JP2012102845A - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 玉による潤滑油の剪断抵抗を起因とするトルクを容易に低減させる。
【解決手段】 軸方向に向き合う二枚の環状体10の対向面に玉を収容する半球状のポケット12を周方向の複数箇所に形成し、隣接するポケット12間に位置する柱部11の対向面を衝合させて二枚の環状体10を結合させた玉軸受用保持器であって、環状体10の柱部11に、その軸方向に貫通する孔17を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 軸方向に向き合う二枚の環状体10の対向面に玉を収容する半球状のポケット12を周方向の複数箇所に形成し、隣接するポケット12間に位置する柱部11の対向面を衝合させて二枚の環状体10を結合させた玉軸受用保持器であって、環状体10の柱部11に、その軸方向に貫通する孔17を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、玉を転動自在に保持する合成樹脂製の玉軸受用保持器、およびその保持器を外輪および内輪間に組み込んだ玉軸受に関する。
例えば、発動機を有する車両のトランスミッションのギヤ支持軸には、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受などの各種の玉軸受が広く使用されている。
この種の玉軸受は、外径面に内側転走面が形成された内輪と、その内輪の外側に配置され、内径面に外側転走面が形成された外輪と、内輪の内側転走面と外輪の外側転走面との間に転動自在に介在された複数の玉と、内輪と外輪との間に配され、各玉を円周方向等間隔に保持する保持器とで主要部が構成されている。この外輪あるいは内輪のいずれか一方がハウジングなどの固定部分に装着され、他方が回転軸などの回転部分に装着される。
特に、電動車両やハイブリッド車両においては、高速のモータ回転が入力されるため、回転軸などの回転部分は高回転となる傾向にある。その結果、潤滑不足、トルク(発熱)、遠心力による保持器の変形などが問題となる。この潤滑不足やトルク(発熱)による保持器の変形に対しては保持器の形状を工夫することで解決することができ、また、軽量な合成樹脂製の保持器を使用することで遠心力による保持器の変形を抑制することが可能である。
このように遠心力による保持器の変形を抑制することを目的とした軽量の合成樹脂製の保持器は種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された保持器は、円環状をなす主部と、その主部の軸方向片面に互いに間隔をあけて円周方向等配で一体的に突設された一対ずつの弾性片とで構成され、これら一対ずつの弾性片の間に凹設されて外径側と内径側とに開口したポケットを備え、そのポケットで玉を転動自在に保持する冠形状を有する。このような冠形状の保持器では、玉を片側のみから保持しており、大きな遠心力を負荷した時に不均等な変形により玉がポケットから脱落したり、内外輪などの他部品と干渉する可能性がある。
このような懸念を解消するため、軸方向で対称な形状を有する保持器が種々提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示された保持器は、一対の環状体を互いに軸方向に結合させた構造を備え、円環状の基部と、その基部から等間隔で立設する柱部とが一体に成形されており、環状体同士を一方の柱部が他方の柱部間の中間点に位置するように対向させ、隣接する柱部間で玉を保持するためのポケットを形成するように結合させたものである。
近年、自動車用途の玉軸受においては、燃費向上などの環境問題からもトルク低減が求められている。油浴潤滑下で使用される玉軸受におけるトルクの中で、保持器と玉との間で発生するトルクは、玉による潤滑油の剪断抵抗が多くの割合を占めている。また、その剪断抵抗のほとんどがポケットの内面とそのポケットに収容された玉との間に形成された油膜を剪断する時に発生するものである。
ところで、軸方向で対称な形状を有する特許文献2の保持器では、その保持器を組み込んだ玉軸受の内部を潤滑油が通過する時、内輪の外径と保持器との間、外輪の内径と保持器との間から、保持器のポケット内の玉に向けて潤滑油が流れ込むため、その潤滑油の剪断抵抗が大きくなり、その剪断抵抗により軸受のトルク(発熱)が大きくなる。また、保持器のポケットの内周面が、玉の外径形状に沿うような単一の曲面で形成されている場合、ポケットの内周面と玉の外周面との間の微小な隙間を潤滑油が通過しようとするために抵抗が発生し、その抵抗が軸受のトルクを大きくする一つの要因となっている。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、玉による潤滑油の剪断抵抗を起因とするトルクを容易に低減させ得る玉軸受用保持器および玉軸受を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、軸方向に向き合う二枚の環状体の対向面に玉を収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に形成し、隣接するポケット間に位置する柱部の対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させた玉軸受用保持器であって、環状体の柱部に、その軸方向に貫通する孔を設けたことを特徴とする。
本発明では、環状体の柱部にその軸方向に貫通する孔を設けたことにより、軸受内部を潤滑油が通過する時、柱部の孔にも潤滑油が通過するようになることから、内輪の外径と保持器との間、外輪の内径と保持器との間から、保持器のポケット内の玉に向けて流れ込む潤滑油の量を低減させることができるので、その潤滑油の剪断抵抗を小さくすることができる。
また、本発明では、環状体のポケットの内周面に凹部を設けた構造が望ましい。このような構造とすれば、ポケットの内周面における玉との接触面積を低減することができるので、玉とポケットの内周面との間に形成される油膜量を少なくすることができる。玉の転動時に剪断する油膜量が少なくなることから、玉による潤滑油の剪断抵抗をより一層低減することが可能となる。
さらに、本発明では、環状体の軸方向端部に、径方向に延びる鍔部を設けた構造が望ましい。このような構造とすれば、軸受内外輪の鍔部と対応する部位との間にラビリンスを形成することができ、保持器の鍔部と軸受内外輪との間に形成されたラビリンスにより軸受内部に流入する潤滑油の量を低減させることができるので、その潤滑油の剪断抵抗をより一層小さくすることができる。
本発明における保持器は、一方の環状体のポケットの周方向端部外径側を軸方向に延出させて外径側凸部を形成してその内周面を転動体と当接可能にすると共に内径側を凹ませて内径側凹部を形成し、かつ、他方の環状体のポケットの周方向端部内径側を軸方向に延出させて内径側凸部を形成してその内周面を転動体と当接可能にすると共に外径側を凹ませて外径側凹部を形成し、外径側凸部を外径側凹部に挿入すると共に内径側凸部を内径側凹部に挿入することにより外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させ、外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させた構造が望ましい。
このようにすれば、外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させることにより、その外径側凸部と内径側凸部との係合面に沿って摩擦力が発生する。また、外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させたことにより、外径側凸部と内径側凸部との係合面の法線方向に発生した反力の軸方向成分が現出する。この外径側凸部と内径側凸部との係合面に沿って発生する摩擦力と、その係合面の法線方向に発生する反力の軸方向成分との相乗作用により、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体が軸方向に分離することを確実に防止することができる。
本発明において、外径側凸部と内径側凸部との係合面の傾斜角度を5°以上とすることが望ましい。このように傾斜角度を設定すれば、高回転により大きな遠心力が負荷された時の係合面の変形を抑制することが容易となり、係合面に反力の軸方向成分を確実に作用させることができて二枚の環状体の結合力を確保することが容易となる。なお、係合面の傾斜角度が5°よりも小さいと、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、係合面の変形を抑制することが困難となり、係合面に反力の軸方向成分を確実に作用させることが難しくなる。
本発明において、内径側凸部を外径側凸部よりも厚肉にした構造が望ましい。このようにすれば、高回転により大きな遠心力が負荷された際、外径側凸部よりも厚肉にした内径側凸部の質量が外径側凸部よりも大きいことから、その内径側凸部が外径側凸部よりも大きく変形する。ここで、外径側凸部と内径側凸部との係合面は、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜していることから、内径側凸部の変形は、外径側凸部と内径側凸部との係合面での結合力を高めるように作用する。
本発明において、ポケットの一方の周方向端部に外径側凸部および内径側凹部を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部および外径側凹部を形成した構造が望ましい。このような構造にすれば、一つの金型で製作した一種の環状体を使用して一方の環状体と他方の環状体とすることができ、製品コストの低減が図れる。
なお、本発明における環状体は、保持器の軽量化が図れる点で合成樹脂製であることが有効である。この環状体を構成する合成樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂あるいはポリフェニレンサルファイド樹脂から選択されたいずれか一つが好適である。
以上の構成を具備した保持器に、互いに相対回転する外輪および内輪と、外輪と内輪との間に介在する玉とを付加すれば、玉軸受を構成することができる。
本発明によれば、環状体の柱部にその軸方向に貫通する孔を設けたことにより、軸受内部を潤滑油が通過する時、柱部の孔にも潤滑油が通過するようになることから、内輪の外径と保持器との間、外輪の内径と保持器との間から、保持器のポケット内の玉に向けて流れ込む潤滑油の量を低減させることができるので、その潤滑油の剪断抵抗を小さくすることができる。その結果、玉による潤滑油の剪断抵抗により保持器と玉との間に発生するトルクを低減させることが容易となる。これにより、近年における燃費向上などの環境問題に適合した自動車用途の玉軸受を容易に提供できる。
本発明に係る玉軸受用保持器および玉軸受の実施形態を以下に詳述する。なお、この実施形態の玉軸受は、特に、電動車両やハイブリッド車両において油浴潤滑下で使用される自動車用途の高回転軸受に好適である。
この実施形態の玉軸受1は、図9に示すように、外径面に内側転走面2aが形成された内輪2と、その内輪2の外側に配置され、内径面に外側転走面3aが形成された外輪3と、内輪2の内側転走面2aと外輪3の外側転走面3aとの間に転動自在に介在された複数の転動体である玉4と、内輪2と外輪3との間に配され、各玉4を円周方向等間隔に保持する保持器5とで主要部が構成されている。この内輪2あるいは外輪3のいずれか一方がハウジングなどの固定部分に装着され、他方が回転軸などの回転部分に装着される。
この玉軸受1は、高速回転下において遠心力による保持器5の変形を抑制することを目的として軽量の合成樹脂製の保持器5を備えている。この種の保持器5は、図1および図2に示すように、軸方向に向き合う二枚の環状体10の対向面に玉4(図9参照)を収容する半球状のポケット12を周方向の複数箇所に形成し、環状体10の隣接するポケット12間に位置する柱部11の対向面を衝合させて二枚の環状体10を結合させた対称形状を有する。なお、図1は二枚の環状体10を結合させる前の状態を示し、図2は二枚の環状体10を結合させた後の状態を示す。
二枚の環状体10のそれぞれは、隣接するポケット12間に位置する柱部11に、その軸方向に貫通する孔17を形成している。このように、環状体10の柱部11にその軸方向に貫通する孔17を設けたことにより、軸受内部を潤滑油が通過する時、柱部11の孔17にも潤滑油が通過するようになることから、内輪2(図9参照)の外径と保持器5との間、外輪3の内径と保持器5との間から、保持器5のポケット12内の玉4に向けて流れ込む潤滑油の量を低減させることができるので、その潤滑油の剪断抵抗を小さくすることができる。なお、この実施形態では、孔17の開口形状を円形としているが、他の形状として角形であってもよく、その開口形状は任意である。
この実施形態の保持器5は、以上で説明した二枚の環状体10を結合させるための手段として、以下の結合構造を具備する。
図3は結合前の二枚の環状体10を示し、図4は図3のA−A線に沿う断面で、図5は図3のB−B線に沿う断面である。同図に示すように、二枚の環状体10のそれぞれは、ポケット12の一方の周方向端部の外径側を軸方向に延出させて外径側凸部13を形成すると共に内径側を凹ませて内径側凹部14を形成し、かつ、ポケット12の他方の周方向端部の内径側を軸方向に延出させて内径側凸部15を形成すると共に外径側を凹ませて外径側凹部16を形成する。
このように、二枚の環状体10のそれぞれで、ポケット12の一方の周方向端部に外径側凸部13および内径側凹部14を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部15および外径側凹部16を形成した構造を採用したことにより、一つの金型で製作した一種の環状体10を使用して一方の環状体10と他方の環状体10とすることができ、製品コストの低減が図れる。
この構造において、一方の環状体10の外径側凸部13を他方の環状体10の外径側凹部16に挿入すると共に一方の環状体10の内径側凸部15を他方の環状体10の内径側凹部14に挿入することにより、外径側凸部13と内径側凸部15を軸方向で係合させる。また、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aを、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させている(図4および図5参照)。
図6は結合後の二枚の環状体10を示し、図7は図6のC−C線に沿う断面で、図8は図6のD−D線に沿う断面である。同図に示すように、二枚の環状体10のそれぞれの対向面11を衝合させ、外径側凸部13と内径側凸部15を所定の締め代でもって軸方向で係合させることにより、その外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aに沿って摩擦力が発生する。また、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aを、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させたことにより、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aの法線方向に発生した反力の軸方向成分が現出する。
この外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aに沿って発生する摩擦力と、その係合面13a,15aの法線方向に発生する反力の軸方向成分との相乗作用により、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体10が軸方向に分離することを確実に防止することができる。
このように、環状体10のポケット12の周方向両端部に、外径側凸部13および内径側凹部14と内径側凸部15および外径側凹部16からなる結合部を設けたことにより、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、一方の環状体10と他方の環状体10が相互に軸方向外側へ離隔してポケット12が開こうとしても、前述の結合部により玉4をポケット12内に収容した状態を維持することが容易となる(図6参照)。
この実施形態の結合構造では、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aの傾斜角度θ(図4および図5参照)を5°以上とする必要がある。このように傾斜角度θを設定することにより、高回転により大きな遠心力が負荷された時の係合面13a,15aの変形を抑制することが容易となり、係合面13a,15aに反力の軸方向成分を確実に作用させることができて二枚の環状体10の結合力を確保することが容易となる。なお、係合面13a,15aの傾斜角度θが5°よりも小さいと、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、係合面13a,15aの変形を抑制することが困難となり、係合面13a,15aに反力の軸方向成分を確実に作用させることが難しくなる。
また、この結合構造では、図7および図8に示すように、内径側凸部15を外径側凸部13よりも厚肉にしている(tIN>tOUT)。このように内径側凸部15を外径側凸部13よりも厚肉にすることにより、高回転により大きな遠心力が負荷された際、外径側凸部13よりも厚肉にした内径側凸部15の質量が外径側凸部13よりも大きいことから、その内径側凸部15が外径側凸部13よりも大きく変形する。ここで、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aは、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜していることから、内径側凸部15の変形は、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aでの結合力を高めるように作用する。
図10〜図13は本発明の他の実施形態を示す。なお、図10は結合前の二枚の環状体10を示し、図11は図10のE−E線に沿う断面である。また、図12は結合後の二枚の環状体10を示し、図13は図12のF−F線に沿う断面である。この実施形態では、環状体10のポケット12の内周面に凹部18を周方向に沿う溝状に設けている。この凹部18は環状体10のポケット12の軸方向両側に形成したことにより、ポケット12の内周面における玉4との接触面積を低減することができるので、玉4とポケット12の内周面との間に形成される油膜量を少なくすることができる。玉4の転動時に剪断する油膜量が少なくなることから、玉4による潤滑油の剪断抵抗をより一層低減することが可能となる。
さらに、図14は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態では、環状体10の軸方向端部の内径側および外径側に、径方向に延びる鍔部20を設けると共に、内輪2および外輪3の鍔部20と対応する部位に、鍔部20とでラビリンス19が形成される凹溝21を形成している。前述の鍔部20は、軸方向と直交する方向に延びるように形成され、これに対して、凹溝21は、内外輪2,3の軸方向端部を段差状に凹ますようにして形成されている。
このような構造とすることにより、保持器5の鍔部20と内外輪2,3の凹溝21との間にラビリンス19を形成することができ、この鍔部20および凹溝21で構成されたラビリンス19により軸受内部に流入する潤滑油の量を低減させることができるので、その潤滑油の剪断抵抗をより一層小さくすることができる。また、環状体10に一体的に設けられた鍔部20と内外輪2,3に一体的に形成された凹溝21とでラビリンス19を形成しているので、保持器5と内外輪2,3の形状変更だけで済むため、部品点数および組立工数の削減が図れてコスト低減化が容易となる。
なお、以上で説明した環状体10は、保持器5の軽量化を図るために合成樹脂製としている。この環状体10を構成する合成樹脂としては、コスト面や耐油性の点を考慮すれば、ポリアミド樹脂(PA46、PA66、PA9T、PA11、PA6等)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)あるいはポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)から選択されたいずれか一つが好適である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 玉軸受
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 保持器
10 環状体
11 柱部
12 ポケット
13 外径側凸部
13a 係合面
14 内径側凹部
15 内径側凸部
15a 係合面
16 外径側凹部
17 孔
18 凹部
20 鍔部
θ 傾斜角度
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 保持器
10 環状体
11 柱部
12 ポケット
13 外径側凸部
13a 係合面
14 内径側凹部
15 内径側凸部
15a 係合面
16 外径側凹部
17 孔
18 凹部
20 鍔部
θ 傾斜角度
Claims (10)
- 軸方向に向き合う二枚の環状体の対向面に玉を収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に形成し、隣接する前記ポケット間に位置する柱部の対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させた玉軸受用保持器であって、前記環状体の柱部に、その軸方向に貫通する孔を設けたことを特徴とする玉軸受用保持器。
- 前記環状体のポケットの内周面に凹部を設けた請求項1に記載の玉軸受用保持器。
- 前記環状体の軸方向端部に、径方向に延びる鍔部を設けた請求項1又は2に記載の玉軸受用保持器。
- 一方の環状体のポケットの周方向端部外径側を軸方向に延出させて外径側凸部を形成してその内周面を前記玉と当接可能にすると共に内径側を凹ませて内径側凹部を形成し、かつ、他方の環状体のポケットの周方向端部内径側を軸方向に延出させて内径側凸部を形成してその内周面を前記玉と当接可能にすると共に外径側を凹ませて外径側凹部を形成し、前記外径側凸部を外径側凹部に挿入すると共に前記内径側凸部を内径側凹部に挿入することにより前記外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させ、前記外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させた請求項1〜3のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
- 前記外径側凸部と前記内径側凸部との係合面の傾斜角度を5°以上とした請求項4に記載の玉軸受用保持器。
- 前記内径側凸部を前記外径側凸部よりも厚肉にした請求項4又は5に記載の玉軸受用保持器。
- 前記ポケットの一方の周方向端部に外径側凸部および内径側凹部を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部および外径側凹部を形成した請求項4〜6のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
- 前記環状体は合成樹脂製である請求項1〜7のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
- 前記合成樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂あるいはポリフェニレンサルファイド樹脂から選択されたいずれか一つである請求項8に記載の玉軸受用保持器。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の保持器と、互いに相対回転する外輪および内輪と、前記外輪と内輪との間に介在する玉とを備えた玉軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010253900A JP2012102845A (ja) | 2010-11-12 | 2010-11-12 | 玉軸受用保持器および玉軸受 |
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JP2010253900A JP2012102845A (ja) | 2010-11-12 | 2010-11-12 | 玉軸受用保持器および玉軸受 |
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JP2012102845A true JP2012102845A (ja) | 2012-05-31 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015230077A (ja) * | 2014-06-06 | 2015-12-21 | Ntn株式会社 | 固体潤滑転がり軸受及び同軸受用樹脂保持器 |
KR102075475B1 (ko) * | 2018-12-27 | 2020-02-10 | 셰플러코리아(유) | 볼 베어링용 케이지 |
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2010
- 2010-11-12 JP JP2010253900A patent/JP2012102845A/ja active Pending
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