JP2012244104A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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幸彦 白川
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達男 稲垣
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Abstract

【課題】スクリーン印刷の際に、印刷ペーストが保持治具に転写されて付着するのを防ぐことが可能な電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】素体2を保持する保持治具20と、開口パターン45が形成されたスクリーン版40と、開口パターン45よりも広い開口31が形成されたスペーサ30と、を用意する。素体2の少なくとも一部が保持治具20より突出するように保持治具20に素体2を保持すると共に保持治具20上にスペーサ30を配置した状態で、スクリーン版40を用いて導電性ペーストをスクリーン印刷する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関する。
電子部品の製造方法として、素体の外表面に導電性ペーストや抵抗ペースト等の機能性厚膜ペーストをスクリーン印刷することによって付与し、機能性厚膜を付与する工程を備えたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている電子部品の製造方法では、弾性ゴムに多数の素体保持用孔を有するキャリアプレート等の公知の保持治具を用意し、素体のペースト塗布面を突出させる状態で保持治具に保持し、印刷スクリーン版を用いて導電性ペーストを複数の素体にスクリーン印刷し、端子電極を形成している。
特開2010−147309号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている電子部品の製造方法は、以下のような問題点を有している。
保持治具に形成された複数の素体の保持位置全てに素体を挿入しないと、スクリーン印刷される部位に素体が挿入されていない部分が発生する。このとき、印刷スクリーン版と保持治具が接触し、導電性ペーストが保持治具に転写される懼れがある。保持治具に導電性ペーストが付着すると、高価な保持治具の再使用が困難となる。一般に使用される公知のキャリアプレートは、生産性を向上させるため一般に数千個以上の保持位置を有する場合があり、これらの保持位置全てに常に素地を完全に挿入することは難しいため、生産コストが大幅に増加してしまう。
また、保持治具として、公知のキャリアプレートを用いる場合、素体はキャリアプレートの各貫通孔に挿入した状態で保持されるが、保持治具の保持力が弱い場合、スクリーン印刷の際に、スキージの押圧力が印刷スクリーンを介して素体に作用し、素体が貫通孔内に押し込まれてしまう懼れがある。素体が貫通孔内に押し込まれると、印刷スクリーンと保持治具が接触して、上述したように、導電性ペーストが保持治具に転写されて付着する懼れがある。
本発明は、スクリーン印刷の際に、印刷ペーストが保持治具に転写されて付着するのを防ぐことが可能な電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、素体に導電性ペースト等の機能性厚膜ペーストをスクリーン印刷することによって付与する工程を備えた電子部品の製造方法であって、素体を保持する保持治具と、開口パターンが形成された印刷スクリーン版と、開口パターンよりも広い開口が形成されたスペーサと、を用意し、素体の少なくとも一部が保持治具より突出するように保持治具に素体を保持すると共に保持治具と印刷スクリーン版の間にスペーサを配置した状態で、印刷スクリーン版を用いて機能性厚膜ペーストをスクリーン印刷することを特徴とする。
本発明に係る電子部品の製造方法では、保持治具と印刷スクリーンの間にスペーサを配置した状態で印刷スクリーン版を用いて機能性厚膜ペーストをスクリーン印刷するので、保持治具に素体が保持されていない部位が存在する場合でも、保持治具と印刷スクリーン版との間に位置するスペーサにより、印刷スクリーン版と保持治具とが接触することはない。これにより、保持治具に機能性厚膜ペーストが転写されて付着するのを防ぐことができる。なお、スペーサに形成された開口は、印刷スクリーン版に形成された開口パターンよりも広くすることで、スペーサ本体が印刷スクリーンの開口部に接触しないように配置すれば、仮に印刷スクリーン版とスペーサとが接触した場合でも、スペーサに機能性厚膜ペーストが転写されて付着することはない。
スクリーン印刷後に、印刷マスクの裏面をクリーニングしてもよい。
一般に、印刷マスクに形成された開口パターンは、素体における機能性厚膜ペーストの転写(付着)予定領域よりも広く設定される。このため、スクリーン印刷を行うと、印刷スクリーン版の開口部にあるスクリーン裏面には、表面から印刷スキージによって圧力を受けた印刷ペースト(機能性厚膜ペースト)がにじみ出ることがある。印刷スクリーンの開口部裏面にしみ出した印刷ペースト量が多くなると、次回のスクリーン印刷の際に、しみ出した印刷ペーストにより、素体に転写されるペースト量が過剰になり印刷不良の誘因となる。更に、過剰にしみ出した印刷ペーストが、保持治具やスペーサに付着する懼れがある。印刷スクリーン版の開口部裏面にしみ出した印刷ペースト量が多くなると、次回のスクリーン印刷の際に、しみ出した印刷ペーストにより、素体に転写されるペースト量が過剰になり印刷不良の誘因となる。さらに過剰にしみ出した印刷ペーストが、保持治具やスペーサに付着する懼れがある。しかしながら、スクリーン印刷後に、印刷マスクの裏面をクリーニングすることにより、印刷スクリーン版の裏面に付着した印刷ペーストが除去されることとなり、上述した問題点を確実に防ぐことができる。
保持治具として、弾性ゴムに開口部が形成された保持治具を用い、当該開口部内で素体を保持してもよい。この場合でも、保持治具に機能性厚膜ペーストが転写されて付着するのを防ぐことができる。
保持治具として、公知の粘着プレート(たとえば、特開2005−347656号公報)などの、粘着性を有する保持治具を用いてもよい。
粘着性を有する保持治具を用いた場合、たとえば公知の粘着プレートを用いると、素体全体が保持治具から突出した状態となる。このため、スクリーン印刷の際に、スキージの移動により、素体にはスキージの移動方向に向かう外力が作用し、素体が倒れてしまう懼れがある。しかしながら、粘着性を有する保持治具にスペーサを配置した状態でスクリーン印刷することにより、素体に作用する上記外力が軽減され、スクリーン印刷時に素体が倒れるのを防ぐことができ、機能性厚膜ペーストの付与を安定して行うことができる。
保持治具において、スペーサと接触する領域が、非粘着性であってもよい。また、スペーサにおいて、保持治具と接触する領域が、非粘着処理を施されていてもよい。いずれの場合にも、保持治具からのスペーサの取り外しを容易に行うことができる。
スペーサが保持治具に粘着すると、保持治具からスペーサを分離する際に、スペーサや、保持治具に強い力を印加する必要が生じ、スペーサと保持治具の位置がずれて、スペーサと素体とが接触して、素体が倒れたり、素体が保持治具から脱落したりする懼れがある。また、極小サイズの電子部品の場合、素体のサイズも極小であるため、保持治具からの素体の突出高さも極めて低い。このため、使用するスペーサの厚みも薄くなってしまう。このような薄いスペーサを用いた場合、スペーサが保持治具に粘着していると、保持治具からスペーサを取り外す際に、スペーサが変形する懼れがある。しかしながら、保持治具の表面におけるスペーサと接触する領域を非粘着性とする、もしくはスペーサと保持治具と接触する領域に非粘着処理を行うことで、保持治具からのスペーサの取り外しを容易に行うことができることにより、上述した問題点が生じるのを防ぐことができる。
本発明によれば、スクリーン印刷の際に、印刷ペーストが保持治具に転写されて付着するのを防ぐことが可能な電子部品の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る電子部品の製造方法によって製造された電子部品の断面構成を示す図である。 本実施形態に係る電子部品の製造方法を示すフローチャートである。 素体保持工程、スペーサ配置工程、及び第一ペースト層形成工程を説明するための図である。 スペーサの構成を示す平面図である。 第一焼付工程、第二ペースト層形成工程、及び第二焼付工程を説明するための図である。 第二ペースト層形成工程を説明するための図である。 スペーサの一変形例を示す平面図である。 保持冶具及びスペーサの一変形例の断面構成を説明するための図である。 保持冶具及びスペーサの一変形例を示す平面図である。 本実施形態の変形例に係る電子部品の製造方法を説明するための図である。 本実施形態の変形例に係る電子部品の製造方法を説明するための図である。 本実施形態の変形例に係る電子部品の製造方法により得られた電子部品を示す斜視図である。 本実施形態の変形例に係る電子部品の製造方法により得られた電子部品の断面構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る電子部品の製造方法によって製造された電子部品1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る電子部品の製造方法によって製造された電子部品の断面構成を示す図である。本実施形態では、電子部品1として、積層セラミックコンデンサを例に説明する。
図1に示されるように、電子部品1は、素体2と、素体2の外表面に配置された複数の外部電極3,4と、を備えている。素体2は、略直方体形状を呈しており、複数の絶縁体層6が積層されることにより形成されている。絶縁体層6は、誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体からなる。実際の電子部品1では、各絶縁体層6は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
素体2は、一対の端面2a,2bと、四つの側面2cと、を有している。一対の端面2a,2bは、素体2の長手方向で互いに対向しており、略矩形形状を呈している。各側面2cは、一対の端面2a,2b間を連結するように一対の端面2a,2bの対向方向に伸びている。電子部品1は、たとえば、縦が0.6〜4.5mm程度に設定され、横が0.3〜3.2mm程度に設定され、厚みが0.2〜3.2mm程度に設定されている。略直方体形状とは、直方体形状も含む。
外部電極3は、端面2a側に配置されている。外部電極3は、端面2aの全面を覆い且つその一部が四つの側面2c上に回り込むように形成されている。外部電極4は、端面2b側に配置されている。外部電極4は、端面2bの全面を覆い且つその一部が四つの側面2c上に回り込むように形成されている。外部電極3,4における側面2cを覆う部分の長さ、すなわち、外部電極3,4の端面2a,2bを覆う部分における厚みが最大となる位置と側面2cを覆う部分における端との間の寸法(図1において「B」で示される)を、「B寸法」と称する。B寸法は、たとえば、0.15〜0.8mm程度に設定される。
外部電極3,4は、導電性金属粉末(たとえば、Cu、Ni、Ag、又はPdなど)を含有する導電性ペーストを素体2の外表面に後述の方法によって付与した後に所定温度(たとえば、700℃〜900℃程度)にて焼き付けることにより、形成される。外部電極3,4に電気メッキを施すことによりめっき層が形成されている。電気メッキには、Niめっき、Snめっきなどを用いることができる。
電子部品1は、図1に示されるように、複数の内部電極7及び複数の内部電極8を備えている。内部電極7と内部電極8とは、複数の絶縁体層6の積層方向において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、内部電極7と内部電極8とは、素体2内において、上記積層方向に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極7と内部電極8とは、素体2内に配置されている。素体2は、内部電極7,8と絶縁体層6とが交互に複数積層された領域(第一領域)と、第一領域を積層方向で挟み勝つ絶縁体層6からなる領域(第二領域)と、を有している。
内部電極7,8は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、Ni、Cu、Ag、又はPdなど)からなる。内部電極は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。内部電極7,8の厚みは、たとえば1μm〜5μm程度である。内部電極7,8は、積層方向から見て互いに重なりあう領域を有するような形状であれば、特に形状は限定されず、たとえば矩形状などの形状を呈している。内部電極7は外部電極3と接続されており、内部電極8は外部電極4と接続されている。
続いて、図2を参照して電子部品1の製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係る電子部品の製造方法を示すフローチャートである。
まず、複数の素体2を準備する(素体準備工程S1)。ここでは、絶縁体層6となるセラミックグリーンシートを準備し、当該セラミックグリーンシート上に導電性ペーストで印刷し、乾燥させることによって内部電極7,8となる電極パターンを形成する。電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、得られたセラミックグリーンシートの積層体を所定の大きさの複数のチップに切断する。そして得られたグリーンチップから、バインダを除去した後(脱バインダ)、このグリーンチップを焼成する。これにより、素体2が得られる。素体準備工程S1は、グリーンチップ又は素体2の研磨処理を含んでいてもよい。
次に、準備した複数の素体2を保持治具20に保持させる(素体保持工程S2)。ここでは、図3に示されるように、素体2を、素体2の一部が保持治具20から突出するように、保持治具20に形成された貫通孔21に挿入した状態で保持させる。すなわち、保持治具20は、貫通孔21内で素体2を保持する。図3では、端面2aが上方を向くように端面2b側において側面2cが保持されている。本実施形態では、保持治具20として、弾性ゴムに開口部が形成された保持治具を使用し、当該保持治具としてキャリアプレートが用いられている。
次に、保持治具20上にスペーサ30を配置する(スペーサ配置工程S3)。ここでは、図4にも示されるように、保持治具20の各貫通孔21に対応した複数の開口31が形成されたスペーサ30を用いる。開口31の面積は、貫通孔21の開口面積よりも大きく設定されている。スペーサ30は、たとえば、ステンレス鋼などからなる。
スペーサ30の厚みは、素体2の保持治具20からの突出高さに対し、突出高さと同等程度以下に設定されている。ここで、同等程度以下とは、上記突出高さに約50μmを加えた値以下であることを意味する。スペーサ30が保持治具20上に配置された状態では、素体2は、開口31の内側に位置すると共に、素体2の先端がスペーサ30の上面よりも突出することとなる。スペーサ30の開口31は、当該開口31の内側に複数の素体2が位置するようなサイズであってもよい。この場合、スペーサ30の厚みが、素体2の保持治具20からの突出高さと同等程度以下の範囲で当該突出高さよりも大きい場合でも、スクリーン印刷を良好に行うことができる。
次に、素体2の端面2aに導電性ペーストP1をスクリーン印刷して付与し、第一ペースト層11を形成する(第一ペースト層形成工程S4)。ここでは、図3に示されるように、スクリーン版40を準備し、スクリーン版40で素体2の端面2aを覆うように、保持治具20及びスペーサ30の上方に配置する。
印刷スクリーン版(以下、単に「スクリーン版」と称する)40は、印刷マスクとして機能し、版枠(不図示)と、版枠に固定されたスクリーンメッシュ41と、スクリーンメッシュ41に形成されたマスク43と、を有している。マスク43は、スクリーンメッシュ41のメッシュ開口を乳剤等の目止め剤で塞ぐことにより形成される。したがって、スクリーン版40には、スクリーンメッシュ41におけるマスク43が塞いでいない部分により、各開口パターン45が形成されることとなる。開口パターン45の面積は、導電性ペーストP1が付与される素体2の端面2aの面積よりも大きく設定されている。スペーサ30の開口31の面積は、図4に示されるように、スクリーン版40に形成された開口パターン45の面積よりも大きく設定されている。
本工程では、スクリーンメッシュ41の上面側で、導電性ペーストP1を一の方向Dに向かって掻き寄せるようにスキージ47を移動させる。これにより、スキージ47で素体2の端面2aにスクリーンメッシュ41が押し当てられる際に端面2aに平均的に導電性ペーストP1が付与され、第一ペースト層11が形成される。スキージ47として、ゴム製のスキージを用いる場合、ゴムの硬度は70度以上であることが好ましい。スキージ47のスクリーン版40に対する角度は、50°以上に立たせることが好ましい。導電性ペーストP1は、高粘度及び高チキソ性のペースト組成とされている。
ところで、スキージ47の押圧力がスクリーン版40(スクリーンメッシュ41)を介して素体2に作用し、素体2が貫通孔21内に押し込まれてしまうことがある。しかしながら、保持治具20上にスペーサ30を配置した状態で、スクリーン印刷するので、スキージ47の押圧力が素体2に作用した場合でも、素体2が貫通孔21内に押し込まれてしまうことはなく、スクリーン版40(スクリーンメッシュ41)と保持治具20とが接触することはない。また、貫通孔21内に素体2が挿入されていない部位が保持治具20に存在した場合でも、スクリーン版40と保持治具20との間にスペーサ30が位置しているため、スクリーン版40(スクリーンメッシュ41)と保持治具20とが接触することはない。
スクリーン印刷後、スクリーン版40の裏面、すなわち、保持治具20と対向する面をクリーニングする。クリーニングには、金属マスクを用いてクリームはんだを印刷する場合に一般的に用いられている、ロール状のクリーニングペーパーもしくはクリーニングシートを用いることができる。また、クリーニングは、スキージを用い、スクリーン印刷一回毎に、スクリーン版40の裏面全体に対し、十分な追い込み量でスキージを押しつけて摺動させることにより行うようにしてもよい。このように、クリーニングは、スクリーン印刷一回毎に行うことが好ましい。
次に、付与した導電性ペーストP1を素体2に焼き付ける(第一焼付工程S5)。ここでは、第一ペースト層11が形成された素体2を保持治具20から外し、例えば780℃で熱処理を行う。これにより、図5の(a)に示されるような焼付電極12が素体2に形成されることとなる。
次に、素体2に対し焼付電極12を覆うように導電性ペーストP2を付与し、第二ペースト層13を形成する(第二ペースト層形成工程S6)。ここでは、浸漬工法により焼付電極12を覆うように導電性ペーストP2を付与する。すなわち、図6に示されるように、保持治具50で保持された素体2の端面側2aを塗布用ベッド60に収容されている導電性ペーストP2中に浸漬させることによって、第二ペースト層13を形成する。本工程により、端面2aに対してだけでなく、素体2の四つの側面2cにも導電性ペーストP2が付着することとなる。導電性ペーストP2は、導電性ペーストP1と異なる組成の導電性ペーストを用いることができる。具体的には、導電性ペーストP2は、金属粉体の平均粒径、固形分濃度、粘度、及び樹脂成分などが導電性ペーストP1と異なっており、導電性ペーストP1に比して低粘度及び低メタルコンテントのペースト組成とされている。ここで、保持治具50として開口が形成された保持治具を使用し、開口が形成された保持治具としてキャリアプレートを用いる。
第一焼付工程S5の代わりに、導電性ペーストP1を所定の温度(たとえば、150℃程度)で乾燥させる乾燥工程を採用してもよい。ただし、後述する第二ペースト層13の形成及び焼き付けを、第一ペースト層11を焼き付けて焼付電極12を形成した後に行うほうが、一回あたりの焼き付け時のペースト層の厚みが小さくなるため、焼き付けによる亀裂、剥がれ及び気泡などの焼付欠陥が発生にくくなり、より欠陥の少ない外部電極を形成することが可能となる点で有利である。
次に、付与した導電性ペーストP2を部分的に拭い取る(ブロット工程S7)。第二ペースト層形成工程S6において、端面2a側を導電性ペーストP2に浸漬させて引き上げると、付着した導電性ペーストP2が引っ張られることにより、第二ペースト層13では、端面2aの中央位置付近の厚みが大きくなる。したがって、本工程では、第二ペースト層13をプレートに押付けて引き離すことにより、端面2aの中央位置付近に位置する導電性ペーストP2を拭い取る。これにより、図5の(b)に示されるように、端面2aの中央位置における第二ペースト層13の厚みが薄くなる。
そして、上述した素体保持工程S2から第二ペースト層形成工程S6までの工程を実施することにより、端面2b側にも焼付電極12及び第二ペースト層13を形成する。なお、端面2a側に焼付電極12を形成した後、端面2b側に焼付電極12を形成し、その後第二ペースト層13を形成してもよい。
第1焼付工程S5の代わりに、上述した乾燥工程を採用した場合には、端面2b側に第2ペースト層13を形成した後、第一ペースト層11と第二ペースト層13とを一括して素体2に焼き付けてもよい。ただし、上述したように、各端面2a,2bについても第一ペースト層11を焼付けた後に第二ペースト層13を形成した方が、焼き付けによる亀裂、剥がれ及び気泡などの焼付欠陥が発生にくくなり、より欠陥の少ない外部電極を形成することが可能となる点で有効である。
次に、付与した導電性ペーストP2を焼き付ける(第二焼付工程S8)。ここでは、第二ペースト層13が形成された素体2を保持治具50から外し、例えば780℃で熱処理を行う。これにより、図5の(c)に示されるように、外部電極3,4が素体2に形成されることとなる。
次に、外部電極3,4の表面にめっき層を形成する(めっき工程S9)。本工程は、外部電極3,4の表面にNiメッキ層やSnメッキ層を形成する工程である。すなわち、バレル内のめっき液に電子部品1を浸漬させた後、バレルを回転させつつ外部電極3,4の表面にめっき層を成長させる。
これらの工程S1〜S9によって、電子部品1が得られることとなる。
以上のように、本実施形態では、保持治具20上にスペーサ30を配置した状態で、スクリーン版40を用いて導電性ペーストP1をスクリーン印刷するので、上述したように、保持治具20とスクリーン版40との間に位置するスペーサ30により、スクリーン版40と保持治具20とが接触することはない。これにより、保持治具20に導電性ペーストP1が転写されて付着するのを防ぐことができる。スペーサ30に形成された開口31は、スクリーン版40に形成された開口パターン45よりも広いことから、スクリーン版40とスペーサ30とが接触した場合でも、スペーサ30に導電性ペーストP1が転写されて付着することはない。
そして、保持治具20への導電性ペーストの付着が防止されるため、保持治具20の再使用が可能となる。この結果、電子部品の生産性が向上し、生産コストが嵩むのを防ぐことができる。
本実施形態では、スクリーン印刷後に、スクリーン版40の裏面をクリーニングしている。スクリーン版40に形成された開口パターン45は、素体2の端面2a,2bよりも広く設定される。このため、スクリーン印刷を行うと、開口パターン45内で、素体2に転写されなかった部分にペーストが残留し、この状態で繰り返し印刷を行うと残留したペースト量が過剰となり、スクリーン版40の裏面には開口パターン45から回り込んだ導電性ペーストP1が付着することがある。スクリーン版40の裏面に導電性ペーストP1が付着していると、次回のスクリーン印刷の際に、スクリーン版40の裏面に付着した導電性ペーストP1が、保持治具20やスペーサ30に付着する懼れがある。しかしながら、スクリーン印刷後に、スクリーン版40の裏面をクリーニングすることにより、スクリーン版40の裏面に付着した導電性ペーストP1が除去されることとなり、導電性ペーストP1が保持治具20やスペーサ30に付着するのを確実に防ぐことができる。
続いて、図7を参照して、スペーサ30の変形例を説明する。図7は、スペーサの一変形例を示す平面図である。
図7に示されたスペーサ30は、開口31の大きさに関して、図4に示されたスペーサ30と相違する。図7に示されたスペーサ30では、開口31の大きさが、保持治具20に形成された貫通孔21を複数含むように設定されている。
次に、図8及び図9を参照して、保持治具20及びスペーサ30の変形例を説明する。図8は、保持冶具及びスペーサの一変形例の断面構成を説明するための図である。図9は、保持冶具及びスペーサの一変形例を示す平面図である。
図8及び図9に示された保持治具20は、基板23と、基板23上に設けられた粘着層25とを有している、いわゆる粘着プレートである。基板23は、たとえばステンレス鋼などの金属からなる。粘着層25は、たとえばシリコーンゴムなどの粘着性高分子からなる。素体2は、一方の端面2a,2b側が粘着層25の表面に粘着させることにより、保持冶具20に保持されることとなる。粘着層25は、素体保持部として機能する。このとき、素体2の全体が保持冶具20(粘着層25)の表面から突出することとなる。図8及び図9に示されたスペーサ30では、開口31の大きさが、当該開口31内に複数の素体2含むように設定されている。
粘着層25におけるスペーサ30と接触する領域は、非粘着性を有している。これにより、保持治具20の表面におけるスペーサ30と接触する領域が、非粘着性を有することとなる。粘着層25の上記領域を非粘着性とする手法は、非粘着性を有するシートの貼付、非粘着性材料のコーティング、溶剤を用いた洗浄処理、UV光照射もしくはプラズマ処理などによる表面改質といった、公知の手法を用いることができる。「非粘着性」とは、粘着性を全く有していない状態だけではなく、保持治具20とスペーサ30とが実質的に粘着しない程度に粘着性が弱められている状態を含む。
スペーサ30における保持治具20(粘着層25)と接触する領域は、非粘着処理が施されていてもよい。スペーサ30の上記領域を非粘着処理する手法は、スペーサ30の表面に微小な凸部を設け、粘着層25との接触部位を局限する、スペーサ30の表面を粗面化する、又は、スペーサ30の表面をフッ素系樹脂でコーティングするといった手法を用いることができる。
このように、粘着層25を有する保持治具20を用いた場合、素体2全体が保持治具20から突出した状態となる。このため、スクリーン印刷の際に、スキージ47の移動により、素体2にはスキージ47の移動方向Dに向かう外力が作用し、素体2が倒れてしまう懼れがある。しかしながら、保持治具20にスペーサ30を配置した状態でスクリーン印刷することにより、素体2に作用する上記外力が軽減され、スクリーン印刷時に素体2が倒れるのを防ぐことができ、導電性ペーストP1の付与を安定して行うことができる。
スペーサ30が保持治具20に粘着していると、保持治具20からスペーサ30を剥がす際に、粘着を引きはがすための過剰な外力が必要となるため、スペーサ30もしくは保持治具20の位置がずれやすく、スペーサ30と素体2とが接触して、素体2が倒れたり、素体2が保持治具20から脱落したりする問題点が生じる懼れがある。また、特に、電子部品1が極小サイズである場合、保持治具20からの素体2の突出高さも極めて低い。このため、スペーサ30の厚みも薄くなってしまう。このような薄いスペーサ30を用いた場合、スペーサ30が保持治具20に粘着していると、保持治具20からスペーサ30を取り外す際に、スペーサ30が変形、破損する問題点が生じる懼れがある。しかしながら、粘着層25におけるスペーサ30と接触する領域が非粘着性を有することにより、又は、スペーサ30における保持治具20と接触する領域が非粘着処理されていることにより、保持治具20からのスペーサ30の取り外しを容易に行うことができる。したがって、上述した問題点が生じるのを防ぐことができる。
本実施形態及び各変形例に係るスペーサ30の厚みは、上述したように、保持治具20からの素体2の突出高さと同等程度以下であればよい。好ましくは、スペーサ30の厚みは、素体2の上記突出高さよりも小さく設定され、より好ましくは50μm減じた値以下である。これにより、素体2にスクリーン印刷する際に、素体2に十分な印圧を印加できると共に、素体2の上記突出高さにばらつきが存在している場合でも、素体2に確実にスクリーン印刷することができる。
また、スペーサ30の厚みは、素体2の上記突出高さの1/2以上であることが好ましい。これにより、スクリーン印刷時に、素体2がスキージ47から過剰に印圧を受けるのを防ぐことができると共に、上述した素体2の倒れの発生を確実に防ぐことができる。更に、スクリーン版40から見た素体2の凹凸が減少し、スクリーン版40の破れなどの不具合が発生し難く、スクリーン版40の寿命を向上できる。
本発明に係る電子部品の製造方法において、導電性ペーストが保持治具に転写されて付着するのを防ぐことが可能であることを確認するために、実施例に係る電子部品の製造方法と比較例に係る電子部品の製造方法とで試験を行った。以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
チップサイズが「1005」である素体をキャリアプレートに保持した後、キャリアプレート上にスペーサを配置した状態で、スクリーン印刷機により素体の端面に導電性ペーストを付与した。そして、スクリーン印刷後のキャリアプレートへの導電性ペーストの付着による汚染を評価した。試験条件は、以下の通りとした。
用いたキャリアプレートは、素体の保持領域、すなわち貫通孔が形成された領域が220mm×140mmであり、貫通孔径が0.45mmφであり、貫通孔のピッチが2.0mmであるものを用いた。そして、キャリアプレートの貫通孔に素体を挿入した後、素体をキャリアプレートの表面から約0.5mm突出させ、0.45mmのギャップスペーサを介して、平板にキャリアプレート(素体)を押し付けて、素体のキャリアプレートからの突出高さのレベリングを図った。これにより、素体は、突出高さ0.45mmの状態でキャリアプレートに保持されることとなる。
素体を保持した状態のキャリアプレートとして、全ての貫通孔に素体を挿入して保持した、すなわち素体の挿入(保持)率が100%であるキャリアプレートと、約30%の貫通孔に素体を挿入して保持した、すなわち素体の挿入率が約30%であるキャリアプレートと、をそれぞれ5枚用意した。挿入率が約30%であるキャリアプレートにおける素体の保持位置は、ランダムとした。
スペーサは、開口がキャリアプレートの貫通孔と同一に配置され、開口の径が1.5mmφであるものを用いた。スペーサは、ステンレス鋼からなる板部材からなり、その厚みが0.3mmである。
スクリーン版は、開口パターンがキャリアプレートの貫通孔と同一に配置され、開口パターン径が1.1mmφであるものを用いた。スクリーン版のスクリーンメッシュは、#200のポリエステル製メッシュとした。
導電性ペーストは、金属粉末として、Cu粉末を含有しているエチルセルロース系バインダペーストを用いた。Cu粉末の平均粒径が2μmであり、固形分が70wt%であり、粘度が25Pasである。
スクリーン印刷には、ゴム硬度が70度のスキージを用い、スキージ印圧を12kgとした。スクリーン印刷は、各挿入率のキャリアプレートを連続して行った。
キャリアプレートへの導電性ペーストの付着による汚染を確認したところ、挿入率が100%であるキャリアプレートも挿入率が約30%であるキャリアプレートも、汚染は認められなかった。
スクリーン印刷終了毎に、スペーサへの導電性ペーストの付着を確認したところ、挿入率が100%であるキャリアプレートに配置したスペーサには、汚染は認められなかった。これに対して、挿入率が約30%であるキャリアプレートに配置したスペーサには、5枚目のキャリアプレートに対してスクリーン印刷した後の確認で、開口の2%程度に若干の汚染が認められた。この汚染は、素体が挿入されない位置がスクリーン版の同一位置に繰り返し重なったため、スクリーンメッシュにおける素体に転写されない部分に充填された導電性ペーストが、繰り返しの印刷動作によりスクリーン版の裏面側に過剰に滲み出し、スペーサに接触したことによると推定される。
(実施例2)
スクリーン版の裏面クリーナーをスクリーン印刷機に装着し、スクリーン印刷毎にスクリーン版の裏面をクリーニングした。裏面クリーナーは、スキージ掻き取り型を用いた。クリーニング以外の試験条件は、実施例1と同じとした。
キャリアプレートへの導電性ペーストの付着による汚染を確認したところ、挿入率が100%であるキャリアプレートも挿入率が約30%であるキャリアプレートも、汚染は認められなかった。スペーサへの導電性ペーストの付着による汚染を確認したところ、挿入率が100%であるキャリアプレートに配置したスペーサも挿入率が約30%であるキャリアプレートに配置したスペーサも、汚染は認められなかった。
(実施例3)
スペーサとして、図7に示されたスペーサ30と同様の構成を有するものを用いた。用いたスペーサでは、各開口が、保持治具に保持された素体をスキージの移動方向に55個、スキージの移動方向に直交する方向に7個、計385個含むように設定されている。スペーサの構成以外の試験条件は、実施例2と同じとした。
キャリアプレートへの導電性ペーストによる汚染を確認したところ、挿入率が100%であるキャリアプレートも挿入率が約30%であるキャリアプレートも、汚染は認められなかった。スペーサへの導電性ペーストによる汚染を確認したところ、挿入率が100%であるキャリアプレートに配置したスペーサも挿入率が約30%であるキャリアプレートに配置したスペーサも、汚染は認められなかった。
(比較例1)
キャリアプレート上にスペーサを配置しない状態で、スクリーン印刷機により素体の端面に導電性ペーストを付与した。スペーサの配置以外の試験条件は、実施例1と同じとした。
キャリアプレートへの導電性ペーストによる汚染を確認したところ、挿入率が100%であるキャリアプレートには、素体の保持領域と当該保持領域の外側領域との境界部分に、部分的に汚染が認められた。汚染の程度は、印刷回数が増えるほど悪化した。これは、上記境界部分近傍に位置する素体が、スキージからの圧力を受けて沈み込み、スクリーン版とキャリアプレートとが接触したこと、及び、繰り返し印刷により、スクリーンメッシュにおける素体に転写されない部分に充填された導電性ペーストがスクリーン版の裏面に滲み出し、キャリアプレートに接触したことによると推定される。挿入率が約30%であるキャリアプレートでは、素体が保持されていない貫通孔に汚染が認められた。また、挿入率が100%であるキャリアプレートにて確認された上記境界部分と同様の汚染が、より広範囲で確認された。
(実施例4)
チップサイズが「0603」である素体を粘着プレートに保持した後、粘着プレート上にスペーサを配置した状態で、スクリーン印刷機により素体の端面に導電性ペーストを付与した。そして、スクリーン印刷後の粘着プレートへの導電性ペーストの付着による汚染を評価した。試験条件は、以下の通りとした。
用いた粘着プレートは、粘着層が粘着性のシリコーンゴムからなり、粘着領域が120mm×120mmであるものを用いた。粘着領域には、1mmピッチで、30×30(=900)個を1ブロックとして、3×3(=9)ブロックの配列で素体を貼り付ける位置(貼付位置)が設定されている。
素体を貼り付けた状態の粘着プレートとして、上述した貼付位置の全てに素体を貼り付けた、すなわち素体の貼付率が100%である粘着プレートと、上述した貼付位置の約30%に素体を貼り付けた、すなわち素体の貼付率が約30%である粘着プレートと、をそれぞれ5枚用意した。貼付率が約30%である粘着プレートにおける素体の貼付位置は、ランダムとした。
スペーサは、9つの開口が上述した各ブロックに対応して配置され、各開口が、粘着プレートに貼り付けられた素体を30×30(=900)個含むように設定されている。スペーサは、ステンレス鋼からなる板部材からなり、その厚みが0.5mmである。
スクリーン版は、開口パターンが上記貼付位置と同一に配置され、開口パターン径が0.75mmφであるものを用いた。スクリーン版のスクリーンメッシュは、#300のポリエステル製メッシュとした。
導電性ペースト及びスクリーン印刷に関しては、実施例1と同じ条件とした。
粘着プレートへの導電性ペーストの付着による汚染を確認したところ、貼付率が100%である粘着プレートも貼付率が約30%である粘着プレートも、汚染は認められなかった。スペーサへの導電性ペーストの付着を確認したところ、貼付率が100%である粘着プレートに配置したスペーサも、貼付率が約30%である粘着プレートに配置したスペーサにも、汚染は認められなかった。各粘着プレートに粘着、保持された素体には倒れなどは生じておらず、導電性ペーストの付与も適切に行われていた。しかしながら、印刷後において、スペーサが粘着プレートに強固に粘着しており、粘着プレートからスペーサを外す離脱作業に多大の手間を要した。
(実施例5)
スペーサと粘着プレートとが接触する領域において、粘着プレート表面に耐熱性を有するPET(Polyethylene Terephthalate)フィルムを貼り付け、当該領域を非粘着性化したものを用いた。スペーサの厚みを0.45mmとし、PETフィルムの厚みを50μmとした。スペーサの構成以外の試験条件は、実施例4と同じとした。
粘着プレートへの導電性ペーストの付着による汚染を確認したところ、貼付率が100%である粘着プレートも貼付率が約30%である粘着プレートも、汚染は認められなかった。スペーサへの導電性ペーストの付着を確認したところ、貼付率が100%である粘着プレートに配置したスペーサも、貼付率が約30%である粘着プレートに配置したスペーサにも、汚染は認められなかった。各粘着プレートに粘着、保持された素体には倒れなどは生じておらず、導電性ペーストの付与も適切に行われていた。印刷後に、スペーサを粘着プレートから容易に離脱できた。
(実施例6)
スペーサとして、粘着プレートと接触する領域を含む面に、サンドブラストによる表面粗面化処理を施すことで非粘着処理を施した後に、PTFE(Polytetrafluoroethylene)コーティングを施したものを用いた。スペーサの構成以外の試験条件は、実施例4と同じとした。
粘着プレートへの導電性ペーストの付着による汚染を確認したところ、貼付率が100%である粘着プレートも貼付率が約30%である粘着プレートも、汚染は認められなかった。スペーサへの導電性ペーストの付着を確認したところ、貼付率が100%である粘着プレートに配置したスペーサも、貼付率が約30%である粘着プレートに配置したスペーサにも、汚染は認められなかった。各粘着プレートに粘着、保持された素体には倒れなどは生じておらず、導電性ペーストの付与も適切に行われていた。印刷後に、スペーサを粘着プレートから容易に離脱できた。
(比較例2)
粘着プレート上にスペーサを配置しない状態で、スクリーン印刷機により素体の端面に導電性ペーストを付与した。スペーサの配置以外の試験条件は、実施例4と同じとした。
粘着プレートへの導電性ペーストによる汚染を確認したところ、貼付率が100%である粘着プレートには、汚染が認められなかったものの、各ブロックの外周部に位置する素体のうち一部の素体が倒れており、正常な印刷が行われていなかった。貼付率が約30%である粘着プレートでは、素体が粘着、保持されていない部分に汚染が認められた。これらの汚染された粘着プレートは、再使用不能であった。
以上のように、保持冶具(キャリアプレートや粘着プレートなど)上にスペーサを配置してスクリーン印刷することにより、導電性ペーストの保持治具への付着を防ぐことができる。粘着プレートにおける保持冶具と接触する領域を非粘着化することにより、印刷後におけるスペーサの保持冶具からの離脱が容易となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本実施形態では、スクリーン印刷による導電性ペーストの付与、焼付け、浸漬工法による導電性ペーストの付与、ブロット、焼付けの順に実施して外部電極3,4を形成しているが、外部電極3,4を形成する工程はこれに限られない。たとえば、浸漬工法による導電性ペーストの付与、ブロット、焼付け、スクリーン印刷による導電性ペーストの付与、焼付けの順に実施して外部電極3,4を形成してもよい。また、浸漬工法による導電性ペーストの付与、ブロット、乾燥、スクリーン印刷による導電性ペーストの付与、乾燥、焼き付けの順に実施して外部電極3、4を形成してもよい。また、スクリーン印刷による導電性ペーストの付与及び焼付けにより、外部電極3,4を形成してもよい。
本実施形態では、素体保持工程S2の後にスペーサ配置工程S3を実施しているが、先にスペーサ配置工程S3を実施し、その後に素体保持工程S2を実施して、スペーサ30が配置されている保持冶具20に素体2を保持させるようにしてもよい。
本実施形態では、素体2の端面2a,2bに導電性ペーストを付与しているが、端面2a,2bだけでなく、側面2cにも導電性ペーストを付与するようにしてもよい。以下、その一例として、本実施形態の変形例に係る電子部品の製造方法を説明する。
まず、素体2を準備し、図10に示されるように、保持治具70に保持させる。その後、端面2aに導電性ペーストを付与して、第一ペースト層71を形成する。第一ペースト層71を形成する手法は、スクリーン印刷法や浸漬法などがある。図10では、第一ペースト層71は、端面2aのみに形成されているが、側面2cにわたるように形成されていてもよい。保持治具70として、弾性ゴムに開口部が形成された保持治具を使用し、当該保持治具としてキャリアプレートが用いられている。
次に、第一ペースト層71を乾燥させる。端面2aに形成された第一ペースト層71を乾燥させた後に、同様にして、端面2bに第一ペースト層71を形成し、乾燥させる。各第一ペースト層71を乾燥させる代わりに、所定の温度(たとえば、780℃)にて第一ペースト層71を素体2に焼き付けてもよい。
次に、図8及び図9に示された保持治具20を用意し、素体2を粘着層25の表面に粘着させて、図11に示されるように、保持治具20に保持させる。このとき、素体2の一つの側面2cを粘着層25に粘着させる。
次に、保持治具20上にスペーサ30を配置する。ここでは、図11にも示されるように、開口31が、当該開口31の内側に複数の素体2が位置するようなサイズとされたスペーサ30を用いている。図11に示されたスペーサ30は、その厚みが素体2の保持治具20からの突出高さと同等程度以下の範囲で当該突出高さよりも大きく設定されている。スペーサ30は、図3及び図4に示されるように、一つの素体2に対して一つの開口31が形成されたものを用いてもよい。いずれの場合でも、スペーサ30は、その厚みが素体2の保持治具20からの突出高さと同等程度以下であればよい。
次に、図11にも示されるように、素体2の側面2cに導電性ペーストP3をスクリーン印刷して付与し、第二ペースト層73を形成する。ここでは、スクリーン版40を準備し、スクリーン版40で素体2の端面2aを覆うように、保持治具20及びスペーサ30の上方に配置する。そして、上述した第一ペースト層形成工程S4と同じく、スクリーンメッシュ41の上面側で、導電性ペーストP3を一の方向Dに向かって掻き寄せるようにスキージ47を移動させる。図11では、第二ペースト層73は、側面2cのみに形成されているが、端面2aにわたるように形成されていてもよい。
次に、第二ペースト層73を乾燥させる。側面2cに形成された第二ペースト層73を乾燥させた後に、同様にして、対向する側面2cに第二ペースト層73を形成し、乾燥させる。
次に、形成した第一ペースト層71及び第二ペースト層73を素体2焼き付ける。ここでは、第二ペースト層73が形成された素体2を保持治具50から外し、例えば780℃で熱処理を行う。これにより、外部電極3,4が素体2に形成されることとなる。ここでは、外部電極3,4は、図12に示されるように、端面2a,2bと互いに対向する一対の側面2cとの3面に跨るように形成されている。第二ペースト層73を一方の側面2cに対してのみに形成してもよい。この場合、図13に示されるように、外部電極3,4は、端面2a,2bと一の側面2cとの2面に跨るように形成される。
次に、外部電極3,4の表面にめっき層を形成する。これらの工程によって、電子部品1が得られることとなる。
本一例においても、上述した実施形態と同様に、保持治具20への導電性ペーストの付着が防止されるため、保持治具20の再使用が可能となる。この結果、電子部品の生産性が向上し、生産コストが嵩むのを防ぐことができる。
本実施形態では、機能性厚膜ペーストとして、積層セラミックコンデンサの外部電極形成用の導電性ペーストの付与を例として示したが、これに限られない。たとえば、積層セラミックコンデンサのESR(直列等価抵抗)を制御するための抵抗体ペーストのスクリーン印刷塗布にも同様に用いることができる。
本発明は、積層コンデンサに限られることなく、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、又は積層複合部品などの他の電子部品にも適用できる。
本発明は、積層コンデンサなどの電子部品の製造方法に利用できる。
1…電子部品、2…素体、3,4…外部電極、20…保持治具、21…貫通孔、23…基板、25…粘着層、30…スペーサ、31…開口、40…印刷スクリーン版、41…スクリーンメッシュ、43…マスク、45…開口パターン、47…スキージ、D…スキージの移動方向、P1,P3…導電性ペースト、S1…素体準備工程、S2…素体保持工程、S3…スペーサ配置工程、S4…第一ペースト層形成工程、S5…第一焼付工程、S6…第二ペースト層形成工程、S7…ブロット工程、S8…第二焼付工程、S9…めっき工程。

Claims (6)

  1. 素体の外表面に機能性厚膜ペーストをスクリーン印刷することによって付与する工程を備えた電子部品の製造方法であって、
    前記素体を保持する保持治具と、開口パターンが形成された印刷スクリーン版と、前記開口パターンよりも広い開口が形成されたスペーサと、を用意し、
    前記素体の少なくとも一部が前記保持治具より突出するように前記保持治具に前記素体を保持すると共に前記保持治具と前記印刷スクリーン版の間に前記スペーサを配置した状態で、前記印刷スクリーン版を用いて前記機能性厚膜ペーストをスクリーン印刷する電子部品の製造方法。
  2. スクリーン印刷後に、前記印刷マスクの裏面をクリーニングすることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記保持治具として、弾性ゴムに開口部が形成された保持治具を用い、該開口部内で前記素体を保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記保持治具として、粘着性を有する保持治具を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記保持治具において、前記スペーサと接触する領域が、非粘着性であることを特徴とする請求項4に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記スペーサにおいて、前記保持治具と接触する領域が、非粘着処理を施されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の電子部品の製造方法。
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