JP2012241536A - ロータ変形防止方法およびロータ変形防止装置 - Google Patents

ロータ変形防止方法およびロータ変形防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少ないランニングコストでロータの撓みを防止でき、動翼の翼根部の磨耗を防止しうるロータ変形防止方法およびロータ変形防止装置を提供する。
【解決手段】回転機械(ガスタービン1)は、ロータ3を有する。回転機械(ガスタービン1)が稼動していない間、ロータ3の変形を防止するために、停止状態にあるロータ3を所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返す。
【選択図】 図2

Description

本発明は、稼動していない回転機械のロータの変形を防止するロータ変形防止方法およびロータ変形防止装置に関する。
ガスタービンや蒸気タービン等の回転機械では、完全停止時にはロータの回転が停止しているので、ロータが自重によって鉛直方向下方に撓んでしまい、ロータの軸曲がりが発生してしまう。ロータの軸曲がりは軸振動の原因となるため、ロータの軸曲がりが発生した状態で回転機械の運転を再開することはできない。よって、一旦ロータに軸曲がりが発生してしまうと、回転機械の運転再開前に、ロータを回転させながらロータの軸曲がりが解消されるまで長時間(例えば12時間程度)待つ必要がある。
そのため、回転機械を直ぐに起動可能な状態で待機させておく場合には、ロータを常に低回転速度で連続的に回転させたまま維持するターニングという操作を行って、ロータの軸曲がり発生を防止するのが一般的である。
例えば、特許文献1には、蒸気タービンやガスタービンのロータを3〜5rpmの低回転速度で回転させるターニングモータと、このターニングモータからの回転力をロータに伝達するための歯車機構とを備えたターニング装置を用いて、ターニング操作を行うことが記載されている。
なお、特許文献1記載のターニング装置では、タービンロータ側の被動歯車とターニングモータ側の駆動歯車とを嵌合させる際、ターニングモータを一旦起動した後にこれを停止し、駆動歯車の回転数が十分に小さくなった状態で被動歯車と駆動歯車とを嵌合させるようになっている。これにより、被動歯車と駆動歯車との嵌合時の衝撃が緩和される。
実開平1−145904号公報
しかしながら、特許文献1のような従来のターニング操作では、回転機械の待機中、常にロータを回転させたまま維持するため、ターニングモータに絶えず電力を供給する必要があり、ランニングコストが嵩むという問題があった。
特に、発電事業用の回転機械は、電力需要のピーク時のみの運転が求められることがあり、待機時間が長くなりがちである。そのため、ランニングコストの抑制が強く望まれていた。
また、ロータの高速回転時には、タービン動翼に遠心力が作用してタービン動翼の翼根部がロータ翼溝の壁面に密着するが、ターニング操作時のようなロータの低速回転時には遠心力が働かず、タービン動翼の翼根部とロータ翼溝の壁面との間に間隙が生じる。そのため、回転機械の待機中ロータを常に回転させる従来のターニング操作では、タービン動翼の翼根部のロータ翼溝壁面への接触が長時間に亘って何度も繰り返され、翼根部の磨耗による損傷が懸念される。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、少ないランニングコストでロータの撓みを防止でき、動翼の翼根部の磨耗を防止しうるロータ変形防止方法およびロータ変形防止装置を提供することを目的とする。
本発明に係るロータ変形防止方法は、回転機械のロータの変形を防止する方法であって、停止状態にある前記ロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すことを特徴とする。
このロータ変形防止方法によれば、停止状態にあるロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すようにしたので、自重によるロータの撓み変形を防止できる。また、従来のターニング操作とは異なり、ロータを間欠的に所定角度だけ回転させるようにしたので、ロータを回転させるためのエネルギー消費量を抑制してランニングコストを低減するとともに、ロータを低速回転させる時間を短縮して翼根部の磨耗を防止できる。
上記ロータ変形防止方法において、前記所定角度は170〜190°であることが好ましい。自重で鉛直方向下方に撓みつつあるロータを170〜190°だけ回転させて再び停止させる操作を繰り返すことで、ロータの撓み変形を効果的に防止できる。
とりわけ、前記所定角度を約180°とすることで、ロータの撓み方向が鉛直上向きに一致するようにロータが上下反転されるので、ロータの撓み変形をより効果的に防止できる。
上記ロータ変形防止方法において、前記操作を行った時点からの経過時間を計測し、該経過時間が、前記ロータに撓みが許容値以下に収まるように予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うことが好ましい。
このように、前回の操作を行った時点からの経過時間が予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うことで、ロータの撓みを許容値以下に維持することができる。そのため、急な起動指令に応じていつでも回転機械を起動可能な状態で、回転機械を待機させることができる。特に、電力グリッドに接続された発電事業用の回転機械の場合、配電センター(dispatch center)からの指令に応じて迅速に起動することが求められるので、上述のようにしてロータの撓みを許容値以下に維持しながら回転機械を待機させることが非常に有効である。
なお、上記閾値は、例えば、ロータの撓みが許容値(上限値)に達するまでの時間の実測データから決定することができる。
上記ロータ変形防止方法において、前記回転機械には、前記ロータを支持する軸受に潤滑油を供給するための潤滑油系統及び該潤滑油系統の補機が設けられており、停止状態にある前記ロータの回転を開始する前に前記補機の少なくとも一部を起動させ、前記ロータの回転停止後に前記補機の前記少なくとも一部を停止させてもよい。
従来のターニング操作では、回転機械の待機中ロータを常に回転させるために、潤滑油系統の補機も常に起動した状態に維持する必要があり、この補機の消費エネルギーはロータを回転させるために必要なエネルギー(ターニングモータの消費電力)に比べてかなり大きい。つまり、従来のターニング操作に必要なエネルギーのうち、大部分は潤滑油系統の補機の消費エネルギーが占めている。
そこで、上述のように、軸受の潤滑が必要なロータの回転時にのみ補機を起動し、軸受の潤滑が不要なロータの停止時には補機を停止することで、潤滑油系統の補機の消費エネルギーを大幅に削減できる。
また、潤滑油系統の油ポンプは、潤滑油系統の補機類のなかでも特に消費エネルギーが大きいため、少なくとも潤滑油系統の油ポンプをロータの回転時にのみ起動することが好ましい。本発明者が発電事業用のガスタービンにおいて潤滑油系統の油ポンプをロータの回転時にのみ起動するという条件下で試算した結果、従来のターニング操作が必要とするエネルギーのうち95%以上を削減できることが分かっている。
上記ロータ変形防止方法において、停止状態にある前記ロータの撓み方向を検出し、該撓み方向が鉛直上向きになるように前記所定角度を決定し、前記ロータを前記所定角度だけ回転させるようにしてもよい。
これにより、仮にロータに撓み変形が発生しても、ロータの撓み方向が鉛直上向きになるようにロータを回転させて、ロータの撓みを解消できる。また、ロータの撓み方向に応じてロータの回転角度が決定されるので、ロータの回転によって撓み方向を鉛直上向きに確実に一致させて、ロータの撓みを効果的に解消できる。
また、本発明に係るロータ変形防止装置は、回転機械のロータの変形を防止する装置であって、前記ロータを回転させるターニングモータと、停止状態にある前記ロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すように前記ターニングモータを制御するターニングモータ制御部とを備えることを特徴とする。
このロータ変形防止装置によれば、ターニングモータ制御部によってターニングモータを制御して、停止状態にあるロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すようにしたので、自重によるロータの撓み変形を防止できる。また、従来のターニング操作とは異なり、ロータを間欠的に所定角度だけ回転させるようにしたので、ロータを回転させるためのエネルギー消費量を抑制してランニングコストを低減するとともに、ロータを低速回転させる時間を短縮して翼根部の磨耗を防止できる。
上記ロータ変形防止装置において、前記所定角度は170〜190°であることが好ましい。自重で鉛直方向下方に撓みつつあるロータを170〜190°回転させて再び停止させる操作を繰り返すことで、ロータの撓み変形を効果的に防止できる。
とりわけ、前記所定角度を約180°とすることで、ロータの撓み方向が鉛直上向きに一致するようにロータが上下反転されるので、ロータの撓み変形をより効果的に防止できる。
上記ロータ変形防止装置は、前記操作を行った時点からの経過時間を計測するタイマーをさらに備え、前記ターニングモータ制御部は、前記タイマーで計測した経過時間が、前記ロータに撓みが許容値以下に収まるように予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うように前記ターニングモータを制御することが好ましい。
このように、前回の操作を行った時点からの経過時間が予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うことで、ロータの撓みを許容値以下に維持することができる。そのため、急な起動指令に応じていつでも回転機械を起動可能な状態で、回転機械を待機させることができる。特に、電力グリッドに接続された発電事業用の回転機械の場合、配電センター(dispatch center)からの指令に応じて迅速に起動することが求められるので、上述のようにしてロータの撓みを許容値以下に維持しながら回転機械を待機させることが非常に有効である。
前記回転機械には、前記ロータを支持する軸受に潤滑油を供給するための潤滑油系統及び該潤滑油系統の補機が設けられており、上記ロータ変形防止装置は、停止状態にある前記ロータの回転を開始する前に前記補機の少なくとも一部を起動させ、前記ロータの回転停止後に前記補機の前記少なくとも一部を停止させる補機制御部をさらに備えていてもよい。
このように、軸受の潤滑が必要なロータの回転時にのみ補機を起動し、軸受の潤滑が不要なロータの停止時には補機を停止することで、潤滑油系統の補機の消費エネルギーを大幅に削減できる。なお、潤滑油系統の油ポンプは、潤滑油系統の補機類のなかでも特に消費エネルギーが大きいため、少なくとも潤滑油系統の油ポンプをロータの回転時にのみ起動することが好ましい。
上記ロータ変形防止装置は、停止状態にある前記ロータの撓み方向を検出する撓み方向検出器をさらに備え、前記ターニングモータ制御部は、前記撓み方向検出器により検出された前記撓み方向が鉛直上向きになるように前記所定角度を決定し、該所定角度だけ前記ロータを回転させてもよい。
これにより、仮にロータに撓み変形が発生しても、ロータの撓み方向が鉛直上向きになるようにロータを回転させて、ロータの撓みを解消できる。また、ロータの撓み方向に応じてロータの回転角度が決定されるので、ロータの回転によって撓み方向を鉛直上向きに確実に一致させて、ロータの撓みを効果的に解消できる。
本発明によれば、停止状態にあるロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すようにしたので、自重によるロータの撓み変形を防止できる。また、従来のターニング操作とは異なり、ロータを間欠的に所定角度だけ回転させるようにしたので、ロータを回転させるためのエネルギー消費量を抑制してランニングコストを低減するとともに、ロータを低速回転させる時間を短縮して翼根部の磨耗を防止できる。
ガスタービンの全体構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 ロータ変形防止装置及び潤滑油系統の補機とコントローラとの間の信号のやりとりを示す図である。 ロータの変形を防止するための手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
なお、以下の実施形態では回転機械の一例としてガスタービンを挙げるが、本発明は蒸気タービンを含む種々の回転機械のロータの変形を防止するために適用できる。
図1はガスタービンの全体構成例を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、ガスタービン1は、共通のロータ3を有するタービン2及び圧縮機4と、タービン2及び圧縮機4のロータ3を回転自在に支持する軸受6とを備える。ロータ3の一端には起動モータ8が連結されており、この起動モータ8によって、ガスタービン1の起動時において十分な出力が得られるまでの間、ロータ3を回転させるようになっている。軸受6及び起動モータ8は、架台9上に設置されている。
なお、図示は省略するが、軸受6と起動モータ8との間には発電機が設けられており、この発電機によってロータ3の回転エネルギーを電気エネルギーに変換するようになっている。
ガスタービン1は、非稼動時に、自重によってロータ3が鉛直方向下方に撓み変形を生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、ロータ3の撓み変形を防止するためのロータ変形防止装置10を設けている。
ロータ変形防止装置10は、ターニングモータ12と、ターニングモータ12の出力軸に取り付けられた駆動歯車14と、駆動歯車14と噛み合うようにロータ3に取り付けられた従動歯車16とを備える。これにより、ターニングモータ12からの回転力が駆動歯車14及び従動歯車16を介してロータ3に伝わり、ロータ3が回転するようになっている。このときのロータ3の回転速度は特に限定されないが、例えば3〜5rpm程度としてもよい。
ターニングモータ12によるロータ3の回転は、後述のコントローラによる制御下で行われる。また、ターニングモータ12によってロータ3を回転させる際、潤滑油系統の補機を起動して、軸受6に潤滑油を給油する必要があり、この補機の制御もコントローラによって行われる。図2は、ロータ変形防止装置及び潤滑油系統の補機とコントローラとの間の信号のやりとりを示す図である。
図2に示すように、潤滑油系統20は、潤滑油が貯留されているタンク22と、タンク22を軸受6に接続する潤滑油流路24と、潤滑油流路24に設けられた油ポンプ26と、タンク22に設けられたベーパーファン28とにより構成される。
図2に示す例では、油ポンプ26及びベーパーファン28が潤滑油系統20の補機に相当する。しかし、潤滑油系統20の補機は、潤滑油系統20を用いて軸受6に潤滑油を供給する際に稼動させる必要がある付属機器を全て含み、例えば、ガスタービン1を囲むエンクロージャー内を換気する換気ファンも潤滑油系統20の補機の一つである。
油ポンプ26は、油ポンプ26に直結されたモータ27によって駆動され、潤滑油流路24を介してタンク22内の潤滑油を軸受6に供給する。また、ベーパーファン28は、ベーパーファン28に直結されたモータ29によって駆動され、タンク22内を負圧にする。ここで、タンク22内は不図示の連通路によって軸受箱7に連通しているため、ベーパーファン28の作動によってタンク22内が負圧になると、軸受箱7の内圧も大気圧よりも小さくなる。これにより、軸受箱7から外部への潤滑油の流出を防止するようになっている。
コントローラ30は、ロータ変形防止装置10のターニングモータ12を制御するターニングモータ制御部32と、潤滑油系統20の補機を制御する補機制御部34と、ターニングモータ制御部32及び補機制御部34による制御に必要な情報が記憶された記憶部36とにより構成される。
ターニングモータ制御部32は、停止状態にあるロータ3を所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すようにターニングモータ12を制御する。
ロータ3の回転角度(所定角度)は、常に一定であってもよい。例えば、ターニングモータ制御部32は、記憶部36に記憶された一定の回転角度αを読み出して、停止状態にあるロータ3をαだけ回転させた後、ロータ3を再び停止させるような操作を繰り返してもよい。
なお、ロータ3の回転角度αは、任意の角度に設定可能であるが、170〜190°であることが好ましい。自重で鉛直方向下方に撓みつつあるロータ3を170〜190°回転させて再び停止させる操作を繰り返すことで、ロータ3の撓み変形を効果的に防止できる。とりわけ、ロータ3の回転角度αを約180°とすることで、ロータ3の撓み方向が鉛直上向きに一致するようにロータ3が上下反転されるので、ロータ3の撓み変形をより効果的に防止できる。
あるいは、ロータ3の回転角度を、毎回の上記操作ごとに変更してもよい。例えば、撓み方向検出器37によってロータ3の撓み方向を検出し、該撓み方向の検出結果に基づいて、ロータ3の回転角度を操作ごとに決定してもよい。この場合、撓み方向検出器37の検出結果をコントローラ30に入力し、該検出結果に応じたロータ3の適切な回転角度をターニングモータ制御部32において決定してもよい。
これにより、仮にロータ3に撓み変形が発生しても、ロータ3の撓み方向が鉛直上向きになるようにロータ3を回転させて、ロータ3の撓みを解消できる。また、ロータ3の撓み方向に応じてロータ3の回転角度が決定されるので、ロータ3の回転によって撓み方向を鉛直上向きに確実に一致させて、ロータ3の撓みを効果的に解消できる。
なお、撓み方向検出器37は、ロータ3の撓み方向を検出可能であれば特に限定されないが、例えば、ロータ3の軸受6周辺に設けられてロータ3までの距離を計測する変位計を用いてもよい。この場合、撓み方向の計測のためにロータ3を一回転させて変位計の計測結果(変位計からロータ3までの距離)が最小になるロータ3の角度を求めてもよいし、ロータ3の周方向に複数の変位計を設け、該複数の変位計のうち計測結果(各変位計からロータ3までの距離)が最小になる変位計を特定し、この変位計の位置に対応するロータ3の角度を求めてもよい。
ロータ3を所定角度だけ回転させた後に再びこれを停止させる操作は、予め設定された期間ごとに行うことが好ましい。具体的には、タイマー38によって前回の操作を行った時点からの経過時間を計測しておき、ターニングモータ制御部32は、タイマー38により計測された経過時間が記憶部36に記憶された閾値(図3を参照しながら後述する閾値Tth2)を超えたときに、ターニングモータ12を一定時間だけ起動するようにしてもよい。あるいは、オペレータが任意のインターフェースを介して、前回の操作を行った時点からの経過時間が予め設定された閾値を超えたことを知らせる情報をコントローラ30に入力し、ターニングモータ制御部32は、オペレータが入力した情報に基づいて、ターニングモータ12を一定時間だけ起動するようにしてもよい。
いずれの場合にも、前回の操作を行った時点からの経過時間が予め設定された閾値に達したときに前記操作が再び行われるので、ロータ3の撓みを許容値以下に維持することができる。そのため、急な起動指令に応じていつでもガスタービン1を起動可能な状態で、ガスタービン1を待機させることができる。
なお、一回の操作におけるターニングモータ12の起動時間は、ロータ3が所定角度だけ回転するのに必要な時間から決定すればよい。具体的には、ターニングモータ12によって駆動されるロータ3の回転速度がN(rpm)の場合、ロータ3をα度だけ回転させるために必要なターニングモータ12の起動時間t(sec)は次式(1)により決定すればよい。

Figure 2012241536
(ただし、mはゼロを含めた正の整数であり、m=0,1,2,…で表される。)
補機制御部34は、停止状態にあるロータ3をターニングモータ12によって回転させる前に潤滑油系統20の補機を起動させ、ロータ3の回転停止後に潤滑油系統20の補機を停止させる制御を行う。なお、補機制御部34によるこの制御は、潤滑油系統20の補機の一部のみについて行い、他の補機は常に起動させておいてもよい。
例えば油ポンプ26及びベーパーファン28について上記制御を行う場合、油ポンプ26及びベーパーファン28にそれぞれ直結されたモータ(27,29)のON/OFFを、補機制御部34によって、ターニングモータ12のON/OFFに連動して切り換えればよい。すなわち、ターニングモータ12が起動される前にモータ(27,29)を起動させ、ターニングモータ12が停止された後にモータ(27,29)を停止させればよい。
これにより、軸受6の潤滑が必要なロータ3の回転時にのみ補機を起動し、軸受6の潤滑が不要なロータ3の停止時には補機を停止して、潤滑油系統20の補機の消費エネルギーを大幅に削減できる。
次に、ガスタービン1のロータ3の変形を防止するための手順について説明する。図3は、ロータ3の変形を防止するための手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、補機制御部34がタイマー38の計測結果(ロータ3の回転及び停止の操作を前回行った時点からの経過時間T)を読み出して、経過時間Tと、記憶部36に記憶されている閾値Tth1との大小関係を比較する(ステップS2)。
そして、経過時間Tが閾値Tth1を超えた場合(ステップS2のYES判定)、ステップS4に進んで、補機制御部34が潤滑油系統20の補機を起動する。例えば、油ポンプ26に直結されたモータ27や、ベーパーファン28に直結されたモータ29が補機制御部34の指令に従って起動される。これにより、油ポンプ26が作動して軸受6にはタンク22に貯留された潤滑油が供給されるとともに、ベーパーファン28が作動して軸受箱7の内圧は負圧に維持されて軸受箱7から外部への潤滑油の流出が防止される。
なお、閾値Tth1は、ロータ3の回転を開始するタイミングを決める後述の閾値Tth2よりも小さく設定されている。そのため、ロータ3の回転が開始される前に、潤滑油経路20の補機が起動される。
一方、経過時間Tが閾値Tth1以下である場合(ステップS2のNO判定)は、ステップS2を再び繰り返す。
潤滑油系統20の補機を起動した後、ステップS6に進んで、ターニングモータ制御部32がタイマー38の検出結果(ロータ3の回転及び停止の操作を前回行った時点からの経過時間T)を読み出して、経過時間Tと、記憶部36に記憶されている閾値Tth2(>Tth1)との大小関係を比較する。
そして、経過時間Tが閾値Tth2を超えた場合(ステップS6のYES判定)、ステップS8に進んで、ターニングモータ制御部32がターニングモータ12を制御して、ロータ3の回転を開始する。一方、経過時間Tが閾値Tth2以下である場合(ステップS6のNO判定)は、ステップS6を再び繰り返す。
ステップS8でロータ3の回転を開始した後、ターニングモータ制御部32は、記憶部36からターニングモータ12の起動時間tを読み出して、ロータ3の回転開始からの経過時間ΔTと、ターニングモータ12の起動時間tとの大小関係を比較する(ステップS10)。なお、ターニングモータ12の起動時間tは、ロータ3の所望の回転角度αから上述の式(1)を用いて得られたものである。
そして、ロータ3の回転開始からの経過時間ΔTがターニングモータ12の起動時間tに達した場合(ステップS10のYES判定)、ターニングモータ制御部32はターニングモータ12を制御して、ロータ3の回転を停止する。これにより、ターニングモータ12を起動時間tだけ起動させて、ロータ3を所望の回転角度αだけ回転させることができる。
一方、ロータ3の回転開始からの経過時間ΔTがターニングモータ12の起動時間tよりも小さい場合(ステップS10のNO判定)は、ステップS10を再び繰り返す。
ロータ3の回転を停止した後、ステップS14において、経過時間Tをリセットして、タイマー38による経過時間Tの計測を再びゼロから開始する。この後、補機制御部34が潤滑油系統20の補機を停止し、ステップS2に戻る。
以上説明したように、本実施形態によれば、停止状態にあるロータ3を所定角度αだけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すようにしたので、自重によるロータ3の撓み変形を防止できる。また、従来のターニング操作とは異なり、ロータ3を間欠的に所定角度αだけ回転させるようにしたので、ロータ3を回転させるためのエネルギー消費量を抑制してランニングコストを低減するとともに、ロータ3を低速回転させる時間を短縮して動翼の翼根部の磨耗を防止できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、ターニングモータ12を用いてロータ3を回転させる例について説明したが、ロータ3は手動により回転させてもよいし、ターニングモータ12以外の動力源を用いて回転させてもよい。
1 ガスタービン
2 タービン
3 ロータ
4 圧縮機
6 軸受
7 軸受箱
8 起動モータ
9 架台
10 ロータ変形防止装置
12 ターニングモータ
14 駆動歯車
16 従動歯車
20 潤滑油系統
22 タンク
24 潤滑油流路
26 油ポンプ
27 モータ
28 ベーパーファン
29 モータ
30 コントローラ
32 ターニングモータ制御部
34 補機制御部
36 記憶部
37 撓み方向検出器
38 タイマー

Claims (10)

  1. 回転機械のロータの変形を防止する方法であって、
    停止状態にある前記ロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すことを特徴とするロータ変形防止方法。
  2. 前記所定角度は170〜190°であることを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。
  3. 前記操作を行った時点からの経過時間を計測し、
    該経過時間が、前記ロータに撓みが許容値以下に収まるように予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うことを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。
  4. 前記回転機械には、前記ロータを支持する軸受に潤滑油を供給するための潤滑油系統及び該潤滑油系統の補機が設けられており、
    停止状態にある前記ロータの回転を開始する前に前記補機の少なくとも一部を起動させ、
    前記ロータの回転停止後に前記補機の前記少なくとも一部を停止させることを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。
  5. 停止状態にある前記ロータの撓み方向を検出し、
    該撓み方向が鉛直上向きになるように前記所定角度を決定し、
    前記ロータを前記所定角度だけ回転させることを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。
  6. 回転機械のロータの変形を防止する装置であって、
    前記ロータを回転させるターニングモータと、
    停止状態にある前記ロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すように前記ターニングモータを制御するターニングモータ制御部とを備えることを特徴とするロータ変形防止装置。
  7. 前記所定角度は170〜190°であることを特徴とする請求項5に記載のロータ変形防止装置。
  8. 前記操作を行った時点からの経過時間を計測するタイマーをさらに備え、
    前記ターニングモータ制御部は、前記タイマーで計測した経過時間が、前記ロータに撓みが許容値以下に収まるように予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うように前記ターニングモータを制御することを特徴とする請求項6に記載のロータ変形防止装置。
  9. 前記回転機械には、前記ロータを支持する軸受に潤滑油を供給するための潤滑油系統及び該潤滑油系統の補機が設けられており、
    停止状態にある前記ロータの回転を開始する前に前記補機の少なくとも一部を起動させ、前記ロータの回転停止後に前記補機の前記少なくとも一部を停止させる補機制御部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のロータ変形防止装置。
  10. 停止状態にある前記ロータの撓み方向を検出する撓み方向検出器をさらに備え、
    前記ターニングモータ制御部は、前記撓み方向検出器により検出された前記撓み方向が鉛直上向きになるように前記所定角度を決定し、該所定角度だけ前記ロータを回転させることを特徴とする請求項6に記載のロータ変形防止装置。
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