JP2012238821A - シールドケース固定構造及びそれを備える電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品が実装された回路基板上にシールドケースを固定する際に、シールドケースの高さにばらつきが生じてしまうことを防止し、製品内及び製品間で製品寸法の均一化を図ることが可能なシールドケースの固定構造等を提供する。
【解決手段】電子装置1は、電子部品8が実装された回路基板120上に、電子部品8を覆うようにシールドケース10が固定されたものである。シールドケース10の長辺壁11及び短辺壁12には、切り欠きT1が形成されており、シールドケース固定構造10と回路基板120は、その部位で熱硬化性接着剤S1を介して接合されており、切り欠きT1が形成されていない部位において、導電性接着剤S2を介して互いに接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品が実装された回路基板等の装置にシールドケースを固定するための構造、及び、そのシールドケースを有する装置に関する。
一般に、基板に、半導体装置(半導体ICチップ等)等の能動部品、コンデンサ(キャパシタ)、インダクタ(コイル)、サーミスタ、抵抗等の受動部品等の電子部品が実装された回路ユニットやプリント配線基板といった電子装置(機器)では、外部への電磁ノイズの漏洩や外部からの電磁ノイズの侵入を遮蔽したり、搭載された電子部品を外力から保護するべく、その電子部品を覆うように金属製のシールドケースが設けられる。
例えば、特許文献1には、電子部品素子が実装された回路基板上に、その電子部品素子を覆うようにシールドキャップ本体が載置されたシールドキャップ付き電子部品が記載されている。また、特許文献2には、電子部品素子が実装された多層回路基板の周縁に切り欠きを設け、その切り欠きに嵌合する形状の固定脚部が周壁に設けられたシールドカバーが、電子部品素子を覆うようにその多層回路基板に上に載置された電子装置が記載されている。
ところで、上記従来のシールドキャップ本体やシールドカバーを基板に固定する方法として、例えば、特許文献1では、電子部品素子とシールドキャップ本体の内壁面を絶縁性樹脂で固着する方法を採用しているが、この場合、導電性部位に付着した半田等の導電性接着剤と絶縁性樹脂が混ざり合って固定時に不具合が生じる懸念が否めない。一方、特許文献2では、シールドカバーが、多層回路基板の切り欠きの部位に、導電性接着剤を介して固着且つ電気的に接続されており、シールドカバーは、電子部品素子の保護のみならず、電子装置のグラウンド(電極)としても機能する。しかし、かかる構成では、導電性接着剤が切り欠きから溢れた場合、隣接する回路と短絡するおそれがある。
また、そのようにシールドケースを電気的なグラウンドとして用いる他の構成として、例えば特許文献3には、シールドケースが設けられた電子装置をリフロー等の熱印加工程でマザーボード等に実装するときに、導電性接着剤が再溶融又は軟化することに起因してシールドケースの位置ずれや脱落等が生じることを防止するべく、シールドケースの接着に導電性接着剤と熱硬化性接着剤を併用する構造が提案されている。
特許第3921396号公報 特開2004−200502号公報 特開2007−103749号公報
しかし、特許文献3に記載された構造では、基板に貫通孔を穿設したり、シールドケースの脚部をその貫通孔に合うように加工したり、その貫通孔の部位に接着剤を位置合わせして固着させたりといった点において、製作工数が増大して生産性の低下とコストの増大を招く可能性がある。よって、かかる不都合を解消するには、特許文献1や特許文献2に記載されたような簡素な形状のシールドケースと基板を用いつつ、リフロー等の熱印加工程対策として、導電性接着剤と熱硬化性接着剤を併用するような固定構造及び方法が望ましい。
そこで、本発明者は、図4(A)及び(B)に示すようなシールドケースの基板への固定構造について詳細に検討を行った。図4(A)における電子装置100は、端面が平滑な(直線的に延在する)側壁111を有する箱型のシールドケース110が、平坦な回路基板120の上面に対向するように配置され、両者が、熱硬化性接着剤S1と導電性接着剤S2を介して接合されたものである。また、図4(B)における電子装置200は、端面から凸状脚部202が突設されてなる側壁211を有する箱型のシールドケース210が、切り欠き221を有する回路基板220の上面に対向するように配置され、両者が、熱硬化性接着剤S1と導電性接着剤S2を介して接合されたものである。
そして、これらの電子装置100,200を製作するために、それぞれ回路基板120,220の図示所定位置に未硬化の熱硬化性接着剤S1と導電性接着剤S2の溜まりを被着させ、そこにシールドケース110,210を載置し、熱硬化性接着剤S1を硬化させ且つ導電性接着剤S2を一旦溶融させて固着させるべく、それを加熱・冷却したところ、シールドケースが傾いて固定されてしまい、製品高さにばらつきが生じ得ることが判明した。これらを詳細に観察した結果、導電性接着剤S2が加熱溶融されたきに、シールドケースのその部位が自重で回路基板側に沈み込むように移動する一方、その時、熱硬化性接着剤S1は加熱硬化されるので、シールドケースは、その部位では沈み込まない傾向にあることが確認された。このように製品高さが製品内及び製品間で不均一になってしまうと、製品の品質及び規格管理上、好ましくない。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、電子部品が実装された回路基板上に電子部品を覆うようにシールドケースを固定する際に、固定後のシールドケースの回路基板面からの高さにばらつきが生じてしまうことを防止し、製品内及び製品間で製品寸法(高さ)の均一化を図ることが可能なシールドケースの固定構造、及び、その構造を備える電子装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、鋭意研究を重ね、異種の接着剤の加熱時の挙動、特に粘性の相違に着目することにより、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によるシールドケース固定構造は、回路基板上に実装された電子部品を覆うように、第1の接着剤及び第2の接着剤を用いてその回路基板に固定されたシールドケースを備える構造であって、第1の接着剤及び第2の接着剤は、式(1);
ρ1>ρ2 …(1)、
で表される関係を満たすものであり、シールドケースは、それが回路基板上に載置された状態において、式(2);
L1>L2 …(2)、
で表される関係を満たすものである。
ここで、ρ1は、所定温度における第1の接着剤の粘度を示し、ρ2は、その所定温度における第2の接着剤の粘度を示し、L1は、シールドケースにおける第1の接着剤が被着される部位と回路基板における第1の接着剤が被着される部位との距離(間隔、間隙、ギャップ)を示し、L2は、シールドケースにおける第2の接着剤が被着される部位と回路基板における第2の接着剤が被着される部位との距離(間隔、間隙、ギャップ)を示す。換言すれば、距離L1,L2は、それぞれ、第1の接着剤が被着される部位におけるシールドケースとその直下の回路基板面との間隔、及び、第2の接着剤が被着される部位におけるシールドケースとその直下の回路基板面との間隔である。
このように構成されたシールドケース固定構造では、所定温度における第1の接着剤の粘度ρ1が、その所定温度における第2の接着剤の粘度ρ2よりも大きい(式(1))ので、その所定温度では、第2の接着剤が被着された部位においてシールドケース及び回路基板の一方がその自重で他方側に沈み込む量が、第1の接着剤が固着された部位においてシールドケース及び回路基板の一方がその自重で他方側に沈み込む量に比して大きくなる。換言すれば、その所定温度では第1の接着剤の粘度が比較的大きいので、第2の接着剤が被着された部位におけるシールドケースと回路基板との距離が、第1の接着剤が被着された部位におけるシールドケースと回路基板との距離よりも小さくなり、それにより、シールドケースが回路基板に対して全体的に傾いたり、浮いたりする可能性がある。
例えば、回路基板の鉛直上方にシールドケースが設置され、第2の接着剤の溶融温度MP(所定温度)に加熱される環境下で上記式(1)の関係が成立する場合、第2の接着剤が被着された部位では、第2の接着剤が溶融してシールドケースが沈み込むように移動し得る。これに対し、その温度で第1の接着剤の粘性が極めて高い(例えば溶融しない)場合、第1の接着剤が被着された部位では、第1の接着剤とシールドケースが干渉してシールドケースが第1の接着剤に支持されて移動し難い。その結果、シールドケースが回路基板に対して全体的に傾きや浮きが発生し得る。
これに対し、上記式(2)で表されるとおり、シールドケースにおける距離L1が距離L2よりも予め大きくされているので、シールドケースが回路基板上に載置されて所定温度に加熱されたとき、シールドケースが第2の接着剤に沈み込んでシールドケースと回路基板との距離が近接接近しても、第1の接着剤が影響を受けることがない。よって、シールドケースが全体として回路基板側に傾いたり浮きが生じたりすることを防止することができ、電子装置の製品高さを均一に形成し得る。
この場合、第2の接着剤の溶融温度MP(所定温度)における第1の接着剤の寸法に基づいて、L1−L2の大きさ(切り欠きの場合、その切り欠きの深さの差)が決定されたものであっても好適である。
すなわち、第2の接着剤が溶融した場合に、それが被着された部位におけるシールドケースと回路基板の相対的な移動量(沈み込み量)が最大となり得るので、そのときの第1の接着剤の寸法(その温度での自立高さH)を予め求めておき、例えば、L1−L2の大きさがその自立高さHと同程度となるように、シールドケース及び/又は回路基板を形成すれば、シールドケースの傾きがより確実に抑制される。
また、式(2)で表される関係を満たす具体例として、シールドケースにおける第1の接着剤が被着される部位に第1の切り欠きが形成されており、及び/又は、回路基板における第1の接着剤が被着される部位に第2の切り欠きが形成されていてもよい。この場合、式(2)の関係を良好に生起し得るだけでなく、第1の接着剤が変形したときに、その変位量を、第1の切り欠き及び/又は第2の切り欠きで画成される空間によって吸収することができるので、その部位から第1の接着剤がはみ出したり溢れ出したりすることを抑止することができる。
このとき、シールドケース及び/又は回路基板における第2の接着剤が被着される部位にも、それぞれ第3の切り欠き及び/又は第4の切り欠きが形成されていてもよい。この場合、第1の接着剤が被着される部位におけるシールドケースと、その直下の回路基板に形成された第2の切り欠きの底壁面との間隔、及び、第2の接着剤が被着される部位におけるシールドケースと、その直下の回路基板に形成された第4の切り欠きの底壁面との間隔が、それぞれにおいて、上記式(2)における距離L1,L2に相当し、式(2)が成立すればよい。
また、こうすれば、第2の接着剤の変位量を、第3の切り欠き及び/又は第4の切り欠きによって吸収することができるので、その部位から第2の接着剤がはみ出したり溢れ出したりすることをも抑止することができる。
さらに、シールドケースにおける第1の接着剤が被着される部位、及び/又は、回路基板における第1の接着剤が被着される部位に、第1の接着剤側に向かって突設された凸部を有いても好ましい。このように構成すれば、その凸部が第1の接着剤に当接し、第1の接着剤を押圧したり、第1の接着剤に陥入して言わばアンカーとして機能し得るので、シールドケースと第1の接着剤との固着力が増強され、シールドケースと回路基板の位置ずれをより効果的に抑制することができる。
また、本発明による電子装置は、本発明のシールドケース固定構造を用いて有効に構成されるものであり、回路基板と、回路基板上に実装された電子部品と、上述したシールドケース固定構造によって電子部品を覆うように回路基板に固定されたシールドケースとを備える。
本発明のシールドケース固定構造によれば、上記式(1)に示すように所定温度での粘度が互いに異なる第1の接着剤及び第2の接着剤を用いてシールドケースを基板に固定する際に、その所定温度での変位量が小さい(粘度が高い)方の第1の接着剤が固着される部位において、上記式(2)で表されるように、シールドケースと基板との距離L1が、第2の接着剤が固着される部位におけるシールドケースと基板との距離L2よりも予め大きくされている。これにより、第2の接着剤が固着される部位においてのみシールドケースと基板が近接することに起因してシールドケースが傾いてしまったり、浮いてしまうことを有効に防止することができ、その結果、固定後のシールドケースの高さにばらつきが生じてしまうことを抑止して、製品内及び製品間で製品高さの均一化を図ることが可能となる。
本発明によるシールドケース固定構造及び電子装置に係る第1実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。 (A)は、図1に示す電子装置の正面図であり、(B)は、本発明によるシールドケース固定構造及び電子装置に係る第2実施形態の正面図である。 (A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ、本発明によるシールドケース固定構造及び電子装置に係る第3、第4、第5、及び第6実施形態の一部を拡大して示す正面図である。 (A)及び(B)は、従来のシールドケース固定構造の一例を模式的に示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。またさらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるシールドケース固定構造及び電子装置に係る第1実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。電子装置1は、電子部品8が実装された回路基板120上に、電子部品8を覆うようにシールドケース10が固定されたものである。なお、電子部品8の種類は特に制限されず、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)のように動作周波数が非常に高いデジタルIC、F-RomやSDRAM等のメモリ系IC、高周波増幅器やアンテナスイッチ、高周波発振回路といったアナログIC等の能動素子や、バリスタ、抵抗、コンデンサ、線路等の受動素子等が挙げられる。
シールドケース10は、略箱型形状をなし、その長辺壁11及び短辺壁12には、切り欠きT1(第1の切り欠き)が形成されており、それらの壁端(シールドケース10の開口の周端)が回路基板120の上面120aに対向した状態で固定設置されている。より具体的には、シールドケース10と回路基板120は、切り欠きT1が形成された部位において、熱硬化性樹脂又はその樹脂組成物からなる熱硬化性接着剤S1(第1の接着剤)を介して互いに接合されており、切り欠きT1が形成されていない部位において、半田等の導電性接着剤S2(第2の接着剤)を介して互いに接合されている。なお、図1においては、紙面奥側に位置する長辺壁11及び短辺壁12に設けられた切り欠きT1、並びに、熱硬化性接着剤S1及び導電性接着剤S2の図示を省略した。
ここで、熱硬化性接着剤S1に用いられる熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルベンジルエーテル化合物樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネートエステル系樹脂、ポリイミド、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらを単独また は複数組み合わせて使用することができる。また、それらの樹脂組成物には、例えば、ゴム成分、無機フィラー(繊維を含む)、酸化物粉末等の適宜の添加剤、更には、他の添加助剤等を含めてもよい。
さらに、熱硬化性接着剤S1と導電性接着剤S2は、下記式(1);
ρ1>ρ2 …(1)、
で表される関係を満たすものである。ここで、ρ1は、所定温度における熱硬化性接着剤S1の粘度(絶対粘度:以下同様)を示し、ρ2は、その同じ所定温度における導電性接着剤S2の粘度を示す。例えば、熱硬化性接着剤S1の粘度ρ1としては、数十〜数百Pa・s程度が挙げられ、導電性接着剤S2の粘度ρ2としては、1Pa・sオーダー以下程度が挙げられる。
ここで、図2(A)は、図1に示す電子装置1の正面図である。なお、図2(A)においては、図示の都合上、長辺壁11の延在長方向を縮小して示す。同図に示す如く、熱硬化性接着剤S1が被着される部位に設けられた切り欠きT1は、正面視において略台形状をなすように成形されており、シールドケース10の長辺壁11における導電性接着剤S2が被着される部位Aは、回路基板120の上面120aと平行に形成されている。
また、その部位Aと、回路基板120の上面120aにおける熱硬化性接着剤S1が被着される部位Bとの距離L1は、シールドケース10の長辺壁11における導電性接着剤S2が被着される部位Cと、回路基板120の上面120aにおける導電性接着剤S2が被着される部位Dとの距離L2(本実施形態では、実質的にゼロ)よりも大きくされている。この寸法の大小関係は、シールドケース10の短辺壁12においても同様である。すなわち、電子装置1では、下記式(2);
L1>L2 …(2)、
で表される関係が成立している。
ここで、L1−L2の値(本実施形態では略切り欠きT1の深さ相応する)は、例えば、予め計測された、導電性接着剤S2の溶融温度MP(所定温度)に曝されたときの熱硬化性接着剤S1の寸法、つまり、その温度条件下における熱硬化性接着剤S1の自立高さHに基づいて決定される。
このシールドケース10を回路基板120に固定するには、例えば、まず、回路基板120の上面120aの図示所定位置に未硬化の熱硬化性接着剤S1と導電性接着剤S2の溜まりを被着させ、そこにシールドケース10を覆い被せてシールドケース10の長辺壁11及び短辺壁12の壁端(縁端)を導電性接着剤S2に当接させる。このとき、シールドケース10の長辺壁11及び短辺壁12には切り欠きT1が形成されて上記式(2)の関係が成立しているので、熱硬化性接着剤S1とシールドケース10の長辺壁11及び短辺壁12はとの間には、当接もしくは、若干のギャップが生じ得る。
次に、それを例えば導電性接着剤S2の溶融温度MP(所定温度)に所定時間加熱してから冷却する。これにより、導電性接着剤S2が一旦軟化・溶融(粘度ρ2)するので、熱硬化性接着剤S2が被着された部位では、シールドケース10が回路基板120側に沈み込んで固着される。一方、熱硬化性接着剤S1が被着された部位では、シールドケース10が熱硬化性接着剤S1に影響を受けることなく当接し、熱硬化されてシールドケース10が固着される。したがって、シールドケース10は、全体的に回路基板120側に傾いたり浮いたりすることなく固定されるので、電子装置1の製品高さにばらつきが生じることを防止することができる。
また、シールドケース10の長辺壁11及び短辺壁12に切り欠きT1が形成されているので、比較的粘度が高い熱硬化性接着剤S1がシールドケース10で押圧されて変形しても、その被着部位からはみ出したり溢れ出したりすることを有効に抑止することが可能である。
さらに、導電性接着剤S2が溶融した場合に、それが被着された部位C,Dにおけるシールドケース10の回路基板120側への沈み込み量(両者の相対的な移動量)が最大となるところ、L1−L2の値(切り欠きT1の深さ)が、予め計測された導電性接着剤S2の溶融温度条件下における熱硬化性接着剤S1の自立高さHに基づいて決定されているので、シールドケース10の傾きや浮きをより確実に抑制することができる。
(第2実施形態)
図2(B)は、本発明によるシールドケース固定構造及び電子装置に係る第2実施形態の正面図である。電子装置2は、シールドケース10の代わりにシールドケース20が設けられ、且つ、回路基板120の代わりに回路基板220が用いられていること以外は、図1及び図2(A)に示す電子装置1と同様に構成されたものである。
シールドケース20の長辺壁21及び短辺壁22において熱硬化性接着剤S1が被着される部位には、熱硬化性接着剤S1に向かって突設された凸部23が形成されており、その端部には切り欠きT1と同等の切り欠きT2(第1の切り欠き)が形成されている。また、回路基板220には、シールドケース20の凸部23が嵌合される相補形状の凹部である切り欠き222(第2の切り欠き)が形成されている。
この電子装置2においても、シールドケース20の長辺壁21及び短辺壁22における熱硬化性接着剤S1が被着される部位Aと、回路基板220の上面220aにおける熱硬化性接着剤S1が被着される部位Bとの距離L1は、シールドケース20の長辺壁21及び短辺壁22における導電性接着剤S2が被着される部位Cと、回路基板220の上面220aにおける導電性接着剤S2が被着される部位Dとの距離L2(本実施形態でも実質的にゼロ)よりも大きくされている。すなわち、電子装置2においても、上記式(2)で表される関係が満たされている。
このように構成された電子装置2では、上述した電子装置1と同様の作用効果(ここでの重複した説明は省略する)に加え、シールドケース20に形成された凸部23と回路基板220に形成された切り欠き222が嵌合するので、シールドケース20の回路基板220への搭載時、及び、その後の熱印加工程における、シールドケース20と回路基板220の相対的な位置ずれの発生を更に効果的に抑制することができる。また、切り欠き222が形成されていることにより、熱硬化性接着剤S1がシールドケース20で押圧されて変形しても、その被着部位からはみ出したり溢れ出したりし得る熱硬化性接着剤S1が、回路基板220の上面220aに拡がることをより確実に抑えることが可能となる。
(第3〜第6実施形態)
図3(A)、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ、本発明によるシールドケース固定構造及び電子装置に係る第3、第4、第5、及び第6実施形態の一部を拡大して示す正面図であり、図1及び図2(A)に示す電子装置1のシールドケース10に形成された切り欠きの他の形状の例を示す図である。
図3(A)に示す切り欠きT3(第1の切り欠き)は、図2(A)に示す切り欠きT1の底壁に、熱硬化性接着剤S1側に突設された凸部33が設けられた形状を有し、凸部33の両側に相対的に凹んだ耳部43,43が画成されている。シールドケース10の長辺壁11における導電性接着剤S1が被着される部位Aである凸部33の凸辺は、回路基板120の上面120aと平行に形成されている。
また、図3(B)に示す切り欠きT4(第1の切り欠き)は、図2(A)に示す切り欠きT1の底壁に、熱硬化性接着剤S1側に突設された凸部34が設けられた形状を有し、凸部34の両側に相対的に凹んだ耳部44,44が画成されている。シールドケース10の長辺壁11における導電性性接着剤S1が被着される部位Aである凸部34の凸辺は、なだらかに湾曲している。
さらに、図3(C)に示す切り欠きT5(第1の切り欠き)は、図2(A)に示す切り欠きT1の底壁に、熱硬化性接着剤S1側に突設された凸部35が設けられた形状を有し、凸部35の両側に相対的に凹んだ耳部45,45が画成されている。シールドケース10の長辺壁11における導電性性接着剤S1が被着される部位Aである凸部35の凸辺は、上記図3(B)に示す凸部34よりもやや大きな曲率で湾曲している。
さらに、図3(D)に示す切り欠きT6(第1の切り欠き)は、図2(A)に示す切り欠きT1の底壁に、熱硬化性接着剤S1側に突設された凸部36が設けられた形状を有し、凸部36の両側に相対的に凹んだ耳部46,46が画成されている。シールドケース10の長辺壁11における導電性性接着剤S1が被着される部位Aである凸部35の凸辺は、その中心点付近において鋭角に屈曲され尖塔状をなしている。
このように形成された凸部34〜36は、熱硬化性接着剤S1に当接してそれを押圧した状態で硬化され、熱硬化性接着剤S1に陥入してアンカーとして機能し得るので、シールドケース10と熱硬化性接着剤S1との固着力が一層高められ、これにより、シールドケース10と回路基板120に相対的な位置ずれが発生してしまうことを十分に抑止することができる。この点において、シールドケースに形成される凸部は、熱硬化性接着剤S1に陥入し易い部分を有していることが好ましい。
また、これらの各実施形態の電子装置においても、シールドケース10の長辺壁11及び短辺壁12における熱硬化性接着剤S1が被着される部位Aと、回路基板120の上面120aにおける熱硬化性接着剤S1が被着される部位Bとの距離L1は、シールドケース10の長辺壁11及び短辺壁12における導電性接着剤S2が被着される部位Cと、回路基板120の上面120aにおける導電性接着剤S2が被着される部位Dとの距離L2(図2(A)参照;本各実施形態でも実質的にゼロ)よりも大きくされている。すなわち、これらの電子装置においても、上記式(2)で表される関係が満たされており、上述した電子装置1と同様の作用効果が奏される(ここでの重複した説明は省略する)。
また、各切り欠きT3〜T6の内側に耳部43〜46が画成されていることにより、シールドケース10に押圧された熱硬化性接着剤S1の一部がそこに逃げるよう移動するので、その被着部位からはみ出したり溢れ出したりし得る熱硬化性接着剤S1が、切り欠きT3〜T6から回路基板120の上面120aに拡がることを更に確実に抑制することができる。
なお、上述したとおり、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、電子装置1の回路基板120において、シールドケース10の切り欠きT1に対向する部位に切り欠き(第2の切り欠き)を設けてもよく、この場合、電子装置2のシールドケース20に突設されているような凸部23を形成してもしなくてもよい。また、シールドケース10,20、及び/又は、回路基板120,220における導電性接着剤S2が被着される部位C,Dにも、切り欠き(それぞれ、第3の切り欠き、及び、第4の切り欠き)が形成されていてもよい。
さらに、そのような導電性接着剤S2が軟化・溶融したときの変形を吸収し得る切り欠きや凹部を、導電性接着剤S2が被着される部位の周辺に設けてもよい。またさらに、切り欠きT1〜T6や他の切り欠きは、台形状やそれに近い矩形状に限らず、例えば、半円、半楕円、一部円等の形状であってもよい。或いは、シールドケース10,20及び回路基板120,220における部位A、B、C、及びDは、製作上の制限がなければ、例えば、櫛歯状に形成されていてもよい。加えて、シールドケース10,20は、断面矩形の箱型でなくてもよく、他の任意の断面形状のものであってもよく、さらに、底壁(設置状態において天壁)や側壁が板状に閉じていなくてもよく、例えば、メッシュ状であっても構わない。また、第1の接着剤及び第2の接着剤は、それぞれ熱硬化性接着剤S1及び導電性接着剤S2に限定されず、所定温度における両者の粘度が異なるものであれば、本発明を好適に適用することが可能である。
以上説明したとおり、本発明のシールドケース固定構造及びそれを備える電子装置によれば、使用される第1の接着剤及び第2の接着剤が式(1)で表される関係を満たし、且つ、シールドケース及び回路基板が、上記式(2)で表される関係を満足するので、回路基板にシールドケースを固定する際に、その高さにばらつきが生じてしまうことを防止し、製品内及び製品間で製品寸法の均一化を図ることが可能であるので、種々の電子部品、殊に高周波で動作する電子部品が搭載された回路基板のシールド全般、及び、電子装置、モジュール、機器、設備、システム、並びに、それらの製造や運転に、広く且つ有効に利用することができる。
1,2…電子装置(本発明によるシールドケース固定構造を備える)、8…電子部品、10,20…シールドケース、11,21…長辺壁、12,22…短辺壁、23,33,34,35,36…凸部、43,44,45,46…耳部、100,200…電子装置(従来)、110,210…シールドケース、111,211…側壁、120,220…回路基板、120a,220a…上面、202…凸状脚部、221…切り欠き、222…切り欠き(第2の切り欠き)、A,B,C,D…部位、S1…熱硬化性接着剤(第1の接着剤)、S2…導電性接着剤(第2の接着剤)、T1,T2,T3,T4,T5,T6…切り欠き(第1の切り欠き)。

Claims (5)

  1. 回路基板上に実装された電子部品を覆うように、第1の接着剤及び第2の接着剤を用いて前記回路基板に固定されたシールドケースを備える構造であって、
    前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤は、下記式(1);
    ρ1>ρ2 …(1)、
    ρ1:所定温度における前記第1の接着剤の粘度、
    ρ2:所定温度における前記第2の接着剤の粘度、
    で表される関係を満たすものであり、
    前記シールドケースは、該シールドケースが前記回路基板上に載置された状態において、下記式(2);
    L1>L2 …(2)、
    L1:前記シールドケースにおける前記第1の接着剤が被着される部位と前記回路基板における前記第1の接着剤が被着される部位との距離、
    L2:前記シールドケースにおける前記第2の接着剤が被着される部位と前記回路基板における前記第2の接着剤が被着される部位との距離、
    で表される関係を満たすものである、
    シールドケース固定構造。
  2. 前記シールドケースにおける前記第1の接着剤が被着される部位に形成された第1の切り欠き、及び/又は、前記回路基板における前記第1の接着剤が被着される部位に形成された第2の切り欠きを有する、
    請求項1記載のシールドケース固定構造。
  3. 前記シールドケースにおける前記第2の接着剤が被着される部位に形成された第3の切り欠き、及び/又は、前記回路基板における前記第2の接着剤が被着される部位に形成された第4の切り欠きを有する、
    請求項2記載のシールドケース固定構造。
  4. 前記シールドケースにおける前記第1の接着剤が被着される部位、及び/又は、前記回路基板における前記第1の接着剤が被着される部位に、前記第1の接着剤に向かって突設された凸部を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項記載のシールドケース固定構造。
  5. 回路基板と、
    前記回路基板上に実装された電子部品と、
    請求項1〜4のいずれか1項記載のシールドケース固定構造によって前記電子部品を覆うように前記回路基板に固定されたシールドケースと、
    を備える電子装置。
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