JP2012241536A - ロータ変形防止方法およびロータ変形防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転機械(ガスタービン1)は、ロータ3を有する。回転機械(ガスタービン1)が稼動していない間、ロータ3の変形を防止するために、停止状態にあるロータ3を所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返す。
【選択図】 図2
Description
そのため、回転機械を直ぐに起動可能な状態で待機させておく場合には、ロータを常に低回転速度で連続的に回転させたまま維持するターニングという操作を行って、ロータの軸曲がり発生を防止するのが一般的である。
なお、特許文献1記載のターニング装置では、タービンロータ側の被動歯車とターニングモータ側の駆動歯車とを嵌合させる際、ターニングモータを一旦起動した後にこれを停止し、駆動歯車の回転数が十分に小さくなった状態で被動歯車と駆動歯車とを嵌合させるようになっている。これにより、被動歯車と駆動歯車との嵌合時の衝撃が緩和される。
特に、発電事業用の回転機械は、電力需要のピーク時のみの運転が求められることがあり、待機時間が長くなりがちである。そのため、ランニングコストの抑制が強く望まれていた。
とりわけ、前記所定角度を約180°とすることで、ロータの撓み方向が鉛直上向きに一致するようにロータが上下反転されるので、ロータの撓み変形をより効果的に防止できる。
このように、前回の操作を行った時点からの経過時間が予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うことで、ロータの撓みを許容値以下に維持することができる。そのため、急な起動指令に応じていつでも回転機械を起動可能な状態で、回転機械を待機させることができる。特に、電力グリッドに接続された発電事業用の回転機械の場合、配電センター(dispatch center)からの指令に応じて迅速に起動することが求められるので、上述のようにしてロータの撓みを許容値以下に維持しながら回転機械を待機させることが非常に有効である。
なお、上記閾値は、例えば、ロータの撓みが許容値(上限値)に達するまでの時間の実測データから決定することができる。
従来のターニング操作では、回転機械の待機中ロータを常に回転させるために、潤滑油系統の補機も常に起動した状態に維持する必要があり、この補機の消費エネルギーはロータを回転させるために必要なエネルギー(ターニングモータの消費電力)に比べてかなり大きい。つまり、従来のターニング操作に必要なエネルギーのうち、大部分は潤滑油系統の補機の消費エネルギーが占めている。
そこで、上述のように、軸受の潤滑が必要なロータの回転時にのみ補機を起動し、軸受の潤滑が不要なロータの停止時には補機を停止することで、潤滑油系統の補機の消費エネルギーを大幅に削減できる。
これにより、仮にロータに撓み変形が発生しても、ロータの撓み方向が鉛直上向きになるようにロータを回転させて、ロータの撓みを解消できる。また、ロータの撓み方向に応じてロータの回転角度が決定されるので、ロータの回転によって撓み方向を鉛直上向きに確実に一致させて、ロータの撓みを効果的に解消できる。
とりわけ、前記所定角度を約180°とすることで、ロータの撓み方向が鉛直上向きに一致するようにロータが上下反転されるので、ロータの撓み変形をより効果的に防止できる。
このように、前回の操作を行った時点からの経過時間が予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うことで、ロータの撓みを許容値以下に維持することができる。そのため、急な起動指令に応じていつでも回転機械を起動可能な状態で、回転機械を待機させることができる。特に、電力グリッドに接続された発電事業用の回転機械の場合、配電センター(dispatch center)からの指令に応じて迅速に起動することが求められるので、上述のようにしてロータの撓みを許容値以下に維持しながら回転機械を待機させることが非常に有効である。
このように、軸受の潤滑が必要なロータの回転時にのみ補機を起動し、軸受の潤滑が不要なロータの停止時には補機を停止することで、潤滑油系統の補機の消費エネルギーを大幅に削減できる。なお、潤滑油系統の油ポンプは、潤滑油系統の補機類のなかでも特に消費エネルギーが大きいため、少なくとも潤滑油系統の油ポンプをロータの回転時にのみ起動することが好ましい。
これにより、仮にロータに撓み変形が発生しても、ロータの撓み方向が鉛直上向きになるようにロータを回転させて、ロータの撓みを解消できる。また、ロータの撓み方向に応じてロータの回転角度が決定されるので、ロータの回転によって撓み方向を鉛直上向きに確実に一致させて、ロータの撓みを効果的に解消できる。
なお、以下の実施形態では回転機械の一例としてガスタービンを挙げるが、本発明は蒸気タービンを含む種々の回転機械のロータの変形を防止するために適用できる。
図1(a)及び(b)に示すように、ガスタービン1は、共通のロータ3を有するタービン2及び圧縮機4と、タービン2及び圧縮機4のロータ3を回転自在に支持する軸受6とを備える。ロータ3の一端には起動モータ8が連結されており、この起動モータ8によって、ガスタービン1の起動時において十分な出力が得られるまでの間、ロータ3を回転させるようになっている。軸受6及び起動モータ8は、架台9上に設置されている。
なお、図示は省略するが、軸受6と起動モータ8との間には発電機が設けられており、この発電機によってロータ3の回転エネルギーを電気エネルギーに変換するようになっている。
図2に示す例では、油ポンプ26及びベーパーファン28が潤滑油系統20の補機に相当する。しかし、潤滑油系統20の補機は、潤滑油系統20を用いて軸受6に潤滑油を供給する際に稼動させる必要がある付属機器を全て含み、例えば、ガスタービン1を囲むエンクロージャー内を換気する換気ファンも潤滑油系統20の補機の一つである。
ロータ3の回転角度(所定角度)は、常に一定であってもよい。例えば、ターニングモータ制御部32は、記憶部36に記憶された一定の回転角度αを読み出して、停止状態にあるロータ3をαだけ回転させた後、ロータ3を再び停止させるような操作を繰り返してもよい。
なお、ロータ3の回転角度αは、任意の角度に設定可能であるが、170〜190°であることが好ましい。自重で鉛直方向下方に撓みつつあるロータ3を170〜190°回転させて再び停止させる操作を繰り返すことで、ロータ3の撓み変形を効果的に防止できる。とりわけ、ロータ3の回転角度αを約180°とすることで、ロータ3の撓み方向が鉛直上向きに一致するようにロータ3が上下反転されるので、ロータ3の撓み変形をより効果的に防止できる。
これにより、仮にロータ3に撓み変形が発生しても、ロータ3の撓み方向が鉛直上向きになるようにロータ3を回転させて、ロータ3の撓みを解消できる。また、ロータ3の撓み方向に応じてロータ3の回転角度が決定されるので、ロータ3の回転によって撓み方向を鉛直上向きに確実に一致させて、ロータ3の撓みを効果的に解消できる。
いずれの場合にも、前回の操作を行った時点からの経過時間が予め設定された閾値に達したときに前記操作が再び行われるので、ロータ3の撓みを許容値以下に維持することができる。そのため、急な起動指令に応じていつでもガスタービン1を起動可能な状態で、ガスタービン1を待機させることができる。
(ただし、mはゼロを含めた正の整数であり、m=0,1,2,…で表される。)
例えば油ポンプ26及びベーパーファン28について上記制御を行う場合、油ポンプ26及びベーパーファン28にそれぞれ直結されたモータ(27,29)のON/OFFを、補機制御部34によって、ターニングモータ12のON/OFFに連動して切り換えればよい。すなわち、ターニングモータ12が起動される前にモータ(27,29)を起動させ、ターニングモータ12が停止された後にモータ(27,29)を停止させればよい。
これにより、軸受6の潤滑が必要なロータ3の回転時にのみ補機を起動し、軸受6の潤滑が不要なロータ3の停止時には補機を停止して、潤滑油系統20の補機の消費エネルギーを大幅に削減できる。
なお、閾値Tth1は、ロータ3の回転を開始するタイミングを決める後述の閾値Tth2よりも小さく設定されている。そのため、ロータ3の回転が開始される前に、潤滑油経路20の補機が起動される。
一方、経過時間Tが閾値Tth1以下である場合(ステップS2のNO判定)は、ステップS2を再び繰り返す。
一方、ロータ3の回転開始からの経過時間ΔTがターニングモータ12の起動時間tよりも小さい場合(ステップS10のNO判定)は、ステップS10を再び繰り返す。
2 タービン
3 ロータ
4 圧縮機
6 軸受
7 軸受箱
8 起動モータ
9 架台
10 ロータ変形防止装置
12 ターニングモータ
14 駆動歯車
16 従動歯車
20 潤滑油系統
22 タンク
24 潤滑油流路
26 油ポンプ
27 モータ
28 ベーパーファン
29 モータ
30 コントローラ
32 ターニングモータ制御部
34 補機制御部
36 記憶部
37 撓み方向検出器
38 タイマー
Claims (10)
- 回転機械のロータの変形を防止する方法であって、
停止状態にある前記ロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すことを特徴とするロータ変形防止方法。 - 前記所定角度は170〜190°であることを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。
- 前記操作を行った時点からの経過時間を計測し、
該経過時間が、前記ロータに撓みが許容値以下に収まるように予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うことを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。 - 前記回転機械には、前記ロータを支持する軸受に潤滑油を供給するための潤滑油系統及び該潤滑油系統の補機が設けられており、
停止状態にある前記ロータの回転を開始する前に前記補機の少なくとも一部を起動させ、
前記ロータの回転停止後に前記補機の前記少なくとも一部を停止させることを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。 - 停止状態にある前記ロータの撓み方向を検出し、
該撓み方向が鉛直上向きになるように前記所定角度を決定し、
前記ロータを前記所定角度だけ回転させることを特徴とする請求項1に記載のロータ変形防止方法。 - 回転機械のロータの変形を防止する装置であって、
前記ロータを回転させるターニングモータと、
停止状態にある前記ロータを所定角度だけ回転させた後に再び停止させる操作を繰り返すように前記ターニングモータを制御するターニングモータ制御部とを備えることを特徴とするロータ変形防止装置。 - 前記所定角度は170〜190°であることを特徴とする請求項5に記載のロータ変形防止装置。
- 前記操作を行った時点からの経過時間を計測するタイマーをさらに備え、
前記ターニングモータ制御部は、前記タイマーで計測した経過時間が、前記ロータに撓みが許容値以下に収まるように予め設定された閾値に達したときに前記操作を再び行うように前記ターニングモータを制御することを特徴とする請求項6に記載のロータ変形防止装置。 - 前記回転機械には、前記ロータを支持する軸受に潤滑油を供給するための潤滑油系統及び該潤滑油系統の補機が設けられており、
停止状態にある前記ロータの回転を開始する前に前記補機の少なくとも一部を起動させ、前記ロータの回転停止後に前記補機の前記少なくとも一部を停止させる補機制御部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のロータ変形防止装置。 - 停止状態にある前記ロータの撓み方向を検出する撓み方向検出器をさらに備え、
前記ターニングモータ制御部は、前記撓み方向検出器により検出された前記撓み方向が鉛直上向きになるように前記所定角度を決定し、該所定角度だけ前記ロータを回転させることを特徴とする請求項6に記載のロータ変形防止装置。
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