JP6892787B2 - 冠型保持器及びそれを備えた転がり軸受 - Google Patents

冠型保持器及びそれを備えた転がり軸受 Download PDF

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この発明は、冠型保持器及びそれを備えた転がり軸受に関する。
転がり軸受の内輪及び外輪の間に配置された転動体を保持する樹脂製保持器として、いわゆる冠型の保持器が知られている。冠型保持器は、転動体としての玉を保持するためのポケットが周方向に等間隔で複数形成されており、各ポケットは、玉を挿入するために軸方向一方向側に開口した形状となっている。
冠型保持器を用いた転がり軸受が高速で回転すると、遠心力によってポケットの開口が開くように変形し、保持器と玉、もしくは保持器と外輪とが干渉して転がり軸受の回転トルクが増大したり、転がり軸受が焼き付いたりする虞があった。
高速回転する軸受として、例えば、自動車補機用軸受が挙げられる。昨今、自動車の分野では、エンジンルームの省スペース化が進み、エンジン本体のサイズはそのままにエンジンに付随する補機の小型化を図りたいという要求又はエンジンベルトを支持するプーリ径を縮小したいという要求がある。エンジンベルトの速度をそのままにしつつプーリ径を縮小すると、プーリを回転自在に支持するプーリ用軸受の回転速度は大きくなる。具体的には10000[rpm]以上(例えば、20000[rpm])に達することもある。このように、自動車分野では、軸受の高速化が進む傾向にあり、保持器に作用する遠心力も大きい。
特許文献1には、軸方向に二分割されている円環状の一対の分割体からなる樹脂製保持器を用いた転がり軸受が提案されている。図14〜図17に従いこの転がり軸受について説明する。
図14は、上記の特許文献1に記載された従来の転がり軸受の樹脂製保持器を示す斜視図、図15は、図14の樹脂製保持器を用いた転がり軸受の断面図、図16は樹脂製保持器の分割体の一部を示す斜視図、図17は、図16の分割体の一部を示す平面図である。
図15において、この転がり軸受は、内径面に軌道面103が形成されている外輪102と、外径面に軌道面105が形成されている内輪104と、これら軌道面103、105間に設けられている複数の玉(転動体)106と、これら玉106を転動自在に保持する保持器100とを備えている。
保持器100は、軸方向に2分割された構造である。具体的には、この保持器100は、円環状に形成された一対の合成樹脂からなる分割体110を組み合わせることによって構成されている。
図14に示すように、この保持器100には、周方向に一定の間隔をあけて複数のポケット107が形成されている。ポケット107は、玉106(図15参照)の直径よりも僅かに大きな直径を有する球の表面に沿った凹状の部分球形状を有している。そして、このポケット107に玉106が収容され、回転自在に保持される。
図14、図16及び図17に示すように、この分割体110は、ポケット部111と連結部112とを周方向に交互に備えている。ポケット部111は、ポケット107(図14参照)を構成するための半割ポケット面113が形成されている部分である。連結部112は、相手側の分割体110の連結部112と連結させるための部分である。分割体110は、ポケット部111と連結部112とをそれぞれ8個ずつ備えている。
連結部112には、軸方向に対して垂直な面である連結面114が形成されている。そして、一対の分割体110は、それぞれの連結面114同士が突き合わされた状態で連結されている(図14参照)。
図16及び図17に示すように、連結部112には、連結面114から軸方向に突出する係合爪115と、連結面114から軸方向に窪み、他方の連結部112に形成された係合爪115が挿入される係止溝116が形成されている。また、分割体110の連結面114には、連結面114から軸方向に突出する凸部122と連結面114から軸方向に窪み、他方の連結部114に形成された凸部122が挿入される凹部123が設けられている。
図17に示すように、一方の連結部112における凸部122と他方の連結部114の凹部123の位置を合わせ、そして、各連結部112における係合爪115が、相手側の連結部112の係止溝116に係合させることで、一対の分割体110が軸方向に離れることなく連結される。これにより、遠心力による変形を抑制するものである。
しかしながら、上記した保持器100は、連結部112に形成された軸方向に窪んだ係止溝116内で係合爪115を係合するように構成しているので、係合爪118と係止溝116を設ける連結部112の形状が複雑となり、それに伴い分割体110を製造するための金型形状も複雑になり、金型の費用が高くなってしまうという問題があった。
また、一対の分割体110を組み立てる際に、係合爪115と係止溝116の位置を合わせる必要があり、組み立てが煩わしいという問題があった。
特開2016−138617号公報
この発明は、形状を複雑にすることなく、遠心力によって変形することを抑制すると共に、組み立ても容易な冠型保持器を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、一側面に一部が開放されて内部に玉を保持するポケットが円周方向の複数箇所に形成された保持器本体と、前記保持器本体に連結されるリング状の連結部材とを備え、前記保持器本体は、前記ポケットの一方向に前記玉を挿入するために設けられた開口部と、前記開口部の周方向の開口縁両端の先端部の内径部分からそれぞれ軸方向に延びて形成された係止部と、前記係止部の先端側に設けられた係止溝と、を有し、前記連結部材は、その内径面に前記保持器本体の前記係止溝と係合する係止突起と有し、前記保持器本体の前記係止部に前記連結部材を係合させて連結させることを特徴とする。
また前記係止溝は軸方向の外側が深く内側に向かって浅くなるテーパー形状に形成され、前記連結部材の係止突起は、前記係止溝の形状に合わせたテーパー形状に形成されているように構成すればよい。
また、この発明は、一側面に一部が開放されて内部に玉を保持するポケットが円周方向の複数箇所に形成された保持器本体と、前記保持器本体に連結されるリング状連結部材とを備え、前記保持器本体は、前記ポケットの一方向に玉を挿入するために設けられた開口部と、前記開口部の周方向の開口縁両端の先端部の内径部分からそれぞれ軸方向に延びて形成された係止部と、前記係止部の先端側に設けられた係止突起と、を有し、前記連結部材は、その内径面に前記保持器本体の前記係止突起と係合する係合溝を有し、前記保持器本体の前記係止部に前記連結部材を係合させて連結させることを特徴とする。
また、前記ポケットの内面は、前記玉の外面に沿った凹球面状の曲面形状に形成され、前記連結部材の玉と対向する面には、前記ポケット内面の曲面形状に合わせた凹部が形成されているように構成すればよい。
また、前記連結部材の幅が外径側に向かうにつれて狭くなっているように構成すればよい。
前記係止部の先端に面取り部を形成するとよい。
また、前記連結部材の軸方向側面には、開口が設けられるとよい。
また、前記連結部材は、樹脂製のリング部材で形成することができる。
また、外輪と、内輪と、外輪の内径面に形成された軌道溝と内輪の外径面に形成された軌道溝との間に組み込まれた複数の玉と、玉を保持する保持器とを備えた転がり軸受において、前記保持器として、上記に記載の冠型保持器を用いることを特徴とする。
また、前記連結部材の外径側に外輪内径面に向けて延びるフランジが設けられるとよい。
本願発明は、保持器本体と、リング状の連結部材とを別部品で構成し、前記保持器本体に軸方向に延びて設けられた係止部の先端側に設けられた係止溝に、連結部材の内径面に設けた係止突起を係合させ、保持器本体と連結部材を連結するので、保持器の遠心力による変形を抑制することができる。また、簡単な構造で保持器に形成できるので、当該保持器の製造に用いる金型の構造も簡易にでき、コストの上昇を抑えることができる。さらに、保持器本体と連結部材との係合も位置合わせさせることなく、係止部の先端側に設けられた係止溝に、連結部材の係止突起を係合させるため、保持器の組み立ても容易となる。
また、本願発明の別の態様は、保持器本体と、リング状の連結部材とを別部品で構成し、前記保持器本体に軸方向に延びて設けられた係止部の先端側に設けられた係止突起に、連結部材の内径面に設けた係合溝を係合させ、保持器本体と連結部材を連結するので、保持器の遠心力による変形を抑制することができる。また、簡単な構造で保持器に形成できるので、当該保持器の製造に用いる金型の構造も簡易にでき、コストの上昇を抑えることができる。さらに、保持器本体と連結部材とのの係合も位置合わせさせることなく、係止部の先端側に設けられた係止突起に、連結部材の係止溝を係合させるため、保持器の組み立ても容易となる。
この発明の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して示す縦断正面図である。 この発明の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を切り欠いた斜視図であり、シール部材は取り除いている。 図2のIIIで囲んだ部分の拡大図である。 この発明の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して断面図であり、シール部材は取り除いている。 この発明の実施形態に係る冠型保持器を示す斜視図である。 この発明の実施形態に係る冠型保持器の一部を示す平面図である。 この発明の第2の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して断面図であり、シール部材は取り除いている。 この発明の第3の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して断面図であり、シール部材は取り除いている。 この発明の第4の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して断面図であり、シール部材は取り除いている。 この発明に用いられる連結部材の変形例を示す斜視図である。 この発明の第5の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して断面図であり、シール部材は取り除いている。 この発明の第6の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して示す縦断正面図である。 この発明の転がり軸受をアイドラプーリに用いた例を示す模式図である。 従来の転がり軸受の樹脂製保持器を示す斜視図である。 図14の樹脂製保持器を用いた転がり軸受の断面図である。 従来の樹脂製保持器の分割体の一部を示す斜視図である。 図16の分割体の一部を示す平面図である。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を拡大して示す縦断正面図、図2は、この発明の実施形態に係る冠型保持器を用いた転がり軸受の一部を切り欠いた斜視図であり、シール部材は取り除いている。図3は、図2のIIIで囲んだ部分の拡大図である。これらの図において、冠型保持器の保持器本体と連結部材の部分については、保持器本体と連結部材とが係合している部分で断面にしている。
図1に示すように、この実施形態の冠型保持器が用いられる転がり軸受1は、外輪2と、内輪3と、外輪2の内径面に形成された軌道溝4と内輪3の外径面に形成された軌道溝5との間に組み込まれた複数の玉(転動体)6と、玉6を保持する保持器7と、外輪2と内輪3との間の軸受内部空間をシールするシール部材10とを備えたものである。本実施形態の転がり軸受1は、深溝玉軸受である。また、本実施形態の転がり軸受1は、外輪回転用軸受である。なお、転がり軸受は、内輪回転用軸受であってもよい。外輪2及び内輪3によって形成される環状の軸受内部には、グリース(図示せず)が封入されている。玉6は鋼球からなり、保持器7は、冠型樹脂製保持器である。
保持器7は、例えばポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂からなる。後述するように、この実施形態の保持器7は、保持器本体70と、この保持器本体70とは別体に形成されたリング状連結部材20とで構成される。
以下、転がり軸受1の軸受中心軸に沿った方向を軸方向、軸方向に直交する方向を径方向という。また、軸受中心軸回りの円周方向を周方向という。
外輪2の内径面の両端部には、一対のシール嵌合溝8が形成され、一方、内輪3の外径面には、上記一対のシール嵌合溝8と径方向に対向する一対のシール溝9が形成されている。
シール部材10は、環状の芯金11と、この芯金11に加硫成型により一体に形成されたゴム状部材12とで構成される。外輪2のシール嵌合溝8にゴム状部材12の外径部12aが嵌め込まれている。シール部材10の内径側にはシールリップ12bが設けられ、このシールリップ12bが内輪3のシール溝9に摺接する。
図5及び図6に示すように、保持器7の保持器本体70は、内部に玉6を保持するポケット71を環状体72の周方向に等間隔で複数形成された冠形状のものである。各ポケット71には、玉6を組み込むために軸方向の一方側に開口部73が設けられている。各ポケット71の内面は、玉6の外面に沿った凹球面状の曲面形状に形成されている。
開口部73の周方向両端には、周方向に対面する一対の先端部(以下、つの部と呼ぶこともある)74が設けられている。先端部74は、ポケット71の開口から保持器軸方向の一方側(環状体72とは反対側)に突出している。そして、先端部74には、保持器軸方向の一方向側に突出する係止部75が設けられている。係止部75は、その先端がシール嵌合溝8と軸方向に重なる位置まで延びており、具体的には、ゴム製部分12の外径部12aと軸方向に重なる位置まで延びている。この係止部75の径方向の幅は、先端部74の径方向の幅に対して略半分の大きさである。
この係止部75の先端側には、係止溝76が設けられている。この係止溝76は、係止部75のうち外径面の先端側を窪ませてなる。係止溝76は、シール嵌合溝8と軸方向に重なっている。本実施形態では、係止溝76は、半円状に形成されている。各係止部75に設けられた係止溝76は、同一円周上に位置するように設けられている。図1〜図4に示すように、この係止溝76にリング状の連結部材20を嵌め込むことで、保持器本体70のポケット71(の開口部73)及びつの部74が遠心力により変形することを抑制することができる。この実施形態においては、連結部材20は合成樹脂により形成されている。
図1〜図4に示すように、連結部材20の内径面には、係止溝76に嵌まり込む半円状の係止突起21が設けられている。係止突起21は、連結部材20の内径面の中央部分から係止溝76の形状に合わせて内周面全面に突出して形成されている。そして、係止突起21の軸方向内側の連結部材20の内周面は、係止部75の係止部75に当接する。そして、図3、図4及び図5に示すように、係止部75の先端側には、面取り部77が係止溝76に隣接して(係止溝76に対して軸方向外側)形成されている。連結部材20を係止部75の先端側から係合させるとき、面取り部77により、連結部材20の係止突起21が係止溝76に挿入することを容易にしている。
図1及び図4に示すように、連結部材20の玉6と軸方向に対向する面には、ポケット71の内面と同じ曲面形状の凹部22が形成されている。このように、連結部材20にポケット71の内面と同様に、玉6の形状に合わせた曲面形状の凹部22を設け、ポケット71の開口部73側にポケット形状の一部が形成された連結部材20で開口部73を閉じるように構成されている。
図1〜図4に示すように、保持器本体70の係止溝76に連結部材20の係止突起21を係合させて、保持器本体70のポケット71に収容された玉6に所定の間隔を隔てて連結部材20が保持器本体70の係止部75に連結される。
図1に示すように、この実施形態では、保持器本体70のポケット71の径中心と連結部材20の凹部22の中心が一致するように、係止部75の径方向の幅と連結部材20の径方向の幅が決められている。
この実施形態においては、玉6の中心から軸方向の保持器本体70の環状体72の外側端部までの距離(a)と連結部材20の軸方向の外側端部までの距離(a)は、同じにしている。そして、環状体72の外側端部とシール部材10の内側端面との間、環状体72の外側端部と連結部材20の外側端部との間にはそれぞれ、互いに非接触となるように隙間が設けられている。
図1及び図4に示すように、連結部材20は、外輪2の内径面とシール部材10に対して、隙間を有するような外径を有する。そして、保持器本体70の係止部75は、内輪3の外径面とシール部材10に対して、隙間を有するような外径を有する。
このように、本実施形態では、保持器7は、保持器本体70と、保持器本体70とは別部品のリング状の連結部材20とによって構成されている。連結部材20は、その係止突起21が、保持器本体70の係止部75に係合することで、ポケット71(開口部73)およびつの部74の遠心力による変形を抑制することができる。
また、連結部材20と保持器本体70に設けた係止部75との連結は、係止部75に設けた係止溝76とリング状の連結部材20の内径面に設けた係止突起21により行われるので、保持器本体70に複雑な形状の係止部75を形成する必要は無い。同様に、連結部材20も単純な形状でよい。このため、金型も簡易なもので済ますことができる。さらに、保持器本体と連結部材とのの係合も位置合わせさせることなく、係止部の先端側に設けられた係止突起に、連結部材の係止溝を係合させるため、保持器の組み立ても容易となる。
本実施形態の転がり軸受1は、自動車補機用転がり軸受として用いられる。自動車補機の一例として、自動車補機の駆動ベルトのベルトテンショナーとして用いられるアイドラプーリを図13に示す。図13は、アイドラプーリの構造の断面図である。アイドラプーリ(以下、単にプーリと呼ぶ)は、例えば、オルタネータ又はコンプレッサ等の自動車補機の駆動ベルトを案内する。
図13に示す通り、プーリは、鋼板製のプーリ本体51と、プーリ本体51の内径に嵌合された転がり軸受1とで構成されている。プーリ本体51と転がり軸受1とでプーリ付き軸受が構成される。プーリ本体51は、環状体である。プーリ本体51は、内径円筒部51aと、内径円筒部51aの一端から外側に延びたフランジ部51bと、フランジ部51bから軸方向に延びた外径円筒部51cと、内径円筒部51aの他端から内径側に延びた鍔部51dとを有している。内径円筒部51aの内径には、密封型転がり軸受1の外輪2が嵌合され、外径円筒部51cの外径にはエンジンによって駆動されるベルトと接触するプーリ周面51eが設けられている。このプーリ周面51eをベルトに接触させることにより、プーリがアイドラとしての役割を果たす。
また、プーリ用軸受は、高速回転の条件が使用されることが多い。保持器7に作用する遠心力も大きい。特に、近年では、自動車の省スペース化に伴い、転がり軸受のサイズはそのままでプーリの内径を縮小する傾向にある。エンジンの回転数自体に変更はないので、エンジンクランクとプーリの比率のみが増え、プーリの回転数の増加に伴い、転がり軸受の回転数も増加するため、当該軸受は限界回転数に近い高速条件下で使用される傾向にある。このような高速回転に伴い、転がり軸受1の保持器7には、過大な遠心力が作用するが、本実施形態の冠型保持器7は、上記したように、保持器本体70と、保持器本体70とは別部品のリング状の連結部材20とによって構成され、連結部材20の係止突起21が、保持器本体70の係止部75に係合しているので、保持器本体70のポケット71(の開口部73)及びつの部74が径方向(外径側)に開くように変形することを抑制することができる。
なお、転がり軸受1は、プーリ用軸受に限らず、他の自動車補機用途として用いられてもよい。例えば、転がり軸受1は、フライホイールダンパ用軸受として用いられてもよい。また、転がり軸受1は、自動車補機用途に限らず、トランスミッション又はデファレンシャルのギヤを支持する軸受であってもよいし、電動車両又はハイブリッド車両に搭載されるモータの回転軸を支持する軸受等であってもよい。
次に、この発明の第2の実施形態につき、図7を参照して説明する。図7に示すように、この第2の実施形態の連結部材20aには、その外径面の軸方向外端部に外輪2の内径面に向けて延びるフランジ23が設けられている。フランジ23の外径端部と外輪2の内径面との間には隙間が形成されている。フランジ23と外輪2の内径面との間の隙間は、係止部75の肉厚よりも小さい。フランジ23が設けられることにより、軸受内部へ流入する潤滑油の量を制限して、攪拌抵抗の増加を抑制し、低トルク化を図っている。
次に、この発明の第3の実施形態につき、図8を参照して説明する。図8に示すように、この第3の実施形態は、連結部材20bは、連結部材20bの幅が外径側に向かうにつれて狭くして、連結部材20bの重心を内径側に位置させている。このように、連結部材20bの重心を内径側とすることで、遠心力の影響を受けにくい構造にしている。
次に、この発明の第4の実施形態につき、図9を参照して説明する。図9に示すように、この第4の実施形態では、係止部75に設けた係止溝76aを軸方向の外側が深く内側に向かって浅くなるようなテーパー形状に形成している。連結部材20に設ける突起20cも係止溝76aの形状に合わせて、軸方向の外側が長く、内側に向かって短くなるようなテーパー状に形成している。このように、軸方向の外側が深く(長く)、内側に向かって浅く(短く)することで、連結部材20を取り付ける際には、短い係止突起21c側から挿入されることになるので、連結部材の保持器本体に対する挿入性を向上することができる。そして、挿入後は軸方向外側が互いに接触面積が大きい状態で挿入されることになり、連結部材20の抜けに対する強度も向上させることができる。
図10は、この発明に用いられる連結部材20の変形例を示している。図10に示すように、連結部材20の軸方向側面には、周方向等間隔に開口24が設けられていることで、当該連結部材20の軽量化が図られている。このように、連結部材20を軽量化することで、保持器に作用する遠心力の影響を少なくすることができる。
次に、この発明の第5の実施形態につき、図11を参照して説明する。上記した各実施形態においては、連結部材20は、合成樹脂により形成されている。これに対して、第5の実施形態は、鉄製のリング部材で連結部材20dを形成している。鉄製にすることで、合成樹脂製のものよりも強度が高くなる。また、強度が高いので、連結部材20dの幅を狭くでき、コストを低減化することができる。
次に、この発明の第6の実施形態につき、図12を参照して説明する。上記した各実施形態においては、係止部75に係止溝76、連結部材20に係止突起21を設けている。これに対して、この第6の実施形態においては、係止部75に外径方向に突出する半円状の係止突起76eを設けている。そして、連結部材20の内径側に係止突起76eと係合する係止溝20eを設けている。係止部75の係止突起76eと連結部材20の係止溝20eを係合させることにより、保持器本体70と連結部材20とを連結させている。このように、係止部75と連結部材20の係合における雌雄の組み合わせは変更してもよい。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
1 :転がり軸受
2 :外輪
3 :内輪
4、5 :軌道溝
6 :玉
7 :保持器
8 :シール嵌合溝
9 :シール溝
10 :シール部材
20 :連結部材
21 :係止突起
71 :ポケット
72 :環状体
73 :開口部
74 :先端部
75 :係止部
76 :係止溝

Claims (8)

  1. 一側面に一部が開口されて内部に玉を保持するポケットが円周方向の複数箇所に形成された樹脂製の保持器本体と、前記保持器本体に連結されるリング状の連結部材とを備え、
    前記保持器本体は、前記ポケットの一方向に前記玉を挿入するために設けられた開口部と、前記開口部のうち周方向の開口縁両端の先端部からそれぞれ軸方向に延びて形成された係止部と、前記係止部の先端側に設けられた係止溝と、を有し、
    前記連結部材は、その内径面に前記保持器本体の前記係止溝と係合する係止突起を有し、
    前記係止溝は、軸方向の外側が深く内側に向かって浅くなるテーパー形状に形成され、
    前記連結部材の前記係止突起は、前記係止溝の形状に合わせたテーパー形状に形成され、
    前記保持器本体の前記係止部に前記連結部材を係合させて連結させることを特徴とする冠型保持器。
  2. 前記ポケットの内面は、前記玉の外面に沿った凹球面状の曲面形状に形成され、前記連結部材の玉と対向する面には、前記ポケット内面の曲面形状に合わせた凹部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の冠型保持器。
  3. 前記連結部材の幅が外径側に向かうにつれて狭くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の冠型保持器。
  4. 前記係止部の先端に面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の冠型保持器。
  5. 前記連結部材の軸方向側面には、開口が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の冠型保持器。
  6. 前記連結部材は、樹脂製のリング部材であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の冠型保持器。
  7. 外輪と、内輪と、前記外輪の内径面に形成された軌道溝と前記内輪の外径面に形成された軌道溝との間に組み込まれた複数の玉と、前記玉を保持する保持器と、を備え、
    前記保持器は、請求項1〜の何れか1項に記載の冠型保持器であることを特徴とする転がり軸受。
  8. 前記連結部材の外径側に外輪内径面に向けて延びるフランジが設けられていることを特徴とする請求項に記載の転がり軸受。
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