JP2012244752A - スイッチングレギュレータ及び電圧変換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソフトスタート回路を搭載したスイッチングレギュレータにおける起動前処理時間をなくす。
【解決手段】本発明によるスイッチングレギュレータは、容量に流れる電流によって決まる電圧と、出力電圧を分圧することで生成した分圧帰還電圧の一方を、待機状態、起動状態に応じて選択してソフトスタート信号として出力するソフトスタート回路を備え、ソフトスタート信号に基づいて生成されたPWM信号に応じたスイッチング動作により、入力電圧を所望の電圧に変換し出力する。
【選択図】図3
【解決手段】本発明によるスイッチングレギュレータは、容量に流れる電流によって決まる電圧と、出力電圧を分圧することで生成した分圧帰還電圧の一方を、待機状態、起動状態に応じて選択してソフトスタート信号として出力するソフトスタート回路を備え、ソフトスタート信号に基づいて生成されたPWM信号に応じたスイッチング動作により、入力電圧を所望の電圧に変換し出力する。
【選択図】図3
Description
本発明は、スイッチングレギュレータに関し、特にソフトスタート回路を備えるスイッチングレギュレータ及び電圧変換方法に関する。
スイッチングレギュレータは、高効率で、入力電圧を所望の出力電圧へ変換できることから、様々な分野で使用されている。
一般に、スイッチングレギュレータは、起動時に発生する突入電流の発生を防止するため、起動時から所望の電圧までの昇圧時間を長時間化するソフトスタート回路を備える。ソフトスタート回路は、スイッチングレギュレータの出力電圧が起動時の電圧から所望の電圧まで昇圧(又は極性反転)される時間(以下、起動時間と称す)を数十mSと長時間化することで、大きな突入電流の発生を防いでいる。しかしその一方、DSC(デジタル・スチル・カメラ)や携帯電話などの携帯器機では、できるだけ短い時間で電源オフからオンの状態へ起動する事が求められている。スイッチングレギュレータの起動時間と突入電流はトレードオフの関係にあり、突入電流を抑えつつ起動時間を短くすることが望まれている。
図1は、従来技術による昇圧型スイッチングレギュレータの構成の一例を示す図である(非特許文献1参照)。図1に示す昇圧型スイッチングレギュレータは、入力電圧VINよりも高い出力電圧VOUTを発生することを目的とした回路である。図1を参照して、従来技術による昇圧型スイッチングレギュレータの構成及び動作を説明する。
従来技術の昇圧型スイッチングレギュレータ回路は、出力電圧VOUTを分圧して帰還させた電圧に基づいてPWM(Pulse With Modulation)パルス信号を出力し、昇圧スイッチング動作を制御する制御回路600を備える。これにより、スイッチングレギュレータ回路は、入力電圧VINよりも高い出力電圧VOUTを発生する。
図1に示す昇圧型スイッチングレギュレータは、制御回路600、入力端子610、NチャネルMOSトランジスタ611、コイル612、ショットキダイオード613、容量614、抵抗615、616、位相補償抵抗617、位相補償容量618、出力端子620を具備する。制御回路600は、ソフトスタート回路60、誤差アンプ70、PWM回路80を備える。
ソフトスタート回路60は基準電圧源61(基準電圧Vref)、電流源62(電流Is)、容量63(容量Cs)を備える。入力端子610から入力電圧VINがコイル610(インダクタンスL1)に印加されると、電流源62からの電流Isによって、容量63が充電され始める。これにより、容量63の一端(出力端子64)から、ソフトスタート回路60の出力として、ソフトスタート信号604が出力される。電流源62が基準電圧源61によりバイアスされているため、電流源62による容量63への充電は、充電電圧が基準電圧Vrefになると止まる。従って、ソフトスタート信号604は電流Isと容量Csによって決まる充電時間をかけて、接地電圧“0”から基準電圧“Vref”まで上昇し、上昇後は基準電圧Vrefと同じ一定電圧を維持し、昇圧型スイッチングレギュレータ回路の基準電圧となる。
誤差アンプ70の非反転入力端子には、フィードバック端子603(以下、FB端子603と称す)が接続され、反転入力端子には、ソフトスタート回路60の出力端子64が接続される。FB端子603から非反転入力端子には、昇圧型スイッチングレギュレータの出力電圧VOUTを抵抗615(抵抗R1)と抵抗616(抵抗R2)とによって分圧した電圧が供給される。又、出力端子64から反転入力端子には、ソフトスタート回路60からのソフトスタート信号604が供給される。これにより、FB端子603の電圧とソフトスタート信号604と同じ電圧になるように、誤差アンプ70の出力電圧が制御される。尚、発振防止の目的から、誤差アンプ70出力は、端子601を介して位相補償抵抗617(抵抗Rz)と位相補償容量618(容量Cz)に接続している。
PWM回路80は、コンパレータ81、ドライバ82を備える。コンパレータ81の非反転入力端子には三角波信号が入力され、反転入力端子には、誤差アンプ70の出力端子が接続される。これにより、三角波信号の振幅電圧の最小値が0V、最大値が0.5Vとすると、誤差アンプ70の出力電圧が0.5Vから0Vに変化することにより、コンパレータ81は、デューティ比(ONデューティ)が0%から100%に変化するPWM信号を出力する。コンパレータ81の出力は、ドライバ82を介して出力端子602に接続される。
Nチャネル型MOSトランジスタ611のゲートは制御回路600の出力端子602に接続され、ドレインはコイル612の一端とショットキダイオード613のアノードに接続され、ソースは接地される。ドライバ82の出力、すなわちコンパレータ81の出力(PWM信号)は、出力端子602を介してNチャネル型MOSトランジスタ611のゲートに供給される。この際、ドライバ82は、入力ゲート容量が大きいNチャネル型MOSトランジスタのゲートを安定に駆動するために利用される。Nチャネル型MOSトランジスタ611は、ゲートに入力されるPWM信号に応じて、コイル612の一端及びショットキダイオード613のアノードと、接地端子との間の接続を制御する。
又、コイル612の他端は入力端子610に接続され、ショットキダイオード613のカソードは、容量614(容量Co)の一端と抵抗615の一端に接続して昇圧型スイッチングレギュレータの出力端子620(出力電圧VOUT)を構成する。尚、容量614の他端は接地され、抵抗615の他端は、FB端子603を介して抵抗616の一端に接続され、抵抗616の他端は接地される。
上述のような構成において、Nチャネル型MOSトランジスタ611がオンすると、コイル612の両端に入力電圧VINが印加され、コイル612に流れる電流Iinが増加する。一方、Nチャネル型MOSトランジスタ611がオフすると、コイル612に流れている電流Iinがショットキダイオード613を介して容量614へ流れる。PWM回路80から出力されるPWM信号に応じてNチャネル型MOSトランジスタ611のオンオフが繰り返されることで、出力端子620は、基準電圧Vrefと抵抗615、616に基づいた電圧に昇圧される。
図2を参照して、図1に示す昇圧型スイッチングレギュレータの起動時の動作を説明する。尚、本一例における各定数は下記の値として説明する。又、ショットキダイオード613の順バイアス電圧は0Vに近似できるものとする。
Vref=1V、Cs/Is=20mS/V(電流源Isが容量Csを、0Vから1.0Vまでの1V充電する時間が20mS)、VIN=3V、R1=400kΩ、R2=100kΩ、Co=100μF、三角波信号のHighレベル電圧=0.5V、三角波信号のLowレベル電圧=0V、ショットキダイオード613の順バイアス電圧≒0V
時刻T1において3Vの入力電圧VINが入力端子610に印加され、入力電圧VINが0Vから3Vに遷移する際、Nチャネル型MOSトランジスタ611はオフである。このとき出力端子620は、ショットキダイオード612を介して供給された入力電圧VINと同じ3Vとなり、抵抗615、616によって分圧されたFB端子603の電圧は0.6Vとなる。
ソフトスタート信号604の電圧S1は、0Vから上昇を開始し、一定の傾き(上昇率)で20mS後に基準電圧Vrefと同じ1Vに達する。このとき、ソフトスタート信号604の電圧S1がFB端子603の電圧“0.6V”に達するまでの時間“12mS”、誤差アンプ70の出力は、三角波信号のHighレベル電圧0.5Vより高い電圧となる。この間、PWM回路80はNチャネル型MOSトランジスタ611をオフ状態に維持し、昇圧型スイッチングレギュレータの出力端VOUTは入力電圧VINと同じ3Vのまま昇圧動作しない。
以下、ソフトスタート信号604の電圧S1が上昇し始める時刻T1(入力電圧VINの印加時刻)から、電圧S1がFB端子603の電圧と同じ値に達する時刻T2までの時間(本例では前半の12mSの間)を起動前処理時間Tbと定義する。
時刻T2においてソフトスタート信号604の電圧S1が0.6V以上に上昇すると、誤差アンプ70の出力が低下し、三角波信号の振幅内の値となる。これにより、PWM回路80は、三角波信号に応じたデューティ比のPWM信号を出力し、Nチャネル型MOSトランジスタ611のスイッチング動作を制御する。Nチャネル型MOSトランジスタ611のスイッチング動作(オンオフの切り替わり)により、昇圧型スイッチングレギュレータの出力電圧VOUTは上昇し始める。誤差アンプ70は、ソフトスタート信号604とFB端子603の電圧が同じ電圧になるように、出力電圧VOUTを上昇させる(この状態を“起動”、“起動状態”又は“昇圧動作状態”と称す)。このとき、出力電圧VOUTは、(1)式に示すようにソフトスタート信号604に正比例して上昇する。ここで、S1はソフトスタート信号604の電圧値を示す。
VOUT=S1×(R1+R2)/R2 ・・・(1)
VOUT=S1×(R1+R2)/R2 ・・・(1)
ソフトスタート信号604の電圧S1は、基準電圧Vref“1V”に達すると、その値を維持する。出力電圧VOUTは、ソフトスタート信号604の電圧S1と正比例していため、ソフトスタート信号602の電圧S1がFB端子603の電圧と同じ0.6Vとなる時刻T2から、基準電圧Vrefと同じ1Vとなる時刻T3までの間上昇し、設定電圧値である5Vに達すると、その値を維持する。
ここで、昇圧型レギュレータにおける基準電圧Vrefと、昇圧後の出力電圧VOUT(設定電圧)との関係を(2)式に示す。
VOUT(設定電圧)=Vref×(R1+R2)/R2 ・・・(2)
VOUT(設定電圧)=Vref×(R1+R2)/R2 ・・・(2)
以下、出力電圧VOUTの昇圧が開始されてから(起動開始から)、設定電圧に到達するまでの期間を起動時間Tkと定義する。本従来例では、ソフトスタート信号604の電圧値(S1)がFB端子603の電圧(本例では0.6V)に達した時刻T2から基準電圧Vrefに達する時刻T3までの時間(本例では後半の8mSの間)が起動時間Tkとなる。
ここで、ソフトスタート信号604の電圧値(S1)が上昇し始める時刻T1から、基準電圧源Vrefと同電圧値に達する時刻T3(出力電圧VOUTが設定電圧に昇圧されるまでの時刻)までの時間をソフトスタート時間Tsと定義すると、ソフトスタート時間Tsは(3)式で示される。
Ts = Tb + Tk ・・・(3)
Ts = Tb + Tk ・・・(3)
又、起動時に入力端子610に発生する入力電流Iinを突入電流と称し、(4)式で示される。すなわち、突入電流は、出力端子620が予め設定された出力電圧VOUTとなるまで、容量614に充電されたときの電荷量をその充電時間である起動時間Tkで割った値として示される。
突入電流(最大値)
=(VOUT(設定値)−VIN)×Co/Tk×VOUT(設定値)/VIN
・・・(4)
突入電流(最大値)
=(VOUT(設定値)−VIN)×Co/Tk×VOUT(設定値)/VIN
・・・(4)
尚、ソフトスタート回路が搭載されたスイッチングレギュレータが、例えば特開2009−118692(特許文献1参照)、特開2007−336629(特許文献2参照)、特開2003−299348(特許文献3参照)に記載されている。
特許文献1には、出力電圧を分圧してソフトスタート回路にフィードバックするための抵抗を制御回路に対して外付けとすることで、出力電圧の変更を容易としたDC−DC変換装置が記載されている。又、特許文献2には、2つのスイッチングトランジスタの一方が少なくとも1回オンした後に、他方のオンを許可することで、スイッチングトランジスタへの大電流の流入を防止したスイッチング制御回路が記載されている。更に、特許文献3には、ソフトスタート回路にフィードバックされた分圧が入力される誤差アンプの非反転入力端子の電圧を制御することで、基準電圧の変動の影響を抑制した電源装置が記載されている。
"製品S−8337/8338シリーズのデータシート"、[平成23年2月22日検索]インターネット<URL:http://datasheet.sii−ic.com/jp/switching_regulator/S8337_8338_J.pdf>
従来技術の昇圧型スイッチングレギュレータでは、誤差アンプ70の非反転入力端子の電圧が、抵抗比(R1:R2)で決まるFB端子603から供給される電圧によってバイアスされている。一方、誤差アンプ70の反転入力端子に入力されるソフトスタート信号604は0Vから上昇を開始する。このため、ソフトスタート信号604の電圧S1が0VからFB端子603の電圧に上昇するまでの時間、昇圧型スイッチングレギュレータは昇圧スイッチング動作しない。すなわち、従来技術では、スイッチングしない無駄な時間である起動前処理時間Tbが発生しまい、(3)式で示されるようにソフトスタート時間Tsは起動前処理時間Tbによって長大化してしまう。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号が付加されている。ただし、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
本発明によるスイッチングレギュレータは、分圧抵抗回路、ソフトスタート回路(10)、PWM回路(30)、及びスイッチング素子(111)を備える。分圧抵抗回路は、出力電圧(VOUT)と第1電圧(例えば接地電圧)との間の電位差を分圧し、分圧帰還電圧(106)として出力する。ソフトスタート回路(10)は、直列接続された電流源(12)と容量(13)との間に流れる電流(Is)に応じた第2電圧と、分圧帰還電圧(106)との一方を選択してソフトスタート信号(104)として出力する。PWM回路(30)は、ソフトスタート信号(104)と分圧帰還電圧(106)との比較結果と、三角波信号(105)との比較結果に基づいたPWM(Pulse With Modulation)パルス信号をスイッチング素子(111)の制御端子に出力する。スイッチング素子(111)は、PWM信号に応じたスイッチング動作により、一端に入力電圧(VIN)が供給されるコイルの両端の差電圧を制御することで、コイル(112)に流れる電流(Iin)を制御して出力電圧(VOUT)を目標電圧に変更する。この際、ソフトスタート回路(10)は、待機状態において分圧帰還電圧(106)をソフトスタート信号(104)として出力し、起動状態において、第2電圧をソフトスタート信号(104)として出力する。
本発明によるスイッチングレギュレータにおける電圧変換方法は、出力電圧(VOUT)と第1電圧(例えば接地電圧)との間の電位差を分圧し、分圧帰還電圧(106)として出力するステップと、直列接続された電流源(12)と容量(13)との間に流れる電流に応じた第2電圧と、分圧帰還電圧(106)との一方を選択してソフトスタート信号(104)として出力するステップと、ソフトスタート信号(104)と分圧帰還電圧(106)との比較結果と、三角波信号(105)との比較結果に基づいたPWMパルス信号によるスイッチング動作によって、入力電圧(VIN)から所望の電圧に変換するステップとを具備する。ここで、ソフトスタート信号(104)を出力するステップは、待機状態において分圧帰還電圧(106)をソフトスタート信号(104)として出力し、起動状態において、第2電圧をソフトスタート信号(104)として出力するステップを備える。
本発明によれば、ソフトスタート回路を搭載したスイッチングレギュレータにおける起動前処理時間を無くすことができる。
又、突入電流を増加することなく、ソフトスタート回路を搭載したスイッチングレギュレータにおけるソフトスタート時間を短縮することができる。
更に、ソフトスタート時間を増加することなく、ソフトスタート回路を搭載したスイッチングレギュレータに発生する突入電流を減少することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。
1.第1の実施の形態
図3から図7を参照して、第1の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータを説明する。
(構成)
図3は、本発明による昇圧型スイッチングレギュレータの第1の実施の形態における構成を示す図である。第1の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータは、制御回路100、入力端子110、NチャネルMOSトランジスタ111(スイッチング素子)、コイル112、ショットキダイオード113、出力容量114、帰還抵抗115、116、出力端子120を具備する。制御回路100は、ソフトスタート回路10、誤差アンプ21、PWM回路30、帰還電圧検出回路40、待機電圧供給端子50、及びスイッチ51(第2スイッチ)を備える。
図3から図7を参照して、第1の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータを説明する。
(構成)
図3は、本発明による昇圧型スイッチングレギュレータの第1の実施の形態における構成を示す図である。第1の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータは、制御回路100、入力端子110、NチャネルMOSトランジスタ111(スイッチング素子)、コイル112、ショットキダイオード113、出力容量114、帰還抵抗115、116、出力端子120を具備する。制御回路100は、ソフトスタート回路10、誤差アンプ21、PWM回路30、帰還電圧検出回路40、待機電圧供給端子50、及びスイッチ51(第2スイッチ)を備える。
第1の実施の形態におけるソフトスタート回路10は、基準電圧源11(基準電圧Vref)、電流源12(電流Is)、容量13(容量Cs)、スイッチ14(第1スイッチ)、及び出力端子15(第1出力端子)を備える。電流源12の一端は基準電圧源11に接続されることで基準電圧Vrefによってバイアスされる。又、電流源12の他端は出力端子15を介して容量13及びスイッチ14の一端に接続される。容量13の他端は接地され、スイッチ14の他端は、帰還電圧検出回路40の出力端子402(第2出力端子)に接続される。出力端子15は誤差アンプ21の反転入力端子に接続される。
スイッチ14は、その制御端子が、起動制御端子101に接続され、起動制御端子101に起動制御信号201の信号レベルに応じて、ソフトスタート回路10の出力端子15と帰還電圧検出回路40の出力端子402との接続を制御する。本一例では、起動制御信号201がローレベル“Low”のとき、スイッチ14はオンとなり帰還電圧検出回路40(出力端子402)とソフトスタート回路10(出力端子15)とを接続し、起動制御信号201がハイレベル“High”のとき、スイッチ14はオフとなり帰還電圧検出回路40(出力端子402)とソフトスタート回路10(出力端子15)との接続を切り離す。
スイッチ14がオンとなると、帰還電圧検出回路40から入力された分圧帰還電圧106が出力端子15を介し、ソフトスタート回路10の出力であるソフトスタート信号104として出力される。すなわち、本発明によるソフトスタート回路10は、電流源12からの電流Isに応じた電圧(第2電圧)と、分圧帰還電圧106との一方を、起動制御信号201に応じて選択し、ソフトスタート信号104として出力する。一方、スイッチ14がオフとなり、電流源12からの電流Isによって、容量13が充電され始めると、容量13の一端(出力端子15)の電圧(第2電圧)が、ソフトスタート回路10の出力であるソフトスタート信号104として出力される。出力端子15からのソフトスタート信号104は、誤差アンプ21の反転入力端子に入力される。
誤差アンプ21の非反転入力端子は、フィードバック端子103(以下、FB端子103と称す)及び帰還電圧検出回路40の入力端子401に接続される。FB端子103から非反転入力端子には、分圧帰還電圧106が供給される。詳細には、帰還抵抗115(抵抗R1)と帰還抵抗116(抵抗R2)とは分圧抵抗回路を構成し、FB端子103から、昇圧型スイッチングレギュレータの出力端子120(第3出力端子)と接地端子(接地電圧:第1電圧)との間の電圧(ここでは出力電圧VOUT)を帰還抵抗115(抵抗R1)と帰還抵抗116(抵抗R2)とによって分圧した電圧を分圧帰還電圧106として出力する。又、上述のように出力端子15から誤差アンプ21の反転入力端子には、ソフトスタート信号104が供給される。よって、誤差アンプ21の出力電圧は、FB端子103の電圧(分圧帰還電圧106)とソフトスタート信号104とが同じ電圧になるように制御される。尚、図3には図示されていないが、誤差アンプ21の発振防止の目的から、誤差アンプ21出力端子に位相補償抵抗と位相補償容量が接続されることが好ましい。
誤差アンプ21の出力端子は、ノード20を介してPWM回路30の入力端子であるコンパレータ31の反転入力端子と、スイッチ51の一端に接続される。スイッチ51の他端は、待機電圧供給端子50(待機電圧V1)に接続される。待機電圧供給端子50には、後述するコンパレータ31の非反転入力端子に入力する三角波信号105の振幅の最大値よりも高い電圧が待機電圧V1として供給される。すなわち、スイッチ51は、三角波信号105の振幅の最大値よりも高い電圧がバイアスされた待機電圧供給端子50とノード20との接続を制御する。
スイッチ51は、その制御端子が、起動制御端子101に接続され、起動制御端子101に起動制御信号201の信号レベルに応じて、ノード20と待機電圧供給端子50との接続を制御する。本一例では、起動制御信号201がローレベル“Low”のとき、スイッチ51はオンとなりノード20と待機電圧供給端子50とを接続し、起動制御信号201がハイレベル“High”のとき、スイッチ51はオフとなりノード20と待機電圧供給端子50との接続を切り離す。すなわち、スイッチ51はスイッチ14と同じタイミングでスイッチ動作するとともに、両者は同じ状態(オン又はオフ)に制御される。
PWM回路30は、コンパレータ31、ドライバ32、及び三角波発生回路33を備える。三角波発生回路33は、コンパレータ31の非反転入力端子に対して三角波信号105を出力する。コンパレータ31は、非反転入力端子に入力される三角波信号105とノード20から反転入力端子に入力される電圧に応じたPWM信号をドライバ32に出力する。例えば、三角波信号105の振幅電圧の最小値が0V、最大値が0.5Vとすると、ノード20の電圧が0.5Vから0Vに変化することにより、コンパレータ31は、デューティ比(ONデューティ又はハイレベルアクティブデューティとも称す)が0%から100%に変化するPWM信号を出力する。コンパレータ31の出力は、ドライバ32を介して制御回路100の出力端子102に接続される。尚、三角波発生回路33は、制御回路100の外部に設けられても良い。
Nチャネル型MOSトランジスタ111のゲートは制御回路100の出力端子102に接続され、ドレインはコイル112の一端とショットキダイオード113のアノードに接続され、ソースは接地される。ドライバ32の出力、すなわちコンパレータ31の出力(PWM信号)は、出力端子102を介してNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに供給される。この際、ドライバ32は、入力ゲート容量が大きいNチャネル型MOSトランジスタのゲートを安定に駆動するために利用される。Nチャネル型MOSトランジスタ111は、ゲートに入力されるPWM信号に応じて、コイル112の一端及びショットキダイオード113のアノードと、接地端子との間の接続を制御する。
又、コイル112の他端は入力端子110に接続され、ショットキダイオード113のカソードは、出力容量114(容量Co)の一端と帰還抵抗115の一端に接続して昇圧型スイッチングレギュレータの出力端子120(出力電圧VOUT)を構成する。尚、出力容量114の他端は接地され、帰還抵抗115の他端は、FB端子103を介して帰還抵抗116の一端に接続され、帰還抵抗116の他端は接地される。
上述のような構成において、Nチャネル型MOSトランジスタ111がオンすると、コイル112の両端の差電圧は入力電圧VINとなり、コイル112に流れる電流Iinが増加する。一方、Nチャネル型MOSトランジスタ111がオフすると、コイル112に流れている電流Iinがショットキダイオード113を介して出力容量114へ流れる。PWM回路30から出力されるPWM信号に応じてNチャネル型MOSトランジスタ111のオンオフが繰り返されることで(スイッチング動作により)、出力端子120の電圧(出力電圧VOUT)は、基準電圧Vrefと帰還抵抗115、116に基づいた大きさに昇圧される。
帰還電圧検出回路40の入力端子401は、誤差アンプ21の非反転入力端とFB端子103(帰還抵抗115と帰還抵抗116との接続端)に接続され、出力端子402はスイッチ14を介してソフトスタート回路10の出力端子15に接続される。
帰還電圧検出回路40は、高入力インピーダンスで、且つ低出力インピーダンス特性を有し、FB端子103の電圧(分圧帰還電圧106)を、スイッチ14へ伝える機能を有する。
図4及び図5を参照して、本実施の形態における帰還電圧検出回路40の構成例について説明する。
図4は、第1の実施の形態における帰還電圧検出回路40の構成の一例を示す図である。図4に示す帰還電圧検出回路40は、ボルテージフォロワ接続されたアンプ41を備える。詳細には、図4に示すアンプ41の非反転入力端子は入力端子401に接続され、その出力は出力端子402に接続されるとともに自身の反転入力端子に帰還する。ボルテージフォロワ接続されたアンプ41を利用することで、帰還電圧検出回路40は、高インピーダンス入力と低インピーダンス出力特性を具備し、入力端子401に発生した分圧帰還電圧106を出力端子402に伝えることができる。
図5は、第1の実施の形態における帰還電圧検出回路40の構成の他の一例を示す図である。図5に示す帰還電圧検出回路40は、ボルテージフォロワ接続されたアンプ41に加えて電圧レベルシフト回路42を備える。詳細には、図5に示すアンプ41の非反転入力端子は入力端子401に接続され、その出力は電圧レベルシフト回路42における抵抗421の一端に接続されるとともに自身の反転入力端子に帰還する。電圧レベルシフト回路42は、出力端子402を介して相互に接続される抵抗421、422を備える。抵抗421の一端はアンプ41の出力端子に接続され、他端は出力端子402及び抵抗422の一端に接続され、抵抗422の他端は接地される。このような構成により、ボルテージフォロワ接続されたアンプ41は、高インピーダンス入力と低インピーダンス出力特性を具備し、入力端子401に発生した分圧帰還電圧106を電圧レベルシフト回路42に伝える。電圧レベルシフト回路42は、抵抗421、422によってアンプ41の出力電圧を分圧することで、アンプ41において発生する数mV程度の入力オフセット電圧を、アンプ41の出力から削減する補正を行う。これにより、入力端子401から入力された分圧帰還電圧106を、精度よく出力端子402に出力することが可能となる。
本発明に係る起動制御信号201の信号レベルは、待機状態と、起動状態(昇圧動作状態)とで異なる値を示し、これにより、スイッチ14、51のオンオフが制御される。本一例では、スイッチ14、51は、待機状態においてオンとなり、起動状態(昇圧動作状態)においてオフとなるように制御される。
例えば、待機状態の昇圧型スイッチングレギュレータには、ローレベル“Low”の起動制御信号201が入力される。スイッチ14及びスイッチ51は、ローレベルの起動制御信号201に応じてオンとなる。スイッチ14がオンとなることで、誤差アンプ21の反転入力端子に入力されるソフトスタート信号104の電圧は分圧帰還電圧106となる。又、誤差アンプ21の反転入力端子及び非反転入力端子に分圧帰還電圧106が供給されるとともにスイッチ51がオンとなることで、誤差アンプ21の出力端子(ノード20)は待機電圧供給端子50の電圧(待機電圧V1)に固定される。これにより、コンパレータ31の反転入力端子に、コンパレータ31の非反転入力端子に入力される三角波信号105よりも高い待機電圧V1が供給され、Nチャネル型MOSトランジスタ111がオフ状態となる。このようにスイッチ51は、待機状態において、コンパレータ31の非反転入力端子よりも高い電圧を反転入力端子に供給することで、Nチャネル型MOSトランジスタ111を確実にオフ状態とする役割を果す。
一方、起動状態(昇圧動作状態)の昇圧型スイッチングレギュレータには、ハイレベル“High”の起動制御信号201が入力される。スイッチ14及びスイッチ51は、ハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなる。スイッチ14がオフとなることで、誤差アンプ21の非反転入力端子には、電流源12によって容量13に充電されることで発生する電圧が、ソフトスタート信号104として入力される。又、スイッチ51がオフとなることで、ノード20(PWM回路30の入力端子)と待機電圧供給端子50とが分離される。これにより、コンパレータ31の反転入力端子には、ソフトスタート信号104の電圧と分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた誤差アンプ21の出力が入力される。又、コンパレータ31の非反転入力端子には、三角波信号105が入力されている。コンパレータ31は、誤差アンプ21の出力と三角波信号105との比較結果(差分)に基づいたPWM信号をNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに出力する。Nチャネル型MOSトランジスタ111は、コンパレータ31から入力されるPWM信号に応じたスイッチング動作を行う。
(動作)
次に、第1の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータの起動時における動作の詳細を説明する。
次に、第1の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータの起動時における動作の詳細を説明する。
図6及び図7を参照して、図3に示す昇圧型スイッチングレギュレータにおける待機状態から昇圧動作状態に至る一連の動作の一例を説明する。図6は、突入電流を増加させることなくソフトスタート時間Tsを短縮する定数(Vref、Cs/Is、VIN、R1、R2、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧)が設定された第1の実施の形態における昇圧スイッチングレギュレータの動作例を示すタイミングチャートである。尚、本一例における各定数は下記の値として説明する。又、ショットキダイオード113の順バイアス電圧は0Vに近似できるものとする。
Vref=1V、Cs/Is=8mS/0.4V=20mS/V(電流源Isが容量Csを、0.6Vから1.0Vまでの0.4V充電する時間が8mS)、VIN=3V、R1=400kΩ、R2=100kΩ、Co=100μF、三角波信号105のHighレベル電圧=0.5V、三角波信号105のLowレベル電圧=0V、ショットキダイオード113の順バイアス電圧≒0V
本一例では、図1及び図2に示す従来例と比較するため、突入電流の最大値が従来例と同じ値“41.7mA”となるように、起動時間Tkが従来技術と同じ時間“8ms”に設定されるとともに、他の定数(Vref、VIN、R1、R2、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧、VOUTの設定値(目標値))が、従来例と同じ値に設定されているものとする。
時刻T0において、ローレベルの起動制御信号201が制御回路100に入力され、昇圧型スイッチングレギュレータは待機状態となる(図6(1)時刻T0)。この間、出力電圧VOUTは、ショットキダイオード113を介して印加された入力電圧VINと同じ値を示す。ここでは3Vの入力電圧VINが入力端子110に入力されるため、出力電圧VOUTは3Vとなる。又、帰還抵抗115、116の両端に印加される3Vの出力電圧VOUTが、帰還抵抗115(R1=400kΩ)及び帰還抵抗116(R2=100kΩ)によって分圧されることで、FB端子103は0.6Vの分圧帰還電圧106となる。これにより、誤差アンプ21の反転入力端子には、0.6Vの分圧帰還電圧106が入力される。又、帰還電圧検出回路40の出力端子402からは、0.6Vの電圧が出力される。
一方、待機状態では、ローレベルの起動制御信号201に応じてスイッチ14はオンとなっているため、帰還電圧検出回路40は、分圧帰還電圧106と同じ0.6Vを出力端子15に出力する。すなわち、出力端子15は分圧帰還電圧106と同じ0.6Vにバイアスされ一定電圧値となる。これにより、誤差アンプ21の非反転入力端子には、反転入力端子と同じ電圧“0.6V”のソフトスタート信号104が入力される(図6(2)時刻T0)。
又、待機状態では、ローレベルの起動制御信号201に応じて、スイッチ51はオンとなっているため、待機電圧供給端子50から入力された待機電圧V1(三角波信号105の最大値よりも高電圧)が、ノード20を介してコンパレータ31の反転入力端子に入力される。このため、待機状態の間、出力端子102からNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに入力されるPWM信号の電圧は、常にNチャネル型MOSトランジスタ111の閾値電圧を下回るため、Nチャネル型MOSトランジスタ111はオフとなる。従って、待機状態において出力電圧VOUTは、入力端子110から供給された3Vを維持し、出力容量114に対する入力電流Iinは発生しない(図6(3)、(4)時刻T0)。
時刻T1において、起動制御信号201がハイレベルに遷移することで昇圧型スイッチングレギュレータは起動状態となる(図6(1)時刻T1)。詳細には、スイッチ14はハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、出力端子15と帰還電圧検出回路40の出力端子402とを切り離す。これにより、電流源12からの電流Isによって容量Csは充電され、ソフトスタート信号104の電圧は0.6Vから上昇を開始する(図6(2)時刻T1)。本一例におけるソフトスタート信号104の電圧値は、電流源12からの電流Isに基づく一定の傾き(割合)で上昇し、8mS後に基準電圧Vrefの1Vに達する(図6(2)時刻T1から時刻T2)。
一方、スイッチ51は、ハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、待機電圧供給端子50とノード20とを切り離す。これにより、コンパレータ31は、誤差アンプ21の出力信号と、三角波信号105との比較結果(差分)に基づいたPWM信号をNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに出力する。ここで、ソフトスタート信号104の電圧の上昇に伴う誤差アンプ21の出力電圧の下降により、ノード20の電圧が待機電圧V1から低下して直ちに三角波信号105の振幅内の値となる。これにより、コンパレータ31(ドライバー32)は、Nチャネル型MOSトランジスタ111をスイッチング制御して出力電圧VOUTの昇圧動作を開始する(起動状態となる)(図6(3)時刻T1)。ここで、出力電圧VOUTは、(1)式に示すようにソフトスタート信号104の電圧値S1に正比例して上昇する。
このように、コンパレータ31の反転入力端子(ノード20)の電圧は、待機状態の終了とともに待機電圧V1から直ちに下降して三角波信号の振幅内の値となり、昇圧のためのスイッチング動作が開始される。すなわち、本発明による昇圧型スイッチングレギュレータの起動動作(昇圧動作)は、起動制御信号201の信号レベルが遷移(本一例ではローレベルからハイレベルに遷移)すると、直ちに開始される。本一例では、出力電圧VOUTは、起動制御信号201に応じて待機状態が解除された時刻T1から、ソフトスタート信号104が基準電圧Vref(ここでは1V)になる時刻T2まで昇圧される。これにより、出力電圧VOUTは、待機状態における3Vから、(2)式に従った“5V”(設定電圧(目標電圧))まで昇圧され安定する(図6(3)時刻T1から時刻T2)。
本発明によれば、待機状態が終了する時刻T1において、ソフトスタート信号104の電圧値の上昇と同時的に出力電圧VOUTに対する昇圧動作が開始され(時刻T1)、ソフトスタート信号104の電圧値の上昇終了と同時的に出力電圧VOUTの昇圧動作が終了する(時刻T2)。すなわち、ソフトスタート信号104の電圧値が上昇する期間(ソフトスタート時間Ts)と、出力電圧VOUTを所定の電圧まで昇圧する期間(起動時間Tk)は、時刻T1から時刻T2までの期間(ここでは8mS)として一致する。本発明では、従来技術のような起動前処理時間Tbは発生せず、ソフトスタート信号を昇圧する全ての期間を出力電圧VOUTの昇圧期間(起動期間Tk)とできることから、ソフトスタート回路10の動作開始から出力電圧VOUTの昇圧終了までの時間(ソフトスタート時間Ts)を、従来よりも短縮できる。
一方、本一例における突入電流の最大値は、出力電圧VOUTの設定値(目標値)、出力容量114の容量Co、起動時間Tkが従来例と同じ値であるため、突入電流の最大値は(4)式に従い従来と同じ41.7mAを示す(図6(4))。
以上のように、本一例では、突入電流Iinの最大値を図2に示す従来例と同じ値に設定しても、ソフトスタート時間Tsは起動時間Tkと同じ8mSとなり、従来技術におけるTs=20msと比べて、従来で発生していた起動前処理時間Tb“12mS”分だけ、ソフトスタート時間Tsが短縮されることとなる。
尚、本構成における回路要素の各定数(Vref、Cs/Is、VIN、R1、R2、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧、出力電圧VOUTの設定値(目標値))の値は、上述に限らず、任意に設定され得る。例えば、帰還抵抗115、116の抵抗比(R1:R2)を変え、出力電圧VOUTの設定値(目標値)を変えた場合や、入力電圧VINの値を変えた場合でも、上述と同様な動作により、起動前処理時間Tbを削減することができる。すなわち、各定数を変更しても、起動制御信号201がLowレベルの待機状態において、帰還電圧検出回路40が、ソフトスタート回路10の出力端子15に分圧帰還電圧106をバイアスすることで、ソフトスタート信号104の上昇開始時の電圧値が分圧帰還電圧106と一致する。これにより、起動前処理時間Tbを無くすことができる。
次に、図7を参照して、図3に示す昇圧型スイッチングレギュレータにおいて、ソフトスタート時間Tsを増加させずに出力容量114への突入電流Iinを削減する定数(Vref、Cs/Is、VIN、R1、R2、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧)の設定例を説明する。図7は、ソフトスタート時間Tsを増加させることなく出力容量114への突入電流Iinを削減する定数が設定された第1の実施の形態における昇圧スイッチングレギュレータの動作例を示すタイミングチャートである。尚、本一例における各定数は下記の値として説明する。又、ショットキダイオード113の順バイアス電圧は0Vに近似できるものとする。
Vref=1V、Cs/Is=20mS/0.4V(電流源Isが容量Csを、0.6Vから1.0Vまでの0.4V充電する時間が20mS)、VIN=3V、R1=400kΩ、R2=100kΩ、Co=100μF、三角波信号105のHighレベル電圧=0.5V、三角波信号105のLowレベル電圧=0V、ショットキダイオード113の順バイアス電圧≒0V
本一例では、図1及び図2に示す従来例と比較するため、ソフトスタート時間Tsが従来例と同じ値“20mS”となるように、Cs/Isが設定されるとともに、他の定数(Vref、VIN、R1、R2、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧、VOUTの設定値(目標値))が、従来例と同じ値に設定されているものとする。
時刻T0における待機状態は、図6に示す動作(ソフトスタート時間Tsを短縮する一例)と同様であるため、その動作の説明は省略する。
時刻T1において、起動制御信号201がハイレベルに遷移することで昇圧型スイッチングレギュレータは起動状態となる(図7(1)時刻T1)。詳細には、スイッチ14はハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、出力端子15と帰還電圧検出回路40の出力端子402とを切り離す。これにより、電流源12からの電流Isによって容量Csは充電され、ソフトスタート信号104の電圧は0.6Vから上昇を開始する(図7(2)時刻T1)。本一例におけるソフトスタート信号104の電圧値は、電流源12からの電流Isに基づく一定の傾き(割合)で上昇し、20mS後に基準電圧Vrefの1Vに達する(図7(2)時刻T1から時刻T2)。
一方、スイッチ51は、ハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、待機電圧供給端子50とノード20とを切り離す。これにより、コンパレータ31は、誤差アンプ21の出力信号と、三角波信号105との比較結果(差分)に基づいたPWM信号をNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに出力する。ここで、ソフトスタート信号104の電圧の上昇に伴う誤差アンプ21の出力電圧の上昇により、ノード20の電圧が待機電圧V1から低下して直ちに三角波信号105の振幅内の値となる。この結果、コンパレータ31(ドライバー32)は、Nチャネル型MOSトランジスタ111をスイッチング制御して出力電圧VOUTの昇圧動作を開始する(起動状態となる)(図7(3)時刻T1)。ここで、出力電圧VOUTは、(1)式に示すようにソフトスタート信号104の電圧値S1に正比例して上昇する。
このように、コンパレータ31の反転入力端子(ノード20)の電圧は、待機状態の終了とともに待機電圧V1から直ちに下降して三角波信号の振幅内の値となり、昇圧のためのスイッチング動作が開始される。すなわち、本発明による昇圧型スイッチングレギュレータの起動動作(昇圧動作)は、起動制御信号201の信号レベルが遷移(本一例ではローレベルからハイレベルに遷移)すると、直ちに開始される。本一例では、出力電圧VOUTは、起動制御信号201に応じて待機状態が解除された時刻T1から、ソフトスタート信号104が基準電圧Vref(ここでは1V)になる時刻T2まで昇圧される。これにより、出力電圧VOUTは、待機状態における3Vから、(2)式に従って決まる“5V”(設定電圧(目標電圧))まで昇圧される(図7(3)時刻T1から時刻T2)。
以上のように、本一例でも、図6で示した一例と同様に従来技術のような起動前処理時間Tbは発生せず、ソフトスタート信号104が上昇する全ての期間(ソフトスタート時間Ts“20mS”)と出力電圧VOUTの昇圧期間(起動時間Tk)が一致する。すなわち、ソフトスタート時間Tsを、従来と同じ時間“20mS”として設定した場合、起動時間Tkは、従来(8mS)よりも長期化し“20mS”となる。一方、突入電流Iinの最大値は、(4)式に示されるように起動時間Tkに逆比例ため、従来例41.7mAよりも小さな16.7mAとなる。
上述の例では、従来技術に対して突入電流を固定してソフトスタート時間Tsを短縮する設定例と、従来技術に対してソフトスタート時間Tsを固定して突入電流を削減する設定例について説明したが、これに限らず、回路要素の定数を任意の値に設定することで、起動前処理時間Tbを発生せずに、突入電流Iin、ソフトスタート時間Ts、起動時間Tk、VOUTの設定値(目標値)を任意に設定できることは言うまでもない。
2.第2の実施の形態
図8及び図9を参照して、第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータを説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態で利用された誤差アンプ21とスイッチ51に替えて、2つの非反転入力端子を有する誤差アンプ22と、ノード20と接地端子との接続を制御するスイッチ53(第3スイッチ)が搭載された昇圧型スイッチングレギュレータについて説明する。
図8及び図9を参照して、第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータを説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態で利用された誤差アンプ21とスイッチ51に替えて、2つの非反転入力端子を有する誤差アンプ22と、ノード20と接地端子との接続を制御するスイッチ53(第3スイッチ)が搭載された昇圧型スイッチングレギュレータについて説明する。
(構成)
図8は、本発明による昇圧型スイッチングレギュレータの第2の実施の形態における構成を示す図である。図8を参照して、第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータは、制御回路100、入力端子110、NチャネルMOSトランジスタ111(スイッチング素子)、コイル112、ショットキダイオード113、出力容量114、帰還抵抗115、116、出力端子120を具備する。又、第2の実施の形態における制御回路100は、ソフトスタート回路10、誤差アンプ22、PWM回路30、帰還電圧検出回路40、及びスイッチ53を備える。更に、第2の実施の形態におけるソフトスタート回路10は、電圧源52(電圧V2)、電流源12(電流Is)、容量13(容量Cs)、スイッチ14、及び出力端子15を備える。第2の実施の形態におけるソフトスタート回路10、誤差アンプ22及びスイッチ53以外の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
図8は、本発明による昇圧型スイッチングレギュレータの第2の実施の形態における構成を示す図である。図8を参照して、第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータは、制御回路100、入力端子110、NチャネルMOSトランジスタ111(スイッチング素子)、コイル112、ショットキダイオード113、出力容量114、帰還抵抗115、116、出力端子120を具備する。又、第2の実施の形態における制御回路100は、ソフトスタート回路10、誤差アンプ22、PWM回路30、帰還電圧検出回路40、及びスイッチ53を備える。更に、第2の実施の形態におけるソフトスタート回路10は、電圧源52(電圧V2)、電流源12(電流Is)、容量13(容量Cs)、スイッチ14、及び出力端子15を備える。第2の実施の形態におけるソフトスタート回路10、誤差アンプ22及びスイッチ53以外の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
第2の実施の形態における電流源12の一端は電圧源52(第1電圧源)に接続されることで、基準電圧Vrefよりも高い電圧V2(第3電圧)によってバイアスされる。又、電流源12の他端は出力端子15を介して容量13及びスイッチ14の一端に接続される。容量13の他端は接地され、スイッチ14の他端は、帰還電圧検出回路40の出力端子402に接続される。出力端子15は誤差アンプ22の第1非反転入力端子に接続される。スイッチ14は、第1の実施の形態と同様に、起動制御信号201の信号レベルに応じて、ソフトスタート回路10の出力端子15と帰還電圧検出回路40の出力端子402との接続を制御する。
スイッチ14がオンとなると、帰還電圧検出回路40から入力された分圧帰還電圧106が出力端子15を介し、ソフトスタート回路10の出力であるソフトスタート信号104として出力される。一方、スイッチ14がオフとなり、電流源12からの電流Isによって、容量13が充電され始めると、第1の実施の形態と同様に、容量13の一端(出力端子15)の電圧(第2電圧)が、ソフトスタート信号104として出力される。
第2の実施の形態における誤差アンプ22は、第1非反転入力端子、第2非反転入力端子、反転入力端子、及び出力端子を備える。誤差アンプ22の第1非反転入力端子にはソフトスタート回路10の出力端子15からソフトスタート信号104が入力され、第2非反転入力端子には、一端が接地された基準電圧源11から基準電圧Vrefが入力され、反転入力端子には、FB端子103から分圧帰還電圧106が入力される。尚、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、出力電圧VOUTと接地電圧(第1電圧)との電位差を帰還抵抗115(抵抗R1)と帰還抵抗116(抵抗R2)とによって分圧した電圧が、分圧帰還電圧106としてFB端子103に供給されている。
誤差アンプ22では、2つの非反転入力端子に入力される信号のうち、電圧の低い信号が、反転入力端子に入力される信号との比較対象として有効となる。誤差アンプ22は、当該有効信号と反転入力端子へ入力される分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた信号を、ノード20を介してPWM回路30の入力端子であるコンパレータ31の非反転入力端子に出力する。誤差アンプ22では、基準電圧Vrefが直接、第2非反転入力端子に供給される。このため、第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータは、出力電圧VOUTを、精度よく設定電圧(目標電圧)に昇圧することができる。
又、第2の実施の形態におけるスイッチ53の一端はノード20に接続され、他端は接地され、制御端子は起動制御端子101に接続される。スイッチ53は、起動制御端子101から入力される起動制御信号201の信号レベルに応じて、ノード20と接地端子との接続を制御する。本一例では、起動制御信号201がローレベル“Low”のとき、スイッチ53はオンとなりノード20を接地し、起動制御信号201がハイレベル“High”のとき、スイッチ53はオフとなりノード20と接地端子との接続を切り離す。すなわち、スイッチ53はスイッチ14と同じタイミングでスイッチ動作するとともに、両者は同じ状態(オン又はオフ)に制御される。尚、スイッチ53の他端は接地されているが、当該他端は、三角波信号105の振幅の最小値よりも低い待機電圧が供給される待機電圧供給端子に接続されていても構わない。すなわち、スイッチ53は、三角波信号105の最小値よりも低い電圧がバイアスされた待機電圧供給端子とノード20との接続を制御する。
本発明に係る起動制御信号201の信号レベルは、待機状態と、起動状態(昇圧動作状態)とで異なる値を示し、これにより、スイッチ14、53のオンオフが制御される。本一例では、スイッチ14、53は、待機状態においてオンとなり、起動状態(昇圧動作状態)においてオフとなるように制御される。
例えば、待機状態の昇圧型スイッチングレギュレータには、ローレベル“Low”の起動制御信号201が入力される。スイッチ14及びスイッチ53は、ローレベルの起動制御信号201に応じてオンとなる。スイッチ14がオンとなることで、誤差アンプ22の第1非反転入力端子に入力されるソフトスタート信号104の電圧は、第2非反転入力端子に入力される基準電圧Vrefより低いため有効電圧となるとともに、当該有効電圧は、非反転入力端子に入力される分圧帰還電圧106と同電圧となる。又、スイッチ53がオンとなることで、誤差アンプ22の出力(ノード20、PWM回路30の入力端子)は接地される。これにより、コンパレータ31の非反転入力端子に、反転入力端子に入力される三角波信号105の振幅の最小値よりも小さい接地電圧が供給され、Nチャネル型MOSトランジスタ111がオフ状態となる。このように、スイッチ53は、待機状態において、コンパレータ31の反転入力端子よりも低い電圧を非反転入力端子に供給することで、Nチャネル型MOSトランジスタ111を確実にオフ状態とする役割を果す。
一方、起動状態(昇圧動作状態)の昇圧型スイッチングレギュレータには、ハイレベル“High”の起動制御信号201が入力される。スイッチ14及びスイッチ53は、ハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなる。スイッチ14がオフとなることで、誤差アンプ22の第1非反転入力端子には、電流源12によって容量13に充電されることで発生する電圧が、ソフトスタート信号104として入力される。又、スイッチ53がオフとなることで、ノード20(PWM回路30の入力端子)と接地端子とが分離される。これにより、コンパレータ31の非反転入力端子には、ソフトスタート信号104の電圧と基準電圧Vrefの低い方と、分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた誤差アンプ22の出力が入力される。又、コンパレータ31の反転入力端子には、三角波信号105が入力されている。コンパレータ31は、誤差アンプ22の出力と三角波信号105との比較結果(差分)に基づいたPWM信号をNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに出力する。Nチャネル型MOSトランジスタ111は、コンパレータ31から入力されるPWM信号に応じたスイッチング動作を行う。
(動作)
次に、第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータの起動時における動作の詳細を説明する。
次に、第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータの起動時における動作の詳細を説明する。
図9を参照して、図8に示す昇圧型スイッチングレギュレータにおける待機状態から昇圧動作状態に至る一連の動作の一例を説明する。図9は、突入電流を増加させることなくソフトスタート時間Tsを短縮する定数(Vref、Cs/Is、VIN、R1、R2、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧)が設定された第2の実施の形態における昇圧スイッチングレギュレータの動作例を示すタイミングチャートである。尚、本一例における各定数は下記の値として説明する。又、ショットキダイオード113の順バイアス電圧は0Vに近似できるものとする。
Vref=1V、Cs/Is=8mS/0.4V=20mS/V(電流源Isが容量Csを、0.6Vから1.0Vまでの0.4V充電する時間が8mS)、VIN=3V、R1=400kΩ、R2=100kΩ、Co=100μF、三角波信号105のHighレベル電圧=0.7V、三角波信号105のLowレベル電圧=0.2V、ショットキダイオード113の順バイアス電圧≒0V
本一例では、図1及び図2に示す従来例と比較するため、突入電流の最大値が従来例と同じ値“41.7mA”となるように、起動時間Tkが従来技術と同じ時間“8ms”に設定されるとともに、三角波信号の信号レベル以外の他の定数(Vref、VIN、R1、R2、Co、VOUTの設定値(目標値)、ショットキダイオードの順バイアス電圧)が、従来例と同じ値に設定されているものとする。
時刻T0において、ローレベルの起動制御信号201が制御回路100に入力され、昇圧型スイッチングレギュレータは待機状態となる(図9(1)時刻T0)。この間、出力電圧VOUTは、ショットキダイオード113を介して印加された入力電圧VINと同じ値を示す。ここでは3Vの入力電圧VINが入力端子110に入力されるため、出力電圧VOUTは3Vとなる。又、帰還抵抗115、116の両端に印加される3Vの出力電圧VOUTが、帰還抵抗115(R1=400kΩ)及び帰還抵抗116(R2=100kΩ)によって分圧されることで、FB端子103は0.6Vの分圧帰還電圧106となる。これにより、誤差アンプ22の反転入力端子には、0.6Vの分圧帰還電圧106が入力される。又、帰還電圧検出回路40の出力端子402からは、0.6Vの電圧が出力される。
一方、待機状態では、ローレベルの起動制御信号201に応じてスイッチ14はオンとなっているため、帰還電圧検出回路40は、分圧帰還電圧106と同じ0.6Vを出力端子15に出力する。すなわち、出力端子15は分圧帰還電圧106と同じ0.6Vにバイアスされ一定電圧値となる。これにより、誤差アンプ22の第1非反転入力端子には、反転入力端子と同じ電圧“0.6V”のソフトスタート信号104が入力される(図9(2)時刻T0)。このとき、誤差アンプ22の第2非反転入力端子には、第1非反転入力端子よりも高い基準電圧Vref“1V”が基準電圧源11から入力されている。このため、待機状態において第1非反転入力端子が有効となる。誤差アンプ22は、第1非反転入力端子に入力されたソフトスタート信号104と、反転入力端子に入力された分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた電圧をノード20に出力する。ここでは、ソフトスタート信号104と分圧帰還電圧106とは同電圧であるため、誤差アンプ22は0Vを出力する。
又、待機状態では、ローレベルの起動制御信号201に応じて、スイッチ53はオンとなっているため、ノード20は接地される。この結果、ノード20を介してコンパレータ31の非反転入力端子が接地される(三角波信号105の最低電圧よりも低い接地電圧0Vにバイアスされる)。従って、待機状態の間、出力端子102からNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに入力されるPWM信号の電圧は、常にNチャネル型MOSトランジスタ111の閾値電圧を下回るため、Nチャネル型MOSトランジスタ111はオフとなる。この結果、待機状態において出力電圧VOUTは、入力端子110から供給された3Vを維持し、出力容量114に対する入力電流Iinは発生しない(図9(3)時刻T0)。
時刻T1において、起動制御信号201がハイレベルに遷移することで昇圧型スイッチングレギュレータは起動状態となる(図9(1)時刻T1)。詳細には、スイッチ14はハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、出力端子15と帰還電圧検出回路40の出力端子402とを切り離す。これにより、電流源12からの電流Isによって容量Csは充電され、ソフトスタート信号104の電圧は待機時に設定された0.6Vから上昇を開始する(図9(2)時刻T1)。本一例におけるソフトスタート信号104の電圧値は、電流源12からの電流Isに基づく一定の傾き(割合)で上昇し、8mS後に基準電圧Vrefの1Vに達する(図9(2)時刻T1から時刻T2)。
一方、スイッチ53は、ハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、ノード20と接地端子とを切り離す。これにより、コンパレータ31は、誤差アンプ22の出力信号と、三角波信号105との比較結果(差分)に基づいたPWM信号をNチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに出力する。ここで、誤差アンプ22は、低い電位の非反転入力端子が有効となる。待機状態が解除された当初は第1非反転入力端子に入力されるソフトスタート信号104の電圧値が、第2非反転入力端子に入力される基準電圧Vref“1V”よりも低いため、PWM信号は、ソフトスタート信号104と分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた誤差アンプ22の出力に応じた電圧を示す。ここでは、ソフトスタート信号104の電圧の上昇に伴う誤差アンプ22の出力電圧の上昇により、ノード20の電圧が接地電位“0V”から上昇して直ちに三角波信号105の振幅内の値となる。これにより、コンパレータ31(ドライバー32)は、Nチャネル型MOSトランジスタ111をスイッチング制御して出力電圧VOUTの昇圧動作を開始する(起動状態となる)(図9(3)時刻T1)。ここで、出力電圧VOUTは、(1)式に示すようにソフトスタート信号104の電圧値S1に正比例して上昇する(図9(3)時刻T1から時刻T2)。
このように、コンパレータ31の非反転入力端子(ノード20)の電圧は、待機状態の終了とともに接地電圧から直ちに上昇して三角波信号の振幅内の値となり、昇圧のためのスイッチング動作が開始される。すなわち、本発明による昇圧型スイッチングレギュレータの起動動作(昇圧動作)は、起動制御信号201の信号レベルが遷移(本一例ではローレベルからハイレベルに遷移)すると、直ちに開始される。このため、本発明では従来技術のように起動前処理時間Tbは発生しない。
時刻T2において、ソフトスタート信号104が基準電圧Vref“1V”より高い電圧まで上昇すると、第2非反転入力端子が有効となり、PWM信号は、基準電圧Vrefと分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた誤差アンプ22の出力に応じた電圧を示す。このとき、出力電圧VOUTは、(2)式に従って決まる“5V”(設定電圧(目標電圧))となり安定する(図9(3)時刻T2)。尚、ソフトスタート信号104は時刻T2以降も上昇を続け、電圧V2で安定する(図9(2)時刻T3)。
第2の実施の形態における昇圧型スイッチングレギュレータも、第1の実施の形態と同様に、ソフトスタート信号104の電圧値が上昇する期間(ソフトスタート時間Ts)と、出力電圧VOUTを所定の電圧まで昇圧する期間(起動時間Tk)は、時刻T1から時刻T2までの期間(ここでは8mS)として一致する。本発明では、従来技術のような起動前処理時間Tbは発生せず、ソフトスタート信号を昇圧する全ての期間を出力電圧VOUTの昇圧期間(起動期間Tk)とできることから、ソフトスタート回路10の動作開始から出力電圧VOUTの昇圧終了までの時間(ソフトスタート時間Ts)を、従来よりも短縮できる。
一方、本一例における突入電流の最大値は、出力電圧VOUTの設定値(目標値)、出力容量114の容量Co、起動時間Tkが従来例と同じ値であるため、突入電流の最大値は(4)式に従い従来と同じ41.7mAを示す(図6(4))。
以上のように、本一例では、突入電流Iinの最大値を図2に示す従来例と同じ値に設定しても、ソフトスタート時間Tsは起動時間Tkと同じ8mSとなり、従来技術におけるTs=20msと比べて、従来で発生していた起動前処理時間Tb“12mS”分だけ、ソフトスタート時間Tsが短縮されることとなる。
尚、本構成における回路要素の各定数(Vref、Cs/Is、VIN、R1、R2、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧、出力電圧VOUTの設定値(目標値))の値は、上述に限らず、任意に設定され得る。例えば、帰還抵抗115、116の抵抗比(R1:R2)を変え、出力電圧VOUTの設定値(目標値)を変えた場合や、入力電圧VINの値を変えた場合でも、上述と同様な動作により、起動前処理時間Tbを削減することができる。すなわち、各定数を変更しても、起動制御信号201がLowレベルの待機状態において、帰還電圧検出回路40が、ソフトスタート回路10の出力端子15に分圧帰還電圧106をバイアスすることで、ソフトスタート信号104の上昇開始時の電圧値が分圧帰還電圧106となり、起動前処理時間Tbを無くすことができる。
上述の例では、従来技術に対して突入電流を固定してソフトスタート時間Tsを短縮する設定例を示したが、第1の実施の形態と同様に、従来技術に対してソフトスタート時間Tsを固定して突入電流を削減することもできる。又、回路要素の定数を任意の値に設定することで、起動前処理時間Tbを発生せずに、突入電流Iin、ソフトスタート時間Ts、起動時間Tk、VOUTの設定値(目標値)を任意に設定できることは言うまでもない。
3.第3の実施の形態
図10から図12を参照して、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータを説明する。第1及び第2の実施の形態では、極性反転型スイッチングレギュレータのおける起動前処理時間Tbを排除する形態について説明したが、これに限らず、本発明は、極性反転型スイッチングレギュレータにも適用できる。
図10から図12を参照して、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータを説明する。第1及び第2の実施の形態では、極性反転型スイッチングレギュレータのおける起動前処理時間Tbを排除する形態について説明したが、これに限らず、本発明は、極性反転型スイッチングレギュレータにも適用できる。
(構成)
図10及び図12を参照して、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータの構成を説明する。図10は、本発明による極性反転型スイッチングレギュレータ回路の第3の実施の形態における構成の一例を示す図である。図10を参照して、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータは、制御回路100、入力端子110、PチャネルMOSトランジスタ211(スイッチング素子)、コイル212、ショットキダイオード213、出力容量114、帰還抵抗215(抵抗R3)、216(抵抗R4)、電圧源217、出力端子120を具備する。又、第3の実施の形態における制御回路100は、ソフトスタート回路10、誤差アンプ23、PWM回路30、帰還電圧検出回路40、待機電圧供給端子50、及びスイッチ51(第2スイッチ)を備える。更に、第3の実施の形態におけるソフトスタート回路10は、電圧源54(第3電圧源、電圧V3:第4電圧)、電流源17(電流Is)、容量18(容量Cs)、スイッチ14、及び出力端子15を備える。
図10及び図12を参照して、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータの構成を説明する。図10は、本発明による極性反転型スイッチングレギュレータ回路の第3の実施の形態における構成の一例を示す図である。図10を参照して、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータは、制御回路100、入力端子110、PチャネルMOSトランジスタ211(スイッチング素子)、コイル212、ショットキダイオード213、出力容量114、帰還抵抗215(抵抗R3)、216(抵抗R4)、電圧源217、出力端子120を具備する。又、第3の実施の形態における制御回路100は、ソフトスタート回路10、誤差アンプ23、PWM回路30、帰還電圧検出回路40、待機電圧供給端子50、及びスイッチ51(第2スイッチ)を備える。更に、第3の実施の形態におけるソフトスタート回路10は、電圧源54(第3電圧源、電圧V3:第4電圧)、電流源17(電流Is)、容量18(容量Cs)、スイッチ14、及び出力端子15を備える。
電流源12の一端は出力端子15を介して容量18及びスイッチ14の一端に接続される。電流源17の他端は接地されることで接地電圧にバイアスされる。又、容量18の他端は電圧源54に接続され電圧V3によってバイアスされる。尚、電圧V3は、後述する基準電圧Vrefよりも高ければよく、一般に電圧源54には、制御回路100の電源電圧が供給される。
スイッチ14の他端は、帰還電圧検出回路40の出力端子402に接続される。出力端子15は誤差アンプ23の第1非反転入力端子に接続される。スイッチ14は、第1及び第2の実施の形態と同様に、起動制御信号201の信号レベルに応じて、ソフトスタート回路10の出力端子15と帰還電圧検出回路40の出力端子402との接続を制御する。
スイッチ14がオンとなると、帰還電圧検出回路40から入力された分圧帰還電圧106が出力端子15を介し、ソフトスタート回路10の出力であるソフトスタート信号104として出力される。すなわち、本発明によるソフトスタート回路10は、電流源12からの電流Isに応じた電圧(第2電圧)と、分圧帰還電圧106の一方を、起動制御信号201に応じて選択し、ソフトスタート信号104として出力する。一方、スイッチ14がオフとなり、電流源17からの電流Isによって、容量18から放電され始めると、容量18の一端(出力端子15)の電圧(第2電圧)が、ソフトスタート回路10の出力であるソフトスタート信号104として出力される。出力端子15からのソフトスタート信号104は、誤差アンプ23の第1非反転入力端子に入力される。
第3の実施の形態における誤差アンプ23は、第1非反転入力端子、第2非反転入力端子、反転入力端子、及び出力端子を備える。誤差アンプ23の第1非反転入力端子にはソフトスタート回路10の出力端子15からソフトスタート信号104が入力され、第2非反転入力端子には、一端が接地された基準電圧源11から基準電圧Vrefが入力され、反転入力端子には、FB端子103から分圧帰還電圧106が入力される。詳細には、帰還抵抗215(抵抗R3)と帰還抵抗216(抵抗R4)とは分圧抵抗回路を構成し、FB端子103から、極性反転型スイッチングレギュレータの出力端子120と電圧源217(第2電圧源、電圧V4:第1電圧)との間の電圧(ここでは電圧V4−出力電圧VOUT)を、帰還抵抗115(抵抗R1)と帰還抵抗116(抵抗R2)とによって分圧した電圧を分圧帰還電圧106として出力する。誤差アンプ23では、2つの非反転入力端子に入力される信号のうち、電圧の高い信号が、反転入力端子に入力される信号との比較対象として有効となる。誤差アンプ23は、当該有効信号と反転入力端子へ入力される分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた信号を、ノード20を介して、PWM回路30の入力端子であるコンパレータ31の非反転入力端子に出力する。又、誤差アンプ23では、基準電圧Vrefが直接、第2非反転入力端子に供給される。このため、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータは、第2の実施の形態と同様に、出力電圧VOUTを、精度よく設定電圧(目標電圧)に極性反転することができる。
誤差アンプ23の出力端子は、ノード20を介してPWM回路30の入力端子であるコンパレータ31の非反転入力端子と、スイッチ51の一端に接続される。スイッチ51の他端は、待機電圧供給端子50(待機電圧V1)に接続される。待機電圧供給端子50には、コンパレータ31の反転入力端子に入力する三角波信号105の最大値よりも高い電圧が待機電圧V1として供給される。すなわち、スイッチ51は、三角波信号105の振幅の最大値よりも高い電圧がバイアスされた待機電圧供給端子50とノード20との接続を制御する。
スイッチ51は、第1の実施の形態と同様に、その制御端子が起動制御端子101に接続され、起動制御信号201の信号レベルに応じて、ノード20と待機電圧供給端子50との接続を制御する。
PWM回路30は、第1及び第2の実施の形態と同様に、コンパレータ31、ドライバ32、及び三角波発生回路33を備える。三角波発生回路33は、コンパレータ31の反転入力端子に対して三角波信号105を出力する。コンパレータ31は、反転入力端子に入力される三角波信号105とノード20から非反転入力端子に入力される電圧に応じたPWM信号をドライバ32に出力する。例えば、三角波信号105の振幅電圧の最小値が0.2V、最大値が0.7Vとすると、ノード20の電圧が0.7Vから0.2Vに変化することにより、コンパレータ31は、デューティ比(ONデューティ又はローレベルアクティブデューティとも称す)が0%から100%に変化するPWM信号を出力する。コンパレータ31の出力は、ドライバ32を介して制御回路100の出力端子102に接続される。尚、三角波発生回路33は、制御回路100の外部に設けられても良い。
Pチャネル型MOSトランジスタ211のゲートは制御回路100の出力端子102に接続され、ドレインはコイル212の一端とショットキダイオード213のカソードに接続され、ソースは入力端子110に接続される。ドライバ32の出力、すなわちコンパレータ31の出力(PWM信号)は、出力端子102を介してPチャネル型MOSトランジスタ111のゲートに供給される。この際、ドライバ32は、入力ゲート容量が大きいPチャネル型MOSトランジスタのゲートを安定に駆動するために利用される。Pチャネル型MOSトランジスタ211は、ゲートに入力されるPWM信号に応じて、コイル212の一端及びショットキダイオード213のカソードと、入力端子110との間の接続を制御する。
又、コイル212の他端は接地され、ショットキダイオード213のアノードは、出力容量114(容量Co)の一端と帰還抵抗215の一端に接続して極性反転型スイッチングレギュレータの出力端子120(出力電圧VOUT)を構成する。尚、出力容量114の他端は接地され、帰還抵抗215の他端は、FB端子103を介して帰還抵抗216の一端に接続され、帰還抵抗216の他端は、基準電圧Vrefよりも高い電圧V4を供給する電圧源217に接続される。
上述のような構成において、Pチャネル型MOSトランジスタ211がオンすると、コイル212の両端の差電圧は入力電圧VINとなり、コイル112に流れる電流Iinが増加する。一方、Pチャネル型MOSトランジスタ211がオフすると、コイル212に流れる電流Iinにより、出力容量114に蓄積された電荷がショットキダイオード213を介して接地端子に放電される。PWM回路30から出力されるPWM信号に応じてPチャネル型MOSトランジスタ211のオンオフが繰り返されることで(スイッチング動作により)、出力端子120の電圧(出力電圧VOUT)は、基準電圧Vrefと帰還抵抗215、216に基づいて極性反転される。
帰還電圧検出回路40の入力端子401は、誤差アンプ23の反転入力端とFB端子103(帰還抵抗215と帰還抵抗216との接続端)に接続され、出力端子402はスイッチ14を介してソフトスタート回路10の出力端子15に接続される。
帰還電圧検出回路40は、高入力インピーダンスで、且つ低出力インピーダンス特性を有し、FB端子103の電圧(分圧帰還電圧106)を、スイッチ14へ伝える機能を有する。
図11を参照して、本実施の形態における帰還電圧検出回路40の構成例について説明する。
図11は、第3の実施の形態における帰還電圧検出回路40の構成の一例を示す図である。図11に示す帰還電圧検出回路40は、ボルテージフォロワ接続されたアンプ41に加えて電圧レベルシフト回路42を備える。詳細には、図11に示すアンプ41の非反転入力端子は入力端子401に接続され、その出力は電圧レベルシフト回路42における抵抗424の一端に接続されるとともに自身の反転入力端子に帰還する。電圧レベルシフト回路42は、出力端子402を介して相互に接続される抵抗423、424を備える。抵抗424の一端はアンプ41の出力端子に接続され、他端は出力端子402及び抵抗423の一端に接続され、抵抗423の他端は待機電圧供給端子50に接続される。このような構成により、ボルテージフォロワ接続されたアンプ41は、高インピーダンス入力と低インピーダンス出力特性を具備し、入力端子401に発生した分圧帰還電圧106を電圧レベルシフト回路42に伝える。電圧レベルシフト回路42は、抵抗423、424による分圧によってアンプ41の出力電圧を引き上げることで、アンプ41において低下する数mV程度の入力オフセット電圧分を引き上げる。これにより、入力端子401から入力された分圧帰還電圧106を、精度よく出力端子402に出力することが可能となる。
本発明に係る起動制御信号201の信号レベルは、第1の実施の形態と同様に、待機状態と、起動状態(極性反転動作状態)とで異なる値を示し、これにより、スイッチ14、51のオンオフが制御される。本一例では、スイッチ14、51は、待機状態においてオンとなり、起動状態(極性反転動作状態)においてオフとなるように制御される。
例えば、待機状態の極性反転型スイッチングレギュレータには、ローレベル“Low”の起動制御信号201が入力される。スイッチ14及びスイッチ51は、ローレベルの起動制御信号201に応じてオンとなる。スイッチ14がオンとなることで、誤差アンプ23の第1非反転入力端子に入力されるソフトスタート信号104の電圧は、第2非反転入力端子に入力される基準電圧Vrefより低いため有効電圧となるとともに、当該有効電圧は、非反転入力端子に入力される分圧帰還電圧106と同電圧となる。又、スイッチ51がオンとなることで、誤差アンプ23の出力(ノード20、PWM回路30の入力端子)と待機電圧供給端子50とが接続され、誤差アンプ23の出力は、待機電圧V1と同電圧となる。これにより、コンパレータ31の非反転入力端子に、反転入力端子に入力される三角波信号105よりも高い待機電圧V1が供給され、Pチャネル型MOSトランジスタ211がオフ状態となる。このようにスイッチ51は、待機状態において、コンパレータ31の反転入力端子よりも高い電圧を非反転入力端子に供給することで、Pチャネル型MOSトランジスタ211を確実にオフ状態とする役割を果す。
一方、起動状態(極性反転動作状態)の極性反転型スイッチングレギュレータには、ハイレベル“High”の起動制御信号201が入力される。スイッチ14及びスイッチ51は、ハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなる。スイッチ14がオフとなることで、誤差アンプ23の非反転入力端子には、電流源17によって容量18から放電されることで発生(低下)する電圧が、ソフトスタート信号104として入力される。又、スイッチ51がオフとなることで、ノード20(PWM回路30の入力端子)と待機電圧供給端子50とが分離される。これにより、コンパレータ31の非反転入力端子には、ソフトスタート信号104の電圧と分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた誤差アンプ23の出力が入力される。又、コンパレータ31の反転入力端子には、三角波信号105が入力されている。コンパレータ31は、誤差アンプ23の出力と三角波信号105との比較結果(差分)に基づいたPWM信号をPチャネル型MOSトランジスタ211のゲートに出力する。Pチャネル型MOSトランジスタ211は、コンパレータ31から入力されるPWM信号に応じたスイッチング動作を行う。
(動作)
次に、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータの起動時における動作の詳細を説明する。
次に、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータの起動時における動作の詳細を説明する。
図12を参照して、図10に示す極性反転型スイッチングレギュレータにおける待機状態から極性反転動作状態に至る一連の動作の一例を説明する。図12は、第3の実施の形態における極性反転型スイッチングレギュレータの動作例を示すタイミングチャートである。尚、本一例における各定数は下記の値として説明する。又、ショットキダイオード213の順バイアス電圧は0Vに近似できるものとする。
Vref=1V、V4=2V、Cs/Is=−8mS/0.714V(電流源Isが容量Csを、1.714Vから1.0Vまでの0.714V放電する時間が8mS)、VIN=3V、R3=600kΩ、R1=100kΩ、Co=100μF、三角波信号105のHighレベル電圧=0.7V、三角波信号105のLowレベル電圧=0.2V、ショットキダイオード113の順バイアス電圧≒0V
本一例では、図1及び図2に示す従来例と比較するため、起動時間Tkが時間“8ms”に設定されているものとする。ただし、本実施の形態では、入力電圧VINに対して出力電圧VOUTの極性反転の開始から極性反転が完了する(所望の電圧に達する)までの時間を起動時間Tkとする。
時刻T0において、ローレベルの起動制御信号201が制御回路100に入力され、極性反転型スイッチングレギュレータは待機状態となる(図12(1)時刻T0)。この間、出力電圧VOUTは、ショットキダイオード213を介して印加された接地電圧と同じ値を示す。ここではコイル212が接地されているため、出力電圧VOUTは0Vとなる。又、帰還抵抗216の一端には電圧源217から電圧V4=2Vが印加されている。このため、帰還抵抗215、216の両端に印加される2Vが、帰還抵抗215(R3=600kΩ)及び帰還抵抗216(R4=100kΩ)によって分圧されることで、FB端子103は1.714Vの分圧帰還電圧106となる。これにより、誤差アンプ23の反転入力端子には、1.714Vの分圧帰還電圧106が入力されることとなる。又、帰還電圧検出回路40の出力端子402からは、1.714Vの電圧が出力される。
一方、待機状態では、ローレベルの起動制御信号201に応じてスイッチ14はオンとなっているため、帰還電圧検出回路40は、分圧帰還電圧106と同じ1.714Vを出力端子15に出力する。すなわち、出力端子15は分圧帰還電圧106と同じ1.714Vにバイアスされ一定電圧値となる。これにより、誤差アンプ23の第1非反転入力端子には、反転入力端子と同じ電圧“1.714V”のソフトスタート信号104が入力される(図12(2)時刻T0)。よって、誤差アンプ23の第1非反転入力端子には第2非反転入力端子に供給される基準電圧Vref“1V”より高い電圧が供給され、第1非反転入力端子が有効となる。
又、待機状態では、ローレベルの起動制御信号201に応じて、スイッチ51はオンとなっているため、ノード20は待機電圧供給端子50に接続される。この結果、ノード20を介してコンパレータ31の反転入力端子が三角波信号105の最大電圧よりも高い電圧V1にバイアスされる。従って、待機状態の間、出力端子102からPチャネル型MOSトランジスタ211のゲートに入力されるPWM信号の電圧は、常にPチャネル型MOSトランジスタ211の閾値電圧を上回るため、Pチャネル型MOSトランジスタ211はオフとなる。この結果、待機状態において出力電圧VOUTは、接地電圧“0V”を維持し、出力容量114からコイル212に発生する入力電流Iinは発生しない(図12(3)時刻T0)。
時刻T1において、起動制御信号201がハイレベルに遷移することで極性反転型スイッチングレギュレータは起動状態となる(図12(1)時刻T1)。詳細には、スイッチ14はハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、出力端子15と帰還電圧検出回路40の出力端子402とを切り離す。これにより、電流源17からの電流Isによって容量Cs内の電荷は放電され、ソフトスタート信号104の電圧は待機時に設定された1.714Vから下降し始める(図12(2)時刻T1)。本一例におけるソフトスタート信号104の電圧値は、電流源17の電流Isに基づく一定の傾き(割合)で下降し、8mS後に基準電圧Vrefの1Vに達する(図12(2)時刻T1から時刻T2)。
一方、スイッチ51は、ハイレベルの起動制御信号201に応じてオフとなり、ノード20と待機電圧供給端子50とを切り離す。これにより、コンパレータ31は、誤差アンプ23の出力信号と、三角波信号105との比較結果(差分)に基づいたPWM信号をPチャネル型MOSトランジスタ211のゲートに出力する。ここで、誤差アンプ23は、高い電位の非反転入力端子が有効となる。待機状態が解除された当初は第1非反転入力端子に入力されるソフトスタート信号104の電圧値が、第2非反転入力端子に入力される基準電圧Vref“1V”よりも高いため、PWM信号は、ソフトスタート信号104と分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた誤差アンプ23の出力に応じた電圧を示す。ここでは、ソフトスタート信号104の電圧の降下に伴う誤差アンプ23の出力電圧の下降により、ノード20の電圧が待機電圧V1から下降して直ちに三角波信号105の振幅内の値となる。これにより、コンパレータ31(ドライバー32)は、Pチャネル型MOSトランジスタ211をスイッチング制御して出力電圧VOUTの極性反転動作を開始する(起動状態となる)(図12(3)時刻T1)。ここで、出力電圧VOUTは、(5)式に示すようにソフトスタート信号104の電圧値S1に正比例して降下する(図12(3)時刻T1から時刻T2)。
VOUT=V4−(V4−S1)×(R3+R4)/R4 ・・・(5)
このように、コンパレータ31の非反転入力端子(ノード20)の電圧は、待機状態の終了とともに接地電圧から直ちに上昇して三角波信号の振幅内の値となり、極性反転のためのスイッチング動作が開始される。すなわち、本発明による極性反転型スイッチングレギュレータの起動動作(極性反転動作)は、起動制御信号201の信号レベルが遷移(本一例ではローレベルからハイレベルに遷移)すると、直ちに開始される。このため、本発明では従来技術のように起動前処理時間Tbは発生しない。
時刻T2において、ソフトスタート信号104が基準電圧Vref“1V”より低い電圧まで下降すると、第2非反転入力端子が有効となり、PWM信号は、基準電圧Vrefと分圧帰還電圧106との比較結果(差分)に基づいた誤差アンプ23の出力に応じた電圧を示す。このとき、出力電圧VOUTは、(6)式に従って決まる“−5V”(設定電圧(目標電圧))となり安定する(図12(3)時刻T2)。このように、本発明による極性反転型スイッチングレギュレータは、正電圧の入力電圧から、負の定電圧を出力することができる。尚、ソフトスタート信号104は時刻T2以降も下降を続け、接地電圧“0V”で安定する(図12(2)時刻T3)。
VOUT=V4−(V4−Vref)×(R3+R4)/R4 ・・・(6)
VOUT=V4−(V4−Vref)×(R3+R4)/R4 ・・・(6)
第3の実施の形態における極性型スイッチングレギュレータも、第1の実施の形態と同様に、ソフトスタート信号104の電圧値が反転及び降下する期間(ソフトスタート時間Ts)と、出力電圧VOUTを所定の電圧まで極性反転する期間(起動時間Tk)は、時刻T1から時刻T2までの期間(ここでは8mS)として一致する。本発明では、従来技術のような起動前処理時間Tbは発生せず、ソフトスタート信号が降下する全ての期間を、出力電圧VOUTの極性反転の期間(起動期間Tk)とできることから、ソフトスタート回路10の動作開始から出力電圧VOUTの降圧終了までの時間(ソフトスタート時間Ts)を、従来よりも短縮できる。
尚、本構成における回路要素の各定数(Vref、V4、Cs/Is、VIN、R3、R4、Co、三角波信号の信号レベル、ショットキダイオードの順バイアス電圧、出力電圧VOUTの設定値(目標値))の値は、上述に限らず、任意に設定され得る。例えば、帰還抵抗215、216の抵抗比(R3:R4)を変え、出力電圧VOUTの設定値(目標値)を変えた場合や、入力電圧VINの値を変えた場合でも、上述と同様な動作により、起動前処理時間Tbを削減することができる。すなわち、各定数を変更しても、起動制御信号201がLowレベルの待機状態において、帰還電圧検出回路40が、ソフトスタート回路10の出力端子15に分圧帰還電圧106をバイアスすることで、ソフトスタート信号104の反転開始時の電圧値が分圧帰還電圧106と一致する。これにより、起動前処理時間Tbを無くすことができる。
第3の実施の形態における極性反転スイッチングレギュレータは、第1の実施の形態と同様に、従来技術に対してソフトスタート時間Tsを固定して突入電流を削減することや、第2の実施の形態と同様に、突入電流を固定してソフトスタートTs時間を短縮することができる。又、回路要素の定数を任意の値に設定することで、起動前処理時間Tbを発生せずに、突入電流Iin、ソフトスタート時間Ts、起動時間Tk、VOUTの設定値(目標値)を任意に設定できることは言うまでもない。
以上のように、本発明によれば、ソフトスタート回路の動作開始電圧(昇圧開始電圧又は極性反転開始電圧)を出力電圧VOUTの分圧(分圧期間電圧106)と同じ値とすることができるため、従来発生していた起動前処理時間を無くすことが可能となる。これにより、突入電流を増加させることなくソフトスタート時間Tsを短縮したり、ソフトスタート時間を増加させることなく突入電流を削減することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。例えば、起動制御信号201の信号レベルとスイッチ14、51、53のスイッチ動作(オン・オフ)の関係は上述に限らず、起動制御信号201がハイレベルのときスイッチ14、51、53はオフとなり、ローレベルのときにオンとなるように制御されても良い。又、上述した回路では、電源電圧の一方を接地した形態を示したがこれに限らず、電源電圧よりも低い電源電圧が供給される電源端子に接続されていても構わない。更に、上述下回路ではスイッチング素子としてMOSトランジスタを一例として説明したが、他の構造のスイッチング素子が利用されても構わない。更に、整流素子としてショットキダイオードを一例として説明したが、他の構造のダイオードが利用されても、あるいはスイッチング素子に対してオンとオフが逆相に制御された第2のスイッチング素子が利用されても構わない。
10:ソフトスタート回路
11:基準電圧源
12、17:電流源
13、18:容量
14、51、53:スイッチ
15:ソフトスタート回路の出力端子
20:ノード
21、22、23:誤差アンプ
30:PWM回路
31:コンパレータ
32:ドライバ
33:三角波発生回路
40:帰還電圧検出回路
41:アンプ
42:電圧レベルシフト回路
50:待機電圧供給端子
52、54、217:電圧源
100:制御回路
101:起動制御端子
102:スイッチングレギュレータの出力端子
103:フィードバック端子(FB端子)
104:ソフトスタート信号
105:三角波信号
106:分圧帰還電圧
110:スイッチングレギュレータの入力端子
111:Nチャネル型MOSトランジスタ
112、212:コイル
113、213:ショットキダイオード
114:出力容量
115、116、215、216:帰還抵抗
120:スイッチングレギュレータの出力端子
201:起動制御信号
211:Pチャネル型MOSトランジスタ
401:帰還電圧検出回路の入力端子
402:帰還電圧検出回路の出力端子
421〜424:抵抗
11:基準電圧源
12、17:電流源
13、18:容量
14、51、53:スイッチ
15:ソフトスタート回路の出力端子
20:ノード
21、22、23:誤差アンプ
30:PWM回路
31:コンパレータ
32:ドライバ
33:三角波発生回路
40:帰還電圧検出回路
41:アンプ
42:電圧レベルシフト回路
50:待機電圧供給端子
52、54、217:電圧源
100:制御回路
101:起動制御端子
102:スイッチングレギュレータの出力端子
103:フィードバック端子(FB端子)
104:ソフトスタート信号
105:三角波信号
106:分圧帰還電圧
110:スイッチングレギュレータの入力端子
111:Nチャネル型MOSトランジスタ
112、212:コイル
113、213:ショットキダイオード
114:出力容量
115、116、215、216:帰還抵抗
120:スイッチングレギュレータの出力端子
201:起動制御信号
211:Pチャネル型MOSトランジスタ
401:帰還電圧検出回路の入力端子
402:帰還電圧検出回路の出力端子
421〜424:抵抗
Claims (10)
- 入力電圧から所望の出力電圧に変換するスイッチングレギュレータにおいて、
前記出力電圧と第1電圧との間の電位差を分圧し、分圧帰還電圧として出力する分圧抵抗回路と、
直列接続された電流源と容量との間に流れる電流に応じた第2電圧と、前記分圧帰還電圧との一方を選択してソフトスタート信号として出力するソフトスタート回路と、
前記ソフトスタート信号と前記分圧帰還電圧との比較結果と、三角波信号との比較結果に基づいたPWM(Pulse With Modulation)パルス信号をスイッチング素子の制御端子に出力するPWM回路と、
前記PWM信号に応じたスイッチング動作により、一端に前記入力電圧が供給されるコイルの両端の差電圧を制御することで、前記コイルに流れる電流を制御して前記出力電圧を目標電圧に変更するスイッチング素子と
を具備し、
前記ソフトスタート回路は、待機状態において前記分圧帰還電圧を前記ソフトスタート信号として出力し、起動状態において、前記第2電圧を前記ソフトスタート信号として出力する
スイッチングレギュレータ。 - 請求項1に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記分圧帰還電圧を検出する帰還電圧検出回路を更に具備し、
前記ソフトスタート回路は、前記ソフトスタート信号が出力される第1出力端子と、前記帰還電圧検出回路において検出された前記分圧帰還電圧が出力される第2出力端子との接続を、起動制御信号に応じて制御する第1スイッチを備え、
前記第1スイッチは、前記待機状態における第1レベルの前記起動制御信号に応じて前記第1出力端子と前記第2出力端子とを接続し、前記起動状態における第2レベルの前記起動制御信号に応じて前記第1出力端子と前記第2出力端子とを切り離す
スイッチングレギュレータ。 - 請求項2に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記スイッチング素子は、ゲートに入力される前記PWM信号に応じて前記コイルの一端と接地端子との接続を制御するトランジスタであり、
前記コイルの一端は、ダイオードを介して前記出力電圧が出力される第3出力端子に接続され、他端は、前記入力電圧が入力される入力端子に接続され、
前記第3出力端子は、他端が接地された出力容量の一端に接続され、
前記分圧抵抗回路は、前記第3出力端子と接地端子の間に直列接続された2つの抵抗を備え、前記2つの抵抗の接続端子から前記分圧帰還電圧が出力される
スイッチングレギュレータ。 - 請求項3に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記電流源の一端は基準電圧源に接続され、他端は、前記第1出力端子を介して前記容量の一端に接続され、前記容量の他端は接地され、
前記反転入力端子に入力された前記ソフトスタート信号と、非反転入力端子に入力された前記分圧帰還電圧との比較結果を、ノードを介して前記PWM回路におけるコンパレータの反転入力端子に出力する誤差アンプと、
前記三角波信号の振幅の最大値よりも高い待機電圧が供給される待機電圧供給端子と前記ノードとの接続を、前記起動制御信号に応じて制御する第2スイッチと
を具備し、
前記第2スイッチは、前記第1レベルの前記起動制御信号に応じて前記待機電圧供給端子と前記ノードとを接続し、前記第2レベルの前記起動制御信号に応じて前記待機電圧供給端子と前記ノードとを切り離す
スイッチングレギュレータ。 - 請求項3に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記電流源の一端は、基準電圧よりも高い第3電圧を供給する第1電圧源に接続され、他端は、前記第1出力端子を介して前記容量の一端に接続され、前記容量の他端は接地され、
第1非反転入力端子に入力される電圧と第2非反転入力端子に入力される電圧の低い方を有効電圧とし、前記有効電圧と、反転入力端子に入力された前記分圧帰還電圧との比較結果を出力する誤差アンプと、
前記三角波信号の振幅の最小値よりも低い待機電圧が供給される待機電圧供給端子と前記ノードとの接続を、前記起動制御信号に応じて制御する第3スイッチと
を具備し、
前記第3スイッチは、前記第1レベルの前記起動制御信号に応じて前記待機電圧供給端子と前記ノードとを接続し、前記第2レベルの前記起動制御信号に応じて前記待機電圧供給端子と前記ノードとを切り離す
スイッチングレギュレータ。 - 請求項2に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記スイッチング素子は、ゲートに入力される前記PWM信号に応じて前記コイルの一端と、前記入力電圧が入力される入力端子との接続を制御するトランジスタであり、
前記コイルの一端は、ダイオードを介して前記出力電圧が出力される第3出力端子に接続され、他端は接地され、
前記第3出力端子は、他端が接地された出力容量の一端に接続され、
前記分圧抵抗回路は、前記第3出力端子と、基準電圧よりも高い前記第1電圧を供給する第2電圧源との間に直列接続された2つの抵抗を備え、前記2つの抵抗の接続端子から前記分圧帰還電圧が出力される
スイッチングレギュレータ。 - 請求項6に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記電流源の一端は接地され、他端は、前記第1出力端子を介して前記容量の一端に接続され、前記容量の他端は、前記基準電圧よりも高い第4電圧を供給する第3電圧源に接続され、
前記第1非反転入力端子に入力される電圧と前記第2非反転入力端子に入力される電圧の高い方を有効電圧とし、前記有効電圧と、反転入力端子に入力された前記分圧帰還電圧との比較結果を出力する誤差アンプと、
前記三角波信号の振幅の最大値よりも高い待機電圧が供給される待機電圧供給端子と前記ノードとの接続を、前記起動制御信号に応じて制御する第2スイッチと
を具備し、
前記第2スイッチは、前記第1レベルの前記起動制御信号に応じて前記待機電圧供給端子と前記ノードとを接続し、前記第2レベルの前記起動制御信号に応じて前記待機電圧供給端子と前記ノードとを切り離す
スイッチングレギュレータ。 - 請求項2から7のいずれか1項に記載のスイッチングレギュレータにおいて、
前記帰還電圧検出回路は、電圧フォロワ接続されたアンプを備え、前記アンプの出力は前記第2出力端子に接続され、前記アンプの入力は、前記分圧帰還電圧が出力されるフィードバック端子に接続される
スイッチングレギュレータ。 - 出力電圧と第1電圧との間の電位差を分圧し、分圧帰還電圧として出力するステップと、
直列接続された電流源と容量との間に流れる電流に応じた第2電圧と、前記分圧帰還電圧との一方を選択してソフトスタート信号として出力するステップと、
前記ソフトスタート信号と前記分圧帰還電圧との比較結果と、三角波信号との比較結果に基づいたPWM(Pulse With Modulation)パルス信号によるスイッチング動作によって、入力電圧から所望の電圧に変換するステップと
を具備し、
前記ソフトスタート信号を出力するステップは、待機状態において前記分圧帰還電圧を前記ソフトスタート信号として出力し、起動状態において、前記第2電圧を前記ソフトスタート信号として出力するステップを備える
スイッチングレギュレータにおける電圧変換方法。 - 請求項9に記載の電圧変換方法において、
前記ソフトスタート信号を出力するステップは、第1スイッチが、前記待機状態における第1レベルの起動制御信号に応じて、前記ソフトスタート信号が出力される第1出力端子と前記分圧帰還電圧が出力される第2出力端子とを接続ステップと、前記起動状態における第2レベルの前記起動制御信号に応じて前記第1出力端子と前記第2出力端子とを切り離すステップとを備える
スイッチングレギュレータにおける電圧変換方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2011
- 2011-05-19 JP JP2011112025A patent/JP2012244752A/ja not_active Withdrawn
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