの全面積に残渣が観察された状態を×で示した。
(ポットライフ)
感光性絶縁ペーストをブルックフィールド社製B型粘度計RVDV−II+Proを用いて測定した(測定温度25℃、3rpm)。その後、23℃(60%RH)のデシケーターで保管し、7日後に粘度を再測定した。表2において、7日保管後に粘度が製造時の1.2倍以下のものを○、7日保管後に粘度が製造時の1.2倍を超えるものを×で示した。
(焼成膜緻密性)
パターン加工性の評価時と同様に、アルミナ基板上にスクリーン印刷機を用いて感光性絶縁ペーストを全面塗布し、その後基板を焼成炉にて焼成した。焼成条件についてもパターン加工性評価時と同様である。焼成後、日立製走査電子顕微鏡S−2400を用いて基板焼成面の観察を実施した。ガラス成分が焼結し、焼成面が平滑な状態を○、ガラス成分の焼結が不十分で表面に気泡や間隙が観察できる状態を△、ガラス成分が溶融せず粒子の状態で残っている状態を×とした。
(耐薬品性)
パターン加工性の評価で作製したサンプルを80℃の0.1N硫酸に72時間浸漬し、水洗、エアーブローを行った後、指で擦り絶縁層の状態を観察した。表2において、指で擦った後も絶縁層が基板から剥がれない状態を○、指で擦ることにより絶縁層が基板から剥がれる状態を×で示した。
実施例1〜5
実施例1〜5の結果を表2に示す。ガラス粉末が酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し、その含有率の合計が55〜80質量%の範囲内であるガラスA〜Eを用いた場合、いずれも良好なパターン加工性、ポットライフを保ったまま優れた耐薬品性を示した。
また、実施例4および5では、焼成膜の表面に一部気泡や凹凸が見られたものの良好なパターン加工性、ポットライフを保ったまま優れた耐薬品性を示した。
比較例1〜4
比較例1〜3の結果を表2に示す。酸化ビスマスとアルカリ金属の酸化物を含有するガラスFを用いた比較例1では、耐薬品性が不良であった。酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し、その含有率の合計が80質量%を超えるガラスGを用いた比較例2においても、パターン加工性、ポットライフは良好であったが耐薬品性が不良であった。また、酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し、その含有率の合計が80質量%未満であるガラスHを用いた比較例3では、耐薬品性、パターン加工性、ポットライフは良好なものの焼成膜の緻密性が不十分であった。
Figure 2012246176
Figure 2012246176

Claims (5)

  1. ガラス粉末を50〜90質量%、有機成分を10〜50質量%含む絶縁ペーストであって、該ガラス粉末が酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムを含有し、該ガラス粉末中の酸化ビスマス、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が55〜80質量%の範囲内であることを特徴とする絶縁ペースト。
  2. 前記ガラス粉末中の酸化ビスマスの含有率が55〜70質量%の範囲内、酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウムの含有率の合計が5〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ペースト。
  3. 前記ガラス粉末が、以下の組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁ペースト。
    SiO 10〜30質量%
    Bi 55〜70質量%
    10〜30質量%
    Al 3〜15質量%
    ZrO 2〜10質量%
  4. 有機成分が感光性有機成分を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁ペースト。
  5. 絶縁層と導電パターンを積層して多層構造体を製造する方法において、絶縁層を請求項1〜4のいずれかの絶縁ペーストを用いてパターン形成することを特徴とする多層構造体の製造方法。
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