JP2012237427A - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転中における潤滑材の攪拌抵抗を低減させることで、低トルク化を容易に図る。
【解決手段】 二枚の環状体10の対向面11に玉を収容する半球状のポケット12を周方向の複数箇所に形成し、その対向面11を衝合させて二枚の環状体10を結合させた保持器であって、対向面11を衝合させて二枚の環状体10を結合させる結合部をポケット12の周方向両端部に設けると共に、対向面11と反対側に位置する背面17を全周に亘って平坦状にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、玉を転動自在に保持する合成樹脂製の玉軸受用保持器、およびその保持器を外輪および内輪間に組み込んだ玉軸受に関する。
例えば、発動機を有する車両のトランスミッションのギヤ支持軸には、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受などの各種の密封型玉軸受が広く使用されている。
この種の玉軸受は、外径面に内側転走面が形成された内輪と、その内輪の外側に配置され、内径面に外側転走面が形成された外輪と、内輪の内側転走面と外輪の外側転走面との間に転動自在に介在された複数の玉と、内輪と外輪との間に配され、各玉を円周方向等間隔に保持する保持器と、内輪と外輪間に形成された環状空間に配されたシール部で主要部が構成されている。この外輪あるいは内輪のいずれか一方がハウジングなどの固定部分に装着され、他方が回転軸などの回転部分に装着される。
特に、電動車両やハイブリッド車両においては、高速のモータ回転が入力されるため、回転軸などの回転部分は高回転となる傾向にある。その結果、潤滑不足、トルク(発熱)、遠心力による保持器の変形などが問題となる。この潤滑不足やトルク(発熱)による保持器の変形に対しては保持器の形状を工夫することで解決することができ、また、軽量な合成樹脂製の保持器を使用することで遠心力による保持器の変形を抑制することが可能である。一方、自動車の電装補機部品(例えば、モータやオルタネータ等)として使用される玉軸受の場合、両側シールによる密封状態で使用されるため、グリース等の潤滑材の使用が必須となる。
このように遠心力による保持器の変形を抑制することを目的とした軽量な合成樹脂製の保持器は種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された保持器は、円環状をなす主部と、その主部の軸方向片面に互いに間隔をあけて円周方向等配で一体的に突設された一対ずつの弾性片とで構成され、これら一対ずつの弾性片の間に凹設されて外径側と内径側とに開口したポケットを備え、そのポケットで玉を転動自在に保持する冠形状を有する。
特開2007−32821号公報
ところで、特許文献1に開示された冠形状の保持器では、前述したように玉を片側のみから保持していることから、大きな遠心力が負荷された時に不均等な変形により玉がポケットから脱落したり、内外輪などの他部品と干渉する可能性がある。このような懸念を解消するため、保持器の形状を軸方向で対称とした保持器が種々提案されている。この保持器は、一対の環状体を互いに軸方向に結合させた構造を備え、軸方向に向き合う二枚の環状体の対向面に玉を収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に形成し、その対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させたものである。
この種の保持器では、前述の特許文献1に開示された保持器と同様、ポケットが形成された対向面と反対側の背面に凹溝状の肉ぬすみ部を円周方向に沿って設けた構造を備えている。この肉ぬすみ部は、肉厚不均等による変形を抑制するために保持器各部位の肉厚を均等に近くすることや、保持器の軽量化などの理由により設けられたものである。
しかしながら、保持器の背面に肉ぬすみ部を設けた構造の場合、その保持器の回転中、軸受内部に充填された潤滑材が保持器の背面の肉ぬすみ部に入り込むことになる。これにより、潤滑材の攪拌抵抗が大きくなったり、保持器にアンバランスな力が作用し、滑らかな回転に影響を与える可能性がある。特に、高速回転時には、潤滑材の攪拌抵抗が大きくなることで、保持器と玉との間に発生するトルク(発熱)を低減させることが困難となる。これは、自動車用途の玉軸受において、燃費向上などの環境問題からも低トルク化が求められている近年では大きな問題となっている。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、回転中における潤滑材の攪拌抵抗を低減させることで低トルク化を容易に図り得る玉軸受用保持器および玉軸受を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、軸方向に向き合う二枚の環状体の対向面に玉を収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に形成し、その対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させた玉軸受用保持器であって、対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させる結合部をポケットの周方向両端部に設けると共に、その対向面と反対側に位置する背面を全周に亘って平坦状にしたことを特徴とする。なお、本発明における環状体は、保持器の軽量化が図れる点で合成樹脂製であることが有効である。
本発明では、ポケットの周方向両端部に設けられた結合部により二枚の環状体を結合させるために衝合する対向面と反対側に位置する背面を全周に亘って平坦状にしたことにより、従来のような肉ぬすみ部を設けないことから、回転中における潤滑材の攪拌抵抗が大きくなることはない。その結果、保持器と玉との間に発生するトルク(発熱)を低減させることが容易となる。
本発明における結合部は、一方の環状体のポケットの周方向端部外径側を軸方向に延出させて外径側凸部を形成してその内周面を玉と当接可能にすると共に内径側を凹ませて内径側凹部を形成し、かつ、他方の環状体のポケットの周方向端部内径側を軸方向に延出させて内径側凸部を形成してその内周面を玉と当接可能にすると共に外径側を凹ませて外径側凹部を形成し、外径側凸部を外径側凹部に挿入すると共に内径側凸部を内径側凹部に挿入することにより外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させ、外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させた構造が望ましい。
本発明では、外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させることにより、その外径側凸部と内径側凸部との係合面に沿って摩擦力が発生する。また、外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させたことにより、外径側凸部と内径側凸部との係合面の法線方向に発生した反力の軸方向成分が現出する。この外径側凸部と内径側凸部との係合面に沿って発生する摩擦力と、その係合面の法線方向に発生する反力の軸方向成分との相乗作用により、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体が軸方向に分離することを確実に防止することができる。
本発明における結合部は、外径側凸部と内径側凸部との係合面の傾斜角度を5°以上とすることが望ましい。このように傾斜角度を設定すれば、高回転により大きな遠心力が負荷された時の係合面の変形を抑制することが容易となり、係合面に反力の軸方向成分を確実に作用させることができ、二枚の環状体の結合力を確保することが容易となる。なお、係合面の傾斜角度が5°よりも小さいと、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、係合面の変形を抑制することが困難となり、係合面に反力の軸方向成分を確実に作用させることが難しくなる。
本発明における結合部は、内径側凸部を外径側凸部よりも厚肉にした構造が望ましい。このようにすれば、高回転により大きな遠心力が負荷された際、外径側凸部よりも厚肉にした内径側凸部の質量が外径側凸部よりも大きいことから、その内径側凸部が外径側凸部よりも大きく変形する。ここで、外径側凸部と内径側凸部との係合面は、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜していることから、内径側凸部の変形は、外径側凸部と内径側凸部との係合面での結合力を高めるように作用する。
本発明における結合部は、ポケットの一方の周方向端部に外径側凸部および内径側凹部を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部および外径側凹部を形成した構造が望ましい。このような構造にすれば、一つの金型で製作した一種の環状体を使用して一方の環状体と他方の環状体とすることができ、製品コストの低減が図れる。
本発明において、ポケットの周方向すきまを軸方向すきまよりも大きくすることが望ましい。このようにすれば、大きなモーメント荷重を受けた場合であっても、ポケット内での玉の周方向進み遅れを吸収することができ、保持器の耐久性を向上させることができる。この場合、ポケットの周方向すきまを軸方向すきまの1.38倍以上とすることが望ましい。このようにすれば、大きなモーメント荷重下で、ポケット内での玉の周方向進み遅れを確実に吸収することができる。なお、ポケットの周方向すきまが軸方向すきまの1.38倍よりも小さいと、ポケット内での玉の周方向進み遅れを確実に吸収することが困難となる。
以上の構成を具備した保持器に、互いに相対回転する外輪および内輪と、外輪と内輪との間に介在する玉とを付加すれば、玉軸受を構成することができる。特に、本発明は、内輪と外輪間に形成された環状空間に配され、弾性部材からなるシールリップを有するシール部を備えた密封型玉軸受に有効である。
本発明によれば、ポケットの周方向両端部に設けられた結合部により二枚の環状体を結合させるために衝合する対向面と反対側に位置する背面を全周に亘って平坦状にしたことにより、従来のような肉ぬすみ部を設けないことから、回転中における潤滑材の攪拌抵抗が大きくなることはないので、保持器と玉との間に発生するトルク(発熱)を低減させることが容易となる。
その結果、回転中における潤滑材の攪拌抵抗を低減させることで低トルク化を容易に図り得る玉軸受用保持器を提供することができ、電動車両やハイブリッド車両において使用される高回転軸受に好適な自動車用途の玉軸受を提供できる。
本発明の実施形態で、保持器を構成する二枚の環状体を示す組立分解斜視図である。 図1の保持器を構成する二枚の環状体を示す組立完了斜視図である。 結合前の二枚の環状体を示す部分展開図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 結合後の二枚の環状体を示す部分展開図である。 図6のC−C線に沿う断面図である。 図6のD−D線に沿う断面図である。 本発明の実施形態で、図1の保持器を組み込んだ密封型玉軸受を示す断面図である。
本発明に係る玉軸受用保持器および玉軸受の実施形態を以下に詳述する。なお、以下の実施形態では、保持器を密封型玉軸受に適用した場合について説明するが、密封型ではない玉軸受にも適用可能である。
この実施形態の玉軸受1は、図9に示すように、外径面に内側転走面2aが形成された内輪2と、その内輪2の外側に配置され、内径面に外側転走面3aが形成された外輪3と、内輪2の内側転走面2aと外輪3の外側転走面3aとの間に転動自在に介在された複数の玉4と、内輪2と外輪3との間に配され、各玉4を円周方向等間隔に保持する保持器5と、内輪2と外輪3間に形成された環状空間6に配され、弾性部材からなるシールリップを有するシール部7とで主要部が構成されている。
この実施形態では、外輪3がハウジングなどの固定部分に装着され、内輪2が回転軸などの回転部分に装着される。シール部7は、芯金8aに一体的に加硫接着されたゴム等の弾性部材からなるシール部材8bで構成され、そのシール部材8bは基端部が固定側である外輪3の内径端部に装着され、先端部に内輪2の外径端部に接触するシールリップ8cを有する。なお、この実施形態では内輪回転タイプを例示しているが、内輪2がハウジングなどの固定部分に装着され、外輪3が回転軸などの回転部分に装着された外輪回転タイプにも適用可能である。
この玉軸受1は、電動車両やハイブリッド車両において使用される高回転軸受として好適であり、潤滑不足、トルク(発熱)、遠心力による保持器5の変形を抑制することを目的とした軽量な合成樹脂製の保持器5を備えている。
この保持器5は、図1および図2に示すように、軸方向に向き合う二枚の環状体10の対向面11に玉4(図9参照)を収容する半球状のポケット12を周方向の複数箇所に形成し、環状体10のそれぞれの対向面11を衝合させて二枚の環状体10を結合させた対称形状を有する。それぞれの環状体10について、対向面11と反対側に位置する背面17を全周に亘って平坦状としている。このように平坦状の背面17とすることにより、従来のような肉ぬすみ部を設けないことから、回転中における潤滑材の攪拌抵抗が大きくなることはない。その結果、保持器5と玉4との間に発生するトルク(発熱)を低減させることが容易となる。また、保持器5自体の強度を確保する上でも有効である。
この実施形態の保持器5は、これら二枚の環状体10を結合させる結合部18として、以下の構造を具備する。
図3は結合前の二枚の環状体10を示し、図4は図3のA−A線に沿う断面で、図5は図3のB−B線に沿う断面である。同図に示すように、二枚の環状体10のそれぞれは、ポケット12の一方の周方向端部の外径側を軸方向に延出させて外径側凸部13を形成すると共に内径側を凹ませて内径側凹部14を形成し、かつ、ポケット12の他方の周方向端部の内径側を軸方向に延出させて内径側凸部15を形成すると共に外径側を凹ませて外径側凹部16を形成する。
このように、二枚の環状体10のそれぞれで、ポケット12の一方の周方向端部に外径側凸部13および内径側凹部14を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部15および外径側凹部16を形成した構造を採用したことにより、一つの金型で製作した一種の環状体10を使用して一方の環状体10と他方の環状体10とすることができ、製品コストの低減が図れる。
この構造において、一方の環状体10の外径側凸部13を他方の環状体10の外径側凹部16に挿入すると共に一方の環状体10の内径側凸部15を他方の環状体10の内径側凹部14に挿入することにより、外径側凸部13と内径側凸部15を軸方向で係合させる。また、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aを、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させている(図4および図5参照)。
図6は結合後の二枚の環状体10を示し、図7は図6のC−C線に沿う断面で、図8は図6のD−D線に沿う断面である。同図に示すように、二枚の環状体10のそれぞれの対向面11を衝合させ、外径側凸部13と内径側凸部15を所定の締め代でもって軸方向で係合させることにより、その外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aに沿って摩擦力が発生する。また、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aを、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させたことにより、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aの法線方向に発生した反力の軸方向成分が現出する。
この外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aに沿って発生する摩擦力と、その係合面13a,15aの法線方向に発生する反力の軸方向成分との相乗作用により、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体10が軸方向に分離することを確実に防止することができる。
このように、環状体10のポケット12の周方向両端部に、外径側凸部13および内径側凹部14と内径側凸部15および外径側凹部16からなる結合部18を設けたことにより、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、一方の環状体10と他方の環状体10が相互に軸方向外側へ離隔してポケット12が開こうとしても、前述の結合部18により玉4をポケット12内に収容した状態を維持することが容易となる(図6参照)。
この実施形態では、外径側凸部13と内径側凸部15とを全てのポケット12の周方向両端部に形成した場合を例示しているが、外径側凸部13と内径側凸部15とは三つ以上のポケット12の周方向両端部に形成すればよい。このように外径側凸部13と内径側凸部15とを三つ以上のポケット12の周方向両端部に形成すれば、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aでの結合力を確保することが容易となって二枚の環状体10が軸方向に分離することを未然に防止することができる。なお、外径側凸部13と内径側凸部15とを一つあるいは二つのポケット12の周方向両端部に形成するだけでは、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aでの結合力を確保することが困難となる。
この実施形態の結合部18では、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aの傾斜角度θ(図4および図5参照)を5°以上とする必要がある。このように傾斜角度θを設定することにより、高回転により大きな遠心力が負荷された時の係合面13a,15aの変形を抑制することが容易となり、係合面13a,15aに反力の軸方向成分を確実に作用させることができて二枚の環状体10の結合力を確保することが容易となる。なお、係合面13a,15aの傾斜角度θが5°よりも小さいと、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、係合面13a,15aの変形を抑制することが困難となり、係合面13a,15aに反力の軸方向成分を確実に作用させることが難しくなる。
また、この結合部18では、図7および図8に示すように、内径側凸部15を外径側凸部13よりも厚肉にしている(tIN>tOUT)。このように内径側凸部15を外径側凸部13よりも厚肉にすることにより、高回転により大きな遠心力が負荷された際、外径側凸部13よりも厚肉にした内径側凸部15の質量が外径側凸部13よりも大きいことから、その内径側凸部15が外径側凸部13よりも大きく変形する。
ここで、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aは、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜していることから、内径側凸部15の変形は、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aでの結合力を高めるように作用する。
一方、玉軸受1はオイル潤滑を前提としていることから、油膜の剪断抵抗を低減させるためにポケットすきまを確保する必要がある。この実施形態の保持器5では、図6に示すように、玉4に対するポケット12の周方向すきまmを軸方向すきまnよりも大きくしている。このようにポケット12の周方向すきまmを軸方向すきまnよりも大きくすることにより、大きなモーメント荷重を受ける環境下で玉軸受1を使用した場合、玉軸受1の接触角が傾くことによりポケット12内での玉4の周方向進み遅れが発生しようとしても、その玉4の進み遅れを周方向すきまmで吸収することができ、保持器5に不所望な引張荷重が作用しないので保持器5の耐久性を向上させることができる。
この場合、ポケット12の周方向すきまmを軸方向すきまnの1.38倍以上とすることが有効である。このように設定することにより、大きなモーメント荷重下で、ポケット12内での玉4の周方向進み遅れを周方向すきまmにより確実に吸収することができる。なお、ポケット12の周方向すきまmが軸方向すきまnの1.38倍よりも小さいと、ポケット12内での玉4の周方向進み遅れを周方向すきまmにより確実に吸収することが困難となる。また、軸方向すきまnを大きくすると、玉4の挙動が不安定となるために不適である。
以上で説明した二枚の環状体10は、保持器5の軽量化が図れる点で合成樹脂製としている。ここで、コスト面や耐油性の点を考慮すれば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA66(ポリアミド66)あるいはPA46(ポリアミド46)から選択されたいずれか一つの合成樹脂で成形することが有効である。例えば、使用油の中に樹脂攻撃性の成分(リン、硫黄)が多く含まれている場合には、耐油性の優劣がPPS>PA46>PA66であることから、PPSを使用することが好ましい。また、樹脂材料の価格を考慮すれば、PA66>PA46>PPSであることから、使用油の樹脂攻撃性を考慮した上で材料を選定することが望ましい。なお、その他の樹脂材料としては、PA9T(ポリアミド9T)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPA(ポリフタルアミド)、PAI(ポリアミドイミド)やフェノール樹脂を使用することが可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 玉軸受
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 保持器
6 環状空間
7 シール部
8c シールリップ
10 環状体
11 対向面
12 ポケット
13 外径側凸部
13a 係合面
14 内径側凹部
15 内径側凸部
15a 係合面
16 外径側凹部
17 背面
θ 傾斜角度
m 周方向すきま
n 軸方向すきま

Claims (10)

  1. 軸方向に向き合う二枚の環状体の対向面に玉を収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に形成し、前記対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させた玉軸受用保持器であって、前記対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させる結合部をポケットの周方向両端部に設けると共に、前記対向面と反対側に位置する背面を全周に亘って平坦状にしたことを特徴とする玉軸受用保持器。
  2. 前記結合部は、一方の環状体のポケットの周方向端部外径側を軸方向に延出させて外径側凸部を形成してその内周面を前記玉と当接可能にすると共に内径側を凹ませて内径側凹部を形成し、かつ、他方の環状体のポケットの周方向端部内径側を軸方向に延出させて内径側凸部を形成してその内周面を前記玉と当接可能にすると共に外径側を凹ませて外径側凹部を形成し、前記外径側凸部を外径側凹部に挿入すると共に前記内径側凸部を内径側凹部に挿入することにより前記外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させ、前記外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させた請求項1に記載の玉軸受用保持器。
  3. 前記結合部は、前記外径側凸部と前記内径側凸部との係合面の傾斜角度を5°以上とした請求項1又は2に記載の玉軸受用保持器。
  4. 前記結合部は、前記内径側凸部を前記外径側凸部よりも厚肉にした請求項1〜3のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  5. 前記結合部は、前記ポケットの一方の周方向端部に外径側凸部および内径側凹部を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部および外径側凹部を形成した請求項1〜4のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  6. 前記ポケットの周方向すきまを軸方向すきまよりも大きくした請求項1〜5のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  7. 前記ポケットの周方向すきまを軸方向すきまの1.38倍以上とした請求項1〜6のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  8. 前記環状体は合成樹脂製である請求項1〜7のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の保持器と、互いに相対回転する外輪および内輪と、前記外輪と内輪との間に介在する玉とを備えた玉軸受。
  10. 前記内輪と外輪間に形成された環状空間に配され、弾性部材からなるシールリップを有するシール部を備えた請求項9に記載の玉軸受。
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