JP2012242436A - 中間転写ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置において、中間転写ベルトを巻き掛けた2次転写対向ローラと中間転写ベルト内周面との間の放電キズ発生による寿命低下を防ぐとともにベルト走行不安定による画像ノイズ発生を防ぐことができる中間転写ベルトを提供する。
【解決手段】ベルト基材80aからなる基材ベルトと、基材ベルトの両側端部のうち少なくとも一方C1を除く基材ベルト部分の内周面に形成された、ベルト基材80aより高硬度且つ電気的に低抵抗のコート層(内面層)80bを含んでいる中間転写ベルト80。この中間転写ベルト80を採用した画像形成装置100。
【選択図】図4

Description

本発明は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該シートに定着させることができる、複写機、プリンタ、ファクシミリ機、これらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
電子写真方式等による画像形成装置では、一般的には、感光体等の静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を最終的に記録紙等の記録シートに転写し、定着させることができる。
静電潜像担持体上に現像形成されるトナー像は、例えばモノクロ画像形成装置では、通常、記録シートに直接転写され、定着されるが、中にはトナー像を一旦中間転写体に1次転写した後、該中間転写体から記録シートへ2次転写し、定着させることもある。
それぞれが担当色トナーを保持する複数の現像器を用いてフルカラー画像等の多色画像を形成できるカラー画像形成装置、例えば所謂タンデム型フルカラー画像形成装置や4サイクル型フルカラー画像形成装置では、通常、静電潜像担持体上に現像形成されるトナー像は中間転写体へ1次転写され、該中間転写体から記録シートへ2次転写され、定着される。
フルカラー画像等の多色画像を形成できるカラー画像形成装置でも、モノクロ画像を形成することもでき、モノクロ画像を形成するときは、一つの現像器が用いられる。しかし、多色画像を形成するときは、それぞれ異なる色のトナーを保持した複数の現像器を用いて、静電潜像担持体上に各色のトナー像を形成し、これらトナー像を中間転写体上に重ねて転写し、該多重トナー像を中間転写体から記録シートへ2次転写し、定着させるのが一般的である。
このような中間転写体として、複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトが広く用いられている。
中間転写ベルトから記録シートへのトナー像の2次転写は、代表例を挙げると、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラと、前記2次転写用ローラに前記中間転写ベルトを介して対向するローラやベルトの形態の2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、記録シートを該中間転写ベルトと2次転写部材の間に通すことで行なわれる。
なお、以下の記載では、前記中間転写ベルトを巻き掛けるための複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラは「2次転写対向ローラ」と称することがある。
このような2次転写方式では、2次転写部材とベルト内側の2次転写対向ローラとの間に与えられる電位差のために、2次転写対向ローラと中間転写ベルトとの接触部の近傍で、2次転写対向ローラと中間転写ベルト内周面との間で放電が発生する。この放電により中間転写ベルトの内周面に細かいキズが発生する。
これらのキズは最初のうちはごく小さなものであり画質に影響しないが、画像形成を重ねるにつれてキズが蓄積されて増大し中間転写ベルトを大きく変形させてしまう。最終的には、中間転写ベルトの変形が外周面(トナー像を担持する面)側にも及び、転写効率を悪化させ、画像濃度ムラを発生させる。
このような、いわゆる「放電キズ」による中間転写ベルトの寿命低下を防ぐためには、ベルト内周面側の抵抗を下げることが有効である。特開平7−140802号公報には、ベルトに表面層と裏面層とを設け、表面層と裏面層の表面抵抗を低く設定することで放電が発生しにくくなる旨の記載がある。
また、中間転写ベルトの表面に樹脂などのハードコート層を設けることで、キズの発生や変形を抑制できることが知られている。
以上、中間転写ベルトの放電キズ発生について説明したが、別の観点から中間転写ベルトをみると、中間転写ベルトは画像品質を保つため安定的に駆動されることが望まれる。この点については、特開平10−153914号公報に、中間転写ベルト内側面に凸凹を設け、ベルト駆動ローラの表面に中間転写ベルトの凸凹の凹部に対応する凸部を形成することで、搬送駆動の安定化が可能になる旨の記載がある。
特開平7−140802号公報 特開平10−153914号公報
本発明者の研究によれば、中間転写ベルト内周面の放電キズ発生については、中間転写ベルトの内周面に硬質なハードコート層を設け、且つ、該ハードコート層の電気的抵抗をベルト基材の抵抗よりも低くすることにより、放電とそれによるキズの発生を抑制し、中間転写ベルトの寿命低下を防ぐことができる。
しかし、このような技術を採用するだけでは、画像品質に関わる別の問題が発生するので、不十分である。すなわち、中間転写ベルト内周面上にハードコート層を設けると、中間転写ベルトの駆動ローラと中間転写ベルト内周面との間の摩擦力が低下し、中間転写ベルトの走行が不安定になり、画像に帯状の濃度ムラが発生する。
この問題に対しては、例えば、特開平10−153914号公報に記載されているように、転写ベルト内側面に凸凹を設け、駆動ローラの表面に該転写ベルトの凸凹の凹部に対応する凸部を形成することで、ベルト駆動の安定化を図ることが考えられる。
しかし、中間転写ベルト内面が凸凹だと、凸部に向かって放電のエネルギーが集中するため、放電のダメージが大きくなってしまう。
本発明は、
静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)と該2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)に該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置のための該中間転写ベルトであり、前記2次転写対向ローラと前記中間転写ベルト内周面との間の放電によるキズの発生による寿命低下を防ぐことができるとともに前記中間転写ベルトの走行が不安定になることによる画像ノイズの発生を防ぐことができる中間転写ベルトを提供することを第1の課題とする。
また、本発明は、
静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)と該2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)に該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置であって、前記2次転写対向ローラと前記中間転写ベルト内周面との間の放電によるベルトキズ発生を抑制でき、それでいて前記中間転写ベルトの走行の不安定化を抑制でき、それだけ良好に画像形成できる画像形成装置を提供することを第2の課題とする。
本発明は次の中間転写ベルト及び画像形成装置を提供する。
(1)中間転写ベルト
静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラと該2次転写用ローラに該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置のための該中間転写ベルトであり、
ベルト基材からなる基材ベルトと、前記基材ベルトの両側端部のうち少なくとも一方を除く基材ベルト部分の内周面に形成された、前記ベルト基材より高硬度且つ電気的に低抵抗の内面層を含んでいる中間転写ベルト。
(2)画像形成装置
静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラと該2次転写用ローラに該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置であり、前記中間転写ベルトが本発明に係る中間転写ベルトである画像形成装置。
既に述べたことであるが、前記中間転写ベルトを巻き掛けるための複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラは「2次転写対向ローラ」と称することがある。
前記2次転写部材としては、例えばローラ方式のもの(例えば2次転写ローラそれ自体)、ベルト方式のもの(例えば2次転写ローラ及び分離ローラ等に巻き掛けた転写ベルト)を採用できる。後者の転写ベルトでは、例えば、2次転写ローラをベルトを介して前記2次転写対向ローラに対向させ、該2次転写ローラに2次転写バイアスを印加することができる。
本発明に係る中間転写ベルトは前記ベルト基材より電気的に低抵抗の内面層を有しており、この内面層が前記2次転写対向ローラに接触するので、中間転写ベルトと前記2次転写対向ローラ間に放電が発生しにくく、延いては中間転写ベルトの放電キズ発生が抑制される。
また、前記内面層は前記ベルト基材より高硬度の内面層であるから、前記放電キズ発生の抑制と相まってこの点でもキズ発生が抑制される。これらにより、キズ発生に起因するベルト寿命の低下を防ぐことができる。
また、前記高硬度の内面層は前記基材ベルトの両側端部のうち少なくとも一方を除く基材ベルト部分の内周面に形成されており、該内面層が形成されていない前記基材ベルト部分の内周面は、中間転写ベルト巻き掛け用の前記複数のローラ(前記2次転写対向ローラを含む複数のローラ)に接触するので、高硬度内面層だけが該ベルト巻き掛け用ローラに接触する場合と比べると、スリップが抑制され、安定的に駆動され、走行することができ、かくしてベルト走行が不安定になることによる画像ノイズの発生を防ぐことができる。
本発明に係る画像形成装置によると、前記中間転写ベルトとして本発明に係る中間転写ベルトを採用しているので、前記2次転写対向ローラと前記中間転写ベルト内周面との間の放電によるベルトキズ発生を抑制でき、それでいて前記中間転写ベルトの走行の不安定化を抑制でき、それだけ良好に画像形成できる。
本発明に係る中間転写ベルトにおける前記内面層の硬度としては、表面硬度で1GPa以上を例示できる。しかし硬度が高すぎると内面層の柔軟性が失われ、また、ベルトに曲げ応力が加わったときにクラックが発生することがある。これを防ぐために表面硬度は概ね8GPa以下を例示できる。
本発明に係る中間転写ベルトにおける前記内面層の電気的抵抗としては、表面抵抗が
Ω/cm以下を例示できる。
しかし低すぎると、トナー像の1次転写や2次転写において転写電界が広がることにより画像が劣化しやすくなるので、概ねeΩ/cm以上を例示できる。
前記中間転写ベルトの基材ベルト内周面のうち前記内面層が形成されていない部分の面積は、中間転写ベルトを安定的に駆動するうえで、基材ベルト内周面の全面積の5%以上である場合を例示できる。
しかし大きすぎると、前記内面層が形成されていない部分でのキズによる変形がベルト全体に及びやすくなるので、概ね50%以下を例示できる。
また、画像形成に悪影響が出ないように、前記内面層を形成していない、ベルト駆動に係わる前記基材ベルト側端部は、該基材ベルトの画像形成域より5mm以上基材ベルト側端の方へ寄った位置より外側にある場合を例示できる。
本発明に係る中間転写ベルトは、中間転写ベルトを採用する種々のタイプの画像形成装置に採用できる。また、本発明は中間転写ベルトを採用する種々のタイプの画像形成装置に適用できる。
以上説明したように本発明によると、
静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)と該2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)に該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置のための該中間転写ベルトであり、前記2次転写対向ローラと前記中間転写ベルト内周面との間の放電によるキズの発生による寿命低下を防ぐことができるとともに前記中間転写ベルトの走行が不安定になることによる画像ノイズの発生を防ぐことができる中間転写ベルトを提供することができる。
また、本発明は、
静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)と該2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)に該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置であって、前記2次転写対向ローラと前記中間転写ベルト内周面との間の放電によるベルトキズ発生を抑制でき、それでいて前記中間転写ベルトの走行の不安定化を抑制でき、それだけ良好に画像形成できる画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の1例の構成を概略的に示す図である。 中間転写ベルトと2次転写対向ローラとの間の放電の説明図である。 本発明に係る中間転写ベルト例の層構成を示す図である。 図3の中間転写ベルトにおける内面層形成域を説明する図である。 内面層を形成する塗布液のスプレイ塗布装置例を示す概略図である。 内面層の硬化処理装置例を示す概略図である。 中間転写ベルトの内周面における内面層無し域の面積比率とベタ画像濃度むらとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の1例を示している。図1に示す画像形成装置100は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、プリンタ機能、ファクシミリ機能等を備えたいわゆる複合機である。
画像形成装置100は無端の中間転写ベルト80を含んでいる。転写ベルト80はローラ12、13、14及び72等からなるローラ群に巻き掛けられている。ローラ12は図示省略の駆動部により回転駆動される駆動ローラである。ローラ72は後述する2次転写装置70の2次転写ローラ71に対向する2次転写対向ローラである。
中間転写ベルト80は駆動ローラ12の回転により図1において時計方向まわりXに回される。ローラ13、14、72等はベルトに従動回転する。
2次転写装置70は転写ベルト方式のもので、2次転写ローラ71、分離ローラ73及びベルト張架ローラ74に無端転写ベルト7を巻き掛け、図示省略のベルト駆動部によりベルト7を図中反時計方向X’に回転駆動できるようにしたものである。2次転写ローラ71、延いてはベルト7に、図示省略の電源から、トナーの正規帯電極性とは逆極性の2次転写バイアスを印加することができる。分離ローラ73は後述するようにトナー像が2次転写された記録シート11をベルト7から曲率分離するためのローラである。
駆動ローラ12に巻き掛けられたベルト80の部分に対してベルト80上の2次転写残トナー等を除去清掃するベルトクリーナ91が臨んでいる。クリーナ91はベルト80に当接するクリーニングブレード92を有するものである。
中間転写ベルト80及び2次転写装置70の図中左方には定着装置10が配置されており、右方にはレジストローラTRが、さらにその下方に、図示省略の記録シート11の供給部が配置されている。
定着装置10は、それとは限定されないが、ここではハロゲンランプヒータ等の熱源を内蔵した加熱ローラ101と定着ローラ102に巻き掛けられた定着ベルト103と、バックアップローラ104との間に後述するようにトナー像が転写された記録シート11を通して該トナー像を定着させるものである。
画像形成に供すべき記録シート11は記録シートを収容した図示省略のシート供給部から所定のタイミングで1枚ずつ引き出してレジストローラTRへ供給することができる。
中間転写ベルト80を巻き掛けたローラ13及びローラ14の間には、転写ベルト80に沿ってローラ13側からローラ14側へ向けて、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kがこの順序で配置されている。
Y、M、C、Kの各画像形成部は電子写真方式により静電潜像を形成し、これを現像してトナー像を形成できるものである。
Y、M、C、Kの各画像形成部は静電潜像担持体としてドラム型の感光体1を備えており、感光体1の周囲に帯電器2、画像露光装置3、現像器4及びクリーニング装置6がこの順序で配置されている。また、各感光体1に対してベルト80を間にして1次転写ローラ5が配置されている。
各画像形成部における感光体1は、ここでは負帯電性の感光体であり、図示省略の感光体駆動モータから駆動力が伝達されて図1中反時計回りに回転駆動される。
各画像形成部における帯電器2は図示省略の電源から帯電用の電圧が印加されて感光体1表面を帯電させるものである。
画像露光装置3は、ここでは図示省略の画像読取装置、図示省略のパーソナルコンピュータ、図示省略のファクシミリ機等から提供される画像情報に応じて感光体1に画像露光を施して静電潜像を形成できる。
各画像形成部における現像器は、それには限定されないが本例では、負帯電性トナーを用いて、感光体1上に形成される静電潜像を、図示省略の電源から現像バイアスが印加される現像ローラで反転現像することができる。
1次転写ローラ5は転写ベルト80を間にして感光体1に対向し、ベルト80を感光体1へ押圧接触させ、ベルトの走行に従動回転する。1次転写ローラ5には、感光体1上に形成されるトナー像をベルト80へ1次転写するための、トナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスを図示省略の電源から印加できる。
以上説明した画像形成装置100によると、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1または2以上を用いて画像を形成することができる。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト80に1次転写する。
すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体1が図中反時計方向に回転駆動され、帯電器2にて表面が一様に所定電位に帯電され、該帯電域に画像露光装置3からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体1上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像器4の現像バイアスが印加された現像ローラにて現像されて可視イエロートナー像となり、該トナー像が1次転写ローラ5にて転写ベルト80上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ5には図示省略の電源から1次転写バイアスが印加される。
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト80に転写され、シアン画像形成部Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト80に転写され、ブラック画像形成部Kにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト80に転写される。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト80上に重ねて転写されるタイミングで形成される。かくして転写ベルト80上に形成された多重トナー像は転写ベルト80の回動により2次転写装置70へ向け移動する。
一方、記録シート11が図示省略の供給部から引き出され、レジストローラTRへ供給され、待機している。
このようにレジストローラTRのところで待機する記録シート11は、中間転写ベルト80にて送られてくる多重トナー像に合わせて、転写ベルト80の2次転写対向ローラ72で支持されている部分と2次転写装置70の2次転写ローラ71で支持されているベルト7の部分とのニップ部に供給され、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ71にて該多重トナー像が記録シート11上に2次転写される。
その後記録シート11は定着装置10に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録シート11に定着される。記録シート11はひき続き、図示省略の排出ローラにて排出トレイへ排出される。
トナー像のベルト80への1次転写において感光体1上に残留する転写残トナー等は画像形成部のクリーニング装置CLで清掃され、次の画像形成に備えられる。
2次転写によりベルト80上に残留する2次転写残トナー等はクリーナ91で清掃される。
これら清掃除去されたトナーはそれぞれ図示省略の搬送手段にて廃棄容器へ送られる。
以上説明したように画像形成されるのであるが、上記中間転写ベルトについてさらに説明する。
図2は中間転写ベルトが本発明に係る中間転写ベルトでないとした場合の中間転写ベルト8の内周面と2次転写対向ローラ72との間に発生する放電を示している。
トナー像の記録シート11への2次転写のために2次転写ローラ71と2次転写対向ローラ72との間に、図示省略のバイアス電源から例えば2次転写ローラ71に2次転写バイアスが印加されることでトナー像2次転写のための電位差が与えられる。
2次転写対向ローラ72と中間転写ベルト8の内周面B(記録シートやトナーと接する面Aに対して反対側の面)との接触ニップ部が形成されている。2次転写ローラ71と2次転写対向ローラ72との間に電位差が与えられると、該ニップ部の入口と出口の近傍で、2次転写対向ローラ72と中間転写ベルト8の内周面との間で放電が発生する。
この放電により、中間転写ベルト8の内周面には細かいキズが発生する。これらのキズは最初のうちはごく小さなものであり画質に影響しないが、画像形成を重ねるにつれてキズが蓄積されて増大し中間転写ベルト8を大きく変形させてしまう。最終的には、中間転写ベルト8の変形が外周面(トナー像を担持する面)側にも及び、転写効率を悪化させ、画像濃度ムラを発生させる。
なお、ベルトにキズが入る原因は、上記のような放電によるものと、ローラなどの部材とベルトとの機械的な摺擦によるものとが考えられるが、2次転写バイアスを通常の画像形成時のバイアスよりずっと小さくして画像形成を行うと、ベルト内周面に発生するキズは、通常のバイアスで画像形成した場合に比べてずっと小さいことから、放電キズの影響が支配的と考えられる。
このような放電キズによる中間転写ベルトの寿命低下を防ぐために、ベルト内周面側の抵抗を下げることが有効である。ベルト内周面の抵抗が低いと、狭い領域に大量の電荷が流れ込むような破壊的な放電が起こりにくくなる。
また、中間転写ベルトの内面に樹脂などの硬質のハードコート層を設けて機械的強度を上げることで、放電発生時にもキズの発生や変形を抑制できる。
これらのことから、中間転写ベルトを構成するためのベルト基材からなる基材ベルトの内周面にハードコート層からなる内面層を設け、ハードコート層の電気的抵抗をベルト基材の抵抗よりも低くすることにより、放電とそれによるキズ、変形の発生を抑制し、中間転写ベルトの寿命低下を防ぐことができると言える。
本発明に係る中間転写ベルトの1例である図1の画像形成装置100で採用されているベルト80は、この考え方に従って形成したのであり、図3はベルト基材/コート層の2層構成を有する中間転写ベルト80を示している。図3において、80aがベルト基材、80bが内面層であるハードコート層である。
上記、ハードコート層80bの表面粗さは、元のベルト基材80aの表面粗さに比べて、同じかそれ以下である方が望ましい。ハードコート層80bの表面粗さが粗いと、表面の突き出た部分に向かって放電のエネルギーが集中するため、放電のダメージが大きくなってしまう。
ところで、このような表面粗さが低いハードコート層80bを設けると、ベルト80の摩擦係数は下がる傾向がでる。ハードコート層80bのために表面が変形しにくく、なおかつ表面粗さが低いため、他の部材との圧接による付着力上昇(いわゆるタック性)が小さくなるからである。ベルトの摩擦係数が下がると、駆動ローラ12とベルト内周面との摩擦力が低下する。ベルトの走行駆動は、この摩擦力を利用して行われるので、基材ベルト80aの内周面上にハードコート層80bを付けると、走行駆動が不安定になり、画像に帯状の濃度ムラが発生しやすくなる。
一方、ベルト内周面の表面粗さを上げれば、駆動ローラ12とベルト内周面との摩擦力が増加するので、ベルト駆動は安定化する。しかし上述のように、ベルト内周面の表面粗さが粗いと、表面の突き出た部分に向かって放電のエネルギーが集中するため、放電のダメージが大きくなってしまう。
(端部にはコート層を付けない)
そこで本発明に係る中間転写ベルト80では次のように工夫している。
本発明者は、上記問題を解決するために、中間転写ベルト端部付近におけるコート層の処理に着目した。
具体的には、中間転写ベルトの内周面にコート層を付けるものの、その端部付近にはコート層を付けないことにした。図4に、このような中間転写ベルト80の模式図を示す。図中、Y方向が、ベルト走行方向を横切る方向、換言すればベルトを巻き掛けたローラの回転中心軸の方向(軸方向)である。
軸方向端部には、コート層を設けない部分C1がある。なお、コート層は実際にはベルト基材80aに比べて極薄いが、図面上は見やすさのために、実際より分厚く描いている。
(端部では放電によりキズが発生・拡大するが、画質には影響しない)
ベルト端部のコート層80bを設けない部分では、2次転写対向ローラ72と中間転写ベルト80との間の放電の影響を抑制することはできない。したがって、その部分では、キズの発生や拡大が進行する。しかし、コート層80bを設けない部分を画像形成域の外側に配置すれば、ベルト80にキズが入ったり変形したりしても、転写効率を悪化させて画像濃度ムラを発生させるような心配がない。
具体的には、本発明者の研究によれば、コート層を設けない領域C1は、画像形成域Zに対して少なくともα=5mm程度外側に設定すれば、コート層を設けない領域でキズや変形が発生しても、画像形成部に影響を及ぼす心配がないことが分かった。
(端部にコート層を付けないと、ベルト駆動不安定を防げる)
中間転写ベルトの内周面のうち、端部付近にコート層80bを設けなければ、コート層を設けない部分C1では、ベルト基材80aと駆動ローラ12とが直接接触する。したがって、コート層80bを設けない部分C1では、ベルト基材80aと駆動ローラ12との摩擦力は大きい。そこで、端部付近にコート層80bを設けない領域C1を十分に設ければ、軸方向全体で見たときの駆動ローラ12とベルト内周面との間のトータルの摩擦力としては必要な大きさを確保できる可能性がある。具体的には、コート層80bを設けない部分C1の面積がベルトの全内周面の面積に対して5%以上あれば、駆動ローラ12とベルト内周面との間のトータル摩擦力は十分確保でき、ベルト走行駆動が安定化することが分かった。コート層のない部分C1は、ベルトの両端部に設けた方が、駆動力のバランスが確保できるので好ましい。
このようにして、中間転写ベルト80の内周面側に高硬度・低抵抗のコート層80bを設けるとともに、内周面のうち端部付近にコートされてない部分C1を設けることにより、中間転写ベルト80の走行が不安定になることによる画像ノイズ発生を抑制でき、2次転写対向ローラ72と中間転写ベルト80の内周面との間の放電によるキズの発生による寿命低下を防いでベルトの長寿命化が可能になる。
中間転写ベルト80についてひき続き詳述する。
(ベルト製造の流れ)
コート層80bを有する中間転写ベルト80の製造工程は、無端ベルト状基材80aを製造するベルト基材製造工程と、基材上にコート層80bを形成するコート層形成工程とに分けられる。
(ベルト基材80a)
無端ベルト状基材に使用する材料としては、一般的な導電性中間転写ベルトに使用される樹脂材料が使用可能である。例えば、ポリカーボネート樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリアルキレンフタレート、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂にカーボンブラック等の導電性材料を分散させた材料等が知られている。
無端ベルト状基材は、従来公知の一般的な製造方法により製造される。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイを使用したインフレーション法により筒状に成形した後、輪切りにすることで環状の無端ベルト状の基材を作製することができる。また、ポリアミド酸溶液を円筒状金型の外周面に浸漬する方式や、内周面に塗布する方式や更に遠心する方式、或いは注形型に充填する方式などの適宜な方式でリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してベルト形に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化して型より回収する方法などの従来に準じた適宜な方法により行うことができる(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等)。無端ベルトの製造に際しては、型の離型処理や脱泡処理などの適宜な処理を施すことができる。
基材の樹脂に導電剤を分散させ、導電性を有することが好ましい。
ベルト基材の厚さは、機械的強度、画質、製造コスト等を考慮し、50μmから250μmが好ましい。
基材の層構成は特に限定はなく、1層であってもよく、2層以上から構成されていても構わない。
(コート層80b)
コート層の材料:
形成方法については、所望の機能・特性を持つコート層が得られるコート材料・方法ならば、いかなる材料・方法も選択可能である。ここでは、上記物性値の調整が用意で、比較的簡単に製造が可能な方法として、活性エネルギー線硬化型モノマーと反応性金属酸化物微粒子とからなるコート層形成用塗布液をベルト基材上に塗布して活性エネルギー線で硬化させる方法を以下に説明する。
(コート層形成の流れ)
コート層形成工程は、コート層形成用塗布液調製工程と、基材の表面にコート層形成用塗布液を塗布する塗布工程と、コート層形成用塗布液塗布工程で形成されたコート層形成用塗布膜を硬化する硬化処理工程とからなる。
(コート層形成用塗布液)
コート層形成用塗布液は、活性エネルギー線硬化型モノマーと、反応性金属酸化物微粒子とからなる。
活性エネルギー線硬化型モノマー100体積部に対して、反応性金属酸化物微粒子12.5体積部から400体積部となる比率が、耐キズ性の観点から必要十分な硬さが得られるので好適である。
(活性エネルギー線硬化型モノマー)
活性エネルギー線硬化型モノマーは、金属酸化物微粒子のラジカル重合性官能基と反応するモノマーであり、炭素・炭素二重結合を有する各種モノマーを用いることができる。
活性エネルギー線硬化型モノマーは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射により重合(硬化)し樹脂となるラジカル重合性モノマーが好適であり、ラジカル重合性モノマーでは特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。中でも、少ない光量或いは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するアクリル系モノマーが特に好ましい。
また、カチオン重合性モノマーでは特にエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられるが、オキセタン化合物が好ましい。
本発明では、これらのモノマーを単独で用いても、あるいは混合して用いることも可能で、いずれの場合でも本発明の効果を発現することができる。
本発明においてアクリル系化合物とは、アクリロイル基(CH=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を有する化合物である。また、以下にいうAc基数(アクリロイル基数)とはアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
以下に、硬化性化合物の例を示す。
Figure 2012242436
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ただし上記において、R及びR’はそれぞれ下記で示される。
Figure 2012242436
また、好ましいオキセタン化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2012242436
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本発明においては、アクリル系モノマーは官能基が2以上であること好ましく、4以上が特に好ましい。また、前記アクリル系モノマーでは、前記アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物の分子量Mと該アクリロイル基またはメタクリロイル基数Acの比(Ac/M、アクリロイル基またはメタクリロイル基数/分子量)が0.005より大きい化合物が好ましい。その様な化合物を用いた構成とし、重合反応率を上げることによりAc/Mを大きくすると、膜密度の高い中間転写ベルトの表面層を形成することができる。
Ac/Mが0.005より大きい化合物としては、例えば例示化合物中、No.1から19、21、23、26、28、30、31から33、35、37、40から44が挙げられる。
更に、前記アクリル系モノマーが、反応性アクリロイル基を有し、且つ、そのAc/Mが、0.005より大きく、0.012より小さい条件を満たす範囲が特に好ましい。
この関係範囲で用いることにより、架橋密度が高くなり、中間転写ベルトの表面層の耐摩耗性が向上する。
尚、本発明においては、官能基密度の異なる2種類以上の硬化性化合物を混合して使用してもよい。
(反応性金属酸化物微粒子)
反応性金属酸化物微粒子とは、ラジカル重合性官能基を有する化合物により表面処理された金属酸化物微粒子を言い、金属酸化物粒子をラジカル重合性官能基を有する化合物で表面処理することにより得ることができる。
金属酸化物微粒子は、遷移金属も含めた金属酸化物粒子であればよく、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が例示されるが、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫等の粒子が好ましく、特にアルミナ、酸化錫が好ましい。
これらの金属酸化物粒子は、気相法、塩素法、硫酸法、プラズマ法、電解法等の一般的な製造法で作製されたものが用いられる。
金属酸化物の数平均一次粒径は1nmから300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3nmから100nmである。粒径が小さい場合は耐キズ性が十分でなく、また粒径が大きい場合にはコート層表面が粗くなってしまう。
金属酸化物微粒子の表面処理に用いるラジカル重合性官能基を有する化合物としては、炭素・炭素二重結合を有する官能基と、金属酸化物粒子表面の水酸基とカップリングするアルコキシ基等の極性基を同一分子中に有する化合物が好ましい。
ラジカル重合性官能基を有する化合物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等の樹脂となる官能基を有する化合物が好適であり、中でも、少ない光量或いは短い時間での硬化が可能であることから反応性アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシラン化合物が特に好ましい。
(反応性金属酸化物粒子の製法)
次に、ラジカル重合性官能基を有する化合物により表面処理された金属酸化物微粒子(反応性金属酸化物微粒子)の製法を、シラン化合物を用いた場合を例に説明する。表面処理に際し、金属酸化物粒子100質量部に対し、シラン化合物を表面処理剤として0.1質量部から200質量部、溶媒50質量部から5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理すればよい。
また、金属酸化物粒子とシラン化合物を含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式分散することにより、金属酸化物粒子の凝集体を解砕すると同時に金属酸化物粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化するので、均−でより微細なシラン化合物により表面処理された金属酸化物粒子を得ることもできる。
ラジカル重合性官能基を有する化合物の表面処理量(ラジカル重合性官能基を有する化合物の被覆量)は、金属酸化物微粒子に対し0.1質量%以上60質量%以下であることが好ましい。特に好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
このラジカル重合性官能基を有する化合物の表面処理量は、表面処理後の金属酸化物粒子を550℃で3時間熱処理し、その強熱残分を蛍光X線にて定量分析し、Si量から分子量換算で求めたものである。
(塗布液の調製)
活性エネルギー線硬化型モノマーと、反応性金属酸化物微粒子とを有するコート層形成用塗布液は、湿式メディア分散装置を用いて調整できる。湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物粒子の凝集粒子を砕いて解砕・分散する工程を有する装置であり、例えば、縦型・横型、連続式・回分式等、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビ
ーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、せん断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
サンドグラインダーミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1mmから2mm程度のものを使用するが、本発明では0.3mmから1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
分散の終点は、分散液を、PETフイルム上にワイヤーバーで塗布した液を自然乾燥後、405nmの光透過率の1時間前との変化率が3%以下となる分散状態が好ましい。更に望ましくは、1%以下が好ましい。
以上の様な分散処理により、コート層形成用塗布液を得ることができる。
(コート方法)
中間ベルトの無端ベルト状基材の表面にコート層形成用塗布液を塗布する方法は特に限定はなく、公知の塗布方法を適用することができる。例えば、浸漬塗布方法、スプレイ塗布方法、超音波アトマイザーによる塗布方法等が挙げられる。本発明では、ベルト端部にはコートしない部分を作るので、スプレイ塗布方法、超音波アトマイザーによる塗布方法などの塗布ヘッドを使用する方法の方が、所望の部分だけにコート層を付与するには好適である。浸漬塗布方法を用いる場合には、ベルト端部付近には液が付着しないようにマスキングしたり、あるいは、硬化時に活性エネルギー線が端部付近には照射されないようにマスキングすればよい。
(スプレイ塗布方法の詳細)
図5にコート層形成用塗布液を無端ベルト状基材80aの内周面上に塗布するための塗布装置の1例を示す。無端ベルト状基材80aは、複数の張架ローラ141によって、内周面上の端部付近を支持されている。スプレイガン142は、無端ベルト状基材80aの内周面と向き合うように配置され、塗布液は図示しない液タンクから図示しないポンプによって配管143を通って供給される。スプレイガン142と向き合う無端ベルト状基材80aの外周面と接触するように、搬送ベルト144とテンションローラ145とからなる、ベルト搬送装置が設けられる。搬送ベルト144は一定の圧力で無端ベルト状基材80a側に押し当てられている。
テンションローラ145のいずれかを図示しないモータによって回転させ、搬送ベルト144を駆動させる。これにより、無端ベルト状基材80aは、ベルト周方向に移動させられる。このようにしてスプレイ塗布する場所をベルト周方向に移動させていきながら、順次軸方向にも移動させていく。軸方向の移動は、無端ベルト状基材80aを軸方向に移動させてもよいし、スプレイガン142を軸方向に移動させてもよい。
(硬化装置)
図6はコート層の硬化処理装置の一例を示す概略図である。図中、6は中間転写ベルトのコート層の硬化処理装置を示す。硬化処理装置は活性エネルギー線照射装置61と、表面に形成されたコート層形成用塗布膜を有する無端ベルト状基材80aを張架する張架ローラ62a〜62dとを有している。張架ローラ62a〜62dのうちの少なくとも一つは無端ベルト状基材80aを駆動する駆動部材として作用する。62a〜62dは、無端ベルト状基材80aの内周面上のコート層形成用塗膜に接触して乱すのを防ぐために、無端ベルト状基材80aの端部付近で接触して張架するようになっている。
活性エネルギー線照射装置61は筐体61aと、筐体61aの内部に納められた活性エネルギー線源61bと、活性エネルギー線源61bのエネルギー制御装置(不図示)とを有している。活性エネルギー線照射装置61は硬化処理装置6のフレーム(不図示)に固定して配設されている。61cは筐体61aの底部(無端ベルト状基材80aの内周面と対向する面)に設けられた活性エネルギー線の照射口を示す。
張架ローラ62a〜62dのうちの一部は、駆動ローラとしても作用し、無端ベルト状基材80aを周方向に移動させて、活性エネルギー線を照射する場所を移動させる。このようにして、コート層形成用塗膜に活性エネルギー線を照射することで硬化処理が行われ、図3に示すコート層80bが形成される。
本発明に使用することができる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、γ線等で、形成された活性エネルギー線硬化型樹脂を活性化させるエネルギー源であれば制限なく使用できるが、紫外線、電子線が好ましい。特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロ
ン放射光等も用いることができる。スポット状の活性エネルギー線を照射するには紫外線レーザーを使用することが好ましい。
(コート層の厚さ)
コート層の厚さは、0.5μmから5μmが好ましい。コート層の厚さは、Fischer Instruments社製のフィッシャースコープ(登録商標)mmsにて測定した。
(ベルト物性値と寿命との関係)
ベルトの各物性値と寿命との関係を調べるために、以下のような実験を行った。中間転写ベルト内周面の表面粗さ、表面抵抗、表面硬度を水準を変えて試作し、画像形成装置で耐久評価を行い、寿命との関係を調べた。
表面粗さの調整は、金属酸化物粒子の粒径を調整することにより行った。表面抵抗の調整は、金属酸化物微粒子の活性エネルギー線硬化型モノマーに対する比率を調整することにより行った。表面硬度は、硬化時の硬度が異なる複数の活性エネルギー線硬化型モノマーを用意し、これを適当な比率で混ぜ合わせることにより、調整した。
表面抵抗は次の条件で測定した。
測定装置:ハイレスタ−UP(三菱化学株式会社製)
プローブ:URSプローブ
測定時間:10秒
印加電圧:500V
測定環境:23℃、65%RH
(表面硬度の測定方法)
表面硬度の測定は、ナノインデンテーション法を用いて行った。使用した測定装置は、NANO Indenter XP/DCM(MTS Systems社/MTS Nano Instruments社製)で、先端形状が正三角形のダイヤモンドBerkovich圧子を用い、コート層の厚みに対して十分小さな押し込み深さとなる条件で、硬度(GPa)を測定した。
寿命の評価は、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub PRO C6500(レーザー露光・反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機)を評価が行えるように改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、20℃、50%RHで評価を行った(装置は、以下の他の評価でも同じ)。
1dotごとにオンオフを繰り返す、シアンのハーフトーン画像を印刷し、A4画像面内での濃度ムラを以下の計算式により計算し、濃度ムラ△Iが10%以上になったとき寿命限界であるとした。
△I=(Imax−Imin)/Iave×100(%)
Imax:画像面内で最も濃い部分の濃度
Imin:画像面内で最も薄い部分の濃度
Iave:画像面内での濃度の平均値
結果を次表に示す。この実験により、中間転写ベルト内周面の表面粗さについて、無端ベルト基材の表面粗さに近い、表面粗さ100nmのものと、無端ベルト基材の表面粗さの約2倍である、表面粗さ200nmのものについて調べた結果、ベルト内周面の表面粗さが粗くなると、寿命がやや短くなることが分かった。これは、以前に述べたとおり、ベルト内周面の表面粗さが粗いと、表面の突き出た部分に向かって放電のエネルギーが集中するため、放電のダメージが大きくなってしまうためである。しかし、いずれの表面粗さにおいても、ベルト内周面の表面硬度1GPa以上、表面抵抗eΩ/cm以下で、概ね、所望の寿命を確保できることが分かった。
Figure 2012242436
(ベルトのコート層なし領域と走行駆動安定性との関係)
無端ベルト基材の内周面のうち、コート層を設けない領域の面積比率に対して、ベルトの走行駆動の不安定に起因する濃度ムラとの関係を調べた。
濃度ムラの評価は、シアンのベタ画像を印刷し、A4画像面内での濃度ムラを以下の計算式により計算した。
△I=(Imax−Imin)/Iave×100(%)
Imax:画像面内で最も濃い部分の濃度
Imin:画像面内で最も薄い部分の濃度
Iave:画像面内での濃度の平均値
結果を図7のグラフに示す。この実験により、ベルト端部のコート層を設けない部分の面積は、ベルト内周面の面積に対して少なくとも5%以上確保すれば、走行駆動の不安定に起因する濃度ムラは十分低減できることが分かった。
(他の実施形態一外周面にもコート層)
なお、本発明は、内周面のコート層に関するものだが、外周面にもコート層を設けても構わない。その場合には、外周面と内周面の両方に一度に塗布することも生産効率の点から効果的である。前述の浸漬塗布法ならば、外周面と内周面の両方に一度に塗布するのに適している。また、外周面のコート層の材料・構成と内周面のコート層の材料・構成とは、同じでもよいし違っていてもよい。
(他の実施形態一大気圧プラズマ法)
コート層形成用塗布液をベルト基材上に塗布して活性エネルギー線で硬化させる方法を説明してきたが、本発明はこのコート層形成方法に限定されず、所望の機能・特性を持つコート層が得られるコート材料・方法ならば、いかなる材料・方法も選択可能である。
例えば、特開2009−161782公報には、大気圧プラズマ処理方法(大気圧プラズマCVD法ともいう)を用いて、ベルト基材表面上に薄膜を形成する方法が開示されている。大気圧プラズマ処理方法とは、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電ガスと原料ガス(反応性ガス)との混合ガスを放電空間へ導入し、放電により混合ガスを、励起し、基材の表面処理を行うものである。上記文献によると、中間転写ベルト基材表面上に大気圧プラズマ処理方法により酸化ケイ素の薄膜を形成することにより、表面粗さが低く、表面硬度の高い中間転写ベルトを得ることができる。
[実施例1]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図3に示す基材/内面層の構成を有する中間転写ベルトを以下に示す方法で作製した。
(無端ベルト状基材の準備)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フエニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%))に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、23質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mmで2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、カーボンブラック入りポリアミド酸溶液を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して0.5mmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均−な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱した。その後、360℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に360℃で30分加熱して溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、無端ベルト状基体を作製した。
無端ベルト基材
周長:860mm
軸方向幅:362mm
厚み:0.1mm
活性エネルギー線硬化型モノマーは、例示化合物No.31のアクリル系モノマーを用いた。金属酸化物微粒子は、酸化アルミニウム微粒子を用いた。数平均一次粒径は34nmである。
金属酸化物微粒子の表面を処理するラジカル重合性官能基を有する化合物として次式(1)に示す化合物を用いた。
(1)CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
(反応性金属酸化物粒子の製造)
金属酸化物粒子100質量部に対し、ラジカル重合性官能基を有する化合物を表面処理剤として15質量部、溶媒(トルエン:イソプロピルアルコール=1:1の混合溶媒)400質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して分散した後、溶媒を除去してラジカル重合性官能基を有する化合物で表面を処理した反応性金属酸化物粒子を製造した。
製造された反応性金属酸化物粒子のラジカル重合性官能基を有する化合物の表面処理量(ラジカル重合性官能基を有する化合物の被覆量)は、金属酸化物微粒子に対し12質量%であった。
ラジカル重合性官能基を有する化合物の表面処理量は、表面処理後の金属酸化物粒子を550℃で3時間熱処理し、その強熱残分を蛍光X線にて定量分析し、Si量から分子量換算で求めた値を示す。
(表面層形成用塗布液の調製)
反応性金属酸化物粒子と、活性エネルギー線硬化型モノマーとを溶媒(メチルイソプチルケトン)と混合し、横型循環分散機(ディスパーマット:英弘精機)にて、φ0.5mmのジルコニアビーズを充填率80%となるように仕込み、1000rpmで分散を行った。分散液に、光重合開始剤(イルガキュアー379:チバガイギー)を混合し、表面層形成用塗布液を調製した。
(表面層形成)
準備した無端ベルト状基体の表面に図5に示したスプレー塗布装置を使用して塗布液を乾燥膜厚が2μmとなる様に塗布した。このとき、ベルト両端部の端から30mmの領域には塗布液が塗布されないようにした。
スプレイ塗布条件
スプレイガン:ファインスプレイガン(ノードソン(株)製)
スプレイガン先端から無端ベルト基材内周面までの距離:40mm
周方向移動速度:5mm/sec
軸方向移動速度:0.06mm/sec
霧化エアー圧:0.1MPa/cm
(硬化)
表面層形成用塗布膜を形成した後、活性エネルギー線として紫外線を使用し、図6に示す硬化処理装置で表面層形成用塗布膜を硬化し表面層を形成し中間転写ベルトを作製した。紫外線を照射するとき中間転写ベルトを60mm/secで回転しながら行った。
・紫外線照射条件
光源の種類:高圧水銀ランプ(H04−L41:アイグラフィックス(株)製)
照射ロから表面層形成用塗膜の表面までの距離:100mm
照射光量:1J/cm
照射時間(基体を回転させている時間):240秒
(評価)
作製した中間転写ベルトについて、以下に示す方法で、画像評価と寿命評価を行った。
図1に示したような画像形成装置として、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製Bizhub PRO C6500を評価が行えるように改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、20℃、50%RHで評価を行つた。
まず、シアン印字率100%のA4画像を中性紙に出力して帯状濃度ムラの有無を確認した。帯状濃度ムラは、ベルトの走行駆動が不安定になったときに現れるが、200枚印字しても、帯状の濃度ムラは見られなかった。
次に、Y、M、C、Kの各色印字率2.5%のA4画像を中性紙に100万枚印刷出力した。この間の転写効率の変化を以下の方法で確認した。
まず、吸引装置を用いて中間転写ベルト上の所定面積(10mm×50mmを3点)のトナーを採取し転写前トナー重量(A)を測定した。
次に、中間転写ベルト上の転写残トナーをブッカーテープにより採取し白色用紙に貼り付け、分光測色計(コニカミノルタセンシング(株)製、CM−2002)を用い転写残トナーを測色し、予め検量していたトナー重量と測色値の関係から、転写残トナー重量(B)を求めた。
転写率(η)は、η=(1−B/A)×100(%)として求めた。
この結果、100万枚の耐久のあとでも、2次転写効率は95%以上と十分高かった。
ベルト端部のコート層のない領域は、放電によるキズや変形が激しかったが、画像形成領域の外のため、画質への影響は見られなかった。100万枚の印字の後でも、シアン印字率100%のA4画像を中性紙に出力して帯状濃度ムラの有無を確認したが、帯状濃度ムラは見られなかった。
[比較例1]
準備した無端ベルト状基材の表面にスプレー塗布装置を使用して塗布液を塗布する際に、ベルト内周面の全面にわたって塗布した。それ以外は実施例1と同じである。
シアン印字率100%のA4画像を中性紙に200枚出力したところ、帯状の濃度ムラが発生した。
[比較例2]
無端ベルト状基材の表面にコート層を形成せずに、無端ベルト状基材を中間転写ベルトとして使用した。それ以外は、実施例1と同じである。
まず、シアン印字率100%のA4画像を中性紙に出力して帯状濃度ムラの有無を確認した。帯状濃度ムラは、ベルトの走行駆動が不安定になったときに現れるが、200枚印字しても、帯状の濃度ムラは見られなかった。
次に、Y,M,C,Kの各色印字率2.5%のA4画像を中性紙に100万枚印刷出力した。この間の転写効率の変化を確認したところ、耐久枚数の増加とともに2次転写効率の低下が見られ、転写効率90%以上を基準とすると、寿命は50万枚となった。
図1に示す画像形成装置はタンデム型のものであったが、本発明は例えば、担当色トナーにより現像を行う複数の現像器が現像領域へ順次移動せしめられるサイクル型(例えば四つの現像器を備えた4サイクル型)のカラー画像形成装置等にも適用できる。
本発明は、電子写真方式等の画像形成装置で使用される中間転写ベルトであって、該ベルトを巻き掛けた2次転写対向ローラと中間転写ベルト内周面との間の放電によるキズの発生による寿命低下を防ぐことができるとともに走行不安定になることによる画像ノイズ発生を防ぐことができる中間転写ベルトを提供することに利用できる。
100 画像形成装置
Y イエロー画像形成部
M マゼンタ画像形成部
C シアン画像形成部
K ブラック画像形成部
1 感光体
2 帯電器
3 画像露光装置
4 現像器
5 1次転写ローラ
80 中間転写ベルト
12、13、14 ベルト巻き掛け用ローラ
72 2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)
70 2次転写装置
7 転写ベルト(2次転写部材の1例)
71 2次転写ローラ
73 分離ローラ
74 張架ローラ
11 記録シート
80a ベルト基材
80b コート層(内面層の例)
C1 コート層を設けていない基材ベルト部分
100 画像形成装置

Claims (5)

  1. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラと該2次転写用ローラに該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置のための該中間転写ベルトであり、
    ベルト基材からなる基材ベルトと、前記基材ベルトの両側端部のうち少なくとも一方を除く基材ベルト部分の内周面に形成された、前記ベルト基材より高硬度且つ電気的に低抵抗の内面層を含んでいることを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記内面層の表面硬度1GPa以上であり、表面抵抗はeΩ/cm以下である請求項1記載の中間転写ベルト。
  3. 前記基材ベルトの内周面のうち前記内面層が形成されていない部分の面積は前記基材ベルト内周面の全面積の5%以上である請求項1又は2記載の中間転写ベルト。
  4. 前記内面層を形成していない前記基材ベルト側端部は該基材ベルトの画像形成域より5mm以上該基材ベルト側端の方へ寄った位置より外側にある請求項1、2又は3記載の中間転写ベルト。
  5. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像してトナー像を形成し、該トナー像を複数のベルト巻き掛け用ローラに巻き掛けられて回転駆動される無端の中間転写ベルトに1次転写し、さらに該中間転写ベルトから記録シートへ2次転写し、該記録シートに定着することができ、前記中間転写ベルトから前記記録シートへの前記トナー像の2次転写は、前記複数のベルト巻き掛け用ローラのうちの2次転写用ローラと該2次転写用ローラに該中間転写ベルトを介して対向する2次転写部材のうちいずれか一方に2次転写バイアスを印加し、該中間転写ベルトと該2次転写部材の間に前記記録シートを通すことで行なわれる画像形成装置であり、前記中間転写ベルトが請求項1から4のいずれか1項に記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
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